JP3704175B2 - 研磨装置のワーク押圧機構 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、研磨装置のワーク押圧機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体ウェーハは、素子の高集積化に伴い、高精度(平坦度等)を要求される。一方でコスト低減を目指し、ウェーハの直径は8インチから12インチへと大径化の要求が一層加速している。また、液晶用ガラス薄板材等にあっても大型化の要求がある。従って、ウェーハ等のワークを鏡面研磨する作業においても、ワークの大型化に好適に対応できる技術が求められている。
研磨装置のワーク押圧機構は、例えば半導体チップ用のウェーハを鏡面研磨するウェーハの研磨装置に用いられる。ウェーハの研磨装置は、基本的な構成として、ウェーハの保持部、そのウェーハの保持部に対向する研磨面を有する定盤、ウェーハ表面を研磨面に当接させるべくウェーハの保持部と定盤とを接離動させる接離動手段、前記保持部に保持されたウェーハを研磨面に所定の押圧力で押圧する押圧手段、ウェーハが定盤に当接・押圧された状態で該ウェーハと定盤とを回転および/または往復動によって相対的に運動させる駆動手段、スラリー等を含む液状の研磨剤の供給手段を備えている。このウェーハの研磨装置によれば、前記ウェーハ以外の被研磨部材であるワーク(例えばガラス薄板材、水晶等の硬脆性材料の表面)も鏡面状に研磨することもできる。
【0003】
また、具体的なウェーハの研磨装置としては、ウェーハの平坦度を向上させるよう、メカノケミカルポリシングによる鏡面研磨を行う研磨装置(以下、ポリシング装置と称することがある。)がある。そのポリシング装置は、図7に示すように、回転する定盤56上に軟質弾性部材からなる研磨布58を接着して研磨面60が形成され、その上方には回転および上下動可能な保持部41が設けられ、その保持部41が、下方に向けて開放する凹状のヘッド部材11と、外側部13aがヘッド部材11の内底面に固定されると共に内側部13bが保持部材(以下、保持プレート17と称することがある。)に固定され、その保持プレート17を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持する板状の弾性部材13と、ヘッド部材11の内部を保持プレート17および板状の弾性部材13によって画成して設けられる密閉空間である圧力室19と、圧力室19に所定圧力の流体を供給する流体の供給手段(図示せず)とを具備する。また、27はリング状の弾性部材であり、合成ゴム等により成形されたO−リング状の部材からなる。このリング状の弾性部材13は、保持プレート17の外周面と前記外壁側部11aの内周面との間に配され、保持プレート17のヘッド部材11との相対的移動(例えば相対的回転)を吸収および規制するように作用する。
【0004】
このポリシング装置によれば、保持プレート17に水張り等で保持されたウェーハの表面は、板状の弾性部材13のエアバック作用によって、研磨面60の傾斜に素早く追随できると共に、そのようにウェーハの表面が研磨面60の傾斜に追随した状態においても、ウェーハの表面全面を研磨面60に均等な圧力で押圧できる。このため、ウェーハ42の高い平行度及び平坦度を維持しつつウェーハの表面を好適に鏡面研磨できる。
【0005】
しかしながら、研磨加工時、ヘッド部材11と保持プレート17を吊持する板状の弾性部材13には、回転方向と上下方向等の複合作用力が繰り返し加えられる。また、リング状の弾性部材27では、保持プレート17のヘッド部材11との相対的移動を十分を規制できず、板状の弾性部材13にかかる上記の複合作用力を十分に緩和できない。
【0006】
このため、板状の弾性部材に亀裂が発生し、エアーバック機能が低下するという課題があった。そして、エアーバック機能が低下することにより、ウェーハの表面は定盤の研磨面60の微小な面振れに追随できず、ウェーハ42の平坦度および平滑度の低下、ウェーハ42の破損の発生等によって、その品質が低下するという課題があった。
【0007】
本発明の目的は、定盤の研磨面の微小な面振れに追随し、ワーク全面を均等に押圧することによって、ワークを好適に鏡面研磨するエアーバック機能を有すると共に、そのエアーバック機能の低下を防止することが可能な研磨装置のワーク押圧機構を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、本発明は、ワークを保持可能な保持部材を有し、主軸に連結されて回転可能に設けられた保持部と、表面に研磨面が形成され、回転する前記保持部に対して相対的に運動して、前記保持部材に保持されたワークの表面を研磨する定盤と、前記保持部と定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置の前記研磨面へワークを所定の荷重で押圧する研磨装置のワーク押圧機構において、前記保持部が、前記主軸に連結され、下方に向けて開放する凹状のヘッド部材と、外側部が前記ヘッド部材を形成する外壁部に固定されると共に内側部が前記保持部材に固定され、該保持部材を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持する板状の弾性部材と、前記ヘッド部材の内部を前記保持部材および前記板状の弾性部材によって画成して設けられる圧力室と、該圧力室に所定圧力の流体を供給する流体の供給手段と、前記保持部材または前記外壁部の一方に設けられた複数の被係合部と、前記保持部材または前記外壁部の他方に前記各被係合部に対応して固定され、該被係合部に所定の微小範囲内で上下方向および水平方向に相対的に移動可能に係合された係合部とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、前記保持部材に設けられる被係合部または係合部が、該保持部材の外周縁近傍に設けられたことにより、てこの原理で保持部材の移動を好適に規制することができる。
【0010】
また、前記被係合部が凹部であり、前記係合部が凸部であって、凹部に凸部が挿入されて係合していることで、保持部材の水平方向および上下の移動を同時に好適に規制することができる。
また、前記凸部が、保持部材のワークを保持する平面と略平行に設けられていることで、保持部材の水平方向および上下の移動を、確実に規制することができる。
【0011】
また、前記凸部が挿入される前記凹部の内壁が、樹脂材によって形成されていることで、より好適に保持部材の移動を吸収できる。
また、前記凸部は、前記凹部の内壁面に摺接して回動可能なベアリングが外嵌されてなることで、凹部が凹部の内壁面に当接して水平方向または上下方向のうちの一方向の移動が規制された際にも他方向の移動を許容し、保持部材の移動をより好適に吸収できる。
【0012】
【作用】
本発明によれば、保持部材が、板状の弾性部材によってヘッド部材の内部に吊持されている。これによって、定盤の研磨面の微小な面振れに追随し、ワーク全面を均等に押圧してワークを好適に鏡面研磨するためのエアーバック機能が得られる。
そして、前記保持部材またはヘッド部材の外壁部の一方に設けられた複数の被係合部と、前記保持部材または前記外壁部の他方に前記各被係合部に対応して固定され、該被係合部に所定の微小範囲内で上下方向および水平方向に相対的に移動可能に係合された係合部とを備えていることで、前記保持部材の移動を規制できる。従って、板状の弾性部材に作用する繰り返し加重を緩和できる。これにより、板状の弾性部材が損傷することを防止でき、結果的にエアーバッグ機能の低下を防止できる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明を、ウェーハの研磨装置に適用した場合の好適な実施例について、添付図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施例)
図1は第1実施例の要部側断面図であり、図2は図1のA−A断面図(一部B−B断面を含む)である。また、図3は第1実施例を用いたウェーハの研磨装置の全体図を示す側断面図である。
10はヘッド部材であり、ワークであるウェーハを保持する保持部の外形部を構成する。このヘッド部材10は、下方へ開放する凹状に形成されている。
12は保持プレートであり、ウェーハを保持する保持部材の一態様である。この保持プレート12は、表面12aにウェーハを水等の液体の表面張力によって保持できる。
【0014】
14は板状の弾性部材であり、例えば硬質のゴム板材(本実施例では布入りニトリルゴム)によって円形の平板状に形成され、外側部14aがヘッド部材10を形成する外壁側部10aに固定されると共に内側部14bが保持プレート12に固定され、保持プレート12を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持している。具体的な板状の弾性部材14の固定例を図1に基づいて説明する。板状の弾性部材14の外側部14aは、ボルト15を締めつけることで、ヘッド部材10の外壁側部10aと側壁リング16に挟まれて外壁側部10aに固定されている。また、板状の弾性部材14の外側部14aよりも内側の内側部14bは、ベースリング18と押さえリング20とに挟まれて保持プレート12に固定されている。なお、ベースリング18は、断面台形状のリング状に形成されており、保持プレート12の外周縁部上面に載置されている。このベースリング18上に板状の弾性部材14が載置され、その上にリング状に押さえリング20が載置され、ボルト22(図2参照)によって各々が同時に保持プレート12へ固定されている。なお、本実施例では、ベースリング18を採用しているが、リング状の弾性部材26が、保持プレート12の外周面に適切に当接できれば、そのベースリング18を設けなくても良い。
【0015】
24は圧力室であり、ヘッド部材10の内部を保持プレート12および板状の弾性部材14によって画成して設けられている。この圧力室24内に所定圧力の流体が、流体の供給手段(図示せず)によって供給される。
26はリング状の弾性部材であり、例えばゴム等により成形されたO−リング状の部材からなる。このリング状の弾性部材26は、保持プレート12の外周面と外壁リング16の内周面の双方に当接するように配設され、保持プレート12の水平方向の移動を微小範囲内で許容している。これにより、ウェーハが研磨される際に発生する水平方向(特に径方向)への作用力を吸収することができる。しかしながら、保持プレート12のヘッド部材10に対する回転方向および上下方向への移動については、摩擦力が作用するが、十分に規制することができない。
【0016】
28は凹部であり、ヘッド部材10に穿設された貫通穴を、内部空間を有するカバー部材30が覆うようにボルト32によって固定されて設けられている。この凹部28はヘッド部材10の外周縁近傍に周方向に所定の間隔をおいて複数が設けられている。なお、凹部を少なくとも2個以上設けることによって、安定的に作用させることができる。34はO−リングであり、カバー部材30とヘッド部材10との間をシールし、圧力室24の圧縮空気が漏れないように作用する。また、36はガイドリングであり、樹脂材によって形成されており、凹部28の中途部に内嵌・固定されている。
【0017】
38はピン状部材であり、保持プレート12の外周部に所定の間隔をおいて複数が立設され、前記凹部28へ挿入されて係合する凸部の一態様である。このピン状部材38は、保持プレート12に対して、ベースリング18および押さえリング20を介して固定されている。すなわち、押さえリング20に設けられた雌ネジにピン状部材38の下端に設けられた雄ネジが螺合し、ピン状部材38が保持プレート12に立設されている。
38aはピン頭部であり、ピン状部材38の上端部に形成されている。このピン頭部38aにより、ピン状部材38が凹部28から抜け出ることを防止など、ピン状部材38の上下方向の移動が好適に規制される。
このピン状部材38は、凹部28に対して所定の微小範囲内で相対的に移動可能に遊嵌された状態で係合する係合部として作用する。
このように凹部28にピン状部材38が係合しているため、ヘッド部材10と保持プレート12とは所定の微小範囲内で相対的に移動できる。具体的にはガイドリング36内にピン状部材38が遊挿されており、その遊び分について水平方向への相対的な移動が許容される。また、上下方向については、ピン頭部38aが、凹部28の上底面とガイドリング36の上面で移動できる範囲で、相対的な移動が許容される。
このようにヘッド部材10と保持プレート12との微小範囲の相対的移動を許容することで、板状の弾性部材14に作用する複合力を緩和することができる。これにより、平坦度の高いウェーハの鏡面研磨ができる。
なお、本実施例では、保持プレート12(保持部材)側にピン状部材38(係合部)が設けられ、ヘッド部材10側に凹部28(被係合部)が設けられているが、逆に、保持部材に被係合部を設け、ヘッド部材10側に係合部が設けられてもよい。
【0018】
図3はウェーハの保持部40を有するウェーハの研磨装置の研磨機構の側面図(一部断面図)である。
56は定盤であり、通常、上面に研磨布58が貼着されており、これによってシリコンウェーハ42の表面を研磨する研磨面60が形成されている。
この研磨面60には、スラリー等を含む液状研磨剤が供給され、保持プレート12の下面に保持されたウェーハ42の表面がその研磨面60に所定の荷重を与えられつつ当接・押圧されると共に、ウェーハ42と定盤56とを相対的に運動させることでウェーハ42の表面を鏡面研磨することができる。
また、定盤56の回転方向は、ウェーハ42を下面に保持する保持プレート12の回転と同方向に回転可能に設けられており、回転軸のズレと相互の回転数の違い、および相対的な往復運動によってウェーハ42表面と研磨面とが相対的に運動されることによって、ウェーハ42の表面が鏡面研磨される。
【0019】
また、62は主軸であり、筒状に形成されており、その筒内に高圧流体源である圧縮空気源(図示せず)に連通する管64が挿入されている。この管64は前記圧力室24に連通しており、ウェーハ42の表面を定盤56の研磨面60に当接させた際に、この圧力室24内に圧縮空気が導入されると、エアバック機能が作用し、保持プレート12の上面の略全面に均一な圧力が負荷される。これにより、所望の圧力によってウェーハ42の表面をその全面に均等な荷重を負荷しつつ、定盤56の研磨面60に押圧することができる。このとき、圧力室24に充填された圧縮空気は流体(本実施例では空気)であるため、保持プレート12の全面を均等に押圧し、ウェーハ42の表面を定盤56の研磨面60の傾斜に素早く追随させることができる。なお、43はテンプレートであり、保持プレート12の下面に装着され、ウェーハ42を囲うリング状に形成されており、ウェーハ42の横滑りを防止する。
【0020】
66はベース部材であり、保持プレート12によって保持されるウェーハ42を定盤56の研磨面60上へ供給すると共にその研磨面60上から排出するべく移動可能に設けられている。また、主軸62の先端に固定されたウェーハの保持部40を主軸62等を介して回転可能に支持している。
68は係止部であり、主軸62の上部に設けられ、下側よりも小径に形成されている。この係止部68は、シリンダ装置70のロッド72に固定されたアーム部74に、回転及びスラスト方向の両方向に軸受けする軸受部76、76を介して係止されている。また、ウェーハの保持部40と一体に設けられた主軸62は、ベース部材66に対して回転軸受78、78を介して回転可能に設けられた回転伝達部材80内に挿入されている。回転軸受78、78はベース部材66に一体に固定された立設筒部82内に装着されている。この回転伝達部材80と主軸62とは、主軸62側に固定されたキー84が、回転伝達部材80側に設けられたキー溝81内に臨むことで連繋されている。このため、回転伝達部材80と主軸62とは一体的に回転動する。また、キー溝81が長手方向である軸線方向に長く設けられているため、主軸62は、シリンダ装置70によって所定の範囲内でベース部材66に対して上下方向に移動できる。なお、図3では、ウェーハの保持部40はシリンダ装置70によって上方に移動した状態にある。
【0021】
86は駆動モータであり、ピニオンギア88及び従動ギア90を介して、その従動ギア90がキー91によって連結された回転伝達部材80を回転させる。なお、この回転伝達部材80は、ベース部材66との間に配設された回転軸受78、78によって、ベース部材66に対して回転可能に設けられている。
以上の構成からなる駆動機構を備えるウェーハの研磨装置によれば、ウェーハの保持部40にウェーハ42を保持し、定盤56の研磨面60にウェーハ表面を当接させ、そのウェーハ42に所定の荷重を与えつつ、ウェーハ42と定盤56とを相対的に運動させてウェーハ表面を鏡面研磨することができる。
【0022】
92はディストリビュータ部であり、圧縮空気源と連通するための連結ポート部である。このディストリビュータ部92に内嵌した主軸62の先端部62aを、その先端部62aが回転できるように受けている。94は連通路であり、管64に連通している。また、96はシール部材であり、このシール部材96、96にシールされて全周のリング状の空間97が形成されており、そのリング状の空間97に連通して高圧源連結ポート98が設けられている。このため、先端部62aが回転しても、圧縮空気源は、高圧源連結ポート98、リング状の空間97、連通路94、管64を通して常に圧力室24に連通できる。
【0023】
100はエンコーダ装置であり、主軸62の回転位置を検知する。ここで検知したデータに基づいて、ウェーハの保持部40を所定の位置で停止させる定位置停止装置の検知装置として作用する。
【0024】
次に以上の構成からなるウェーハの研磨装置に関して、その作動状態について説明する。
先ず、所定の位置に載置されたウェーハ42の上方からウェーハの保持部40をシリンダ装置70によって下降させ、保持プレート12の表面に水の表面張力によって吸着させる。
次に、ベース部材66を移動させることによりウェーハ42を定盤56の上方まで搬送し、さらに、シリンダ装置70によって、ウェーハの保持部40を下方に下げることにより、シリコンウェーハ42の表面を定盤56の研磨面60に当接させる。
【0025】
次に、所定の圧力の圧縮空気を圧力室24に導入することによって、ウェーハ42の表面を研磨面60に所望の圧力で押圧することができる。このとき、圧縮空気は流体であるから保持プレート12の全面を均等に押圧して、シリコンウェーハ42の表面を研磨面60の傾斜に素早く追随させることができる。
また、圧縮空気によって保持プレート12の上面全面に均等な圧力を負荷することができる。このため、シリコンウェーハ42の表面が研磨面60の傾斜に追随した状態においても、シリコンウェーハ42の表面全面を研磨面60に均等な圧力で押圧することができる。
そして、上記の如く好適にシリコンウェーハ42に荷重が負荷された状態で、定盤56の研磨面60上にスラリーを供給しつつ、定盤56が回転すると共に駆動モータ86の動力によりウェーハの保持部40が回転されて、ウェーハ42が鏡面研磨される。
このとき、ウェーハ42を研磨する際に生ずる研磨面60の傾斜等による上下動の変位に対しては、圧力室24に充填された圧縮空気と主に板状の弾性部材40とが作用して好適に追随することができる。
また、ヘッド部材10に設けられた複数の凹部28と、各凹部28に対応して固定され、その凹部28に所定の微小範囲内で相対的に移動可能に係合されたピン状部材38とを備えていることで、保持プレート12の移動を規制できる。従って、板状の弾性部材14に作用する繰り返し加重を緩和できる。これにより、板状の弾性部材14が損傷することを防止でき、結果的にエアーバッグ機能の低下を防止できる。
【0026】
(第2実施例)
次に第2実施例について図4および5にもとづいて説明する。図4は第2実施例の要部側断面図であり、図5は図4のC−C断面図である。なお、第1実施例と同一の作用を奏する部材については第1実施例と同一の符号を附し、説明は省略する。
110は凹部であり、ヘッド部材10の外壁側部10aに内側へ開口するように設けられている。112はガイド部材であり、樹脂材によって形成され、外壁側部10aに固定されている。
【0027】
114はピン状部材であり、外方へ向かって保持プレート12のウェーハを保持する平面と略平行に押さえリング20に固定されている。116はベアリングであり、凹部110の内壁面に摺接して回動可能にピン状部材114の先端部に外嵌・装着されている。このように形成されたピン状部材114の先端が、凹部に遊嵌状態に且つ滑り可能に係合している。
このようにピン状部材114がウェーハを保持する平面と略平行に設けられていることで、保持プレート20の水平方向および上下の移動を、ヘッド部材10との相対的移動の発生する近傍で規制することができる。(保持プレート12の移動を規制することによって発生する移動を防止する)確実に規制することができる。
また、ベアリング116の作用によって、保持プレート12の水平方向または上下方向のうちの一方向の移動が規制された際にも他方向の移動を許容し、保持部材の移動をより好適に吸収できる。
【0028】
次に第2実施例の変形例について図6に基づいて説明する。
図6に明らかなように、ピン状部材114の先端に鋼球120が回転可能に装着されている。これにより、ピン状部材114の先端がガイド部材112の内面に当接した場合でも滑ることが可能であり、保持プレート12の移動を好適に許容できる。これにより、板状の弾性部材14に作用する複合力を、好適に緩和できる。
【0029】
以上に説明してきた実施例では、圧縮空気によって保持プレート12を介してウェーハ42を研磨面に押圧する場合を説明したが、他の流体圧例えば油圧を利用することもできる。
以上、本発明の好適な実施例について種々述べてきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内でさらに多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、保持部材が、板状の弾性部材によってヘッド部材の内部に吊持されている。これによって、定盤の研磨面の微小な面振れに追随し、ワーク全面を均等に押圧してワークを好適に鏡面研磨するためのエアーバック機能が得られる。
そして、前記保持部材またはヘッド部材の外壁部の一方に設けられた複数の被係合部と、前記保持部材または前記外壁部の他方に前記各被係合部に対応して固定され、該被係合部に所定の微小範囲内で上下方向および水平方向に相対的に移動可能に係合された係合部とを備えていることで、前記保持部材の移動を好適に規制できる。従って、板状の弾性部材に作用する繰り返し加重を緩和できる。これにより、板状の弾性部材が損傷することを防止でき、結果的にエアーバッグ機能の低下を防止できるという著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる第1実施例を示す要部側断面図。
【図2】図1のA−A断面とB−B断面を示す説明図。
【図3】第1実施例を備えるウェーハの研磨装置を示す側断面図。
【図4】本発明にかかる第2実施例を示す要部側断面図。
【図5】図3のC−C断面図。
【図6】第2実施例の変形例を示す要部側断面図。
【図7】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】
10 ヘッド部材
12 保持プレート
14 板状の弾性部材
14a 外側部
14b 内側部
16 側壁リング
24 圧力室
28 凹部
36 ガイドリング
38 ピン状部材
40 保持部
42 ウェーハ
56 定盤
116 ベアリング
Claims (6)
- ワークを保持可能な保持部材を有し、主軸に連結されて回転可能に設けられた保持部と、表面に研磨面が形成され、回転する前記保持部に対して相対的に運動して、前記保持部材に保持されたワークの表面を研磨する定盤と、前記保持部と定盤とを相対的に運動させる運動機構とを備える研磨装置の前記研磨面へワークを所定の荷重で押圧する研磨装置のワーク押圧機構において、
前記保持部が、
前記主軸に連結され、下方に向けて開放する凹状のヘッド部材と、
外側部が前記ヘッド部材を形成する外壁部に固定されると共に内側部が前記保持部材に固定され、該保持部材を上下方向及び水平方向への移動を微小範囲内で許容可能に吊持する板状の弾性部材と、
前記ヘッド部材の内部を前記保持部材および前記板状の弾性部材によって画成して設けられる圧力室と、
該圧力室に所定圧力の流体を供給する流体の供給手段と、
前記保持部材または前記外壁部の一方に設けられた複数の被係合部と、
前記保持部材または前記外壁部の他方に前記各被係合部に対応して固定され、該被係合部に所定の微小範囲内で上下方向および水平方向に相対的に移動可能に係合された係合部とを備えることを特徴とする研磨装置のワーク押圧機構。 - 前記保持部材に設けられる被係合部または係合部が、該保持部材の外周縁近傍に設けられたことを特徴とする請求項1記載の研磨装置のワーク押圧機構。
- 前記被係合部が凹部であり、前記係合部が凸部であって、凹部に凸部が挿入されて係合していることを特徴とする請求項1または2記載の研磨装置のワーク押圧機構。
- 前記凸部が、保持部材のワークを保持する平面と略平行に設けられたことを特徴とする請求項3記載の研磨装置のワーク押圧機構。
- 前記凸部が挿入される前記凹部の内壁が、樹脂材によって形成されていることを特徴とする請求項3または4記載の研磨装置のワーク押圧機構。
- 前記凸部は、前記凹部の内壁面に摺接して回動可能なベアリングが外嵌されてなることを特徴とする請求項3、4または5記載の研磨装置のワーク押圧機構。
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