図9のエア回路において、例えば第1エアセル103と第2エアセル104とを同時に膨脹させる場合、2つのエアセル103,104には単一のエア供給装置101からエアが供給されるため、第1エアセル103に供給されるエアの圧力を低くして、第2エアセル104に供給されるエアの圧力を高くするというように、各エアセルの膨脹の仕方を必要に応じて変化させるのが困難である。しかも、エア供給装置101からのエアが2つのエアセル103,104に分配されるため、一つのエアセルだけを膨脹させる場合に比べて各エアセル103,104の膨脹に時間を要したり、膨脹力が弱くなる。
前記問題をさらに具体的に説明すると、例えば、第1エアセル103がマッサージ用のエアセルであって、第2エアセル104が脚載せ部回動用のエアセルであるとすると、マッサージ用のエアセル103にはマッサージに適した圧力のエアを供給し、脚載せ部回動用エアセル104には脚載せ部を確実に動作させるために高い圧力のエアを供給することが望まれる。しかし、一つのエア供給装置101から両エアセル103,104に対して同時にエアが供給される場合には、供給されるエアの圧力は同じにならざるを得ず、脚載せ部回動用エアセル104の圧力だけを高くするのは困難であり、両エアセル103,104を最適な状態で動作させることができない。しかも、マッサージ用エアセル103と脚載せ部回動用エアセル104とにエアを分散供給することになるため、マッサージのための膨脹時間が長くなったり膨脹力が弱くなってマッサージ効果が低下するとともに、脚載せ部回動速度が低下してマッサージ機の作動性が低下する。
また、前記問題の他の具体例としては、図9の第1エアセル103が左脚用エアセルであって、第2エアセル104が右脚用エアセルであるとすると、両脚を同時にマッサージする際に、脚のむくみ度合い等に応じて、一方の脚を他方の脚よりも強く又は弱くマッサージできれば、より効果的なマッサージが期待できる。しかし、一つのエア供給装置101から両エアセル103,104に対して同時にエアが供給される場合には、供給されるエアの圧力は同じにならざるを得ず、一方の脚用エアセルの圧力だけを高くするのは困難である。しかも、同様の問題は、左脚と右脚に限らず、上半身と下半身、膝下と膝上、左半身と右半身等の他の部位間でも生じる。
このように従来のマッサージ機は、一つのエア供給装置しかないため、エアセルの動作に前記のような様々な制約が生じていた。本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであって、マッサージ機におけるエアセルの動作の自由度を高めることを課題とする。
上記問題を考慮してなされた第1の発明は、エアの給排によって膨脹収縮する複数のエアセルがマッサージ機本体に設けられ、前記エアセルにエアを供給するためのエア供給源を備えたマッサージ機において、前記エア供給源として、複数のエア供給装置を備え、前記各エアセルは、いずれかのエア供給装置から供給されるエアによって膨脹するように設けられており、前記複数のエア供給装置には、エアの吐出能力が異なるものが含まれていることを特徴とする。この第1の発明によると、マッサージ機には複数のエアセルが備わっているものの、各エアセルには複数のエア供給装置のいずれかからエアが供給されるため、異なるエア供給装置からエアが供給されるエアセルは、お互いに別個に膨脹動作が可能であって、エアセルの動作の自由度が高まる。
したがって、一のエア供給装置によってエアが供給されるエアセルと、他のエア供給装置によってエアが供給されるエアセルとが同時に膨脹するよう制御する制御手段を備えておくことで、各エアセルの膨脹収縮の仕方(膨脹収縮の強さ、膨脹収縮のタイミング等)の独立性を保ったまま、各エアセルを同時に膨脹させることが可能となる。なお、「同時に膨脹」とは、完全に同時に膨脹するものを意味するものではなく、例えば、膨脹開始タイミング又は膨脹終了タイミング等がずれていても良く、膨脹時期の一部が重複していれば足りる。
さらに、前記複数のエア供給装置にエアの吐出能力が異なるものを含めているので、各エア供給装置は、エアセルで必要とされる膨脹力に応じた最適なものを選択でき、エアセルの一層適切な動作が実現できる。なお、前記複数のエア供給装置にエアの吐出能力が可変であるものを含めてもよい。この場合、必要に応じて各エアセルの膨脹力を変えることができ、エアセルの動作が一層最適化される。
また、複数のエア供給装置を設けても、各エア供給装置の動作制御を統一的に行う各エア供給装置共通の制御手段を備えているのが好ましい。各エア供給装置を統一的に制御することで、複数のエア供給装置からエアが供給されるすべてのエアセルの動作を統一的に制御でき、複数のエア供給装置を設けてもエアセル動作の統一性が確保される。
また、第2の発明は、エアの給排によって膨脹収縮する駆動用エアセルによって駆動される可動部を備えたマッサージ機本体に、エアの給排によって膨脹収縮することによって被施療者にマッサージを施すマッサージ用エアセルを設けたマッサージ機において、前記駆動用エアセルにエアを供給するための駆動用エア供給装置と、マッサージ用エアセルにエアを供給するためのマッサージ用エア供給装置とをそれぞれ別個に備えており、前記マッサージ用エア供給装置のエア吐出能力と前記駆動用エア供給装置のエア吐出能力とが異なることを特徴とする。
この第2の発明によると、マッサージ用エアセルと駆動用エアセルにはそれぞれ別個のエア供給装置からエアが供給されるため、各用エアセルの動作の自由度が高く、可動部の動作による制約や悪影響を受けることなく、マッサージ動作を行うことができる。また、前記マッサージ用エア供給装置のエア吐出能力と前記駆動用エア供給装置のエア吐出能力とが異なるので、マッサージ動作に適したマッサージ用エアセルの膨脹と、可動部動作に適した駆動用エアセルの膨脹とが簡単に得られる。さらに、前記マッサージ用エア供給装置よりも前記駆動用エア供給装置の方がエア吐出能力が高い構成とした場合は、可動部を素早く動作させることができ、マッサージ機の作動性が向上する。
しかも、前記マッサージ用エアセルと前記駆動用エアセルとが同時に膨脹可能に制御する制御手段を備えて、被施療者にマッサージを施している間であってもマッサージ機本体の可動部が動作可能に構成されている場合には、マッサージ中であっても可動部を動作させることができ好適である。
なお、前記マッサージ用エアセルは、少なくとも前記可動部に配置され、前記可動部に配置されたマッサージ用エアセルによって被施療者にマッサージを施している間であっても当該可動部が動作するよう制御する制御手段を備えているのが好ましい。可動部のマッサージ用エアセルによるマッサージ中に可動部が動作すると被施療者の位置が微妙に変化するため、可動部が停止しているときのマッサージ感とは異なるマッサージ感を与えることができ、マッサージ効果が向上する。
あるいは、前記マッサージ用エア供給装置と駆動用エア供給装置とが同時にエア吐出を行わないように排他制御する制御手段を備えていてもよい。両エア供給装置の排他制御を行うことで、両エア供給装置を同時に動作させたくない場合に、片方のエア供給装置を動作させれば、自動的に他方のエア供給装置が停止することが保証され、両エア供給装置の同時動作を容易に防止できる。
なお、前記マッサージ機本体は、座部と、当該座部の前側に設けられた前記可動部としての脚載せ部を有する椅子型であって、前記駆動用エア供給装置及びマッサージ用エア供給装置は、共に前記座部の下方に配置され、かつ前記マッサージ用エア供給装置の前方に前記駆動用エア供給装置が配置されているのが好ましい。座部の下方に配置された両エア供給装置のうち、駆動用エア供給装置を前方に位置させることで、座部の前側に位置する脚載せ部を駆動するための駆動用エアセルと駆動用エア供給装置との間の距離が短くなってエア配管を短くできる。
あるいは、前記マッサージ機本体は、座部と、当該座部の前側に設けられた前記可動部としての脚載せ部を有する椅子型であって、前記駆動用エア供給装置及びマッサージ用エア供給装置は、共に前記座部の下方に配置され、かつ前記駆動用エア供給装置の上方にマッサージ用エア供給装置が配置されているのが好ましい。座部の下方に配置された両エア供給装置のうち、マッサージ用エア供給装置を上方に位置させることで、マッサージ用エアセルが設けられているマッサージ機本体とマッサージ用エア供給装置との間の距離が短くなってエア配管を短くできる。
また、第3の発明(請求項1に係る発明に対応)は、座部と、座部の後側に配置された背もたれ部と、座部の前側に配置された脚載せ部とを有する椅子型マッサージ機本体にエアの給排によって膨脹収縮することによって被施療者にマッサージを施すマッサージ用エアセルを複数設けたマッサージ機において、前記マッサージ用エアセルには、被施療者の上半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された上半身用エアセルと、被施療者の下半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された下半身用エアセルとを含み、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記下半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とをそれぞれ別個に備えており、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記下半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とは、吐出能力が異なるものが採用されているとともに、異なるエア供給装置によってエアが供給される前記マッサージ用エアセルが、互いに異なる押圧力によって被施療者を押圧可能であり、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置は、前記下半身用エアセルのエアを供給するためのエア供給装置の後方に配置されていることを特徴とするマッサージ機である。
この第3の発明によると、マッサージ機には複数のマッサージ用エアセルが備わっているものの、エア供給装置を複数備えているため、異なるエア供給装置からエアが供給されるエアセルは、お互いに別個に膨脹動作が可能となって別個のマッサージ動作が行えるため、マッサージ動作のバリエーションが高まる。そして、異なるエア供給装置によってエアが供給される前記マッサージ用エアセルが、互いに異なる押圧力によって被施療者を押圧可能であるので、施療部位に応じて異なる押圧力によって適切にマッサージすることができる。
なお、前記マッサージ用エアセルには、被施療者の左脚の部位に対応してマッサージ機本体に配置された左脚用エアセルと、被施療者の右脚の部位に対応してマッサージ機本体に配置された右脚用エアセルとを含み、前記左脚用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記右脚用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とをそれぞれ別個に備えているのが好ましい。この場合、左脚用エアセルと右脚用エアセルとが別個のマッサージ動作を実行できるためマッサージ効果が高まる。特に、左脚用エアセルと右脚用エアセルとが互いに異なる押圧力で押圧可能であれば、疲労度等に応じて各脚を適切にマッサージできる。なお、脚とは、股からつま先までの範囲をいう。
また、前記マッサージ用エアセルとして背もたれ部エアセルと座部エアセルとを備えるとともに、前記異なるエア供給装置の吐出能力を異ならせて、前記背もたれ部エアセルの押圧力と前記座部エアセルの押圧力をお互いに異なるものとしてもよい。背もたれ部エアセルと座部エアセルの押圧力が異なることで、背もたれ部に当接する被施療者の部位(背中)と、座部に当接する部位(尻又は太股)を異なる押圧力でマッサージすることができる。
そして、上記第3の発明では、前記マッサージ用エアセルには、被施療者の上半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された上半身用エアセルと、被施療者の下半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された下半身用エアセルとを含み、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記下半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とをそれぞれ別個に備えているので、上半身用エアセルと下半身用エアセルとが別個のマッサージ動作を実行でき、上半身と下半身とを区別して適切なマッサージを施すことでマッサージ効果が高まる。更に、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記下半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とは、吐出能力が異なるものが採用されているので、エアセルによりマッサージの施される被施療者の部位の特性(要求される押圧力の強弱等)に応じて、各エア供給装置として適切な吐出能力を有するものを採用できる。
なお、上半身の部位には、例えば、首、背中などが含まれ、下半身の部位には、尻、脚などが含まれる。また、マッサージ機が背もたれ部、座部、及び脚載せ部を有する椅子型マッサージ機の場合、背もたれ部によって支持される被施療者の部位を上半身といい、座部又は脚載せ部によって支持される被施療者の部位を下半身ということができる。
更に、上記第3の発明では、前記上半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置は、前記下半身用エアセルのエアを供給するためのエア供給装置の後方に配置されているので、各エア供給装置から各エアセルまでの距離が短くなり、エア配管を短くできる。エア配管を短くすることで、各エアセルの膨張収縮の応答性が良くなる。
なお、前記マッサージ用エアセルには、被施療者の膝よりも下方の部位に対応してマッサージ機本体に配置された膝下用エアセルと、被施療者の膝よりも上方の部位に対応してマッサージ機本体に配置された膝上用エアセルとを含み、前記膝下用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記膝上用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とをそれぞれ別個に備えているのが好ましい。この場合、膝下用エアセルと膝上用エアセルとが別個のマッサージ動作を実行でき、膝下と膝上を区別して適切なマッサージを施すことでマッサージ効果が高まる。なお、マッサージ機が背もたれ部、座部及び脚載せ部を有する椅子型マッサージ機の場合、脚載せ部によって支持される被施療者の部位を膝下といい、座部又は背もたれ部によって支持される被施療者の部位を膝上ということができる。
また、前記マッサージ用エアセルには、被施療者の左半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された左半身用エアセルと、被施療者の右半身の部位に対応してマッサージ機本体に配置された右半身用エアセルとを含み、前記左半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置と、前記右半身用エアセルにエアを供給するためのエア供給装置とをそれぞれ別個に備えているのが好ましい。この場合、左半身用エアセルと膝上用エアセルとが別個のマッサージ動作を実行でき、左半身と右半身とを区別して適切なマッサージを施すことでマッサージ効果が高まる。なお、左半身には、胴体の左側、左腕、左脚などが含まれ、右半身には、胴体の右側、右腕、右脚などが含まれる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は、関連発明の第1実施形態に係るマッサージ機1を示している。このマッサージ機1は、椅子型のマッサージ機本体2を有している。マッサージ機本体2は、座部3と、座部3の後側に配置された背もたれ部4と、座部3の前側に配置された脚載せ部(フットレスト)5と、座部3の両側に配置された肘掛け部(アームレスト)6と、座部3から下方に延びる支持脚部7とを備えている。
背もたれ部4と脚載せ部5とは座部3に対して可動である可動部となっている。すなわち、背もたれ部4は、図1の状態から後方に倒れることができるように構成されている。また、脚載せ部4は、その後部が座部3の前部に対して水平方向の軸まわりに回動自在に連結されて座部4に対する位置(角度)を変更可能とされており、図1及び図2の状態(下向き状態)から上方に回動して図3の状態(上昇状態)になることができる。
背もたれ部4には、モータ駆動の施療子8を備えたマッサージ部9が設けられており、このマッサージ部9は、叩き・揉み・振動などのマッサージ動作を被施療者に施すことができる。なお、マッサージ部9は、背もたれ部4の内部において昇降自在に設けられている。また、背もたれ部4の前面側には、マッサージ用のエアセル10a,10b,11a,11bが配置されている。これらのマッサージ用エアセル(以下、「背もたれ部エアセル」ともいう)10a,10b,11a,11bは、エアの給排によって膨脹・収縮し被施療者に押圧マッサージを施すものである。背もたれ部エアセルとしては、被施療者の背中の上部から肩の範囲に対応して背もたれ部4の左右に配置された第1背もたれ部エアセル10a,10bと、被施療者の腰の範囲に対応して背もたれ部4の左右に配置された第2背もたれ部エアセル11a,11bとが設けられている。なお、前記マッサージ部9は左右のエアセル10a,10b,11a,11bの間に配置されている。
座部3の上面側にも、マッサージ用のエアセル13a,13b,14a,14bが配置されている。これらのマッサージ用エアセル(以下、「座部エアセル」ともいう)13a,13b,14a,14bは、エアの給排によって膨脹・収縮し被施療者に押圧マッサージを施すものである。座部エアセルとしては、被施療者の尻に対応して座部3の左右に配置された第1座部エアセル(尻用エアセル)13a,13bと、被施療者の太股に対応して座部3の左右に配置された第2座部エアセル(太股用エアセル)14a,14bとが設けられている。
脚載せ部5には、被施療者の左脚が収納される溝状の左脚収納部16aと、被施療者の右脚が収納される溝状の右脚収納部16bとが設けられている。つまり、脚載せ部5の左右両側には、側壁18a,18bがそれぞれ立設され、脚載せ部5の左右中央には区画壁19が立設されており、左側の側壁18aと区画壁19との間が溝状の左脚収納部16aとされ、右側の側壁18bと区画壁19との間が溝状の右脚収納部16bとされている。
脚載せ部5の左右の脚収納部16a,16bには、それぞれマッサージ用のエアセル20,21a,21b,22,23a,23bが配置されている。これらのマッサージ用エアセル(以下、「脚載せ部エアセル」ともいう)は、エアの給排によって膨脹・収縮し被施療者に押圧マッサージを施すものである。脚載せ部エアセルとしては、左脚収納部16aに設けられた左脚用エアセル20,21a,21bと、右脚収納部16bに設けられた右脚用エアセル22,23a,23bとがある。
さらに、左脚用エアセルとしては、溝状左脚収納部16aの底部に配置されて左脚の裏側を押圧するための底部エアセル20と、溝状左脚収納部16aの左右の側面(左側側壁18aと区画壁19の各対向面)に配置されて左脚の左右両側部をそれぞれ押圧するための側部エアセル21a,21bとがある。また、右脚用エアセルとしては、溝状右脚収納部16bの底部に配置されて右脚の裏側の押圧するための底部エアセル22と、溝状左脚収納部16bの左右の側面(右側側壁18bと区画壁19の各対向面)に配置されて右脚の左右両側部をそれぞれ押圧するための側部エアセル23a,23bとがある。なお、図1では、側部エアセル23aは、側部エアセル21bの背後にあるため、図示されていない。
図2及び図3に示すように、可動部である脚載せ部5の背後には脚載せ部5を駆動するための昇降駆動用エアセル25が配置されている。この昇降駆動用エアセル25は、エアが供給されると膨脹して図3に示すように脚載せ部5を押し上げ、マッサージ機本体2は、被施療者が膝を伸ばした状態で着座できるようになる。また、昇降駆動用エアセル25はエアが排出されて収縮すると、脚載せ部5は下方に回動して図1及び図2の位置に復帰する。
図4は、上記の各エアセルにエアを給排するためのエア回路及び当該エア回路の制御ブロック図を示している。マッサージ機1は、各エアセルにエアを供給するためのエア供給源として、2つ(複数)のエア供給装置27,28を備えており、第1のエア供給装置27はマッサージ用エアセル10a,10b,11a,11b,13a,13b,14a,14b,20,21a、21b、22,23a、23bにエアを供給するためのものであり(以下、第1のエア供給装置27を「マッサージ用エア供給装置27」ともいう)、第2のエア供給装置28は昇降駆動用エアセル25にエアを供給するためのものである(以下、第2のエア供給装置28を「駆動用エア供給装置28」ともいう)。マッサージ用エア供給装置27と駆動用エア供給装置28は、それぞれエアポンプによって構成されており、いずれも吐出能力(吐出圧力又は吐出流量)が可変である。また、マッサージ用エア供給装置27よりも駆動用エア供給装置28の方が吐出能力(吐出圧力又は吐出流量)が高いものが採用されている。エアの吐出圧力が高いことでエアセルをより強く膨脹させることができ、エアの吐出流量が大きいことでエアセルをより早く膨脹させることができる。ここでは、駆動用エア供給装置28の方が吐出圧力及び吐出流量の双方ともに高いため、マッサージ用エアセルに比べて昇降駆動用エアセル25の方が膨脹力が強く、膨脹速度も速い。なお、駆動用エア供給装置28の吐出圧力又は吐出流量のいずれか一方が、マッサージ用エア供給装置27よりも高ければ足りる。
本実施形態では、駆動用エア供給装置28の高い吐出能力によって脚載せ部5を確実かつ素早く動作させることができる。また、仮に、駆動用エア供給装置28のエアがマッサージ用エアセルにも供給される場合には、駆動用エア供給装置28として吐出能力がマッサージ用には大きすぎるものを採用すると、大きすぎる吐出能力によって被施療者への押圧力が不必要に強くなって、却ってマッサージ効果が低下する。したがって、駆動用エア供給装置28の吐出能力を低く抑える必要がある。これに対し、本実施形態では、駆動用エア供給装置28のエアはマッサージ用エアセルに供給されないため、駆動用エア供給装置28としては、吐出能力が脚載せ部5の駆動に適したものを採用できる。また、マッサージ用エア供給装置27も吐出能力がマッサージに適したものを採用できる。よって、マッサージ動作と脚載せ部5(可動部)の動作が最適化される。
また、マッサージ用エア供給装置27及び駆動用エア供給装置28は、いずれも吐出能力(吐出圧力又は吐出流量)が可変であるが、マッサージの強さ(押圧力)又はマッサージの速さ(膨脹収縮スピード)を調整するために、マッサージ用エア供給装置27の吐出圧力又は吐出流量を変更しても、当該変更に関係なく駆動用エア供給装置28では別個の吐出圧力又は吐出流量によって脚載せ部5を動作させることができる。同様に、脚載せ部5の駆動力又は動作速度を調整するために、駆動用エア供給装置28の吐出圧力又は吐出流量を変更しても、当該変更に関係なくマッサージ用エア供給装置27では別個の吐出圧力又は吐出流量によってマッサージ用エアセルの膨脹を行うことができる。
前記マッサージ用エア供給装置27には、複数の電磁弁等を有する第1のエア給排制御部30がエア配管を介して接続されている。この第1エア給排制御部30は、電磁弁等によって各マッサージ用エアセルへの給排気切換を行うものであり、この第1エア給排制御部30を介して各マッサージ用エアセルにエアが供給され、各マッサージ用エアセルは、エアが供給される膨脹状態、エアが排出される収縮状態、任意の膨脹状態で維持される膨脹維持状態の3状態をとることができる。また、駆動用エア供給装置28には、複数の電磁弁等を有する第2のエア給排制御部31がエア配管を介して接続されている。この第2エア給排制御部31は、電磁弁等によって各マッサージ用エアセルへの給排気切換を行うものであり、この第2エア給排制御部31を介して駆動用エアセル25にエアが供給され、駆動用エアセル25は、エアが供給される膨脹状態、エアが排出される収縮状態、任意の膨脹状態で維持される膨脹維持状態の3状態をとることができる。そして、駆動用エアセル25を任意の膨脹状態で維持することで、脚載せ部5を任意の位置(角度)に位置決めできる。
マッサージ用エア供給装置27及び第1エア給排制御部30は共通のケースに収納されてマッサージ用エア給排ユニット32aを構成しており、駆動用エア供給装置28及び第2エア給排制御部31は共通のケースに収納されて駆動用エア給排ユニット32bを構成している。図2及び図3に示すように、両エア給排ユニット32a,32bは、ともに座部3の下方に設けられている。本実施形態では、マッサージ用エア給排ユニット32aと駆動用エア給排ユニット32bとは前後方向に並設されており、具体的には、駆動用エア供給装置28が含まれる駆動用エア給排ユニット32bは、駆動用エアセル25に近くなるように、マッサージ用エア供給装置27が含まれるマッサージ用エア給排ユニット32aよりも前方に配置されている。かかる配置にすることで、駆動用エア給排ユニット32b(駆動用エア供給装置28)と駆動用エアセル25との間の距離が短くなり、両者32b,25を繋ぐエア配管を短くできる。
図4に示すように、両エア供給装置27,28及びエア給排制御部30,31を統一的に制御するための制御手段として、両エア供給装置27,28及びエア給排制御部30,31に共通の制御部33が設けられている。この制御部33は、操作器35からの指令又はコンピュータプログラムに基づいて、エア供給装置27,28及びエア給排制御部30,31を制御してマッサージ用エアセルと駆動用エアセル25の動作制御を行う。なお、制御部33は、モータ駆動のマッサージ部9の動作制御も行う。
エア供給装置27,28は、制御部33からの信号によって、作動・停止切換、吐出圧力の変更(又は吐出流量の変更)等の制御が行われる。吐出圧力は、例えば、「強」「中」「弱」の3段階切換可能であるのが好ましい。また、エア給排制御部30,31は、制御部33からの信号によって、電磁弁が動作して各エアセルに対する給排気切換の制御が行われる。操作器35には、脚載せ部5(可動部)の動作(上方移動又は下方移動)を選択するスイッチ(図示省略)や、マッサージ部位又はマッサージコース等を選択できるマッサージ動作選択用スイッチ(図示省略)が設けられており、被施療者が行った操作器35のスイッチの操作に応じて、脚載せ部5を動作させ、あるいはマッサージを行うことができる。
被施療者が、このマッサージ機を使用する場合、例えば、最初に脚載せ部5の位置を所望の位置(角度)に位置決めし、マッサージ用エアセル(又はマッサージ部9)によるマッサージを実行することができる。そして、駆動用エアセル25はマッサージ用エアセルとは別個に給排が可能であるから、マッサージ用エアセルによってマッサージが実行されている間であっても、操作器35からの指令に基づいて制御部33が脚載せ部5を動作させて、脚載せ部5の位置(角度)を再調整することができる。このため、マッサージ中に脚載せ部5の位置(角度)の調整をしても、マッサージ用エアセルによるマッサージを中断する必要がなく、マッサージを効果的に行うことができる。
より具体的には、制御部33は、背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11bによるマッサージ中に脚載せ部5を動作させたり、座部エアセル13a,13b,13a,14bによるマッサージ中に脚載せ部5を動作させたり、又は脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bによるマッサージ中に脚載せ部5を動作させる、といった制御を行うことができる。
また、仮に、マッサージ用エアセルにエアを供給するエア供給装置によって駆動用エアセルにもエアを供給する場合、マッサージ用エアセルにエアを供給しつつ、駆動用エアセルにもエアを供給しようとすると、エア供給装置からのエアがマッサージ用エアセルと駆動用エアセルとに分散してエアセルの膨脹効率が低下する。しかも、膨脹度の大きいエアセルから膨脹度の低いエアセルへエアが流れてしまい、例えばマッサージ用エアセルの膨脹中に駆動用エアセルを膨脹させると、マッサージ用エアセルから駆動用エアセルにエアが流れてマッサージ用エアセルの不必要な収縮を生じマッサージ効果が低下する。これに対し、本実施形態では、マッサージ用エアセルと駆動用エアセル25に対して同時にエアを供給してもエアセルの膨脹効率は低下せず、駆動用エアセル25を膨脹させてもマッサージ用エアセルに不必要な収縮が生じない。
さらに、他の制御の例として、脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bによって被施療者の脚をマッサージしている間に、当該脚載せ部5の角度を変化させて、脚の状態(膝を曲げた状態と膝を伸ばした状態)を変化させると、脚と脚載せ部5の相対位置が脚の長手方向に微妙に変化して、マッサージ部位が変更されてマッサージ感が異なったものとなる。
さらにまた、脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23b(特に、側部エアセル21a,21b,23a,23b)の膨脹によって脚を挟持して脚載せ部5に固定した状態で、脚載せ部5の角度を変化させて脚をスイングさせる制御を行うことで、脚の血行促進等を図ることができる。
そして、別の制御の例としては、マッサージ用エア供給装置27のエア吐出中(動作中)には、駆動用エア供給装置28がエア吐出しない(動作しない)ようにし、さらに、駆動用エア供給装置28のエア吐出中(動作中)には、マッサージ用エア供給装置27がエア吐出しない(動作しない)ようにして、両エア供給装置27,28を排他制御することもできる。かかる排他制御により、駆動用エアセル25の膨脹時、すなわち脚載せ部5の上昇時には全てのマッサージ用エアセルが膨脹しなくなり、マッサージ用エアセルと駆動用エアセル25との同時膨脹を避けたい場合に好適である。すなわち、マッサージ用エアセルによるマッサージ中に、操作器35から脚載せ部5の上昇指令が与えられた場合、前記排他制御によって自動的にマッサージ用エア供給装置27の動作が停止するため、マッサージ用エア供給装置27の停止指令を操作器35から与える必要がなく、操作が容易になる。
図5は、関連発明の第2実施形態に係るマッサージ機1を示している。この実施形態に係るマッサージ機1は、図2に示すマッサージ機1におけるマッサージ用エア給排ユニット32a(マッサージ用エア供給装置27)と同様のマッサージ用エア給排ユニット32a(マッサージ用エア供給装置27)を備えているが、その配置が異なる。この実施形態におけるマッサージ用エア給排ユニット32aは、座部3の下方であるが、駆動用エア給排ユニット32b(駆動用エア供給装置28)の上方に配置されている。駆動用エア給排ユニット32bを上方に配置することにより、図示のように各マッサージ用エアセルまでの距離が短くなりエア配管を短くできる。さらに具体的には、駆動用エア給排ユニット32b(駆動用エア供給装置28)は、マッサージ用エア給排ユニット32a(マッサージ用エア供給装置27)よりも前方に配置されており、マッサージ用エア給排ユニット32aと駆動用エアセル25との間の距離も短くなっている。なお、本実施形態において説明を省略した点は、関連発明の第1実施形態と同様であって、図5には同符号が附されている。
図6及び図7は、本発明の実施形態に係るマッサージ機1を示している。この実施形態に係るマッサージ機は、マッサージ用エア供給装置が、1つではなく、第1マッサージ用エア供給装置27a、第2マッサージ用エア供給装置27b及び第3マッサージ用エア供給装置27cの3つを備えている点が、関連発明の第1実施形態に係るマッサージ機1と相違する。なお、この実施形態において各エアセルの配置は図1に示す関連発明の第1実施形態に係るマッサージ機1と同様であり、その他、ここで説明をしない点は、関連発明の第1実施形態と同様である。
第1マッサージ用エア供給装置27aは背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11bにエアを供給するためのものであり、第2マッサージ用エア供給装置27bは座部用エアセル13a,13b,14a,14bにエアを供給するためのものであり、第3マッサージ用エア供給装置27cは脚載せ部用エアセル20,21a,21b,22,23a,23bにエアを供給するためのものである。また、各エア供給装置27a,27b,27cは、それぞれエア給排制御30a,30b,30cを介して、各エアセルと接続されている。各マッサージ用エア供給装置27a,27b,27cは、いずれも吐出能力(吐出圧力又は吐出流量)が可変であり、操作器35からの指令又はコンピュータプログラムに基づき、制御部33は、各マッサージ用エア供給装置の吐出圧力(又は吐出流量)を個別に変更する制御を行うことができる。
マッサージ用エアセルの押圧力の変更等の制御は、背もたれ部4、座部3及び脚載せ部5を単位として行うことができる。例えば、背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11bを動作させながら、座部エアセル13a,13b,14a,14bを動作させることができ、このとき、背もたれ部エアセルと座部エアセルとを同時に膨脹させつつ、エア供給装置27a,27bの吐出圧力を異ならせて、背もたれ部エアセルの押圧力と座部エアセルの押圧力をお互いに異なるものとすることができる。背もたれ部エアセルと座部エアセルの押圧力が異なることで、背もたれ部4に当接する被施療者の部位(背中)と、座部3に当接する部位(尻又は太股)を異なる押圧力でマッサージすることができる。
さらに、背もたれ部エアセルと座部エアセルとを同時に動作させつつも、エア給排制御部30a,30bを制御して、背もたれ部エアセルの膨脹収縮周期と座部エアセルの膨脹収縮周期を異ならせることができる。背もたれ部エアセルと座部エアセルの膨脹収縮周期が異なることで、背もたれ部4に当接する被施療者の部位(背中)と、座部3に当接する部位(尻又は太股)を異なるマッサージ感でマッサージすることができる。
また、他の制御例として、背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11bを動作させながら、脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bを動作させることができ、背もたれ部エアセルと脚載せ部エアセルの押圧力を異ならせることができる。また背もたれ部エアセルの膨脹収縮周期と脚載せ部エアセルの膨脹収縮周期を異ならせることもできる。
さらに他の制御例として、座部エアセル13a,13b,14a,14bを動作させながら、脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bを動作させることができ、座部エアセルと脚載せ部エアセルの押圧力を異ならせることができる。また、座部エアセルと脚載せ部エアセルの膨脹収縮周期と脚載せ部エアセルの膨脹収縮周期を異ならせることもできる。もちろん、背もたれ部エアセル、座部エアセル、脚載せ部エアセルすべてを同時に動作させることもでき、背もたれ部エアセル、座部エアセル、脚載せ部エアセルのそれぞれの押圧力を異ならせることができる。また、それぞれの膨脹収縮周期を異ならせることもできる。
以上のように、本実施形態によれば、被施療者の各部位を異なる押圧力又は異なるマッサージ感でマッサージすることができる。なお、エアセルの押圧力を変えるには、各エア供給装置27a,27b,27cとして、吐出能力が異なるものを採用してもよい。すなわち、背もたれ部4、座部3、脚載せ部5の各エアセル用に異なるエア供給装置27a,27b,27cが設けられているため、エアセルによりマッサージの施される被施療者の部位の特性(要求される押圧力の強弱等)に応じて、各エア供給装置27a,27b,27cとして適切な吐出能力を有するものを採用できる。例えば、座部エアセルには強い押圧力が要求されないので、第2エア供給装置27bとしては吐出能力の低いものを採用して、押圧力の最適化を図ることができる。
ここで、背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11bは、被施療者の上半身の部位に対応して配置された上半身用エアセルであり、座部エアセル13a,13b,14a,14b及び脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bは、被施療者の下半身の部位に対応して配置された下半身エアセルである。そして、第1エア供給装置27aは、上半身エアセルにエアを供給するためのものであり、第2エア供給装置27b及び第3エア供給装置27cは下半身エアセルにエアを供給するためのものである。
また、脚載せ部エアセル20,21a,21b,22,23a,23bは、被施療者の膝よりも下方の部位に対応して配置された膝下用エアセルであり、座部エアセル13a,13b,14a,14b(及び背もたれ部エアセル10a,10b,11a,11b)は、被施療者の膝よりも上方の部位に対応して配置された膝上用エアセルである。そして、第3エア供給装置27cは膝下用エアセルにエアを供給するためのものであり、第2エア供給装置27b(及び第1エア供給装置27a)は膝上用エアセルにエアを供給するためのものである。
図6に示すように、第1エア供給装置27aはエア給排制御部30aとともに第1マッサージ用エア給排ユニット32a−1を構成し、第2エア供給装置27bはエア給排制御部30bとともに第2マッサージ用エア給排ユニット32a−2を構成し、第3エア供給装置27bはエア給排制御部30bとともに第3マッサージ用エア給排ユニット32a−3を構成している。これらの各マッサージ用エア給排ユニット32a−1,32a−2,32a−3は、いずれも座部3の下方に配置されている。また、第1マッサージ用エア給排ユニット32a−1(第1エア供給装置27a)は、第2マッサージ用エア給排ユニット32a−2(第2エア供給装置27b)の後方に配置されている。また、第3マッサージ用エア給排ユニット32a−3(第3エア供給装置27c)は、第2マッサージ用エア給排ユニット32a−2(第2エア供給装置27b)の前方に配置されている。かかる配置とすることで、各エア給排ユニット32a−1,32a−2,32a−3から各エアセルまでの距離が短くなり、エア配管を短くできる。エア配管を短くすることで、各エアセルの膨脹収縮の応答性が良くなる。
図8は、本発明の関連発明の第3実施形態に係るマッサージ機1を示している。この関連発明の実施形態においてエアセルの配置は図示しないが、関連発明の第1実施形態と同様であり、その他、ここで説明をしない点は、関連発明の第1実施形態と同様である。また、図8のブロック図は、脚載せ部エアセルに対するものだけを描いているが、背もたれ部エアセル、座部エアセル及び駆動用エアセルに対しては、必要に応じて、関連発明の第1実施形態又は本発明の実施形態と同様の構成を採用することができる。
この関連発明の実施形態では、左脚用エアセル20,21a,21bにエアを供給するための左脚用エア供給装置27c−1と、右脚用エアセル22,23a,23bにエアを供給するための右脚用エア供給装置27c−2とを別個に備えている。また、各エア供給装置27c−1,27c−2からのエアはエア給排制御部20c−1,30c−2を介して、各エアセルに供給される。各エア供給装置27c−1,27c−2は、いずれも吐出能力(吐出圧力又は吐出流量)が可変であり、操作器35からの指令又はコンピュータプログラムに基づき、制御部33は、各マッサージ用エア供給装置の吐出圧力(又は吐出流量)を変更する制御を行うことができる。
脚載せ部エアセルの動作制御は、各脚の収納部16a,16bを単位として行うことができる。例えば、左脚用エアセル20,21a,21bと右脚用エアセル22,23a,23bとを同時に動作させることができ、このとき、エア供給装置27c−1,27c−2の吐出圧力を異ならせて、左脚用エアセルと右脚用エアセルの押圧力をお互いに異なるものとすることができる。左脚と右脚への押圧力が異なることで、各脚の疲労度等が異なる場合に、各脚の疲労度等に応じた押圧力でマッサージを行うことができる。
左脚用エアセル20,21a,21bと右脚用エアセル22,23a,23bを同時に動作させつつも、エア給排制御部30c−1,30c−2を制御して、左脚用エアセルの膨脹収縮周期と右脚用エアセルの膨脹収縮周期とを異ならせることができ、左脚と右脚に異なるマッサージ感を与えることができる。ここで、左脚用エアセルは、被施療者の左半身の部位に対応して配置された左半身用エアセルであり、右脚用エアセルは、被施療者の右半身の部位に対応して配置された右半身用エアセルである。そして、左脚用のエア供給装置27c−1は左半身用エア供給装置であり、右脚用のエア供給装置27c−2は右半身用エア供給装置である。
なお、左半身用エアセルを左側の背もたれ部エアセル10a,11a又は左側の座部エアセル13a,14aとしても良く、右半身用エアセルとして、右側の背もたれ部エアセル10b,11b又は右側の座部エアセル13b,14bとしてもよい。この場合、背中、尻、太股の左右部位を異なる押圧力や異なるマッサージ感でマッサージすることができる。さらに、左半身用エアセルを左腕をマッサージするための左腕用エアセルとし、右半身用エアセルを右腕をマッサージするための右腕用エアセルとすることができる。この場合、左右の腕を異なる押圧力や異なるマッサージ感でマッサージすることができる。左右の腕用エアセルは、肘掛け部6,6に設けるのが好適であり、しかも腕を挟持状に押圧するよう対をなすエアセルを対向配置したものを各腕用にそれぞれ備えるのが好適である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内において様々な設計変更が可能であって、均等物への置換も可能である。