JP3704321B2 - 船舶用植物栽培装置及びその使用方法 - Google Patents

船舶用植物栽培装置及びその使用方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、船舶における植物栽培装置及びその使用方法に関し、特に、移動する船舶内において、船舶の揺れなどに対しも耐振性を有して水耕栽培用の養液が漏れることがなく、また、小さな限られた空間内で、人工光を用いて必要量の植物を短期間に栽培又は生産し、連続的に収穫できるようにした船舶における植物栽培装置及びその使用方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、人工光源を用いた植物栽培装置として、例えば、特開2000−176255号公報に開示されたものがある。これは、地上の固定された建家内に設置され、図14に示すように構成されている。
図14において、1は複数の栽培棚からなる定置式の植物栽培装置で、複数の枠材7,8にて複数段の栽培棚を構成し、各栽培棚には栽培ベッド3、照明ユニット4、栽培パネル5、人工光源、例えば、蛍光管6を配設し、また各栽培棚の天井には反射板からなる天井反射板9を配設し、人工光にて植物が生育されるように栽培室10が構成されている。
そして、この定置式の植物栽培装置1では、植物は水耕液(養液)が栽培ベッド3の上部近傍まで満たされ、水耕液の上に浮かぶように、例えば、白色の発泡スチロールの栽培パネル5を配設し、この栽培パネル5に一定数が定植され、水耕栽培されるようになっている。
このように構成することにより、照明ユニット4と棚板との間隔を小さくでき、かつ照明ユニット4には高光反射材からなる反射板又は高光反射剤を塗布した反射板9を取り付けることにより、反射板を蛍光管に近接でき、光の反射を高めることができるとともに、栽培棚数を増加できる利点がある。
また、近年、長期に陸上と隔離された環境、例えば、遠洋漁船、タンカー、貨物船、客船等の船舶において、船員の健康を維持・促進するために、新鮮野菜の安定供給が必要になってきているが、これらの新鮮野菜は長期保存ができないという問題がある。
そこで、従来の人工光源を用いた定置式の植物栽培装置を船舶で採用することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来の定置式の植物栽培装置においては、栽培ベッドは固定された装置内に設置されて使用するように構成されているため、これをそのまま船舶内にて使用すると、船舶の揺れ等により栽培ベッドに満たされた水耕液(養液)が栽培ベッドより漏出したり、或いは船舶の揺れ等により栽培ベッドが破損するという問題がある。
また、船舶で使用できるスペースには厳しい制約があり、船舶内の小さい空間内で短期間に、しかも必要量の植物を連続して収穫することができないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来の植物栽培装置の有する問題点に鑑み、船舶の揺れなどに対しも耐振性を有し、船舶が揺れても栽培ベッドに供給される水耕液(養液)の漏れがなく、小さい空間で、かつ必要量の植物を短期間に栽培、連続して収穫できるようにした船舶における植物栽培装置及びその使用方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の植物栽培装置は、多段に分割された栽培空間を有する栽培棚と、栽培空間に設けられた栽培べッドと、植物を定植した担体を設置するための複数の小孔を設けた高光反射性の栽培パネルと、前記複数の小孔に栓をするように配設した担体と、栽培空間の周囲を覆う高光反射性の反射板と、人工光源と、栽培ベッドに養液を供給する養液供給手段と、温度・湿度を調節する空調装置と、船舶の揺れ状態を検出する検出手段と、検出した揺れ状態に応じて養液の供給又は停止を判断して養液の供給を制御する制御手段とからなることを特徴とする。
【0006】
この船舶用植物栽培装置は、栽培ベッドが密閉構造となり、かつ栽培ベッド内に滞留する養液がなく、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを防止することができ、また、栽培空間の周囲を高光反射性の反射板によって覆うようにしているので、植物の栽培を効率よく行うことができる。
そして、特に、船舶の揺れ状態を検出する検出手段と、検出した揺れ状態に応じて養液の供給又は停止を判断して養液の供給を制御する制御手段とを備えることにより、長期の船体の大きな揺れに対して養液の供給手段を停止することができ、養液の漏出を未然に防止することができる。
【0007】
この場合において、栽培ベッド内の養液を貯留する空隙を少なくする手段を備えることができる。
【0008】
これにより、栽培ベッド内の養液を供給している場合においても、栽培ベッド内に滞留する養液が少なくなり、設備の維持が容易になるとともに、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを容易に防止することができる。
【0009】
また、栽培ベッドの周囲を船舶の揺れによる衝撃を吸収する器材で覆うことができる。
【0010】
これにより、船舶の揺れなどによる栽培ベッドへの応力を緩和でき、栽培ベッドの破損を防止することができる。
【0011】
また、天井面反射板の光反射率を他の周囲の反射板の光反射率よりも高く設定することができる。
【0012】
これにより、栽培空間の光利用効率を著しく高めることができ、栽培に必要なランプの本数を低減でき、栽培装置の幅を小さくできるとともに、空調負荷を低減することができる。
【0013】
また、上記の船舶用植物栽培装置の使用方法として、栽培ベッド内に養液を間欠的に供給して植物を栽培することができる。
【0014】
これにより、栽培ベッド内に滞留する養液がなく、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを確実に防止することができる。
【0015】
また、多段に分割された栽培空間に設けた栽培ベッドに、順次、一定の日数毎に植物の種子を播種した担体を栽培ベッド上面の複数の小孔に設置し、所定の日数に達した栽培ベッドの植物を収穫する操作と、該収穫が終了した栽培ベッドの小孔に新たに植物の種子を播種した担体を設置する操作とを繰り返し、所定の日数に達した植物を一定の日数毎に収穫するようにすることができる。
【0016】
これにより、一定の日数毎に植物を連続して収穫することができる。
【0017】
また、多段に分割された栽培空間に設けた栽培ベッドの上面に設けた小孔間の間隔をそれぞれ異なるものとし、小孔間の間隔が短い栽培ベッドに一定の日数毎に、植物の種子を播種した担体を順次設置して栽培ベッドの小孔を満たした後、成育度合が進んだ植物を定植した担体を、小孔間の間隔が次に長い栽培ベッドに一定の日数毎に順次移植するとともに、移植後の栽培ベッドの小孔には新たに植物の種子を播種した担体を設置するという操作を繰り返し、多段に設けた栽培ベッドの小孔を満たしたのち、所定の日数に達した植物を一定の日数毎に収穫することができる。
【0018】
これにより、植物が小さい場合は栽培ベッドの小孔間の間隔を短くし、植物が大きくなると栽培ベッドの小孔間の間隔を長くすることにより、限られた栽培空間において、多くの植物を収穫することができる。
【0019】
また、陸上に設けた植物栽培装置により育成した植物を定植した担体を船舶に搬入することができる。
【0020】
これにより、出航後、短期間に植物を収穫でき、短期航海の船舶にも適用することができる。
【0021】
また、成育日数が異なる植物を定植した担体を船舶に搬入することができる。
【0022】
これにより、一定期間安定して植物を収穫できる。
【0023】
また、植物を定植した担体を、担体を設置した栽培パネル又は栽培ベッドごと船舶に搬入することができる。
【0024】
これにより、植物を定植した担体の船舶への搬入を、短時間で効率よく行うことができる。
【0025】
また、陸上に設けた植物栽培装置に人工光源を用いた養液栽培による植物栽培装置を用いることができる。
【0026】
これにより、陸上に設けた植物栽培装置で予め成育した植物を船舶用植物栽培装置の栽培ベッドに移植しても、成育環境が同一であるので、移植に伴う植物成長の停止又は遅滞がなく、また、人工光源を用いた植物栽培装置は立地条件を問わないので、船舶が停船する港の近くに設置することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の船舶における植物栽培装置及びその使用方法の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
図1〜図13に、本発明の船舶における植物栽培装置及びその使用方法を適用した実施例を示す。
図において20は、移動するとともに揺れ、時には大きく揺れる船舶等の内部に設置するのに適した船舶用の植物栽培装置で、この船舶用の植物栽培装置20は、上下方向に多段の栽培棚となるよう、例えば、図示の実施例では3段の栽培空間34,34,34に仕切られ、又は分割されるとともに、この各段の栽培棚となる栽培空間34は、背面に背面反射板39,側面には側面反射板38,38及び格段の栽培棚となるよう敷き板26,26,26を配設し、かつ最上段の栽培棚の天井には天井反射板37を配設し、これにより、各段の栽培空間34,34,34は前面のみ開口されたほぼ閉塞された空間となるように形成され、この前面位置に開閉可能に開閉扉36を配設し、さらに各段の栽培空間34内には、植物の栽培に必要な設備装置が備えられ、また最下段の空間内には水耕栽培に適した養液タンク29及び該タンク29より格段の栽培空間34内に設置された栽培ベッド21へ養液を供給するためのポンプ30及び配管設備、空調装置33を設置して構成する。
【0029】
また、栽培空間34内には、開閉扉を閉じた場合にも、光合成に必要な空気を供給できるようにファン32を設置する。このファン32は、特に限定されるものではないが、例えば、側面反射板38に取り付け、船舶用の植物栽培装置20の内側に沿って形成される空気通路35より駆動されるファン32にて栽培空間34内に空気を強制的に供給するようにする。
なお、この場合、空気の循環をよりよくするため、栽培空間34の両側の側面反射板38,38にファン32を取り付けることもできる。この場合、左右両ファン32,32は同じ吸気用として使用することも、或いは一方を吸気用、他方を排気用として使用することができる。
さらに、植物の栽培において、植物の種別により最適栽培温度となるように栽培空間34内の温度及び湿度調節を行えるよう、下段に配設した空調装置33を駆動し、温湿調節した空気を空気通路35から、ファン32にて栽培空間34内に取り入れるようにすることができる。
その他、船舶用の植物栽培装置20には、図9に示すように、制御ボックス60と、船舶の揺れを検出するセンサー61を栽培空間34の敷き板26に配設し、またこの制御ボックス60には各種のコントローラ、例えば、揺れを検出するセンサー61にて揺れを検出したとき、ポンプ30の停止又は稼働を制御するコントローラ62と、ポンプ30の稼働・停止又は稼働時間を制御するコントローラ63と、空調装置33を制御するコントローラ64と、人工光源31の点灯本数又は点灯時間等を制御する照明コントローラ65等を備える。
これにより、センサー61により船舶の震度及びその継続時間などを検出し、コントローラ62によりこれらの検出結果を判断して養液を供給すると漏水の恐れがあると判断した場合は、ポンプ30を停止するように制御する。このように、船舶の震度を検出するセンサー61とその結果を判断してポンプ30を停止するコントローラ62を設けることにより、船体が長時間、大きく揺れた場合には養液の供給を停止し、養液の漏出を防止することができる。
【0030】
敷き板26は、栽培ベッド21を載置する段棚ともなるとともに下面側には、高光反射材又は高光反射材を塗布(例えば、白色塗装)した反射板となるように形成し、これに必要に応じて植物栽培に適した蛍光灯などの人工光源31を取り付けられるようにする。
なお、この高光反射材又は高光反射材を塗布(例えば、白色塗装)は、敷き板26だけでなく、側面反射板38、背面反射板39さらには必要に応じて開閉扉36の内面側にも施すようにする。これにより、各段の栽培空間34内は、人工光源31より照射される光線を側面及び天井面より反射され、効率的に栽培植物に照射されるようにする。
【0031】
また、各段の栽培空間34内に配設される植物の栽培に必要な設備装置としては、敷き板26の上に配設される栽培ベッド21には、その一端側に植物を成育させる養液を供給するための養液供給口24と、他端側に養液排出口25を配設し、養液供給口24にはポンプ30を介して養液タンク29へ接続されるように養液供給管24Pを、また養液排出口25には、前記養液タンク29へ接続されるように養液返還用配管25Pを接続する。
この養液循環の配管方法は、特に限定されるものではないが、その一例を図11,図12に示す。
【0032】
栽培ベッド21には、植物を成育させるための高光反射材からなる栽培パネル22を、図2,3及び図6から図8に示すように配設するが、この何れの方法であっても、この栽培ベッド21内に栽培パネル22の一部或いは側面及び底面を嵌合するようにして組み合わせて係着し、かつ栽培パネル22を嵌合係着した際、栽培ベッド21が揺れたときにも、栽培ベッド21との隙間から養液が漏洩しないよう密に嵌合するようにする。
図2に示す実施例は、側壁21aにて囲まれた薄い函型の栽培ベッド21内に栽培パネル22を密に嵌合した構成である。この栽培パネル22には、植物を定植するための複数の小孔28を形成し、各小孔28内に植物を定植する担体23を嵌合するようにして配設する。
この担体23は、植物の根が発達し易いように、弾力性があり、親水性材料より含水性を高めた材質、例えば、ウレタンやスポンジなどを採用することができ、またこの担体23を小孔28内に嵌合する際、担体23と小孔28との隙間から養液が漏洩しないように担体23によって小孔28に栓をするように密に嵌合するものとする。
なお、植物27は、この担体23に植物の種子を播種するか、苗を植えて栽培するようにする。
また、この担体23は、図5に示すように、担体23の中心部又は内部にウレタンやスポンジよりも含水性が高い材料43(例えば、綿や高含水性高分子材等)を挿入し、ここに種子を播種することにより、種子の発芽や根の発達を促進することができる。この際、含水性が高い材料43を担体23よりも長くすれば、栽培ベッド21の養液を吸引し易くなり、種子発芽や根の発達をさらに促進することができる。
【0033】
また、栽培ベッド21の異なる実施例として図3に示す。該図における栽培ベッド21は、内部に栽培パネル22を嵌合した際、栽培ベッド21の内底面の一部、例えば、栽培パネル22の小孔28内に嵌合する植物を定植するための担体23の下部位置を窪ませて根が発達できるエリア40を形成し、この隣接するエリア40,40間を細い溝状の通水路41にて接続するようにし、養液供給口24より供給される養液を、全エリア40を通水して他端側の養液排出口25より排水されるようにし、これにより栽培ベッド内に滞留する養液量が少なくなり、かつ栽培ベッド21内を効率的に循環するようにできる。
【0034】
また、図6は、栽培ベッド21の異なる実施例を示す。この実施例は、栽培ベッド21の養液排出口25の付近に、底面に接する孔52を有する水位調節板51を取り付け、水位調節板51の孔52から流出する養液量が養液の供給量より少なくなるように孔52の開口面積を設定するようにする。
これにより、養液供給時には栽培ベッド21内の養液水位を水位調節板51の高さまで上昇させることができるとともに、担体23の上部まで養液を導くことができる。また、この場合、養液の供給が停止されると、栽培ベッド21内の養液は水位調節板51の孔52を通して栽培ベッド21の底面に設けた養液排出口25から排出され、養液タンク29内に戻されるので、栽培ベッド21内には養液が滞留することがなく、船舶の揺れに対して栽培ベッド21の養液の漏出が防止されるとともに、養液を担体23に十分に保持することができ、植物成育に必要な養液を十分に供給することができる。
なお、上記の実施例では、養液を担体23に十分に保持させるために、底面に接する孔52を有する水位調節板51を取り付けて養液供給時には栽培ベッド21内の養液水位を上昇させるようにしたが、図7に示すように、栽培パネル22に養液が流れる通路53を設け、複数の小孔28に設置した植物を定植した各々の担体23に養液を供給するようにしてもよい。
一方、栽培ベッド21の底面近傍に、常時少量の養液を滞留させる場合は、水位調節板51の孔52の位置を調節し、栽培ベッド21の底面より若干高くすれば良く、この場合、根が養液を吸収し易くなり、植物の成育を促進することができる。
【0035】
図8に示す実施例は、前記栽培ベッド21が、船舶用の植物栽培装置20の揺れに対してもその揺れ角を少なくし、栽培ベッド21の破損や、養液の漏洩を防止するようにしたものである。
これは、栽培パネル22を除いた前記栽培ベッド21の周囲に、空気マット又はスポンジなどの弾力性に富む器材55を設けたものである。これにより例え船舶用の植物栽培装置20を設置した船舶が大きく揺れた場合であっても、船舶の揺れによる応力を弾力性のある器材55で吸収でき、栽培ベッド21から養液の漏洩するのを未然に防止することができる。
【0036】
次に、この船舶における植物栽培方法について説明する。
船舶用の植物栽培装置20は、所要の船舶内に配設され、天井反射板を兼ねた敷き板26により多段に分割された栽培空間34内において、その敷き板26上に載置された栽培ベッド21に、複数の小孔28に植物を定植する担体23が設置された栽培パネル22が養液が漏出しないよう密着してはめ込むとともに、担体23には、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜類、バジルやルッコラ等のハーブ類などの植物種子を播種する。
その後、養液タンク29に貯留された水耕栽培用の養液を、ポンプ30を駆動することにより、養液供給管24Pを経て上段、中段又は下段に分割された各栽培空間34の栽培ベッド21の養液供給口24に間欠的に、或いは連続的に供給する。この場合、養液の供給は、植物によって異なるが、例えば、数10分間程度の養液供給を1日に数回の頻度で行うことができる。
栽培ベッド21内へ供給された養液は、栽培ベッド21内にて予め定められた貯留量以上のものは養液排出口25から流出し、養液返還用配管25Pを経て前記養液タンク29に戻る。
【0037】
次に、人工光源31を点灯し、例えば、葉菜類では播種から収穫まで約30日間で成育する。このとき、栽培空間34は、人工光源31を備えた天井反射板37又は天井反射板を兼ねた敷き板26と、ファン32を備えた側面反射板38と、背面反射板39と、高光反射材からなる栽培パネル22とに囲まれ、栽培時には高光反射板からなる開閉扉36が閉じた状態となり、人工光源31から照射された光は周囲の反射板により相互反射され、植物27に有効に照射される。
ここで、栽培ベッド21は、図2に示すように、養液排出口25が底面に設けられており、養液の供給が停止すると養液はタンク29に戻され、栽培ベッド21には養液が滞留しないようにしている。この場合、栽培ベッド21の養液が漏出しないように、栽培パネル22が栽培ベッド21に密着してはめ込むようにしたが、栽培パネル22をシール材を介して、例えば、ねじにより栽培ベッド21の上面に圧着して取り付けるようにしてもよい。
さらに、栽培ベッド21の内部における栽培パネル22の厚みを厚くすることにより、栽培ベッド21の空隙を少なくし、栽培ベッド21に滞留する養液量を少なくすることができる。
【0038】
また、図3に示すように、栽培ベッド21の底面に複数のエリア40を設けている場合、エリア40内に植物の根が伸び易くなり、根の生育がよくなる。この複数のエリア40,40間には、エリア40,40間を接続するように通水路41が形成されているので、全エリア40に養液が供給される。この場合、供給された養液は栽培ベッド21の根が発達するエリア40のみに滞留し、栽培ベッド21に滞留する養液量をさらに少なくすることができるので、船舶が揺れる場合でも、栽培ベッド21に滞留する養液の漏出を、より確実に防止することができる。
【0039】
このように栽培空間34内の栽培ベッド21に播種された植物種子は、養液の供給循環と、人工光源31からの照射により、発芽し、経日と共に生育する。
この人工光源31は、蛍光ランプ又は発光ダイオード等の熱波長線の少ない人工光源を用いると、植物をランプに近接することができ、船舶用の植物栽培装置の栽培空間34を多段に分割することができる。
また、図10に示すように、栽培空間34は、人工光源31を備えた高光反射材又は高光反射材を塗布(例えば、白色塗装)した天井反射板37又は敷き板26と、ファン32を備えた高光反射材又は高光反射材を塗布(例えば、白色塗装)した側面反射板38と、背面光反射板39と、高光反射板からなる栽培ベッド21の上面22により囲まれ、かつ栽培時には高光反射材からなる開閉扉36が閉じた状態となり、人工光源31から照射される光は周囲の反射板で反射されて植物に有効に照射される。
この際、天井反射板37又は敷き板26の天井反射面の光反射率を、他の周囲の反射板の反射率よりも高くすると、人工光源31から照射された光がより有効に植物に照射されるものとなる。
実験結果によれば、天井反射板37又は敷き板26(天井反射面)の光反射率を0.95とし、他の周囲の反射板の光反射率を0.8とした場合、同一の成育速度を得るために必要なランプ本数は、全周囲の反射板の光反射率を0.8とした場合に比べ、約1/2に低減できることができた。
また、天井反射板37又は敷き板26(天井反射面)の光反射率を0.9とし、他の周囲の反射板の光反射率を0.8とした場合も、必要なランプ本数は全周囲の反射板の光反射率を0.8とした場合に比べて約1/1.5に低減することができた。
このように、天井反射板37又は敷き板26(天井反射面)の光反射率を他の周囲の反射板の反射率よりも高くすることにより、植物成育に必要なランプ本数を低減でき、船舶用の植物栽培装置の幅を小さくでき、省スペース化できる。また、ランプ本数が低減した分、空調装置33の空調負荷が低減される。
【0040】
また、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜類又はバジルやルッコラ等のハーブ類などの植物の種子を播種した担体13を、図11に示すように、例えば、10日毎に順次、下段、中段及び上段に設けた栽培ベッド21の小孔28に移載設置するようにする。
このようにして実質的に播種日を、栽培空間34内の栽培ベッド21の段毎に異なるようにすることにより、最初に播種してから30日後には、まず下段の成育した植物を収穫でき、その後10日毎に中段及び上段の順に成育した植物を収穫することができる。
なお、収穫と同期して、収穫後の栽培ベッド21には新たに植物の種子を播種した担体23を設置する。このように、収穫と播種を操作を繰り返して行えば、10日毎に各段の成育した植物を連続して収穫することができる。この際、栽培空間34を4段に分割した場合は、播種から収穫までの成育日数を例えば、32日間と定めると、最初に播種してから32日後からは8日毎に1段分の成育した植物を収穫することができる。このように、栽培空間34をできるだけ多くの段に分割することにより、短時間のサイクルで植物を収穫することができる。
【0041】
また、上記実施例では船舶用の植物栽培装置20において、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜又はバジルやルッコラ等のハーブ類を栽培する場合について説明したが、長期の航海の場合、ミニトマト等の背丈の低い果菜類を加えてもよい。この場合、例えば、船舶用の植物栽培装置20の最上段にミニトマトの種子を播種した担体23を設置し、他の段には図7に示したように、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜又はバジルやルッコラ等のハーブ類を設置するようにすることができる。この際、葉菜類やハーブ類を栽培する養液とミニトマト等の果菜類を栽培する養液を分離すると、それぞれの植物に適した養液で栽培できる利点がある。
【0042】
図12は、本発明の船舶における植物栽培方法の異なる実施例を示す。
図11に示す実施例では、各段に設けた栽培ベッド21の小孔28間の間隔を同一としたが、図12に示す実施例では、植物の成長に応じて各段の栽培ベッド21の小孔28間の間隔を変化させ、一定の栽培スペースにおいて、より多くの植物を定植できるようにしたものである。
図12において、1−1から3−3は栽培ベッド21に設けた小孔28の位置を示す番号で、また、L1、L2、L3はそれぞれ下段、中段、上段の栽培ベッド21に設けた小孔28間の間隔を示し、例えば、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜又はバジルやルッコラ等のハーブ類などの植物を栽培する場合、L1、L2、L3はそれぞれ6cm、12cm、20cmとするのが望ましい。
また、図12に示したように、各段の栽培ベッド21に設けた小孔28の間隔を下段では小孔28間の間隔をL1に短くし、上段に従って順次L2、L3と長くする。そして、植物種子を一定期間毎(例えば、3日毎)に担体23に播種し、下段の栽培ベッド21に設けられた小孔28の位置1−1から1−5の順に3日毎に設置する。その後、下段の栽培ベッド21の小孔28が満たされると、最も大きく成育した植物を有する位置1−1の担体23を取り外して、中段の栽培ベッド21の小孔の位置2−1に移植したのち、位置1−1には新たに植物種子を播種した担体23を設置する。
同様に、次に大きく成育した植物(位置1−2)の担体23を取り外して中段の小孔の位置2−2に移植したのち、位置1−2には新たに植物種子を播種した担体23を設置する。このような操作を繰り返し、中段の位置2−4まで担体23を設置する。
【0043】
次に、中段の栽培ベッド21で最も大きく成育した植物を有する担体23を上段の栽培ベッド21の位置3−1に移植したのち、移植した位置には下段の栽培ベッド21で最も大きく成育した植物を有する担体23を移植する操作を繰り返し、上段の栽培ベッド21の小孔28を満たすように操作する。
このように、各段の栽培ベッド21の小孔28間の間隔を異なる間隔とし、一定期間毎(例えば、3日毎)に、植物を定植した担体23を成育程度に応じて中段及び上段の栽培ベッド21の小孔の位置に移植する操作と、移植した位置には新たに植物種子を播種した担体23を設置する操作を繰り返すことにより、小さいスペースでもより多くの植物を連続的に生産でき、所定の日数後には例えば、3日間毎といった比較的短時間に収穫できるという利点がある。
【0044】
また、図13に示す実施例は、陸上に設けた植物栽培装置72又は73で、予め育成した植物を、船舶用の植物栽培装置20の栽培ベッド21に移植することにより、出航後、短時間に収穫できるようにしたものである。
なお、この場合、陸上に設けた植物栽培装置72又は73で植物を定植する担体23は、船舶用の植物栽培装置20で使用する植物を定植する担体23と同一にする。
また、植物を定植した担体23の船舶への搬入は、担体23毎に行うほか、担体23を設置した栽培パネル22又は栽培ベッド21ごと船舶に搬入することもでき、これにより、植物を定植した担体23の船舶への搬入を、短時間で効率よく行うことができるという利点がある。
【0045】
図13において、71は遠洋漁船、タンカー、貨物船、客船等の複数の船舶で、この船舶71内に、船舶用の植物栽培装置20を設置し、この船舶用の植物栽培装置20の下段、中段、上段に設けた栽培ベッド21−1、21−2、21−3を配置する。
また、陸上に設けた植物栽培装置72は、太陽光又は太陽光と人工光源を併用した水耕栽培又は養液栽培によって植物を成育するようにする。この植物栽培装置72内にも、図1に示す船舶用の植物栽培装置20と同様に、多段式に栽培ベッド72−1、72−2、72−3を配設して構成する。この陸上に設けた植物栽培装置72の各段の栽培ベッドでは、それぞれ植物の成育日数が異なるようにする。
また、陸上に設けた植物栽培装置73は、人工光源31、例えば、蛍光ランプや発光ダイオードなど用いた水耕栽培又は養液栽培によって植物を成育するもので、この植物栽培装置73も、多段式に栽培ベッド73−1、73−2、73−3を配設し、各段の栽培ベッドでは、それぞれ植物の成育日数が異なるようにする。
【0046】
図13において、陸上に設けた植物栽培装置72の栽培ベッド72−1、72−2及び72−3で予め育成した日数の異なる(大きさが異なる)リーフレタスやサラダ菜等の葉菜類又はバジルやルッコラ等のハーブ類を、航海の準備中の船舶71の船舶用の植物栽培装置20の下段、中段、上段に設けた栽培ベッド21の小孔28に設置する。その後、船舶71の船舶用の植物栽培装置20を稼働させ、ポンプ30により養液を栽培ベッド21に供給するとともに、人工光源31を点灯して植物を成育する。例えば、船舶71の船舶用の植物栽培装置20の下段、中段及び上段の栽培ベッド21−1、21−2及び21−3には、植物栽培装置72の栽培ベッド72−1、72−2及び72−3において、それぞれ担体23に播種後10日後、20日後及び30日後の葉菜類又はハーブ類を設置すると、出航後、短期間に船舶用の植物栽培装置20の上段の栽培ベッド21−3で成育した植物を収穫でき、その10日後には中段の栽培ベッド21−2で成育した植物を収穫でき、さらにその10日後には下段の栽培ベッド21−1で成育した植物を収穫することができる。
なお、収穫が終了した栽培ベッドには新たに葉菜類又はハーブ類の植物の種子を播種した担体23を設置する。このように、船舶用の植物栽培装置20の栽培ベッドに定植された植物を一定日数毎に収穫する操作と、収穫と同期して新たに播種した担体23を設置する操作とを繰り返すことにより、出航後、短期間で植物を一定の日数毎に収穫することができる。
【0047】
なお、船舶用の植物栽培装置20の栽培空間34を、4段に分割した場合は、船舶71の船舶用の植物栽培装置20の下段、中段、上段及び最上段の栽培ベッド21、21−2、21−3及び20−4(図示せず)には植物栽培72の栽培ベッド72−1、72−2、72−3及び72−4(図示せず)において、それぞれ担体23に播種後数8日後、16日後、24日後及び32日後の葉菜類又はハーブ類を設置し、上記の3段の船舶用の植物栽培装置20の場合と同様に一定期間毎に収穫する操作と、収穫と同期して新たに葉菜類又はハーブ類の植物種子を播種した担体23を設置する操作とを繰り返すと、出航後、短期間に収穫でき、そののち、8日毎に上段、中段及び下段の順に成育した植物を収穫できる。
このように、陸上に設けた植物栽培装置72において予め成育した成育日数が異なる植物を船舶用の植物栽培装置の栽培ベッド21に設置することにより、出航後、短期間に収穫することができる。
【0048】
なお、上記実施例では、陸上に設けた植物栽培装置72が太陽光又は太陽光と人工光源を併用した水耕栽培又は養液栽培による植物栽培装置について説明したが、図13に示すように、人工光源31(蛍光ランプや発光ダイオードなど)を用いた水耕栽培又は養液栽培による植物栽培装置73を用いてもよい。例えば、船舶用の植物栽培装置20の栽培空間34を3段に分割した場合は、船舶用の植物栽培装置20の下段、中段及び上段に設けた栽培ベッド21には、植物栽培装置73の栽培ベッド73−1、73−2及び73−3において、担体23に播種後10日後、20日後及び30日後の葉菜類又はハーブ類を設置すると、出航後すぐに収穫でき、その後、10日毎に船舶71の船舶用の植物栽培装置20の栽培ベッド21における植物を収穫できる。この場合、植物栽培装置73における温度、湿度、養液条件や光条件等の環境条件は、船舶用の植物栽培装置20と同様に設定することができ、陸上に設けた植物栽培装置73と船舶用の植物栽培装置20との環境条件の違いによる植物の成長停止又は遅滞をなくすることができる。
また、人工光源31(蛍光ランプや発光ダイオードなど)を用いた水耕栽培又は養液栽培による植物栽培装置73は、立地場所や季節に影響されないため、船舶71が停船する港の近くに建設することができ、船舶用の植物栽培装置20に設置する植物を容易に輸送できるという利点がある。
【0049】
また、上記実施例では、船舶用の植物栽培装置20において、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜類又はバジルやルッコラ等のハーブ類を栽培する場合について説明したが、ミニトマトやイチゴ等の背丈の低い果菜類を栽培してもよい。この場合、陸上に設けた人工光源31を用いた植物栽培装置73で予め育成した成育日数が異なる果菜類(例えば、果実の収穫が可能なもの、結実が認められるもの、開花が認められるものなど)を、船舶用の植物栽培装置20の栽培ベッド21に移載することができる。
なお、他の段にはこれらの果菜類の他に、リーフレタスやサラダ菜等の葉菜又はバジルやルッコラ等のハーブ類を設置するようにしてもよい。この場合、葉菜類やハーブ類を栽培する養液とミニトマト等の果菜類を栽培する養液を分離し、それぞれの植物に適した養液で栽培するのが望ましい。このように、葉菜類やハーブ類の栽培に加えて果菜類を安定供給することにより、船員への栄養バランスを豊富にすることができる。
【0050】
また、植物栽培装置72又は73を、船舶71が停船する港から離れた都合の良い場所に1カ所に集中して設け、ここで育成した成育日数が異なる植物を定植した担体、又はこの担体を設置した栽培パネル又は栽培ベッドを、出航を準備する船舶に搬入移載するようにしてもよい。この場合、港の近くに植物栽培装置を設置する必要がなく、都合の良い場所に植物栽培装置を1カ所に集中して設置することができると共に、供給する植物の管理を統一でき、規格化した良質な植物を船舶71に供給することができるといった利点がある。
【0051】
以上、本発明の船舶における植物栽培装置及びその使用方法について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【0052】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、栽培ベッドが密閉構造となり、かつ栽培ベッド内に滞留する養液がなく、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを防止することができ、また、栽培空間の周囲を高光反射性の反射板によって覆うようにしているので、植物の栽培を効率よく行うことができる。
このため、船舶のような狭いスペースでも一定の日数毎に生長した植物を連続して効率よく収穫することができ、陸上から離れている船舶においても、新鮮な野菜類を安定して、かつ長期間に亘って供給することができる。
そして、特に、船舶の揺れ状態を検出する検出手段と、検出した揺れ状態に応じて養液の供給又は停止を判断して養液の供給を制御する制御手段とを備えることにより、長期の船体の大きな揺れに対して養液の供給手段を停止することができ、養液の漏出を未然に防止することができる。
【0053】
請求項2記載の発明によれば、栽培ベッド内の養液を供給している場合においても、栽培ベッド内に滞留する養液が少なくなり、設備の維持が容易になるとともに、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを容易に防止することができる。
【0054】
請求項3記載の発明によれば、船舶の揺れなどによる栽培ベッドへの応力を緩和でき、栽培ベッドの破損を防止することができる。
【0055】
請求項4記載の発明によれば、栽培空間の光利用効率を著しく高めることができ、栽培に必要なランプの本数を低減でき、栽培装置の幅を小さくできるとともに、空調負荷を低減することができる。
【0056】
請求項5記載の発明によれば、栽培ベッド内に滞留する養液がなく、船舶の揺れに対して栽培べッド内の養液が漏出するのを確実に防止することができる。
【0057】
請求項6記載の発明によれば、一定の日数毎に植物を連続して収穫することができる。
【0058】
請求項7記載の発明によれば、植物が小さい場合は栽培ベッドの小孔間の間隔を短くし、植物が大きくなると栽培ベッドの小孔間の間隔を長くすることにより、限られた栽培空間において、多くの植物を収穫することができる。
【0059】
請求項8記載の発明によれば、出航後、短期間に植物を収穫でき、短期航海の船舶にも適用することができる。
【0060】
請求項9記載の発明によれば、一定期間安定して植物を収穫できる。
【0061】
請求項10記載の発明によれば、植物を定植した担体の船舶への搬入を、短時間で効率よく行うことができる。
【0062】
請求項11記載の発明によれば、陸上に設けた植物栽培装置で予め成育した植物を船舶用植物栽培装置の栽培ベッドに移植しても、成育環境が同一であるので、移植に伴う植物成長の停止又は遅滞がなく、また、人工光源を用いた植物栽培装置は立地条件を問わないので、船舶が停船する港の近くに設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の植物栽培装置の実施例を示す全体斜視図である。
【図2】 栽培パネルを組み合わせた状態の栽培ベッドを示し、(A)は平面図、(B)は縦断正面図、(C)は側面縦断面図である。
【図3】 栽培ベッドの異なる実施例を示し、(A)は平面図、(B)は栽培パネルを組み合わせた正面縦断面図である。
【図4】 植物を定植する担体の斜視図である。
【図5】 担体の異なる実施例の斜視図である。
【図6】 栽培パネルを組み合わせた栽培ベッドの異なる実施例を示し、(A)は正面縦断面図、(B)は側面縦断面図である。
【図7】 栽培ベッドの異なる実施例の平面図である。
【図8】 栽培パネルを組み合わせた栽培ベッドの異なる実施例の正面縦断面図である。
【図9】 本発明の植物栽培装置における植物栽培を効率的に制御を行うための制御回路の説明図である。
【図10】 各段の栽培空間内における植物栽培方法を示す説明図である。
【図11】 各段の栽培ベッドへ養液を循環させる養液循環回路の説明図である。
【図12】 各段の栽培ベッドへ養液を循環させる養液循環回路の異なる実施例の説明図である。
【図13】 陸上に設けた植物栽培装置の栽培ベッドを船舶側に移載する実施例を示し、(A)植物栽培装置を船舶に設置した説明図、(B)及び(C)は陸上に設けた植物栽培装置の説明図である。
【図14】 従来の植物栽培装置の実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
20 船舶用の植物栽培装置
21 栽培ベッド
22 栽培パネル
23 担体
24 養液供給口
24P 養液供給管
25 養液排出口
25P 養液返還用配管
26 敷き板
27 植物
28 小孔
29 養液タンク
30 ポンプ
31 人工光源
32 ファン
33 空調装置
34 栽培空間
35 空気通路
36 開閉扉
37 天井反射板
38 側面反射板
39 背面反射板
40 根が発達できるエリア

Claims (11)

  1. 多段に分割された栽培空間を有する栽培棚と、栽培空間に設けられた栽培べッドと、植物を定植した担体を設置するための複数の小孔を設けた高光反射性の栽培パネルと、前記複数の小孔に栓をするように配設した担体と、栽培空間の周囲を覆う高光反射性の反射板と、人工光源と、栽培ベッドに養液を供給する養液供給手段と、温度・湿度を調節する空調装置と、船舶の揺れ状態を検出する検出手段と、検出した揺れ状態に応じて養液の供給又は停止を判断して養液の供給を制御する制御手段とからなることを特徴とする船舶用植物栽培装置。
  2. 栽培ベッド内の養液を貯留する空隙を少なくする手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の船舶用植物栽培装置。
  3. 栽培ベッドの周囲を船舶の揺れによる衝撃を吸収する器材で覆ったことを特徴とする請求項1又は2記載の船舶用植物栽培装置。
  4. 天井面反射板の光反射率が他の周囲の反射板の光反射率よりも高いことを特徴とする請求項1、2又は3記載の船舶用植物栽培装置。
  5. 請求項1、2、3又は4記載の船舶用植物栽培装置の使用方法であって、栽培ベッド内に養液を間欠的に供給して植物を栽培することを特徴とする船舶用植物栽培装置の使用方法。
  6. 請求項1、2、3又は4記載の船舶用植物栽培装置の使用方法であって、多段に分割された栽培空間に設けた栽培ベッドに、順次、一定の日数毎に植物の種子を播種した担体を栽培ベッド上面の複数の小孔に設置し、所定の日数に達した栽培ベッドの植物を収穫する操作と、該収穫が終了した栽培ベッドの小孔に新たに植物の種子を播種した担体を設置する操作とを繰り返し、所定の日数に達した植物を一定の日数毎に収穫するようにしたことを特徴とする船舶用植物栽培装置の使用方法。
  7. 請求項1、2、3又は4記載の船舶用植物栽培装置の使用方法であって、多段に分割された栽培空間に設けた栽培ベッドの上面に設けた小孔間の間隔をそれぞれ異なるものとし、小孔間の間隔が短い栽培ベッドに一定の日数毎に、植物の種子を播種した担体を順次設置して栽培ベッドの小孔を満たした後、成育度合が進んだ植物を定植した担体を、小孔間の間隔が次に長い栽培ベッドに一定の日数毎に順次移植するとともに、移植後の栽培ベッドの小孔には新たに植物の種子を播種した担体を設置するという操作を繰り返し、多段に設けた栽培ベッドの小孔を満たしたのち、所定の日数に達した植物を一定の日数毎に収穫することを特徴とする船舶用植物栽培装置の使用方法。
  8. 請求項1、2、3又は4記載の船舶用植物栽培装置の使用方法であって、陸上に設けた植物栽培装置により育成した植物を定植した担体を船舶に搬入することを特徴とする船舶用植物栽培装置の使用方法。
  9. 成育日数が異なる植物を定植した担体を船舶に搬入することを特徴とする請求項8記載の船舶用植物栽培装置の使用方法。
  10. 植物を定植した担体を、担体を設置した栽培パネル又は栽培ベッドごと船舶に搬入することを特徴とする請求項8又は9記載の船舶用植物栽培装置の使用方法。
  11. 陸上に設けた植物栽培装置が人工光源を用いた養液栽培による植物栽培装置であることを特徴とする請求項8、9又は10記載の船舶用植物栽培装置の使用方法。
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