JP3705709B2 - 導電性高分子複合紙の製造方法 - Google Patents

導電性高分子複合紙の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3705709B2
JP3705709B2 JP34208998A JP34208998A JP3705709B2 JP 3705709 B2 JP3705709 B2 JP 3705709B2 JP 34208998 A JP34208998 A JP 34208998A JP 34208998 A JP34208998 A JP 34208998A JP 3705709 B2 JP3705709 B2 JP 3705709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paper
conductive polymer
composite paper
polymer composite
conductive
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP34208998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000160500A (ja
Inventor
博正 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Original Assignee
Japan Science and Technology Agency
National Institute of Japan Science and Technology Agency
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Science and Technology Agency, National Institute of Japan Science and Technology Agency filed Critical Japan Science and Technology Agency
Priority to JP34208998A priority Critical patent/JP3705709B2/ja
Publication of JP2000160500A publication Critical patent/JP2000160500A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3705709B2 publication Critical patent/JP3705709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Paper (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、導電性高分子複合紙の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、紙ベースの電子部材、計測部材等として有用な、高付加価値紙製品の展開を可能とする、新しい導電性複合紙の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来より、古い歴史を有する紙製品については、その用途の多様化とともに各種の機能が付与されたものが開発されてきている。
しかしながら、古来からの紙パルプを主として抄造される紙製品については、たとえば電子・光機能等の先端的な機能が付与されたものは数が少く、実際的には、技術革新の時代に即応した高付加価値品の展開はあまり進んでいないのが実情である。
【0003】
そこで、この出願の発明は、以上のような状況に鑑みて、紙パルプを主とする抄造製品について、その用途の多様化と高付加価値化を図ることができる、新しい導電性複合紙の製造方法を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記のとおりの課題を解決するものとして、まず第1には、紙パルプにエメラルデインベースの導電性高分子を内添し、抄紙した後に酸処理する導電性高分子複合紙の製造方法であって、導電性高分子がポリアニリン系高分子、ポリピロール系高分子、またはポリチオフェン系高分子であることを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法を提供し、第2には、エメラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して1〜40重量%の割合で内添されている導電性高分子複合紙の製造方法を提供する。
【0006】
以上のとおりのこの出願の発明の導電性高分子複合紙の製造方法は、混合抄紙によって安価に作成できる上に、作成されたものは劇的な電気伝導度と色調の変化、および水素イオンセンシング機能を有する等から、たとえば静電防止梱包紙、コンデンサー電極、酸性度の検出素子等の用途への展開に有用なものとなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
この出願の発明の実施の形態について以下に説明する。
まず、この発明の導電性高分子複合紙については、前記のとおり、紙パルプを主として、これに導電性高分子が内添されて抄紙されたものであることを本質的な特徴としている。
【0008】
この場合の紙パルプは、従来より使用されているものをはじめとして各種のものであってよい。製紙用として使用することができる、針葉樹や広葉樹の木材パルプをはじめ、非木材系のリンターパルプ等であってよく、製造法としての区分では、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ、セミケミカルパルプのうちの各種のもの、あるいはそれらの混合であってよい。
【0009】
一方、内添される導電性高分子も各種のものでよく、たとえば代表例としては、ポリアニリン系高分子、ポリピロール系高分子、ポリチオフェン系高分子等が挙げられる。
ここで、たとえば、ポリアニリン系高分子と表現する場合の「系」については、高分子の基本主鎖構造がポリアニリンであって、これに各種の化学修飾が行われているもので、導電性を示すことのできる各種のものが含まれることを意味している。つまり、ポニアニリンとその修飾体としての導電性高分子が意味されている。他の場合についても同様である。
【0010】
これらの導電性高分子は、この発明においては、いわゆる脱ドープされている非酸化状態のエメラルデインベースとして、あるいは酸化状態にあるエメラルデインソルトとして添加混合することができる。
たとえばポニアニリンのエメラルデインベース状態のものを使用する場合について説明すると、エメラルデインベースとは、前記のとおり、脱ドープした状態のポニアニリンをさす。このため、この状態では導電性は生じないが塩酸などで酸処理してpHを下げ、いわゆるドーピング処理を行うことにより、酸化状態にするとエメラルデインソルトという導電性状態に変化する。紙に内添したポリアニリンも同様に絶縁性状態から導電性状態に変化する。それとともに色が深い青からエメラルドグリーンに変化する。この状態でこの導電性高分子複合紙の導電性が生ずる。また酸化状態のエメラルデインソルトと紙パルプより、最初から導電性を有する状態で抄紙することも可能であり、酸による上記のドーピング処理を行うこと無しに導電性の紙が作製できる。
【0011】
いずれの場合も、複合紙は紙パルプと混合抄紙することで作製できるので極めて製法が容易である。電気伝導度や色の変化は内添するポリアニリンの量を変化させることにより調節できる。また、前記例示の他の導電性高分子であるポリピロールやポリチオフェンでも同様な複合紙を作製でき、同様な性能を得ることができる。
【0012】
なお、エメラルデインソルトの状態(導電性状態)にしてからアンモニアなどのアルカリに、気相ないしは液相で接触させると絶縁体に変化することから、この発明の導電性複合紙はアルカリセンサーとしても用いることができる。
紙パルプへの導電性高分子の配合割合については特に限定はなく、使用する導電性高分子の種類、所望の電気伝導度のレベル等により適宜に調整される。一般的には、エメラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して1〜40重量%、さらには5〜25重量%程度が適当な目安となる。
【0013】
そして、この発明においては、より具体的には、電気伝導度が1S/cm以上である導電性高分子複合紙が提供されることになる。
もちろん、この発明の複合紙においては、所望により他の配合成分が適宜に添加されてもよいことは言うまでもない。また、抄紙については、従来同様の方法、そして装置が適宜に使用できることになる。
【0014】
また、エメラルデインベースで内添した後の酸処理には、塩酸が最も簡便に使用できるが、これに限定されることはなく、pHを下げ、酸化状態とすることのできる鉱酸あるいは有機酸のうちの各種のものであってよい。塩酸を用いる場合には、常温、常圧で、空気中で蒸発するHClによるドープとして行うことができる。たとえば塩酸以外には、硫酸、ギ酸等も例示される。また、酸処理は導電性を賦活するためのドープとして行われるものであるが、この賦活のためのドープは、ヨウ素やヒ素(AsF5 等による)で行ってもよい。
【0015】
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろん、この発明は以下の例に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
紙パルプ:NBKP(針葉樹パルプ)/LBKP(広葉樹パルプ)(重量比)=70/30にポリアニリンエメラルデインベースを13.5重量%内添し、抄紙装置により複合紙を作製した。この場合、坪量は195g/m2 であった。これを常温、常圧で塩酸蒸気にさらすことにより最高1.95S/cmの電気伝導度が発生することが確認された。添付の図1に示したように、塩酸蒸気にさらす前は絶縁体の領域であったが塩酸蒸気に接触させるとほぼ同時に導体の領域に電気伝導度が向上した。その上昇率は一億倍であった。
【0017】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、混合抄紙という簡単な手段で、紙パルプを主とする導電性複合紙の製造方法を提供することができる。
この複合紙は、製法が容易であるだけでなく、電気伝導度や色の変化は内添するポリアニリンの量を変化させることにより調節でき、また、水素イオンセンシング機能を有し、色および電気伝導度の劇的な変化から酸性度のチェック、および静電防止梱包剤等に用いることができる。さらにはアルカリセンサーとしても使用することができる。またポリアニリン等の導電性高分子の単体にはない、紙特有の柔らかさ、安価性、しなやかさ、強靱性を有するため、製紙業界の電子分野における新たな分野の開拓に繋がる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エメラルデインベースのポリアニリンの内添の紙についての塩酸処理にともなう電気伝導度の変化を例示した図である。

Claims (2)

  1. 紙パルプにエメラルデインベースの導電性高分子を内添し、抄紙した後に酸処理する導電性高分子複合紙の製造方法であって、導電性高分子がポリアニリン系高分子、ポリピロール系高分子、またはポリチオフェン系高分子であることを特徴とする導電性高分子複合紙の製造方法。
  2. エメラルデインベースとして、紙パルプとの合計量に対して1〜40重量%の割合で内添されている請求項1の導電性高分子複合紙の製造方法。
JP34208998A 1998-12-01 1998-12-01 導電性高分子複合紙の製造方法 Expired - Fee Related JP3705709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34208998A JP3705709B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 導電性高分子複合紙の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP34208998A JP3705709B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 導電性高分子複合紙の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000160500A JP2000160500A (ja) 2000-06-13
JP3705709B2 true JP3705709B2 (ja) 2005-10-12

Family

ID=18351081

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP34208998A Expired - Fee Related JP3705709B2 (ja) 1998-12-01 1998-12-01 導電性高分子複合紙の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3705709B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009185412A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Univ Of Tsukuba パルプ/ポリアニリン類複合体の製造方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6436236B1 (en) * 2001-03-05 2002-08-20 E. I. Du Pont De Nemours & Company Electrically-conductive para-aramid pulp
WO2011118407A1 (ja) 2010-03-25 2011-09-29 凸版印刷株式会社 導電性フィルムおよびその製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009185412A (ja) * 2008-02-06 2009-08-20 Univ Of Tsukuba パルプ/ポリアニリン類複合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000160500A (ja) 2000-06-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
You et al. Crab chitin‐based 2D soft nanomaterials for fully biobased electric devices
Tao Handbook of smart textiles
Wan et al. Formation mechanism of polyaniline microtubules synthesized by a template‐free method
Dong et al. Polyaniline/poly (methyl methacrylate) coaxial fibers: The fabrication and effects of the solution properties on the morphology of electrospun core fibers
Latypova et al. Synthesis and physicochemical properties of poly [2‐(2‐chloro‐1‐methylbut‐2‐en‐1‐yl) aniline] obtained with various dopants
JP5660595B2 (ja) 導電紙とその製造方法、導電性セルロース組成物とその製造方法、物品、電子デバイス
Zheng et al. polyaniline‐intercalated molybdenum oxide nanocomposites: simultaneous synthesis and their enhanced application for supercapacitor
JP6580436B2 (ja) 導電性高分子組成物およびその用途
US7943066B2 (en) Electrically conductive paper composite
TW200949878A (en) Capacitor and production method thereof
JP2010161228A (ja) 固体電解コンデンサとその製造方法
Ayad et al. Doping of polyaniline films with organic sulfonic acids in aqueous media and the effect of water on these doped films
KR20100068495A (ko) 도전성 조성물의 분산액, 도전성 조성물 및 고체 전해 컨덴서
KR960029367A (ko) 가용 전기전도성 폴리피롤의 제조방법
JP3705709B2 (ja) 導電性高分子複合紙の製造方法
Plonska‐Brzezinska et al. The electrochemical properties of nanocomposite films obtained by chemical in situ polymerization of aniline and carbon nanostructures
JP4418198B2 (ja) 固体電解コンデンサおよびその製造方法
US4519873A (en) Process for producing fibrous sheet
JP2010129789A (ja) 固体電解コンデンサの製造方法
Oh et al. Electrical property and stability of electrochemically synthesized polypyrrole films
Koh et al. Tunable electrical resistance of polyaniline and its correlation to morphological properties and surface functional groups
US6343005B1 (en) Solid electrolytic capacitors and method for manufacturing the same
Job et al. Comparison between different conditions of the chemical polymerization of polyaniline on top of PET films
DE69800174T2 (de) Oxidative Lösung zur Synthese von wärmebeständigem leitfähigen Polymer und Verfahren zur Herstellung leitfähiges Polymer
Nogami et al. The effects of hyperbranched poly (siloxysilane) s on conductive polymer aluminum solid electrolytic capacitors

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20031210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041130

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050202

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050412

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050608

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees