JP3703956B2 - Splittable fiber and fiber sheet using the splittable fiber - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は分割性繊維及びこの分割性繊維を使用した繊維シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばアルカリ電池用セパレータとして使用する不織布においては、電極間の短絡が生じないように、緻密であることが必要とされる。そのため、水流などの外力によって極細繊維に分割可能な分割性繊維を含む繊維ウエブに対して外力を作用させ、極細繊維を発生させることにより緻密な不織布を製造していた。
【0003】
この分割性繊維としては、例えば図6に繊維断面図を示すように、ポリプロピレン3と高密度ポリエチレン4とが互いに隣接して配置されたオレンジ状の断面形状を有するものが使用されていた。この分割性繊維はいずれもオレフィン系樹脂からなるため、アルカリ電池用セパレータのように耐アルカリ性を必要とする用途に好適に使用することができる。しかしながら、この分割性繊維はポリプロピレン3と高密度ポリエチレン4との相溶性が高いため、水流などの外力を作用させても分割性繊維が分割される前に移動してしまい、容易に分割できない、という問題があった。このような問題は繊維長が短く、より自由度の高い分割性繊維を使用する、湿式法により形成した繊維ウエブに対して水流などの外力を作用させる場合に顕著であった。
【0004】
そこで、この問題を解決するために、この分割性繊維以外に熱融着性繊維を混合しておき、この熱融着性繊維の融着により分割性繊維を固定し、分割性繊維の自由度を低くした状態で、水流などの外力を作用させて分割する、という手段が採られていた。しかしながら、この方法によっても分割性繊維が十分に固定されている訳ではないため、分割が不十分となる傾向があった。
【0005】
また、上述のようなポリオレフィン系樹脂のみからなる分割性繊維を分割して製造した不織布は親水性が低いため、親水性を必要とする用途に使用することが困難であったり、別途親水化処理を実施する必要があり、煩雑であるという問題もあった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれらの問題点を解決するためになされたものであり、分割性及び親水性に優れる分割性繊維、及びこの分割性繊維を使用した繊維シートを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の分割性繊維は、メタクリル酸とエチレンとからなるエチレンコポリマーと、このエチレンコポリマーよりも融点の高い高融点ポリマーとを含み、エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率は1〜20mass%であり、このエチレンコポリマーと高融点ポリマーとが隣接して配置しており、しかも少なくともエチレンコポリマーが表面に露出している。
【0008】
このように、本発明の分割性繊維はエチレンコポリマーを含んでおり、上記のようなエチレンコポリマーは融点が低く、このエチレンコポリマーを融着させることによって分割性繊維の自由度をなくすことができるため、外力によって容易に分割することができる。また、メタクリル酸を含むエチレンコポリマーは融着力及び親水性にも優れている。
【0009】
本発明の繊維シートは上記分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さ、剛性、及び親水性に優れている。また、本発明の別の繊維シートは上記分割性繊維が分割した状態、つまり極細繊維を含む状態であるため、緻密な構造を有し、親水性にも優れている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明におけるエチレンコポリマーは、メタクリル酸とエチレンとからなるものであり、分割性繊維を分割する前の段階で分割しやすいように融着する融着成分としての働き、親水性を付与する親水性成分としての働き、場合によっては、分割性繊維を分割して極細繊維を発生した後に、極細繊維を融着する融着成分としての働きをする。
【0012】
本発明におけるエチレンコポリマーはメタクリル酸を含んでいる。なお、本発明のエチレンコポリマーはエチレンとメタクリル酸とが交互に入ったものであっても、ランダムに入ったものであっても、ブロックに入ったものであっても、或いはそれらの混合物であっても、本発明において使用することができる。
【0013】
このエチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率は、1〜20mass%であることが必要である。メタクリル酸の比率が1mass%未満であると、融着力が低くなり過ぎる傾向があり、メタクリル酸の比率が20mass%を越えると、融点が低くなり過ぎて、耐熱性を必要とする用途に使用することができなくなる場合があるためで、より好ましくは3〜18mass%であり、最も好ましくは5〜16mass%である。なお、このエチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率はFT−IR(フーリエ変換赤外分光装置)により測定することができる。
【0014】
本発明の分割性繊維は上述のようなエチレンコポリマー以外に、上述のエチレンコポリマーよりも融点の高い高融点ポリマーを含んでいる。この高融点ポリマーはエチレンコポリマーを融着させる際に、融着しないで分割性繊維の繊維形状を維持し、分割して発生する極細繊維を構成するため、緻密な構造を有する繊維シートを製造することができる。
【0015】
この高融点ポリマーはエチレンコポリマーを融着させる温度下においても、繊維形状を維持する必要があるため、エチレンコポリマーよりも高い融点を有する。この高融点ポリマーはエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高い融点を有するのが好ましく、20℃以上高い融点を有するのがより好ましく、30℃以上高い融点を有するのが最も好ましい。なお、本発明における融点は、示差熱量計を用い、昇温温度20℃/分で、室温から昇温して得られる融解吸収曲線の極値を与える温度をいう。
【0016】
この高融点ポリマーとしては、例えば、高密度又は低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレンなどの溶融紡糸可能なものを好適に使用できる。これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンはエチレンコポリマーとの相溶性が高く、外力によって分割しにくいものであるが、前述のようなエチレンコポリマーと組合わせ、エチレンコポリマーを融着させて固定した後に外力を作用させることにより、容易に分割することができる。なお、高融点ポリマーとしてポリエチレンを使用する場合には、より融点の高い高密度ポリエチレンを使用するのが好ましい。また、高融点ポリマーは一種類である必要はなく、二種類以上混在していても良いし、極細繊維を構成する高融点ポリマーごとに異なっていても良い。
【0017】
このようなエチレンコポリマーと高融点ポリマーとの混合質量比率は、20:80〜80:20であるのが好ましい。エチレンコポリマーの比率が20mass%未満であると、融着力が低下する傾向があり、80mass%を越えると、高融点ポリマーの比率が少なくなり過ぎて極細繊維の発生量が少なくなり、緻密な繊維シートを製造できない場合があるためで、より好ましくは30:70〜70:30であり、最も好ましくは40:60〜60:40である。
【0018】
本発明の分割性繊維はエチレンコポリマーと高融点ポリマーとが隣接して配置しており、しかも少なくともエチレンコポリマーが表面に露出している。そのため、エチレンコポリマーを融着させることによって分割性繊維を固定し、この分割性繊維に外力を作用させることにより、エチレンコポリマーと高融点ポリマーとの境界で剥離させ、極細繊維を発生させることができる。なお、繊維表面がエチレンコポリマーのみからなる場合には、外力によってエチレンコポリマーを破壊させると同時に、エチレンコポリマーと高融点ポリマーとの境界で剥離させて、極細繊維を発生させることができる。
【0019】
このエチレンコポリマーと高融点ポリマーとは隣接していれば良く、配置状態は特に限定するものではないが、例えば、図1に示すように、断面形状が扇形状のエチレンコポリマー1と高融点ポリマー2とが互いに隣接している状態、図2に示すように、断面形状が涙形状のエチレンコポリマー又は高融点ポリマー2と、断面形状が銀杏形状の高融点ポリマー又はエチレンコポリマー1とが互いに隣接している状態、図3に示すように、繊維軸から伸びるエチレンコポリマー又は高融点ポリマー2によって高融点ポリマー又はエチレンコポリマー1が扇形状に分割された状態、或いは図4に示すように、エチレンコポリマー1と高融点ポリマー2とが層状に積層されて互いに隣接している状態などがある。これらの中でも、どの方向から外力が作用しても分割しやすい、図1〜図3に示す態様の分割性繊維が好適であり、繊維表面に露出しているエチレンコポリマーの割合の高く、融着力のより優れる、図2又は図3に示す態様の分割性繊維がより好適である。
【0020】
なお、分割性繊維は図1〜4に示すように断面形状が円形であっても良いし、図5に示すような略四角形状などの非円形であっても良い。この非円形の断面形状としては、他に楕円状、長円状、T状、Y状、+状、中空状、多角形状などを例示できる。
【0021】
また、極細繊維の構成単位であるエチレンコポリマー1と高融点ポリマー2は何個あっても良いが、緻密な繊維シートを形成できるように、分割して発生する極細繊維の繊維径が0.1〜15μmとなるような数だけあれば良い。なお、本発明においては、繊維の断面形状が非円形である場合には、断面積と同じ面積を有する円の直径を繊維径とみなす。
【0022】
本発明の分割性繊維は分割性繊維を融着固定できるように、少なくともエチレンコポリマーが表面に露出している。なお、外力によってより容易に分割できるように、エチレンコポリマー1と高融点ポリマー2のいずれもが表面に露出しているのが好ましい。この場合、エチレンコポリマー1による融着が生じやすいように、エチレンコポリマー1の露出率は30%以上(高融点ポリマー2の露出率は70%以下)であるのが好ましく、40%以上(高融点ポリマー2の露出率は60%以下)であるのがより好ましい。なお、この露出率は繊維表面積に対する露出面積の百分率をいう。
【0023】
なお、本発明の分割性繊維は分割性により優れるように、繊維表面に窪み5を有するのが好ましく、特にエチレンコポリマー1と高融点ポリマー2との境界において窪み5を有するのが好ましい(図7参照)。このように、エチレンコポリマー1と高融点ポリマー2との境界に窪み5を有すると、繊維表面全体をエチレンコポリマー1で被覆していたとしても、外力によって容易に分割することができる。また、エチレンコポリマー1と高融点ポリマー2の両方が繊維表面に露出している場合には、より容易に分割することができる。なお、この「窪み」とは、滑らかな繊維表面から陥没している状態をいい、繊維の長さ方向及び周方向に不連続である。このような窪みは電子顕微鏡写真により容易に確認することができる。
【0024】
このような分割性繊維の繊度は特に限定されるものではないが、前述のような繊維径の極細繊維を発生しやすいように、50μg/m〜600μg/mであるのが好ましい。また、分割性繊維はフィラメントであっても良いし、1〜160mm長程度に裁断されたステープルであっても良い。なお、繊維の自由度が高いため分割しにくい、1〜30mm長程度の分割性繊維であっても、分割性に優れている。
【0025】
なお、エチレンコポリマー及び/又は高融点ポリマー中に、例えば、吸湿剤、艶消し剤、顔料、難燃剤、安定剤、帯電防止剤、着色剤、染色剤、導電剤、親水化剤、脱臭剤、或いは抗菌剤などの機能性物質を混合し、各種機能を付加することもできる。
【0026】
このような本発明の分割性繊維は、常法の複合紡糸装置を利用することにより容易に紡糸することができる。例えば、エチレンコポリマーがエチレン−メタクリル酸コポリマーからなり、高融点ポリマーがポリプロピレンからなる場合、いずれのポリマーの溶融紡糸温度も220〜300℃、好ましくは250〜270℃とすることにより、容易に紡糸できる。
【0027】
このようにして複合紡糸された未延伸糸は室温以上、エチレンコポリマーの融点以下の温度で、1〜8倍延伸して、繊度50μg/m〜600μg/m程度の分割性繊維を製造することができる。なお、この分割性繊維を乾式不織布の原料として、又は紡績糸として使用する場合には、機械的に又は熱的に5〜50個/インチ程度の巻縮を付与するのが好ましい。
【0028】
なお、本発明において好適である繊維表面に窪み5を有する分割性繊維は、例えば、未延伸糸を2〜8倍延伸(好適には2.3〜6倍延伸)したり、エチレンコポリマー及び/又は高融点ポリマー中に溶剤抽出可能な樹脂を混合しておき、紡糸後にこの溶剤抽出可能な樹脂を抽出除去することにより製造することができる。これらの中でも、前者の方法によれば、エチレンコポリマーと高融点ポリマーとの境界において窪み5を有する分割性繊維を製造しやすく、しかも延伸条件の調整のみで容易に製造できるため、より好適である。
【0029】
本発明の繊維シートの1つは、上述の分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さ、剛性、及び親水性に優れている。また、別の繊維シートは、上述の分割性繊維が分割した状態で含んでいるため、緻密な構造を有するとともに親水性にも優れている。なお、繊維シートとして織物、編物、不織布などを例示できる。これらの中でも不織布は繊維組織が不規則で、引張り強さ、剛性、或いは緻密性をより必要とするため、不織布を構成する繊維として上述の分割性繊維を使用すると、特に優れた効果を発揮する。そのため、以下、不織布をもとに説明する。
【0030】
上述の分割性繊維は引張り強さ、剛性、緻密性、及び親水性が向上するように、10mass%以上含んでいるのが好ましく、20mass%以上含んでいるのがより好ましく、30mass%以上含んでいるのが最も好ましい。
【0031】
この分割性繊維以外の繊維としては通常の繊維を使用することができ、例えば、ガラス繊維や炭素繊維などの無機繊維、絹、羊毛、綿、麻などの天然繊維、レーヨン繊維などの再生繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、ポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、アクリル繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリメチルペンテン繊維、芳香族ポリアミド繊維、又は2種類以上の樹脂成分からなり、巻縮発現性、熱融着性、或いは分割性を有する複合繊維などの合成繊維を使用することができる。
【0032】
上述のような分割性繊維を使用した不織布の製造方法について、簡単に述べる。まず、上述のような分割性繊維を含む繊維ウエブを形成する。この繊維ウエブの形成方法としては、例えば、カード法、エアレイ法、スパンボンド法、メルトブロー法などの乾式法や、湿式法がある。なお、繊維ウエブの形成方法によって繊維長が異なり、前者の乾式法により形成する場合(スパンボンド法、メルトブロー法を除く)には、20〜160mm長程度の繊維を使用し、後者の湿式法により形成する場合には、1〜30mm長程度の繊維を使用する。また、これらの繊維ウエブを形成した後、製法の異なる繊維ウエブを積層するなど、種類の異なる繊維ウエブを積層しても良い。
【0033】
次いで、この繊維ウエブに外力を作用させることにより分割性繊維を分割して、極細繊維を発生させることができるが、分割性繊維を構成する高融点ポリマーがポリエチレン、ポリプロピレン、或いはポリメチルペンテンからなるように、エチレンコポリマーと高融点ポリマーとの相溶性が高い場合(特に繊維長が1〜30mm長程度の場合)には、外力を作用させる前に熱処理を実施し、エチレンコポリマーのみを融着させて、分割性繊維の自由度をなくすのが好ましい。
【0034】
この熱処理はポリエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高く、かつ高融点ポリマーの融点よりも低い温度で実施するのが好ましい。また、この熱処理によってポリエチレンコポリマーがフィルム化しないように、無圧下で実施するのが好ましい。このような熱処理は、例えば、ドライヤー、熱風ドライヤー、吸引付きドライヤーなどによって実施することができる。
【0035】
このような熱処理により分割性繊維の自由度をなくした後に、又は熱処理することなく作用させる外力としては、例えば、ニードルパンチ、水流などの流体流、カレンダー、或は平板プレスなどがある。これらの中でも、ニードルパンチや水流などの流体流であると、分割性繊維の分割と同時に絡合もできるため好適であり、分割性に優れ、しかも高度に絡合させることのできる水流などの流体流がより好適である。
【0036】
この好適である流体流による処理条件としては、例えば、ノズル径0.05〜0.3mm、好適には0.08〜0.2mm、ピッチ0.2〜3mm、好適には0.4〜2mmで一列以上に配列したノズルプレートから、圧力1〜30MPa、好適には5〜25MPaの流体流を噴出すれば良い。なお、流体流の圧力は変化させたり、ノズルプレートを揺動又は振動させても良い。
【0037】
このような外力を作用させることにより、分割性繊維を分割して極細繊維を発生させた不織布は緻密性に優れるものである。
【0038】
また、もう一方の分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した不織布は、繊維ウエブを熱処理したものであっても良いが、分割性繊維の自由度をなくすために熱処理を行ったか行わなかったかにかかわらず、分割性繊維を分割して極細繊維を発生させた後に、エチレンコポリマーからなる極細繊維が融着するように熱処理を実施して製造すると、緻密でしかも引張り強さ、剛性、及び親水性に優れる不織布を製造することができる。
【0039】
なお、この再度実施する場合の熱処理は最初に実施する熱処理と同様に、ポリエチレンコポリマーの融点よりも10℃以上高く、かつ高融点ポリマーの融点よりも低い温度で実施するのが好ましい。また、この熱処理によってポリエチレンコポリマーがフィルム化しないように、無圧下で実施するのが好ましい。このような熱処理は、例えば、ドライヤー、熱風ドライヤー、吸引付きドライヤーなどによって実施することができる。なお、最初に行う熱処理条件と再度行う熱処理条件は同一であっても、一条件以上が異なっていても良い。
【0040】
以上のようにして製造できる本発明の繊維シートは、緻密で、引張り強さ、剛性、及び親水性に優れているため、例えば、手袋、外衣、かばんなどの人工皮革用基材、衣料用芯地、中入綿、防漏シーツ、マスク、電池用セパレータ、空気又は液体フィルタ、壁紙、自動車用内装材、パーティション用基材、ワイパーなどの各種用途に使用できる。なお、各種用途に適合するように、染色加工、バフィング処理、バインダーによる顔料着色加工、揉み加工、エレクトレット加工、親水化処理(更なる親水性が必要な場合)などの後加工を、各種用途に適合するように実施することができる。
【0041】
以下に、本発明の実施例を記載するが、以下の実施例に限定されるものではない。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
常法の複合紡糸装置において、エチレン−メタクリル酸コポリマー(エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率15mass%、融点90℃)を260℃で、他方、高融点ポリマーとしてポリプロピレン(融点160℃)を260℃で、エチレンコポリマーとポリプロピレンとの複合質量比50:50でノズルから押し出し、繊度311μg/mの巻き取り糸を得た。
【0043】
次いで、この巻き取り糸を55℃で2.4倍延伸した後に裁断して、繊度144μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状のエチレンコポリマー8個と、涙形状のポリプロピレン8個とが互いに隣接し、エチレンコポリマーとポリプロピレンのいずれもが表面に露出(エチレンコポリマーの露出率は50%)しており、しかもエチレンコポリマーとポリプロピレンとの境界に窪み5を多数有するものであった(図8参照)。なお、この分割性繊維はエチレンコポリマーからなる繊維径3.6μmの極細繊維と、ポリプロピレンからなる繊維径3.6μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0044】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、常法の湿式法により繊維ウエブを形成した。次いで、この繊維ウエブを110℃に設定した熱風ドライヤーにより5分間熱処理を実施して、エチレンコポリマーのみを融着させた(図9参照)。
【0045】
次いで、この融着した繊維ウエブを目開き0.147mmのネットに載置し、この融着した繊維ウエブに対して、径0.13mm、ピッチ0.6mmで配列したノズルプレートから、圧力9.8MPaの水流を噴出し、次いで繊維ウエブを反転させ、同様のノズルプレートから、圧力9.8MPaの水流を噴出して、分割性繊維を分割させると同時に絡合させた。
【0046】
そして、この絡合した繊維ウエブを110℃に設定した熱風ドライヤーにより5分間熱処理を実施して、エチレンコポリマーからなる極細繊維のみを融着させて、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、分割性繊維が十分に分割しており、緻密な構造を有するものであった(図10参照)。
【0047】
(実施例2)
実施例1と全く同様にして、繊度489μg/mの巻き取り糸を得た後、この巻き取り糸を55℃で2.4倍延伸した後に裁断して、繊度222μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状のエチレンコポリマー8個と、涙形状のポリプロピレン8個とが互いに隣接し、エチレンコポリマーとポリプロピレンのいずれもが表面に露出(エチレンコポリマーの露出率は50%)しており、しかもエチレンコポリマーとポリプロピレンとの境界に窪み5を多数有するものであった(図7参照)。なお、この分割性繊維はエチレンコポリマーからなる繊維径4.4μmの極細繊維と、ポリプロピレンからなる繊維径4.4μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0048】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、実施例1と全く同様にして繊維ウエブの形成、熱処理、水流絡合処理、及び再度熱処理を実施して、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、分割性繊維が十分に分割しており、実施例1の不織布と同様に緻密な構造を有するものであった。
【0049】
(実施例3)
実施例1と全く同様にして、繊度311μg/mの巻き取り糸を得た後、この巻き取り糸を55℃で1.6倍延伸した後に裁断して、繊度216μg/m、繊維長10mmの分割性繊維を製造した。この分割性繊維の断面形状は、図2に示すように、銀杏形状のエチレンコポリマー8個と、涙形状のポリプロピレン8個とが互いに隣接し、エチレンコポリマーとポリプロピレンのいずれもが表面に露出(エチレンコポリマーの露出率は50%)していた。なお、繊維表面は窪みのない滑らかな状態であった(図11参照)。また、この分割性繊維はエチレンコポリマーからなる繊維径4.3μmの極細繊維と、ポリプロピレンからなる繊維径4.3μmの極細繊維とを発生可能であった。
【0050】
次いで、この分割性繊維を100mass%使用し、実施例1と全く同様にして繊維ウエブの形成、熱処理、水流絡合処理、及び再度熱処理を実施して、面密度40g/m2、厚さ0.2mmの不織布を製造した。この不織布を電子顕微鏡写真により観察したところ、分割されていない分割性繊維が一部存在していた。
【0051】
【発明の効果】
本発明の分割性繊維は、メタクリル酸とエチレンとからなるエチレンコポリマーと、このエチレンコポリマーよりも融点の高い高融点ポリマーとを含み、エチレンコポリマー中におけるメタクリル酸の比率は1〜20mass%であり、このエチレンコポリマーと高融点ポリマーとが隣接して配置しており、しかも少なくともエチレンコポリマーが表面に露出している。
【0052】
このように、本発明の分割性繊維はエチレンコポリマーを含んでおり、上記のようなエチレンコポリマーは融点が低く、このエチレンコポリマーを融着させることによって分割性繊維の自由度をなくすことができるため、外力によって容易に分割することができる。また、メタクリル酸を含むエチレンコポリマーは融着力及び親水性にも優れている。
【0053】
本発明の繊維シートは上記分割性繊維のエチレンコポリマーが融着した状態で含んでいるため、引張り強さ、剛性、及び親水性に優れている。また、本発明の別の繊維シートは上記分割性繊維が分割した状態、つまり極細繊維を含む状態であるため、緻密な構造を有し、親水性にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分割性繊維の断面図
【図2】 本発明の別の分割性繊維の断面図
【図3】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図4】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図5】 本発明の更に別の分割性繊維の断面図
【図6】 従来の分割性繊維の断面図
【図7】 図2の分割性繊維の模式的斜視図
【図8】 分割性繊維(実施例1)の電子顕微鏡写真
【図9】 分割性繊維(実施例1)のエチレンコポリマーのみを融着させた状態の電子顕微鏡写真
【図10】 不織布(実施例1)の電子顕微鏡写真
【図11】 分割性繊維(実施例3)の電子顕微鏡写真
【符号の説明】
1 エチレンコポリマー
2 高融点ポリマー
3 ポリプロピレン
4 高密度ポリエチレン
5 窪み[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a splittable fiber and a fiber sheet using the splittable fiber.
[0002]
[Prior art]
For example, a nonwoven fabric used as an alkaline battery separator needs to be dense so as not to cause a short circuit between electrodes. For this reason, a dense nonwoven fabric has been produced by applying an external force to a fiber web containing splittable fibers that can be divided into ultrafine fibers by an external force such as a water flow to generate the ultrafine fibers.
[0003]
As the splittable fiber, for example, as shown in a fiber cross-sectional view in FIG. 6, a fiber having an orange cross-sectional shape in which
[0004]
Therefore, in order to solve this problem, a heat-fusible fiber is mixed in addition to the splittable fiber, the splittable fiber is fixed by fusion of the heat-fusible fiber, and the degree of freedom of the splittable fiber. In such a state that the pressure is lowered, an external force such as a water flow is applied to divide the material. However, since the splittable fibers are not sufficiently fixed by this method, the splitting tends to be insufficient.
[0005]
In addition, the non-woven fabric produced by dividing the splitting fiber consisting only of the polyolefin resin as described above has low hydrophilicity, so it is difficult to use it for applications that require hydrophilicity, or a separate hydrophilization treatment. There is also a problem that it is complicated.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention has been made to solve these problems, and an object thereof is to provide a splittable fiber excellent in splitting property and hydrophilicity, and a fiber sheet using the splitting fiber.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The splittable fiber of the present invention includes an ethylene copolymer composed of methacrylic acid and ethylene, and a high melting point polymer having a higher melting point than the ethylene copolymer, and the ratio of methacrylic acid in the ethylene copolymer is 1 to 20 mass%. The ethylene copolymer and the high melting point polymer are disposed adjacent to each other, and at least the ethylene copolymer is exposed on the surface.
[0008]
As described above, the splittable fiber of the present invention contains an ethylene copolymer, and the ethylene copolymer as described above has a low melting point, and the degree of freedom of the splittable fiber can be eliminated by fusing the ethylene copolymer. It can be easily divided by external force. In addition, an ethylene copolymer containing methacrylic acid is excellent in fusion power and hydrophilicity.
[0009]
Since the fiber sheet of the present invention contains the above-described splittable fiber ethylene copolymer in a fused state, it is excellent in tensile strength, rigidity, and hydrophilicity. Further, another fiber sheet of the present invention is in a state where the above-mentioned splittable fibers are split, that is, in a state containing ultrafine fibers, and thus has a dense structure and excellent hydrophilicity.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The ethylene copolymer in the present invention is composed of methacrylic acid and ethylene, and acts as a fusing component that is easily fused in the stage before dividing the splittable fiber, thereby imparting hydrophilicity. Acts as a component, and in some cases, acts as a fusion component for fusing the ultrafine fibers after splitting the split fibers to generate ultrafine fibers.
[0012]
The ethylene copolymer in the present invention contains methacrylic acid . The ethylene copolymer of the present invention may be one in which ethylene and methacrylic acid are alternately contained, one that is randomly contained, one that is contained in a block, or a mixture thereof. However, it can be used in the present invention.
[0013]
The ratio of methacrylic acid in the ethylene copolymer needs to be 1 to 20 mass% . When the ratio of methacrylic acid is less than 1 mass%, the fusing power tends to be too low, and when the ratio of methacrylic acid exceeds 20 mass%, the melting point becomes too low and it is used for applications requiring heat resistance. More preferably 3 to 18 mass%, and most preferably 5 to 16 mass%. In addition, the ratio of methacrylic acid in this ethylene copolymer can be measured by FT-IR (Fourier transform infrared spectrometer).
[0014]
In addition to the ethylene copolymer as described above, the splittable fiber of the present invention contains a high melting point polymer having a higher melting point than the above-mentioned ethylene copolymer. This high melting point polymer maintains the fiber shape of the splittable fiber without fusing when the ethylene copolymer is fused, and forms a fine fiber that is generated by splitting, so that a fiber sheet having a dense structure is produced. be able to.
[0015]
This high melting point polymer has a higher melting point than the ethylene copolymer because the fiber shape needs to be maintained even at a temperature at which the ethylene copolymer is fused. The high melting point polymer preferably has a melting point that is 10 ° C. or more higher than that of the ethylene copolymer, more preferably has a melting point that is 20 ° C. or more, and most preferably has a melting point that is 30 ° C. or more. The melting point in the present invention refers to a temperature giving an extreme value of a melting absorption curve obtained by heating from room temperature at a temperature rising temperature of 20 ° C./min using a differential calorimeter.
[0016]
As the high melting point polymer, for example, a polymer that can be melt-spun such as high-density or low-density polyethylene, polypropylene, polymethylpentene, polyester, polyamide, or polystyrene can be preferably used. Among these, polyethylene, polypropylene, or polymethylpentene has high compatibility with ethylene copolymer and is difficult to be divided by external force, but it is combined with ethylene copolymer as described above, and the ethylene copolymer is fused and fixed. It can be easily divided by applying an external force later. In addition, when using polyethylene as a high melting-point polymer, it is preferable to use high-density polyethylene with a higher melting point. Moreover, the high melting point polymer does not need to be one type, and may be a mixture of two or more types, or may be different for each high melting point polymer constituting the ultrafine fiber.
[0017]
The mixing mass ratio of such an ethylene copolymer and a high melting point polymer is preferably 20:80 to 80:20. If the ratio of the ethylene copolymer is less than 20 mass%, the fusion force tends to be reduced, and if it exceeds 80 mass%, the ratio of the high melting point polymer is too small and the amount of ultrafine fibers is reduced, and the dense fiber sheet. Is more preferably 30:70 to 70:30, and most preferably 40:60 to 60:40.
[0018]
In the splittable fiber of the present invention, an ethylene copolymer and a high melting point polymer are arranged adjacent to each other, and at least the ethylene copolymer is exposed on the surface. Therefore, the splittable fiber is fixed by fusing the ethylene copolymer, and an external force is applied to the splittable fiber, so that the ultrafine fiber can be generated by peeling at the boundary between the ethylene copolymer and the high melting point polymer. . In addition, when the fiber surface consists only of an ethylene copolymer, the ethylene copolymer can be destroyed by an external force, and at the same time, it can be peeled off at the boundary between the ethylene copolymer and the high melting point polymer to generate ultrafine fibers.
[0019]
The ethylene copolymer and the high-melting polymer are only required to be adjacent to each other, and the arrangement state is not particularly limited. For example, as shown in FIG. 2 are adjacent to each other, as shown in FIG. 2, the cross-sectional shape is a tear-shaped ethylene copolymer or high-
[0020]
Note that the splittable fiber may have a circular cross-sectional shape as shown in FIGS. 1 to 4 or a non-circular shape such as a substantially square shape as shown in FIG. Other examples of the non-circular cross-sectional shape include an elliptical shape, an oval shape, a T shape, a Y shape, a + shape, a hollow shape, and a polygonal shape.
[0021]
Further, the
[0022]
In the splittable fiber of the present invention, at least the ethylene copolymer is exposed on the surface so that the splittable fiber can be fused and fixed. In addition, it is preferable that both the
[0023]
In addition, the splittable fiber of the present invention preferably has a
[0024]
The fineness of such a splittable fiber is not particularly limited, but is preferably 50 μg / m to 600 μg / m so that ultrafine fibers having the above-described fiber diameter can be easily generated. Further, the splittable fiber may be a filament or a staple cut to a length of about 1 to 160 mm. In addition, even if it is a splittable fiber having a length of about 1 to 30 mm, which is difficult to split because of the high degree of freedom of the fiber, the splitting property is excellent.
[0025]
In the ethylene copolymer and / or high melting point polymer, for example, a hygroscopic agent, a matting agent, a pigment, a flame retardant, a stabilizer, an antistatic agent, a coloring agent, a dyeing agent, a conductive agent, a hydrophilizing agent, a deodorizing agent, Alternatively, various functions can be added by mixing functional substances such as antibacterial agents.
[0026]
Such a splittable fiber of the present invention can be easily spun by using a conventional compound spinning apparatus. For example, when the ethylene copolymer is composed of an ethylene-methacrylic acid copolymer and the high melting point polymer is composed of polypropylene, any polymer can be easily spun by setting the melt spinning temperature to 220 to 300 ° C., preferably 250 to 270 ° C. .
[0027]
The undrawn yarn thus composite-spun can be drawn 1 to 8 times at a temperature not lower than room temperature and not higher than the melting point of the ethylene copolymer to produce a split fiber having a fineness of about 50 μg / m to 600 μg / m. it can. In addition, when using this splittable fiber as a raw material of a dry-type nonwoven fabric or as a spun yarn, it is preferable to mechanically or thermally impart about 5-50 pieces / inch.
[0028]
In addition, the splittable fiber having the
[0029]
Since one of the fiber sheets of the present invention contains the above-described splittable fiber ethylene copolymer in a fused state, it is excellent in tensile strength, rigidity, and hydrophilicity. Moreover, since another fiber sheet contains the above-described splittable fiber in a divided state, it has a dense structure and is excellent in hydrophilicity. In addition, a woven fabric, a knitted fabric, a nonwoven fabric etc. can be illustrated as a fiber sheet. Among these, the nonwoven fabric has an irregular fiber structure and requires more tensile strength, rigidity, or denseness. Therefore, when the above-described splitting fibers are used as the fibers constituting the nonwoven fabric, particularly excellent effects are exhibited. . Therefore, it demonstrates below based on a nonwoven fabric.
[0030]
The above-described splittable fiber preferably contains 10 mass% or more, more preferably contains 20 mass% or more, and more preferably contains 30 mass% or more so that tensile strength, rigidity, denseness, and hydrophilicity are improved. Most preferably.
[0031]
As the fibers other than the splittable fibers, ordinary fibers can be used. For example, inorganic fibers such as glass fibers and carbon fibers, natural fibers such as silk, wool, cotton, and hemp, regenerated fibers such as rayon fibers, Semi-synthetic fiber such as acetate fiber, polyamide fiber, polyvinyl alcohol fiber, acrylic fiber, polyester fiber, polyvinyl chloride fiber, polyvinylidene chloride fiber, polyurethane fiber, polyethylene fiber, polypropylene fiber, polymethylpentene fiber, aromatic polyamide fiber Alternatively, synthetic fibers such as composite fibers composed of two or more kinds of resin components and having a crimping property, heat-fusibility, or splitting property can be used.
[0032]
A method for manufacturing a nonwoven fabric using the splittable fibers as described above will be briefly described. First, a fiber web containing the splittable fibers as described above is formed. Examples of the method for forming the fiber web include a dry method such as a card method, an air lay method, a spun bond method, and a melt blow method, and a wet method. The fiber length differs depending on the fiber web forming method, and when the former dry method is used (except for the spunbond method and the melt blow method), fibers having a length of about 20 to 160 mm are used, and the latter wet method is used. When forming, fibers having a length of about 1 to 30 mm are used. Further, after forming these fiber webs, different types of fiber webs may be laminated, such as laminating fiber webs having different production methods.
[0033]
Subsequently, by applying an external force to the fiber web, the splittable fiber can be split to generate ultrafine fibers. The high melting point polymer constituting the splittable fiber is made of polyethylene, polypropylene, or polymethylpentene. As described above, when the compatibility between the ethylene copolymer and the high melting point polymer is high (particularly when the fiber length is about 1 to 30 mm), heat treatment is performed before applying external force, and only the ethylene copolymer is fused. Thus, it is preferable to eliminate the degree of freedom of the splittable fibers.
[0034]
This heat treatment is preferably carried out at a temperature which is at least 10 ° C. higher than the melting point of the polyethylene copolymer and lower than the melting point of the high melting point polymer. Moreover, it is preferable to carry out under no pressure so that the polyethylene copolymer is not formed into a film by this heat treatment. Such heat treatment can be performed by, for example, a dryer, a hot air dryer, a dryer with suction, or the like.
[0035]
Examples of the external force that can be applied after eliminating the degree of freedom of the splittable fiber by such heat treatment or without heat treatment include fluid flow such as needle punch, water flow, calendar, or flat plate press. Among these, a fluid flow such as a needle punch or a water flow is preferable because it can be entangled simultaneously with the splitting of the splittable fiber, and it is excellent in fluidity such as a water flow that is excellent in splittability and highly entangled. The flow is more suitable.
[0036]
As processing conditions by this suitable fluid flow, for example, a nozzle diameter of 0.05 to 0.3 mm, preferably 0.08 to 0.2 mm, a pitch of 0.2 to 3 mm, and preferably 0.4 to 2 mm. And a fluid flow having a pressure of 1 to 30 MPa, preferably 5 to 25 MPa may be ejected from the nozzle plates arranged in one or more rows. The pressure of the fluid flow may be changed, or the nozzle plate may be swung or vibrated.
[0037]
By applying such an external force, the non-woven fabric in which the split fibers are split to generate ultrafine fibers is excellent in denseness.
[0038]
The non-woven fabric in which the ethylene copolymer of the other splittable fiber is fused may be a heat-treated fiber web, but it may or may not be heat-treated to eliminate the freedom of the splittable fiber. First, after splitting the split fibers to generate ultrafine fibers, heat treatment is performed so that the ultrafine fibers made of ethylene copolymer are fused, so that the tensile strength, rigidity, and hydrophilicity are increased. An excellent nonwoven fabric can be produced.
[0039]
The heat treatment in the case of re-implementation is preferably carried out at a temperature that is 10 ° C. or more higher than the melting point of the polyethylene copolymer and lower than the melting point of the high-melting polymer, as in the first heat treatment. Moreover, it is preferable to carry out under no pressure so that the polyethylene copolymer is not formed into a film by this heat treatment. Such heat treatment can be performed by, for example, a dryer, a hot air dryer, a dryer with suction, or the like. Note that the first heat treatment condition and the second heat treatment condition may be the same, or one or more conditions may be different.
[0040]
The fiber sheet of the present invention that can be produced as described above is dense and excellent in tensile strength, rigidity, and hydrophilicity. For example, base materials for artificial leather such as gloves, outer garments, and bags, and cores for clothing. It can be used for various applications such as ground, padding, leak-proof sheets, masks, battery separators, air or liquid filters, wallpaper, automotive interior materials, partition base materials, wipers and the like. In addition, post-processing such as dyeing processing, buffing processing, pigment coloring processing with binder, stagnation processing, electret processing, hydrophilization processing (when further hydrophilicity is required) to suit various applications, for various applications Can be implemented to suit.
[0041]
Examples of the present invention will be described below, but the present invention is not limited to the following examples.
[0042]
【Example】
(Example 1)
In a conventional composite spinning apparatus, ethylene-methacrylic acid copolymer (the ratio of methacrylic acid in the ethylene copolymer is 15 mass%, melting point 90 ° C.) is 260 ° C., while polypropylene (melting point 160 ° C.) as a high melting point polymer is 260 ° C. Then, it was extruded from a nozzle at a composite mass ratio of ethylene copolymer and polypropylene of 50:50 to obtain a wound yarn having a fineness of 311 μg / m.
[0043]
Next, the wound yarn was stretched 2.4 times at 55 ° C. and then cut to produce a split fiber having a fineness of 144 μg / m and a fiber length of 10 mm. As shown in FIG. 2, the cross-sectional shape of the splittable fiber is such that eight ginkgo-shaped ethylene copolymers and eight tear-shaped polypropylenes are adjacent to each other, and both the ethylene copolymer and the polypropylene are exposed on the surface (ethylene Further, the copolymer had an exposure rate of 50%), and had
[0044]
Next, a fiber web was formed by a conventional wet method using 100% by mass of the splittable fiber. Next, this fiber web was heat-treated for 5 minutes with a hot air dryer set at 110 ° C. to fuse only the ethylene copolymer (see FIG. 9).
[0045]
Next, this fused fiber web was placed on a net having an opening of 0.147 mm, and a pressure of 9.3 mm was applied to the fused fiber web from a nozzle plate arranged with a diameter of 0.13 mm and a pitch of 0.6 mm. A water flow of 8 MPa was ejected, the fiber web was then inverted, and a water flow of pressure 9.8 MPa was ejected from the same nozzle plate to split and split the split fibers.
[0046]
Then, the entangled fiber web was heat-treated for 5 minutes with a hot air dryer set at 110 ° C., and only the ultrafine fibers made of ethylene copolymer were fused to obtain an area density of 40 g / m 2 and a thickness of 0.2 mm. A non-woven fabric was produced. When this nonwoven fabric was observed with an electron micrograph, the splittable fibers were sufficiently divided and had a dense structure (see FIG. 10).
[0047]
(Example 2)
Exactly the same as in Example 1, after obtaining a wound yarn having a fineness of 489 μg / m, the wound yarn was stretched 2.4 times at 55 ° C. and then cut to obtain a fineness of 222 μg / m and a fiber length of 10 mm. Splittable fibers were produced. As shown in FIG. 2, the cross-sectional shape of the splittable fiber is such that eight ginkgo-shaped ethylene copolymers and eight tear-shaped polypropylenes are adjacent to each other, and both the ethylene copolymer and the polypropylene are exposed on the surface (ethylene The copolymer had an exposure rate of 50%), and had
[0048]
Next, 100% by mass of this splittable fiber was used, and fiber web formation, heat treatment, hydroentanglement treatment, and heat treatment were performed in the same manner as in Example 1 to obtain an area density of 40 g / m 2 and a thickness of 0. A 2 mm non-woven fabric was produced. When this nonwoven fabric was observed with an electron micrograph, the splittable fibers were sufficiently divided and had a dense structure similar to the nonwoven fabric of Example 1.
[0049]
(Example 3)
Exactly the same as in Example 1, after obtaining a wound yarn having a fineness of 311 μg / m, the wound yarn was stretched 1.6 times at 55 ° C. and then cut to obtain a fineness of 216 μg / m and a fiber length of 10 mm. Splittable fibers were produced. As shown in FIG. 2, the cross-sectional shape of the splittable fiber is such that eight ginkgo-shaped ethylene copolymers and eight tear-shaped polypropylenes are adjacent to each other, and both the ethylene copolymer and the polypropylene are exposed on the surface (ethylene The exposure rate of the copolymer was 50%). In addition, the fiber surface was a smooth state without a hollow (refer FIG. 11). Further, this splittable fiber could generate ultrafine fibers having a fiber diameter of 4.3 μm made of ethylene copolymer and ultrafine fibers having a fiber diameter of 4.3 μm made of polypropylene.
[0050]
Next, 100% by mass of this splittable fiber was used, and fiber web formation, heat treatment, hydroentanglement treatment, and heat treatment were performed in the same manner as in Example 1 to obtain an area density of 40 g / m 2 and a thickness of 0. A 2 mm non-woven fabric was produced. When this nonwoven fabric was observed with an electron micrograph, a part of the split fibers that were not split were present.
[0051]
【The invention's effect】
The splittable fiber of the present invention includes an ethylene copolymer composed of methacrylic acid and ethylene, and a high melting point polymer having a higher melting point than the ethylene copolymer, and the ratio of methacrylic acid in the ethylene copolymer is 1 to 20 mass%. The ethylene copolymer and the high melting point polymer are arranged adjacent to each other, and at least the ethylene copolymer is exposed on the surface.
[0052]
As described above, the splittable fiber of the present invention contains an ethylene copolymer, and the ethylene copolymer as described above has a low melting point, and the degree of freedom of the splittable fiber can be eliminated by fusing the ethylene copolymer. It can be easily divided by external force. In addition, an ethylene copolymer containing methacrylic acid is excellent in fusion power and hydrophilicity.
[0053]
Since the fiber sheet of the present invention contains the above-described splittable fiber ethylene copolymer in a fused state, it is excellent in tensile strength, rigidity, and hydrophilicity. Further, another fiber sheet of the present invention is in a state where the above-mentioned splittable fibers are split, that is, in a state containing ultrafine fibers, and thus has a dense structure and excellent hydrophilicity.
[Brief description of the drawings]
1 is a cross-sectional view of a splittable fiber of the present invention. FIG. 2 is a cross-sectional view of another splittable fiber of the present invention. FIG. 3 is a cross-sectional view of still another splittable fiber of the present invention. FIG. 5 is a cross-sectional view of still another splittable fiber of the present invention. FIG. 6 is a cross-sectional view of a conventional splittable fiber. FIG. 7 is a schematic view of the splittable fiber of FIG. FIG. 8 is an electron micrograph of a splittable fiber (Example 1). FIG. 9 is an electron micrograph of only the ethylene copolymer of the splittable fiber (Example 1). FIG. Electron micrograph of Example 1 [FIG. 11] Electron micrograph of splittable fiber (Example 3) [Explanation of symbols]
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