JP3704127B2 - 無線送信装置、無線受信装置及び無線送信方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、符号分割多元接続(以下、CDMAと略称する)方式における無線送信装置、無線受信装置及び無線送信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CDMA方式では、使用できるユーザ数を増加させるために、できる限り送信電力を抑えなければならない。送信電力を抑えるための技術として、無音中は送信電力を断にするVOX(voice Operated Transmission)伝送制御が知られている。VOX伝送制御を用いることにより、送信電力を抑えることができる。ただし、VOX伝送制御では、無音中においても、同期保持もしくは送信電力制御のために、一部の情報を周期的に送信する必要がある。送信例を図10に示す。
【0003】
送信信号は、図10(a)に示すように、常時送信情報と随時送信情報とを含む無線フレームを繰り返して構成されている。常時送信情報は、同期保持もしくは送信電力制御のために必要な情報である。随時送信情報は、音声情報等の送信情報量が時間とともに変動する情報である。随時送信情報が音声情報である場合で、伝送すべき音声情報が存在する場合には、図10(b)に示すように、送信信号は、常時送信されている。VOX伝送制御により、伝送すべき音声情報が存在しない場合には、図10(c)に示すように、常時送信情報のみ送信し、随時送信情報は送信しない。この場合には、周期的に常時送信情報が送信されることにより、周期的な間欠送信となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
周期的な間欠送信を行った場合には、近隣の音響機器(例えば電話の受話器)に対し電磁誘導によりスピーカから異音を発生させる現象(ヒアリングエイド)が生じうる。第2世代移動通信システムとして世界的に用いられている時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式では、周期的な間欠送信を行うため、ヒアリングエイドが発生し、問題となっている。先に述べたようにCDMA方式においてもVOX制御を用いることにより間欠送信になる。VOX制御だけでなく、随時送信情報が制御情報である場合においても、制御情報がない場合に随時送信情報を止めた場合に間欠送信となる。そのため、CDMA方式の場合も同様にヒアリングエイドが発生しうるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、無線フレーム毎に随時送信情報の伝送情報量が少ない程拡散率を大きくし、送信電力を小さくして連続的に送信することにより、ヒアリングエイドの発生を防止し得るCDMA移動通信システムにおける無線送信装置、無線受信装置及び無線送信方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、伝送情報量が時間と共に変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信システムにおいて、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信装置であって、入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する伝送情報量検出手段と、所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記無線フレームの送信電力とを算出する制御手段と、算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記無線フレームの1ビットを拡散する拡散手段と、算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記無線フレームを送信する送信手段とを具備することを要旨とする。
【0007】
本発明の第1の特徴によれば、例えば、無線フレーム毎に、随時送信情報の伝送情報量が少ない程、拡散率を大きくして送信電力を小さくすることによって、随時送信情報の伝送情報量が少なくなっても連続的に送信することにより、従来のようなヒアリングエイドの発生を防止することができる。
【0008】
また、本発明の第1の特徴において、前記制御手段が、前記所定期間において検出された前記伝送情報量が多い場合には、前記所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数が小さくするように算出することが好ましい。
【0009】
また、本発明の第1の特徴において、前記制御手段が、前記所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数に反比例するように、前記所定期間における前記無線フレームの送信電力を算出することが好ましい。
【0010】
また、本発明の第2の特徴は、伝送情報量が時間と共に変化するデータを予め設定した複数の拡散率の中からその伝送情報量に応じて選択した拡散率で拡散された信号を受信し、逆拡散する無線受信装置であって、受信した信号を複数の拡散率で逆拡散する逆拡散手段と、前記逆拡散手段により複数の拡散率で逆拡散された信号の各々の受信レベルを測定するレベル測定手段と、前記レベル測定手段で測定された複数の受信レベルを比較して、受信レベルが最大の信号を選択して復調する選択手段とを具備することを要旨とする。
【0011】
また、本発明の第3の特徴は、伝送情報量が時間とともに変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信方式において、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信装置であって、入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する伝送情報量検出手段と、所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記無線フレームの送信電力とを算出する制御手段と、前記送信信号を2つの系列の無線フレームに分けて出力する無線フレーム構成手段と、前記無線フレーム構成手段から出力された前記2つの系列の無線フレームを、互いに直交する位相の搬送波で変調する変調手段と、算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームの各々の1ビットを拡散する拡散手段と、算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームの各々を送信する送信手段とを具備することを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴によれば、例えば、2つの系列の無線フレームの同相成分又は直交成分の少なくとも一方において、無線フレーム毎に、随時送信情報の伝送情報量が少ない程、拡散率を大きくして送信電力を小さくすることによって、随時送信情報の伝送情報量が少なくなっても連続的に送信することにより、従来のようなヒアリングエイドの発生を防止することができる。
【0013】
また、本発明の第4の特徴は、伝送情報量が時間と共に変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信システムにおいて、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信方法であって、入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する工程と、所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記無線フレームの送信電力とを算出する工程と、算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記無線フレームの1ビットを拡散する工程と、算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記無線フレームを送信する工程とを有することを要旨とする。
【0014】
また、本発明の第5の特徴は、伝送情報量が時間とともに変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信方式において、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信方法であって、入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する工程と、所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記無線フレームの送信電力とを算出する工程と、前記送信信号を2つの系列の無線フレームに分けて出力する工程と、前記無線フレーム構成手段から出力された前記2つの系列の無線フレームを、互いに直交する位相の搬送波で変調する工程と、算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームの各々の1ビットを拡散する工程と、算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームの各々を送信する工程とを具備することを要旨とする。
【0015】
また、本発明の第5の特徴において、前記送信信号が、常時送信情報と前記随時送信情報とを含み、前記2つの系列の無線フレームのうち、第1の無線フレームが、常時送信情報を含み、前記2つの系列の無線フレームのうち、第2の無線フレームが、前記常時送信情報を含まないことが好ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
図1および図2は、それぞれ本発明の一実施形態に係るCDMA移動通信システムにおける信号伝送方法を実施する無線送信装置(TX)および無線受信装置(RX)の基本構成を示すブロック図である。
【0018】
まず、図1に示す無線送信装置(TX)の構成について説明する。図1に示す無線送信装置(TX)では、送信信号は、常時送信情報と随時送信情報で構成されて入力され、常時送信情報は、無線フレーム構成部3に供給され、随時送信情報は、伝送情報量検出部1に供給される。伝送情報量検出部1は、入力された随時送信情報の伝送情報量を検出し、この検出結果(伝送情報量)を制御部2に供給する。
【0019】
制御部2は、随時送信情報の伝送情報量の検出結果に基づき、所定期間に検出された随時送信情報の伝送情報量が少ない程、該所定期間における無線フレーム中のビット数を少なくし、拡散率を大きくし、増幅量を下げるように、無線フレーム中のビット数、拡散率、および増幅率を演算し、これらの情報を無線フレーム構成部3、拡散部5および増幅部6にそれぞれ供給し、これらのビット数、拡散率、および増幅率をそれぞれ制御する。
【0020】
また、無線フレーム構成部3は、制御部2によって指定された無線フレーム中のビット数に基づいて、無線フレームを構成する。このように構成された無線フレームは、変調部4において1次変調され、それから拡散部5で拡散変調されるが、この場合の拡散部5における拡散変調は、前記所定期間毎に、制御部2で指定された拡散率で行われる。このように、拡散部5で拡散変調された無線フレームは、増幅部6において制御部2で指定された増幅率で増幅され、送信アンテナ7から送信される。なお、拡散率は、図3で説明するように、無線フレームの1ビット(情報ビットレート)に対する拡散符号のチップ数(拡散チップレート)の比である。
【0021】
次に、図2に示す無線受信装置(RX)の構成について説明する。図2に示す無線受信装置(RX)では、受信アンテナ8で受信された信号は、複数の逆拡散部9で逆拡散が施され、この逆拡散された各信号は、複数のレベル測定部10および選択部12に供給される。複数のレベル測定部10においては、各信号レベルを測定し、この各測定結果は、レベル比較部11に供給される。レベル比較部11は、各レベル測定部10の測定結果を比較し、信号レベルの最も大きな信号を選択するように選択部12に指定する。選択部12は、指定された信号が正しい拡散率にて拡散された信号であるとして、指定された信号を複数の逆拡散信号から選択し、復調部13に供給する。復調部13は、1次変調に対するデータ復調を行う。
【0022】
上記実施形態において、図1の制御部2にて指定される拡散率を、例えば、64,128,256のように予め複数決定しておき、伝送情報量に応じて適している拡散率を選択して送信してもよい。この場合、図2に示す無線受信装置(RX)では、逆拡散部9およびレベル測定部10を拡散率の数と同じ数だけ用意すればよい。例えば、3通りの拡散率を用意した場合には、逆拡散部9およびレベル測定部10は、3個ずつ設ければよい。
【0023】
なお、図2に示す無線受信装置(RX)においては、複数の逆拡散部9およびレベル測定部10を使用しているが、逆拡散部9およびレベル測定部10をそれぞれ1つとして、この各1つの逆拡散部9およびレベル測定部10を時分割で処理する方法でも同様に行うことができる。
【0024】
図3は、図1の無線送信装置(TX)において、無線フレーム構成部3から出力された無線フレーム構成、拡散部5における拡散符号、および増幅部6で増幅された後の送信電力を示している。
【0025】
図3において、区間(a)は、無線フレームが、常時送信情報と随時送信情報とを組み合わせてAビットで構成される場合であり、区間(b)は、随時送信情報の伝送情報量が、区間(a)の場合より少ない場合であり、無線フレームが、Bビット(B<A)で構成される場合を示している。どちらの場合においても拡散部5で使用する拡散符号の速度は、図3(b)に示すように同一である。
【0026】
区間(a)に示すように、1無線フレームがAビットで構成されている場合には、制御部2は、拡散部5に、無線フレームの1ビットを拡散符号Xチップの拡散率で拡散させ、増幅部6には、図3(c)で示すように、送信電力Pで送信させる。
【0027】
随時送信情報の伝送情報量が、時間と共に変化し、区間(b)に示すように、1無線フレームが、Bビットで構成される場合には、制御部2は、拡散部5に、拡散信号速度を変えず、無線フレームの1ビットを拡散符号X・A/Bチップの拡散率で拡散させ、増幅部6には、送信電力P・B/Aで送信させる。
【0028】
すなわち、制御部2は、所定期間における無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数に反比例するように、所定期間における無線フレームの送信電力を増幅部6に指示する。
【0029】
前記の説明において、1無線フレームがBビットで構成される場合に、送信電力をP・B/Aとすることができる理由を、以下に述べる。受信側での受信品質は、送信側での送信電力と拡散率で決まる。拡散率は、別名拡散利得と呼ばれ、その値が大きいほど受信品質は向上する。1無線フレームがAビットで構成され、1ビットをXチップで拡散した場合には、拡散率つまり拡散利得はXである。随時送信情報の伝送情報量が減少し、1無線フレームがBビットで構成され、1ビットをX・A/Bチップで拡散した場合には、拡散利得は、X・A/Bである。よって1無線フレームがBビットで構成される場合は、1無線フレームがAビットで構成される場合に対し、拡散利得をA/B倍にすることができ、受信品質もA/B倍とすることができる。この拡散利得による受信品質向上は、所要の受信品質に対して余裕を与えることとなる。この余裕分を送信電力の低減に振り分けることができる。つまり、1無線フレームがBビットで構成される場合の送信電力を1無線フレームがAビットで構成される場合に対し、B/A倍に低減することができる。送信電力を低減しても、拡散利得の向上分により受信品質は変化しない。
【0030】
上述したように、区間(b)に示した如く、随時送信情報の伝送情報量が減った場合においても連続送信とすることができるため、ヒアリングエイドの発生を防ぐことができる。
【0031】
図4および図5は、それぞれ本発明の他の実施形態に係る信号伝送方法を実施する無線送信装置(TX)および無線受信装置(RX)の基本構成を示すブロック図である。
【0032】
まず、図4に示す無線送信装置(TX)の構成について説明する。図4に示す無線送信装置(TX)では、図1に示す無線送信装置(TX)と同様に、送信信号は、常時送信情報と随時送信情報で構成されて入力され、常時送信情報は、無線フレーム構成部16に供給され、随時送信情報は、伝送情報量検出部14に供給される。伝送情報量検出部14は、随時送信情報の伝送情報量を検出し、この検出結果を制御部15に供給する。
【0033】
制御部15は、この検出結果に基づき、所定期間における伝送情報量が少ない程、該所定期間における無線フレーム中のビット数を少なくし、拡散率を大きくし、増幅量を下げるように、無線フレーム中のビット数、拡散率、および増幅率を演算し、これらの情報を無線フレーム構成部16、拡散部21,23および増幅部22,24にそれぞれ供給し、これらのビット数、拡散率、および増幅率をそれぞれ制御する。
【0034】
また、無線フレーム構成部16は、制御部15によって指定された無線フレーム中のビット数に基づいて、2つの系列の無線フレーム、すなわち同相成分用無線フレームおよび直交成分用無線フレームを構成する。同相成分用無線フレームおよび直交成分用無線フレームは、変調器17,20で1次変調を施される。搬送波発振部18は、変調に必要な搬送波を発生し、変調器17に同相成分用搬送波として供給するとともに、この同相成分用搬送波を位相変換器19を通すことにより位相をπ/2異ならせ、直交成分用搬送波として変調器20に供給する。
【0035】
変調器17,20で、それぞれ同相成分と直交成分とに変調された後、拡散部21,23で、それぞれ拡散変調が施される。この場合の拡散率は、上述したように、所定期間毎に制御部15から指定された値である。拡散部21,23で拡散変調された各成分は、それぞれ増幅器22,24において制御部15から指定された増幅率で増幅され、合成部25で同相成分および直交成分を合成した後、送信アンテナ26から送信される。
【0036】
なお、拡散部21,23の拡散率、および増幅部22,24の増幅率は、必ずしも同一である必要はなく、それぞれの無線フレーム構成毎に適した値を使用することができる。
【0037】
次に、図5に示す無線受信装置(RX)の構成について説明する。図5に示す無線受信装置(RX)では、受信アンテナ27で受信された信号は、2つの成分に分けられ、各成分毎に、複数の逆拡散部28および32で逆拡散される。なお、逆拡散部28,32では、無線送信装置(TX)の拡散部21,23で使用した拡散符号をそれぞれ使用して逆拡散が行われる。逆拡散された各信号は、複数のレベル測定部29,33および選択部31,35に供給される。複数のレベル測定部29,33においては、それぞれ各成分の信号レベルを測定し、その測定結果をレベル比較部30,34に供給する。各レベル比較部30,34は、それぞれ複数のレベル測定部29,33から供給された測定レベルを比較し、信号レベルの最も大きな信号を選択するように、各選択部31,35に指定する。各選択部31,35は、それぞれレベル比較部30,34から指定された各信号を選択し、この選択した各信号をそれぞれ復調部36,37で復調し、これにより同相成分用無線フレームおよび直交成分用無線フレームが生成される。
【0038】
本実施形態においても、図1,2の実施形態と同様に、制御部15にて指定される拡散率を予め複数決定しておき、伝送情報量に応じて適している拡散率を選択して送信してもよい。また、本実施形態の無線受信装置(RX)においても、複数の逆拡散部28,32および複数のレベル測定部29,33を使用しているが、それぞれ1つとして、この各1つの逆拡散部およびレベル測定部を時分割で処理してもよい。
【0039】
また、無線フレーム構成部16で構成される無線フレームは、同相成分および直交成分ともに常時送信情報を含む場合と、どちらか一方のみに常時送信情報を含む場合とがある。
【0040】
常時送信情報が両成分に含まれる場合は、上記図3の無線フレームを2ビット毎に2つに分け、2つのビット列にS/P変換したものであるので、両成分共に図3と同様な構成をとる。また、制御部15による拡散部21および23、増幅部22および24に対する各々の制御方法も前記と同様である。
【0041】
常時送信情報が一方の成分にのみ含まれる場合の制御部15による拡散部21および23、増幅部22および24に対する各々の制御方法について説明する。
【0042】
常時送信情報が含まれる成分が同相成分、含まれない成分が直交成分である場合、無線フレーム構成部16出力後の同相成分用無線フレーム構成、拡散部21における拡散符号、増幅部22にて増幅後の送信電力は図3と同様である。また、無線フレーム構成部16出力後の直交成分用無線フレーム構成、拡散部23における拡散符号、増幅部24にて増幅後の送信電力を図6に示す。常時送信情報がないことを除き、制御方法は図3と同様である。
【0043】
同相成分、直交成分共に制御部15の各成分毎の制御方法は上記と基本的に同様であるが、直交成分は随時送信情報のみであるので、随時送信情報のビット列がある所定期間内に全くない場合には、送信をOFFするような制御を行う。
【0044】
また、随時送信情報のみである直交成分は、図7のように、拡散率を変化させずに、ある固定の拡散率を用いることもできる。この場合、図7の区間(b)のように所定期間内のビット数が減少しても、1ビットを拡散する拡散符号のチップ数は変化しないので、送信電力は図7の区間(a)の場合と同一である。直交成分は連続送信にはならないが、同相成分が連続送信のため、ヒアリングエイドの影響を低減できる。また、常時送信情報を含む成分を直交成分、含まない成分を同相成分である構成でも同様に行うことができる。
【0045】
随時送信情報としては、ユーザ情報と制御情報とが考えられ、図1の無線フレーム構成部3出力後の無線フレーム構成の種類は図8の3種類、図4の無線フレーム構成部16出力後の無線フレーム構成の種類は図9の4種類が考えられる。
【0046】
すなわち、同相成分、および直交成分共に常時送信情報を含む場合には、図8に示すように、
(a−1)随時送信情報は、ユーザ情報のみ含む。
【0047】
(a−2)随時送信情報は、ユーザ情報と制御情報共に含む。
【0048】
(a−3)随時送信情報は、制御情報のみ含む。
【0049】
の3通りがある。また、常時送信情報が片成分のみ含む場合には、図9に示すように、
(b−1)常時送信情報を含む成分は、ユーザ情報のみ含み、常時送信情報を含まない成分は、制御情報のみ含む。
【0050】
(b−2)常時送信情報を含む成分は、ユーザ情報のみ含み、常時送信情報を含まない成分は、ユーザ情報と制御情報共に含む。
【0051】
(b−3)常時送信情報を含む成分は、制御情報のみ含み、常時送信情報を含まない成分も制御情報のみ含む。
【0052】
(b−4)常時送信情報を含む成分は、ユーザ情報のみ含み、常時送信情報を含まない成分もユーザ情報のみ含む。
【0053】
の4通りがある。
【0054】
特に上記(a−1),(a−3),(b−1)においては、各成分毎に拡散率および送信電力の決定をユーザ情報もしくは制御情報のどちらか一方の伝送情報量で決定できる利点がある。また、上記(b−2)においては、概して、ユーザ情報と制御情報とで、最大伝送情報量が異なり、制御情報量の方が少ないため、少なくとも制御情報は、同相成分もしくは直交成分のどちらか一方で送信する。これにより制御情報がなく、ユーザ情報の含まれる成分の拡散率をユーザ情報の伝送情報量だけで決定できるという利点がある。
【0055】
また、常時送信情報には、同期検波用のパイロットシンボル、同期検波用のユニークワード、および送信電力制御ビットが含まれうる。同期検波用のパイロットシンボルについては、特願平6−140569号に詳細に記載されている。同期保持用のユニークワードは、現在日本で実施中のディジタル方式自動車電話システム(PDC:Personal Digital Cellular )に使用されており、既存の技術である。また、送信電力制御ビットについては、米国特許第5,056,109号に詳細に記載されている。
【0056】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無線フレーム毎に随時送信情報の伝送情報量が少ない程拡散率を大きくして送信電力を小さくするので、随時送信情報の伝送情報量が少なくなっても連続的に送信することにより、周期的な間欠送信を行う場合の問題となるヒアリングエイドの発生を防止することができる。
【0057】
また、本発明によれば、同相成分または直交成分の少なくとも一方において無線フレーム毎に随時送信情報の伝送情報量が少ない程拡散率を大きくして、該成分の送信電力を小さくするので、随時送信情報の伝送情報量が少なくなっても連続的に送信することにより、周期的な間欠送信を行う場合に問題となるヒアリングエイドの発生を防止することができる。
【0058】
更に、本発明によれば、常時送信情報を含む成分の拡散率を変化させ、連続送信することにより、随時送信情報のみの成分が連続送信にならない場合でもヒアリングエイドの影響を低減することができる。
【0059】
本発明によれば、各成分毎に拡散率および送信電力の決定をユーザ情報または制御情報のどちらか一方の伝送情報量で決定することができる。
【0060】
また、本発明によれば、概してユーザ情報と制御情報とで最大伝送情報量が異なり、制御情報量の方が少ないため、少なくとも制御情報を同相成分または直交成分のどちらか一方で送信することにより、制御情報がなく、ユーザ情報の含まれる成分の拡散率をユーザ情報の伝送情報量だけで決定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るCDMA移動通信システムにおける信号伝送方法を実施する無線送信装置(TX)の基本構成を示すブロック図である。
【図2】図1の無線送信装置(TX)と共に使用され、本発明の一実施形態に係る信号伝送方法を実施する無線受信装置(RX)の基本構成を示すブロック図である。
【図3】図1の無線送信装置(TX)において無線フレーム構成部から出力された無線フレーム構成、拡散部における拡散符号および増幅部で増幅された後の送信電力を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る信号伝送方法を実施する無線送信装置(TX)の基本構成を示すブロック図である。
【図5】図4の無線送信装置(TX)と共に使用され、本発明の他の実施形態に係る信号伝送方法を実施する無線受信装置(RX)の基本構成を示すブロック図である。
【図6】図4の無線送信装置(TX)において無線フレーム構成部から出力された無線フレーム構成、拡散部における拡散符号および増幅部で増幅された後の送信電力を示す図である。
【図7】随時送信情報のみの直交成分の拡散率を変化させない場合における図4の無線送信装置(TX)において無線フレーム構成部から出力された無線フレーム構成、拡散部における拡散符号および増幅部で増幅された後の送信電力を示す図である。
【図8】同相成分と直交成分の両成分に常時送信情報を含む場合の無線フレーム構成を示す図である。
【図9】片方の成分のみに常時送信情報を含む場合の無線フレーム構成を示す図である。
【図10】従来の信号伝送方法を示す無線フレーム構成、送信電力(TX POWER)を示す図である。
【符号の説明】
1 伝送情報量検出部
2 制御部
3 無線フレーム構成部
5 拡散部
6 増幅部
9 逆拡散部
10 レベル測定部
11 レベル比較部
12 選択部
13 復調部
Claims (8)
- 伝送情報量が時間と共に変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信システムにおいて、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信装置であって、
入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する伝送情報量検出手段と、
前記送信信号を同相成分用と直交成分用の2つの系列の無線フレームとして出力する無線フレーム構成手段と、
所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの送信電力とを算出する制御手段と、
算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットを拡散する拡散手段と、
算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームを送信する送信手段とを具備することを特徴とする無線送信装置。 - 前記送信信号は、常時送信情報と前記随時送信情報とを含み、
前記2つの系列の無線フレームのうち、第1の無線フレームは、常時送信情報を含み、
前記2つの系列の無線フレームのうち、第2の無線フレームは、前記常時送信情報を含まないことを特徴とする請求項1に記載の無線送信装置。 - 前記制御手段は、前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数を予め複数決定しておき、前記随時送信情報の伝送情報量に応じて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数を選択することを特徴とする請求項1又は2に記載の無線送信装置。
- 前記第2の無線フレームに含まれる前記随時送信情報が所定期間内にない場合、該第2の無線フレームの送信をオフにすることを特徴とする請求項3に記載の無線通信装置。
- 伝送情報量が時間と共に変化する随時送信情報を含む送信信号により構成される無線フレームを繰り返し伝送するCDMA移動通信方式において、拡散符号を用いて前記送信信号を拡散して送信する無線送信方法であって、
入力された前記送信信号内の随時送信情報の伝送情報量を検出する工程と、
前記送信信号を同相成分用と直交成分用の2つの系列の無線フレームとして出力する工程と、
所定期間において検出された前記伝送情報量に応じて、該所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数と、該所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの送信電力とを算出する工程と、
算出された前記拡散符号のチップ数に対応する拡散符号を用いて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットを拡散する工程と、
算出された前記送信電力で、前記拡散手段により拡散された前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームを送信する工程とを具備することを特徴とする無線送信方法。 - 前記送信信号は、常時送信情報と前記随時送信情報とを含み、
前記2つの系列の無線フレームのうち、第1の無線フレームは、常時送信情報を含み、
前記2つの系列の無線フレームのうち、第2の無線フレームは、前記常時送信情報を含まないことを特徴とする請求項5に記載の無線送信方法。 - 前記算出する工程において、前記無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数を予め複数決定しておき、前記随時送信情報の伝送情報量に応じて、前記所定期間における前記2つの系列の無線フレームのうち随時送信情報を含む無線フレームの1ビットに対する拡散符号のチップ数を選択することを特徴とする請求項5又は6に記載の無線送信方法。
- 前記第2の無線フレームに含まれる前記随時送信情報が所定期間内にない場合、該第2の無線フレームの送信をオフにすることを特徴とする請求項6に記載の無線通信方法。
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