JP3706822B2 - 帯域割当回路および帯域割当方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のコネクションからなるコネクション群に対して帯域を割り当てる帯域割当回路および帯域割当方法に関する。特に、ITU−T勧告G983.1 等に記載されているATM−PONにおいて、動的に帯域を割り当てる帯域割当回路および帯域割当方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
公平な帯域割当方法としては、例えば設定された保証帯域の総和の比、設定された最大帯域の総和から設定された保証帯域の総和を減じた帯域の比、割当要求帯域の比などが提案されている(文献1:M.Yoshino et al.,"DBA Function for Broadband Passive Optical Network Systems",OHAN/FSAN 2001,3.1,Apr.2001)。
【0003】
また、複数のコネクションからコネクション群が構成され、各コネクション群に対して帯域が割り当てられる場合に、異なるコネクション群に収容されるコネクション間での余剰帯域割当に不公平が発生することがある。それは、個別のコネクションに帯域を割り当てずにコネクション群に対して割り当てを実施するためであるが、その理由として、帯域割当を要求する割当要求帯域を帯域割当回路に申告するために使用する申告帯域が無視できない場合や、割当帯域の粒度が粗いためにコネクションごとでは分割損が無視できない場合がある。さらに、コネクションとコネクション群をOSIで定義される別々のレイヤに配置する場合である。この場合、申告や割当を上位レイヤのアプリケーションに無依存に設定することが可能であり、様々なアプリケーションを多重することができたり、レイヤ別に独立してハンドリングができる等の効果から用いられる。
【0004】
このような装置として、ITU−T勧告G983.1 等に示されるATM−PONまたはBPONと呼ばれる装置がある。BPONのT−CONTがコネクション群に相当する。BPONではT−CONTに対して、収容コネクションの要求帯域総和と保証帯域設定に基づいて帯域を割り当てる。収容されるT−CONTによるコネクション間の不公平を解消することを目的に、例えばUPC相当の回路をONT(Optical Network Terminal) に具備することにより、計数する保証帯域相当の要求帯域を申告する方法が提案されている(文献2:Frank J Effenberger et al.,"ATM contract enforcement over G.983.1 compatible ATM PON system",OHAN/FSAN 2001,3.2,Apr.2001) 。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、個別のコネクションに対する公平性を考慮したコネクション群に対すく余剰帯域割当法として妥当なものがなかった。ここで、従来の帯域割当の例として、文献1において妥当とする保証帯域比と、文献2に示される最大帯域比を用いた例を示す。
【0006】
GFRコネクション1からコネクション5までの5コネクションがあり、それぞれがMCR(Minimum Cell Rate)30Mbit/s 、PCR(Peak Cell Rate)150Mbit/s が設定されており、5コネクションで 150Mbit/s を共用するものとする。コネクション1とコネクション2はコネクション群Aを構成し、コネクション3からコネクション5まではコネクション群Bを構成するものとする。コネクション群は合計150 Mbit/s を共用するものとして、コネクション群の設定値は構成要素となるコネクションの設定値の総和とする。ここで、コネクション1とコネクション2とコネクション3のみPCRまでデータの入力があるものとする。
【0007】
余剰帯域割当が、コネクション群全体の保証帯域比である場合には60M:90Mであるので、コネクション群として割当帯域はそれぞれ60M、90Mとなり、コネクションでは30Mと90Mとなり不公平が生じる。一方、コネクション群全体の最大帯域比である場合には保証帯域分は60M:30Mであり、余剰帯域は30M:30Mであり、合計が90M:60Mとなり、コネクションでは45Mと60Mとなり不公平が生じる。
【0008】
また、文献2で提案されている従来の方法は、以下のような問題が無視できない。(1) コネクション群当たり複数の申告値を申告し、申告に要する帯域が数倍に増加する問題がある。(2) 収容コネクション数、QoSに対応する複数の申告オプションが存在し、オプションを選択する手順が必要となる。この手順の追加に伴い、ONT側の管理情報および機能が複雑化する問題がある。(3) コネクションごとのMCR相当の要求帯域を検出してコネクション群全体の保証帯域相当の要求帯域を積算するために、UPC相当の回路をONTに新規に組み込む必要があり、ONTコストが増加する問題がある。
【0009】
本発明は、帯域割当対象であるコネクション群に含まれる個々のコネクションに対して公平に帯域を割り当てることができる帯域割当回路および帯域割当方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、1または複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当回路において、過去のコネクション群への割当帯域に関するコネクションごとの使用状況を観測し、観測値として出力する観測手段と、観測値を入力し、その観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位に積算し、積算値として出力する積算手段と、積算値と現在のコネクション群の割当要求帯域を入力し、現在のコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域を推定し、その推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を出力する推定手段と、推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を用いてコネクション群に帯域割当を行う帯域割当手段とを備える(請求項1)。
【0011】
観測手段は、保証帯域以上の帯域利用を示すフィールドに保証帯域以上の帯域利用を意味する値を記載したフレームと、保証帯域以下の帯域利用を示すフィールドに保証帯域以下の帯域利用を意味する値を記載したフレームのフィールドの値から保証帯域相当の使用状況を観測し、観測値として出力する構成としてもよい(請求項2)。
【0012】
積算手段は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションで帯域を使用したコネクションを識別し、帯域を使用したコネクションの保証帯域の総和を積算し、積算値として出力する構成としてもよい(請求項3)。また、コネクション群が異なるサービス品目に分類される複数のコネクションからなる場合に、積算手段は、観測値からサービス品目ごとに保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を超過する使用帯域の各値を、それぞれコネクション群単位で積算し、積算値として出力する構成としてもよい(請求項4)。また、積算手段は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域と、保証帯域を有しないコネクションの使用帯域の各値をそれぞれコネクション群単位に積算し、積算値として出力する構成としてもよい(請求項5)。
【0013】
推定手段は、積算値がコネクション群の割当要求帯域を超過する場合、そのコネクション群の割当要求帯域を保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成としてもよい(請求項6)。また、推定手段は、過去のコネクション群の割当要求帯域に対する現在のコネクション群の割当要求帯域の増加分が、該コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和または該コネクション群を構成する全コネクションの保証帯域の総和のいずれかから積算値を差し引いた値を超過しない分だけ積算値に加算し、コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成としてもよい(請求項7)。
【0014】
また、推定手段は、コネクション群を構成する各コネクションの過去の使用要求帯域に対する現在の割当要求帯域の増加分で、各コネクションの保証帯域に含まれる帯域を、コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域に加算してコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成としてもよい(請求項8)。
【0015】
積算手段は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位で積算した積算値に加え、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和を積算値として出力する構成であり、推定手段は、現在のコネクション群の割当要求帯域と、該コネクション群の前回の割当帯域から積算値であるコネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和を差し引いた帯域とを比較し、その少ない方の帯域を現在のコネクション群の割当要求帯域として推定する構成としてもよい(請求項9)。
【0016】
本発明は、少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる(請求項10)。
【0017】
本発明は、少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる(請求項11)。
【0018】
また、コネクション群自体に保証帯域が設定されており、コネクション群の保証帯域設定が、該コネクション群を構成するコネクションの保証帯域の合計値に満たない場合に、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和と該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値、またはコネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和と該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てるようにしてもよい(請求項12)。
【0019】
本発明は、少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、コネクション群中で保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域に相当する積算値を上限として、コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和、または各コネクションの保証帯域相当の使用帯域の総和を用いて余剰帯域を割り当て、全コネクション群の保証帯域を有する各コネクションの保証帯域を超過する使用帯域に相当する積算値に対する余剰帯域割り当て終了後に、未割り当ての割当要求帯域に対して均等に余剰帯域を割り当てる(請求項13)。
【0020】
【発明の実施の形態】
<第1の実施形態:請求項1>
図1は、本発明の帯域割当回路の第1の実施形態を示す。図において、本実施形態の帯域割当回路は、観測手段11、積算手段12、推定手段13および帯域割当手段14により構成される。
【0021】
観測手段11は、過去のコネクション群への割当帯域に関するコネクションごとの使用状況を観測し、観測値として出力する。積算手段12は、観測手段11の観測値を入力し、その観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位に積算し、積算値として出力する。推定手段13は、積算手段12の積算値と現在のコネクション群の割当要求帯域を入力し、現在のコネクション群の割当要求帯域に占める保証帯域相当の割当要求帯域を推定し、その推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を出力する。帯域割当手段14は、推定手段13の推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を用いてコネクション群に帯域割当を行う。
【0022】
なお、現在のコネクション群の割当要求帯域を推定手段13および帯域割当手段14に接続することにより、帯域割当手段14は、現在のコネクション群の割当要求帯域を推定手段13を介さずに直接入力してもよい(図中破線の経路)。
【0023】
本実施形態のコネクションとは、パス、ATMのVC、ATMのVP等に相当する。コネクション群とは複数のVCを収容するVP、複数のVCまたは複数のVPを収容するT−CONT等を意味する。保証帯域とはATC/QoSがGFRやABRであるATMコネクションのMCR、ATC/QoSがSBRであるATMコネクションのSCRに相当する。また、ATC/QoSがUBRであるコネクションの場合、個別のコネクションに対して明示的な保証帯域は存在しないが、UBRのみのコネクションからなるコネクション群であっても、コネクション群として保証帯域がある場合がある。この場合には、コネクション群の保証帯域をもってコネクションの保証帯域の総和とみなす。現在のコネクション群の割当要求帯域は、文献1および文献2で示されるように、被帯域割当回路からの申告か、割当帯域の使用状況の観測のいずれかまたは両方の組み合わせを用いて予測することにより取得している。
【0024】
本実施形態では、過去に割り当てた帯域のコネクションごとの使用状況を観測することにより、保証帯域相当の割当要求帯域を推定することができるので、文献2に示す従来技術と異なり、保証帯域相当の割当要求帯域を申告する必要がない。そのため、保証帯域相当の割当要求帯域を申告するための帯域を消費する必要がなく、被帯域割当装置への入力帯域が保証帯域を超過しているか否か監視するUPCのような装置も不要となる。
【0025】
<第2の実施形態:請求項2>
本発明の帯域割当回路の第2の実施形態は、第1の実施形態においてCLP0/CLP1を用いた場合の変形例を示す。本実施形態は、情報を伝達するためのフレームに保証帯域を超過しない帯域利用であるか保証帯域を超過した帯域利用であるかを示すために確保されているフィールドの記載が正しく行われている場合に用いることを想定したものである。このようなフィールドの例としては、例えばATMの場合にはヘッダに設けられた、保証帯域相当のセルであるか否かを明示的に示すためのフィールドであるCLPビットである。
【0026】
本実施形態の特徴は、図1に示す観測手段11の構成の違いにある。本実施形態の観測手段は、保証帯域を超過していない値が入力されているフレーム数を計数することで保証帯域相当の使用帯域を観測することができる。本実施形態は、コネクションごとに保証帯域相当の使用帯域を観測することなく、保証帯域相当の使用帯域が観測可能であるので、第1の実施形態に比べて観測手段の回路規模を軽減することができる。
【0027】
<第3の実施形態:請求項3>
本発明の帯域割当回路の第3の実施形態の特徴は、図1に示す積算手段12の構成の違いにある。本実施形態の積算手段は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位に積算する代わりに、コネクション群を構成する各コネクションで帯域を使用したコネクションを識別し、帯域を使用したコネクションの保証帯域の総和を積算し、積算値として出力する。
【0028】
本実施形態の利点は、第1の実施形態に比べて、積算手段12の構成が簡単になることである。これは、第1の実施形態では、UPCに相当する機能をコネクションごとに具備し、コネクションごとの保証帯域相当の使用帯域までを積算する必要があったのに対して、本実施形態ではコネクションごとの使用未使用のみを識別するだけで積算が可能となるためである。本実施形態は、データトラヒックの特徴として、使用するときはバースト的に大量のトラヒックを出力し、使用しないときはほとんどトラヒックを出力しない特性を利用したものであり、少しでも当該コネクションにトラヒックがある場合は、保証帯域相当の割当要求帯域があると推定することで可能となる。
【0029】
<第4の実施形態:請求項1,10>
本発明の帯域割当回路の第4の実施形態の特徴は、図1に示す帯域割当手段14の処理手順の違いにある。第4の実施形態における帯域割当手段14の処理手順を図2および図3に示す。
【0030】
図2において、帯域割当手段14は、各コネクション群に保証帯域に相当する割当要求帯域の割り当てを行い、割り当て可能な余剰帯域があれば、その余剰帯域をコネクション群の保証帯域に相当する割当要求帯域の比で割り当てる。すなわち、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和に比例してコネクション群間で余剰帯域を割り当てる。
【0031】
さらに、帯域割当手段14は図3のフローチャートに示すように、余剰帯域の割り当ての結果、コネクション群の割当要求帯域を超過またはコネクション群に割り当てが許容される最大帯域の設定値を超過する割り当てがあれば、超過分を新たな余剰帯域として扱い、超過したコネクション群を余剰帯域割当の対象から除外し、再割り当て処理を行う。これにより、帯域利用効率を向上させることができる。
【0032】
本実施形態の帯域割当手段14では、上述した従来技術の帯域割当では実現できない場合のある異なるコネクション群に属するコネクション間での公平な帯域割当を実現することができる。
【0033】
本実施形態により公平な割り当てが行われる例について示す。GFRコネクション1からコネクション5までの5コネクションがあり、それぞれがMCR30Mbit/s 、PCR 150Mbit/s が設定されており、5コネクションで 150Mbit/s を共用するものとする。コネクション1とコネクション2はコネクション群Aを構成し、コネクション3からコネクション5まではコネクション群Bを構成するものとする。コネクション群は合計150 Mbit/s を共用するものとし、コネクション群の設定値は構成要素となるコネクションの設定値の総和とする。ここで、コネクション1とコネクション2とコネクション3のみPCRまでデータの入力があるものとする。本実施形態では、保証帯域分が60M:30Mであり、余剰帯域は40M:20Mであり、合計が 100M:50Mとなり、コネクションでは50Mとなって公平となる。
【0034】
以上示した各本実施形態は、異なるコネクション群に収容されるコネクション間で公平な余剰帯域割当を実現することができる。
【0035】
<第5の実施形態:請求項10>
本実施形態は、請求項10に示す帯域割当方法を実現する帯域割当回路の構成であり、図4に示すように帯域割当手段14のみで構成される。
【0036】
この帯域割当手段14は、現在のコネクション群の割当要求帯域とコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域を入力し、帯域割当を行う。本実施形態と第3の実施形態との違いは、観測手段11、積算手段12および推定手段13をもたず、過去のコネクション群への割当帯域に関するコネクションごとの使用状況を入力する代わりに、現在のコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域を入力するところにある。
【0037】
<第6の実施形態:請求項6,10>
本発明の帯域割当回路の第6の実施形態の特徴は、図1に示す推定手段13の構成の違いにある。本実施形態の推定手段は、積算手段12の積算値と現在のコネクション群の割当要求帯域を入力し、その小さい値を保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成である。
【0038】
第1の実施形態では、過去の使用帯域より推定した保証帯域相当の割当要求帯域が現在のコネクション群全体の割当要求帯域を超過した場合でも、保証帯域相当の割当要求帯域があると想定するため、不必要な帯域割当がなされる問題があった。本実施形態の推定手段13では、過去の使用帯域より推定した保証帯域相当の割当要求帯域の上限値を現在のコネクション群全体の割当要求帯域とするため、不必要な帯域割当がなくなり、帯域の利用効率を向上させることができる。
【0039】
<第7の実施形態:請求項7,11>
本発明の帯域割当回路の第7の実施形態の特徴は、図1に示す推定手段13の構成の違いにある。本実施形態の推定手段は、過去のコネクション群の割当要求帯域に対する現在のコネクション群の割当要求帯域の増加分が、該コネクション群を構成するコネクション内で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和または該コネクション群を構成する全コネクションの保証帯域の総和のいずれかから積算値を差し引いた値を超過しない分だけ積算値に加算し、コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成である。
【0040】
第1の実施形態では、過去に使用した保証帯域相当から現在の保証帯域相当の割当要求帯域を推定していたため、コネクション群全体の割当要求帯域の増減に伴い保証帯域相当の割当要求帯域の増減があった場合に対応が遅れる問題があった。本実施形態の推定手段13では、保証帯域相当の割当要求帯域の増減の変化を推定し、保証帯域相当の割当要求帯域の変化に迅速に対応させることができる。
【0041】
<第8の実施形態:請求項8>
本発明の帯域割当回路の第8の実施形態の特徴は、図1に示す推定手段13の構成の違いにある。本実施形態の推定手段は、コネクション群を構成する各コネクションの過去の使用要求帯域に対する現在の割当要求帯域の増加分で、各コネクションの保証帯域に含まれる帯域を、コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域に加算してコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する。
【0042】
第7の実施形態では、コネクション群全体として保証帯域相当の帯域を推定しているので、保証帯域を超過して帯域を利用しているコネクションの割当要求帯域の増加を、保証帯域を超過せずに帯域を利用しているコネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の増減と誤る問題がある。本実施形態では、コネクションごとに保証帯域相当の帯域増加を予測するために、保証帯域相当の割当要求帯域増減をより正確に予測することができる。
【0043】
<第9の実施形態:請求項9>
本発明の帯域割当回路の第9の実施形態の特徴は、図1に示す積算手段12および推定手段13の構成の違いにある。本実施形態の積算手段12は、観測手段11の観測値からコネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和を積算値として出力する。推定手段13は、現在のコネクション群の割当要求帯域と、該コネクション群の前回の割当帯域から積算値(コネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和)を差し引いた帯域とを比較し、その少ない方の帯域を現在のコネクション群の割当要求帯域として推定する。
【0044】
本実施形態では、コネクション群を構成するコネクションの中にコネクションに許容された最大帯域を超過して帯域を使用しているコネクションの存在を検出することで、コネクション群に対して不必要な帯域割当がなされていることを検出し、不必要な帯域割当を抑制する。これにより、帯域の使用効率を向上させることができる。
【0045】
<第10の実施形態:請求項5,13>
本発明の帯域割当回路の第10の実施形態の特徴は、図1に示す積算手段12、推定手段13および帯域割当手段14の構成の違いにある。本実施形態の積算手段は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域と、保証帯域を有しないコネクションの使用帯域の各値をそれぞれコネクション群単位に積算し、積算値として出力する。
【0046】
推定手段13は、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域と、保証帯域を有しないコネクションの使用帯域の各値を積算手段12から入力し、現在のコネクション群全体の割当要求帯域の過去からの増加分が、帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和またはコネクション群を構成する全コネクションの保証帯域の総和を上限として、保証帯域相当の帯域要求と推定する。そして、保証帯域相当の帯域要求の追加で、現在のコネクション群全体の割当要求帯域の過去からの増加分が超過する分は、保証帯域を有して帯域を使用しているコネクションの最大帯域の総和、またはコネクション群を構成するコネクションで保証帯域を有する全コネクションの最大帯域の総和を上限として、保証帯域を有するコネクションの割当要求帯域と推定する。この推定によっても、現在のコネクション群全体の割当要求帯域の過去からの増加分が超過する分は、保証帯域を有しないコネクションの帯域要求と推定する。
【0047】
帯域割当手段14は、推定手段13の推定値に基づき、コネクション群に保証帯域に相当する割当要求帯域を割り当てる。全コネクション群に対する保証帯域に相当する割当要求帯域を割り当て後に、コネクション群に保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する割当要求帯域を割り当てる。全コネクション群に対する保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する割当要求帯域を割り当て後に、コネクション群に保証帯域を有しないコネクションの割当要求帯域をコネクション群で均等に割り当てる。
【0048】
本実施形態では、保証帯域と保証帯域を超過する帯域を有するGFRコネクションと、保証帯域を有しないUBRコネクションのように複数の余剰帯域の割当優先度があるコネクションを含むコネクション群に対して、帯域割当を公平に実現することができる。
【0049】
<第11の実施形態:請求項4>
本発明の帯域割当回路の第11の実施形態の特徴は、図1に示す積算手段12、推定手段13および帯域割当手段14の構成の違いにある。本実施形態の積算手段12は、観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を超過する使用帯域をサービス品目ごとにそれぞれコネクション群単位で積算し、積算値として出力する。ここで、異なるサービス品目とは、ATMのATC/QoSであれば、GFRとSBRとUBRのように異なるATC/QoSであり、ユーザごとに定義されるサービスであれば利用ユーザ等の違いを意味する。
【0050】
推定手段13は、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と保証帯域を超過する使用帯域とのサービス品目ごとの各値を積算手段12から入力し、サービス品目ごとの現在のコネクション群全体の割当要求帯域の過去からの増加分を上限として、保証帯域相当の帯域要求と推定する。そして、保証帯域相当の帯域要求の追加で、現在のコネクション群全体の割当要求帯域の過去からの増加分が超過する分は、サービス品目ごとの保証帯域を超過する割当要求帯域と推定する。
【0051】
帯域割当手段14は、推定手段13の推定値に基づき、コネクション群に各サービス品目の保証帯域に相当する割当要求帯域を割り当てる。全コネクションの全サービス品目の保証帯域に相当する割当要求帯域を割り当て後に、サービス品目ごとの保証帯域を超過する割当要求帯域を均等またはサービス品目ごとの保証帯域に相当する割当要求帯域比で割り当てる。
【0052】
本実施形態では、同一コネクション群に様々なサービス品目を含み、サービス品目間で帯域使用をしないコネクション群に対しても公平な帯域割当を実現することができる。
【0053】
<第12の実施形態:請求項12>
本発明の帯域割当回路の第12の実施形態の特徴は、図1に示す推定手段14の構成の違いにある。第3の実施形態では、コネクションの保証帯域に相当する割当要求帯域の総和の比で割り当てを行ったが、本実施形態では、コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和と該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値、または前記コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和と該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる。
【0054】
この推定手段14の処理手順の違いにより、第3の実施形態と異なってコネクション群自体に保証帯域が設定されており、該コネクション群の保証帯域設定が該コネクション群を構成するコネクションの保証帯域の合計値に満たない場合でも正常に帯域割当を実現することができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の帯域割当回路および帯域割当方法は、保証帯域比ではなく、保証帯域比相当の要求帯域比で余剰帯域を割り当てることにより、異なるコネクション群に収容されるコネクション間で公平な帯域割当が可能となる。
【0056】
また、ONTで保証帯域相当の帯域を申告する代わりに、OLTでコネクションごとにMCR相当の導通帯域を観測し、T−CONTごとの保証帯域相当の要求帯域を推定することにより、申告に伴う帯域使用の問題を解決し、かつ帯域割当対象であるコネクション群に含まれる個々のコネクションに対して公平に帯域を割り当てることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の帯域割当回路の第1の実施形態を示すブロック図。
【図2】第3の実施形態における帯域割当手段14の第1の処理手順を示すフローチャート。
【図3】第3の実施形態における帯域割当手段14の第2の処理手順を示すフローチャート。
【図4】本発明の帯域割当回路の第4の実施形態を示すブロック図。
【符号の説明】
11 観測手段
12 積算手段
13 推定手段
14 帯域割当手段
Claims (13)
- 少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、1または複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当回路において、
過去のコネクション群への割当帯域に関するコネクションごとの使用状況を観測し、観測値として出力する観測手段と、
前記観測値を入力し、その観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位に積算し、積算値として出力する積算手段と、
前記積算値と現在のコネクション群の割当要求帯域を入力し、現在のコネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域を推定し、その推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を出力する推定手段と、
前記推定値と現在のコネクション群の割当要求帯域を用いてコネクション群に帯域割当を行う帯域割当手段と
を備えたことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1に記載の帯域割当回路において、
前記観測手段は、保証帯域以上の帯域利用を示すフィールドに保証帯域以上の帯域利用を意味する値を記載したフレームと、保証帯域以下の帯域利用を示すフィールドに保証帯域以下の帯域利用を意味する値を記載したフレームの前記フィールドの値から保証帯域相当の使用状況を観測し、観測値として出力する構成である
を備えたことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1に記載の帯域割当回路において、
前記積算手段は、前記観測値からコネクション群を構成する各コネクションで帯域を使用したコネクションを識別し、帯域を使用したコネクションの保証帯域の総和を積算し、積算値として出力する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1に記載の帯域割当回路において、
前記コネクション群は、異なるサービス品目に分類される複数のコネクションからなり、
前記積算手段は、前記観測値からサービス品目ごとに保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を超過する使用帯域の各値を、それぞれコネクション群単位で積算し、積算値として出力する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1に記載の帯域割当回路において、
前記積算手段は、前記観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域と、保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域と、保証帯域を有しないコネクションの使用帯域の各値をそれぞれコネクション群単位に積算し、積算値として出力する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の帯域割当回路において、
前記推定手段は、前記積算値がコネクション群の割当要求帯域を超過する場合、そのコネクション群の割当要求帯域を保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の帯域割当回路において、
前記推定手段は、過去のコネクション群の割当要求帯域に対する現在のコネクション群の割当要求帯域の増加分が、該コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和または該コネクション群を構成する全コネクションの保証帯域の総和のいずれかから前記積算値を差し引いた値を超過しない分だけ積算値に加算し、コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の帯域割当回路において、
前記推定手段は、コネクション群を構成する各コネクションの過去の使用要求帯域に対する現在の割当要求帯域の増加分で、各コネクションの保証帯域に含まれる帯域を、前記コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域に加算して前記コネクション群の保証帯域相当の割当要求帯域として推定する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 請求項1に記載の帯域割当回路において、
前記積算手段は、前記観測値からコネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の使用帯域をコネクション群単位で積算した積算値に加え、前記観測値からコネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和を積算値として出力する構成であり、
前記推定手段は、現在のコネクション群の割当要求帯域と、該コネクション群の前回の割当帯域から前記積算値であるコネクション群を構成する各コネクションの最大帯域を超過して使用した帯域の総和を差し引いた帯域とを比較し、その少ない方の帯域を現在のコネクション群の割当要求帯域として推定する構成である
ことを特徴とする帯域割当回路。 - 少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、
前記コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる
ことを特徴とする帯域割当方法。 - 請求項10に記載の帯域割当方法において、
コネクション群自体に保証帯域が設定されており、前記コネクション群の保証帯域設定が、該コネクション群を構成するコネクションの保証帯域の合計値に満たない場合に、前記コネクション群を構成する各コネクションの保証帯域相当の割当要求帯域の総和と該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる
ことを特徴とする帯域割当方法。 - 少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、
前記コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和と、該コネクション群自体の保証帯域設定の小さい方の値を用いてコネクション群間で余剰帯域を割り当てる
ことを特徴とする帯域割当方法。 - 少なくとも1つの保証帯域設定を有するコネクションから構成されるコネクション群があり、複数のコネクション群に帯域を割り当てる帯域割当方法において、
前記コネクション群中で保証帯域を有するコネクションの保証帯域を超過する使用帯域に相当する積算値を上限として、前記コネクション群で帯域を使用しているコネクションの保証帯域の総和、または各コネクションの保証帯域相当の使用帯域の総和を用いて余剰帯域を割り当て、
全コネクション群の保証帯域を有する各コネクションの保証帯域を超過する使用帯域に相当する積算値に対する余剰帯域割り当て終了後に、未割り当ての割当要求帯域に対して均等に余剰帯域を割り当てる
ことを特徴とする帯域割当方法。
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