JP3705665B2 - 鉄クロム系焼結合金及びその製造方法並びにそれを用いた燃料電池用セパレータ - Google Patents

鉄クロム系焼結合金及びその製造方法並びにそれを用いた燃料電池用セパレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気中で1000℃程度の高温で使用しても酸化が少なく、かつ、表面に形成される酸化皮膜に導電性を有する鉄クロム系焼結合金およびその製造方法に係り、特に、固体電解質型燃料電池などの燃料電池用のセパレータに用いて好適な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体電解質型燃料電池には、円筒方式、平板方式、一体積層方式などがあるが、中でも平板方式は、単位容積あたりの出力密度が高く発電効率が高いという特徴がある。平板方式の固体電解質型燃料電池は、多孔質の燃料電極および空気電極の間に電解質を挟み込むように積層するとともに、燃料/空気電極の外面にセパレータを密着させた単電池を連設して構成されている。ここで、セパレータは、内側の面に気体が流通するための複数の溝を有する薄板状のもので、燃料電極側のセパレータには天然ガスのような燃料ガスが供給され、空気電極側のセパレータには空気が供給されるようになっている。このセパレータには、その片面に溝を有するものの他に、両面に溝を有するものもある。そして、約1000゜Cの高温下において、燃料/空気電極および電解質を介して燃料と空気の間でイオン交換が行われ、燃料電極と空気電極との間に電力が発生する。セパレータは、隣接する単電池と密着させられることで単電池どうしを電気的に直列接続するとともに、隣接する単電池どうしの間でガスの流通を遮蔽するというシール材としての機能も有している。
【0003】
しかしながら、上記のような平板方式の固体電解質型燃料電池では、気体を漏洩させないためのシ−ル構造や薄い部材の製造など技術的課題が多く、とりわけ、高温での使用に耐えるセパレータの材質選定が重要な課題である。すなわち、セパレータの材料は、溝に流通させる気体が透過しない緻密なものであること、また、単電池どうしを接続する導電体なので電子伝導性が良好であることが要求される。さらに、酸化雰囲気、還元雰囲気において化学的に安定であり、表面に形成された酸化皮膜も導電性を有すること、隣接した部材と同等の熱膨張係数を示すことなど厳しい条件が要求される。加えて、セパレータは、形状が薄くて複数の溝を備えたものであるから加工性が良いことと、さらには安価であることも望まれる。
【0004】
セパレータ用の材料としては、Ni−Cr系合金やCr−5%Fe−1%Y23合金等が挙げられるが、Ni系合金は熱膨張係数が大きく、高Cr系合金は成形性や加工性が悪い等、実用化を阻害する要因が多い。一方、セラミックス材料ではLaCrO3系の材料が挙げられるが、熱伝導性が低く、成形性や焼結性等にも問題が多い。
【0005】
これらの材料に比較して、フェライト系(Fe−Cr系)ステンレス鋼は、高温耐酸化性は比較的低いものの、Cr量を適切に設定することにより電解質材料であるジルコニアと同等の熱膨張係数を得ることができ、ネットシェ−プ(緻密化)が可能な粉末冶金法を適用すれば製造コスト上も有利である。したがって、高温耐酸化性が改善されればフェライト系ステンレス鋼のセパレータへの実用化が可能となる。
【0006】
フェライト系ステンレス鋼の高温耐酸化性を向上させる手段としては、YやLa等の希土類元素を添加することが知られている。希土類元素の添加によって高温耐酸化性が向上するメカニズムは明らかにされていないが、溶製法、粉末冶金法のいずれの方法で製造しても同様の効果が得られることが判っている。ここで、溶製法で製造した場合には、希土類元素の固溶度に限界があるため、その添加量は最大でも0.5重量%程度である。一方、粉末冶金法によって、鉄クロム合金にYやLaを酸化物の状態で添加したときの高温耐酸化性に及ぼす効果は、「粉体および粉末冶金」第29巻第7号246〜255頁、同第34巻第5号222〜227頁に報告されている。
【0007】
この報告によると、粒度が100メッシュ篩下の鉄粉と、325メッシュ篩下のクロム粉および粒径1μm以下のLa23粉末を用い、20重量%Crの鉄クロム合金組織中にLa23を分散させ、La23の含有量を0重量%から2重量%までの間で種々設定した焼結合金を製作している。そして、各焼結合金について1100℃で酸化実験をした結果、La23の含有量が増加するにしたがって耐酸化性が向上し、0.7重量%のとき最も良好で、それ以上の添加ではかえって酸化が進行することが明らかにされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、前記した0.7重量%のLa23を分散させた20重量%Cr−Fe焼結合金を作製して固体電解質型燃料電池のセパレータに使用してみたところ、その表面に導電性のある酸化皮膜が形成されていることが判ったが、長時間運転すると表層部の酸化が進行するとともに、電池特性が悪化することが分かった。よって、この発明は、La酸化物やY酸化物などのOを含む希土類金属化合物を含有する鉄クロム系焼結合金において、導電性がある安定した酸化物皮膜を形成するとともに、高温の酸化雰囲気ガス中において酸化の進行が少ない鉄クロム系焼結合金およびその製造方法を提供し、これにより、たとえば固体電解質型燃料電池の性能を向上させることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の鉄クロム焼結合金は、Crが14〜35重量%、LaおよびYの少なくとも1種のOを含む化合物が上記Cr重量%に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄クロム系合金であり、この鉄クロム合金の母材中に、上記Laおよび/またはYがOを含む化合物の粒子で分散した組織を呈していることを特徴としている。
【0010】
ここで、LaまたはYのOを含む化合物は酸化物であることが望ましいが、水酸化物などが一部に含まれていても良い。以下、上記数値限定の根拠を本発明の作用とともに説明する。なお、以下においては、化合物が酸化物である場合について説明するが、水酸化物などが一部に含まれていても同等の作用、効果を奏する。
【0011】
Crは鉄クロム系焼結合金の耐酸化性を高める元素であり、焼結合金母材のCr量が14重量%を下回ると耐酸化性が不充分となる。Crの含有量が増加するに従って耐酸化性は向上するが、Crの含有量が35重量%を上回ると鉄クロム合金粉末の圧縮成形性が悪くなるため、高い密度の成形体を得ることが困難になるとともに、高温クリ−プ強度が低下するので好ましくない。よって、Crの含有量は14〜35重量%とした。
【0012】
次に、本発明者等は、La酸化物やY酸化物の添加と高温耐酸化性との関係を詳細に検討したところ、高温耐酸化性の向上は、鉄クロム焼結合金の母材中のCr量に対するLa酸化物(またはY酸化物)の割合と相関関係があるのではないかという推論に達した。そこで、母材中のCr量に対するLa酸化物やY酸化物の割合を種々設定して定量的に分析した結果、これら酸化物を焼結合金のCr重量%に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%含有すると、長時間運転しても表層部の酸化がさほど進行せず、しかも、電池特性もほどんど劣化しないという知見を得た。
【0013】
本発明の鉄クロム系焼結合金が上記のような優れた特性を得ることができる理由は次の通りである。すなわち、鉄クロム系焼結合金のCr含有量が20重量%以上の場合には、合金表面の酸化物はCr酸化物(Cr23)が主体となるが、Cr酸化物は成長し難いために表面における酸化は進行し難いことが知られている。一方、鉄クロム系焼結合金のCr含有量が20重量%未満の場合には、焼結合金表面の酸化物はFe酸化物(たとえばFe34)が主体となり、Fe酸化物は成長し易く酸化の進行が激しいことも知られている。本発明者等の検討によれば、La酸化物やY酸化物を添加することにより、Crの酸化を促進し、しかも生成されたCr酸化物には、Cr23の他に、スピネル型と呼ばれる結晶構造を持ったCr系酸化物(たとえばCrFe23)も含まれていることが判った。
【0014】
ここで、Cr23は非導電体であるが、本発明の鉄クロム系焼結合金の表面は良好な導電性を示す。その理由は明らかではないが、上記スピネル型Cr系酸化物が形成されている点に加えて、La酸化物やY酸化物がCr23と反応する結果、LaCrO3やYCrO3のような複合酸化物が生成されるためと考えられる。その反応の一例は下記式により表される。
【化1】
Cr23+La23=2LaCrO3
【0015】
そして、これら複合酸化物は、ペロブスカイト型と呼ばれる結晶構造を持ち、化学的に安定でしかもセパレ−タとして必要な導電性を備えるとともに、保護皮膜となって酸化の進行を抑制するものと考えられる。ただし、これはあくまでも推定であり、かかる作用の有無によって本発明の範囲が限定されないことは言うまでもない。
以上のように、La酸化物やY酸化物は、それらの触媒作用によってCrの酸化を促進してFeの酸化を抑制するとともに、生成されたCr酸化物と反応して上記した複合酸化物を生成する。したがって、ここに、Crの含有量に対するLa酸化物やY酸化物の割合を数値限定した本発明の技術的意味が存在する。
【0016】
本発明者等の実験によれば、La酸化物やY酸化物の含有量がCrの含有量の0.11倍未満の場合では、合金表面の導電性が良好でなく、長時間の加熱で酸化の進行が著しくなることが判った。これは、高温酸化雰囲気中で生成される酸化物皮膜が主としてFeとCrの酸化物で構成され、複合酸化物の生成が僅でそれが点在するようになるためと考えられる。
【0017】
一方、La酸化物やY酸化物をCr量の0.16倍を超えて含有させると、かえって耐酸化性が悪くなることも判った。これは、La酸化物やY酸化物が多量に存在すると、複合酸化物を多く生成するため、近傍のCrを取り込んでCr欠乏相を形成してしまうためと考えられる。つまり、鉄クロム系焼結合金の表面に複合酸化物が形成されていても、焼結合金の母材中のCr欠乏相を起点にして酸化が起こり易くなるのである。
よって、以上の知見から、La酸化物やY酸化物の含有量は、焼結合金母材のCrの重量%に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%とした。
【0018】
ところで、前述のように、LaやYの化合物は酸化物であることが望ましいが、La酸化物は大気中や焼結合金母材中で安定ではなく、水酸化物に変化し易い。特に、La酸化物の水和反応は大きな体積膨張を伴うために、焼結合金母材中に亀裂を生じさせることもある。そこで、本発明者等は、LaおよびYの含有量を数値限定することにより、上記鉄クロム焼結合金の中でも望ましい範囲を設定した。すなわち、上記鉄クロム焼結合金では、Crが14〜35重量%であって、LaおよびYの少なくとも1種のOを含む化合物がCr重量%のa倍(ただし0.11≦a≦0.16)であるから、化合物の含有量は1.54〜5.60重量%ということになる。換言すると、化合物がLa酸化物だけの場合のLaの含有量は1.32〜4.80重量%、Y酸化物だけの場合のYの含有量は1.21〜4.37重量%に相当する。よって、本発明の鉄クロム合金中のLaおよび/またはYの含有量は、1.21〜4.80重量%以下であることが望ましく、このように設定することにより、必要なLaとYの量が確保され、上記した作用、効果を確実に奏するものとなる。
【0019】
また、本発明の鉄クロム系焼結合金を燃料電池に用いる場合には、焼結合金の表面が導電性を有することが不可欠である。よって、焼結合金の少なくとも表面には、酸化ランタンクロムおよび酸化イットリウムクロムの少なくともいずれか一方の複合酸化物で構成される皮膜が形成されていることが望ましい。ただし、表面にそのような皮膜が形成されていなくても、燃料電池を高温下で慣らし運転することによって、Cr酸化物とLa酸化物等が反応して表面に複合酸化物が生成される。
【0020】
さらに、焼結合金母材中に分散しているLa酸化物粒子とY酸化物粒子の粒径は、20μm以下であることが望ましい。すなわち、La酸化物粒子とY酸化物粒子の粒径が大きい場合や、粒径が小さくても凝集して粗い状態で分散していると、La酸化物粒子等と焼結合金母材との境界部のCr濃度が減少して、前記したと同様の理由で高温耐酸化性が低下するからである。本発明者等の実験によれば、分散しているLa酸化物粒子およびY酸化物粒子の粒径が20μmを上回ると、焼結合金の表面に班点状の酸化が生じることが判った。よって、La酸化物粒子およびY酸化物粒子の粒径は20μm以下が望ましく、10μm以下であればさらに好適である。さらに、La酸化物粒子およびY酸化物粒子が凝集した粒子塊の粒径も、20μm以下であることが望ましく、10μm以下であればさらに好適である。
【0021】
以上のように、本発明の鉄クロム系焼結合金にあっては、焼結合金母材のCrの含有量に対するLa酸化物やY酸化物の割合を上記のように数値限定しているので、高温酸化雰囲気中で長期間使用しても良好な導電性を維持することができ、しかも、酸化の進行を効果的に抑制することができる。したがって、上記鉄クロム系焼結合金は、高温燃料電池のセパレータ用の材料として極めて有用であり、上記鉄クロム系焼結合金で構成された高温燃料電池のセパレータは、本発明の特徴の一つでもある。
【0022】
次に、本発明の鉄クロム系焼結合金の製造方法は、Crが粉末全体の14〜35重量%、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄クロム合金粉末に、LaおよびYの少なくとも一種のOを含む化合物の粉末をCrの含有量に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%混合し、その成形体を無酸化雰囲気または還元性雰囲気ガス中で焼結することを特徴としている。この製造方法によって上記鉄クロム系焼結合金を製造することができる。以下、本発明の製造方法のより好ましい態様を説明する。
【0023】
A.原料粉末の調整・混合
焼結合金母材中にクロム欠乏相を生じさせないためには、粒径の小さなLa酸化物粉末とY酸化物粉末を使用する必要があり、これら粉末の粒径は、前述の通り20μm以下が望ましく、10μm以下であればさらに好適である。また、粒径の小さな粉末を使用しても、焼結合金母材を構成する鉄クロム合金粉末の粒径が大きい場合には、鉄クロム合金粉末粒子どうしの隙間にLa酸化物等の粉末が集まる。よって、これを防止するためには、鉄クロム合金粉末は、サブシ−ブ粉末(325メッシュ篩下、粒径45μm以下)であることが望ましく、粒径が10μm以下であればさらに好適である。そして、このような粒径の小さい粉末を使用することにより、クロム欠乏相の生成を防止するばかりでなく、焼結合金の組織を均一にすることができる。
【0024】
粉末どうしを混合する場合には、予め、鉄クロム合金粉にLa酸化物粉末やY酸化物粉末を多量に添加して充分混合した予備混合粉を作製しておき、予備混合粉と鉄クロム合金粉を所定量混ぜ合わせて再度混合することが望ましい。つまり、La酸化物粉末やY酸化物粉末の割合を順次少なくしてゆく混合方法である。また、粉末の混合に用いる混合機は、かたまった粉末を剪断するように作用する混合機が好ましく、内部に羽根を設置したものやボールミルなどが好適である。
【0025】
また、La酸化物粉末を鉄クロム合金粉末に細かく均一に分散させるために、La酸化物粉末をアルコールに溶解し、溶解液の状態で鉄クロム合金粉末に混合する方法を用いることができる。La酸化物は(OH)基を有するアルコールに溶解するので、このような方法を用いることができる。代表的なアルコールとしてはエタノールがある。
La酸化物をアルコールに多量に混合して懸濁液とし、これを鉄クロム合金粉末に混合することも可能である。なお、Y酸化物はアルコールに溶解しないので、アルコールまたはその他の液体に懸濁させて用いることができる。この場合、La酸化物粉末等が懸濁した状態であっても、微粉末の凝集が少なくなるので、長時間の混合を要しないで均一に混合することができる。
【0026】
ところで、焼結合金母材中のCr濃度が複合酸化物の形成によって減少し、Cr欠乏相が生成されて耐酸化性が劣化することは既に述べたが、その対策としては、焼結合金母材中に分散しているLa酸化物やY酸化物の粒子に近接してCrリッチ相を形成する方法がある。具体的には、焼結合金母材よりもCrの含有量が多い鉄クロム合金粒子をLa酸化物粒子等に近接して存在させ、Crを補充できる金属組織にすれば良い。たとえば、予備混合粉中に適量のクロム粉末またはCr含有量が多い鉄クロム合金粉末を混合し、La酸化物粒子等とクロム粉末または高クロム合金粉末とを均一に分散するという手段を採ることができる。これにより、La酸化物粒子等と高クロム合金粒子等が適度な距離で配置される。そして、複合酸化物の形成のためのCrが高クロム合金粒子等から取り込まれ、あるいは、Cr欠乏相となった焼結合金母材中に高クロム合金粒子等からCrが補充される。
【0027】
より確実な方法としては、La酸化物粉末等とクロム粉末またはCr含有量が多い鉄クロム合金粉末とをバインダーで結合したボンデット粉末を用いることができる。あるいは、La酸化物粒子等の表面を高クロム合金粉末で被覆したり、逆に、高クロム合金粒子の表面をLa酸化物粉末等で被覆した被覆粉末の状態にして予備混合粉中に混合することができる。また、La酸化物粉末等の予備混合粉に予め適量の複合酸化物(LaCrO3やYCrO3)の粉末を含有させておけば、La酸化物粉末等の添加量を少なくすることができるから、複合酸化物の生成に際して消費されるCrの量を低減することができる。さらに、La酸化物粉末等に代えて、複合酸化物のみを予備混合粉に含有させることも可能である。
【0028】
B.成形および焼結
焼結合金を燃料電池のセパレータとして使用する場合、ガスを透過しないことが必要であるので、その密度比は通気孔がほぼなくなる90%以上、好ましくは93%以上になるように圧粉成形して焼結することが望ましい。密度比が高いと、耐酸化性の面でも良好になる。また、圧粉体は比較的低い密度にしておき、焼結体をホットプレスで再圧縮する方法も採用することもできる。なお、La酸化物粉末等をアルコールに溶解または懸濁して用いる場合には、圧縮成形の前にアルコールを乾燥除去する。
圧粉体の焼結は、1200℃前後の温度で通常の焼結炉を用いて無酸化雰囲気または還元性雰囲気で行うことができる。この場合、La酸化物やY酸化物は、焼結合金母材中で殆ど拡散されない。
【0029】
C.焼結体の酸化処理
前述のように、La酸化物粒子やY酸化物粒子が焼結合金母材中に適量に分散していると、たとえば燃料電池の運転中に高温酸化雰囲気に曝されたときに、複合酸化物(LaCrO3またはYCrO3)を形成して高温耐酸化性と導電性が向上するが、焼結合金の表面に前もって複合酸化物を形成しておけば、燃料電池の慣らし運転を省略することができる。
【0030】
複合酸化物皮膜を形成するには、La酸化物粒子やY酸化物粒子が母材中に分散した焼結合金を、空気または酸素を含む雰囲気ガス中で加熱処理する方法を用いることができる。この場合、加熱温度は900〜1100℃程度が適当である。この加熱酸化処理は、圧粉体を焼結炉で加熱、冷却して焼結体とし、造形などの必要な手段を施した後に行うことができる。あるいは、圧粉体を最高温度に加熱保持して焼結した後に、通常のように無酸化雰囲気ガス中で冷却しないで、冷却の過程で空気に暴露することで酸化処理を行うこともでき、この方法の方が省エネルギ−である。
【0031】
ところで、焼結後の鉄クロム合金母材の結晶粒が細かい(結晶粒界が多い)と、高温雰囲気中でCrが結晶粒界を通して拡散する速度が大きくなるので、焼結体の表面への複合酸化物の形成が容易になる。このため、たとえば、焼結体を水蒸気を含む高温空気に曝す場合のような酸化が促進される状態で酸化処理を行う場合は、鉄クロム合金母材表面からのCrの昇華などにも起因してCrの消費が激しくなるので、結晶粒を細かくしてCrの表面部への供給を促進する方が好ましいことがある。
一方、複合酸化物の形成が容易な状況下であってCrの移動が少ないほうが望ましい場合や、酸素が焼結体の内部へ拡散するのを抑制したいような場合には、焼結体の鉄クロム合金母材組織の結晶粒を粗大化させ、粒界密度を減少させることが有効である。なお、結晶粒度は、焼結温度および焼結時間によって調整することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、より具体的な実施例により本発明の鉄クロム系焼結合金およびその製造方法を説明する。
[実施例1]
平均粒子径が10μmでCr含有量が17重量%の鉄クロム合金(SUS430ステンレス鋼)粉末の上面に、平均粒径が0.7μmの酸化ランタン(La23)粉末を約50μm程度の粒状に凝集させた状態で敷設し、この粉末を上下方向に加圧して圧粉体を形成した。この圧粉体は、鉄クロム合金粉末の上層部に、鉄クロム合金粉末中に酸化ランタン粉末が分散した層を有する構造である。次に、この圧粉体を温度1200℃の水素ガス中で1時間焼結した。この焼結体をさらに温度1100℃の空気中で12時間加熱し、その後冷却した。こうして作製した試料を縦方向に切断し、その断面をEPMA(Electron Probe Micro-
analyser)を用いて面分析して、酸化ランタン粒子であった部分とその近傍の組成を調べた。面分析の結果、酸化ランタン粒子であった部分ではLa、O、Crが明確に検出され、その中心部では外周寄りの部分よりCrの濃度が低くなっていることが判った。また、試料の上面部であって酸化ランタン粒子であった部分と隣接した部分ではOとCrが検出された。
【0033】
以上の分析結果から、焼結体を高温空気中でさらに加熱することにより、試料の表面では酸素と結合し易いCrが酸化物となって皮膜を形成していることが判る。また、酸化ランタン粒子であった部分の周囲は、鉄クロム合金のCrが酸化されて生成された酸化クロムで覆われていることが判る。このことから、酸化ランタンは、クロム酸化物との化合によりLaとCrの複合酸化物(LaCrO3)になっているものと推測される。よって、酸化クロムの生成と複合酸化物の生成により、酸化ランタン粒子の周囲の焼結合金母材中のCr量が減少していることが判る。
このように、鉄クロム合金粉末に酸化ランタン粉末を添加することにより、LaとCrの複合酸化物が生成されるとの推定が正しいことが確認された。また、酸化ランタン粒子が粗大な粒子塊に凝集していると、その周囲が酸化クロムで覆われる結果、酸化クロムの周囲の焼結合金母材中にCr欠乏相が生成されることも判った。
【0034】
[実施例2]
実施例1と同じ鉄クロム合金粉末と酸化ランタン粉末を用意し、酸化ランタン粉末は凝集させずに含有量を2重量%として鉄クロム合金粉末と均一に混合した。次に、その粉末を圧縮成形し、圧粉体を前記実施例1と同様に焼結し酸化処理を施して試料とした。この試料の上面付近の断面に対してEPMAを用いて面分析を行ったところ、試料の上面部(皮膜が形成されている部分)にO、Crが明確に検出されたがLaは検出されなかった。そこで、上面部を検出精度の高いXPS(X-ray Photo-electronic Spectroscopy・X線光電子分光)により分析したところ、微量ではあるがLaが検出された。また、試料の上面部のFeは微量であり、Crの濃度は内部よりも上面部の方が一段と高いことが判った。
【0035】
以上の分析結果から、試料表面を覆っている皮膜はCrを主成分とする酸化物であり、Fe酸化物は僅かであることが判る。また、XPSでLaが検出されたことから、実施例2では、酸化皮膜中にLaが存在することが確認され、一部の酸化ランタンは酸化クロムと反応して複合酸化物を形成しているものと推測される。
【0036】
[実施例3]
鉄クロム合金粉末として平均粒径が10μmであってCr含有量が12、14、17、20、30、35重量%のもの都合6種類を用意した。また、それぞれの鉄クロム合金粉末に、平均粒子径が0.7μmであって、上記Cr重量%に係数(以下、含有係数と称する)a=0.05、0.11、0.16、0.2を乗じた重量%で酸化ランタン粉末を添加した都合24種類の混合粉を作製した。さらに、Cr含有量がそれぞれ上記重量%であって酸化ランタン粉末を添加していない6種類の鉄クロム合金粉を作製し、それぞれを圧縮成形した後、温度1200℃の水素ガス中で1時間焼結した。そして、それぞれの焼結体を前記実施例と同様に温度1100℃の空気中で12時間加熱し、その後冷却した。
【0037】
各焼結体の酸化重量増量(単位:kg/m2)の測定結果を表1に示す。なお、表中の×印は、スケールが剥離したり酸化皮膜が斑点状になるなど異常な酸化をしたものを示す。また、表中「Cr含有量」とは、鉄クロム合金粉に酸化ランタンを加えた粉末全体に対するCrの含有量であり、「酸化ランタンの含有量」は、Cr重量%に含有係数aを乗じた含有量である。たとえば、Cr含有量が17重量%で含有係数a=0.11の場合は、酸化ランタン添加量が1.87重量%である。
【0038】
表1に示した結果から、Crの含有量が多いと酸化重量増量が少なくなる傾向があることが判る。Crは鉄クロム合金の耐酸化性を向上させる元素であり、高クロムである程、成長し難い酸化クロムの割合が多くなる。このために、Crの含有量が12重量%と少ない場合には、酸化ランタンの含有量にかかわらず異常な酸化が生じた。これは、Crが少ないために鉄の酸化物(Fe34)が生じ易く、厚い酸化膜が形成されたためと考えられる。また、Crの含有量が14重量%の場合には、酸化ランタンの含有係数が本発明の範囲外のものでは全て異常な酸化が生じた。特に、含有係数aが0.2のものでは、Crの含有量が20重量%であっても異常な酸化が生じた。高温酸化雰囲気中では、酸化ランタンが化学的に安定な状態になろうとする結果、表面にできたCr酸化物との間で複合酸化物を順次形成すると考えられるが、酸化ランタンの量が多い場合は、より多くのCrが複合酸化物の形成のために取り込まれ、付近にCr欠乏相が生じて酸化が増大したためと考えられる。また、酸化ランタンの含有係数との因果関係は明らかではないが、試料表面のCr酸化物が昇華していることも考えられ、表層下部のCr量が減少して、酸化が焼結合金の内部に向かって進行しているものと考えられる。
【0039】
【表1】
Figure 0003705665
【0040】
以上のように、酸化ランタンの含有係数が本発明の範囲を上回ると、クロム含有量が多くても異常な酸化が生じており、よって、含有係数の上限値を0.16としたことの根拠が確認された。また、Crの含有量が14重量%の場合には、酸化ランタンの含有係数が本発明の範囲を下回ると異常な酸化が生じており、このことから、含有係数の下限値を0.11としたことの根拠も確認された。
【0041】
次に、含有係数aが0.16以下で異常酸化しなかった試料について、温度1100℃の空気中で200時間保持し、温度1100゜Cにおける電気伝導率を測定するとともに、室温まで冷却した後に再び温度1100℃に加熱したときの電気伝導率を測定した。1回目の加熱と2回目の加熱のときの電気伝導率の変化の状態を表2に示す。なお、電気伝導率の測定は、薄板状試料の表裏に白金網を圧接させ、白金網に通電して行った。また、表2中の○印は導電性があって1回目と2回目の加熱で変化がないもの、◇印は導電性はあるが2回目の加熱で悪化したもの、×印は2回目の加熱のときに導電性が認められなかったものを示す

【0042】
【表2】
Figure 0003705665
【0043】
表2に示すように、比較例では導電性が消失したり悪化したりしている。酸化ランタンを添加していない試料(a=0)を見ると、Crの含有量が20重量%未満では酸化鉄が主体に生成され、20重量%以上ではクロム酸化物が主として生成されるために、全ての試料で導電性が消失している(×印)。また、含有係数が0.05の試料を見ると、Crの含有量が20重量%以下の試料では導電性が悪化し、30重量%の試料では導電性が消失している。これは、Cr含有量が多い結果、導電性のないクロム酸化物が主として生成されたためと考えられる。
【0044】
なお、上記試料をさらに温度1100℃の空気中で2000時間保持し、その後室温まで冷却して酸化重量増量(単位:kg/m2)を測定したところ、酸化重量増量は、酸化ランタンの含有係数が本発明の範囲外の試料の方が多かった。この結果から、本発明の鉄クロム系焼結合金は、長時間の運転での高温耐酸化性に優れることが確認された。
以上の実施例3から、本発明の鉄クロム焼結合金は、Cr含有量を14〜35重量%とし、酸化ランタンの含有量をCr含有量の0.11〜0.16倍としているために、長時間の使用に対する高温耐酸化性とともに導電性も優れていることが判った。
【0045】
[実施例4]
平均粒径が10μmでCr含有量が17重量%の鉄クロム合金(SUS430ステンレス鋼)粉末と、平均粒子径が0.7μmの酸化ランタン(La23)粉末および酸化イットリウム(Y23)粉末を用意し、鉄クロム合金粉末に各酸化物粉末を1重量%(a=0.059)、2重量%(a=0.118)、3重量%(a=0.176)添加した6種類の粉末を作製した。次に、各粉末を充分に混合した後圧縮成形し、その圧粉体を温度1200℃の水素ガス中で1時間焼結した。また、この焼結体を温度1100℃の空気中で12時間加熱し、その後冷却した。
【0046】
それぞれの焼結体の酸化重量増量は、いずれも表1に示したCr含有量が17重量%のものの結果とほぼ同様であった。また、酸化処理を施す前の焼結体の密度比を測定したところ、酸化ランタンまたは酸化イットリウムの含有量が1重量%の試料では98%、2重量%では96〜97%、3重量%では87〜92%であり、また、酸化ランタンを含有した焼結体の方が密度比が高かった。焼結体を燃料電池用のセパレータに使用する場合には、ガスの漏洩を確実に防止するために密度比を95%以上にすることが望ましく、そのためには、Crを17重量%含有する場合には、LaまたはYの酸化物含有量は約2重量%程度(Cr重量%の0.1〜0.12倍)にすることが望ましい。
【0047】
[実施例5]
エタノ−ルに酸化ランタン粉末を混合、攪拌して溶液とし、平均粒径が10μmでCr含有量が17重量%の鉄クロム合金(SUS430ステンレス鋼)粉末に、酸化ランタン量に換算して2重量%に相当する溶液を加えて充分に混合した。その後、エタノ−ルを蒸発させて第1の混合粉を作製した。また、第1の混合粉と同じ鉄クロム合金粉末と酸化ランタン粉末を用い、酸化ランタン粉末を2重量%を添加してV型粉末混合機で30分間混合して第2の混合粉を作製した。
【0048】
次に、それぞれの混合粉を圧力350MPaで圧縮成形し、温度1200℃の水素ガス中で1時間焼結した。この焼結体の断面を金属顕微鏡で観察したところ、第1の混合粉から作製した焼結体では、酸化ランタンが組織中に均一に分散していたが、第2の混合粉から作製した焼結体では、第1の混合粉の場合と比較して分散している酸化ランタンが全体的に大きく、各所に100μm程度の大きな固まりが認められた。また、密度比は、第1の混合粉の場合が98%、第2の混合粉の場合が95%であった。
【0049】
また、焼結体を温度1100℃の空気中で12時間加熱し、その後冷却した後の試料の表面の外観は、第1の混合粉の場合は灰白色であったが、第2の混合粉の場合の試料は黒色を帯びた円形の斑点が各所に発生していた。このように、溶液にして酸化ランタンを添加し、均一に分散させると、密度比が高く、むらのない焼結合金が得られる。また、混合が不十分であると不均一な焼結体となるのが判った。酸化ランタンを粉末で混合する場合は、酸化ランタンの含有量の高い予備混合粉から含有量の低い混合粉へと2回以上に分けて混合する方法や、剪断回数及び剪断力の大きい粉末混合機を用いることが望ましい。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明のクロム系焼結合金は、鉄クロム焼結合金中にLa酸化物またはY酸化物の粒子が細かく均一に分散した金属組織を有しており、焼結合金の表面に、高温の酸化雰囲気ガス中において化学的に安定で、しかも導電性を有する酸化物皮膜を有している。また、粉末冶金法によって製造可能であるため、造形性、量産性に優れていることは勿論のこと、たとえば固体電解質型燃料電池用セパレータに適用したときに、電池の性能と耐久性を向上させることができる。

Claims (10)

  1. Crが14〜35重量%、LaおよびYの少なくとも1種のOを含む化合物が上記Cr重量%に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄クロム系合金であり、この鉄クロム合金の母材中に、上記Laおよび/またはYがOを含む化合物の粒子で分散した組織を呈していることを特徴とする鉄クロム系焼結合金。
  2. 前記LaおよびYの少なくとも1種を1.21〜4.80重量%含有していることを特徴とする請求項1に記載の鉄クロム系焼結合金。
  3. 少なくとも表面に酸化ランタンクロムおよび酸化イットリウムクロムの少なくともいずれか一方の複合酸化物を含有する皮膜が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の鉄クロム系焼結合金。
  4. 鉄クロム合金母材に分散しているLaのOを含む化合物の粒子またはYのOを含む化合物の粒子の粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の鉄クロム系焼結合金。
  5. 前記粒子が凝集した粒子塊の粒径が20μm以下であることを特徴とする請求項4に記載の鉄クロム系焼結合金。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載した鉄クロム系焼結合金で構成されていることを特徴とする固体電解質型燃料電池用セパレータ。
  7. Crが粉末全体の14〜35重量%、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄クロム合金粉末に、LaおよびYの少なくとも一種のOを含む化合物の粉末を上記Crの含有量に係数a(ただし0.11≦a≦0.16)を乗じた値の重量%混合し、その成形体を無酸化雰囲気または還元性雰囲気ガス中で焼結することを特徴とする鉄クロム系焼結合金の製造方法。
  8. 前記鉄クロム合金粉末がサブシ−ブ粉末であり、前記LaのOを含む化合物の粉末および/またはYのOを含む化合物の粉末の粒径が10μm以下であることを特徴とする請求項7に記載の鉄クロム系焼結合金の製造方法。
  9. 前記LaのOを含む化合物の粉末はアルコールに溶解または懸濁し、前記YのOを含む化合物の粉末はアルコールに懸濁した液にして前記鉄クロム粉末に混合し、上記アルコールを乾燥除去し、その粉末の成形体を無酸化雰囲気または還元性雰囲気ガス中で焼結することを特徴とする請求項7または8に記載の鉄クロム系焼結合金の製造方法。
  10. 請求項7ないし9のいずれかに記載の製造方法で製造した鉄クロム系焼結合金の焼結体を空気または酸化雰囲気ガス中で加熱し、上記焼結体の表面に酸化ランタンクロムおよび酸化イットリウムクロムの少なくともいずれか一方を含有する皮膜を形成したのち、冷却することを特徴とする鉄クロム系焼結合金の製造方法。
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