JP3709617B2 - Heat exchanger mounting structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、室内に吹き出す空気の流路をなす空調ケーシング内にヒータコア等の熱交換器を取り付けるための熱交換器の取付構造に関するものであり、車両用空調装置に適用して有効である。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱交換器を空調ケーシング内に取り付ける場合には、空調ケーシングの内壁と接触する熱交換器の部位に、ウレタンフォーム等の弾性部材からなるパキンを手作業にて貼り付け、このパッキンの変形により空調ケーシングの製造公差と熱交換器の製造公差との差を吸収していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このため、パッキンの材料費およびパッキンを熱交換器に貼り付ける工数が発生してしまい、空調装置の製造原価低減を妨げていた。
本発明は、上記点に鑑み、空調ケーシングの製造公差を吸収するためのパッキンを廃止することができる熱交換器の取付構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項1〜5に記載の発明では、空調ケーシング(1)のうち熱交換器(3)の空気上流側および下流側の一方側からタンク部(32)に接触する部位に形成され、前記タンク部(32)を押圧することにより熱交換器(3)を空調ケーシング(1)に固定する第1凸部(1a)と、空調ケーシング(1)のうち熱交換器(3)の空気上流側および下流側の他方側に設けられ、タンク部(32)の長手方向全域に渡ってタンク部(32)に接触するタンク受け部(1b)とを有し、タンク部(32)と接触する前記第1凸部(1a)は、タンク部(32)の長手方向に複数形成され、それぞれの先端は、前記タンク部(32)を押圧する押圧力により変形し、複数の第1凸部(1a)がタンク部(32)に及ぼす押圧力によって、タンク部(32)の長手方向全域に渡ってタンク部(32)がタンク受け部(1b)に押圧されていることを特徴とする。
【0005】
これにより、タンク部(32)を押圧する押圧力によって第1凸部(1a)の先端が変形し、熱交換器(3)が空調ケーシング(1)内に固定されているので、空調ケーシング(1)の製造公差を第1凸部(1a)の変形によって吸収することができる。したがって、空調ケーシング(1)の製造公差を吸収するパッキンを廃止することができるので、空調装置の製造原価低減を図ることができる。また、タンク部(32)の長手方向に形成された複数の第1凸部(1a)がタンク部(32)に及ぼす押圧力によって、タンク部(32)の長手方向全域に渡ってタンク部(32)がタンク受け部1bに押圧されているので、空調ケーシング(1)内を流通する空気が熱交換器(3)を迂回して熱交換器(3)の下流側に流れることを防止することができる。
【0006】
請求項2に記載の発明では、第1凸部(1a)の断面積は、空調ケーシング(1)の壁面から第1凸部(1a)の先端に向かうほど小さくなっていることを特徴とする。
これにより、タンク部(32)との接触部での第1凸部(1a)に発生する応力を高めることができる。したがって、タンク部(32)との接触する第1凸部(1a)の先端が変形し易くなるので、より確実に空調ケーシング(1)の製造公差を吸収して熱交換器(3)を空調ケーシング(1)内に固定することができる。
【0007】
また、第1凸部(1a)の根元(空調ケーシング1の内壁)側の断面積は、先端に比べて大きくなっているので、第1凸部(1a)の剛性を向上させることができる。したがって、タンク部(32)との接触する第1凸部(1a)の先端での変形し易さを維持しながら第1凸部(1a)の剛性を向上させることができるので、より確実に空調ケーシング(1)の製造公差を吸収しつつ、熱交換器(3)を空調ケーシング(1)内に確実に固定することができる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、複数の第1凸部(1a)は、熱交換器(3)の空気上流側からタンク部(32)に接触し、タンク受け部(1b)は、熱交換器(3)の空気下流側に形成され、熱交換器(3)の自重が前記タンク受け部(1b)に作用するようになっていることを特徴とする。これにより、タンク受け部(1b)に作用する熱交換器(3)の自重によってタンク受け部(1b)の面圧が上昇するので、タンク受け部(1b)での密閉性を向上させることができる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、タンク部(32)の外壁のうち、空調ケーシング(1)の外側に面する壁面と、空調ケーシング(1)の内壁との間には、前記空調ケーシング(1)の内壁に形成された第3凸部(1e)の先端が前記タンク部(32)の壁面に接触することによって空隙(1d)が形成されていることを特徴とする。これにより、空隙(1d)が断熱層となり、熱交換器(3)と空調ケーシング(1)外の空気との間で熱交換が行われることを抑制することができる。したがって、熱交換器(3)と空調ケーシング1内を流通する空気との間で熱交換をより多く行うことができるので、空調装置の熱交換効率の向上を図ることができる。
【0010】
請求項5に記載の発明では、空調ケーシング(1)の内壁のうち補強プレート(35)の溝部(36)に対応する部位には、溝部(36)の底部(36a)に向かって突出するとともに、補強プレート(35)の長手方向に延びる第2凸部(1c)が形成されていることを特徴とする。
これにより、第2凸部(1c)と溝部(36)の凹形状とにより、迷路構造が形成される。したがって、この迷路構造により、熱交換器(3)のコア部(31)を迂回して補強プレート(35)と空調ケーシング(1)の内壁との隙間を流通する空気の量を減少させることができ、空調装置の熱交換効率の向上を図ることができる。
【0011】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明を車両用空調装置(カーエアコン)に適用した実施形態における通風系の全体構成を示すものである。1は空調装置の空気流路を構成する、ポリプロピレン等の成形性に優れた樹脂製の空調ケーシングであって、この空調ケーシング1は通常、車室内前部の計器盤(図示せず)内に設置される。この空調ケーシング1内には、図1の右上部(車両前方側の上部)に、送風手段としての送風機2が配設されている。
【0013】
この送風機2はモータにより駆動される周知の遠心多翼ファンにて構成されており、この空調ケーシング1に連結された図示しない吸気側ダクトを通して空調ケーシング1内部に空気を吸入して矢印A方向に送風するようになっている。
ここで、前記吸気側ダクトには、送風空気を冷却する冷却手段としてのエバポレータが配設されており、さらにこのエバポレータの空気上流側に内気取入口及び外気取入口が設けられているとともに、それら取入口のいずれかを開口させる内外気切替ドアが設けられている。前記エバポレータは、車両エンジンにより駆動される圧縮機を持つ冷凍サイクル中に設けられ、冷媒の蒸発潜熱により送風空気を冷却するようになっている。
【0014】
また、図1に示すように、空調ケーシング1内には、図1の右側下部(車両前方側の下部)に、加熱手段としてのヒータコア(熱交換器)3が略水平方向に配設されている。このヒータコア3は、図2の(a)に示すように、空調ケーシング1内を流通する空気と車両エンジンの冷却水(温水)との間で熱交換を行う、略矩形状のコア部31、およびコア部31内を流通する冷却水を分配集合させるタンク部32とから構成されている。
【0015】
そして、コア部31は、周知の如く、冷却水が流通する複数本の偏平チューブ33と、これら複数本の偏平チューブ33間にろう付けされた波形状のコルゲートフィン34とから構成されている。また、偏平チューブ33は、その両端でタンク部32と連通しており、コア部31の端部のうち偏平チューブ33と平行な部位には、コア部31の補強部材をなすサイドプレート(補強プレート)35が2つのタンク部32を渡すように配設されている。
【0016】
また、サイドプレート35は、図2の(b)に示すように、サイドプレート35の長手方向に延びる2本の溝部36がプレス加工にて形成され、サイドプレート35の曲げ剛性を向上させている。なお、ヒータコア3の空調ケーシング1への取付構造については、後述する。
また、図1中、ヒータコア3の空気上流側部位には、エアミックスドア4が設けられており、このエアミックスドア4は、その回転軸4aを中心として図1の矢印X方向に回動することにより車室内へ吹き出す空気温度を制御する周知の手段である。なお、エアミックスドア4は、乗員の手動操作もしくは空調制御装置の自動温度制御信号により、空調条件に応じた開度に調整されるようになっている。
【0017】
このエアミックスドア4の開度に応じて、送風機2により矢印A方向に送風された空気のうち、ヒータコア3を通って温風通路100を矢印B方向に流れる温風と、ヒータコア3を通らずに冷風通路101を矢印C方向に流れる冷風の風量割合を調節するようになっている。なお、本例では、この冷風通路101と温風通路100は、ヒータコア3を中間にして図1の上下方向に並ぶように設けられている。そして、これら通路100、101を流れる冷風と温風は、ほとんどの場合、後述する円弧状のロータリードア91内にて良好にエアミックスされる。
【0018】
一方、前記空調ケーシング1において、図1の左上部分(車両後方側の上部)には、複数個、本例では3個の吹出空気通路開口部5、6、7が、後述するロータリドア91の回動する領域内に、ロータリドア91の回動方向(円周方向)に沿って隣接し並ぶように設けられている。従って、空調ケーシング1側の吹出空気通路開口部5、6、7を形成する仕切り壁先端は円弧面に成形されている。
【0019】
ロータリドア91の回動方向の中間に位置する吹出空気通路開口部5は、車室内計器盤の上方側に配設され乗員の上半身に向かって空気を吹き出すためのフェイス吹出口(図示しない)とフェイス吹出ダクト10によって連通されている。
ロータリドア91の回動方向において、最も車両後方側に位置する吹出空気通路開口部6は車室内計器盤の下方側に配設され乗員の下半身に向けて空気を吹き出すためのフット吹出口(図示しない)とフット吹出ダクト11によって連通されている。
【0020】
ロータリドア91の回動方向において、最も車両前方側に位置する吹出空気通路開口部7は、車室内計器盤の上面で、車両のガラス面に近接して配設され、車両のフロントガラスやサイドガラスの内面に向かって空調風を吹き出すためのデフロスタ吹出口(図示しない)とデフロスタダクト12によって連通されている。
【0021】
また、本実施形態では、フェイスダクト10とデフロスタダクト12は、両ダクトの中間部位の通風壁を共有することで車両用空調装置自体の小型化を図ると共に、両吹出空気通路開口部5、7の開口面積をなるべく大きくすることに寄与している。
上記した3個の吹出空気通路開口部5、6、7は、いずれも図1中紙面表面から裏面に向かった方向をその長手方向とした略長方形状に形成されている。
【0022】
そして、送風機2が駆動されると、内気あるいは外気が吸気側ダクトから吸込まれてエバポレータを通って空調ケーシング1内に導かれ、さらに空調ケーシング1内を矢印A、B、Cのように空気が流れて、冷風と温風の風量割合がエアミックスドア4の開度により調節されて、所望の吹出空気温度が得られる。そして、吹出空気はいずれかの吹出空気通路開口部5、6、7を介して車内の各吹出口から吹き出されるようになっている。なお、本実施の形態では、3つの吹出空気通路開口部5、6、7によって後述する5つの吹出モードを選択することができるようになっている。
【0023】
さて、上記空調ケーシング1内には、前記3つの吹出空気通路開口部5、6、7の開閉およびその開口面積を調節する空気通路切替装置9が設けられている。以下、空気通路切替装置9について、図3〜6を参照して詳述する。
この空気通路切替装置9は、本発明のロータリードア部をなすロータリドア91およびフィルム部材92を具備して構成されている。
【0024】
ロータリドア91は、例えば樹脂からなり、図3〜5に示すように、2枚のほぼ半円形の端板部91a、91aと、略180°の円弧範囲を持った円弧状をなす円周壁91bとを一体に有する、いわば縦割りの半円筒状をなしている。また、前記端板部91a、91aには、円周壁91bの円弧の曲率中心に位置して、軸方向外側に突出する回転軸91c、91cが設けられている。
【0025】
そして、前記円周壁91bには、図5等に示すように、軸方向に長細い4個のドア通風口91dが円周方向に並んでほぼ等間隔に形成されている。これにて、円周壁91bは、その円周方向両端部の2か所及び各ドア通風口91d相互間の3か所に軸方向に延びる細長い梁91eを有し、残りのほとんどの部分が開口した形態とされている。なお、半円形の端板部91a、91aには図3に示すように補強リブ91fが突出形成されている。
【0026】
また、ロータリドア91には、円周壁91bの円周方向の一端部(図示右側端部)にはフィルム部材92の円周方向の一端を取付けるためのピン部材(取付手段)91gが設けられている。このピン部材91gは円柱状のものであって、図5に示すようにロータリドア91の下端部から下方へ多数個突出しており、この多数のピン部材91gは軸方向に一列に並んでロータリドア91に一体成形されている。
【0027】
また、ロータリドア91の円周壁91bの円周方向の他端部(図示左側端部)には、スライド壁部91hが設けられている。このスライド壁部91hは、図5に示すようにロータリドア91の下端部から下方へ突出するとともに、このスライド壁部91hの外周面はフィルム部材92の形成する円弧形状に沿った円弧面に形成してあり、かつこのスライド壁部91hの外周面から外方側へ突出するようにして、多数のピン部材91iが軸方向に一列に並んで多数個一体成形されている。
【0028】
一方、前記フィルム部材92は、可撓性(柔軟性)があって、通気性がなく、しかも摩擦抵抗が小さい樹脂材料で成形されている。具体的には、本例では、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにて、フィルム部材92を成形している。ここで、フィルム部材92の剛性を後述の理由から高める必要があるため、本例では、厚さ188μmのPETフィルムを用いている。この厚さ188μmのPETフィルムの剛性を表す柔軟値は、JIS:L1096のループ圧縮法による測定値で、240g〜1930gの範囲とすることが好ましい。ちなみに、このループ圧縮法による柔軟値は、ループ状に曲げたフィルム部材92のループ形状部を所定量押圧変形させるのに必要な荷重であり、この柔軟値が大きい程、剛性が高いことを示している。
【0029】
フィルム部材92は、図6に示すように、ロータリドア91の円周壁91bの軸方向寸法とほぼ同等の幅寸法Mを有する全体として矩形状に形成されている。そして、このフィルム部材92の長さL方向の途中部位には、ドア通風口91dと常に連通しているフィルム開口部92aが形成されている。なお、図3(a)において、92a′はフィルム開口部92aの円周方向の開口範囲を示す。
【0030】
本例では、このフィルム開口部92aは、軸方向に一列に並んだ複数個の貫通孔にて構成されており、各フィルム開口部92aは細長のほぼ六角形状に形成され、六角形状の長手方向が前記長さL方向に向いている。また、フィルム開口部92aは、フィルム部材92がロータリードア91に取付られた状態においてロータリードア91の回動方向の最大長さが、フェイス用およびフット用の吹出空気通路開口部5、6の最大幅と略同等となっている。
【0031】
さらに、全てのフィルム開口部92aをまとめた形状および面積は、この吹出空気通路開口部5、6と略同等になっている。但し、実際には、各フィルム開口部92a相互間に位置する仕切り部が存在するため、フィルム開口部92aの方が若干小さくなっている。
これにより、図1、4に示すようにロータリドア91がフェイス用の吹出空気通路開口部5だけを開口する場合(フェイスモード時)、フェイス用の吹出空気通路開口部5とフィルム部材92のフィルム開口部92aとの開口縁が一致(ラップ)するため、フェイスモード時の通風抵抗を最小限にすることが可能となる。なお、フット用の吹出空気通路開口部6を全開する場合についても同様である。
【0032】
一方、このフィルム部材92の両端部分(図6で左右の縁辺部)のうち、右側の端部には、複数個の取付用孔92bが形成されている。この取付用孔92bは、具体的には、前記ピン部材91gに嵌合する円形孔で形成されている。また、左側端部には、複数個のスライド孔92cが形成されている。このスライド孔92cは前記スライド壁部91hのピン部材91iが移動可能に嵌合する長孔で形成されている。ここで、スライド孔92cは、その長孔の長手方向が、長さL方向に向くようにしてあるので、フィルム部材92がロータリドア91に円弧状に取付られた状態では、その円弧形状の円周方向に長孔の長手方向が向くことになる。スライド孔92cを構成する長孔の長手方向寸法は、フィルム部材92および空調ケーシング1の寸法ばらつきを十分、吸収し得る大きさに設定してある。
【0033】
フィルム部材92を、ロータリドア91の円周壁91bの外周側に円弧状に取付けるにあたっては、まず、図5に示すように、フィルム部材92の長さL方向の一方の端部を、取付用孔92bを含む所定長さだけ内径側に折曲げて、折り曲げ部92kを形成する。そして、この状態で、フィルム部材92をロータリドア91の円周壁91bの上方から被せ、フィルム部材92の一端側の円形取付用孔92bをピン部材91gに嵌合させる。一方、フィルム部材92の他端側の長孔状のスライド孔92cをスライド壁部91hのピン部材91iに嵌合させる。
【0034】
しかるのち、樹脂製のピン部材91gの頭部をフィルム部材92がロータリドア91の表面に圧着するまで熱かしめして、ピン部材91gの頭部をリベット状に拡大する。これにより、フィルム部材92の一端側の折り曲げ部92kをロータリドア91の円周壁91bの円周方向の一端部に固定することができる。すなわち、フィルム部材92の一端側の折り曲げ部92kは固定端となる。
【0035】
また、同様に、スライド壁部91hの樹脂製ピン部材91iの頭部を熱かしめするが、このピン部材91iの頭部の熱かしめ部はピン軸方向への変形量を僅少にすることにより、フィルム部材92とスライド壁部91hの外周面との間に隙間(図3、4参照)を形成する。これにより、フィルム部材92の円周方向の他端側は、ロータリドア91のスライド壁部91hの外周面に対して固定されず、スライド孔92cの長手方向の寸法の範囲内で円周方向への移動が自由となる。すなわち、フィルム部材92の円周方向の他端側は移動可能な自由端92dとなる。
【0036】
このように、フィルム部材92の円周方向の他端側を移動可能な自由端92dとすることにより、風圧、振動による過度な撓みがフィルム部材92に発生しないようにするため、前記したようにフィルム部材92として比較的剛性の高い(前記柔軟値が240g以上)材質を選定する必要がある。
また、フィルム部材92の長さ寸法(円周方向長さ)Lは、図4から理解されるように、空調ケーシング1側の吹出空気通路開口部5、6、7が形成されている円弧面(ロータリドア91の円周壁91bより所定量だけ曲率半径が大きい円弧面)と、ロータリドア91の平面開口部91jの延長線とが交差する範囲にて決定される仮想的な円周方向長さに、一端部の取付のための折曲げ部分と、他端部の長孔状のスライド孔92cを形成する部分を加算した長さよりも若干長く設定されている。
【0037】
これにて、フィルム部材92は、自身の剛性および内周側から受ける風圧によって、空調ケーシング1側の吹出空気通路開口部5、6、7が形成されている円弧面に沿う円弧形状に保持される。ここで、フィルム部材92は、図5に示す平板状のものを円弧形状に湾曲させる代わりに予め、円弧形状に成形されたものを使用することもできる。この円弧形状に成形されたフィルム部材92の方が、吹出空気通路開口部5、6、7を閉塞するためのシール機能が向上する。
【0038】
また、フィルム部材92の開口部92aは、ロータリドア91の3個の通風口91dのうち図1および図4で円周方向左端部から時計回り方向に2番目に位置するドア通風口91dにラップし、このフィルム開口部92a部分にてロータリドア部の内外周部が開通するようになっている。
以上のように構成されたロータリドア91は、両端板部91aの回転軸91cが、空調ケーシング1側の吹出空気通路開口部5,6,7が並ぶ円弧状内壁面の曲率中心に一致するようにして空調ケーシング1の壁部に回転可能に支持されており、そして、この場合、図1に示すように回転軸91aの一方にはレバー21が固着され、このレバー21の端部にコントロールケーブル22の一端が接続されている。このコントロールケーブル22の他端側は、車室内の空調制御パネル(図示せず)に設けられた吹出モード切替レバー(吹出モード切替操作手段)に連結されている。これにより、ロータリドア91は、吹出モード切替レバーの手動操作に基づいて回転方向(図1の矢印D及びE方向)に回転変位するようになっている。
【0039】
次に、ヒータコア3の空調ケーシング1への取付構造について述べる。
図7はヒータコア3を取り除いた状態での空調ケーシング1のF部(図1参照)の拡大図であり、図8は図7のG−G断面図である。図8中、1aはヒータコア3のタンク部32を空気上流側から押圧する第1凸部であり、この第1凸部1aは、その断面積が、空調ケーシング1の壁面から第1凸部1aの先端に向かうほど小さくなるように略三角形状に2つ形成され、その先端でタンク部32に接触している。
【0040】
そして、タンク部32の空気下流側には、タンク部32の長手方向全域に渡ってタンク部32に接触するタンク受け部1bが空調ケーシング1に形成されており、このタンク受け部1bは、第1凸部1aがタンク部32を押圧する押圧力によりタンク部32に密着している。
なお、前記押圧力は、第1凸部1aの先端が変形することにより発生しており、本実施形態では、第1凸部1aの先端は、ヒータコア3を空調ケーシング1に取り付けた際に、その先端がつぶれて一部塑性変形をしている(図9の(b)参照)。このため、第1凸部1aのの凸高さは、第1凸部1aが塑性変形した後、第1凸部1aの塑性変形によるスプリングバックによる弾性力にてヒータコア3を固定するのに十分な固定力が発生するように適宜決定する必要がある。
【0041】
因みに、本実施形態では、第1凸部1aは、図8に示すように、タンク部32の長手方向と直交する向きに延びるように形成したが、これは空調ケーシング1を成形する際の型抜きを考慮したものであって、タンク部32の長手方向に延びるように第1凸部1aを形成してもよい。
また、空調ケーシング1の内壁のうちサイドプレート35の溝部36に対応する部位には、図9に示すように、溝部36の底部36aに向かって突出するとともに、サイドプレート35の長手方向に延びる第2凸部1cが形成されており、この第2凸部1cの先端は、底部36aに接触している。
【0042】
さらに、タンク部32の外壁のうち空調ケーシング1の外側に面する壁面と、空調ケーシング1の内壁との間には、図8に示すように、空隙1dが形成されており、この空隙1dは、空調ケーシング1の内壁に形成された、タンク部32の長手方向に延びる第3凸部1e先端がタンク部32に接触することによって形成されている。
【0043】
なお、ヒータコア3は、図7に示すように、第2凸部1cと対向する部位に形成された開口部1fからサイドプレート35の溝部36の底部36aが第2凸部1cに接触するように、紙面右側から左側に向けて空調ケーシング1内に挿入されて空調ケーシング1内に固定されており、ヒータコア3の空調ケーシング1への挿入時に、第1凸部1aが、図9の(b)に示すように、第2凸部1c側に向けて変形する。
【0044】
因みに、ヒータコア3の空調ケーシング1への取付性を考慮すると、開口部1f側の第1凸部1aの凸高さを、第2凸部1c側の第1凸部1aの凸高さより僅かに低くするか若しくは同じにすることが望ましく、本実施形態では、開口部1f側の第1凸部1aの凸高さを僅かに低くした。
また、本実施形態では、ヒータコア3と開口部1fとの隙間には、ウレタンフォーム等のパッキンが配設されており、空調ケーシング1内を流通する空気が空調ケーシング1外に漏れ出すことを防止している。
【0045】
次に、上記構成において作動を説明する。送風機2を作動させると、空調ケーシング1内を図1の矢印A、B、Cのように空気が流れ、この送風空気は、ロータリドア91の平面開口部91jからロータリドア91の内周側に至り、ここで冷風と温風が混合される。次いで、送風空気はロータリドア91の通風口91dおよびフィルム部材92の開口部92aを通って、このフィルム開口部92aとラップする空調ケーシング1側の吹出空気通路開口部5、6、7のいずれか1つまたは複数から各吹出口に至り、車室内へ吹出す。
【0046】
そして、このとき、フィルム部材92は風圧によって外周側に膨らむように張出し、閉塞すべき吹出空気通路開口部5、6、7の周縁部に圧接してシールするので、風洩れを生ずることなく、この開口部を確実に閉塞できる。
また、ロータリドア91の円周壁91bが略180度の円弧範囲を有することから、ドアの空気取入口である平面開口部91jの開口面積は最大となり、通風抵抗を小さくすることに寄与している。
【0047】
本実施の形態では、使用者が車内の吹出モード切替レバーを手動操作することにより、その操作力がコントロールケーブル22及びレバー21を介して直接的にロータリードア91に伝達され、ロータリードア91が矢印DあるいはE方向に回動する。このとき、具体的には、ロータリードア91が図4および図10〜図13に示す各所定位置に回動変位して5つの吹出モードのうちのいずれかが選択されるのである。また、本実施の形態における吹出モード切換レバーは車両の幅方向に移動可能となっており、車両左側から右側に向かって順に等量に移動することで、所定の吹出モードとして、フェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフモードおよびデフロスタモードの順に選択可能となっている。つまり、吹出モード切換レバーの作動量に比例してロータリードア91が回動することになる。
【0048】
次に、上述の吹出モードについて説明する。先ず、フェイス(FACE)モード時について図4に基づき説明する。吹出モード切替レバーが車両の幅方向の最も左側に位置しフェイスモードが選択されているときには、図4に示す位置に、ロータリドア91がフィルム部材92とともに回動しており、その結果、フィルム部材92の開口部92aがフェイス用の吹出空気通路開口部5に完全にラップする。そして、この状態では、フィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分が風圧により外周側に張出すことにより、フット用の吹出空気通路開口部6およびデフロスタ用吹出空気通路開口部7の周縁部に確実に圧接して、この両開口部6、7を確実に閉塞する。
【0049】
これにより、空調ケーシング1内の空気は、ロータリードア91の平面開口部91jからドア内部へ取り入れられ、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフェイス用の吹出空気通路開口部5よりフェイスダクト10に流入し、フェイス吹出口から車室内に吹き出される。
次に、図11に基づきバイレベル(B/L)モードについて説明する。バイレベルモードでは、ロータリードア91が、図4のフェイスモードの状態から反時計回りの方向に所定角度だけ回転することにより、フィルム部材92の開口部92aが、フェイス用の吹出空気通路開口部5の半分とフット用の吹出空気通路開口部6の半分との双方に跨がってラップする。
【0050】
そして、この際、デフロスタ用の吹出空気通路開口部7は、フィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって確実に閉塞される。
これにより、空調ケーシング1内の空気は、ロータリードア91の平面開口部91jからドア内部へ取り入れられ、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフェイス用の吹出空気通路開口部5およびフット用の吹出空気通路開口部6に流入し、フェイス吹出口およびフット吹出口の両方から同時に車室内へ吹出される。
【0051】
次に、図11に基づいてフット(FOOT)モードについて説明する。この場合、ロータリードア91が、図10のバイレベルモードの状態から反時計回りの方向に、さらに所定角度だけ回転することにより、フィルム開口部92aがフット用の吹出空気通路開口部6に完全にラップし、フェイス用の吹出空気通路開口部5を完全に閉塞する。一方、デフロスタ用の吹出空気通路開口部7は本実施の形態では、完全に閉塞するのでなく、図11に示すように所定量隙間を開けて、空調ケーシング1内の空気をデフロスタ用の吹出空気通路開口部7から若干量漏らして、窓ガラスの曇り止め効果を発揮できるようにしている。
【0052】
次に、図12に基づいてフットデフ(F/D)モードについて説明する。この場合ではロータリドア91が、図11のフットモードの状態より反時計回りの方向にさらに所定角度だけ回転することにより、フィルム開口部92aがフット用の吹出空気通路開口部6に略半分、ラップするとともに、ロータリドア91のピン部材91g側端部がデフロスタ用の吹出空気通路開口部7の略半分を開口する。
【0053】
このとき、フェイス用の吹出空気通路開口部5はフィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって全閉される。この結果、送風空気は、ロータリードア91を迂回して直接、デフロスタ用の吹出空気通路開口部7に流入する空気流と、ドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフット用の吹出空気通路開口部6に流入する空気流と、フィルム開口部92a、ドア通風口91dを介してドア内部へ流入した後に、再びドア通風口91d、フィルム開口部92aを介してフット用の吹出空気通路開口部6に流入する空気流とになる。
【0054】
最後に、図13に基づいてデフロスタ(DEF)モードについて説明する。このデフロスタモードでは、図12のフットデフモードの状態からさらに反時計回りの方向に所定角度だけロタリードア91を回転させた状態である。これにより、ロータリドア91のピン部材91g側端部がデフロスタ用の吹出空気通路開口部7を全面的に開口する。これと同時に、フェイス用およびフット用の吹出空気通路開口部5、6はフィルム部材92のうち、開口部92aの設けてない部分によって全閉される。
【0055】
その結果、空調ケーシング1内の送風空気はデフロスタ用の吹出空気通路開口部7のみに流入し、デフロスタダクト12を経てデフロスタ吹出口から窓ガラス内面側へ向かって吹出し、窓ガラスの曇り止めを行う。
次に、本実施形態の特徴を述べる。
本実施形態によれば、第1凸部1aをタンク部32を押圧するとともに、タンク部32を押圧する押圧力によって第1凸部1aの先端を変形させてヒータコア3を空調ケーシング1内に固定しているので、空調ケーシング1の製造公差を第1凸部1aの変形によって吸収することができる。したがって、空調ケーシング1の製造公差を吸収するパッキンを廃止することができるので、車両用空調装置の製造原価低減を図ることができる。
【0056】
また、第1凸部1aは、その断面積が、空調ケーシング1の壁面から第1凸部1aの先端に向かうほど小さくなるように略三角形状に形成され、その先端でタンク部32に接触しているので、タンク部32との接触部での第1凸部1aに発生する応力を高めることができる。したがって、タンク部32との接触する第1凸部1aの先端が変形し易くなるので、より確実に空調ケーシング1の製造公差を吸収してヒータコア3を空調ケーシング1内に固定することができる。
【0057】
また、第1凸部1aの根元(空調ケーシング1の内壁)側の断面積は、先端に比べて大きくなっているので、第1凸部1aの剛性を向上させることができる。したがって、タンク部32との接触する第1凸部1aの先端での変形し易さを維持しながら第1凸部1aの剛性の剛性を向上させることができるので、より確実に空調ケーシング1の製造公差を吸収しつつ、ヒータコア3を空調ケーシング1内に確実に固定することができる。
【0058】
また、ヒータコア3を空調ケーシング1内に挿入する際には、図9の(b)に示すように、第1凸部1aの根元側には、挿入する際の挿入力によって曲げモーモントが作用するが、本実施形態によれば、第1凸部1aの根元側の断面積が先端に比べて大きくなって曲げ剛性が高くなっているので、前記挿入力によって第1凸部1aが損傷することを防止することができる。
【0059】
また、第1凸部1aがタンク部32に及ぼす押圧力によって、タンク部32の長手方向全域に渡ってタンク部32がタンク受け部1bに押圧されているので、空調ケーシング1内を流通する空気がヒータコア3を迂回してヒータコア3の下流側に流れることを防止することができる。
また、タンク受け部1bは、ヒータコア3の空気下流側でタンク部32に接触するとともに、本実施形態では、ヒータコア3の空気下流側が、図1に示すように下方側に位置しているので、タンク受け部1bにヒータコア3およびヒータコア3内を流通する冷却水が自重が作用する。したがって、このタンク受け部1bに作用する自重によってタンク受け部1bの面圧が上昇するので、タンク受け部1bでの密閉性が向上する。
【0060】
また、タンク部32の外壁のうち空調ケーシング1の外側に面する壁面と空調ケーシング1の内壁との間には、空隙1dが形成されているので、この空隙1dが断熱層となり、ヒータコア3の熱が空調ケーシング1の外部に放熱されることを抑制することができる。したがって、ヒータコア3の熱を空調ケーシング1内を流通する空気により多く与えることができるので、車両用空調装置の暖房効率の向上を図ることができる。
【0061】
また、第2凸部1cがサイドプレート35の溝部36の底部36aに向かって突出しているので、第2凸部1cと溝部36の凹形状とにより、迷路構造が形成される。したがって、この迷路構造により、ヒータコア3のコア部31を迂回してサイドプレート35と空調ケーシング1の内壁との隙間を流通する空気の量を減少させることができ、車両用空調装置の暖房効率の向上を図ることができる。
【0062】
ところで、上述の実施形態では、第1凸部1aをヒータコア3の空気上流側に設け、タンク受け部1bをヒータコア3の空気下流側に設けたが、第1凸部1aをヒータコア3の空気下流側に設け、タンク受け部1bをヒータコア3の空気上流側に設けてもよい。
また、上述の実施形態では、第1凸部1aの断面積が、空調ケーシング1の壁面から第1凸部1aの先端に向かうほど小さくなるように形成されていたが、第1凸部1aの根元から先端に渡って略同一断面積としてもい。
【0063】
なお、上述の実施形態では、ヒータコア3を例に熱交換器の取付構造を説明したが、本発明は、ヒータコア3に限定されるものではなく、エバポレータ等のその他の熱交換器に対しても適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すもので、車両用空調装置の要部の概略断面図である。
【図2】ヒータコアの外形図である。
【図3】(a)は図1に示すロータリドア部分の側面図、(b)は(a)の要部正面図である。
【図4】図1の要部拡大断面図である。
【図5】ロータリドア部分の分解斜視図である。
【図6】フィルム部材の展開平面図である。
【図7】図1のF部拡大図である。
【図8】図7のG−G断面図である。
【図9】図7の一部拡大図である。
【図10】バイレベルモードにおける空気通路切替装置の作動状態を示す断面図である。
【図11】フットモードにおける空気通路切替装置の作動状態を示す断面図である。
【図12】フットデフモードにおける空気通路切替装置の作動状態を示す断面図である。
【図13】デフロスタモードにおける空気通路切替装置の作動状態を示す断面図である。
【符号の説明】
1a…第1凸部、1b…タンク受け部、1c…第2凸部1c、
1d…空隙、1e…第3凸部、3…ヒータコア(熱交換器)、
31…コア部、32…タンク部。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a heat exchanger mounting structure for mounting a heat exchanger such as a heater core in an air conditioning casing forming a flow path of air blown into a room, and is effective when applied to a vehicle air conditioner.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a heat exchanger is installed in an air conditioning casing, a packing made of an elastic member such as urethane foam is manually attached to a portion of the heat exchanger that comes into contact with the inner wall of the air conditioning casing. This absorbed the difference between the manufacturing tolerance of the air conditioning casing and the manufacturing tolerance of the heat exchanger.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
For this reason, the material cost of packing and the man-hour which affixes packing on a heat exchanger generate | occur | produced, and the manufacturing cost reduction of the air conditioner was prevented.
An object of this invention is to provide the attachment structure of the heat exchanger which can abolish the packing for absorbing the manufacturing tolerance of an air conditioning casing in view of the said point.
[0004]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention uses the following technical means. In invention of Claims 1-5, of a heat exchanger (3) among air-conditioning casings (1).From one side of air upstream and downstreamA first convex part (1a) which is formed in a part in contact with the tank part (32) and fixes the heat exchanger (3) to the air conditioning casing (1) by pressing the tank part (32);The tank receiver that is provided on the air upstream side and downstream side of the heat exchanger (3) in the air conditioning casing (1) and contacts the tank part (32) over the entire longitudinal direction of the tank part (32). Part (1b),Said 1st convex part (1a) which contacts a tank part (32)Are formed in the longitudinal direction of the tank part (32),The tip of the tube is deformed by the pressing force that presses the tank portion (32).The tank portion (32) is pressed against the tank receiving portion (1b) over the entire longitudinal direction of the tank portion (32) by the pressing force exerted on the tank portion (32) by the plurality of first convex portions (1a).It is characterized by.
[0005]
Thereby, the front-end | tip of a 1st convex part (1a) deform | transforms with the pressing force which presses a tank part (32), and since the heat exchanger (3) is being fixed in the air conditioning casing (1), an air conditioning casing ( The manufacturing tolerance of 1) can be absorbed by the deformation of the first convex portion (1a). Therefore, since the packing which absorbs the manufacturing tolerance of the air conditioning casing (1) can be eliminated, the manufacturing cost of the air conditioner can be reduced.In addition, the tank portion (32) extends across the entire length in the longitudinal direction of the tank portion (32) by the pressing force exerted on the tank portion (32) by the plurality of first convex portions (1a) formed in the longitudinal direction of the tank portion (32). 32) is pressed by the
[0006]
In invention of Claim 2, the cross-sectional area of a 1st convex part (1a) is so small that it goes to the front-end | tip of a 1st convex part (1a) from the wall surface of an air conditioning casing (1), It is characterized by the above-mentioned. .
Thereby, the stress which generate | occur | produces in the 1st convex part (1a) in a contact part with a tank part (32) can be raised. Therefore, since the tip of the first convex portion (1a) that comes into contact with the tank portion (32) is easily deformed, the manufacturing tolerance of the air conditioning casing (1) is more reliably absorbed and the heat exchanger (3) is air-conditioned. It can be fixed in the casing (1).
[0007]
Moreover, since the cross-sectional area by the side of the base of the 1st convex part (1a) (inner wall of the air-conditioning casing 1) is large compared with the front-end | tip, the rigidity of a 1st convex part (1a) can be improved. Therefore, the rigidity of the first convex portion (1a) can be improved while maintaining the ease of deformation at the tip of the first convex portion (1a) in contact with the tank portion (32). The heat exchanger (3) can be securely fixed in the air conditioning casing (1) while absorbing manufacturing tolerances of the air conditioning casing (1).
[0008]
In invention of
[0009]
In invention of
[0010]
In invention of
Thereby, a maze structure is formed by the 2nd convex part (1c) and the concave shape of a groove part (36). Therefore, this maze structure reduces the amount of air that bypasses the core portion (31) of the heat exchanger (3) and flows through the gap between the reinforcing plate (35) and the inner wall of the air conditioning casing (1). It is possible to improve the heat exchange efficiency of the air conditioner.
[0011]
In addition, the code | symbol in the bracket | parenthesis of each said means shows a corresponding relationship with the specific means of embodiment description later mentioned.
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention shown in the drawings will be described.
(First embodiment)
FIG. 1 shows an overall configuration of a ventilation system in an embodiment in which the present invention is applied to a vehicle air conditioner (car air conditioner). Reference numeral 1 denotes an air conditioning casing made of resin, such as polypropylene, which constitutes an air flow path of an air conditioner, and this air conditioning casing 1 is usually placed in an instrument panel (not shown) in the front part of the passenger compartment. Installed. In the air conditioning casing 1, a blower 2 as a blower is disposed in the upper right part of FIG.
[0013]
The blower 2 is composed of a well-known centrifugal multiblade fan driven by a motor. Air is sucked into the air conditioning casing 1 through an intake duct (not shown) connected to the air conditioning casing 1 in the direction of arrow A. It is designed to blow air.
Here, the intake duct is provided with an evaporator as a cooling means for cooling the blown air, and further, an internal air intake port and an external air intake port are provided on the air upstream side of the evaporator. An inside / outside air switching door that opens one of the intake ports is provided. The evaporator is provided in a refrigeration cycle having a compressor driven by a vehicle engine, and cools the blown air by the latent heat of vaporization of the refrigerant.
[0014]
As shown in FIG. 1, a heater core (heat exchanger) 3 as a heating means is arranged in a substantially horizontal direction in the air conditioning casing 1 at the lower right portion (lower portion on the front side of the vehicle) of FIG. Yes. As shown in FIG. 2A, the
[0015]
As is well known, the
[0016]
Further, as shown in FIG. 2B, the
Further, in FIG. 1, an
[0017]
Of the air blown in the direction of arrow A by the blower 2 according to the opening of the
[0018]
On the other hand, in the air conditioning casing 1, a plurality of, in this example, three blown
[0019]
The blowout
In the direction of rotation of the
[0020]
In the rotational direction of the
[0021]
In the present embodiment, the
Each of the three blown
[0022]
When the blower 2 is driven, the inside air or the outside air is sucked from the intake side duct, is guided into the air conditioning casing 1 through the evaporator, and the air is further passed through the air conditioning casing 1 as indicated by arrows A, B, and C. Then, the air volume ratio between the cold air and the hot air is adjusted by the opening degree of the
[0023]
In the air conditioning casing 1, an air
The air
[0024]
The
[0025]
In the
[0026]
Further, the
[0027]
A
[0028]
On the other hand, the
[0029]
As shown in FIG. 6, the
[0030]
In this example, the
[0031]
Further, the shape and area of all the
1 and 4, when the
[0032]
On the other hand, a plurality of mounting
[0033]
When the
[0034]
Thereafter, the head of the
[0035]
Similarly, the head of the resin-made pin member 91i of the
[0036]
Thus, by making the other end side in the circumferential direction of the
Further, the length dimension (circumferential length) L of the
[0037]
Thus, the
[0038]
Also, the
The
[0039]
Next, the attachment structure of the
FIG. 7 is an enlarged view of a portion F (see FIG. 1) of the air conditioning casing 1 with the
[0040]
A
In addition, the said pressing force is generated when the front-end | tip of the 1st
[0041]
Incidentally, in this embodiment, as shown in FIG. 8, the 1st
Further, a portion of the inner wall of the air conditioning casing 1 corresponding to the
[0042]
Further, a gap 1d is formed between the outer wall of the
[0043]
In addition, as shown in FIG. 7, the
[0044]
Incidentally, considering the mounting property of the
Moreover, in this embodiment, packing, such as urethane foam, is arrange | positioned in the clearance gap between the
[0045]
Next, the operation in the above configuration will be described. When the blower 2 is operated, air flows in the air conditioning casing 1 as indicated by arrows A, B, and C in FIG. 1, and this blown air flows from the
[0046]
At this time, the
Further, since the
[0047]
In the present embodiment, when the user manually operates the blowout mode switching lever in the vehicle, the operating force is transmitted directly to the
[0048]
Next, the above-described blowing mode will be described. First, the face (FACE) mode will be described with reference to FIG. When the blow mode switching lever is positioned on the leftmost side in the width direction of the vehicle and the face mode is selected, the
[0049]
Thereby, the air in the air conditioning casing 1 is taken into the door from the
Next, the bi-level (B / L) mode will be described with reference to FIG. In the bi-level mode, the
[0050]
At this time, the blowout
Thereby, the air in the air conditioning casing 1 is taken into the door from the
[0051]
Next, the foot (FOOT) mode will be described with reference to FIG. In this case, the
[0052]
Next, the foot differential (F / D) mode will be described with reference to FIG. In this case, when the
[0053]
At this time, the blowout
[0054]
Finally, the defroster (DEF) mode will be described with reference to FIG. In the defroster mode, the
[0055]
As a result, the blown air in the air-conditioning casing 1 flows only into the blowout
Next, features of the present embodiment will be described.
According to this embodiment, while pressing the
[0056]
Further, the first
[0057]
Moreover, since the cross-sectional area at the base (inner wall of the air conditioning casing 1) side of the 1st
[0058]
When the
[0059]
Moreover, since the
Further, the
[0060]
Further, since a gap 1d is formed between the outer wall of the
[0061]
Moreover, since the 2nd
[0062]
By the way, in the above-mentioned embodiment, although the 1st
Moreover, in the above-mentioned embodiment, although the cross-sectional area of the 1st
[0063]
In the above-described embodiment, the heat exchanger mounting structure has been described by taking the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a main part of a vehicle air conditioner according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an external view of a heater core.
3A is a side view of the rotary door portion shown in FIG. 1, and FIG. 3B is a front view of the main part of FIG.
4 is an enlarged cross-sectional view of a main part of FIG.
FIG. 5 is an exploded perspective view of a rotary door portion.
FIG. 6 is a development plan view of a film member.
7 is an enlarged view of a portion F in FIG. 1. FIG.
8 is a cross-sectional view taken along the line GG in FIG.
FIG. 9 is a partially enlarged view of FIG. 7;
FIG. 10 is a cross-sectional view showing an operating state of the air passage switching device in the bi-level mode.
FIG. 11 is a cross-sectional view showing an operating state of the air passage switching device in the foot mode.
FIG. 12 is a cross-sectional view showing an operating state of the air passage switching device in the foot differential mode.
FIG. 13 is a cross-sectional view showing an operating state of the air passage switching device in the defroster mode.
[Explanation of symbols]
1a ... 1st convex part, 1b ... Tank receiving part, 1c ... 2nd
1d ... gap, 1e ... third convex part, 3 ... heater core (heat exchanger),
31 ... Core part, 32 ... Tank part.
Claims (5)
前記空調ケーシング(1)内に配設され、前記空調ケーシング(1)内を流通する空気と熱交換を行うコア部(31)と、このコア部(31)内を流通する流体を分配集合させるタンク部(32)とからなる熱交換器(3)と、
前記空調ケーシング(1)のうち前記熱交換器(3)の空気上流側および下流側の一方側から前記タンク部(32)に接触する部位に形成され、前記タンク部(32)を押圧することにより前記熱交換器(3)を前記空調ケーシング(1)に固定する第1凸部(1a)と、
前記空調ケーシング(1)のうち前記熱交換器(3)の前記空気上流側および下流側の他方側に設けられ、前記タンク部(32)の長手方向全域に渡って前記タンク部(32)に接触するタンク受け部(1b)とを有し、
前記タンク部(32)と接触する前記第1凸部(1a)は、前記タンク部(32)の長手方向に複数形成され、それぞれの先端は、前記タンク部(32)を押圧する押圧力により変形し、前記複数の第1凸部(1a)が前記タンク部(32)に及ぼす押圧力によって、前記タンク部(32)の長手方向全域に渡って前記タンク部(32)が前記タンク受け部(1b)に押圧されていることを特徴とする熱交換器の取付構造。An air conditioning casing (1) that constitutes a flow path of air blown into the room;
A core part (31) that is disposed in the air conditioning casing (1) and exchanges heat with air flowing in the air conditioning casing (1), and a fluid flowing in the core part (31) is distributed and assembled. A heat exchanger (3) comprising a tank part (32),
The air-conditioning casing (1) is formed in a portion in contact with the tank part (32) from one of the air upstream side and the downstream side of the heat exchanger (3), and presses the tank part (32). A first protrusion (1a) for fixing the heat exchanger (3) to the air conditioning casing (1) by :
Provided on the air upstream side and downstream side of the heat exchanger (3) in the air conditioning casing (1), and in the tank part (32) over the entire longitudinal direction of the tank part (32). A tank receiver (1b) in contact with
A plurality of the first convex portions (1a) that come into contact with the tank portion (32) are formed in the longitudinal direction of the tank portion (32), and the respective tips are formed by a pressing force that presses the tank portion (32). The tank portion (32) is deformed and the tank portion (32) extends over the entire length in the longitudinal direction of the tank portion (32) by the pressing force exerted on the tank portion (32) by the plurality of first convex portions (1a) A heat exchanger mounting structure, wherein the heat exchanger is pressed by (1b) .
前記補強プレート(35)には、前記補強プレート(35)の長手方向に延びる溝部(36)が形成されており、
前記空調ケーシング(1)の内壁のうち前記溝部(36)に対応する部位には、前記溝部(36)の底部(36a)に向かって突出するとともに、前記補強プレート(35)の長手方向に延びる第2凸部(1c)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の熱交換器の取付構造。At the end of the heat exchanger (3), a reinforcing plate (35) that reinforces the core (31) is disposed,
The reinforcing plate (35) has a groove (36) extending in the longitudinal direction of the reinforcing plate (35).
A portion of the inner wall of the air conditioning casing (1) corresponding to the groove (36) protrudes toward the bottom (36a) of the groove (36) and extends in the longitudinal direction of the reinforcing plate (35). mounting structure of a heat exchanger according to any one of claims 1 to 4, characterized in that the second protrusion (1c) is formed.
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