JP3707169B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、読み取った画像を圧縮して記憶し、プリント時に伸長して画像出力を行うデジタル複写機などの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル複写機などの画像形成装置は、原稿をデジタル画像として読み取り、用紙に記録する。読み取った画像データは一旦メモリに記憶される。1ページ分の画像が読み取られると、画像データはメモリから読み出され、プリント装置に出力される。
デジタル複写機では、読み取った画像データを一般的に1ページ単位で圧縮して符号メモリに記憶する。プリントの際は、この圧縮データを1ページ単位で伸長して画像メモリに蓄積し、1ページ分の画像データが伸長されると、画像データが画像メモリから読み出され用紙に印字される。したがって、プリンタ部への画像出力は、1ページ当たりのすべての画像の読み込みの完了とすべての伸長の完了を待って開始される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ファーストコピーにおいて、スタートキーの押下に呼応してプリンタ装置が用紙をタイミングローラまで先送りして給紙し、同時に原稿搬送装置から原稿を給送し、その後、原稿が読み取り位置に達してから画像読み込みを行う。このように用紙をタイミングローラまで先出しして待機させることにより画像形成速度が向上される。しかし、従来は、上述のように1ページ当たりの画像が全て読み込みを完了し全て伸長が完了するまではプリンタ装置への画像出力を行っていなかった。このため、特にA3等の大サイズの原稿では、タイミングローラで用紙が待機する時間が長くなる場合があり、ファーストコピー速度の低下を招いていた。
【0004】
本発明の目的は、大サイズの原稿でも、ファーストコピー速度を低下させることなく、プリンタ装置の性能を最大限に発揮できる画像形成装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る画像形成装置では、圧縮データを蓄積する第1のメモリと、読み込んだ原稿画像データを所定のブロックに分割してブロック単位で圧縮し、第1のメモリに格納する圧縮手段と、画像出力データを蓄積する第2のメモリと、第1のメモリからブロック単位で画像データを読み出して伸長し、第2のメモリに格納する伸長手段と、第2のメモリから画像データを読み出して画像出力を行うプリント手段と、圧縮速度に基づいて、未圧縮のブロックのドット数の圧縮に要する時間を計算する第1の計算手段と、上記第1の計算手段で計算された圧縮時間と伸長速度とに基づいて、第1のメモリに格納されたブロックのドット数の伸長に要する時間を計算する第2の計算手段と、上記第2の計算手段で計算された伸長時間とプリント速度とに基づいて、全ブロックの圧縮が完了する前であってもプリント手段による出力が伸長を追い越さないタイミングで第2のメモリからの画像出力の開始時間を設定する設定手段とを備える。
好ましくは、上記設定手段は、上記圧縮手段による1ブロック目の圧縮完了タイミングから画像出力開始までの時間を設定する。
好ましくは、上記第1の計算手段及び第2の計算手段による計算は、上記圧縮手段による圧縮中に行う。
好ましくは、さらに、第2のメモリに格納される画像を回転する画像を回転する画像回転手段と、プリント手段に用紙を供給する給紙手段と、圧縮手段における圧縮中に、プリント手段による画像出力を開始する場合、画像回転手段に対し画像の回転を禁止し、給紙手段に原稿画像と同一方向の用紙を自動的に給紙させる制御手段とを備える。
【0006】
好ましくは、画像形成装置は、第2のメモリに格納される画像を回転する画像回転手段を備える。給紙手段は、原稿と同一のサイズの用紙が原稿画像と同一方向と横方向とに供給可能である。プリント手段が、第2のメモリからデータを読み出して、給紙手段により供給される用紙に画像を出力するときに、制御手段は、原稿と同一のサイズの用紙が原稿画像と同一方向と横方向とに供給可能な場合、画像回転手段に対し画像の回転を禁止し、給紙手段に原稿画像と同一方向の用紙を自動的に給紙させる。すなわち、画像の回転を行なう場合には1頁の伸長の完了を待たなければならないが、給紙方向に長い方向の用紙のように、たとえ1頁あたりの画像出力時間が長い方の用紙であっても優先的に原稿の方向と同一の用紙を選択して給紙および画像出力をおこなう。このように、強制的に画像回転の必要のない用紙を選択することによって、1頁の原稿のすべての読み込み、伸長および圧縮の完了を待たずに、画像の出力を早く開始できる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の画像形成装置の1実施形態であるデジタル複写機を添付の図面を参照して説明する。
(1)複写機の構成
図1は、デジタル複写機1の全体の構成を図式的に示す。このデジタル複写機1は、読取装置200、プリンタ装置300、原稿搬送部500および再給紙ユニット600からなる。
原稿搬送部500は、原稿給紙トレー510上にセットされた原稿を自動的に原稿台ガラス18上に搬送し、読取装置200が原稿を読み取った後に原稿を排出トレイ511へ排出する。原稿サイズセンサ551、552は、原稿サイズを検出する。
読取装置200は、走査系10、画像信号処理部20などから構成される。走査系10は、原稿台ガラス18上の原稿を読み取って画像信号に変換する。走査系10では、原稿は、原稿台ガラス18の下方を移動するスキャナ19に組み付けられた露光ランプ11により照射され、原稿からの反射光は、第1ミラー12と固定ミラー13a,13bと集光用のレンズ14を経て、CCDアレイなどを用いた光電変換素子16に入射される。光電変換素子16は、原稿の画像の反射光を電気信号に変換する。画像信号処理部20は、光電変換素子16から出力される画像信号を処理し、メモリユニット部30に対して画像データを出力する。メモリユニット部30は、画像信号処理部20から入力される画像データをそのままプリンタ装置に出力するかまたはメモリに記憶する。
【0008】
プリンタ装置300は、印字処理部40、光学系60、作像系などから構成される。印字処理部40は、読取装置200から入力される画像データに基づいて光学系60の半導体レーザ61を駆動する。光学系60では、半導体レーザ61の出射するビームは、ポリゴンミラー65により偏向され、主レンズ66と反射ミラー67、68、69をへて、感光体ドラム71上の露光位置に導かれる。これにより、感光体ドラム71上に原稿画像の潜像が形成される。
【0009】
画像形成は、電子写真方式で行われる。感光体ドラム71上に形成された潜像を現像し、用紙上に転写かつ定着して用紙上に画像を形成する。現像転写系では、図1の反時計方向に回転駆動される感光体ドラム71が帯電チャージャ72により一様に帯電され、露光後に現像器73により現像される。現像されたトナー像は、転写チャージャ74により用紙に転写される。用紙は、分離チャージャ75により分離される。搬送系では、用紙がカセット80a,80bから供給され、用紙ガイド81、タイミングローラ82をへて感光体ドラム71へ導かれ、転写後に、搬送ベルト83により定着ローラ84へ搬送される。なお、サイズ検出センサ91、92は、用紙を収納するカセット80a、80bの用紙のサイズを検出する。カセット80a、80bから原稿と同一のサイズ(A4)の用紙が縦方向(T)と横方向(Y)とに供給可能である。定着系では、定着ローラ84が像を用紙に熱で定着し、その後、排出ローラ85が、用紙を排出する。
なお、再給紙ユニット600は、両面コピーなどにおいて用いられる付加装置である。再給紙ユニット600とプリンタ300内の再搬送系については、ここでは説明を省略する。
【0010】
(2)複写機の制御系
次に、制御部100について説明する。図2と図3は、複写機1の制御部100の構成を示すブロック図である。制御部100は、8個のCPU101〜108を中心に構成され、これら各CPU101〜108には、それぞれプログラムを格納したROM111〜118およびプログラム実行のワークエリアとなるRAM121〜128が設けられている。なお、CPU106は、メモリユニット30内に備えられる(図4参照)。
【0011】
CPU101は、操作パネル(図示しない)の各種操作キーからの信号の入力および表示にかかわる制御を行なう。
CPU102は、画像信号処理部20の各部の制御を行なう。
CPU103は、走査系10の駆動制御を行なう。
CPU104は、印字処理部40、光学系60および作像系を制御する。ここで、CPU104は、カセット検出センサ91、92からの信号に基づき、用紙カセット80a、80bに収納された複写用紙のサイズを得る。
CPU105は、制御部100の全体的なタイミング調整や動作モードの設定のための処理を行なう。
CPU106は、メモリユニット部30を制御することによって読取った画像データを圧縮して符号メモリ303に一旦格納し、これを読出して印字処理部40へ出力する。これにより、読取装置200とプリンタ装置300とを独立して制御し、コピー速度の向上を図っている。
CPU107は、原稿搬送部500を制御する。原稿サイズは、原稿搬送時に原稿サイズセンサ551,552により検出される。
CPU108は、再給紙ユニット600の制御を行なう。
これらCPU101〜108の間では、割込みによるシリアル通信が行なわれ、コマンド、レポート、その他のデータが授受される。
【0012】
(3)画像メモリを用いた画像データの圧縮および伸長
次に、画像データの処理について説明する。1ページ分の画像データは複数のブロックに分割して処理される。原稿から読み取ったデータは、画像信号処理部20においてデジタル画像データに変換される。画像データは、メモリユニット30においてブロック単位で圧縮されて符号メモリに格納される。画像再生の際には符号メモリの圧縮データがブロック単位で伸長されて読み出される。
まず、画像信号処理部20について説明すると、画像信号処理部20は、A/D変換器、シェーディング補正部などからなる。画像信号処理部20によって、光電変換素子16からの入力信号が、画素ごとに8ビットの画像データに量子化され、種々の処理が施された後に画像データD2として出力される。CPU102は、画像データD2をメモリユニット30に送る。
【0013】
次に、メモリユニット30について図4に示すブロック図を参照して説明する。画像が読み込まれたときは、画像信号処理部20からの画像データD2が、まず入力ページメモリ301に転送される。入力ページメモリ301に転送された画像は、次に圧縮器302によってブロック単位で圧縮される。圧縮されたデータは、符号メモリ303へ転送され記憶される。符号メモリ303は、たとえば、400dpiでA4サイズの50頁分の容量を有したマルチポートのメモリである。
圧縮器302による圧縮速度は、読み込んだ画像のデータに依存する。文字の多い原稿では圧縮速度は速く、写真のようなイメージの多い画像では圧縮速度は遅くなる。圧縮器302では最高の圧縮速度Vmaxと最低の圧縮速度Vminが規定されている。
【0014】
プリント時には、符号メモリ303内の圧縮された画像データは、伸長器304によって伸長される。また画像回転が必要な場合は、伸長時にブロック単位で回転器305で回転処理を行い、回転処理と伸長処理を同時に行う。伸長された画像データは、出力ページメモリ306に転送される。1頁の画像全てが出力ページメモリに展開されると、その読み出しアドレスを制御することによって画像の方向が90°回転できる。これにより、画像の方向を用紙の方向に合わせることができる。
本実施形態のメモリユニット30では、圧縮器302と伸長器304は同じ構造を備えているので、同じデータについての圧縮速度と伸長速度は同じである。伸長によって出力ページメモリ306に1ブロック分の画像データD3が生成されると、その画像データD3が、出力ページメモリ306から印字処理部へ転送される。図中の太い矢印で示すデータ転送は、コピー速度の向上のために互いに独立して且つ平行におこなうことができる。画像データは、それぞれ、図示しないDMAコントローラによりDMA転送されるようになっている。
メモリユニット部30は、ROM116に格納されているプログラムに従いCPU106により制御される。画像入力速度VR、最高圧縮速度Vmax、最悪伸長速度Vminおよび画像出力速度Vpは、ROM116に記憶されている。また、プログラムを動作させる時に必要なパラメータ(1ブロック目の圧縮完了時間tc1)などはRAM126に格納する。
【0015】
原稿画像の一時的な記憶に際しては、符号メモリ303は、RAM126内に設けられた符号管理テーブルによって管理される。図5は、符号管理テーブルおよびその符号メモリ303との対応をしめす。読み取って圧縮する際には、入力ページメモリ301に格納された画像をブロック単位に圧縮するため、符号メモリ303には、図の右側に示すように、1ページ分の画像データがブロック単位に分割されて記憶される。そこで、符号管理テーブルは、分割されたブロック単位の情報を記憶するブロック管理情報テーブルT2と、原稿中の1画像単位の情報を記憶する画像単位情報テーブルT1からなる。画像単位情報テーブルT1は、圧縮する前の1ページ単位での画像サイズや、圧縮サイズ、ブロック単位情報はどこに記憶しているかといった情報を記憶する。また、ブロック管理情報テーブルT2は、分割された画像データがどこにあるか、またブロック単位の圧縮サイズ、測定された圧縮時間等を記憶する。
【0016】
次に、読み取り及びプリントにおける複写機1の動作シーケンスについて、CPU101〜106の間でやりとりされる要求コマンド(Q)、レポート(A)またはデータの流れを中心に説明する。
図6は原稿読み込み動作の概略のシーケンスを示す。ここでは自動画像搬送装置500を使用する場合のシーケンスについて説明する。まず、全体のシーケンスを管理しているCPU105が、原稿搬送装置500を制御するCPU107に対して原稿交換を要求する。これを受けて、CPU107は原稿搬送を開始し、原稿サイズ検出結果をパラメータとして原稿セットレポートを返す。
CPU105は、サイズが確定した時点で、CPU106に対して読み取りと圧縮の要求を同時に発行する。CPU105は、さらに、画像処理を制御するCPU102に対しても読み取り要求を行う。すると、CPU102が画像読み取り装置を制御するCPU103に対してスキャンを要求する。
CPU103により原稿のスキャンが開始され、スキャナ19が画像領域に達すると、CPU102により設定された画像処理モードに応じて、読み取りデータ(画像データD2)が画像信号処理部20からメモリユニット部30に転送される。
【0017】
メモリユニット30を制御するCPU106は、入力ページメモリ301をあらかじめ原稿サイズに応じて所定のブロックに分割しておく。CPU106は、画像入力の進行状況をチェックし、所定のタイミングでブロック単位で圧縮器302や符号メモリ303のアドレスなどを設定し、各部の起動を行う。これによって圧縮処理が行われ、符号データが符号メモリ303に格納される。この時、各ブロックの圧縮開始から終了までの時間を計測し、RAM126に設けられた符号管理テーブル内のブロック管理情報テーブルT2内に計測値を記憶しておく。
1ブロック目の圧縮処理が完了すると、CPU106からCPU105に1ブロックの圧縮完了を通知する。さらに、CPU106は、このタイミングで読み込みサイズに応じた1ブロック当たりの最悪の圧縮時間の合計と、最悪の伸長時間と画像出力に要するプリント時間とから、プリントが伸長を追い越さない画像出力開始タイミングを計算しておく。そして、そのタイミングに達したら、CPU106は、CPU105に画像出力許可のレポートを通知する。
さらに、全てのブロックの圧縮処理が完了すると、CPU106は、CPU105に圧縮の完了を通知する。
【0018】
図7はプリント動作の概略のシーケンスを示す。プリント動作では、出力ページメモリ306から読み出された画像データD3に基づいて用紙に複写画像がプリントされる。本図は前述の図6と密接に関わるので、その都度説明する。
CPU105は、図6における原稿セットレポートを受けると原稿サイズが確定するので、どの用紙カセット80a、80bから給紙するかを判断し、用紙カセットをパラメータとしてCPU104に対して給紙を要求する。用紙カセットの選択時の判断を具体的に述べると、原稿がT(縦方向)かY(横方向)か判断し、もし、用紙カセット80a,80bに原稿と同一のサイズの用紙がTとYの両方向に存在する場合は、画像出力開始タイミングを早めるために、画像回転なしで伸長できる用紙、すなわち原稿と同一方向の用紙を選択する。
しかし、2枚以上のマルチコピーの場合は、回転の有無にかかわらず、横用紙(Y)を選択する。すなわち、もし画像回転なしで選択した用紙が縦用紙(T)であった場合でも、マルチコピーを考慮してトータルの印字時間を最短にするために、横用紙(Y)を選択する。以後の説明は、画像回転なしのプリントについて行う。
【0019】
CPU104は、給紙を開始すると、給紙レポートをCPU105に返す。CPU104は、給紙した用紙がタイミングローラに達して、画像出力の準備が完了すれば、CPU105に画像出力要求レポートを送信する。
CPU105は、図6における1ブロック圧縮完了レポートを受け取ると、CPU106にデータ伸長を要求する。
CPU106は、符号管理テーブルを参照することにより、ブロック単位で符号メモリ303からの読み出しアドレス、データ量等を設定して各部の起動を行う。これによって伸長処理が開始され、1ブロック分の画像データが出力ページメモリ305に書き込まれる。
【0020】
伸長処理の起動の後に、図6に示す画像出力許可レポートをCPU106から受け取っていれば、画像出力開始コマンドをCPU106とCPU104とに対して要求する。これを受けて、CPU106は、内部ハードウェアに対して、出力ページメモリ304から印字処理部40へ画像データD3を出力するためのバス接続状態の設定を行う。また、CPU104は、画像先端を画像出力開始タイミングに一致させるようタイミングローラ82からの用紙搬送を起動する。これにより、入力ページメモリ304から読み出された画像データD3が印字処理部40に出力され、プリントが行われる。
プリントが終了すると、CPU106とCPU104がCPU105に対してプリント完了レポート及びイジェクト完了レポートを送る。これらのレポートを受け取ったCPU105は、必要に応じてCPU106に対してメモリクリア要求を与える。
【0021】
既に説明したように、1頁の画像データが複数のブロックに分割され、ブロック単位で圧縮と伸長がなされる。(本実施形態では、1頁の画像データを同じ大きさの3ブロックに分割する。) 1ブロック目の圧縮が完了すると、伸長が可能になり、各ブロックの伸長が順次なされる。ここで、各ブロックでプリントが圧縮、伸長を追い越さないように、未圧縮データについて読み込みサイズに応じた最悪の圧縮速度と最悪の伸長速度を想定して画像出力開始タイミングが設定される。そして、画像出力開始タイミングになると、出力ページメモリ306からデータ出力が開始され、プリントが開始される。図8と図9に示す例では、画像出力は、第2ブロックの圧縮中に開始できる。
以下、メモリユニット30を制御するCPU106が、プリントが伸長を追い越さないように画像出力開始タイミングを設定するアルゴリズム(図10〜図13参照)について説明する。図8と図9はそれぞれ計算の1例を説明するための図である。この計算は、1ブロック目の圧縮処理が完了した後に、圧縮器302による圧縮中に行われ、得られた画像出力開始タイミングが設定される。計算は、1ブロック目の圧縮完了までに行なうこともできるが、この1ブロック目の圧縮完了時間の実測値を用いたほうが画像出力開始タイミングを早くできる。また、伸長は1ブロック目の圧縮完了の後に可能になるので、1ブロック目の圧縮完了をまって計算しても画像出力を遅らせることはない。そこで、画像出力開始タイミングは、圧縮ずみのデータの実測圧縮完了時間tc1を基に計算される。ここで、計算に用いられるパラメータは、たとえば、原稿サイズ、1ブロック当たりのドット数Bdot、原稿サイズに応じた画像読取装置からの入力速度VR(bps)(BdotとVRとから画像データを入力ページメモリ301に入力する入力時間が求められる)、最高の圧縮(伸長)速度Vmax(bps)(BdotとVmaxとから画像データを圧縮する最短圧縮時間が求められる)、最悪の圧縮(伸長)速度Vmin(bps)(BdotとVmaxとから画像データを圧縮する最長圧縮時間が求められる)、プリント速度Vout(BdotとVoutとから画像データをプリントするプリント時間が求められる)である。
【0022】
また、画像回転機能を備えている複写機において、従来は、原稿サイズと倍率により決定される用紙サイズが縦方向(T)と横方向(Y)の両方存在するときは、画像出力から終了までの画像出力時間の短い横方向の用紙を優先的に選択していた。このため、ファーストコピーにおいて、画像回転機能を用いて画像出力時間の短い用紙を優先的に選択したとしても、画像回転を行うと1頁の原稿を全部読み込み終わるまでは、画像を出力できなかった。したがって、たとえ画像出力開始から終了までの時間の短い用紙を選択しても、画像読み込み開始から画像出力開始まで全体として長時間を要していた。
本実施形態では、原稿と同一サイズの用紙が縦方向(T)と横方向(Y)の両方存在するときは、画像回転なしで伸長できる方向の用紙を選択する。これにより、画像出力開始タイミングを早める。
しかし、2枚以上のマルチコピーの場合は、回転の有無にかかわらず、横用紙(Y)を選択する。すなわち、もし画像回転なしで選択した用紙が縦用紙(T)であった場合でも、マルチコピーを考慮してトータルの印字時間を最短にするために、横用紙(Y)を選択する。以後の説明は、画像回転なしのプリントについて行う。
【0023】
(A)入力速度と圧縮速度の関係による圧縮開始タイミング
画像読取装置から入力ページメモリ301への転送速度(入力速度)と、入力ページメモリ301のデータの圧縮器302による圧縮速度の関係においては、圧縮が読み込みを追い越してはならない。そこで、圧縮器302による圧縮開始のタイミングを最高の圧縮速度で計算しておく必要がある。ここで、VR(bps)は、原稿サイズに応じた画像読取装置からの入力速度であり、Bdotは1ブロック当たりのドット数であり、Vmax(bps)は最高の圧縮(伸長)速度であるとする。このとき、Bdot/VRは、1ブロックのドットを入力ページメモリ301に入力するのに要する時間であり、Bdot/Vmaxは、1ブロックのドットを圧縮するのに要する時間である。最高圧縮速度Vmaxは入力速度VRより大きい。したがって、圧縮が読み込みを追い越さないようにするには、ブロックの読み込み開始から圧縮開始可能タイミングまでの時間twを以下のように設定すればよい。
tw = Bdot/VR − Bdot/Vmax (1)
【0024】
(B)2ブロック目の後の圧縮、伸長、画像出力
2ブロック目以降についても、読取データは引き続き入力速度VRで入力ページメモリ301に蓄積されていく。
また、入力ページメモリ301内のデータも順次読み出され、圧縮器302で圧縮されて符号メモリ303に蓄積されていく。
1ブロック分の圧縮データが符号メモリ303に蓄積されると、その圧縮データが読み出されて伸長器304により伸長が開始され、出力ページメモリ306に画像データが蓄積されていく。
出力ページメモリ306からの画像データの出力開始のタイミングtva、すなわち、画像出力開始タイミングは、最終ブロックの伸長終了時に画像出力(プリント)が終了するように計算すればよい。この計算において、圧縮が読み込みを追い越さないように、伸長が圧縮を追い越さないように、画像出力が伸長を追い越さないように考慮される。
この計算において、未圧縮のブロックの圧縮に要する時間を計算するが、ここで、プリント速度Vpが最悪の圧縮速度Vminより大きい場合(図8に1例を示す)と、 プリント速度Voutが最悪の圧縮速度Vminより小さい場合(図9に1例を示す)とがある。そこで、画像出力開始タイミングtvaの計算は、2つの場合に分けて説明する。
【0025】
(B1)プリント速度Vpが最悪の圧縮速度Vminより大きい場合
図8に示すように、画像出力開始タイミングtvaの計算において、まず第2ブロックと第3ブロックの圧縮に要する時間および第3ブロックの伸長に要する時間が計算され、次に、最終ブロックの伸長終了時が求められる。次に、これからプリントに要する時間3Bdot/Vpが差し引かれて画像出力開始タイミングtvaが求められる。1ブロック目の圧縮が完了した時(tc1)から時間tvaを経過したときにプリントが開始され、最終ブロックの伸長終了時にプリントが終了する。(B1−1)1ブロック目の圧縮完了から2ブロック目の圧縮開始までの時間twc2
1ブロック目の圧縮が完了した時間(実測値)をtc1とする(図8参照)。1ブロック分のデータ読み込みに要した時間Bdot/VRの後に2ブロック目のデータが読み込まれる。ここで、2ブロック目の圧縮開始タイミングは次の2つの場合が考えられる。
tc1 − Bdot/VR > tw
すなわち
tc1 > Bdot/VR + tw
の場合、上述の1ブロック目の場合と同様に、最高圧縮速度で圧縮をしても圧縮が読み込みを追い越すことはないので、2ブロック目の圧縮はすぐに開始できる。すなわち、1ブロック目の圧縮完了時tc1から2ブロック目の圧縮開始までの時間をtwc2とすると、
twc2 = 0 (2−1)
他方、
tc1 − Bdot/VR < tw
すなわち
tc1 < Bdot/VR + tw
の場合、圧縮が読み込みを追い越す可能性があり、2ブロック目の圧縮はすぐに開始できない。(図8における、2ブロック目の圧縮では、この場合を図示する。) そこで、2ブロック目の圧縮開始までの時間twc2は以下のようになる。
twc2 = Bdot/VR + tw − tc1 (2−2)
【0026】
(B1−2)2ブロック目の圧縮開始から3ブロック目の圧縮完了までの時間上述の2ブロック目の圧縮開始以降は、 最悪の圧縮速度と読み込み速度の関係にかかわらず、すぐに圧縮を開始できるので、2ブロック目の圧縮開始から終了までの時間tc2は、2ブロック目から最悪の圧縮速度Vminを想定すると、以下のようになる。
tc2 = Bdot/Vmin (3)
この時間が経過して圧縮が完了すると、2ブロック目の伸長が開始される。
2ブロック目はすぐに圧縮を開始できたが、3ブロック目の圧縮開始は、読み込み速度VRと最悪の圧縮速度Vminの関係より2通り考えられる。
2ブロック目の圧縮開始から3ブロック目の圧縮完了までの時間をtc23とすると、読み込み速度VRが最悪の圧縮速度Vminより大きい場合、すなわち、
Vmin ≦ VR
の場合、2ブロック目と3ブロック目の圧縮は連続的に行われるので、tc23は、最悪の圧縮速度Vminに依存して以下のようになる。
tc23 = 2Bdot/Vmin (4−1)
(図8における、最悪の圧縮速度と読み込み速度の関係では、この場合を示している。)
一方、読み込み速度VRが最悪の圧縮速度Vminより小さい場合、すなわち、
Vmin > VR
の場合、2ブロック目の圧縮完了までの時間は読み込み速度VRに依存し、3ブロック目の圧縮完了までの時間は最悪の圧縮速度Vminに依存するので、以下のようになる。
tc23 = Bdot/VR + Bdot/Vmin (4−2)
(図9における、最悪の圧縮速度と読み込み速度の関係では、この場合を示している。)
【0027】
(B1−3)結論
最後のブロック(3ブロック目)の圧縮が完了した後、最後のブロックの伸長が行われる。最後のブロックの伸長時間は、最悪の伸長速度Vminを考慮してBdot/Vminである。したがって、1ブロック目の伸長開始から全ブロックの伸長完了までの時間teは以下の式で表される。
te = twc2 + tc23 + Bdot/Vmin (5)
1ブロック目の伸長開始から画像出力開始までの時間tvaは、最終ブロックの伸長終了と画像出力の終了を一致させてやればよいので、最終ブロックの伸長終了時からさかのぼって画像出力を開始すればよい。従って、 1頁のプリントに要する時間が3Bdot/Vpなので、時間tvaは次のようになる。
tva = te − 3Bdot/Vp (6)
こうして、プリント速度Vpが最悪の圧縮速度Vminより大きい場合の画像出力タイミング、 従って、1ブロック圧縮完了から画像出力開始までの時間は、tvaを計算することにより求めることができる。
この例では1ページの画像を3ブロックに分割した場合を示した。 しかし、さらにブロック分割数が増えたとしても、最終ブロックの伸長終了と画像出力(プリント)の終了を一致させてやるように、最終ブロックの伸長終了からさかのぼれば、画像出力開始タイミングtvaは容易に計算できる。
【0028】
(B2)プリント速度が最悪の圧縮速度より小さい場合
図9はこの場合の1例を示す。2ブロック目の圧縮開始タイミングは、プリント速度Vpが最悪の圧縮速度Vminより大きい上述の場合と同様に考えられる。
上述の場合と異なる点は、プリント速度が最悪の圧縮速度Vminより小さいので、各ブロックの伸長開始と同時にプリントを行っても、プリントが伸長を追い越すことはないことである。したがって伸長時間を推定する必要はなく、圧縮時間のみが推定される。各ブロックにおいて以下のような計算ができる。
(B2−1)1ブロック目を考慮した画像出力開始時の計算
伸長開始と同時に画像出力が開始できるので、伸長開始時から画像出力開始までの時間tvb1は0となる。
【0029】
(B2−2)2ブロック目を考慮した画像出力開始時の計算
2ブロック目の伸長開始を1ブロック目のプリント完了に一致させてやればよい。1ブロック目の圧縮完了から2ブロック目の圧縮開始までの時間twc2と、2ブロック目の圧縮開始から完了までの時間tc2は、すでにB1において計算式(2−1)、(2−2)、(3)により求られている。2ブロック目の圧縮が完了すると、すぐに伸長と画像出力が開始できるので、1ブロック目の伸長開始から2ブロック目のプリント開始までの時間tvb2は以下の式で表される。
tvb2 = twc2 + tc2 − Bdot/Vp (7)
(B2−3)3ブロック目を考慮した画像出力開始時の計算
3ブロック目の伸長開始は、2ブロック目のプリント完了に一致させてやればよい。1ブロック目の圧縮完了から2ブロック目の圧縮開始までの時間twc2と、2ブロック目の圧縮開始から3ブロック目の圧縮完了までの時間tc23は、すでにB1において計算式(3)、(4−1)、(4−2)により求められている。3ブロック目の圧縮が完了すると、すぐに伸長と画像出力が開始できるので、1ブロック目の伸長開始から3ブロック目のプリント開始までの時間tvb3は以下の式で表される。
tvb3 = twc2 + tc23 − 2Bdot/Vp (8)
【0030】
(B2−4)結論
プリント速度が最悪の圧縮速度より小さい場合の画像出力タイミング、 すなわち、1ブロック圧縮完了から画像出力開始までの時間は、2ブロック目以降に関して、2ブロック目の伸長開始を1ブロック目のプリント終了に一致させる、3ブロック目の伸長開始を2ブロック目のプリント終了に一致させるというふうに、 全てのブロックに関して画像出力開始タイミングtvb2,tvb3を計算していき、その中から最も遅いタイミングを画像出力開始タイミングtvaと設定すればよい。図9に示した例では、tvb3を画像出力開始タイミングtvaとすればよい。
本実施形態では1ページの画像を3ブロックに分割した場合を示した。 しかし、さらにブロック分割数が増えたとしても、各ブロックでの伸長開始と1つ前のブロックのプリント終了を一致させてやるように、同様に計算していけば、画像出力開始タイミングtvaは容易に計算できる。
【0031】
図10〜図13は、 それぞれ、メモリユニット30および印字処理を含む全体を制御するCPU105による圧縮処理、伸長処理、出力処理を示すフローチャートである。ここで、上述の原稿画像データの圧縮時間の推定に基づく画像出力の開始時間の計算は、圧縮処理中になされる。
図10と図11に示す圧縮処理において、まずステップS10で画像データ入力を開始し、ステップS12で、ブロックの読み込み開始から圧縮開始可能タイミングまでの時間twを、
tw = Bdot/VR − Bdot/Vmax (1)
と設定する。ここに、原稿サイズに応じた画像読取装置からの入力速度をVR(bps)、1ブロック当たりのドット数をBdot、最高の圧縮(伸長)速度をVmax(bps)とする。時間twが経過すると(ステップS14でYES)、ステップS16で圧縮を開始する。
1ブロック目の圧縮が終了すれば(ステップS18でYES)、ステップS20で、1ブロック目圧縮完了レポートをCPU105に送り、ステップS22で、実測された圧縮終了時間(tc1)を格納する。
【0032】
次に、
tc1 ≧ Bdot/VR + tw
であるか否かを判定する(ステップS24)。ステップS24での判定がYESである場合、1ブロック目の圧縮完了時tc1から2ブロック目の圧縮開始までの時間をtwc2とすると、
twc2 = 0 (2−1)
と設定し(ステップS26)、NOであれば、
twc2 = Bdot/VR + tw − tc1 (2−2)
と設定する(ステップS28)。
次に、
Vmin ≦ VR
であるか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30での判定がYESであれば、2ブロック目の圧縮開始から3ブロック目の圧縮完了までの時間tc23は、
tc23 = 2Bdot/Vmin (4−1)
と設定し(ステップS32)、NOであれば、
tc23 = Bdot/VR + Bdot/Vmin (4−2)
と設定する(ステップS34)。
【0033】
次に、プリント速度Vpについて、
Vp ≧ Vmin
であるか否かを判定する(ステップS36)。プリント速度Vpが最悪の圧縮速度Vminより大きい場合(ステップS36でYES)、1ブロック目の伸長開始から全ブロックの伸長完了までの時間teは以下の式で計算され(ステップS38)、
te = twc2 + tc23 + Bdot/Vmin (5)
1ブロック目の伸長開始から画像出力開始までの時間tvaは、次のようになる(ステップS40)。
tva = te − 3Bdot/Vp (6)
そして、画像回転を禁止する(ステップS42)。ただし、2枚以上のマルチコピーの場合は、横用紙(Y)を選択し、回転が必要ならば回転を行なう。
一方、プリント速度が最悪の圧縮速度Vminより小さい場合(ステップS36でNO)、1ブロック目の伸長開始から画像出力開始までの時間tvaは、次のようになる(ステップS44)。
tvb3 = twc2 + tc23 − 2Bdot/Vp (7)
次に、全Nブロックについて圧縮が終了したかを判定する(ステップS46)。圧縮が終了していないと判定されると(ステップS46でNO)、残りのブロックを圧縮し(ステップS48)、ステップS44に戻る。全ブロックでの圧縮が終了したと判定されると(ステップS46でYES)、ステップS50で、CPU105に圧縮完了通知を送り、圧縮処理を終了する。
【0034】
図12に示す伸長処理においては、まずステップS60において、伸長開始タイミングかどうかを判断する。すなわち、少なくとも1ブロック分の圧縮が終了していれば伸長は可能となるので、ここでは1ブロック分の圧縮が終了していることを条件に開始タイミングかどうかを判断している。
次にステップS62で、符号メモリ303からデータを読み出し、ステップS64で、読み出されたデータの伸長を行う。そして、伸長が終了したと判断されると(ステップS66でYES)、ステップS68で出力ページメモリ306に格納し、伸長処理を終了する。
【0035】
図13に示す出力処理においては、まず、1ブロック目の伸長が開始されたと判断されると(ステップS80でYES)、伸長が開始されてから出力ページメモリ306からデータを読み出すまでの時間tvaを各ブロックの圧縮時間、ドット数、最悪伸長時間、読み出し時間を基に求める(式(1)、(2)、(3)参照)。そして、各ブロックにおける伸長開始時刻の最も遅い時刻tを画像出力開始タイミングとする(ステップS82)。
次に、tvaが経過したと判断されると(ステップS84でYES)、ステップS86で、出力ページメモリ306からデータの読み出しを開始させる。そして、全データが出力されると、ステップS88で、CPU105にプリント完了通知を送り、出力処理を終了する。
このように、各ブロックの伸長に要する時間tを推定して出力ページメモリ306からの読み出しを開始するので、読み出しが伸長を追い越すことはない。さらに、1ページの伸長終了を待たずに読み出しを開始することができるので、スループットを高めることができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によると、1ページ分の全ての画像の読み込み完了を待たずして、伸長を開始し、画像出力を開始できるので、ファーストコピー速度を向上することができる。
本発明によると、原稿と同一サイズの用紙が縦(T)/横(Y)の両方存在する場合にも、画像回転をしない用紙を強制的に選択することによって、原稿の方向によらず、画像出力を早めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る複写機の全体構成を示す断面正面図である。
【図2】 複写機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図3】 複写機の制御部の構成を示すブロック図である。
【図4】 メモリユニット部の構成を示すブロック図である。
【図5】 画像情報と符号メモリとの関係を示す図である。
【図6】 原稿読み込み動作の概略シーケンスを示す図である。
【図7】 プリント動作の概略シーケンスを示す図である。
【図8】 プリント速度が最悪の圧縮速度よりも小さい時の、読み取り(圧縮)/プリント(伸長)の関係を示す図である。
【図9】 プリント速度が最悪の圧縮速度よりも大きい時の、読み取り(圧縮)/プリント(伸長)の関係を示す図である。
【図10】 圧縮処理の一部のフローチャートである。
【図11】 圧縮処理の一部のフローチャートである。
【図12】 伸長処理のフローチャートである。
【図13】 出力処理のフローチャートである。
【符号の説明】
30 メモリユニット部
106 CPU
301 入力ページメモリ
302 圧縮器
303 符号メモリ
304 伸長器
305 回転器
306 出力ページメモリ
Claims (4)
- 圧縮データを蓄積する第1のメモリと、
読み込んだ原稿画像データを所定のブロックに分割してブロック単位で圧縮し、第1のメモリに格納する圧縮手段と、
画像出力データを蓄積する第2のメモリと、
第1のメモリからブロック単位で画像データを読み出して伸長し、第2のメモリに格納する伸長手段と、
第2のメモリから画像データを読み出して画像出力を行うプリント手段と、
圧縮速度に基づいて、未圧縮のブロックのドット数の圧縮に要する時間を計算する第1の計算手段と、
上記第1の計算手段で計算された圧縮時間と伸長速度とに基づいて、第1のメモリに格納されたブロックのドット数の伸長に要する時間を計算する第2の計算手段と、
上記第2の計算手段で計算された伸長時間とプリント速度とに基づいて、全ブロックの圧縮完了の前であってもプリント手段による出力が伸長を追い越さないタイミングで第2のメモリからの画像出力の開始時間を設定する設定手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載された画像形成装置において、
上記設定手段は、上記圧縮手段による1ブロック目の圧縮完了タイミングから画像出力開始までの時間を設定することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1に記載された画像形成装置において、
上記第1の計算手段及び第2の計算手段による計算は、上記圧縮手段による圧縮中に行うことを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1から3までのいずれかに記載された画像形成装置において、
さらに、第2のメモリに格納される画像を回転する画像を回転する画像回転手段と、プリント手段に用紙を供給する給紙手段と、圧縮手段における圧縮中に、プリント手段による画像出力を開始する場合、画像回転手段に対し画像の回転を禁止し、給紙手段に原稿画像と同一方向の用紙を自動的に給紙させる制御手段と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
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