JP3709431B2 - 微細構造化表面での角度依存回折効果の高速測定装置 - Google Patents

微細構造化表面での角度依存回折効果の高速測定装置 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、サブミクロンメートル範囲内の微細構造化表面での角度依存性回折効果を高速測定する装置に関する。
【0002】
特に半導体製造の際には、製造工程でしばしば構造化された層の線幅及びプロフィールを調節しなければならない。製品の機能性のためには、線幅のための設計書を正確に維持することが決定的に重要である。その他に、なお別の構造パラメータ、例えばトレンチ深さ又は側壁斜度が大きな重要性を有する。リソグラフィーマスク、半導体ウェハ又はその他の微細構造化表面上の前記の製造パラメータ上の制御のためには、適当な測定装置が必要である。
【0003】
従来の技術
今日半導体製造において使用される0.25μmの範囲の最も小さい構造幅においては、通常の光学的線幅測定装置は回折及び干渉効果に基づきもはや使用不能である。従って、微細構造(<1μm)のプロフィール測定のためには、電子顕微鏡が使用される。高い真空度要求に基づき、それ自体極めて高価なかつ線幅測定のために特殊に開発された電子顕微鏡は、比較的小さい処理能力を有する。それに従って、製造工程後に製品ウェハの小さい部分のみが製造設計書の維持のために検査されるに過ぎない。さらに、長い測定時間は、プロセスエラーの検知までさらなるバッチが間違って製造されるという確率を高める。特に300mmのウェハ直径及び極めて費用のかかるプロシジャステップを有する製造技術の場合には、このデッドタイムは大きな財政上の損害を生じることがある。その他に、電子顕微鏡では各ウェハに僅かな個別構造のみを制御することができるに過ぎないので、該測定は代表的ではない。従って、状況によっては製造エラーもしくはその原因は著しく遅れて初めて認識される。別の構造パラメータの検査のためには、例えば堆積工程では、構造化されていないウェハ上の形成された層厚さを測定することができるため、又は、電子顕微鏡でのいわゆる横断面撮影を可能にする(このためには、半導体ウェハを破壊する必要がある)ために、いわゆるモニターウェハが随行される。就中300mm以上の将来のウェハ直径の場合には、このモニターウェハは、一面では純粋な材料値に基づき、他面ではそれにより生産ウェハの処理能力が著しく低下せしめられるために、高いコストを惹起する。可能な限り僅かなモニターウェハで間に合わせ、それにもかかわらず生産制御を改善するためには、半導体製造おいて、製品ウェハ上の構造パラメータの破壊及び汚染のない検査のための低コストの測定法が必要とされる。この場合、測定速度は、例えば重要なプロシジャステップの後に各生産ウェハをプロセス時間をそれほど高めずに制御することができるような高さであるべきである。散乱光測定は1つの解決法を提供する。一般に、この方法では検査すべき測定領域を照明しかつ反射された光の特徴から測定領域の表面特性を推論する。基板上に周期的構造が存在しかつコヒーレント光を使用する場合には、波長を適当に選択すると回折及び干渉効果が生じる。これらは通常の光学装置においては測定を妨害するが、しかしこれらは散乱光測定もしくは回折分析の場合には、明確に検出されかつ評価される。それというのも、これらは構造大きさのために特徴的であるからである。研究において、いわゆる2θ法は昨年中に一定の評価を得た。この場合には、入射面内の測定ビームの入射角度が変更されかつ回折次数の強度が入射角度に依存して測定される。高価なモデルコンピュータを用いると、この回折測定から種々の構造サイズ例えば線幅、トレンチ深さ又はエッジ斜度を測定することが可能である。しかしながら、従来この目的のために使用された測定装置は、融通性が悪いか又は比較的緩慢であり、構造的に複雑かつ効果である。
【0004】
従来の実現においては、光源は精密な機械部品で運動せしめられるか又は検査すべきサンプルはそれ自体測定点を中心に回転せしめられる。それにより、高い装置コストが生じかつ該方法の使用範囲が制限される。例えばレンズ系が異なる入射角度のために使用されるので、光学部材(例えば鏡又はプリズム)は運動させる必要はないが、サンプルは運動させねばならない。もちろん、大きな開口数を有する高価なレンズ装置を使用しても制限された入射角度が実現されるに過ぎない。さらに、場合によっては有害な反射が生じる。
【0005】
楕円体鏡と結合して多重ビームスプリッタ(例えば反射格子)を用いた複数の入射角度の同時発生は、ドイツ国特許出願公開第19824624号明細書に記載されている。従って、測定装置の構造おいて該当する入射角の選択は、もちろん固定でありかつ同時に実現可能な入射角度の数は制限される。しかし就中、異なる入射角度に関するサンプル構造での回折効果は同時にオーバラップする。従って、回折強度の角度依存測定は不可能である。それに対してドイツ国特許出願公開第19824624号明細書に基づく装置は、種々の回折角度下での同時測定を可能にし、このことは唯一のシミュレートされた回折パターンでの測定を比較すると有利でもある。
【0006】
測定法は、損傷せず、汚染せず、高速、簡単及び堅牢であるべきである。構造パターンの確認のための大いに期待されるスタートは、いわゆる散乱光測定、即ち基板で散乱した光の角度で解像される強度測定である。周期的構造を有するサンプルの場合には、反射又は伝達された光が回折される。例えばメモリ構造素子における、規則的な半導体構造は、反射する振幅又は位相格子として捕捉することができる。格子ベクトルが入射面に存在する場合には、与えられた入射角度θにおいて、出射角度θを有するn次の回折最大の対して以下の格子方程式が当てはまる:
【0007】
【数1】
Figure 0003709431
【0008】
この場合、λは使用された光の波長でありかつgは格子周期を表す。従って常に存在する直接反射の他に、使用される光の波長が半格子周期よりも小さい場合には、高次の回折最大が生じることがある。検査される構造の大きさが波長の範囲内にある場合には、簡単なスケールのフラウンホファー(Fraunhofer)の回折方程式はもはや使用不能である。その代わりに、強度分布のシミュレーションはそれぞれの格子に当てはまる周辺条件を有する所属のマックウェル方程式の解法を必要とする。そのために数年前に、例えばいわゆる“rigorous coupled wave analysis”のような、効果的な数値的方法が開発された。登場する非直線性は一般に有効な証言をなお極めて制限付きで許容するにすぎない、それ故に小さい構造での回折効果を判定するためには常に具体的な個々のケースが考察もしくは数値的に計算されねばならない。この場合、強度並びに回折次数の位相は、入射するビームの特性(角度、偏光、波長)、調査される格子構造(格子周期、線幅、線高さ、層構成、エッジ丸み、粗さ)及び基板の材料特性(屈折率、吸収率)に左右される。
【0009】
従来の技術に基づく回折分析は、多数のステップに分解することができる。まず第一に、散乱もしくは回折した光の強度測定を行う。引き続き、測定された強度分布をシミュレートした強度分布と比較し、この際格子パラメータを所定の範囲内で変更する。回折のシミュレーションは、サンプルに関する先の知識に基づき行う。測定とシミュレーションの間の最良の一致を生じるようなパラメータ値を、実際の格子パラメータの重要な近似値と見なす。
【0010】
解決される課題:
本発明は、装置コストを低下し、集積された測定装置の投入を可能にしかつ測定を著しく促進する、簡単化された測定装置を有するサブミクロン構造の高速の角度依存回折分析装置を提供することを課題とする。
【0011】
本発明に基づき、前記課題は、請求項1記載の特徴により解決される。
【0012】
好ましい実施態様は、従属請求項の対象である。
【0013】
新たに開発された回折分析法によれば、正確な量的な評価を断念しかつその代わりに専ら等級分け(classfication)を実施する場合には、必要な計算費用を相応して減少させることができる。それぞれのサンプルに関してそれらの回折像を記録しかつサンプルを別の方法で測定することにより、サンプルの量を測定しかつ等級に分類する。特徴又は品質等級の分類を、まず第一に別の方法に基づき行う。しかしながら、1つの等級内のサンプルの回折像は類似している、即ちサンプルの回折像が類似していると識別可能な特徴を有することに注意すべきである。従って、回折測定は、後で等級分類を行う、別の、例えば破壊する分析、例えば電顕微鏡検査の前に行うことができる。そうして回折像を特徴又は品質等級に配属させる。特徴又は品質等級の分類、及び類似性を判定するための回折像内の特徴の発見は、未知のサンプルの本来の回折特性ための準備段階に属する。
【0014】
次いで、未知のサンプルの等級分けを、サンプルの測定及び回折像の等級への配属により行う。このようなサンプルを、別の方法での測定により分類する。等級内のサンプルは、類似した回折像を有する。未知のサンプルをその回折像により配属し、かつこれらがこの等級の他の随伴体と類似の物理的特性を有することを推論することができる。
【0015】
この方法の利点は、先のデータからのシミュレーションがもはや不必要でありかつ測定及び評価を進行する製造工程中に簡単な測定装置で破壊することなくかつ極めて迅速に行うことができることにある。このことは短時間での大きなサンプル数の調査を可能にする。
【0016】
ドイツ国特許出願公開第19824624号明細書とは異なり、本発明は最初に、楕円体鏡と結合した多重ビームスプリッタ(例えば反射格子)を用いた複数の入射角のシミュレートした発生を提供する。それに伴い、入射角度の、測定装置に構成において該当する選択は勿論固定でありかつ同時に実現可能な入射角度の数は制限される。しかし就中、異なった入射角度に関するサンプル構造での回折効果は同時にオーバラップする。従って回折強度の角度依存測定は不可能である。
【0017】
大多数の影響値に基づき、一義的な測定又は格子パラメータの等級分けは、調査された測定展のための十分な数の強度測定値が提供される場合にのみ可能である。この目的のために、測定ビームの単数又は複数のパラメータ(角度、偏光、波長)を変更しかつ種々の値に依存した強度を測定することができる。それに伴い、小さな格子周期のために直接反射を無視して極く僅かな回折次数が生じるが又は回折次数が生じない場合(格子方程式参照)にも、回折分析は構造特徴化のために使用可能である。
【0018】
角度依存回折効果を測定する装置は、コヒーレントビーム源と、コヒーレントビームを異なった方向に偏向する装置と、変更されたビームをサンプル位置に向ける鏡装置と、サンプルで回折されたビームの強度測定のための検出ユニットとからなる。異なる方向に偏向されたビームは、鏡装置によって、コヒーレントビームが時間的に相前後して連続して異なる入射角度でサンプルに向けて偏向されるように反射される。
【0019】
そのために、測定ビームの入射角度を、連続的にもしくは小さいステップで変化させる。直接的反射(ゼロの回折次数)並びに場合により登場するより高い回折次数の強度を測定する。変化した入射角度に依存した強度過程の評価により、調査した周期的構造の形及び材料を推論することができる。
【0020】
本発明においては、まず第一に、固定の測定点の2θ回折分析のために測定ビームを変更するために、固定の非平坦鏡表面と結合した電気的に回転しかつ調節される鏡(いわゆるガルバノメータスキャナー)を使用する。該測定装置は、数μradの精度でミリ秒の範囲内の大きな角度調整の作業開始を可能にする。それによって、十分の数秒の範囲内の入射角度の変更で完全な測定を行うことができる。さらに、異なる入射角度の発生のために堅牢な可動部材が必要であるに過ぎず、ひいては故障の可能性が少なくなる。使用される成分のコスト並びに測定構造のための必要なスペース需要が比較的に少ない。種々異なる入射角度が連続的に形成されるので、あらゆる時点で正確に入射測定ビームが存在する。それに伴い、回折次数のオーバラップは生じない。検査される構造の形式に左右されずに、検出器で検知可能な全ての回折最大の強度を測定しかつ配属させることができる。入射角度に依存しない(ドイツ国特許出願公開第19824624(A1)号明細書)測定ビームの近似知的に一定の強度は、系の測定精度を高める。同じことは、光学的結像収差を有するレンズの代わりに鏡面の専らの使用にも当てはまる。
【0021】
以下に、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0022】
測定ビームの、サンプルの特定の点上での入射角度を迅速、精確かつ廉価に大きな範囲にわたって変更することができる測定装置が提供される。使用される検出装置の形式に基づき、各角度で直接反射だけ又は付加的に高い回折次数も測定される。
【0023】
図1には、鉛直の入射角度φ(入射面もしくは図面において)を変更できる装置が示されている。光源1、例えばレーザはコヒーレント光を発生する。光ファイバを介して又は直接的に、測定ビームは測定装置に導かれる。そこで測定ビームは、偏向鏡のより、異なった方向での偏向装置(2)、例えば回転可能な鏡面(7)に当たる。鏡面の回転軸は、測定ビームの入射面に対して鉛直である。鏡の回転は、電気的に数μradで正確に調節される。スキャナー鏡から、偏向された測定ビームは楕円体(3a)に当たる。測定ビームのスキャナー鏡との交差点が楕円体鏡の焦点にある場合には、楕円体鏡の特殊な特性が適用される。これは2つの焦点を有する。従って、異なった検流計角度のための光ビームは1つの点に当たる。サンプルの位置を、測定点が第2の焦点と一致するように選択すると、固定の測定点は可変の入射角度でスキャナー鏡の回転により照射される。スキャナーは数ミリ秒の範囲内で一定の角度位置を達成するので、測定ビーム(11)は極めて大きな角度範囲を走行しかつ測定ビームの回折分析のために必要なパラメータ変更を実現することができる。鏡の楕円体形は回転体として形成されていてもよいので、方位角の角度偏倚(例えば入射する測定ビームの軸を中心としたスキャナーの回転)の際にも測定ビームは測定点に収束される。検流計スキャナーの鏡面は、反射点が常に楕円体鏡の焦点に存在するように、回転軸の中心点にあらねばならない。この前提条件が与えられなければ、測定ビームは入射角度の変更中に中心測定点の周りのサンプル面の一定の範囲を超える。このことは特定の用途のためには、測定ビームの直径を変化させることなく測定範囲を拡大するために、所望されることもある。
【0024】
コヒーレント測定ビームはサンプル(5)の周期的構造で回折される。格子ベクトル(これは格子構造の周期性の方向を特徴付ける)が入射面にあれば、場合により登場する高い回折次数は同様に入射面内に存在する。この前提条件が満たされなければ、いわゆる円錐状の回折が生じかつ直接反射を別にして、全ての回折最大は入射面に対して垂直な弧の上にある、即ち回折最大はもはや図面内にはない。非円錐状回折の場合には、回折されたビームの強度の測定を、図面においてサンプルの上に傾斜して存在するフォトダイオードアレイ(10)を含む検出ユニットで測定することができる。個々のダイオードの数が十分な大きさである場合には、全ての検出可能な回折最大の個々の強度を測定することができる。フォトダイオードで測定された強度値はダイオード表面への光ビームの入射角度に左右されるので、ダイオードアレイは相応して校正されねばならない。選択的に、複数の個々のダイオードを測定点の周りの半円上に配置することができる。次いで、回折次数は常にフォトダイオードに垂直に当たる。もう1つの可能性は、唯一の大面積のフォトダイオードを使用することにある。この場合には、測定値として、同様にサンプル上の構造パラメータの計算又は等級付けのために使用することができる回折した光ビームの総和強度が得られる。
【0025】
測定装置の精度を高めるために、光源のノイズを繰り返し参照測定により補償することができる。そのために、光源から発するビームが分割され(例えば光学ビームスプリッタで)かつビームの強度をフォトメータもしくはフォトダイオードで測定する。場合により、このビーム検出器(8)は、測定ビームが検流計の一定の角度でそれに当たるように(場合によりまた偏向鏡を介して)配置することもできる。その際には、先行せるビーム分割は省かれる。
【0026】
該測定法は、例えば検査すべき基板の傾倒又は起伏により生じるような入射角度の変化に極めて敏感に反応する。一定の入射角度で直接当てられるPSD(position sensitive device)(9)を用いて、このような傾倒を確認しかつ測定データ評価の際に考慮することができる。選択的に、角度誤差は、サンプルの位置を測定するピエゾ素子によっても補正することができる。xy測定台(6)を用いて、サンプル上の種々の測定点を走査することもできる。場合により、サンプルを固定配置しかつ鏡及び検出ユニットを適当に移動させることもできる。
【0027】
図2は、如何にしてさらに単数又は複数の鏡(13)を用いて間接的強度測定を実現することができるかを示す。このためには例えば測定装置の構成を簡単にする平面偏向鏡、並びに回折次数に焦点を合わせることができる球面及び非球面鏡が該当する。それにより、検出可能な角度範囲を拡大することができるか、又はフォトダイオードアレイ(10)の必要な寸法を縮小することができる。円錐状回折のケースのためには、回折最大を測定するために長方形もしくは正方形のフォトダイオードアレイ又はCCDを使用することができる。このために、大きな空間角度範囲を捕捉するために、大抵は検出器アレイに回折像の焦点を合わせるための鏡が使用される。回折効果を変更するための鏡は、他の点では個々のセグメントからなっていてもよい。
【0028】
図3においては、サンプル表面に対する測定ビームの方位角が変更される。この場合も、方位角に依存した回折最大の強度変化がサンプル表面の特徴付けのために役立つ。前記に記載した装置におけると同様に、コヒーレント光源(1)が、場合により光ファイバ及び/又は偏向鏡(14)と結合して使用される。この場合も、検出器スキャナー(15)により測定ビームは種々の異なった方向に反射される。部材の配置を図3に相応して選択しかつ測定ビームとスキャナー鏡の交差点が同心鏡(3a)(鏡セグメント)の半径中心もしくは焦点にある場合には、偏向された測定ビーム(11)は種々異なった角度で再び、測定点として選択される点に当たる。
【0029】
この場合入射面の位置が変わるので、周期的に構造化された基板(サンプル(5))の場合には常に円錐状の回折が生じる。ゼロ次の直接反射は、その尖端が測定点を形成する円錐面上を延びる。従って、フォトダイオード(10)からなる平坦なアレイをゼロ次の回折の強度測定のために使用する場合には、個々のダイオードは相応して湾曲した線に沿って存在しなければならない。選択的に、位置解析強度測定を行うためには、矩形のダイオードアレイ又はCCDを称することもできるであろう。それによって、より高次の回折を測定しかつ配属させることができる。さらにまた、第1の測定装置の場合にために記載したように、回折効果の偏向又はフォーカシングのために平面、球面又は非球面鏡を使用する可能性も存在する。
【0030】
図4には、測定装置の別の変更形が示されている。反射鏡として、サンプルへの測定ビームの偏向ためとは異なる半径を有する同じ又は類似した鏡が使用される。特殊な場合として、2つの鏡を組合せかつ内部鏡面化したリング(3c)形成することもできる。サンプル(5)から反射された回折次数は、その都度の実現に基づきスキャナー鏡の近くで収束される。その前に大面積のフォトダイオード(10)を組み込めば、ゼロ次の回折の強度を測定することができ、その際には種々の入射角度のためにダイオードを較正しなければならない。この実現の際の、鏡リング(3c)の高さはできる限り小さく選択すべきである。それによって、高次の回折は別の空間角度で生じることがあるので、一般にゼロ次の回折の強度のみを測定することを達成することができる。一定の構造形の場合には、場合によっては複数の次数の回折の総計測定のみが可能である。しかし、これも、サンプルの特徴付けを可能にする測定結果をもたらす。
【0031】
光源の強度の参照測定、PSD素子の使用及び測定台又は測定構造の方法に関しては、最初の測定構造に関しての言及が当てはまる。
【0032】
前記の測定装置のもう1つの実施態様は、例えば欧州特許第0714505(B1)号明細書に提案されているような、ビーム偏向のためのマイクロ光学モジュールの使用である。それによれば、機械的に運動されるスキャナー部品を使用することができる。この場合には、測定ビームの角度変化は、適当な材料の電気光学的特性の利用によって達成される。測定装置のために特徴的なこととして、球面又は非球面鏡を用いたもしくは鏡セグメントを用いた異なった入射角度の連続した発生が残る。
【0033】
測定装置のもう1つの簡略化は、スキャナー鏡の背面の使用により生じる。そのためには、基板から反射したビームを、最初のステップにおいてスキャナーでのビーム偏向後のフォーカシングのために係る同じ鏡形により収束される。例えば図4においてフォトダイオードを遠ざけると、反射されたビームはスキャナー鏡の背面上の1点に当たる。この点から、ビームは常に同じ方向でスキャナー鏡に入射するビームの延長線上を延びる。今や、反射されたビームにフォトダイオードを導入することができ、その際フォトダイオードへの測定ビームの入射角度はスキャナー鏡の位置とは無関係に一定に保たれる。同じ原理は、図1における入射面での入射角度の変更のためにも可能である。第1の鏡に向かい合った面で、同様な楕円体鏡はスキャナー鏡背面に反射されたビームのフォーカシングを実現する。そこから、ビームは光源から入射する測定ビームの延長線内を進行する。またこの場合には、唯一のフォトダイオードで強度を測定することができ、その際フォトダイオードへの入射角度が実際に一定に保たれるのが有利である。
【0034】
角度に依存する回折効果を測定するための1つの方法では、まず第一にコヒーレントビームを発生させる、このコヒーレントビームは、異なる方向への第1の偏向を時間的に相前後して連続して行う。引き続き、サンプルへのコヒーレントビームの第2の偏向を行う。サンプルでにコヒーレントビームの回折により、回折したビームを形成させる。この回折したビームを検出する。この方法で、前記の装置を作動させることができる。
【0035】
好ましくは、第1の偏向の方向に相当する信号及び検出された回折ビームに相当する信号を発生させかつこれらの両者の信号を互いに配属させる。このことは角度に依存した回折信号検出を可能にする。こうして得られた角度依存回折信号は、サンプル等級のために特徴的でありかつ未知のサンプルの等級分けを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 鉛直な入射角度を変更することができる、本発明による装置の略示断面図である。
【図2】 鏡を用いた間接的強度測定装置を有する本発明による装置の略示斜視図である。
【図3】 サンプル表面に対して測定ビームの方位角を変更する、本発明による装置の略示斜視図である。
【図4】 本発明による装置の測定装置の略示斜視図である。
【符号の説明】
1 コヒーレント放射源、 2 コヒーレントビームの偏向装置、 3 鏡又は鏡セグメント、 3a 楕円体鏡、 3b 同心鏡、 3c 鏡面化リング、 5 サンプル、 7 回転鏡、 8 ビームスプリッタ、 9 位置検知装置、 10 検出器ユニット、 12 回折ビーム、 13 鏡

Claims (9)

  1. −コヒーレントビーム源(1)と、
    制御された回転鏡(7)からなる異なった方向にコヒーレントビームを偏向する装置(2)と、
    −同心鏡(3b)、又は同心鏡に相応するように配置された鏡セグメントと、
    −サンプルで回折したビームの強度を測定する検出ユニット(4)
    とからなる、角度依存回折効果の測定装置において、
    コヒーレントビームの偏向装置が同心鏡装置(3b)の対称軸上にあり、かつ回転鏡(7)の回転軸が同心鏡装置の対称軸と一致し、
    −同心鏡(3b)が、コヒーレントビームを偏向する装置(2)の相前後して連続的に異なって方向付けられたビームを反射し、
    サンプルの測定点が異なる入射角度で照射するために同心鏡(3b)によって反射されたビームの焦点に存在し、
    同心鏡(3b)の対称軸上のサンプル上の測定点が、鏡像的に同心鏡の中心点からコヒーレントビームの偏向装置と同じ距離に存在し、
    回転鏡が回転する場合に同心鏡装置(3b)からサンプルに反射されるビームの方位角、すなわち入射平面が変動するようにサンプルが焦点に配置されていることを特徴とする、角度依存回折効果の測定装置。
  2. 1つのホトダイオード列又は複数のホトダイオード又は唯一の大面積のホトダイオード又はホトダイオードアレイ又はCCDが検出器ユニット(10)の構成部材であることを特徴とする請求項1記載の装置。
  3. サンプルで回折したビーム(12)が単数又は複数の鏡(13)での偏向により間接的に検出器ユニットに当たる請求項1又は2記載の装置。
  4. 回折したビームを間接的に検出器ユニットに偏向する鏡装置の形が、サンプル(3)に対する放射入射角度を変化させると同じもしくは類似した形を有することを特徴とする請求項3記載の装置。
  5. 両者の鏡装置が鏡面化されたリング(3c)にまとめられていることを特徴とする請求項4記載の装置。
  6. 電気的に制御されて回転する鏡(7)を検出器ユニットへの回折したビームの別の偏向のために利用することを特徴とする請求項4又は5記載の装置。
  7. ビーム、又はビームスプリッタでのコヒーレントビームの分割により、部分放射の偏向装置の一定の角度調整により当たるビーム検出器(8)を有することを特徴とする請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
  8. サンプルの傾倒又は表面起伏による入射角度の変化を位置検知装置(9)又はCCDで確認し、かつ測定データ評価の際に考慮するか又はピエゾ素子で補正する請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
  9. サンプル上の種々の測定点の測定のために、サンプルをxy測定台を用いて又は装置をサンプルに対して位置決めする請求項1から8までのいずれか1項記載の装置。
JP2000608160A 1999-03-31 2000-03-31 微細構造化表面での角度依存回折効果の高速測定装置 Expired - Fee Related JP3709431B2 (ja)

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