JP3704270B2 - 流体充填機用充填装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流体の充填にあって、液垂れを生ずることなく、簡単かつ確実に行うことができる流体充填機用充填装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
充填包装業界等において、容器へ定量充填するために、その充填経路において充填ノズルの手前に充填バルブを設けて、この充填バルブの作動により、充填開始および停止あるいはその充填流量の調整等が行われる。
【0003】
従来、この充填バルブの作動は、図6に示すように、液体タンクから充填ノズル50までの通液路において可撓性チューブ51を設けて、この可撓性チューブ51を押圧する移動可能な押圧部材52,53を上下に二組設けて、これら二組の押圧部材52,53を組み合わせ作動することで、前記した液体の充填開始および停止あるいはその充填流量の調整が行われていた。
【0004】
しかしながら、この充填バルブにおいて、押圧部材52,53の作動は、エアーシリンダにより行っているため、このエアーによる作動がなくなったとき、すなわち人為的あるいは偶然にこのエアーを切ってしまうと、スプリング54によりこの押圧部材52,53が戻って、可撓性チューブ51を閉塞させる力がなくなり、該バルブが開放状態に放置されるため、液体タンク内にまだ液が残っていると、充填ノズル50からの不必要な液体の流出を生じてしまう。
【0005】
また、押圧部材52,53は、棒状に形成されているため、この反復作動が行われると、可撓性チューブ51に必要以上の疲労を生じて老化し、これにより、液漏れの原因となる。等の様々な問題点を有するものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記した問題点を解決するためになされたもので、流体供給部と充填ノズルとに接続させた送出体に可撓性を有する弁体を設けて、該弁体の開閉操作を作動手段を行う流体充填機用充填装置にあって、作動手段は、送出体に付設した支持体と、該支持体の枢軸へ回動自在に支持させた回動体と、該回動体の一側部に軸支して、弁体に当接する回転自在の押さえローラと、回動体の他側部に接続して該回動体を回動させることで、押さえローラの前記弁体に対する押し付け量が変化する操作部材とを備えさせ、前記回動体に対して、前記押し付けローラによる弁体の閉塞方向へ常に付勢させる弾機を接続させ、前記操作手段による駆動力が解除されたときは、前記弾機の力により、前記回動体を介して前記押さえローラを揺動させて、前記弁体の流路を閉塞することにより、流体の充填にあって、充填後の液垂れを生ずることなく、簡単かつ確実に行うことができ、弁体の耐久寿命を可及的に向上させることができる流体充填機用充填装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記した目的を達成するための本発明は、流体充填機の流体供給部と接続させた送出体と、この送出体に設けた可撓性を有する弁体と、該弁体に接続させた該弁体の開閉操作を行う作動手段と、前記弁体の終端部に設けた充填ノズルとからなる流体充填機用充填装置にあって、前記作動手段は、前記送出体に付設した支持体と、該支持体の枢軸へ回動自在に支持させた回動体と、該回動体の一側部に軸支して、前記弁体に当接する回転自在の押さえローラと、前記回動体の他側部に接続して該回動体を回動させることで、前記押さえローラの前記弁体に対する押し付け量が変化する操作部材とを備えさせ、前記回動体に対して、前記押し付けローラによる弁体の閉塞方向へ常に付勢させる弾機を接続させ、前記操作手段による駆動力が解除されたときは、前記弾機の力により、前記回動体を介して前記押さえローラを揺動させて、前記弁体の流路を閉塞するものである。
【0009】
更に、
操作部材は、弁体に対する押し付けが行われない弁体の流路が全開状態と、前記弁体を押し付けて弁体の流路の一部が流通する一部閉塞状態と、前記弁体を押し付けて弁体の流路の全部が閉塞される全閉状態との一つを選択的に行う。
【0010】
【実施例】
次に、本発明に関する流体充填機用充填装置の一実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜図5においてAは流体充填機用充填装置で、図1に示すような重量式・流量式の流体充填機Bに採用される。
そして、この流体充填機Bは、食品等の流体を、容器cに定量の充填処理が行われるものであり、テーブルd上に容器cを載置し、該容器cの上方に、流体を収容したタンクeと接続した本発明実施例装置の流体充填機用充填装置Aを対設してある。
【0011】
この流体充填機用充填装置Aは、送出体1と、弁体2と、作動手段3と、充填ノズル4とにより基本的に構成されるもので、このうち、送出体1は、流体充填機Bの流体供給部、すなわち流体タンクeと配管5により接続させてある。
【0012】
前記した弁体2は、送出体1に設けたゴム等の可撓性(弾性)を有する素材によりチューブ状に形成してあって、配管5の端末部に接続してある。
【0013】
前記した作動手段3は、弁体2に接続させて該弁2の開閉操作を行うもので、送出体1に付設した支持体6と、該支持体6の枢軸7へ回動自在に支持させた回動体8と、該回動体8の一側部へ軸9により支持させて、弁体2に当接する回転自在の押さえローラ10と、回動体8の他側部に接続して該回動体8を回動させることで、押さえローラ10の弁体2に対する押し付け量が変化する操作部材11とからなる。
【0014】
なお、前記した押さえローラ10は、比較的硬質材により成形してあって、弁体2の外側部においてその長さ方向の略中間部に当接するもので、かつ、該弁体2の径(幅)より幅広の当接面を有している。
また、回動体8の揺動に伴って、弁体2の外側面を円滑に転動し得る遊転状態に軸9により取り付けられている。
【0015】
前記した操作手段11は、エアー等の流体シリンダを用いて、回動体8を介して押さえローラ10を上下方向へ揺動させて弁体2の開け閉めを行うもので、該シリンダのロッド12を取付部材13を介して回動体8の軸14へ取り付けてある。
なお、この操作手段11は、複数の位置において停止し得る多位置式のものを用いるものであって、例えば、大容量充填用と小容量用充填用との複数のエアーシリンダからなる。
【0016】
これにより、押さえローラ10による弁体2に対する押し付けが行われない該弁体の流路20の全開状態と、弁体2を押し付けて該弁体2の流路20の一部が流通する一部閉塞状態と、弁体2を押し付けて該弁体2の流路20の全部が閉塞される全閉状態とが得られるものであって、これらの操作はその一つが選択的に行なわれる。
【0017】
更に、この操作手段11にあっては、回動体8に対して、押し付けローラ10による弁体2の閉塞方向へ常に付勢させる弾機15を接続させてあるもので、該操作手段11による駆動力が解除されたときは、該弾機15の力により、図4に示すように、回動体8を介して押さえローラ10を上方へ揺動させて、弁体2の流路20を閉塞する。
【0018】
前記した充填ノズル4は、弁体2の終端部に設けて、その下方において待機する容器cに流体を充填する。
【0019】
したがって、前記したように構成される本発明に係る実施例の流体充填機用充填装置Aは、以下に述べる作用を奏する。
流体供給部である流体タンクeより供給される流体は、配管5より送出体1における弁体2内に流入する。
【0020】
このとき、弁体2は、作動手段3における操作部材11が作動して、そのロッド12の繰り出しによって回動体8が枢軸7を中心に回動するので、この回動体8の一側部に軸支した押さえローラ11が上方へ揺動移動して、図4に示すように、弁体2の流路20を全く閉塞しているので、下側部の充填ノズル4へは流体が送り込まれない。
また、操作部材11に付設した弾機15の作用により、操作部材11へのエアーの供給がされなくても、同様に、押さえローラ10が弁体2を圧迫して該流路20を全閉状態に維持させる。
【0021】
この状態で、作動手段3における操作部材11を作動させて、弾機15に抗して回動体8を回動させ、その一側部に設けた押さえローラ10を下方へ揺動移動させると、図2に示すように、弁体2はこの押さえローラ10による圧迫が解除され、弁体2の可撓性によりへこみが復元して該流路20が全開状態となる。
【0022】
したがって、流体は、その重力または該流体への加圧により弁体2内の流路を落下して、該弁体2の全内径量分が流動する、いわゆる大容量充填が容器cに対して下側部の充填ノズル4から行われる。
【0023】
容器cの充填が終了近くなれば、その充填量等の精度を向上させるため、流路20の流量を絞ることが望ましい。作動手段3における操作部材11を作動させて、そのロッド12を所定量繰り出すと、これに伴って、回動体8が回動し、その一側部に取り付けた押さえローラ10が弁体2に対して上方へ揺動移動しながら繰り出され、図3に示すように、該弁体2を所定量押し付ける。
【0024】
そのため、弁体2には所定量が絞られた小流量の流路20が形成されるので、前記した大流量から小流量に切り替わり、容器cには少しずつ充填される。
このとき、弁体2へ当接している押さえローラ10は、該弁体2外面と密着状態で接触していて、かつ、揺動移動するとき、押さえローラ10が軸9を中心に回転しながら移動するので、弁体2を過度に引っ張り上げることがなく、該弁体2を損傷させることがない。そのため、繰り返し使用にあって、弁体2の耐久性が大幅に向上する。
【0025】
そして、流体の規定量が容器c内に充填されれば、作動手段3における操作部材11を操作して、そのロッド12を繰り出せば、回動体8が回動してその一側部に設けた押さえローラ10が上方へ揺動移動して、図4に示すように。弁体2を圧迫し、ついにはその流路20を全閉にするため、該流路20を流動していた流体はその流動が停止され、充填が終了する。
【0026】
このとき、上方へ揺動移動する押さえローラ10により、該押さえローラ10の下部に位置する流路20a部に残存する流体は、図4において矢印pの方向へ吸い上げられるため、充填ノズル4の先端部において流体が液垂れしようとしても、該充填ノズル4内に引き戻され、前記した液垂れを生じない。(サックバック効果)
【0027】
更に、例え、作動手段3における操作部材11に対するエアー供給がなくなっても、弾機15のばね力により回動体8を回動させ続け、その押さえローラ10を弁体3に圧接させるため、該弁体2の流路20を開放することがなく、不必要な流体の流動を生じさせず安全である。
【0028】
この発明実施例によれば、操作部材11によって、弁体2に対する押し付けが行われない、図2に示すような、該弁体2の流路20が全開状態と、弁体2を押し付けて図3に示すような、該弁体2の流路20の一部が流通する一部閉塞状態と、弁体2を押し付けて図4に示すように、該弁体2の流路20の全部が閉塞される全閉状態とが選択的に行なわれる。
【0029】
【発明の効果】
前述のように本発明に関する流体充填機用充填装置は、弁体を押圧する押し付けローラが回転自在に設けられているため、弁体に対する加圧に無理な力が掛からず、したがって、弁体を傷めることがないので、該弁体の長期間の耐久性が得られる。
弁体の流路の閉塞時、押さえローラが上方へ揺動する運動を行うため、弁体内の流体が上方へ吸い上げられ、充填ノズルの先端部の液垂れが解消される。
特に、回動体に対して、押し付けローラによる弁体の閉塞方向へ常に付勢させる弾機を接続させてあるため、例え誤って、操作部材の操作を解除しても、この弾機の作用により、弁体の流路を全閉塞状態に維持することができて、誤充填の不都合を解消させることができる。等の格別な効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する流体充填機用充填装置を用いた流体充填機を概略的に示す説明図である。
【図2】図1における流体充填機用充填装置の一部を破断した弁体の全開状態を示す側面図である。
【図3】図1における流体充填機用充填装置の一部を破断した弁体の半開状態を示す側面図である。
【図4】図1における流体充填機用充填装置の一部を破断した弁体の全閉状態を示す側面図である。
【図5】図1における流体充填機用充填装置の要部を横断して示す平面図である。
【図6】従来の流体充填機用充填装置の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
A 流体充填機用充填装置
B 流体充填機
c 容器
e 流体供給部
1 送出体
2 弁体
3 作動手段
4 充填ノズル
6 支持体
7 枢軸
8 回動体
10 押さえローラ
11 操作部材
15 弾機
20 流路

Claims (2)

  1. 流体充填機の流体供給部と接続させた送出体と、この送出体に設けた可撓性を有する弁体と、該弁体に接続させた該弁体の開閉操作を行う作動手段と、前記弁体の終端部に設けた充填ノズルとからなる流体充填機用充填装置にあって、前記作動手段は、前記送出体に付設した支持体と、該支持体の枢軸へ回動自在に支持させた回動体と、該回動体の一側部に軸支して、前記弁体に当接する回転自在の押さえローラと、前記回動体の他側部に接続して該回動体を回動させることで、前記押さえローラの前記弁体に対する押し付け量が変化する操作部材とを備えさせ、前記回動体に対して、前記押し付けローラによる弁体の閉塞方向へ常に付勢させる弾機を接続させ、前記操作手段による駆動力が解除されたときは、前記弾機の力により、前記回動体を介して前記押さえローラを揺動させて、前記弁体の流路を閉塞することを特徴とする流体充填機用充填装置。
  2. 操作部材は、弁体に対する押し付けが行われない弁体の流路が全開状態と、前記弁体を押し付けて弁体の流路の一部が流通する一部閉塞状態と、前記弁体を押し付けて弁体の流路の全部が閉塞される全閉状態との一つを選択的に行うことを特徴とする請求項1記載の流体充填機用充填装置。
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