JP3705742B2 - ドリッパ兼用収容容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリッパ兼用収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レギュラーコーヒー(焙煎コーヒー豆)、茶葉(緑茶、焙じ茶、紅茶、烏龍茶、ハーブティー等)等の抽出対象物から抽出液を得る場合、収容容器から必要量の前記抽出対象物を取り出して、ドリッパ等の抽出用器具に移し替えていた。しかしながら、必要量の前記抽出対象物を計ったり、移し替える最中に前記抽出対象物が零れないようにしたりするのが面倒であったので、これを解消するため、前記ドリッパの機能を兼用する収容容器が提案されていた。
以下、前記抽出対象物がレギュラーコーヒーである、従来のドリッパ兼用容器を例示して説明する。
【0003】
例えば、特公平2−51333号公報に記載されているように、薄膜で形成された略円錐形のカプセル(容器)にレギュラーコーヒーを封入し、前記レギュラーコーヒーを封入した領域より下方に膜状フィルタと底板を張設したドリッパ兼用収容容器が提案されている。このドリッパ兼用収容容器は、専用の抽出装置を用いて前記レギュラーコーヒーの抽出を行なうものである。前記抽出装置には、前記カプセルを収容しその当接面で前記カプセルを保持する中空筒状のガイドリングが設けられていて、加圧圧送装置から、前記ガイドリングに保持された前記カプセルに加圧水を注入して、所謂、エスプレッソコーヒーとしてのコーヒー液を抽出する。
【0004】
或いは、例えば、コーヒーカップ等の容器の上端に着脱可能に取り付けられる折り畳み可能な支持体と、この支持体に上端を貼付して下方に垂設された筒状のフィルタとを備えたドリッパ兼用収容容器が提案されている。この種のドリッパ兼用収容容器においては、必要量のレギュラーコーヒーを前記フィルタ内に収容した後に前記支持体を折り畳むことによって偏平な形状にしたものを、更に、アルミフィルム等からなる気密性バッグに収容して、長期保存していた。更に、前記気密性バッグに収容したドリッパ兼用収容容器は紙製の筐体等に収容され、流通・販売されていた。
この種のドリッパ兼用収容容器が支持された前記支持体をコーヒーカップ等の容器の上端に取り付けた上で、前記フィルタの上方から常圧の熱湯を注ぐと、コーヒー液が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した加圧抽出型のドリッパ兼用収容容器を用いた場合、前記カプセル内を加圧するので、一般のドリッパで常圧抽出したレギュラーコーヒーに無い、エスプレッソコーヒーに特有の「エグ味」をもたらす成分まで抽出され易い。たとえ、前記エスプレッソコーヒー状の抽出液を薄めて、常圧抽出したレギュラーコーヒー様の飲料を調製したとしても、やはり、そのエグ味は常圧抽出したレギュラーコーヒーの嗜好に適合しないものとなる虞れがあった。
又、このドリッパ兼用収容容器は、専用の抽出装置を必要とするため、調達に手間がかかったり、コストが高くなったりするという問題点があった。
更に、このドリッパ兼用収容容器は、加圧抽出するので、抽出用の熱湯を前記カプセル内に滞留することなく迅速に前記カプセル外に排出することができるものであって、常圧の熱水をこのカプセル内に注入しても、前記フィルタを通過するのに時間がかかって、前記熱水が逆流したり、抽出時間が非常に長くなったりして、実用には適していないという問題点があった。
【0006】
一方、上述した常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器によれば、エグ味の無い風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液を提供するために、一定時間、熱湯と前記レギュラーコーヒー粒子とを接触させる必要があった。そのため、前記常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器前記は、フィルタの容積を大きくしたり、前記フィルタの上方に、プラスチック等の水が浸透しない素材からなる中空筒状の部材を連接して前記熱湯を滞留させるための空間を形成したりしなければならなかった。従って、この種のドリッパ兼用収容容器は嵩高いという問題点があった。
【0007】
その上、前記ドリッパ兼用収容容器を前記気密性バッグに畳んで収容すると、前記気密性バッグの嵩が加わって更に嵩張り、又、前記ドリッパ兼用収容容器の外形をかたどる凹凸や曲面が前記気密性バッグの表面に現われて、密に充填したり、崩れ落ちないように整然と並べ難い形状となって、ますます充填効率を下げることにつながっていた。更に、前記支持体が薄い紙等の剛性に乏しい材料から構成されているドリッパ兼用収容容器では、比較的小さな押圧によって変形したり、押し潰されたりする虞れがあり、前記気密性バッグを更に紙製の筐体等に収容して保護する必要があっったため、運搬・保管の手間が非常に大きいという問題点があった。又、この種のドリッパ兼用収容容器にあっては、気密性を担保したり保護したりするための容器の材料費や加工費が発生するため、コストが高くなるという問題点があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、良質の抽出液が得られ、運搬・保管などが容易な常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のドリッパ兼用収容容器の第1特徴構成は、図面を参酌して説明すると、請求項1に記載してあるように、透明な耐熱性合成樹脂で構成された筒状容器1に上部開口11と下部開口12とを設け、取っ手13aが突設され気密性材料で構成された天蓋13で、前記取っ手13aが前記筒状容器1の外周に突出するように前記上部開口11を密封し、取っ手14aが突設され気密性材料で構成された底蓋14で、前記取っ手14aが前記筒状容器1の外周に突出するように前記下部開口12を密封してあり、且つ、前記取っ手13aと前記取っ手14aとは、平面視した状態で上下方向に沿って同じ位置にあり、 垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してある点にある。
【0010】
又、この目的を達成するための本発明のドリッパ兼用収容容器の第2特徴構成は、請求項2に記載してあるように、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1と、前記上部開口11を密封する気密性材料で構成された天蓋13と、前記下部開口12を密封する気密性材料で構成された底蓋14とを有し、垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してある点にある。
上記第1及び第2特徴構成において、請求項3に記載してあるように、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子であることが好ましい。
又、請求項4に記載してあるように、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えることが好ましい。
そして、これらの作用効果は、以下の通りである。
【0011】
つまり、請求項1に記載してあるように、ドリッパ兼用収容容器において、上部開口11と下部開口12とを設けた透明な耐熱性合成樹脂で構成された筒状容器1を、取っ手(13a)が突設され気密性材料で構成された天蓋(13)で、前記取っ手(13a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記上部開口(11)を密封し、取っ手(14a)が突設され気密性材料で構成された底蓋(14)で、前記取っ手(14a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記下部開口(12)を密封して空間を形成することによって、この内部に抽出対象物3を収容する収容容器が形成される。又、前記袋状フィルタ2の下端側は、畳まれて非常にコンパクトになった状態で前記筒状容器1内に収容されているので、前記筒状容器1の内部空間の中に占める容積の割合としては非常に小さなものである。更に、前記底蓋14を取り除いて前記下部開口12側から熱湯などの液体を注げば、前記袋状フィルタ2は、収容した前記液体及び前記抽出対象物3の重みで前記筒状容器1から下方に向かって垂下し、その内部に前記抽出対象物3と前記液体とを収容することができる大きな空間を形成する。よって、使用時に熱湯が滞留する空間を前記筒状容器1内に設ける必要が無くなる。
このように、前記筒状容器1の容積は、実質的には、前記抽出対象物3の容積だけ確保してあればよく、従来の常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器と比べて著しく小型化することができる。
【0012】
又、前記筒状容器1の下方にある前記袋状フィルタ2内に主に熱湯が滞留するので、前記筒状容器1自体、あまり熱を帯びることが無い。従って、抽出後に前記ドリッパ兼用収容容器を片づけるときにも、使用者が熱い部分を触る必要が無くなる。尚、前記筒状容器1と前記天蓋13と前記底蓋14とを気密性材料で構成し、前記収容空間15を密封し、且つ、前記取っ手(13a)と前記取っ手(14a)とは、平面視した状態で上下方向に沿って同じ位置にあるので、前記収容空間15内に収容された前記抽出対象物3の酸化や吸湿を防ぎ、前記抽出対象物3の劣化を抑制することができる。又、バッグや筐体に再包装する必要が無くなるので製造コストを削減することができると共に、減容が可能となって保管・運搬が容易となる。
【0013】
更に、上記特徴構成において、請求項2に記載してあるように、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1と、前記上部開口11を密封する気密性材料で構成された天蓋13と、前記下部開口12を密封する底蓋14とを有しているので、前記収容空間15内に収容された前記抽出対象物3の酸化や吸湿を防ぎ、前記抽出対象物3の劣化を抑制することができる。又、バッグや筐体に再包装する必要が無くなるので製造コストを削減することができると共に、減容が可能となって保管・運搬が容易となる。また、前記袋状フィルタ2が垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、前記袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してあるので、前記筒状容器1の内部空間の中に占める容積の割合としては前記袋状フィル2タは非常に小さなものである。
更に、前記底蓋14を取り除いて前記下部開口12側から熱湯などの液体を注げば、前記袋状フィルタ2は、収容した前記液体及び前記抽出対象物3の重みで前記筒状容器1から下方に向かって垂下し、その内部に前記抽出対象物3と前記液体とを収容することができる大きな空間を形成する。よって、使用時に熱湯が滞留する空間を前記筒状容器1内に設ける必要が無くなる。
このように、前記筒状容器1の容積は、実質的には、前記抽出対象物3の容積だけ確保してあればよく、従来の常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器と比べて著しく小型化することができる。
又、前記筒状容器1の下方にある前記袋状フィルタ2内に主に熱湯が滞留するので、前記筒状容器1自体、あまり熱を帯びることが無い。従って、抽出後に前記ドリッパ兼用収容容器を片づけるときにも、使用者が熱い部分を触る必要が無くなる。
【0014】
又、上記第1及び第2特徴構成において、請求項3に記載してあるように、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子であると、前記袋状フィルタ2内に前記熱湯が滞留して、前記レギュラーコーヒー粒子と前記熱湯とが十分に接触する時間が与えられるので、風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液が得られる。
【0015】
又、請求項4に記載してあるように、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えていると、前記容器5に前記ドリッパ兼用収容容器をセットして熱湯を注ぐだけで、風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液を得ることができる。よって、抽出作業を簡単に行なうことができる。
【0016】
尚、特許請求の範囲に、図面との対比を容易にするために符号を付しているが、本発明は図面の構造に限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、本発明に係るドリッパ兼用収容容器は、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1を、前記上部開口11を密封する天蓋13と、前記下部開口12を密封する底蓋14によって、夫々シールしてある。尚、前記天蓋13と底蓋14には、開封を容易にするため、その端部に取っ手13a、14aを夫々突設している。そして、これらに囲まれた空間に、袋状フィルタ2と抽出対象物3とを収容する。
前記袋状フィルタ2は、保管時には、その上端側が前記筒状容器1の内周に固定されていて、その下端側は畳まれて前記筒状容器1の下端側に収容されている。前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15を形成している。この収容空間15には抽出対象物3を収容してあって、前記天蓋13と前記袋状フィルタ2とで上下端を、そして前記筒状容器1の内壁で側面をシールされているので、前記抽出対象物3は前記筒状容器1の向きが変わっても前記収容空間15から出ることはない。
【0018】
前記筒状容器1、前記天蓋13、前記底蓋14は、例えば、内面を防湿加工された厚手の紙や透明・半透明・不透明な合成樹脂、金属板で構成することができる。更に、運搬時の振動や押圧で変形しない程度の剛性を備えていることが好ましい。
【0019】
前記筒状容器1の容積、形態は、前記袋状フィルタ2と前記抽出対象物3を収容するに足りるだけあればよいので、非常にコンパクトに形成することができる。更に、前記筒状容器1が、円筒、角柱等の形状であると、細密充填が容易であるので運搬・保管に便利である。
【0020】
前記ドリッパ兼用収容容器は、更に、金属箔、樹脂フィルム製のバッグや紙製の筐体に収容して流通させることができる。尚、前記筒状容器1と前記天蓋13と前記底蓋14とを前記気密性材料で構成し、前記収容空間15を密封してあるので、気密性フィルムなどで個装する必要が無くなる。
【0021】
前記抽出対象物3としては、その粒径が小さいため前記袋状フィルタ2の目が細かくなって前記袋状フィルタ2内での液体の滞留時間が長くなり易いものや、抽出時間が比較的長く液体との接触時間を長く保つことが好ましいものが好適である。例えば、レギュラーコーヒー、紅茶、緑茶、焙じ茶、烏龍茶(半発酵茶)、ハーブティー、煎じ薬等が使用される。これらの抽出対象物3を抽出する場合、前記袋状フィルタ2の容積が大きくなるが、本発明に係るドリッパ兼用収容容器では、前記袋状フィルタ2をコンパクトに収容することによって、小型化が可能となる。
以下、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子である場合を例示して、本発明に係るドリッパ兼用収容容器の使用方法や使用形態について説明する。
【0022】
先ず、前記ドリッパ兼用収容容器の取っ手13a、14aを引っ張って、天蓋13及び底蓋14を取り除き、前記上部開口11及び下部開口12が開いた状態にする(図2(a)参照)。そして、前記上部開口11の上方から前記収容空間15に向かって、常圧の熱湯を少量注ぎ込む。すると、前記収容空間15に収容されたレギュラーコーヒー粒子3は、熱湯と接触して蒸らされながら、前記熱湯分の重量増加に伴って、前記収容空間15の下方に向かって落下し、このとき、同時に、前記レギュラーコーヒー粒子3と熱湯の重みで、前記袋状フィルタ2も前記収容空間15から垂下していく(図2(b)参照)。更に、前記上部開口11から熱湯を注ぐと、前記袋状フィルタ2内で滞留した熱湯に前記レギュラーコーヒー粒子3の成分が溶出し、前記レギュラーコーヒー粒子3の成分が含まれる抽出液が、前記下部開口12に開出した前記袋状フィルタ2の下端側から下方に落下して抽出が完了する。
尚、図1(a)に示すように、前記筒状容器1が透明の耐熱性合成樹脂で形成されていると、前記レギュラーコーヒー粒子3への前記熱湯の浸透具合を確認し易いので好ましい。
【0023】
更に、前記ドリッパ兼用収容容器は、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えることができ、これによって、抽出した液を直接コーヒーカップ、グラス等の容器5に注ぐことができる。
例えば、図3(a)に示すように、前記筒状容器1とは別体に設けられたプラスチック等からなる中空円筒形の支持体4は、その上端に、前記筒状容器1の下端に外嵌可能な前記支持部41としての第一フランジ部を備えている。そして、下端に前記容器5に内嵌する前記取り付け部42としての第二フランジ部を備えている。前記天蓋13と前記底蓋14とを取り外した後、前記筒状容器1に前記支持部41を外嵌し、前記取り付け部42を前記容器5に内嵌して熱湯を注げば、レギュラーコーヒーを抽出することができる。
【0024】
又、例えば、前記支持体として、前記筒状容器の側壁にその一端が前記支持部としてのヒンジで固定された、前記取り付け部としての棒状体を複数沿設してもよい。前記ドリッパ兼用収容容器を保存するときには、前記棒状体を前記筒状容器の側壁に沿わせて邪魔にならないようにして、使用時に前記ヒンジを開いて前記容器の上縁端に掛け渡せば前記筒状容器を前記容器上に固定することができる。
【0025】
或いは、前記ドリッパ兼用収容容器を、レギュラーコーヒー抽出装置6のカートリッジとして使用することもできる。例えば、図3(b)に示すように、筐体61内に、前記筒状容器1の下端を内嵌可能で前記袋状フィルタ2の垂下を妨げない第三フランジ部を備え、展開した状態の前記袋状フィルタの下方に前記容器5を載置する載置部64を設け、前記筒状容器1が前記第三フランジ部62に内嵌した状態でその上方から常圧の熱湯を下方に供給可能な熱湯供給機構63を設けたレギュラーコーヒー抽出装置を使用することができる。
前記ドリッパ兼用収容容器からレギュラーコーヒーを抽出するには、前記筒状容器1から前記天蓋13と前記底蓋14とを取り外した後、前記筒状容器1を前記第三フランジ部に内嵌して、前記熱湯供給機構63から適量の熱湯を供給すればよい。
【0026】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明に係るドリッパ兼用収容容器に、図4、5に示すように、使い捨て紙製支持部4を別体で設けてもよい。例えば、前記筒状容器1の下端側に上端側の周部と比べて縮径した中空円筒状の補助部16を設けて、前記筒状容器1と前記補助部16とを連接すると、その境界にドーナツ状の当接部17が形成される。一方、前記支持体4には、前記補助部16の外径より大きく前記筒状容器1の外径より小さな径を有する円形開口43を開設し、前記円形開口43の周囲に支持部41を形成する。更に前記支持体4には、前記支持部41の下部に下向きの凹部と凸部を設けて、前記凹部で前記容器5の上端縁に当接し、前記凸部で前記容器5の内外壁面に当接することによって、前記容器5に着脱自在に取付けられる取り付け部42を設けてある。
前記支持体4を前記容器5にセットし、その上方から、前記円形開口43に前記補助部16を嵌入すると、前記支持部41に前記当接部17が当接して係止する。この状態で、前記上部開口11から熱湯を注ぐと、前記袋状フィルタ2が前記下部開口12、前記補助部16の内腔、前記円形開口43に垂下してその先端側から前記容器5に向かって抽出液が供給される。
(ロ) 前記実施形態において前記天蓋13を取り除く使用方法を示したが、前記天蓋13は必ずしも取り除く必要はなく、例えば、先端が鋭利な注湯ノズルを前記天蓋13に突き刺してその注湯孔を前記収容空間15に突入させ、前記抽出対象物3に対して熱湯を供給することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の斜視図及び断面図
【図2】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の使用状態を表わす斜視図及び断面図
【図3】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の実施形態を示す断面図
【図4】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の別実施形態を示す斜視図
【図5】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の別実施形態を示す斜視図
【符号の説明】
1 筒状容器
2 袋状フィルタ
3 抽出対象物
4 支持体
5 容器
11 上部開口
12 下部開口
13 天蓋
14 底蓋
15 収容空間
41 支持部
42 取り付け部
【発明の属する技術分野】
本発明は、ドリッパ兼用収容容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、レギュラーコーヒー(焙煎コーヒー豆)、茶葉(緑茶、焙じ茶、紅茶、烏龍茶、ハーブティー等)等の抽出対象物から抽出液を得る場合、収容容器から必要量の前記抽出対象物を取り出して、ドリッパ等の抽出用器具に移し替えていた。しかしながら、必要量の前記抽出対象物を計ったり、移し替える最中に前記抽出対象物が零れないようにしたりするのが面倒であったので、これを解消するため、前記ドリッパの機能を兼用する収容容器が提案されていた。
以下、前記抽出対象物がレギュラーコーヒーである、従来のドリッパ兼用容器を例示して説明する。
【0003】
例えば、特公平2−51333号公報に記載されているように、薄膜で形成された略円錐形のカプセル(容器)にレギュラーコーヒーを封入し、前記レギュラーコーヒーを封入した領域より下方に膜状フィルタと底板を張設したドリッパ兼用収容容器が提案されている。このドリッパ兼用収容容器は、専用の抽出装置を用いて前記レギュラーコーヒーの抽出を行なうものである。前記抽出装置には、前記カプセルを収容しその当接面で前記カプセルを保持する中空筒状のガイドリングが設けられていて、加圧圧送装置から、前記ガイドリングに保持された前記カプセルに加圧水を注入して、所謂、エスプレッソコーヒーとしてのコーヒー液を抽出する。
【0004】
或いは、例えば、コーヒーカップ等の容器の上端に着脱可能に取り付けられる折り畳み可能な支持体と、この支持体に上端を貼付して下方に垂設された筒状のフィルタとを備えたドリッパ兼用収容容器が提案されている。この種のドリッパ兼用収容容器においては、必要量のレギュラーコーヒーを前記フィルタ内に収容した後に前記支持体を折り畳むことによって偏平な形状にしたものを、更に、アルミフィルム等からなる気密性バッグに収容して、長期保存していた。更に、前記気密性バッグに収容したドリッパ兼用収容容器は紙製の筐体等に収容され、流通・販売されていた。
この種のドリッパ兼用収容容器が支持された前記支持体をコーヒーカップ等の容器の上端に取り付けた上で、前記フィルタの上方から常圧の熱湯を注ぐと、コーヒー液が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した加圧抽出型のドリッパ兼用収容容器を用いた場合、前記カプセル内を加圧するので、一般のドリッパで常圧抽出したレギュラーコーヒーに無い、エスプレッソコーヒーに特有の「エグ味」をもたらす成分まで抽出され易い。たとえ、前記エスプレッソコーヒー状の抽出液を薄めて、常圧抽出したレギュラーコーヒー様の飲料を調製したとしても、やはり、そのエグ味は常圧抽出したレギュラーコーヒーの嗜好に適合しないものとなる虞れがあった。
又、このドリッパ兼用収容容器は、専用の抽出装置を必要とするため、調達に手間がかかったり、コストが高くなったりするという問題点があった。
更に、このドリッパ兼用収容容器は、加圧抽出するので、抽出用の熱湯を前記カプセル内に滞留することなく迅速に前記カプセル外に排出することができるものであって、常圧の熱水をこのカプセル内に注入しても、前記フィルタを通過するのに時間がかかって、前記熱水が逆流したり、抽出時間が非常に長くなったりして、実用には適していないという問題点があった。
【0006】
一方、上述した常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器によれば、エグ味の無い風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液を提供するために、一定時間、熱湯と前記レギュラーコーヒー粒子とを接触させる必要があった。そのため、前記常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器前記は、フィルタの容積を大きくしたり、前記フィルタの上方に、プラスチック等の水が浸透しない素材からなる中空筒状の部材を連接して前記熱湯を滞留させるための空間を形成したりしなければならなかった。従って、この種のドリッパ兼用収容容器は嵩高いという問題点があった。
【0007】
その上、前記ドリッパ兼用収容容器を前記気密性バッグに畳んで収容すると、前記気密性バッグの嵩が加わって更に嵩張り、又、前記ドリッパ兼用収容容器の外形をかたどる凹凸や曲面が前記気密性バッグの表面に現われて、密に充填したり、崩れ落ちないように整然と並べ難い形状となって、ますます充填効率を下げることにつながっていた。更に、前記支持体が薄い紙等の剛性に乏しい材料から構成されているドリッパ兼用収容容器では、比較的小さな押圧によって変形したり、押し潰されたりする虞れがあり、前記気密性バッグを更に紙製の筐体等に収容して保護する必要があっったため、運搬・保管の手間が非常に大きいという問題点があった。又、この種のドリッパ兼用収容容器にあっては、気密性を担保したり保護したりするための容器の材料費や加工費が発生するため、コストが高くなるという問題点があった。
【0008】
従って、本発明の目的は、上記欠点に鑑み、良質の抽出液が得られ、運搬・保管などが容易な常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するための本発明のドリッパ兼用収容容器の第1特徴構成は、図面を参酌して説明すると、請求項1に記載してあるように、透明な耐熱性合成樹脂で構成された筒状容器1に上部開口11と下部開口12とを設け、取っ手13aが突設され気密性材料で構成された天蓋13で、前記取っ手13aが前記筒状容器1の外周に突出するように前記上部開口11を密封し、取っ手14aが突設され気密性材料で構成された底蓋14で、前記取っ手14aが前記筒状容器1の外周に突出するように前記下部開口12を密封してあり、且つ、前記取っ手13aと前記取っ手14aとは、平面視した状態で上下方向に沿って同じ位置にあり、 垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してある点にある。
【0010】
又、この目的を達成するための本発明のドリッパ兼用収容容器の第2特徴構成は、請求項2に記載してあるように、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1と、前記上部開口11を密封する気密性材料で構成された天蓋13と、前記下部開口12を密封する気密性材料で構成された底蓋14とを有し、垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してある点にある。
上記第1及び第2特徴構成において、請求項3に記載してあるように、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子であることが好ましい。
又、請求項4に記載してあるように、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えることが好ましい。
そして、これらの作用効果は、以下の通りである。
【0011】
つまり、請求項1に記載してあるように、ドリッパ兼用収容容器において、上部開口11と下部開口12とを設けた透明な耐熱性合成樹脂で構成された筒状容器1を、取っ手(13a)が突設され気密性材料で構成された天蓋(13)で、前記取っ手(13a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記上部開口(11)を密封し、取っ手(14a)が突設され気密性材料で構成された底蓋(14)で、前記取っ手(14a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記下部開口(12)を密封して空間を形成することによって、この内部に抽出対象物3を収容する収容容器が形成される。又、前記袋状フィルタ2の下端側は、畳まれて非常にコンパクトになった状態で前記筒状容器1内に収容されているので、前記筒状容器1の内部空間の中に占める容積の割合としては非常に小さなものである。更に、前記底蓋14を取り除いて前記下部開口12側から熱湯などの液体を注げば、前記袋状フィルタ2は、収容した前記液体及び前記抽出対象物3の重みで前記筒状容器1から下方に向かって垂下し、その内部に前記抽出対象物3と前記液体とを収容することができる大きな空間を形成する。よって、使用時に熱湯が滞留する空間を前記筒状容器1内に設ける必要が無くなる。
このように、前記筒状容器1の容積は、実質的には、前記抽出対象物3の容積だけ確保してあればよく、従来の常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器と比べて著しく小型化することができる。
【0012】
又、前記筒状容器1の下方にある前記袋状フィルタ2内に主に熱湯が滞留するので、前記筒状容器1自体、あまり熱を帯びることが無い。従って、抽出後に前記ドリッパ兼用収容容器を片づけるときにも、使用者が熱い部分を触る必要が無くなる。尚、前記筒状容器1と前記天蓋13と前記底蓋14とを気密性材料で構成し、前記収容空間15を密封し、且つ、前記取っ手(13a)と前記取っ手(14a)とは、平面視した状態で上下方向に沿って同じ位置にあるので、前記収容空間15内に収容された前記抽出対象物3の酸化や吸湿を防ぎ、前記抽出対象物3の劣化を抑制することができる。又、バッグや筐体に再包装する必要が無くなるので製造コストを削減することができると共に、減容が可能となって保管・運搬が容易となる。
【0013】
更に、上記特徴構成において、請求項2に記載してあるように、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1と、前記上部開口11を密封する気密性材料で構成された天蓋13と、前記下部開口12を密封する底蓋14とを有しているので、前記収容空間15内に収容された前記抽出対象物3の酸化や吸湿を防ぎ、前記抽出対象物3の劣化を抑制することができる。又、バッグや筐体に再包装する必要が無くなるので製造コストを削減することができると共に、減容が可能となって保管・運搬が容易となる。また、前記袋状フィルタ2が垂下したときに抽出対象物3と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、前記袋状フィルタ2の上端側を前記筒状容器1の内周に固定し、前記袋状フィルタ2の下端側を畳んで前記筒状容器1内に収容し、前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15に前記抽出対象物3を収容してあるので、前記筒状容器1の内部空間の中に占める容積の割合としては前記袋状フィル2タは非常に小さなものである。
更に、前記底蓋14を取り除いて前記下部開口12側から熱湯などの液体を注げば、前記袋状フィルタ2は、収容した前記液体及び前記抽出対象物3の重みで前記筒状容器1から下方に向かって垂下し、その内部に前記抽出対象物3と前記液体とを収容することができる大きな空間を形成する。よって、使用時に熱湯が滞留する空間を前記筒状容器1内に設ける必要が無くなる。
このように、前記筒状容器1の容積は、実質的には、前記抽出対象物3の容積だけ確保してあればよく、従来の常圧抽出型のドリッパ兼用収容容器と比べて著しく小型化することができる。
又、前記筒状容器1の下方にある前記袋状フィルタ2内に主に熱湯が滞留するので、前記筒状容器1自体、あまり熱を帯びることが無い。従って、抽出後に前記ドリッパ兼用収容容器を片づけるときにも、使用者が熱い部分を触る必要が無くなる。
【0014】
又、上記第1及び第2特徴構成において、請求項3に記載してあるように、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子であると、前記袋状フィルタ2内に前記熱湯が滞留して、前記レギュラーコーヒー粒子と前記熱湯とが十分に接触する時間が与えられるので、風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液が得られる。
【0015】
又、請求項4に記載してあるように、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えていると、前記容器5に前記ドリッパ兼用収容容器をセットして熱湯を注ぐだけで、風味豊かなレギュラーコーヒー抽出液を得ることができる。よって、抽出作業を簡単に行なうことができる。
【0016】
尚、特許請求の範囲に、図面との対比を容易にするために符号を付しているが、本発明は図面の構造に限定されるものではない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1、2に示すように、本発明に係るドリッパ兼用収容容器は、上部開口11と下部開口12とを設けた筒状容器1を、前記上部開口11を密封する天蓋13と、前記下部開口12を密封する底蓋14によって、夫々シールしてある。尚、前記天蓋13と底蓋14には、開封を容易にするため、その端部に取っ手13a、14aを夫々突設している。そして、これらに囲まれた空間に、袋状フィルタ2と抽出対象物3とを収容する。
前記袋状フィルタ2は、保管時には、その上端側が前記筒状容器1の内周に固定されていて、その下端側は畳まれて前記筒状容器1の下端側に収容されている。前記袋状フィルタ2の内面と前記筒状容器1の内面と前記天蓋13によって仕切られた収容空間15を形成している。この収容空間15には抽出対象物3を収容してあって、前記天蓋13と前記袋状フィルタ2とで上下端を、そして前記筒状容器1の内壁で側面をシールされているので、前記抽出対象物3は前記筒状容器1の向きが変わっても前記収容空間15から出ることはない。
【0018】
前記筒状容器1、前記天蓋13、前記底蓋14は、例えば、内面を防湿加工された厚手の紙や透明・半透明・不透明な合成樹脂、金属板で構成することができる。更に、運搬時の振動や押圧で変形しない程度の剛性を備えていることが好ましい。
【0019】
前記筒状容器1の容積、形態は、前記袋状フィルタ2と前記抽出対象物3を収容するに足りるだけあればよいので、非常にコンパクトに形成することができる。更に、前記筒状容器1が、円筒、角柱等の形状であると、細密充填が容易であるので運搬・保管に便利である。
【0020】
前記ドリッパ兼用収容容器は、更に、金属箔、樹脂フィルム製のバッグや紙製の筐体に収容して流通させることができる。尚、前記筒状容器1と前記天蓋13と前記底蓋14とを前記気密性材料で構成し、前記収容空間15を密封してあるので、気密性フィルムなどで個装する必要が無くなる。
【0021】
前記抽出対象物3としては、その粒径が小さいため前記袋状フィルタ2の目が細かくなって前記袋状フィルタ2内での液体の滞留時間が長くなり易いものや、抽出時間が比較的長く液体との接触時間を長く保つことが好ましいものが好適である。例えば、レギュラーコーヒー、紅茶、緑茶、焙じ茶、烏龍茶(半発酵茶)、ハーブティー、煎じ薬等が使用される。これらの抽出対象物3を抽出する場合、前記袋状フィルタ2の容積が大きくなるが、本発明に係るドリッパ兼用収容容器では、前記袋状フィルタ2をコンパクトに収容することによって、小型化が可能となる。
以下、前記抽出対象物3がレギュラーコーヒー粒子である場合を例示して、本発明に係るドリッパ兼用収容容器の使用方法や使用形態について説明する。
【0022】
先ず、前記ドリッパ兼用収容容器の取っ手13a、14aを引っ張って、天蓋13及び底蓋14を取り除き、前記上部開口11及び下部開口12が開いた状態にする(図2(a)参照)。そして、前記上部開口11の上方から前記収容空間15に向かって、常圧の熱湯を少量注ぎ込む。すると、前記収容空間15に収容されたレギュラーコーヒー粒子3は、熱湯と接触して蒸らされながら、前記熱湯分の重量増加に伴って、前記収容空間15の下方に向かって落下し、このとき、同時に、前記レギュラーコーヒー粒子3と熱湯の重みで、前記袋状フィルタ2も前記収容空間15から垂下していく(図2(b)参照)。更に、前記上部開口11から熱湯を注ぐと、前記袋状フィルタ2内で滞留した熱湯に前記レギュラーコーヒー粒子3の成分が溶出し、前記レギュラーコーヒー粒子3の成分が含まれる抽出液が、前記下部開口12に開出した前記袋状フィルタ2の下端側から下方に落下して抽出が完了する。
尚、図1(a)に示すように、前記筒状容器1が透明の耐熱性合成樹脂で形成されていると、前記レギュラーコーヒー粒子3への前記熱湯の浸透具合を確認し易いので好ましい。
【0023】
更に、前記ドリッパ兼用収容容器は、前記筒状容器1を支える支持部41と、前記抽出対象物3から抽出した抽出液を受ける容器5の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部42とを有する支持体4を備えることができ、これによって、抽出した液を直接コーヒーカップ、グラス等の容器5に注ぐことができる。
例えば、図3(a)に示すように、前記筒状容器1とは別体に設けられたプラスチック等からなる中空円筒形の支持体4は、その上端に、前記筒状容器1の下端に外嵌可能な前記支持部41としての第一フランジ部を備えている。そして、下端に前記容器5に内嵌する前記取り付け部42としての第二フランジ部を備えている。前記天蓋13と前記底蓋14とを取り外した後、前記筒状容器1に前記支持部41を外嵌し、前記取り付け部42を前記容器5に内嵌して熱湯を注げば、レギュラーコーヒーを抽出することができる。
【0024】
又、例えば、前記支持体として、前記筒状容器の側壁にその一端が前記支持部としてのヒンジで固定された、前記取り付け部としての棒状体を複数沿設してもよい。前記ドリッパ兼用収容容器を保存するときには、前記棒状体を前記筒状容器の側壁に沿わせて邪魔にならないようにして、使用時に前記ヒンジを開いて前記容器の上縁端に掛け渡せば前記筒状容器を前記容器上に固定することができる。
【0025】
或いは、前記ドリッパ兼用収容容器を、レギュラーコーヒー抽出装置6のカートリッジとして使用することもできる。例えば、図3(b)に示すように、筐体61内に、前記筒状容器1の下端を内嵌可能で前記袋状フィルタ2の垂下を妨げない第三フランジ部を備え、展開した状態の前記袋状フィルタの下方に前記容器5を載置する載置部64を設け、前記筒状容器1が前記第三フランジ部62に内嵌した状態でその上方から常圧の熱湯を下方に供給可能な熱湯供給機構63を設けたレギュラーコーヒー抽出装置を使用することができる。
前記ドリッパ兼用収容容器からレギュラーコーヒーを抽出するには、前記筒状容器1から前記天蓋13と前記底蓋14とを取り外した後、前記筒状容器1を前記第三フランジ部に内嵌して、前記熱湯供給機構63から適量の熱湯を供給すればよい。
【0026】
〔別実施形態〕
以下に別実施形態を説明する。
(イ) 本発明に係るドリッパ兼用収容容器に、図4、5に示すように、使い捨て紙製支持部4を別体で設けてもよい。例えば、前記筒状容器1の下端側に上端側の周部と比べて縮径した中空円筒状の補助部16を設けて、前記筒状容器1と前記補助部16とを連接すると、その境界にドーナツ状の当接部17が形成される。一方、前記支持体4には、前記補助部16の外径より大きく前記筒状容器1の外径より小さな径を有する円形開口43を開設し、前記円形開口43の周囲に支持部41を形成する。更に前記支持体4には、前記支持部41の下部に下向きの凹部と凸部を設けて、前記凹部で前記容器5の上端縁に当接し、前記凸部で前記容器5の内外壁面に当接することによって、前記容器5に着脱自在に取付けられる取り付け部42を設けてある。
前記支持体4を前記容器5にセットし、その上方から、前記円形開口43に前記補助部16を嵌入すると、前記支持部41に前記当接部17が当接して係止する。この状態で、前記上部開口11から熱湯を注ぐと、前記袋状フィルタ2が前記下部開口12、前記補助部16の内腔、前記円形開口43に垂下してその先端側から前記容器5に向かって抽出液が供給される。
(ロ) 前記実施形態において前記天蓋13を取り除く使用方法を示したが、前記天蓋13は必ずしも取り除く必要はなく、例えば、先端が鋭利な注湯ノズルを前記天蓋13に突き刺してその注湯孔を前記収容空間15に突入させ、前記抽出対象物3に対して熱湯を供給することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の斜視図及び断面図
【図2】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の使用状態を表わす斜視図及び断面図
【図3】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の実施形態を示す断面図
【図4】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の別実施形態を示す斜視図
【図5】本発明に係るドリッパ兼用収容容器の別実施形態を示す斜視図
【符号の説明】
1 筒状容器
2 袋状フィルタ
3 抽出対象物
4 支持体
5 容器
11 上部開口
12 下部開口
13 天蓋
14 底蓋
15 収容空間
41 支持部
42 取り付け部
Claims (4)
- 透明な耐熱性合成樹脂で構成された筒状容器(1)に上部開口(11)と下部開口(12)とを設け、取っ手(13a)が突設され気密性材料で構成された天蓋(13)で、前記取っ手(13a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記上部開口(11)を密封し、取っ手(14a)が突設され気密性材料で構成された底蓋(14)で、前記取っ手(14a)が前記筒状容器(1)の外周に突出するように前記下部開口(12)を密封してあり、且つ、前記取っ手(13a)と前記取っ手(14a)とは、平面視した状態で上下方向に沿って同じ位置にあり、
垂下したときに抽出対象物(3)と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ(2)の上端側を前記筒状容器(1)の内周に固定し、
前記袋状フィルタ(2)の下端側を畳んで前記筒状容器(1)内に収容し、
前記袋状フィルタ(2)の内面と前記筒状容器(1)の内面と前記天蓋(13)によって仕切られた収容空間(15)に前記抽出対象物(3)を収容してあるドリッパ兼用収容容器。 - 上部開口(11)と下部開口(12)とを設けた筒状容器(1)と、前記上部開口(11)を密封する気密性材料で構成された天蓋(13)と、前記下部開口(12)を密封する気密性材料で構成された底蓋(14)とを有し、
垂下したときに抽出対象物(3)と抽出に用いる液体とが滞留可能な空間を形成するように、袋状フィルタ(2)の上端側を前記筒状容器(1)の内周に固定し、
前記袋状フィルタ(2)の下端側を畳んで前記筒状容器(1)内に収容し、
前記袋状フィルタ(2)の内面と前記筒状容器(1)の内面と前記天蓋(13)によって仕切られた収容空間(15)に前記抽出対象物(3)を収容してあるドリッパ兼用収容容器。 - 前記抽出対象物(3)がレギュラーコーヒー粒子である請求項1又は2に記載のドリッパ兼用収容容器。
- 前記筒状容器(1)を支える支持部(41)と、前記抽出対象物(3)から抽出した抽出液を受ける容器(5)の上端に着脱可能に取り付けられる取り付け部(42)とを有する支持体(4)を備えた請求項1〜3の何れか1項に記載のドリッパ兼用収容容器。
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