JP3704905B2 - 耐落下衝撃性パルプモールド - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料として使用される、パルプモールド材料に関する。更に詳しく述べるならば、パルプモールドの成型性改善及び、耐落下衝撃性向上(G値低減)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種緩衝材及び包装材として、発泡スチロール又は、塩化ビニール等の合成樹脂製品が軽量、低価格で成型性がよく、緩衝能力及び強度が優れている為、各分野で広く使用されている。しかし、これら合成樹脂製品は使用後の処理に際して、焼却処理では高熱を発して、炉を傷めたり、一部は有害ガスを発生するとされ、又、埋立て処理では嵩ばる上に、分解しないという問題があり、近年、新聞紙、ダンボール等の古紙を原料としたパルプモールド製品が急速に普及し始めた。
【0003】
パルプモールド製品は、地球環境上の面からも、今後更に普及すべき材料であるが、成型性(特に成型直後の型崩れ、或いは乾燥後の反り、原料溜り等)の点で、使用可能な古紙原料がかなり限定され、成型トラブルの少ない新聞古紙のみを使用する例が多い。又、耐落下衝撃性改善も各方面から、強く望まれているが、未だ発泡スチロール製包装材料の落下衝撃加速度(以下G値と呼ぶ)には及ばないのが現状であり、パルプモールド包装材料が今後、更に普及する為には、この問題を解決する事が急務である。
【0004】
G値低減対策としては、樹脂エマルジョン若しくは、親水性高分子等の発泡剤を内添し成型後、加熱して、発泡させることにより、緩衝性を向上させる提案(特開平5−51474号公報)があるが、この方法は、あくまで一般的な緩衝性向上を目的としたものであり、G値低減に関する記述はない。同様に内部に発泡体を有する提案(特開平5−77250号公報)もあるが、これは強度と緩衝性を両立させる提案であり、この提案に於いても、G値低減に関する記述はない。この他にも発泡体を使用する提案があるが、何れについてもG値低減には触れていない。以上、述べたようにパルプモールド材料の耐落下衝撃性を発泡スチロール材料の耐落下衝撃性に匹敵するものとする対策は、全く、手付かずであるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、一般古紙のパルプスラリーを用いても、安定した成型性が確保でき、また、発泡スチロール材料に匹敵する耐落下衝撃性(低G値)を有するパルプモールド包装材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み一般古紙のパルプスラリーを用いても、安定した成型性が確保され、さらに、発泡スチロール材料に匹敵する耐落下衝撃性(低G値)を有する、パルプモールド包装材料を得る方法を鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、成型性向上については、長繊維主体の最終スクリーン、リジェクトパルプスラリーを使用することにより、解決出来ることを見いだした。一方、G値低減については、製紙業界で用いられている、軽質炭酸カルシウム(以下「軽カル」と呼ぶ)内添による、一般紙のしなやかさ調整の技術が、パルプモールド製造にも適用できるか、どうかについて研究を進めていた過程で、従来より使用してきた、パルプモールド製造用パルプスラリーでは、微細繊維(150メッシュパス相当)が多く、スラリー中に灰分が、対絶乾パルプ当り7〜8重量%以上存在すると、パルプモールドの成型性が著しく悪化し、パルプモールド成型は不可能であったが、上述の長繊維主体のパルプスラリーでは、軽カルを相当量内添した場合でも、パルプモールド成型性に影響しないことを見出した。この結果に基づき軽カル内添が、どの程度パルプモールド包装材料のG値低減に寄与するかにつき鋭意実験研究を進め、発泡スチロール材のG値を下廻るG値を有する耐落下衝撃性パルプモールドを完成するに至った。
【0008】
本発明は、新聞用紙、チラシ、上質コート紙等の一般古紙を、機械的離解機により、再生パルプスラリー化したパルプ溶液を、粗選スクリーンで金物、石等の重量異物、又、プラスチック、ビニール等の軽量異物除去の後、マルチステージ(3〜4ステージ)精選スクリーンにより、スクリーニング処理した最終段スクリーン、リジェクトパルプスラリーであって、JIS P8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が、24メッシュオン55〜65%、及び150メッシュパス13%以下の長繊維主体のパルプスラリーを用いて成型されることを特徴とするパルプモールドである。
【0009】
また本発明は、新聞古紙単独に限らず、その他、チラシ古紙、上質コート古紙等を機械的解纎を行う離解装置により、スラリー状に溶解したパルプ溶液を、粗選スクリーン装置を用いて、金物、石等の重量異物、又、プラスチック、ビニール等の軽量異物を除去した後、マルチステージ(3〜4ステージ)精選スクリーン設備により、スクリーニングした、最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーに、遠心沈降式粒度分布測定方式による平均粒度が2.0〜4.0μmの軽カルを、対絶乾パルプ当り15〜25重量%添加し、湿式吸引成型法により成型後、熱風及び遠赤外線乾燥して製造する、軽カルを内添したパルプモールドである。
【0010】
長繊維主体のパルプスラリーを得る為のスクリーン設備は、4ステージのスクリーニング設備が好ましいが、3ステージの場合でも、大きな差はない。スクリーンはスロット型式のバケットを有するものが特に好適である。又、スロット幅については、0.3mmが好適に用いられる。
【0011】
軽カルは、ゴム用充填剤、プラスチック用充填剤としても使用されるが、製紙用としては、白色度向上用、不透明度改善用、或いは、その弱アルカリ性を利用して、中性紙抄造用として大量に使用されている填料の一種である。形状として、カルサイト(長柱状、薄卓状、紡錘状、立方体等)、アラゴナイト(針状、長柱状等)、パテライト(球状、米粒状等)の各種形状があるが、本発明の目的の為には、特に形状は拘らない。
【0012】
但し、ワンパスリテンションに関し抄紙機ワイヤー上での脱水に比較すれば、はるかに、穏やかなパルプモールド成型機に於ける吸引脱水であり、又、パルプモールド自身の厚みも、紙に比較して大きいとはいえ、長繊維主体のパルプスラリーへの、添加である為、使用する軽カルの平均粒径については、2.0〜4.0μmの軽カルを使用し、ワンパスリテンションを高く維持することが好ましい。
【0013】
軽カルを添加することによるG値低減効果は、紙の場合と同様であり軽カルが繊維間結合を阻害することによる。パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散が十分でない場合は、軽カルの平均粒径2.0〜4.0μmの範囲内であっても緩衝性の不均一、或いは部分的な著しい強度低下をもたらす結果となる為、パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散攪拌は十分に行うことが肝要である。
【0014】
ワンパスリテンションを重視するあまり、平均粒径4.0μmを上廻る軽カルを使用する場合は、パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散攪拌が十分であっても、パルプモールド成型体中に於ける軽カルの均一分散が困難であり、緩衝性の不均一、或いは部分的な著しい強度低下をもたらす結果を招き易い為、好適とは言えない。
【0015】
軽カルは弱アルカリ性であり、酸性パルプスラリー中では、他の添加剤、又は溶剤などが存在する場合、他粒子との反応による凝集、又軽カル自身の分解により生ずるCO2ガスの発泡現象が生じる。この為、サイズ剤の定着剤として、硫酸バンドを添加する際には、中性或いは弱アルカリ性になる程度の添加に抑えることが望ましい。又、軽カルには粉状のものとスラリー状のものがあるが、本発明にはスラリー状のものが、添加、攪拌分散を確実且つ十分なものにすることができる為、好適である。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を、より具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに、限定されるものではない。尚、実施例及び比較例に於いて、%とあるのは、特記の無い限り、全て重量%を示す。
【0017】
テスト用パルプモールド成型体は、新聞古紙55%、チラシ(上質系、塗工紙等)古紙45%からなる離解パルプスラリー(未脱墨、未晒)を粗選スクリーニング処理後、4ステージのスクリーニング処理を施し、その最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーをパルプ濃度1%、pH7.2に調節したものを原料として用い、湿式吸引成型法により成型後、熱風及び遠赤外線による、乾燥処理を施したものであって、具体的には国内有名電気機器メーカー製のビデオデッキ(重量、約5kg)を包装するもので、包装後の外形概略寸法は、幅250mm、奥行き400mm、高さ150mmである。この形状と落下試験個所については図1に示す。
【0018】
以下に、落下試験に用いた試験機について述べる
名称:包装貨物落下試験機
型式:DT−50型(吉田精機(株)製)
適合規格:JIS Z0200−94
JIS Z0202−94
ISO 2248−72(E),IV
【0019】
テスト用パルプモールド製造中に、約1時間の間隔をおいて、最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーのサンプルを、計5回採取し、pH測定及び、篩分け試験を行った。結果を表1に示す。
【表1】
【0020】
テスト用パルプモールド製造の際、内添した軽カルは自家製(オンサイト)の軽カルスラリーを使用した。石灰乳[Ca(OH)2]スラリーに、キルンガス[CO2]を吹き込んで軽質炭酸カルシウム[CaCO3]とし、反応槽内で軽カルスラリーとしたものである。軽カル平均粒径は、遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所製、型式CP4L)により測定したものである。
【0021】
テスト用パルプモールド製造に先立ち、平均粒径1.0μm、2.0μm、3.0μm、3.5μm、4.5μmの軽カルスラリーを、容器へ取り置き、順次テストに使用した。落下衝撃試験の落下高さ条件は、ユーザー指定の60cm及び96cmの2種類とし、落下個所についても同様にユーザー指定に従った。又、ユーザーが、従来より使用している発泡スチロール製の包装材料を入手し、比較例のひとつとして落下衝撃試験を行った。
【0022】
実施例1〜3及び、比較例1〜3
表1に示す、長繊維主体のパルプスラリーに平均粒径3.0μmの軽カルを表2に示す添加率で内添し、これを湿式吸引成型法で成型して、パルプモールド成型体を製造した。得られた、各々の成型体及び別途入手した発泡スチロール材について、包装貨物落下試験機による、落下高さ60cmの、G値測定試験を実施した。この結果を表2に示す。
【表2】
【0023】
平均粒径3.0μmの軽カルを使用した理由は、たまたま自製軽カルの平均粒径が、3.0μmであるケースが多く、テストの順番が最初になった為であり、結果論にはなるが、後述する平均粒径毎の試験結果(表4)に於いて、最も好適な平均粒径を選んだ結果になっている。G値測定試験の結果は、軽カル添加率を増加させるにつれ、G値が低下することが明らかである。しかし、30%添加の成型体は落下試験で、割れが生じた為25%添加程度が、限界であることが分かる。軽カル10%添加では、発泡スチロールのG値と大差ないが、15〜25%軽カル添加の成型体のG値は、発泡スチロールに比較して、著しい低下を示しており、ユーザーの評価も高い。
【0024】
実施例4〜6及び比較例4〜6
落下高さをユーザー指定の96cmとし、又、落下個所を仝10個所とした以外は、実施例1〜3、比較例1〜3のテスト品製造条件と同じ条件のパルプモールド成型体を使用して、落下衝撃G値測定試験を実施した。その結果を表3に示す。この結果は、前述の実施例1〜3と殆ど変わらず、軽カル添加率を増加するにつれ、パルプモールドG値は低下する。又、この試験に於いても、発泡スチロールに比較して、軽カル添加率15〜25%のテスト品は、G値が低いが、10%及び30%添加品は発泡スチロールと同様、割れ発生が見られる。
【0025】
【表3】
【0026】
実施例7〜8及び比較例7〜8
軽カルの平均粒径1.0μm〜4.5μmの間で、4種類選び、これについて表1に示す、長繊維主体のパルプスラリーを用い、軽カル添加率を実施例1〜6に於ける実績から、15%及び25%として、湿式吸引成型法により、テスト用パルプモールド成型体を製造し、包装貨物落下試験機による、落下高さ60cmの、G値測定試験を実施した。軽カル平均粒径は、ワンパスリテンションは勿論であるが、成型体内部に於ける軽カル粒子の分散均一度、或いは成型性に関係してくる。
【0027】
各テスト用パルプモールドの成型性と、G値測定試験結果及び、落下試験後のパルプモールド成型体外観について、表4に示す。
【表4】
【0028】
軽カル添加率15%の場合に比較し、25%添加の場合の方が、G値が低いことについては、実施例1〜3と同じであるが、落下後外観に関して、平均粒径1.0μm及び、4.5μmで、25%添加率品の場合は割れが発生した。これらの結果から、軽カル平均粒径2.0或いは、4.0μm近くのものについては、添加率を15%程度に控え目にすることが望ましく、G値低減効果も十分得られる。尚、平均粒径1.0μmの場合は添加率15%及び、25%何れの場合も成型性の面で問題を生じることが分かる。
【0029】
実施例9及び比較例9
表1の繊維長分布を示すパルプスラリーに軽カルを添加しなかった他は、実施例1と同様にして実施例9のパルプモールド成形体を製造した。表5に示すパルプの繊維長分布を示すパルプスラリーを用いた他は実施例1と同様にして比較例9のパルプモールド成形体を製造した。表5のパルプスラリーは150メッシュパスが多く、微細繊維に加えて古紙からくる灰分が8.8重量%含まれており、かかるパルプスラリーに軽カルを添加して灰分を更に増やすとパルプモールド成型は不可能である。これらを実施例4と同様な方法で測定試験を行い、その結果を表6に示した。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】
本発明は、パルプモールド成型体に、地球環境上の利点のみではなく、従来から使用されてきた、発泡スチロール製包装材料を上まわる、耐落下衝撃性の利点を付与せしめた画期的なものであり、又、古紙パルプスラリーの中でも、これまで、用途のなかったスクリーンリジェクトパルプを用い、更にコストの安価な軽カルを内添剤として使用するなど、今後のパルプモールド材料の普及に大きく、貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】落下試験の落下個所の一部を示す概念図である。
【符号の説明】
1 角
2 稜−1
3 稜−2
4 稜−3
5 前面
6 天面
【発明の属する技術分野】
本発明は、包装材料として使用される、パルプモールド材料に関する。更に詳しく述べるならば、パルプモールドの成型性改善及び、耐落下衝撃性向上(G値低減)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、各種緩衝材及び包装材として、発泡スチロール又は、塩化ビニール等の合成樹脂製品が軽量、低価格で成型性がよく、緩衝能力及び強度が優れている為、各分野で広く使用されている。しかし、これら合成樹脂製品は使用後の処理に際して、焼却処理では高熱を発して、炉を傷めたり、一部は有害ガスを発生するとされ、又、埋立て処理では嵩ばる上に、分解しないという問題があり、近年、新聞紙、ダンボール等の古紙を原料としたパルプモールド製品が急速に普及し始めた。
【0003】
パルプモールド製品は、地球環境上の面からも、今後更に普及すべき材料であるが、成型性(特に成型直後の型崩れ、或いは乾燥後の反り、原料溜り等)の点で、使用可能な古紙原料がかなり限定され、成型トラブルの少ない新聞古紙のみを使用する例が多い。又、耐落下衝撃性改善も各方面から、強く望まれているが、未だ発泡スチロール製包装材料の落下衝撃加速度(以下G値と呼ぶ)には及ばないのが現状であり、パルプモールド包装材料が今後、更に普及する為には、この問題を解決する事が急務である。
【0004】
G値低減対策としては、樹脂エマルジョン若しくは、親水性高分子等の発泡剤を内添し成型後、加熱して、発泡させることにより、緩衝性を向上させる提案(特開平5−51474号公報)があるが、この方法は、あくまで一般的な緩衝性向上を目的としたものであり、G値低減に関する記述はない。同様に内部に発泡体を有する提案(特開平5−77250号公報)もあるが、これは強度と緩衝性を両立させる提案であり、この提案に於いても、G値低減に関する記述はない。この他にも発泡体を使用する提案があるが、何れについてもG値低減には触れていない。以上、述べたようにパルプモールド材料の耐落下衝撃性を発泡スチロール材料の耐落下衝撃性に匹敵するものとする対策は、全く、手付かずであるのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、一般古紙のパルプスラリーを用いても、安定した成型性が確保でき、また、発泡スチロール材料に匹敵する耐落下衝撃性(低G値)を有するパルプモールド包装材料を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる現状に鑑み一般古紙のパルプスラリーを用いても、安定した成型性が確保され、さらに、発泡スチロール材料に匹敵する耐落下衝撃性(低G値)を有する、パルプモールド包装材料を得る方法を鋭意検討し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、成型性向上については、長繊維主体の最終スクリーン、リジェクトパルプスラリーを使用することにより、解決出来ることを見いだした。一方、G値低減については、製紙業界で用いられている、軽質炭酸カルシウム(以下「軽カル」と呼ぶ)内添による、一般紙のしなやかさ調整の技術が、パルプモールド製造にも適用できるか、どうかについて研究を進めていた過程で、従来より使用してきた、パルプモールド製造用パルプスラリーでは、微細繊維(150メッシュパス相当)が多く、スラリー中に灰分が、対絶乾パルプ当り7〜8重量%以上存在すると、パルプモールドの成型性が著しく悪化し、パルプモールド成型は不可能であったが、上述の長繊維主体のパルプスラリーでは、軽カルを相当量内添した場合でも、パルプモールド成型性に影響しないことを見出した。この結果に基づき軽カル内添が、どの程度パルプモールド包装材料のG値低減に寄与するかにつき鋭意実験研究を進め、発泡スチロール材のG値を下廻るG値を有する耐落下衝撃性パルプモールドを完成するに至った。
【0008】
本発明は、新聞用紙、チラシ、上質コート紙等の一般古紙を、機械的離解機により、再生パルプスラリー化したパルプ溶液を、粗選スクリーンで金物、石等の重量異物、又、プラスチック、ビニール等の軽量異物除去の後、マルチステージ(3〜4ステージ)精選スクリーンにより、スクリーニング処理した最終段スクリーン、リジェクトパルプスラリーであって、JIS P8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が、24メッシュオン55〜65%、及び150メッシュパス13%以下の長繊維主体のパルプスラリーを用いて成型されることを特徴とするパルプモールドである。
【0009】
また本発明は、新聞古紙単独に限らず、その他、チラシ古紙、上質コート古紙等を機械的解纎を行う離解装置により、スラリー状に溶解したパルプ溶液を、粗選スクリーン装置を用いて、金物、石等の重量異物、又、プラスチック、ビニール等の軽量異物を除去した後、マルチステージ(3〜4ステージ)精選スクリーン設備により、スクリーニングした、最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーに、遠心沈降式粒度分布測定方式による平均粒度が2.0〜4.0μmの軽カルを、対絶乾パルプ当り15〜25重量%添加し、湿式吸引成型法により成型後、熱風及び遠赤外線乾燥して製造する、軽カルを内添したパルプモールドである。
【0010】
長繊維主体のパルプスラリーを得る為のスクリーン設備は、4ステージのスクリーニング設備が好ましいが、3ステージの場合でも、大きな差はない。スクリーンはスロット型式のバケットを有するものが特に好適である。又、スロット幅については、0.3mmが好適に用いられる。
【0011】
軽カルは、ゴム用充填剤、プラスチック用充填剤としても使用されるが、製紙用としては、白色度向上用、不透明度改善用、或いは、その弱アルカリ性を利用して、中性紙抄造用として大量に使用されている填料の一種である。形状として、カルサイト(長柱状、薄卓状、紡錘状、立方体等)、アラゴナイト(針状、長柱状等)、パテライト(球状、米粒状等)の各種形状があるが、本発明の目的の為には、特に形状は拘らない。
【0012】
但し、ワンパスリテンションに関し抄紙機ワイヤー上での脱水に比較すれば、はるかに、穏やかなパルプモールド成型機に於ける吸引脱水であり、又、パルプモールド自身の厚みも、紙に比較して大きいとはいえ、長繊維主体のパルプスラリーへの、添加である為、使用する軽カルの平均粒径については、2.0〜4.0μmの軽カルを使用し、ワンパスリテンションを高く維持することが好ましい。
【0013】
軽カルを添加することによるG値低減効果は、紙の場合と同様であり軽カルが繊維間結合を阻害することによる。パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散が十分でない場合は、軽カルの平均粒径2.0〜4.0μmの範囲内であっても緩衝性の不均一、或いは部分的な著しい強度低下をもたらす結果となる為、パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散攪拌は十分に行うことが肝要である。
【0014】
ワンパスリテンションを重視するあまり、平均粒径4.0μmを上廻る軽カルを使用する場合は、パルプスラリー中に於ける、軽カルの分散攪拌が十分であっても、パルプモールド成型体中に於ける軽カルの均一分散が困難であり、緩衝性の不均一、或いは部分的な著しい強度低下をもたらす結果を招き易い為、好適とは言えない。
【0015】
軽カルは弱アルカリ性であり、酸性パルプスラリー中では、他の添加剤、又は溶剤などが存在する場合、他粒子との反応による凝集、又軽カル自身の分解により生ずるCO2ガスの発泡現象が生じる。この為、サイズ剤の定着剤として、硫酸バンドを添加する際には、中性或いは弱アルカリ性になる程度の添加に抑えることが望ましい。又、軽カルには粉状のものとスラリー状のものがあるが、本発明にはスラリー状のものが、添加、攪拌分散を確実且つ十分なものにすることができる為、好適である。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明を、より具体的に説明するが、勿論、本発明はこれらに、限定されるものではない。尚、実施例及び比較例に於いて、%とあるのは、特記の無い限り、全て重量%を示す。
【0017】
テスト用パルプモールド成型体は、新聞古紙55%、チラシ(上質系、塗工紙等)古紙45%からなる離解パルプスラリー(未脱墨、未晒)を粗選スクリーニング処理後、4ステージのスクリーニング処理を施し、その最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーをパルプ濃度1%、pH7.2に調節したものを原料として用い、湿式吸引成型法により成型後、熱風及び遠赤外線による、乾燥処理を施したものであって、具体的には国内有名電気機器メーカー製のビデオデッキ(重量、約5kg)を包装するもので、包装後の外形概略寸法は、幅250mm、奥行き400mm、高さ150mmである。この形状と落下試験個所については図1に示す。
【0018】
以下に、落下試験に用いた試験機について述べる
名称:包装貨物落下試験機
型式:DT−50型(吉田精機(株)製)
適合規格:JIS Z0200−94
JIS Z0202−94
ISO 2248−72(E),IV
【0019】
テスト用パルプモールド製造中に、約1時間の間隔をおいて、最終段スクリーンリジェクトパルプスラリーのサンプルを、計5回採取し、pH測定及び、篩分け試験を行った。結果を表1に示す。
【表1】
【0020】
テスト用パルプモールド製造の際、内添した軽カルは自家製(オンサイト)の軽カルスラリーを使用した。石灰乳[Ca(OH)2]スラリーに、キルンガス[CO2]を吹き込んで軽質炭酸カルシウム[CaCO3]とし、反応槽内で軽カルスラリーとしたものである。軽カル平均粒径は、遠心沈降式粒度分布測定装置(島津製作所製、型式CP4L)により測定したものである。
【0021】
テスト用パルプモールド製造に先立ち、平均粒径1.0μm、2.0μm、3.0μm、3.5μm、4.5μmの軽カルスラリーを、容器へ取り置き、順次テストに使用した。落下衝撃試験の落下高さ条件は、ユーザー指定の60cm及び96cmの2種類とし、落下個所についても同様にユーザー指定に従った。又、ユーザーが、従来より使用している発泡スチロール製の包装材料を入手し、比較例のひとつとして落下衝撃試験を行った。
【0022】
実施例1〜3及び、比較例1〜3
表1に示す、長繊維主体のパルプスラリーに平均粒径3.0μmの軽カルを表2に示す添加率で内添し、これを湿式吸引成型法で成型して、パルプモールド成型体を製造した。得られた、各々の成型体及び別途入手した発泡スチロール材について、包装貨物落下試験機による、落下高さ60cmの、G値測定試験を実施した。この結果を表2に示す。
【表2】
【0023】
平均粒径3.0μmの軽カルを使用した理由は、たまたま自製軽カルの平均粒径が、3.0μmであるケースが多く、テストの順番が最初になった為であり、結果論にはなるが、後述する平均粒径毎の試験結果(表4)に於いて、最も好適な平均粒径を選んだ結果になっている。G値測定試験の結果は、軽カル添加率を増加させるにつれ、G値が低下することが明らかである。しかし、30%添加の成型体は落下試験で、割れが生じた為25%添加程度が、限界であることが分かる。軽カル10%添加では、発泡スチロールのG値と大差ないが、15〜25%軽カル添加の成型体のG値は、発泡スチロールに比較して、著しい低下を示しており、ユーザーの評価も高い。
【0024】
実施例4〜6及び比較例4〜6
落下高さをユーザー指定の96cmとし、又、落下個所を仝10個所とした以外は、実施例1〜3、比較例1〜3のテスト品製造条件と同じ条件のパルプモールド成型体を使用して、落下衝撃G値測定試験を実施した。その結果を表3に示す。この結果は、前述の実施例1〜3と殆ど変わらず、軽カル添加率を増加するにつれ、パルプモールドG値は低下する。又、この試験に於いても、発泡スチロールに比較して、軽カル添加率15〜25%のテスト品は、G値が低いが、10%及び30%添加品は発泡スチロールと同様、割れ発生が見られる。
【0025】
【表3】
【0026】
実施例7〜8及び比較例7〜8
軽カルの平均粒径1.0μm〜4.5μmの間で、4種類選び、これについて表1に示す、長繊維主体のパルプスラリーを用い、軽カル添加率を実施例1〜6に於ける実績から、15%及び25%として、湿式吸引成型法により、テスト用パルプモールド成型体を製造し、包装貨物落下試験機による、落下高さ60cmの、G値測定試験を実施した。軽カル平均粒径は、ワンパスリテンションは勿論であるが、成型体内部に於ける軽カル粒子の分散均一度、或いは成型性に関係してくる。
【0027】
各テスト用パルプモールドの成型性と、G値測定試験結果及び、落下試験後のパルプモールド成型体外観について、表4に示す。
【表4】
【0028】
軽カル添加率15%の場合に比較し、25%添加の場合の方が、G値が低いことについては、実施例1〜3と同じであるが、落下後外観に関して、平均粒径1.0μm及び、4.5μmで、25%添加率品の場合は割れが発生した。これらの結果から、軽カル平均粒径2.0或いは、4.0μm近くのものについては、添加率を15%程度に控え目にすることが望ましく、G値低減効果も十分得られる。尚、平均粒径1.0μmの場合は添加率15%及び、25%何れの場合も成型性の面で問題を生じることが分かる。
【0029】
実施例9及び比較例9
表1の繊維長分布を示すパルプスラリーに軽カルを添加しなかった他は、実施例1と同様にして実施例9のパルプモールド成形体を製造した。表5に示すパルプの繊維長分布を示すパルプスラリーを用いた他は実施例1と同様にして比較例9のパルプモールド成形体を製造した。表5のパルプスラリーは150メッシュパスが多く、微細繊維に加えて古紙からくる灰分が8.8重量%含まれており、かかるパルプスラリーに軽カルを添加して灰分を更に増やすとパルプモールド成型は不可能である。これらを実施例4と同様な方法で測定試験を行い、その結果を表6に示した。
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【発明の効果】
本発明は、パルプモールド成型体に、地球環境上の利点のみではなく、従来から使用されてきた、発泡スチロール製包装材料を上まわる、耐落下衝撃性の利点を付与せしめた画期的なものであり、又、古紙パルプスラリーの中でも、これまで、用途のなかったスクリーンリジェクトパルプを用い、更にコストの安価な軽カルを内添剤として使用するなど、今後のパルプモールド材料の普及に大きく、貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】落下試験の落下個所の一部を示す概念図である。
【符号の説明】
1 角
2 稜−1
3 稜−2
4 稜−3
5 前面
6 天面
Claims (2)
- 一般古紙を、機械的離解機により、再生パルプスラリー化したパルプ溶液を、粗選スクリーンで金物、石等の重量異物、又、プラスチック、ビニール等の軽量異物除去の後、精選スクリーンにより、スクリーニング処理した最終段スクリーンのリジェクトパルプスラリーであって、JIS P8207に規定する篩分け試験によるパルプ繊維長分布が、24メッシュオン55〜65%、及び150メッシュパス13%以下の長繊維主体のパルプスラリーを用いて成型されることを特徴とするパルプモールド。
- 前記パルプスラリー中に、遠心沈降式粒度分布測定方式による平均粒度が2.0〜4.0μmの軽質炭酸カルシウムを、対絶乾パルプ当り、15〜25重量%内添して成型される請求項1記載のパルプモールド。
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