JP3703862B2 - ハイブリッドスイッチ - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、有接点スイッチである電磁接触器と、無接点スイッチである半導体ユニットとを並列に接続し、電流の投入および遮断は半導体スイッチにより、また投入により流れを開始した後の電流の通電は電磁接触器で行うようにして、電流開閉時の電磁接触器主接点でのアーク発生を抑制することにより電磁接触器の長寿命化を図ったハイブリッドスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のハイブリッドスイッチは、それぞれ単体使用を標準使用方法とした電磁接触器と半導体接触器とを個別に使用場所の固定フレームに取り付け、両者の並列接続を外部配線導体を用いて行ったものが用いられており、例えば図10のように構成される。図において、破線が外部配線導体であり、53aは電磁接触器の主接点、53bは主接点53aと連動し主接点53aのオフ状態でオン状態となる常閉補助接点、53は主接点53aを投入駆動する電磁石コイル、54は双方向3端子サイリスタ(通称トライアック(GE社商品名)、以下トライアックと記す)、55は抵抗、51は主回路電源、52は負荷である。図は主接点53aのオフ状態を示しており、この状態から電磁石コイル53に通電して主接点53aを閉成駆動すると、主接点53aが閉成される前に常閉補助接点53bがオフされ、抵抗55を介してゲームGとカソードKとの間に電圧がかかってトライアック54に負荷電流が流れ、これにより主接点53aの端子電圧が実質零となり、無アークにて主接点53aの閉成が行われ、接点の消耗を避けることができる。主接点53aの閉成後はトライアック54を流れていた負荷電流が、端子間電位降下がはるかに小さくなる主接点53aに移り、トライアック54は主接点1aの閉成時点までに過度電流を含む負荷電流を短時間流すのみで、長時間通電の責務から開放される。また、負荷電流遮断のために電磁石コイル53への通電を停止し、図示されない復帰ばねで主接点53aを開成駆動するときは、主接点53aの開成後もわずかの時間、常閉補助接点53bがオフ状態にあるので、主接点53aにアークが発生してアーク電圧が立ち上がろうとすると、わずかのアーク電圧でトライアック54がオン状態となり、発生しかかったアークが消滅して主接点53aは無電流状態となり、主接点53aがさらに開成駆動されると常閉補助接点53bがオンしてトライアック54がオフし、最終的に負荷電流が遮断される。以上により、半導体接続器の小形化と電磁接触器の長寿命化とが可能になる。
【0003】
しかし、このように構成される従来のハイブリッドスイッチは、主接点53aに接触不良が生じると、主接点53aがオン状態で主接点53aでの電位降下によりトライアック54がオン状態となり、トライアック54の熱負荷が大きくなる。また、常閉補助接点53bに接触不良が生じると、主接点53aがオフ状態でトライアック54のゲートGとカソードKとの間に電圧がかかり、無用に負荷電流が流れ、トライアック54に熱負荷が課せられる。さらに、電磁石コイルに供給する操作電圧が規定値以下のときに主接点53aを閉成駆動すると、主接点53aが閉成動作の慣性で最終閉成静止位置近くまで到達できても閉成位置に保持されず、復帰スプリングで開成方向に駆動され、復帰スプリングが伸びて力が弱くなると再び閉成駆動化され、この繰返しでトライアック54の熱負荷が大きくなる。
【0004】
これらの問題点を解決するために、トライアックに大電流定格のものを用いると、その冷却装置を含めた半導体接触子が大形化し、ハイブリッドスイッチが高価となるため、さきに本発明出願人から特願平5−295789号にて、上記問題を安価に解決可能なハイブリッドスイッチの構成が提案されている。この構成の詳細は実施例の項で説明するが、主要点は、オフ状態にある主接点を閉成駆動するときには常閉補助接触子の開成時点を検出して時間幅の短いワンショットパルスを発生し、このパルス幅の時間だけトライアックのゲートに電圧を供給し、オン状態にある主接点を開成駆動するきとには電磁石コイルに供給されている操作電圧の供給停止時点を検出して時間幅の短いワンショットパルスを発生し、パルス幅の時間だけトライアックのゲートに電圧を供給するようにするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記いずれの構成においても、従来のハイブリッドスイッチは、電磁接触器と半導体接触器とをそれぞれ個別に固定フレームに固定した後,外部配線接続されたものが用いられ、このために配線が面倒であり、加えて配線ミスによるスイッチング動作上のトラブルや据付け面積が大きくなる等の問題があった。
【0006】
本発明の目的は、電磁接触器と半導体接触器との並列化を配線ミスを生じる惧れなく容易に行うことができ、かつ並列化の結果、構造体として小形化されるハイブリッドスイッチの構成を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、有接点スイッチである電磁接触器と、無接点スイッチである半導体ユニットとを並列に接続し、電流の投入および遮断を半導体スイッチング素子により行い、電流投入後の通電を電磁接触器により行うようにしたハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体スイッチング素子からなるパワー部と、過電圧から前記半導体スイッチング素子にかかろうとする過電圧を抑制するスナバ回路と、前記電磁接触器主接点を開成駆動する電磁石コイルの操作電圧の印加解除の時点と、電磁接触器主接点と連動して電磁接触器主接点と開閉状態が逆になる補助接点の開成時点とを検出して前記半導体スイッチング素子に点弧パルスを出力する制御部とを階層状に積み上げて半導体ユニットのケースに収納して構成されるとともに、外部接続導体とともに電磁接触器の主回路端子に共締めされて半導体ユニットを電磁接触器本体に一体化する主回路端子を備えていることを特徴とするハイブリッドスイッチ。
【0008】
前記半導体ユニットから引き出される導出導体は、前記半導体ユニットのケースの注型成形時に前記半導体ユニットのケースの合成樹脂からなる周壁中の対向する2壁内に埋め込まれ絶縁が図るのがよい。
【0009】
また、前記半導体ユニットは、請求項3記載のごとく、電磁接触器本体のケースに形成された当該電磁接触器本体のカバーを取り付けるための係止部に係合するためのフックを有するようにしてもよい。
【0010】
また、前記半導体ユニットは、請求項4記載のごとく、底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有するようにしてもよい。
【0011】
また、前記半導体ユニットは、請求項5記載のごとく、前記半導体ユニットの電磁接触器と向かい合わさる側の底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有するようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記半導体ユニットは、請求項6記載のごとく、前記半導体ユニットの電磁接触器と向かい合わさる側の底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有し、かつ前記主回路端子が取り付けられてなるのがよい。
【0014】
【作用】
請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に、半導体ユニットから引き出された導出導体の主回路端子が電磁接触器の主回路端子に積み上げるように一体化し、半導体ユニットの主回路端子と電磁接触器の主回路端子とを端子に共締めすることにより、電磁接触器の主接点に並列に半導体ユニットの半導体スイッチ素子が接続されるとともに、半導体ユニットの回路素子部分を、パワー部、スナバ回路部、制御部の3つの機能に分割して階層状に積み上げるので、半導体ユニットを小形化することができる。
【0015】
請求項2記載のハイブリッドスイッチにおいては、半導体ユニットから引き出される導出導体の絶縁がケースの注型成形と同時に行われる。
【0016】
請求項3記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に形成されている該電磁接触器のカバーを取付けるための係止部を利用して半導体ユニットを電磁接触器に取付けることができる。
【0017】
請求項4記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に形成された外部部材を係合させるための係合部を利用して半導体ユニットを電磁接触器に固定することが可能である。
【0018】
請求項5および6記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器本体の頂面に付属底面を固定した後、この付属底面に半導体ユニットが取り付けられるので、その一体化作業が容易である。
【0020】
【実施例】
図1および図5に本発明の第1の実施例を示す。この実施例では、半導体ユニット本体を構成する回路素子を収納するケース2は、水平断面の周縁形状が方形に形成された周壁3と、周壁3の上端面を覆うカバー4と、ケース2の内部空間を画成する底面5とを主要部材として構成されている。ケース2の内部空間内には、回路素子を分類して構成した,点弧パルスの印加により主回路電流が通流するパワー部6と、パワー部6を構成する回路素子にかかろうとする過電圧を抑制するスナバ回路部7と、図示されない電磁接触器主接点を閉成駆動する電磁石コイルへの操作電圧の印加解除の時点と,電磁接触器主接点と連動して電磁接触器主接点と開閉状態が逆になる補助接点の開成時点とを検出して各時点でそれぞれ、みずからの備える点弧回路からワンショットの点弧パルスをパワー部6の点弧回路へ向けて出力する制御部8とが階層に積み上げられ、ケース2とともに半導体ユニットの本体を構成している。ここで、ケース2は、周壁3とカバー4とが注型樹脂で成形され、底面5は金属板で形成している。そして、パワー部6を構成する半導体スイッチ素子には、この実施例ではサイリスタを用いサイリスタを逆並列に接続して両端子を半導体ユニット本体の外部への導出端としており、この導出端からの導出導体9が下方へ引き出される。この導出導体9は厚みのあるストリップ状の圧延銅帯からなり、周壁3の注型成形時に周壁3中の対向2壁内に埋め込まれ、その下方端部で露出して外方へ折れ曲がった部分が半導体ユニットの主回路端子9Aを構成する。この主回路端子9Aは、図示されない外部接続導体とともに電磁接触器1の主回路端子1Aに共締めされ、このとき、その剛性により半導体ユニットを電磁接触器1に剛に一体化する。また、導出導体9が合成樹脂からなる周壁中の対向2壁内に埋め込まれているので、電磁接触器本体ケースカバーの上面に形式銘板等の金属部材が存在しても絶縁上の問題が生じることはない。
【0021】
図2は、図1に示した半導体ユニットの回路構成を示す機能ブロック図であり3相中の1相分を示している。電磁接触器1の主接点1aの両端子には、逆並列接続されたサイリスタTHY1,THY2の両端子が接続され、この両端子間にコンデンサCと抵抗R1とを直列にした過電圧吸収回路と、過電圧の上限を設定するツェナーダイオードZとが並列に接続され、また、前記両端子にはそれぞれダイオードD1と抵抗R2,ダイオードD2と抵抗R3からなるゲート回路が接続されている。そして、この主回路素子ブロック16のうち、サイリスタTHY1とTHY2とで前述のパワー部6が構成され、残りがスナバ回路部7を構成する。図1に示した制御部8は、電磁接触器1の主接点1aを投入駆動する電磁石コイルへの操作電圧が入力されてこれを整流平滑化する整流平滑回路11と、整流平滑回路11からの出力を入力し、操作電圧が規定値以上のときは高レベルの信号を、また操作電圧が規定値以下のときに低レベルの信号を出力する電圧検出回路12と、電磁接触器1の主接点1aと連動して主接点1aと開閉状態が逆になる補助接点(以下補助常閉接点またはb接点という)1bの両端子が接続されてb接点閉成時には低レベル信号を反転させた反転信号を、またb接点開成時には高レベル信号を反転させた反転信号を出力する判別回路13と、図3に示すように、電圧検出回路12からの高レベル信号が低レベル信号へ、すなわち操作入力信号がオン状態からオフ状態へ変化したときに時間幅の短いワンショットパルスを発生するワンショットパルス発生回路142,判別回路13からの反転信号が高レベル信号から低レベル進行へ、すなわちb接点1bが閉成状態から開成状態へ変化したときに時間幅の短いワンショットパルスを発生するワンショットパルス発生回路141,論理積回路AND1およびAND2,論理和回路OR1を備えたワンショットパルス発生部14と、ワンショットパルス発生部14からの出力をフォトカプラPHT1,PHT2,PHT3で受け点弧パルスをワンショットパルスの時間幅出力する点弧回路15とを備えている。従って、パワー部6における電流通流は、電磁接触器電磁石コイルに供給する操作電圧が規定値以上を保持し、かつb接点に接触不良がないときには、図4(A)に示すように、短い時間幅で出力されるワンショットパルスの時間幅に応じ、電磁接触器の投入時に主接点閉成時点まで短時間(ta1)、また遮断時に主接点開成時点につづく短時間(tb2)のみの通電となり、また、操作電圧が規定値以上を保持し、かつb接点に接触不良が生じているときには、図4(B)に示すように、電磁接触器の投入時にパワー部6には電流が流れず、遮断時に短時間(tb2)のみ電流が流れる。また、操作電圧が規定値以上を保持するとともにb接点にも接触不良がなく、かつ主接点1aに接触不良が生じている場合には、パワー部6には、図4(C)に示すように、電磁接触器の投入時,遮断時ともにいずれも点弧指令発令時点から点弧指令終了時点後の最初の交流電流波形の零点時点までの短時間(それぞれta3,tb3)のみ電流が流れる。また、操作電圧が規定値以下のときには、電磁接触器の投入時,遮断時ともにパワー部6には電流は流れない。
【0022】
さらに、制御部の回路構成により、主接点1aに接触不良が生じているときに図3と同様にワンショットパルス発生回路を利用してパワー部6の通電が行われないようにしたり、電磁接触器が高頻度開閉される場合にも、ワンショットパルス発生回路を用いて開閉の都度通電されないようにすることが可能である(より詳細は特願平5−295789号参照)。このような構成により、サイリスタの熱負荷を小さくすることができ、半導体ユニットを小形化することができる。
【0023】
図6に本発明の第2の実施例を示す。この実施例では、電磁接触器1が単体では本体ケースがカバーを有し、このカバーが、主接点や開閉機構を内側に囲んでいる周壁の高さ方向上方端面を覆って周壁の係止部に係止されているところ、このカバーを取り外したときのみ図1あるいは図4に示した半導体ユニットを電磁接触器に一体化することができるよう、半導体ユニットの主回路端子9Aとケース2の図示しない底面との相対位置を設定するとともに、ケース2の周壁3にフック3Aを設け、このフック3Aを電磁接触器本体ケース周壁の係止部1Bに係合させるようにしたものであり、ハイブリッドスイッチが小形化されるとともに、フック3Aを係合させることにより、半導体ユニットと電磁接触器との主回路端子同志の位置合わせが自動的に行われ、締合わせ作業が容易になる。
【0024】
図7に本発明の第3の実施例を示す。この実施例は、実施例1あるいは2の場合と形式の異なる電磁接触器を用いてハイブリッドスイッチを構成する場合の半導体ユニットの構成例を示すものであり、半導体ユニット本体ケースの周壁3と底面5とを合成樹脂で形成し、ケース2内に位置する半導体ユニット本体の導出端から延びる導出導体を周壁3中の対向2壁の内側に沿わせて底面5の外側へ導出し、先端部を外方へ折り曲げて主回路端子9Aを形成するとともに、底面の外側に、電磁接触器がその本体ケース頂面に備えている,ケース周壁高さ方向に外部部材を係合させる係合部1Cと係合する係合部5Cを備えている。係合部は電磁接触器側,半導体ユニット側いずれもL字状の係合片4個からなり、電磁接触器と半導体ユニットとの主回路端子接続面同志を向かい合わせて近づけながら、半導体ユニット側の,面積が広く肉厚の薄い,剛性の小さいL字状係合片を撓ませて4個同時に係合させる。係合と同時に主回路端子同志の位置合わせが終わるので、締合わせを容易に行うことができる。
【0025】
図8に本発明の第4の実施例を示す。この実施例は、第3の実施例における底面5を固定底面5Aと付属底面5Bとの2重底面に構成したものである。付属底面5Bは固定底面5Aの面に垂直方向に着脱可能に構成され、また固定底面5Aから引き抜くこともできるので、電磁接触器と半導体ユニットとの一体化に当たり、まず、付属底面5Bを引き抜いてこれを電磁接触器1の頂面に係合させ、しかる後、付属底面5Bに半導体ユニット本体ケースを固定底面5A側から挿し込んで取り付け、主回路接点同志の位置合わせが自動的に行われる。この場合は、電磁接触器頂面の係合部1Cへの半導体ユニットの係合を移動底面5B単体で行うことができるので、係合が容易に行われるメリットがある。
【0026】
図9に本発明の第5の実施例を示す。この実施例でも、半導体ユニット本体ケースの底面5は固定底面5Aと付属底面5Bとの2重底面として構成され、主回路端子9Aは付属底面5Bに取り付けられている。半導体ユニットを電磁接触器1に一体化するときには、付属底面5Bを固定底面5A側から抜き取り、これを電磁接触器頂面の係合部1Cに係合させた後、残りの半導体ユニット本体側を固定底面5A側から付属底面5Bの案内部に沿って挿入し、主回路端子9Aを半導体ユニット本体側の圧入端子に圧入させる。この構造にすると、半導体ユニット本体の内部点検や補修を主回路端子同志を締め合わせたまま行うことができ、運用面で多大の便宜が得られる。
【0027】
【発明の効果】
本発明においては、請求項1記載のようにハイブリッドスイッチを構成することにより、主回路端子同志の締合わせにより、半導体ユニットを電磁接触器に、外部配線等の面倒かつ配線が錯綜して配線ミスを生じやすい作業を必要とすることなく、主回路端子の剛性により、剛に一体化することが容易に可能になり、かつハイブリッドスイッチをコンパクトに形成することができる。
【0028】
また、半導体ユニット自体の小形化が可能になり、これにより、ハイブリッドスイッチの取付けスペースが小さくなり、特に、ハイブリッドスイッチが隣接配置される制御盤の小形化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第1の実施例を、半導体ユニットの第1の実施例による構造断面を用いて示す図
【図2】 図1に示した半導体ユニットの回路構成を示す機能ブロック図
【図3】 図2に示した機能ブロック図におけるワンショットパルス発生部回路構成の一実施例を示す回路図
【図4】 図2に示した機能ブロック図における制御部のワンショットパルス発生部が図3の回路に構成されているときの制御部の働きを示す図であって、同図の(A)は操作入力,b接点ともに正常状態のときの、(B)はb接点に接触不良が生じているときの、また(C)は電磁接触器主接点に接触不良が生じているときの半導体ユニット各部の電流または電圧波形を示す図
【図5】 図1に構成の一実施例を示したハイブリッドスイッチにおける半導体ユニットと電磁接触器それぞれの外部構造を示す図であって、同図の(a)は半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図6】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第2の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図7】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第3の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図8】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第4の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図9】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第5の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図10】従来のハイブリッドスイッチ回路構成の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 電磁接触器
1A 主回路端子
1B 係合部
1C 係合部
2 ケース
3 周壁
3A フック(係合部)
4 カバー
5 底面
5A 固定底面
5B 移動底面
5C 係合部
6 パワー部
7 スナバ回路部
8 制御部
9 導出導体
9A 主回路端子
10 半導体ユニット
11 カバー
【産業上の利用分野】
この発明は、有接点スイッチである電磁接触器と、無接点スイッチである半導体ユニットとを並列に接続し、電流の投入および遮断は半導体スイッチにより、また投入により流れを開始した後の電流の通電は電磁接触器で行うようにして、電流開閉時の電磁接触器主接点でのアーク発生を抑制することにより電磁接触器の長寿命化を図ったハイブリッドスイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のハイブリッドスイッチは、それぞれ単体使用を標準使用方法とした電磁接触器と半導体接触器とを個別に使用場所の固定フレームに取り付け、両者の並列接続を外部配線導体を用いて行ったものが用いられており、例えば図10のように構成される。図において、破線が外部配線導体であり、53aは電磁接触器の主接点、53bは主接点53aと連動し主接点53aのオフ状態でオン状態となる常閉補助接点、53は主接点53aを投入駆動する電磁石コイル、54は双方向3端子サイリスタ(通称トライアック(GE社商品名)、以下トライアックと記す)、55は抵抗、51は主回路電源、52は負荷である。図は主接点53aのオフ状態を示しており、この状態から電磁石コイル53に通電して主接点53aを閉成駆動すると、主接点53aが閉成される前に常閉補助接点53bがオフされ、抵抗55を介してゲームGとカソードKとの間に電圧がかかってトライアック54に負荷電流が流れ、これにより主接点53aの端子電圧が実質零となり、無アークにて主接点53aの閉成が行われ、接点の消耗を避けることができる。主接点53aの閉成後はトライアック54を流れていた負荷電流が、端子間電位降下がはるかに小さくなる主接点53aに移り、トライアック54は主接点1aの閉成時点までに過度電流を含む負荷電流を短時間流すのみで、長時間通電の責務から開放される。また、負荷電流遮断のために電磁石コイル53への通電を停止し、図示されない復帰ばねで主接点53aを開成駆動するときは、主接点53aの開成後もわずかの時間、常閉補助接点53bがオフ状態にあるので、主接点53aにアークが発生してアーク電圧が立ち上がろうとすると、わずかのアーク電圧でトライアック54がオン状態となり、発生しかかったアークが消滅して主接点53aは無電流状態となり、主接点53aがさらに開成駆動されると常閉補助接点53bがオンしてトライアック54がオフし、最終的に負荷電流が遮断される。以上により、半導体接続器の小形化と電磁接触器の長寿命化とが可能になる。
【0003】
しかし、このように構成される従来のハイブリッドスイッチは、主接点53aに接触不良が生じると、主接点53aがオン状態で主接点53aでの電位降下によりトライアック54がオン状態となり、トライアック54の熱負荷が大きくなる。また、常閉補助接点53bに接触不良が生じると、主接点53aがオフ状態でトライアック54のゲートGとカソードKとの間に電圧がかかり、無用に負荷電流が流れ、トライアック54に熱負荷が課せられる。さらに、電磁石コイルに供給する操作電圧が規定値以下のときに主接点53aを閉成駆動すると、主接点53aが閉成動作の慣性で最終閉成静止位置近くまで到達できても閉成位置に保持されず、復帰スプリングで開成方向に駆動され、復帰スプリングが伸びて力が弱くなると再び閉成駆動化され、この繰返しでトライアック54の熱負荷が大きくなる。
【0004】
これらの問題点を解決するために、トライアックに大電流定格のものを用いると、その冷却装置を含めた半導体接触子が大形化し、ハイブリッドスイッチが高価となるため、さきに本発明出願人から特願平5−295789号にて、上記問題を安価に解決可能なハイブリッドスイッチの構成が提案されている。この構成の詳細は実施例の項で説明するが、主要点は、オフ状態にある主接点を閉成駆動するときには常閉補助接触子の開成時点を検出して時間幅の短いワンショットパルスを発生し、このパルス幅の時間だけトライアックのゲートに電圧を供給し、オン状態にある主接点を開成駆動するきとには電磁石コイルに供給されている操作電圧の供給停止時点を検出して時間幅の短いワンショットパルスを発生し、パルス幅の時間だけトライアックのゲートに電圧を供給するようにするものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記いずれの構成においても、従来のハイブリッドスイッチは、電磁接触器と半導体接触器とをそれぞれ個別に固定フレームに固定した後,外部配線接続されたものが用いられ、このために配線が面倒であり、加えて配線ミスによるスイッチング動作上のトラブルや据付け面積が大きくなる等の問題があった。
【0006】
本発明の目的は、電磁接触器と半導体接触器との並列化を配線ミスを生じる惧れなく容易に行うことができ、かつ並列化の結果、構造体として小形化されるハイブリッドスイッチの構成を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明においては、有接点スイッチである電磁接触器と、無接点スイッチである半導体ユニットとを並列に接続し、電流の投入および遮断を半導体スイッチング素子により行い、電流投入後の通電を電磁接触器により行うようにしたハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体スイッチング素子からなるパワー部と、過電圧から前記半導体スイッチング素子にかかろうとする過電圧を抑制するスナバ回路と、前記電磁接触器主接点を開成駆動する電磁石コイルの操作電圧の印加解除の時点と、電磁接触器主接点と連動して電磁接触器主接点と開閉状態が逆になる補助接点の開成時点とを検出して前記半導体スイッチング素子に点弧パルスを出力する制御部とを階層状に積み上げて半導体ユニットのケースに収納して構成されるとともに、外部接続導体とともに電磁接触器の主回路端子に共締めされて半導体ユニットを電磁接触器本体に一体化する主回路端子を備えていることを特徴とするハイブリッドスイッチ。
【0008】
前記半導体ユニットから引き出される導出導体は、前記半導体ユニットのケースの注型成形時に前記半導体ユニットのケースの合成樹脂からなる周壁中の対向する2壁内に埋め込まれ絶縁が図るのがよい。
【0009】
また、前記半導体ユニットは、請求項3記載のごとく、電磁接触器本体のケースに形成された当該電磁接触器本体のカバーを取り付けるための係止部に係合するためのフックを有するようにしてもよい。
【0010】
また、前記半導体ユニットは、請求項4記載のごとく、底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有するようにしてもよい。
【0011】
また、前記半導体ユニットは、請求項5記載のごとく、前記半導体ユニットの電磁接触器と向かい合わさる側の底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有するようにしてもよい。
【0012】
さらに、前記半導体ユニットは、請求項6記載のごとく、前記半導体ユニットの電磁接触器と向かい合わさる側の底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有し、かつ前記主回路端子が取り付けられてなるのがよい。
【0014】
【作用】
請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に、半導体ユニットから引き出された導出導体の主回路端子が電磁接触器の主回路端子に積み上げるように一体化し、半導体ユニットの主回路端子と電磁接触器の主回路端子とを端子に共締めすることにより、電磁接触器の主接点に並列に半導体ユニットの半導体スイッチ素子が接続されるとともに、半導体ユニットの回路素子部分を、パワー部、スナバ回路部、制御部の3つの機能に分割して階層状に積み上げるので、半導体ユニットを小形化することができる。
【0015】
請求項2記載のハイブリッドスイッチにおいては、半導体ユニットから引き出される導出導体の絶縁がケースの注型成形と同時に行われる。
【0016】
請求項3記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に形成されている該電磁接触器のカバーを取付けるための係止部を利用して半導体ユニットを電磁接触器に取付けることができる。
【0017】
請求項4記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器に形成された外部部材を係合させるための係合部を利用して半導体ユニットを電磁接触器に固定することが可能である。
【0018】
請求項5および6記載のハイブリッドスイッチにおいては、電磁接触器本体の頂面に付属底面を固定した後、この付属底面に半導体ユニットが取り付けられるので、その一体化作業が容易である。
【0020】
【実施例】
図1および図5に本発明の第1の実施例を示す。この実施例では、半導体ユニット本体を構成する回路素子を収納するケース2は、水平断面の周縁形状が方形に形成された周壁3と、周壁3の上端面を覆うカバー4と、ケース2の内部空間を画成する底面5とを主要部材として構成されている。ケース2の内部空間内には、回路素子を分類して構成した,点弧パルスの印加により主回路電流が通流するパワー部6と、パワー部6を構成する回路素子にかかろうとする過電圧を抑制するスナバ回路部7と、図示されない電磁接触器主接点を閉成駆動する電磁石コイルへの操作電圧の印加解除の時点と,電磁接触器主接点と連動して電磁接触器主接点と開閉状態が逆になる補助接点の開成時点とを検出して各時点でそれぞれ、みずからの備える点弧回路からワンショットの点弧パルスをパワー部6の点弧回路へ向けて出力する制御部8とが階層に積み上げられ、ケース2とともに半導体ユニットの本体を構成している。ここで、ケース2は、周壁3とカバー4とが注型樹脂で成形され、底面5は金属板で形成している。そして、パワー部6を構成する半導体スイッチ素子には、この実施例ではサイリスタを用いサイリスタを逆並列に接続して両端子を半導体ユニット本体の外部への導出端としており、この導出端からの導出導体9が下方へ引き出される。この導出導体9は厚みのあるストリップ状の圧延銅帯からなり、周壁3の注型成形時に周壁3中の対向2壁内に埋め込まれ、その下方端部で露出して外方へ折れ曲がった部分が半導体ユニットの主回路端子9Aを構成する。この主回路端子9Aは、図示されない外部接続導体とともに電磁接触器1の主回路端子1Aに共締めされ、このとき、その剛性により半導体ユニットを電磁接触器1に剛に一体化する。また、導出導体9が合成樹脂からなる周壁中の対向2壁内に埋め込まれているので、電磁接触器本体ケースカバーの上面に形式銘板等の金属部材が存在しても絶縁上の問題が生じることはない。
【0021】
図2は、図1に示した半導体ユニットの回路構成を示す機能ブロック図であり3相中の1相分を示している。電磁接触器1の主接点1aの両端子には、逆並列接続されたサイリスタTHY1,THY2の両端子が接続され、この両端子間にコンデンサCと抵抗R1とを直列にした過電圧吸収回路と、過電圧の上限を設定するツェナーダイオードZとが並列に接続され、また、前記両端子にはそれぞれダイオードD1と抵抗R2,ダイオードD2と抵抗R3からなるゲート回路が接続されている。そして、この主回路素子ブロック16のうち、サイリスタTHY1とTHY2とで前述のパワー部6が構成され、残りがスナバ回路部7を構成する。図1に示した制御部8は、電磁接触器1の主接点1aを投入駆動する電磁石コイルへの操作電圧が入力されてこれを整流平滑化する整流平滑回路11と、整流平滑回路11からの出力を入力し、操作電圧が規定値以上のときは高レベルの信号を、また操作電圧が規定値以下のときに低レベルの信号を出力する電圧検出回路12と、電磁接触器1の主接点1aと連動して主接点1aと開閉状態が逆になる補助接点(以下補助常閉接点またはb接点という)1bの両端子が接続されてb接点閉成時には低レベル信号を反転させた反転信号を、またb接点開成時には高レベル信号を反転させた反転信号を出力する判別回路13と、図3に示すように、電圧検出回路12からの高レベル信号が低レベル信号へ、すなわち操作入力信号がオン状態からオフ状態へ変化したときに時間幅の短いワンショットパルスを発生するワンショットパルス発生回路142,判別回路13からの反転信号が高レベル信号から低レベル進行へ、すなわちb接点1bが閉成状態から開成状態へ変化したときに時間幅の短いワンショットパルスを発生するワンショットパルス発生回路141,論理積回路AND1およびAND2,論理和回路OR1を備えたワンショットパルス発生部14と、ワンショットパルス発生部14からの出力をフォトカプラPHT1,PHT2,PHT3で受け点弧パルスをワンショットパルスの時間幅出力する点弧回路15とを備えている。従って、パワー部6における電流通流は、電磁接触器電磁石コイルに供給する操作電圧が規定値以上を保持し、かつb接点に接触不良がないときには、図4(A)に示すように、短い時間幅で出力されるワンショットパルスの時間幅に応じ、電磁接触器の投入時に主接点閉成時点まで短時間(ta1)、また遮断時に主接点開成時点につづく短時間(tb2)のみの通電となり、また、操作電圧が規定値以上を保持し、かつb接点に接触不良が生じているときには、図4(B)に示すように、電磁接触器の投入時にパワー部6には電流が流れず、遮断時に短時間(tb2)のみ電流が流れる。また、操作電圧が規定値以上を保持するとともにb接点にも接触不良がなく、かつ主接点1aに接触不良が生じている場合には、パワー部6には、図4(C)に示すように、電磁接触器の投入時,遮断時ともにいずれも点弧指令発令時点から点弧指令終了時点後の最初の交流電流波形の零点時点までの短時間(それぞれta3,tb3)のみ電流が流れる。また、操作電圧が規定値以下のときには、電磁接触器の投入時,遮断時ともにパワー部6には電流は流れない。
【0022】
さらに、制御部の回路構成により、主接点1aに接触不良が生じているときに図3と同様にワンショットパルス発生回路を利用してパワー部6の通電が行われないようにしたり、電磁接触器が高頻度開閉される場合にも、ワンショットパルス発生回路を用いて開閉の都度通電されないようにすることが可能である(より詳細は特願平5−295789号参照)。このような構成により、サイリスタの熱負荷を小さくすることができ、半導体ユニットを小形化することができる。
【0023】
図6に本発明の第2の実施例を示す。この実施例では、電磁接触器1が単体では本体ケースがカバーを有し、このカバーが、主接点や開閉機構を内側に囲んでいる周壁の高さ方向上方端面を覆って周壁の係止部に係止されているところ、このカバーを取り外したときのみ図1あるいは図4に示した半導体ユニットを電磁接触器に一体化することができるよう、半導体ユニットの主回路端子9Aとケース2の図示しない底面との相対位置を設定するとともに、ケース2の周壁3にフック3Aを設け、このフック3Aを電磁接触器本体ケース周壁の係止部1Bに係合させるようにしたものであり、ハイブリッドスイッチが小形化されるとともに、フック3Aを係合させることにより、半導体ユニットと電磁接触器との主回路端子同志の位置合わせが自動的に行われ、締合わせ作業が容易になる。
【0024】
図7に本発明の第3の実施例を示す。この実施例は、実施例1あるいは2の場合と形式の異なる電磁接触器を用いてハイブリッドスイッチを構成する場合の半導体ユニットの構成例を示すものであり、半導体ユニット本体ケースの周壁3と底面5とを合成樹脂で形成し、ケース2内に位置する半導体ユニット本体の導出端から延びる導出導体を周壁3中の対向2壁の内側に沿わせて底面5の外側へ導出し、先端部を外方へ折り曲げて主回路端子9Aを形成するとともに、底面の外側に、電磁接触器がその本体ケース頂面に備えている,ケース周壁高さ方向に外部部材を係合させる係合部1Cと係合する係合部5Cを備えている。係合部は電磁接触器側,半導体ユニット側いずれもL字状の係合片4個からなり、電磁接触器と半導体ユニットとの主回路端子接続面同志を向かい合わせて近づけながら、半導体ユニット側の,面積が広く肉厚の薄い,剛性の小さいL字状係合片を撓ませて4個同時に係合させる。係合と同時に主回路端子同志の位置合わせが終わるので、締合わせを容易に行うことができる。
【0025】
図8に本発明の第4の実施例を示す。この実施例は、第3の実施例における底面5を固定底面5Aと付属底面5Bとの2重底面に構成したものである。付属底面5Bは固定底面5Aの面に垂直方向に着脱可能に構成され、また固定底面5Aから引き抜くこともできるので、電磁接触器と半導体ユニットとの一体化に当たり、まず、付属底面5Bを引き抜いてこれを電磁接触器1の頂面に係合させ、しかる後、付属底面5Bに半導体ユニット本体ケースを固定底面5A側から挿し込んで取り付け、主回路接点同志の位置合わせが自動的に行われる。この場合は、電磁接触器頂面の係合部1Cへの半導体ユニットの係合を移動底面5B単体で行うことができるので、係合が容易に行われるメリットがある。
【0026】
図9に本発明の第5の実施例を示す。この実施例でも、半導体ユニット本体ケースの底面5は固定底面5Aと付属底面5Bとの2重底面として構成され、主回路端子9Aは付属底面5Bに取り付けられている。半導体ユニットを電磁接触器1に一体化するときには、付属底面5Bを固定底面5A側から抜き取り、これを電磁接触器頂面の係合部1Cに係合させた後、残りの半導体ユニット本体側を固定底面5A側から付属底面5Bの案内部に沿って挿入し、主回路端子9Aを半導体ユニット本体側の圧入端子に圧入させる。この構造にすると、半導体ユニット本体の内部点検や補修を主回路端子同志を締め合わせたまま行うことができ、運用面で多大の便宜が得られる。
【0027】
【発明の効果】
本発明においては、請求項1記載のようにハイブリッドスイッチを構成することにより、主回路端子同志の締合わせにより、半導体ユニットを電磁接触器に、外部配線等の面倒かつ配線が錯綜して配線ミスを生じやすい作業を必要とすることなく、主回路端子の剛性により、剛に一体化することが容易に可能になり、かつハイブリッドスイッチをコンパクトに形成することができる。
【0028】
また、半導体ユニット自体の小形化が可能になり、これにより、ハイブリッドスイッチの取付けスペースが小さくなり、特に、ハイブリッドスイッチが隣接配置される制御盤の小形化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第1の実施例を、半導体ユニットの第1の実施例による構造断面を用いて示す図
【図2】 図1に示した半導体ユニットの回路構成を示す機能ブロック図
【図3】 図2に示した機能ブロック図におけるワンショットパルス発生部回路構成の一実施例を示す回路図
【図4】 図2に示した機能ブロック図における制御部のワンショットパルス発生部が図3の回路に構成されているときの制御部の働きを示す図であって、同図の(A)は操作入力,b接点ともに正常状態のときの、(B)はb接点に接触不良が生じているときの、また(C)は電磁接触器主接点に接触不良が生じているときの半導体ユニット各部の電流または電圧波形を示す図
【図5】 図1に構成の一実施例を示したハイブリッドスイッチにおける半導体ユニットと電磁接触器それぞれの外部構造を示す図であって、同図の(a)は半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図6】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第2の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図7】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第3の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図8】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第4の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図9】 本発明によるハイブリッドスイッチ構成の第5の実施例を示すものであって、同図の(a)はこのハイブリッドスイッチを構成する半導体ユニットの外部構造を示す斜視図、(b)は電磁接触器の外部構造を示す斜視図
【図10】従来のハイブリッドスイッチ回路構成の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 電磁接触器
1A 主回路端子
1B 係合部
1C 係合部
2 ケース
3 周壁
3A フック(係合部)
4 カバー
5 底面
5A 固定底面
5B 移動底面
5C 係合部
6 パワー部
7 スナバ回路部
8 制御部
9 導出導体
9A 主回路端子
10 半導体ユニット
11 カバー
Claims (6)
- 有接点スイッチである電磁接触器と、無接点スイッチである半導体ユニットとを並列に接続し、電流の投入および遮断を半導体スイッチング素子により行い、電流投入後の通電を電磁接触器により行うようにしたハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体スイッチング素子からなるパワー部と、過電圧から前記半導体スイッチング素子にかかろうとする過電圧を抑制するスナバ回路と、前記電磁接触器主接点を開成駆動する電磁石コイルの操作電圧の印加解除の時点と、電磁接触器主接点と連動して電磁接触器主接点と開閉状態が逆になる補助接点の開成時点とを検出して前記半導体スイッチング素子に点弧パルスを出力する制御部とを階層状に積み上げて半導体ユニットのケースに収納して構成されるとともに、外部接続導体とともに電磁接触器の主回路端子に共締めされて半導体ユニットを電磁接触器本体に一体化する主回路端子を備えていることを特徴とするハイブリッドスイッチ。
- 請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体ユニットから引き出される導出導体は、前記半導体ユニットのケースの注型成形時に前記半導体ユニットのケースの合成樹脂からなる周壁中の対向する2壁内に埋め込まれ絶縁が図られていることを特徴とするハイブリッドスイッチ。
- 請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体ユニットは、電磁接触器本体のケースに形成された当該電磁接触器本体のカバーを取り付けるための係止部に係合するためのフックを有することを特徴とするハイブリッドスイッチ。
- 請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体ユニットは、底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有することを特徴とするハイブリッドスイッチ。
- 請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体ユニットは、前記半導体ユニットの底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有することを特徴とするハイブリッドスイッチ。
- 請求項1記載のハイブリッドスイッチにおいて、前記半導体ユニットは、前記半導体ユニットの底面に、当該半導体ユニットのケースから着脱可能に構成された付属底面を備え、この付属底面に、電磁接触器本体の頂面に備えられた外部部材を係合させるための係合部と係合するL字状係合片を有し、かつ前記主回路端子が取り付けられてなることを特徴とするハイブリッドスイッチ。
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