JP3644404B2 - 光加入者線端局装置及びaponシステム及びセル遅延ゆらぎ抑制方法 - Google Patents
光加入者線端局装置及びaponシステム及びセル遅延ゆらぎ抑制方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、APON(ATM-PON, ATM based Passive Optical Network)システムにおいてAPON区間で発生するCDV(セル遅延ゆらぎ)を抑制するセル遅延ゆらぎ抑制方法、及びCDVを抑制するAPONシステム、及びCDVを抑制する光加入者線端局装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
APONシステムは、光ファイバ及び光スプリッタにより、1つの局側インタフェースが複数の加入者を収容でき、高速・経済的な加入者系を実現する。APONにおける必要な技術としてDBA(Dynamic Bandwidth Assignment=動的帯域割り当て)と呼ばれるメディアアクセス制御があり、DBAはユーザのトラヒック状態に応じてユーザ間のリソース(帯域)を動的に割り当てる制御方式である。
【0003】
図6は従来のAPONシステムの構成例を示す説明図である。図6において、OLT(Optical Line Terminal=光加入者線端局装置)101からONT(Optical Network Terminal=光加入者線終端装置)116〜1n6へ流れるトラヒック(下りトラヒック)は光スプリッタ109にて各ONT116〜1n6へ同報通知され、各ONT116〜1n6は自ONT宛トラヒックをONT内部に取り込む。一方、ONT116〜1n6からOLT101へ流れるトラヒック(上りトラヒック)は、OLT101からのグラント(送信許可信号)に一対一に対応しており、1グラントに対し1セル送信可能である。つまりグラントが上りトラヒックの帯域を司っている。この際、DBAではグラント制御単位の輻輳状態に応じて、グラントの発生を動的に変更している。
【0004】
例えば、グラント制御単位をONT毎に割り当てる場合、ONT116〜1n6内の上りトラヒックの輻輳状態に応じてグラント発生頻度を変更することにより、該当ONTに対する割り当て帯域を変更し、APON区間における帯域負荷の適正化を図る。
【0005】
一般にDBAでは、最初に最小割り当て帯域(BWmin)をグラント制御単位に割り当てる。BWminはグラント制御単位に対するVP容量の合計以上となるように予め設定する。グラント制御単位で輻輳状態をOLT101またはONT116〜1n6により判別し、帯域更新周期(Tup)毎に各グラント制御単位へ動的に帯域の割り当てを行う。DBAは余剰帯域を最大限に利用できることを目的とするトラヒック制御方法であるため、最大割り当て帯域(BWmax)は、DBA用に確保された最大帯域で設定されることが望ましい。例えば、CBR(Constant Bit Rate)クラスに対応したグラント制御単位に対しては、固定通信速度に応じた帯域を常時確保しておけばよく、それ以上の帯域を割り当てる必要はない。つまり、このようなグラント制御単位には新たに帯域を割り当てる必要はなく、その他のグラント制御単位に対して、BWmaxを設定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような従来のAPONシステムでは、前述のDBAの動作により、あるVCコネクションにおけるセルがOLT101におけるUPC(使用量パラメータ制御部)103にて異常なCDV(セル遅延ゆらぎ)が観測される現象が生じ得る。そのため、UPC103にてセルの流入違反が起こる可能性があり、不正な廃棄が起こる、または流入違反該当セルに対してタグ付けが行われるという問題が発生する。この現象について、APONシステムのコネクション制御の動作に基づいて説明する。
【0007】
図7は、従来のコネクション制御の動作例を示す説明図である。まず、各VCコネクション122−1、122−2はONT116側のLIM(Line Interface Module)117−1、117−2でVC毎にシェーピングされており、DBAによる割り当て帯域が増加してもLIM117−1、117−2側のセル流量が増加することはあり得ない。しかしながら、ONT116からOLT101へセルを出力する際のキュー123−1〜123−nには多数のVCコネクション122−1、122−2が多重化されており、各VCコネクション122−1、122−2等のセルが溜まることがある。そして、そのバッファ中に特定のVCコネクションのセルがほとんど占めている場合では、DBAによる割り当て帯域が増加したとき、溜まっていた特定のVCコネクションのセル群が一気に送出されることとなり、OLT101のUPC103にて異常なCDVが観測されることが起こり得る。このような現象は従来のAPONシステムにおけるプロトコル上防ぐことはできない。しかし、これはあくまでDBAを用いることで生じる異常なCDVによるセル流入違反であり、ユーザ側にとってサービス運用上望ましくない。
【0008】
以下にこのようなCDV増加現象の具体例について説明する。
図8は、従来のAPONシステムで異常なCDVが観測される現象の具体例を示すタイムチャートである。図8では、VCコネクション122−1、122−2の2本を予め設定し、各コネクションは最大セルレート(PCR:Peak Cell Rate)の周期(1/PCR)=1セル時間(基準)、最低セルレート(MCR:Minimum Cell Rate)の周期(1/MCR)=4セル時間、DBAにおける帯域更新周期Tupを4セル時間とする。送信セルはLIM117−1、117−2内でVC毎にシェーピングされ(図8の(a))、ONT−OLT間ではVP単位でクロスコネクトされる。このときキューイングされる単位はVP単位となる。一般にDBAパラメータは、最低割り当て帯域Gmin=ΣMCR及びその周期1/Gmin=2セル時間に加え、最大割り当て帯域BWmax=ΣPCR若しくはDBAで使用される帯域に設定される。図8では輻輳状態時1/Gmax=0.5セル時間として記述している。まず最初に割り当て帯域がGminの間、Gmin以上でセルを送信するとONT116にセルが滞留する(図8の(b)のTup▲1▼及びTup▲2▼)。その後、ONT116またはOLT101にて輻輳状態と判断され、割り当て帯域がGmaxになる場合、例えばVCコネクション122−1がほとんど使われている場合、溜まっていたVCコネクション122−1のセル群が一気に送出されることとなり、一時的に異常なCDVを有したセルがONT116からOLT101へ送信される(図8の(b)のTup▲3▼)。このため、一時的にVCコネクション122−1のCDVが増加し、ONT116から送信されたセルはOLT101のUPC103にて異常なCDVとして観測される(図8の(c)(d))。
【0009】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、APONシステムのOLTにおいて、DBAを適用することにより発生するCDVを抑制する光加入者線端局装置及びAPONシステム及びセル遅延ゆらぎ抑制方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わる光加入者線端局装置は、光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおける光加入者線端局装置であって、前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングするシェーパ部と、前記シェーパ部によりシェーピングされたセルのトラヒックを監視する使用パラメータ制御部とを備えるものである。
【0011】
また、前記シェーパ部は、VC(Virtual Channel)コネクション毎にシェーパを設けるものである。
【0012】
また、前記シェーパ部は、VP(Virtual Path)コネクション毎にシェーパを設けるものである。
【0013】
また、前記シェーパ部は、グラント制御単位毎にシェーパを設けるものである。
【0014】
本発明に係わるAPONシステムは、光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおいて、前記光加入者線端局装置は、前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングするシェーパ部と、前記シェーパ部によりシェーピングされたセルのトラヒックを監視する使用パラメータ制御部とを備えるものである。
【0015】
本発明に係わるセル遅延ゆらぎ抑制方法は、光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおけるセル遅延ゆらぎ抑制方法において、前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングし、シェーピングされたセルのトラヒックを監視するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本発明に係わるAPONシステムの構成例を示す説明図である。図1において、1は光加入者線端局装置であるOLT、2は加入者線終端部であるAPON−IF、3は使用量パラメータ制御部であるUPC、4はシェーパ部としての帯域シェーパ部である。DBA(動的帯域割り当て)によりAPON区間で発生したCDV(セル遅延ゆらぎ)を、帯域シェーパ部4によって抑制する。
なお、その他図6と同一の符号を付したものについては、従来のAPONシステムと同様である。
【0017】
次に、本発明に係わるAPONシステムの詳細な動作について説明する。
図2は、OLT1の詳細な構成を示す構成図である。図2において、5はAPON−IF2からのデータをスイッチングするスイッチ部、6はスイッチ部5からのデータを他のネットワークへ送出するための中継インタフェース部である。また、41はONT116〜1n6からのデータをVCごとに振り分ける帯域シェーパ部4内のVC振り分け部、42−1〜42−nはVC単位に設けられた帯域シェーパ部4内のVCキュー、43−1〜43−nはVC単位に設けられた帯域シェーパ部4内のVC単位シェーパである。
また、パラメータ制御部7は、パラメータ格納部71、シェーピングパラメータ演算機能72、シェーピングパラメータ設定機能73を有する。
【0018】
パラメータ制御部7のパラメータ格納部71に、UPC3にて規定されているパラメータ、例えばPCR、CDVT、SCRなど、DBAで必要となるパラメータ、最小割り当て帯域、最大割り当て帯域、帯域更新周期、現在の割り当て帯域、ONT側のキュー長、レンジング時間などを外部の運用管理操作から予め設定することができる(これらのパラメータの設定方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。図示しない外部の運用管理操作から設定指示があると、パラメータ制御部7のシェーピングパラメータ演算機能72は、上記パラメータをパラメータ格納部71より読み出し、各VC単位シェーパ43−1〜43−nのバッファサイズ及びシェーピングレートを導出する(バッファサイズの導出方法については後述、シェーピングレートの導出方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。そして、シェーピングパラメータ設定機能73は、上記シェーピングパラメータ演算機能72から導出された値を各VC単位シェーパ43−1〜43−nに対して予め設定する。
【0019】
ここで、VC単位シェーパ43−1〜43−nのバッファサイズを決定する際、DBAによる帯域割り当てにより異常なCDVが発生するセル群を一時的に格納してVC単位シェーパ43−1〜43−nにてシェーピングさせるだけのバッファサイズが必要となることを考慮する必要がある。この点について、以下に説明する。
【0020】
図3は、ある特定VCコネクション(例えば図2におけるVCコネクション122−1)において異常なCDVが発生する様子を示しており、反応時間を考慮したタイムチャートである。ここで、反応時間とは図2におけるONT116のLIM117−1からシェーピングされたセルがONT116のバッファに溜まり始めてから、OLT1により輻輳状態であると判定され、DBAにより割り当て帯域が増大し、次帯域更新周期で増大した新たな割り当て帯域でセルを送信するまでの時間である。この期間内に図2におけるONT116のキュー123−1にセルが溜まる。図3では、反応時間を例として帯域更新周期Tupの倍数で表し、それぞれTup時間、2Tup時間、3Tup時間とした場合を示している。VCコネクション122−1は最大セルレートの周期(1/PCR)=1セル時間(基準)、最低セルレートの周期(1/MCR)=2セル時間、DBAにおける帯域更新周期Tupを4セル時間とする。DBAパラメータは、最低割り当て帯域Gmin=ΣMCR及びその周期1/Gmin=2セル時間に加え、最大割り当て帯域BWmax=ΣPCR若しくはDBAで使用される帯域に設定される。図3では、輻輳状態時のある特定VCコネクション122−1が占有する最大割り当て帯域BWmaxにおける帯域を1/Gmax=0.5セル時間とした場合を示している。
【0021】
図3は、図2におけるある特定VCコネクション122−1がLIM117−1内のVCシェーパ118−1から絶えずセルが出力されている状態を想定している。まず、最低割り当て帯域でONT116からOLT1へセルを出力するが、LIM117−1から送られてくるセル送信レートの方が大きいため、反応時間までの期間、ONT116のキュー123−1にセルが溜まり続ける。反応時間経過後、割り当て帯域が増大し、その帯域でONT116からOLT1へセルが出力される。このとき、残留セルは、増大した割り当て帯域によりLIM117−1からのセル送信レートを超過して出力される。さらにその残留セルが出力される間、LIM117−1からのセルがONT116のキュー123−1へ到着する可能性がある。
【0022】
例えば図3では、反応時間=Tupの場合、反応時間まで2セル残留し(登り方向送信セル(a)のTup▲1▼)、次にその残留セルが出力される間、LIM117−1から2つのセルが到着する様子を示している(登り方向送信セル(a)のTup▲2▼)。これらの事項を合わせると、4セルのセル群が異常なCDVを発生し(登り方向送信セル(a)のTup▲2▼のシェーピング対象セル群)、セル群の最後尾のセルが最大CDVとしてOLT1のUPC3にて観測される。したがって、OLT1のUPC3手前に配置したVC単位シェーパ43−1〜43−nにより、このセル群をシェーピングする必要がある。シェーピング対象以外のセルに対するバッファは設定する必要はない(登り方向送信セル(a)のTup▲2▼におけるシェーピング対象セル群以外のセル)。
【0023】
図3の例では、反応時間Tupの場合、シェーピング対象セル=4セル(登り方向送信セル(a)のTup▲2▼のシェーピング対象セル群)、反応時間2Tupの場合、シェーピング対象セル=8セル(登り方向送信セル(b)のTup▲3▼のシェーピング対象セル群)、反応時間3Tupの場合、シェーピング対象セル=12セルとなる(登り方向送信セル(c)のTup▲4▼▲5▼のシェーピング対象セル群)。シェーピング対象セルの算出方法については後述する。さらに、OLT1のUPC3手前に配置したVC単位シェーパ43−1〜43−nのシェーピングレートでバッファリングしたセル群をUPC3へ出力している。上記シェーピングレートは、UPC3にて規定されるCDVT(CDV許容値)を超過しないように設定すればよい。つまり図3の例では、反応時間Tupにおいて、合計4セルのシェーピング対象セル群がOLT1へ到着し、そのセル群が到着する間、OLT1のUPC3手前に配置したVC単位シェーパ43−1〜43−nのシェーピングレートがPCRの場合において2セルがシェーピングされることになる。ここで、設定すべきバッファサイズは、OLT1のUPC3手前に配置したVC単位シェーパ43−1〜43−nでシェーピングされることを考慮すると2セルに設定すればよい。同様に、反応時間2Tupの場合、4セル、反応時間3Tupの場合、8セルとバッファサイズを設定すればよい。
なお、VC単位シェーパ43−1〜43−nに設定すべきバッファサイズは、応答時間を考慮しているので、DBAアルゴリズムに依存する。
【0024】
以下に、シェーピング対象セルの算出方法を含むバッファサイズ決定までの数式を示す。
・反応時間Tresの間、ONTのキューに残留するセル数B1
B1=(VCコネクションで予め設定された帯域−Gmin)*Tres
上記B1セルがGmaxにてONTからOLTへ出力される間にLIMからONTへ到着するセル数B2を考慮すると、
・シェーピング対象セル数B
B=B1+B2
・上記シェーピング対象セル数がONTからOLTへ出力される間に、OLTのUPC手前に配置したVC単位シェーパによりシェーピングされるセル数B3
B3=B/Gmax*(OLTのUPC手前に配置したVC単位シェーパにおけるシェーピングレート)
以上の数式からOLTのUPC手前に配置したVC単位シェーパに設定すべきバッファサイズBSは次のように決定される。
BS=B−B3
VC単位シェーパのパラメータ設定動作において、帯域シェーパ部の初期設定時にシェーピングレート及びバッファサイズをVCコネクションのパラメータ、DBAのパラメータより導出し、各VC単位シェーパへ設定する。
【0025】
以上のように、本発明のOLT1のUPC3手前にバッファを配置した帯域シェーパ部4におけるCDV抑制機構を用いることにより、ある特定のVCコネクションに対してDBAにより異常なCDVが発生する場合でも、最大CDVにおけるバッファサイズを設定し、UPC3に規定されたCDVTを考慮したシェーピングレートを設定しているため、APON区間におけるCDVを吸収し、UPCにてDBAによる異常なCDVを観測しないようにすることができる。
【0026】
実施の形態2.
上記実施の形態1ではVCコネクション単位でシェーパを配置してCDVを抑制するようにした場合について説明したが、本実施の形態2では、VP単位でシェーパを配置する場合について説明する。
【0027】
図4は、実施の形態2におけるOLT1の詳細な構成を示す構成図である。帯域シェーパ部4は、ONT116〜1n6からのデータをVP毎に振り分けるVP振り分け部44と、各VPに対応したキュー45−1〜45−mと、各VPに対応したVP単位シェーパ46−1〜46−mと、このVP単位シェーパ46−1〜46−mを通過したセルに対してVCコネクション毎にUPC3へ振り分けるVC振り分け部41により構成される。その他図2と同一の符号を付したものについては、実施の形態1と同様である。
【0028】
パラメータ制御部7のパラメータ格納部71に、UPC3にて規定されているパラメータ、例えばPCR、CDVT、SCRなど、DBAで必要となるパラメータ、最小割り当て帯域、最大割り当て帯域、帯域更新周期、現在の割り当て帯域、ONT側のキュー長、レンジング時間などを外部の運用管理操作から予め設定することができる(これらのパラメータの設定方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。図示しない外部の運用管理操作から設定指示があると、パラメータ制御部7のシェーピングパラメータ演算機能72は、上記パラメータをパラメータ格納部71より読み出し、各VP単位シェーパ46−1〜46−mのバッファサイズ及びシェーピングレートを導出する(バッファサイズの導出方法については後述、シェーピングレートの導出方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。そして、シェーピングパラメータ設定機能73は、上記シェーピングパラメータ演算機能72から導出された値を各VP単位シェーパ46−1〜46−mに対して予め設定する。
【0029】
ここで、VP単位シェーパ46−1〜46−mに設定すべきバッファサイズを決定する際には、VPに予め設定された各VCコネクションのセルが統計的に多重化された状態でVP単位シェーパ46−1〜46−mに到着することを考慮する必要がある。つまり、上記VC単位シェーパ43−1〜43−nでは各VCコネクションに対して、各々に最大CDVを吸収できるだけのバッファサイズを設定する必要があるが、VP単位シェーパ46−1〜46−mではVCコネクションにおける統計多重により、必ずしもVP単位シェーパ46−1〜46−mに設定すべきバッファサイズをΣBS_vc(VPに属するVCにおけるVC単位シェーパ43−1〜43−nに設定すべきバッファサイズの和。VC単位シェーパ43−1〜43−nに設定すべきバッファサイズについては実施の形態1と同一。)とする必要がなく、統計多重効果をある程度考慮すれば、VC単位シェーパ43−1〜43−nと比較してバッファサイズの削減を見込むことができる。
その他の帯域シェーパ部4の基本的な動作については、VP単位でシェーピングを行うことを除いては実施の形態1と同様であるため、説明は省略する。
【0030】
以上のように、VP単位でシェーパを配置することにより、VC単位でシェーパを配置した場合と比較してVP単位シェーパ46−1〜46−mのシェーパ数を減少させることができる。さらに、統計多重効果により、VC単位でシェーパを配置した場合と比較してVP単位シェーパ46−1〜46−mで必要な全バッファサイズも削減できる。
【0031】
実施の形態3.
上記実施の形態2ではVP単位でシェーパを配置する場合について説明したが、本実施の形態3では、グラント制御単位でシェーパを配置する場合について説明する。
【0032】
図5は、実施の形態3におけるOLT1の詳細な構成を示す構成図である。帯域シェーパ部4は、ONT116〜1n6からのデータをグラント制御単位毎に振り分けるグラント制御単位振り分け部47と、各グラント制御単位に対応したキュー48−1〜48−kと、各グラント制御単位に対応したグラント制御単位シェーパ49−1〜49−kと、このグラント制御単位シェーパ49−1〜49−kを通過したセルに対してVCコネクション毎にUPC3へ振り分けるVC振り分け部41により構成される。その他図4と同一の符号を付したものについては、実施の形態2と同様である。
【0033】
パラメータ制御部7のパラメータ格納部71に、UPC3にて規定されているパラメータ、例えばPCR、CDVT、SCRなど、DBAで必要となるパラメータ、最小割り当て帯域、最大割り当て帯域、帯域更新周期、現在の割り当て帯域、ONT側のキュー長、レンジング時間などを外部の運用管理操作から予め設定することができる(これらのパラメータの設定方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。図示しない外部の運用管理操作から設定指示があると、パラメータ制御部7のシェーピングパラメータ演算機能72は、上記パラメータをパラメータ格納部71より読み出し、各グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kのバッファサイズ及びシェーピングレートを導出する(バッファサイズの導出方法については後述、シェーピングレートの導出方法は本発明と直接関連しないため説明は省略する)。そして、シェーピングパラメータ設定機能73は、上記シェーピングパラメータ演算機能72から導出された値を各グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kに対して予め設定する。
【0034】
ここで、グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kに設定すべきバッファサイズを決定する際には、VPに予め設定された各VCコネクションのセルが統計的に多重化され、さらにグラント制御単位に対応する各VPコネクションのセルも統計的に多重化された状態で、グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kに到着することを考慮する必要がある。つまり、上記VC単位シェーパ43−1〜43−nでは各VCコネクションに対して、各々に最大CDVを吸収できるだけのバッファサイズを設定し、また上記VP単位シェーパ46−1〜46−mでは各VPコネクションに対してバッファサイズを設定する必要があるが、グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kではVCコネクションさらにVPコネクションにおける統計多重により、必ずしもグラント制御単位シェーパ49−1〜49−kに設定すべきバッファサイズをΣBS_vc(VPに属するVCにおけるVC単位シェーパ43−1〜43−nに設定すべきバッファサイズの和。VC単位シェーパ43−1〜43−nに設定すべきバッファサイズについては実施の形態1と同一。)、またΣBS_vp(グラント制御単位に対応するVPにおけるVP単位シェーパ46−1〜46−mに設定すべきバッファサイズの和)とする必要がなく、統計多重効果をある程度考慮すれば、VC単位シェーパ43−1〜43−n及びVP単位シェーパ46−1〜46−mと比較してバッファサイズの削減を見込むことができる。
その他の帯域シェーパ部4の基本的な動作については、グラント制御単位でシェーピングを行うことを除いては実施の形態2と同様であるため、説明は省略する。
【0035】
以上のように、グラント制御単位でシェーパを配置することにより、VC単位あるいはVP単位でシェーパを配置した場合と比較してグラント制御単位シェーパ49−1〜49−kのシェーパ数を減少させることができる。さらに、統計多重効果により、VC単位あるいはVP単位でシェーパを配置した場合と比較してグラント制御単位シェーパ49−1〜49−kで必要な全バッファサイズも削減できる。
【0036】
なお、上記実施の形態1〜3では、VC単位シェーパのみ、VP単位シェーパのみ、グラント制御単位シェーパのみを使用する場合について説明したが、OLT1におけるUPC3手前の帯域シェーパ部4を上記VC単位シェーパ43−1〜43−n、上記VP単位シェーパ46−1〜46−m、上記グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kを組み合わせて配置してもよい。
【0037】
また、サービスクラス(CBR、VBR、UBRなど)に応じて、OLT1におけるUPC3手前の帯域シェーパ部4を上記VC単位シェーパ43−1〜43−n、上記VP単位シェーパ46−1〜46−m、上記グラント制御単位シェーパ49−1〜49−kを組み合わせることにより、UBR以外のサービスクラス(例えば、CBR、VBR)におけるVCコネクションには帯域シェーパ部4を配置し、特に品質の保証が規定されていないようなUBRサービスクラスにおいて、VCコネクションに対しては特に帯域シェーパ部4を配置せずに、UPC3において違反セルに対してタグを付けて通過させる、または廃棄するという実施形態も可能である。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように、光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおける光加入者線端局装置であって、前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングするシェーパ部と、前記シェーパ部によりシェーピングされたセルのトラヒックを監視する使用パラメータ制御部とを備えることにより、UPC3に規定されたCDVTを考慮したシェーピングレートを設定しているため、APON区間におけるCDVを吸収し、UPCにてDBAによる異常なCDVを観測しないようにすることができる。
【0039】
また、前記シェーパ部は、VC(Virtual Channel)コネクション毎にシェーパを設けることにより、ある特定のVCコネクションに対してDBAにより異常なCDVが発生する場合でも、最大CDVにおけるバッファサイズを設定し、UPC3に規定されたCDVTを考慮したシェーピングレートを設定しているため、APON区間におけるCDVを吸収し、UPCにてDBAによる異常なCDVを観測しないようにすることができる。
【0040】
また、前記シェーパ部は、VP(Virtual Path)コネクション毎にシェーパを設けることにより、VC単位でシェーパを配置した場合と比較してVP単位シェーパのシェーパ数を減少させることができ、さらに、統計多重効果により、VC単位でシェーパを配置した場合と比較してVP単位シェーパで必要な全バッファサイズも削減できる。
【0041】
また、前記シェーパ部は、グラント制御単位毎にシェーパを設けることにより、VC単位あるいはVP単位でシェーパを配置した場合と比較してグラント制御単位シェーパのシェーパ数を減少させることができ、さらに、統計多重効果により、VC単位あるいはVP単位でシェーパを配置した場合と比較してグラント制御単位シェーパで必要な全バッファサイズも削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わるAPONシステムの構成例を示す説明図
【図2】 OLT1の詳細な構成を示す構成図
【図3】 反応時間を考慮したタイムチャート
【図4】 実施の形態2におけるOLT1の詳細な構成を示す構成図
【図5】 実施の形態3におけるOLT1の詳細な構成を示す構成図
【図6】 従来のAPONシステムの構成例を示す説明図
【図7】 従来のコネクション制御の動作例を示す説明図
【図8】 従来のAPONシステムで異常なCDVが観測される現象の具体例を示すタイムチャート
【符号の説明】
1 光加入者線端局装置
2 APON−IF
3 UPC
4 帯域シェーパ部
5 スイッチ部
6 中継インタフェース部
7 パラメータ制御部
41 VC振り分け部
42−1〜42−n VCキュー
43−1〜43−n VC単位シェーパ
44 VP振り分け部
45−1〜45−m キュー
46−1〜46−m VP単位シェーパ
47 グラント制御単位振り分け部
48−1〜48−k キュー
49−1〜49−k グラント制御単位シェーパ
71 パラメータ格納部
72 シェーピングパラメータ演算機能
73 シェーピングパラメータ設定機能
Claims (6)
- 光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおける光加入者線端局装置であって、
前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングするシェーパ部と、
前記シェーパ部によりシェーピングされたセルのトラヒックを監視する使用パラメータ制御部と
を備えることを特徴とする光加入者線端局装置。 - 前記シェーパ部は、VC(Virtual Channel)コネクション毎にシェーパを設けることを特徴とする請求項1記載の光加入者線端局装置。
- 前記シェーパ部は、VP(Virtual Path)コネクション毎にシェーパを設けることを特徴とする請求項1記載の光加入者線端局装置。
- 前記シェーパ部は、グラント制御単位毎にシェーパを設けることを特徴とする請求項1記載の光加入者線端局装置。
- 光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおいて、
前記光加入者線端局装置は、
前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングするシェーパ部と、
前記シェーパ部によりシェーピングされたセルのトラヒックを監視する使用パラメータ制御部と
を備えることを特徴とするAPONシステム。 - 光加入者線端局装置と光加入者線終端装置との間で動的帯域割り当てが行われるAPON(ATM−PON、ATM based Passive Optical Network)システムにおけるセル遅延ゆらぎ抑制方法において、
前記光加入者線終端装置からのセルをシェーピングし、
シェーピングされたセルのトラヒックを監視する
ことを特徴とするセル遅延ゆらぎ抑制方法。
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