JP3702302B2 - 汚泥除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は汚濁水を処理して上水や用水等を供給するためのろ過池や配水池、養殖池、養殖海域の増養殖場の底部に堆積した汚泥層を除去する汚泥除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、都市部における水需要の増大からろ過池等の底部に堆積した汚泥層の処理能力に対する拡大の要求が高まり、この汚泥層を機械的に除去するための汚泥除去装置の開発が進められている。また、他方水産業界において、増養殖漁場での水底や海底における魚糞や飼料残渣が堆積し、腐敗し溶存酸素が不足する酸欠状態を生起し養殖魚の大量死をまねくので、この解決のための種々の汚泥除去装置が研究されている。
【0003】
この従来の汚泥除去装置として、例えば以下のようなものが知られている。
【0004】
(イ)特開平6−55005号公報(以下イ号公報という)には、両端を閉じた水平集泥管内の上部付近まで上端が貫入された枝管を多数垂下させ、枝管の下端を沈澱池底部に近接させた状態で水平集泥管に空気を供給して水平集泥管内に滞留した汚泥を排出し、この汚泥の排出に伴って瞬間的に水平集泥管内の圧力が大気圧に低下するのを利用して水平集泥管に接続する枝管の下端から汚泥を吸い込むと共に、隣り合う枝管の間のゾーンに圧力水噴射管から圧力水を噴射するようにした沈澱池用汚泥集排装置が開示されている。
【0005】
(ロ)特開平6−15110号公報(以下ロ号公報という)には、池内にろ材層を形成したろ過池において、前記ろ材層表面の近傍に下向きに噴出口を設けた洗浄ノズルと、前記ろ材層内に上向き及び/又は横向きに噴出口を設けた洗浄ノズルとを有したろ過池の洗浄装置が記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の技術は、以下のような課題を有していた。
(1)イ号公報に記載の沈澱池用汚泥集排装置は、水平集泥管への汚泥の吸引が汚泥の排出に伴って瞬間的に発生する水平集泥管内の圧力の低下を利用して行われるので、この圧力低下は大気圧までの限界があり、しかも、汚泥を吸引した後に排出するという間欠動作を繰り返して処理が行われるために、ろ過池に堆積した汚泥を連続的に除去することができないという問題があった。
(2)また、圧力水噴射管から圧力水を噴射して汚泥を浮上させるようにしているが、これにより浮上した汚泥が周囲に拡散するために、拡散した汚泥の数分の1しか回収することができず、回収効率が低下すると共に、また、大量の汚濁水でろ過池内が満たされるので、汚泥が再び沈澱するまでに長時間を要して、汚泥の処理効率を大幅に低下させ、処理コストが大きくなるという問題があった。
(3)ロ号公報に記載の洗浄装置では、多方向に噴出口を有する洗浄ノズルを用いて、池底に堆積した汚泥層を効率的に拡散させることができるものの、池中に拡散させた汚泥は、池中に設けた排水トラフに導入されて、汚泥の沈澱を待つてから除去されるだけなので、汚泥除去効率が小さいという問題があった。
(4)イ号及びロ号公報においては、汚泥層に対して位置付けられる汚泥を吸引するための枝管や洗浄ノズル口、及び圧力水の噴出口等の位置が汚泥層に対して固定されるので、広い面積を有するろ過池内に亘って堆積した汚泥層を機械的に処理することが困難であるという問題があった。
【0007】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、ろ過池や増養殖漁場(以下ろ過池等という)等の底部に堆積した汚泥層を確実に掘削、洗浄でき、掘削により浮上したSSや汚泥を池中の広い範囲に拡散させることなく吸引除去すると共に、ろ過池等の底部に広い面積に亘って堆積した汚泥層を連続的に効率良く処理することのできる省エネルギー性や省力性に優れ、メンテナンスが容易で搬送性や収納性に優れた汚泥除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は以下の構成を有している。
【0009】
本発明の請求項1に記載の汚泥除去装置は、底部に堆積した汚泥層に向けて空気を含む洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、前記洗浄ノズル部の洗浄水により掘削される汚泥層の周囲を覆うフード部と、前記フード部の上部開口部と連通して配設され、前記フード部内の汚泥を含む汚濁水を吸引して排出する汚泥搬送部と、前記フード部を支持する枠体と、を有し、前記洗浄ノズル部が、高圧水が一端部から供給される高圧水供給管と、前記高圧水供給管の水吐出側先端部に形成された水絞り部と、前記高圧水供給管の外側に同軸状に配置され空気が前記高圧水供給管の外側を通って供給される外管と、前記高圧水供給管の水絞り部に対して同軸状に前記外管の吐出側先端部に形成された混気水絞り部と、を有して構成されている。
【0010】
これによって、以下の作用が得られる。
(a)洗浄ノズル部から噴射される空気の細径気泡を含む洗浄水の噴出水流によりろ過池底等の汚泥層を掘削して、汚泥を水中に分散させることができる。この分散された汚泥を含む汚濁水はフード部によって周囲に汚泥を拡散させることなく捕捉される。フード部に捕捉された汚濁水はフード上部に設けられた汚泥搬送部を用いて外部の処理装置等に排出して、除去することができる。
(b)フード部が設けられているので、洗浄ノズル部からの洗浄水の噴射によって掘削された汚泥がフード部の外にまき散らされるようなことがなく、汚濁水のろ過池等の外部への流失による環境汚染や、汚泥の拡散による汚水処理効率の低下等を抑制することができる。
(c)洗浄ノズル部から圧縮性を有した空気の微細気泡を含む洗浄水が噴射されるので、気泡による水流撹拌効果と気泡を汚泥粒子やSS等の周囲に凝集させることによる浮力効果とが有効に発揮され、汚泥の捕集率を高める。
(d)水だけを噴射する場合に比べて、混気水流の噴射の際の衝撃力を増大させることができるので、汚泥層の掘削効果を高めるともに深部まで微細気泡を注入できる。
(e)また、混気水流を用いて汚泥層の掘削を行うので汚泥や砂層中に空気を含ませることができ、汚泥除去後の砂層や残留する汚泥層における生物膜生成を助長させ、以降の微生物などを利用した汚泥中の有機物成分等の分解処理を効果的に行うことができる。
(f)洗浄水中の空気気泡を汚泥粒子の表面に吸着凝集させ、汚泥粒子に浮力を付与して、汚泥粒子を効果的に分散浮上させ、浮上した汚泥を汚泥搬送部による吸引力で洗浄域外へ排出することができる。
(g)汚泥搬送部にエジェクターを用いた場合には、ろ過池等の現場の水を使用できると共に、洗浄水も現場の水を使用するので、手近なものを使用して、効率的に汚泥を除去すると共に、省エネルギー性に優れる。また、構造が簡単なので、メンテナンスを容易に行うことができる。
(h)水絞り部で圧力が付加された高圧水をその吐出口から噴出させると共に、その周囲に高圧水供給管と外管との間に形成される空気流路を介して空気を供給して、水と空気とからなる高圧の混合流体を生成させることができる。この水と空気からなる混合流体を外管先端に設けた混気水絞り部を介して、圧縮した後、外部の水中に拡散させることにより、均一で微細な気泡を効果的に生成させることができる。
(i)均一かつ微細な気泡を発生させることができるので、洗浄ノズル部から噴出させる洗浄水による撹拌力と掘削力を増大させ、汚泥層の洗浄処理を効率的に行うことができる。
【0011】
ここで、底部は例えば、ろ過池や配水池等の上水設備、養殖池、増養殖魚場等の池底、海底をいう。ろ過池は、上水場の砂層等で底面が覆われた形式のもので、汚濁した生活排水等が供給され、水中の汚濁物を沈澱させておくものである。
【0012】
汚泥層は、生活排水中の食品成分やその他の固形分、養殖池等における魚糞や飼料残渣などの汚濁物が砂や泥等と共に堆積したものを云う。
【0013】
洗浄ノズル部は、洗浄水の吐出口の形状が狭く開口した扇状のものや、先端を絞った絞り型のもの、あるいは端部を封じた管状物の円周側面に所定大きさの開口部を多数形成したもの等を適用することができる。ろ過池等の大きさに応じてこの洗浄ノズル部を複数配設する場合は、洗浄水の噴射の際に互いにデッドスペースを生じないような間隔を持たせて、ろ過池底の汚泥層に対して、例えば格子状や、単数あるいは複数の列をなすように配置される。
【0014】
フード部は、その開口した下端部が汚泥層の表面に対して密着させるか、あるいは汚泥層上に1〜10cmの間隔を有して配置され、内部に複数又は単数の洗浄ノズル部を収納して形成され、ステンレス等の鉄製や、PVC、PE、PP、PS、PET、PC等の合成樹脂やこれらとGF、無機フィラー等との複合材もしくはFRPで構成される。
【0015】
汚泥搬送部は、エジェクターを用いた真空ポンプ形式のものや、排水ポンプを用いる形式のもの等を適用することができる。
洗浄ノズル部の混気水絞り部の内径daと水絞り部の内径dwとの比(da/dw)は0.8〜2.5の範囲内とすることが以下の理由から好ましい。即ち、この比が0.8より少ないと、高い空気圧を必要とし、コンプレッサーなどへの負荷が増え省エネルギー性に欠け、逆に2.5を越えると気泡径が大きくなり、微細気泡の噴流による汚泥層の掘削、洗浄効果が損なわれるので好ましくない。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の汚泥除去装置において、前記汚泥搬送部が高圧水によって駆動されるエジェクターで形成されている。
【0017】
この構成によって、請求項1で得られる作用の他に次の作用が得られる。
(a)エジェクターは構造が単純で流路に羽根車等の流れに対して障害となるものがないため、高圧水に藻、砂、ゴミといったものが含まれていても、支障なく作動させることができ、保守も容易である。
(b)汚泥搬送部が高圧水を流すことにより作動するエジェクターで構成されるので、電動モータ等の重量物を装置本体に搭載する必要がなく、耐圧性のフレキシブルホース等を用いて装置本体から離れた場所から高圧水を供給して汚泥搬送部を作動させることができる。これにより装置本体を軽量化して、本体を汚泥層に沿って容易に移動させ、ろ過池の広い面積に亘って堆積した汚泥層の処理を効率的に行うことができる。なお、汚泥除去装置を大型にした場合には、水中モータを枠体に配設してもよい。
(c)汚泥搬送部の駆動源が高圧水であるので、手近にあるろ過池の上澄み水や汚濁水あるいは複数の汚泥除去装置の間を循環する循環水等を用いて水処理システムを効率的に構成させることができる。
(d)エジェクター部で適度にキャビテーションを発生させるとキャビテーションの衝撃作用によって、細菌や微生物、藻類等の有害物を破壊、分解させることができる。
【0018】
ここでエジェクターは、高圧水で高速の流れをつくり、この高圧水の流路を狭めた絞り部に高圧水を通過させて、ここに流入する液体等に高圧水の流れ方向の運動量を与えることによって吸引する形式のものである。なお、高圧水に空気が含まれていると、高圧水の運動量が削がれて、汚濁水の吸引性能が落ちるので、空気混入量とエジェクター吸引性能との関係を把握しておくことが望ましい。
【0019】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の汚泥除去装置において、前記洗浄ノズル部、前記フード部及び前記汚泥搬送部が配設された枠体と、前記枠体に固定又は上下動自在に配設された1以上のフロート部と、を有して構成されている。
【0020】
この構成により請求項1又は2で得られる作用の他に次の作用が得られる。
(a)洗浄ノズル部、フード部及び汚泥搬送部を含む本体部分を支持するフロート部を有しているので、ろ過池に浮上させ、または沈降させた状態の本体部分を汚泥層に沿ってウインチ等で牽引して容易に移動させることができ、ろ過池等の広い面積に亘って堆積した汚泥層を連続的に処理することができる。
(b)フロート部の重量等を調整することにより、洗浄ノズル部やフード部下端と汚泥層表面との間の距離を所定値に維持させることもできるので、洗浄水による掘削効率やフード部による汚濁水の吸引効率を適正範囲に維持させることができる。
(c)フロート部を枠体に設置しているので、枠体のボルト等を外すことにより容易に分解でき、コンパクト化して収納や現場への搬送ができる。
(d)フロート部の浮力を重りの付加や、フロート部への水の供給、排出によって調整して、また、枠体にフローと部をロープ等で係止して、汚泥除去装置本体の水中における深度を汚泥を効率的に除去できる適正位置に設定することができる。
【0021】
ここでフロート部は、鉄やステンレス等の金属材料やPVC、PE、PP、PS、PET、PC等の合成樹脂やこれらとGF、無機フィラー等との複合材もしくはFRPで構成される。フロート部は、その内部に密閉された空気を保持して、装置本体を浮上させるのに必要な容積と重量を有するものである。フロート部にはその軸が水平配置される円筒形のものや、球形、直方体状のものが使用できる。なお、必要に応じて、フロート部等に重りを付加したり、フロート部に設けた配管を介して、フロート部のタンク内に水等を出し入れしたりすることにより、その重量を増減させて、その浮力を調節し、洗浄ノズル部の吐出口やフロート部下端の位置を汚泥層に対して所定深さに設定して、洗浄ノズル部からの洗浄水の噴射による掘削、洗浄効果が充分有効に得られるようにすることもできる。
【0022】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の汚泥除去装置において、前記枠体の下端部に前後にそり状の湾曲部を備えた走行安定板を有して構成されている。
【0023】
この構成によって、請求項1乃至3のいずれか1項の作用の他に次の作用が得られる。
(a)汚泥除去装置の下部の汚泥層と接触する部分にそり状の湾曲部が設けられているので、汚泥層に大きな岩や、凹凸等があっても、これを湾曲部で乗り上げて、支障なく汚泥層上に沿って汚泥除去装置を移動させ、効率的に汚泥の除去処理を行うことができる。
(b)そり状の湾曲部を広く板状に形成して、中央部に開口部を設け、ここにフード部を配置して、汚泥除去装置を汚泥層に沿って移動させた場合には、汚泥層の処理後のろ過池等の底部を後部の板状部で押し当て、平滑にならすことができ、これによって、汚泥層の連続処理を円滑に行うことができる。
【0024】
ここで、走行安定板としては、前部用と後部用の大きな板状体で形成するか、両側部に前後に渡るそり状の板状物で形成し、中央部にフード部の開口部が配置される開口部を形成してもよい。
【0025】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の汚泥除去装置において、前記洗浄ノズル部の先端が、絞られかつ扇状に開口して形成される構成を有している。
【0026】
この構成によって、請求項1乃至4のいずれか1項の作用の他に次の作用が得られる。
(a)洗浄ノズル部の先端が、扇状に開口して形成されるので、汚泥除去装置を汚泥層に対して移動させる際の掃引面積を大きくして、汚泥除去の処理効率をさらに向上させることができる。
(b)洗浄ノズル部の先端における開口面積が絞られているので、高速高圧の混気水流を汚泥層に当てることができ、汚泥層の洗浄能力を向上できる。
(c)先端部が扇状に形成されるので、噴射される洗浄水中の気泡の分散性がよくなり、汚泥中に空気中に含める酸素を供給して、曝気処理水中の生物活性を高め、微生物等による汚濁物の分解を促進させ、水の浄化を行う場合の処理効率が高められる。
(d)小気泡を均等に分散する扇状の先端を有するので、汚泥層の掘削、洗浄効果による曝気効果、耕運効果、及び汚泥の吸着効果、を最大限度に高めることができる。
【0027】
ここで扇状に開口した洗浄ノズル部の先端は、15〜120度、好ましくは25〜60度の範囲の開き角度とすることが以下の理由から好ましい。即ち、この扇状の開き角度が25度より小さくなるにつれ、汚泥除去装置の移動に伴う掃引面積が小さくなり掃引効果に欠ける傾向にあり、また60度を超えるにつれ洗浄水が分散しすぎて、汚泥層を掘削するのに必要な衝撃力を付与させるのが困難になる傾向になり、これらの傾向は15度より少なくなるか、または120度を超えるとさらに顕著になるからである。
【0028】
ここで、洗浄ノズル部の汚泥層に対する傾斜角度は垂直もしくは進行方向に対して45度〜80度、好ましくは55度〜75度の範囲で先端部を前向きに形成することが以下の理由から好ましい。即ち、ノズルによる攪拌性に着目するとノズルを斜めに立たせた状態で掘削を行う方が、攪拌性能が向上するが、55度未満の角度で角度が小さくなるにつれ掘削深さが小さくなる傾向にあり、75度を超えるにつれ砂をノズルの真上に浮き上がらせて噴射流と対向させる効果が薄れる傾向にあり、45度より小さく、また80度を超えるとこれらの傾向がさらに強まるからである。
【0029】
55度〜75度にすることにより、吹き上げられた汚泥同士がお互いに衝突し細分化すると共に、ろ過池等の砂などが互いに衝突し、洗浄効果を上げることができる。尚、洗浄ノズル部を前後に角度を調整する手段を設けた場合は、ろ過池等で汚泥除去装置を前進させながら洗浄する際に角度を逆方向に変えるだけで効率よく汚泥を除去できる。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の汚泥除去装置において、前記洗浄ノズル部が、供給される空気と水を所定比率で混合して気泡が微細分散された洗浄水を吐出させる気水混合部を有して構成されている。
【0030】
この構成によって、請求項1乃至5のいずれか1項の作用の他に次の作用が得られる。
(a)洗浄水中の空気の気泡が微細分散されるので、洗浄水を汚泥層に噴射する際に、洗浄水による汚泥層に対する衝撃効果を発揮させることのできる範囲に維持され、汚泥除去の処理効率を更に向上させることができる。
【0031】
ここで、空気(a)と水(b)の比率(a/b)を所定範囲に設定することが望ましい。例えばこの比率が少ないと、圧縮性の空気量が不足するために汚泥層に対する洗浄水の衝撃掘削効果が著しく減退し、逆に比率が高くなると、空気量が増え過ぎるために、大きな気泡ができ、エネルギー効率が低下する他、洗浄水を供給するポンプ系等の負荷変動が大きくなるので好ましくない。また、空気量が多すぎるとフード部が浮上する傾向にあり、かつ、キャビテーションによる微生物などの殺菌効果等が得にくくなる傾向にある。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の汚泥除去装置において、前記汚泥搬送部により前記フード部から吸引される汚濁水の吸引流量(c)と前記洗浄ノズル部により前記フード部に供給される洗浄水流量(d)との流量比(c/d)が0.1〜10好ましくは1〜5の範囲であるように構成されている。
【0032】
この構成によって、請求項1乃至6のいずれか1項の作用の他に次の作用が得られる。
(a)汚濁水の吸引流量(c)と洗浄水流量(d)との流量比(c/d)を特定範囲にしているので、フード部内における流体の流入量と流出量とをバランスさせる条件の下で、汚濁水の周囲への拡散を抑制し、汚泥層の掘削効率を良好に維持させることができる。
(b)フード部が底部に吸着するのを防止でき、、走行安定性を向上させ連続運転を行うことができる。
【0033】
ここで、汚濁水の吸引流量(c)と洗浄水流量(d)との流量比(c/d)が1より少なくなるにつれ、フード部の外に流出する汚濁水が増加して、ろ過池等の作業環境を悪化させる原因になる。また、この流量比が5を超えると、汚泥除去装置により排除された汚濁水中の汚泥の濃度が低下する一方、その排除された水の処理量が増加して、処理コストが増えると共に、フード部が底部に密接する傾向があり、走行安定性を害する傾向にあり、これらの傾向は流量比(c/d)が0.1より少なくなり、また10を越えるとさらに顕著になる。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を用いて説明する。
【0037】
(実施の形態1)
図1は実施の形態1の汚泥除去装置の模式図である。
【0038】
図1において、10は実施の形態1の汚泥除去装置、11はろ過池や増養殖場等の養殖池や海面区画の養魚場の底部の上面に汚泥が堆積して形成された汚泥層、12は汚泥層11に向けて空気と水からなる洗浄水を噴射する洗浄ノズル部、13は洗浄ノズル部12の洗浄水が噴射される部分の汚泥層11を覆うフード部、14は高圧水流路の絞り部側面近傍に設けられた開口部からフード部13上部接続口に巻きあげられた汚濁水を吸引するための汚泥搬送部、15は汚泥搬送部14に高圧水を供給するための耐圧ホースである。
汚泥除去装置10は、図示するようにその主要部が水中に浸漬され、外部から高圧水が汚泥搬送部14に、水及び空気が洗浄ノズル部12にそれぞれ供給されて、フード部13内における汚泥層11の掘削と掘削された汚泥を含む汚濁水がフード部13上部からの吸引除去される。
【0039】
汚泥搬送部14の絞り部を除く高圧水流路の上流側及び下流側は可撓性の耐圧ホース15等からなっていて、汚泥除去装置10が汚泥層11の処理に伴って汚泥層11上を水平移動しても支障がないように充分な長さを有している。
【0040】
洗浄ノズル部12の先端は扇状に25〜60度の角度で開口して形成され、供給される空気及び水が適正な混気水流が得られる混合比率で、また洗浄水の供給流量が例えば、フード部13内の水を例えば5〜30秒の時間で置換できる流量の範囲に設定され、図示しない供給器により供給されるようになっている。
フード部13は、比較的軽量のアルミ金属材やPVC、PS、PP、ABS、AS、HIPS、PS、PA、PET、PRE等の合成樹脂、又はこれらと無機フィラーやGF等との複合材等で成形され、開口したその下端部が汚泥層11上に接地又は所定の間隔を有した状態で配置される。
【0041】
汚泥搬送部14によりフード部13から吸引される汚濁水の吸引流量(c)と洗浄ノズル部12によりフード部13に供給される洗浄水流量(d)との流量比(c/d)は所定の0.1〜10の範囲にバランスさせている。
【0042】
この流量比(c/d)が0.1より少ないと、フード部の外に流出する汚濁水が増加して、ろ過池の作業環境を悪化させる原因になり、逆にこの流量比が10を超えると、汚泥除去装置により排除された汚濁水中の汚泥の濃度が低下する一方、その排除された水の処理量が増加して、処理コストが増えるので好ましくない。
【0043】
こうして、汚泥搬送部14には、前記洗浄ノズル部12によりフロート部13に供給される洗浄水の量に対応した流量の高圧水が供給され、これによって、フード部13内上部の汚濁水が開口部から吸引される。こうして、フード部13内の汚泥を含む汚濁水を除去するための水流を有効に形成することができる。
実施の形態1の汚泥除去装置10は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(a)洗浄ノズル部12から噴射される空気を含む洗浄水によりろ過池等の底部に堆積した汚泥層11を掘削して、この分散された汚泥や、SS等の汚濁物質を含む汚濁水をフード部13で捕捉し、気泡の上昇流に同伴させながらフード部13の上部に設けられた汚泥搬送部14を用いて外部に効率的に排出、除去させることができる。
(b)フード部13が設けられているので、浮上した汚泥がフード部13の外部へ流失することによる環境汚染や、汚濁水の発生による汚水処理効率の低下等を抑制することができる。
(c)汚泥搬送部14が高圧水で作動するエジェクターからなるので、フレキシブルホース等の配管を用いて装置本体から離れた場所から汚泥搬送部14を作動させることができ、装置本体を軽量化して、ウインチや人力等で牽引して、汚泥層11の面上に沿って水平方向に移動させ、上水のろ過池や増養魚場等の広い面積に亘って堆積した汚泥層11の処理を容易に行うことができる。
(d)汚泥搬送部14の駆動源が高圧水であるので、現場の上澄み水や汚濁水あるいは複数の汚泥除去装置10の間を循環する循環水等を用いて水処理システムを効率的に構成させることができる。
(e)洗浄ノズル部12から圧縮され微細化した気泡を含む洗浄水が噴射されるので、汚泥粒子やSS等の汚濁物質の表面に気泡を吸着集積させ、これらに浮力を付与して、汚泥粒子等を分散浮上させ、汚泥層11の掘削を効果的に行うことができる。
(f)気泡を含む洗浄水を用いて汚泥層11の掘削を行うので汚泥や砂層中に空気を含ませることができ、汚泥除去後の砂層や残留する汚泥層11における生物膜生成を助長させ、微生物等による有機成分等の分解が促進される。
(実施の形態2)
図2はろ過池等に設置した状態における実施の形態2の汚泥除去装置の側面図であり、図3はその正面図であり、図4はその平面図である。
【0044】
図2において、20は実施の形態2の汚泥除去装置、21はろ過池や増殖漁場の底部上に堆積された汚泥層、22は汚泥層21に向けて空気と水の混合した混気水からなる洗浄水を噴射する洗浄ノズル部、26は上壁面から貫設された洗浄ノズル部22から噴射された混気水流状の洗浄水で巻き上げられた汚泥層21の汚濁物等や汚泥の拡散部分を覆うフード部、26aはフード部26の底部位置を上下動可能に支持するフード部支持枠、26bはフード部支持枠26aに固定された枠体31等に固設された支持部材26dの軸孔をスライドするスライド部材、26cはスライド部材26bを所定位置に固定するための位置固定部材、26eはフード部26からの汚泥の流出を防止するための逆止弁、27は高圧水流路の絞り部側面近傍に設けられた開口部からフード部26上部に巻きあげられた汚濁水を吸引して外部に搬送するための汚泥搬送部、28は洗浄ノズル部22に洗浄水を供給するための洗浄水供給用ポンプ、29は汚泥搬送部27に所定流量の高圧水を供給するための高圧水供給用ポンプ、30は洗浄ノズル部22、フード部26、汚泥搬送部27、洗浄水供給用ポンプ28及び高圧水供給用ポンプ29をそれぞれ支持する枠体31の上部に固定配置され円筒状に形成された左右一対のフロート部、32は汚泥搬送部27からの排出される汚濁水を含む高圧水を外部に排出するためのダクトホース、33はろ過池等の外に配置されたコンプレッサー、あるいは枠体31に配置された図示しないコンプレッサー等に連結され洗浄ノズル部22に空気を空気集合管33aに連結して供給するための空気供給ホース、34は汚泥層21上に置かれる枠体31の下部に設けられた移動方向の前後にそり状の湾曲部を備えた平板状の走行安定板、34aは走行安定板34のフード部26の開口部を囲繞する走行安定板開口部、34bは走行安定板34に固定部材34cを介して立設されたフード部支持部、35は洗浄水供給用ポンプ28及び高圧水供給用ポンプ29に導入される水から砂や小石、藻類等を除くための多数の小孔を有するストレーナ、36は洗浄ノズル部22に洗浄水供給用ポンプ28からの水を分配管36aを介して供給するための水供給ホースである。
図3の側面図において、23、24、25は前記洗浄ノズル部22に並べてそれぞれ所定間隔を有して配置され、その吐出口がフード部26内に収容された洗浄ノズル部である。なお洗浄ノズル部23〜25にも前記洗浄ノズル部22と同様に空気供給ホース33と水供給ホース36とを介して、空気と水とが供給されるようになっている。
【0045】
図4の平面図においては、空気供給ホース33と水供給ホース36等の配管系を省略して示している。
汚泥除去装置20は、図示するようにその主要部がろ過池等の水中に浸漬された状態で用いられる。
【0046】
なお、汚泥層21上部の水が高圧水供給用ポンプ29の底部から取り入れられて、汚泥搬送部27に駆動用の高圧水として供給される。また、汚泥層21上部の水が洗浄水供給用ポンプ28の底部から取り入れられて洗浄ノズル部22〜25に供給されるようになっている。洗浄水供給用ポンプ28及び、高圧水供給用ポンプ29にはそれぞれ取り入れられた水から汚泥等をろ過するためのろ過材35等が配置されているので、これにより、外部から処理用の水を供給することなく汚泥層21の掘削と掘削された汚泥の吸引除去が行われる。
汚泥搬送部27により吸引された汚濁水を含む高圧水はダクトホース32を介して別に設けた沈澱池等に送られて、必要な汚泥の沈澱やろ過処理等がなされるようになっている。
【0047】
洗浄ノズル部22〜25の先端は扇状にそれぞれ所定角度、例えば、25〜60度の範囲で開口して形成され、所定比率、例えば1/3000〜1/100の重量比率の空気と水からなる洗浄水が噴射される。なお、洗浄ノズル部22〜25に供給される洗浄水中の空気及び水の重量比及び供給流量等が洗浄水供給用ポンプ28や図示しないコンプレッサー等を用いて制御されている。
【0048】
洗浄ノズル部22〜25の全体を覆うフード部26は、PVC、PE、PP、ABS、HIPS、等で形成され、開口したその下端部が汚泥層21上に接地又は10〜100mmの間隔を有した状態で混気水流状の洗浄水が噴射され、微細気泡を含む洗浄水の衝撃効果と気泡の付着による汚泥の浮上促進と気泡の浮上による同伴効果とにより汚泥層21が効果的に掘削され、掘削されたSSや汚濁物が系外に排出される。
汚泥搬送部27には、洗浄ノズル部22〜25に供給される洗浄水の流量に対応した所定流量の高圧水が高圧水供給用ポンプ29を介して供給され、フード部26内の上部の汚濁水が開口部から吸引されて、フード部26内の汚泥を効率的に除去するための水流が形成されるようになっている。
【0049】
水平配置される左右一対のフロート部30は、金属製又は塩化ビニル樹脂等のプラスチック製等の材料からなり、内部に所定容積の空間を備えていて、汚泥除去装置20をろ過池内の所定深さに維持させるための浮力を有している。
【0050】
汚泥搬送部27は、高圧水を駆動源とするエジェクターを用いて、フード部26上部に連通する開口部からフード部26内の汚濁水を吸引する方式なので、供給される水中に砂や小石、藻類等が混入していても、支障なく作動させることができ、メンテナンスを容易にできる。
実施の形態2の汚泥除去装置20は以上のように構成されているので、実施の形態1で得られる作用の他、以下の作用を有する。
(a)洗浄ノズル部22〜25から噴射される空気を含む洗浄水によりろ過池等の底部上の汚泥層21を掘削して、この分散された汚泥を含む汚濁水をフード部26で捕捉し、フード部26の上部に設けられた汚泥搬送部27を用いて外部の沈澱池や処理装置に送ることができる。
(b)洗浄水や高圧水として、現場にある水を利用できるので、水処理システムを効率的に運用させることができる。
(c)装置の本体部分を支持するフロート部30を有しているので、ろ過池等の水中に浮上させた本体部分を、ウインチ等で牽引して汚泥層を順次処理しながら汚泥層21上を容易に水平移動させることができる。これにより、ろ過池等の広い面積に亘って堆積した汚泥層21を連続的に処理することができる。
(d)フロート部30の重量等の調整により、洗浄ノズル部22〜25の吐出口やフード部26の下端と汚泥層21の表面との間の距離を所定値に維持させることもできるので、常時、洗浄水による掘削効率やフード部26による汚濁水の捕捉吸引効率を適正範囲に維持できる。
(実施の形態3)
図5は実施の形態3の汚泥除去装置に用いる洗浄ノズル部の断面図である。
【0051】
図5において、40は空気と水を噴射する混気水ノズルである洗浄ノズル部、41はPVC、PE、PP、PS、PET、PC等の合成樹脂やこれらとGF、無機フィラー等との複合材もしくはFRPで形成された外管、42は外管41の中に同軸状に配置され、水が一端側から先端側に向けて供給される高圧水供給管、43は外管41先端の混気水絞り部、44は高圧水供給管42先端の水絞り部、45は外管41の側部に設けられた空気を外管41と高圧水供給管42との間に供給するための空気供給管、46は供給される空気と水とが水絞り部44と混気水絞り部43の間で混合される気水混合部である。
【0052】
なお、実施の形態3の汚泥除去装置の洗浄ノズル部以外の構成は前記実施の形態2のものと同様であるので、これらについての説明は省略する。
【0053】
図6(a)は洗浄ノズル部に装着されるノズルキャップの正断面図であり、図6(b)はその側断面図であり、図6(c)はその平面図である。
【0054】
図6において、47は空気を含む洗浄水の吐出口を扇状に開口するための扇形状に拡開されるとともに先端が絞られて、くさび形状に形成されたノズルキャップである。
このようなノズルキャップ47はPVC、PE、PP、PS、PET、PC等の合成樹脂製で、洗浄ノズル部40の先端の混気水絞り部43の外周面に嵌合もしくは螺合、接着されて洗浄ノズル部40の先端に装着され、先端部の厚み方向の出口幅dが約2mm、開き幅が約40〜50mm、扇状の開き角度が約30〜45度で形成されている。
【0055】
洗浄ノズル部40は中心に配置される高圧水供給管42内に水が流れ、その高圧水供給管42の外側と外管41の内側を空気が流れる二重円管式になっており、汚泥層の掘削幅を大きくするために、扇形のノズルキャップ47が洗浄ノズル部40の混気水絞り部43の外周面に装着されている。
実施の形態3の汚泥除去装置は以上のように構成されているので、以下の作用を有する。
(a)高圧水供給管42の先端部に形成される水絞り部44で、加圧された高圧水をその吐出口から気水混合部46に噴出させると共に、その気水混合部46の周囲に空気を供給して、水と空気の微細気泡とからなる高圧の混合気水流体を生成させることができる。この水と微細気泡からなる混合気水流体を外管41の先端に設けた混気水絞り部43に通過させて圧縮した後、外部の水中に拡散させることにより、均一で微細な気泡を効果的に生成させることができる。
(b)均一かつ微細な気泡を発生させることができるので、洗浄ノズル部40から噴出させる洗浄水の掘削力と撹拌力とを増大させ、汚泥層の洗浄処理を効率的に行うことができる。
(c)ノズルキャップ47などを先端に装着することにより吐出口を扇状に形成して汚泥除去装置を移動させる際の掃引面積を大きくすると共に、微細で均一な気泡を効率的に発生させることができる。
【0056】
【実施例】
以下、本発明の効果を検証するために行った各実施例について説明する。
【0057】
(実施例1)
洗浄ノズル部から洗浄水を噴射させることによる汚泥層の掘削深さ、幅等は噴射条件、移動速度等により変化することが考えられ、ろ過池池や養殖池等の砂層保護の観点から過掘削しないよう事前に掘削深さ、幅等の基本性能を調べる必要がある。これを検証するために行った実験の結果について以下に説明する。
【0058】
この実験に用いた洗浄ノズル部は、前記実施の形態3の洗浄ノズル部40であって、中心に配置される高圧水供給管42内に水が流れ、その高圧水供給管42の外側と外管41の内側を空気が流れる二重円管式になっており、汚泥層の掘削幅を大きくするために、扇形のノズルキャップ47を洗浄ノズル部40の混気水絞り部43の外周面に装着したものを使用した。
このノズルキャップ47の装着によって、小気泡が均等に水中に分散された状態の扇形気液二相噴流を気水混合部46で形成して吐出口から噴出させることができる。このようにノズルキャップ47を用いた洗浄ノズル部40では、円形気液二相噴流を形成させるものに比べてその噴流幅を広くして、有効掘削幅(言い換えると掃引面積)を大きくできる。
【0059】
ここで、上記の効果を最大限度に発揮させるためのノズルキャップ47の幅dには最適値が存在する。
【0060】
即ち、洗浄ノズル部40の寸法(外管41の混気水絞り部43の径d、高圧水供給管42の水絞り部44の径d)、ノズル噴射水圧力Pnw、及び噴射空気流量qnaによって、ノズルキャップ47の出口幅dには最適値が存在している。
基礎実験では、出口幅がd=1、2、4mmの3種類のノズルキャップ47を準備し、下記の実験条件の下で実験を行い、洗浄水の噴流及び汚泥層の掘削、洗浄の様相を観察した。
【0061】
実験条件:(d=6mm、d=10mm、Pnw=0.15〜0.20MPa、qna=7.5〜30リットル/min、ノズル先端から汚泥層表面までの距離y)
ノズル噴射水圧力Pnw、噴射空気流量qna及び出口幅dを変化させた場合において、適正な掘削、攪拌を行うことのできる噴射距離yの値はそれらの条件に応じて変化する。本実験では出口幅がd=2mmの場合は、他の出口幅の場合に比べてその噴射距離yが若干短くなる傾向になっている。
【0062】
この噴射距離yは全ての条件で350mm程度であり、また、ノズル噴射圧力を一定として、混入させる空気流量を変化させた場合、洗浄水による噴流の様相にほとんど変化は見られなかった。
ノズルキャップ47の幅をd=2mmとした場合に、汚泥層の有効掘削深さは12cmであり、有効掘削幅は約15cmであった。この場合、洗浄水による砂の撹拌に関しては、噴射される洗浄水中の気泡による浮力上昇効果が有効に働いていることが分かった。このように、出口幅が2mmの場合に、ノズルからの距離によらずほぼ一定で広い噴流幅を確保できると考えられる。
【0063】
上記の条件ではノズルキャップ47の幅をd=2mmとした場合に吐出される洗浄水の噴流による汚泥層の掘削、洗浄の状態を良好に維持できることがわかった。
【0064】
また、実験観察から、掘削、攪拌は洗浄水に混入させる混入空気が届く範囲で最も激しく起こっていることがわかった。これは、一度下方に向かって噴射された気泡の浮力による上昇と、噴射された混気水噴流とが対向混合することに起因すると考えられる。
ノズル噴射水圧力と噴射空気量が一定の状態で、ノズルと汚泥層との距離をh=50〜150mmまで変化させた場合、距離が大きくなる程、掘削深さは小さくなっている。噴射空気流量のみをqna=7.5リットル/min〜30リットル/minまで変化させ、残りの条件を一定にした場合、掘削深さにはあまり大きな変化がない。また、噴射水圧力のみをPnw=0.15MPaから0.20MPaまで変化させた場合は、掘削深さは大きくなっている。
【0065】
掘削幅においては、ノズル噴射水圧力と噴射空気流量が一定の状態で、掘削ノズルと汚泥層との距離をh=50から150mmまで変化させた場合、掘削幅に大きな変化はない。噴射空気流量のみをqna=7.5から30リットル/minまで変化させ、残りの条件を一定にした場合、掘削幅はあまり大きな変化はない。また噴射水圧力のみをPnw=0.15MPaから0.20MPaまで変化させた場合、掘削幅は大きくなっている。
【0066】
以上のことから、掘削深さはノズル噴射水圧力が大きくなると拡大し、ノズルと汚泥層との距離が大きくなると縮小することがわかる。掘削幅はノズル噴射水圧力が大きくなると深さと同様大きくなるが、ノズルと汚泥層との距離による変化はあまり見られなかった。また、噴射空気流量による影響は掘削深さ、幅ともに顕著な変化はないことがわかった。実際の洗浄ノズルの設定値としては、ノズル噴射水圧力はPnw=0.20MPa程度、噴射空気流量はqna=7.5リットル/min程度、ノズルと汚泥層との距離はh=50mm程度が適していると思われる。
(実施例2)
汚泥層の掘削性能は洗浄ノズル部の移動速度によっても大きく変化する。そこで、ノズルを移動させた場合の掘削深さについて調べた。この場合、掘削後のくぼみに砂が流れ込み、水槽等を用いた可視化観察ではこの評価が難しいため、砂層を着色層(メチレンブルーにより染色した厚さ5cmの層)と非着色層(厚さ10cm)の2層に分けて敷き、実験を行った。
【0067】
洗浄ノズル部の移動速度を▲1▼5cm/秒、▲2▼10cm/秒として、それぞれ噴射水圧力0.150MPa、供給空気流量7.5リットル/minの条件の下で実験を行った。
【0068】
▲1▼洗浄ノズル部の移動速度が5cm/秒の場合、掘削深さは7cm程度に達し、撹拌領域が大きく、撹拌状態も良いことが分かった。
【0069】
▲2▼洗浄ノズル部の移動速度が10cm/秒の場合では、▲1▼の場合に比べ掘削できる範囲は砂層の表層からわずか1cm程度であり、撹拌はほとんどされていない。
【0070】
これらの場合、攪拌された砂はノズル移動方向と逆方向に流され、ノズルの後方に浮き上がっていることが観察された。
掘削深さはノズル噴射水圧力や噴射空気流量が一定の場合、ノズルの移動速度が速くなるにつれ小さくなっている。移動速度が一定で噴射条件が異なる場合、ノズル噴射水圧力や噴射空気流量が大きい方が深く掘削されている。このように移動速度は掘削、攪拌に強く影響を及ぼすことがわかった。掘削深さは移動速度V=10cm/s以下の場合、どの噴射条件でもD=50mm以上が確保されているので、設定する移動速度としては、V=5〜10cm/s程度が適していると思われる。
【0071】
なお、実施例1では洗浄ノズルの汚泥層に対する噴射角度を垂直、即ち、90度としているが、洗浄ノズルの噴射角度を60〜75度の角度範囲で斜めに立たせた状態で移動させた場合には、ノズルを垂直に立たせた場合とは異なり、攪拌された砂は移動するノズルの真上に浮き上がり、移動に伴って新たに噴射される流れと対向することにより攪拌がより盛んになっている。
【0072】
この掘削深さのデータを表3に示している。以上のデータ及び実験観察などから、掘削性能のみを考えると、ノズルの角度により変化はないが、その後の攪拌性能に着目するとノズルを斜めに立たせた状態で掘削を行う方が、攪拌性能が向上すると考えられる。なお、汚泥層に対するノズルの噴射角度については、60度未満の角度であれば掘削深さが小さくなってしまい、75度を超えると砂をノズルの真上に浮き上がらせて噴射流と対向させる効果が薄れるので、60〜75度の範囲とすることが好ましい。
これら一連の実験から、洗浄ノズル部を移動させながらの汚泥層の掘削では、移動スピードにより掘削深さが大きく変化すること、掘削深さの最深部はノズル直下よりも後ろに存在することが分かった。
(実施例3)
図7はエジェクター型のポンプ(ジェットポンプ)における、駆動源となる高圧水に混入される混入空気流量(供給空気流量)と正味吸い込み流量の関係を示すグラフである。図7から、混入空気流量の増大に伴う正味吸い込み流量の減少傾向がわかり、特に、混入空気流量が130リットル/minになると正味吸い込み流量が極端に減少することがわかる。実用範囲から考えると本システムにおける混入空気流量は最大でも120リットル/min程度に設定する必要があることが分かる。
(実施例4)
図8は汚泥除去装置を適用した場合のろ過池における濁度の時間変化のグラフであり、図9は色度の時間変化のグラフである。
【0073】
この水質試験では目視検査のほか、汚泥除去装置のろ過機能の良否の判断基準として、ろ過池から採取したサンプル水について、その濁度、色度等の5項目を調査した。
【0074】
図8に示すように、▲1▼本システムを適用した場合(実線)と▲2▼人力で汚泥を除去した場合(破線)とでは、両者ともにろ過を開始した当初の濁度は0.25度と高い値を示していたが、試験終了後2日目には急激に濁度の値が下がり、10日目にはクリプト暫定指針値の0.10度以下となり、それ以降も漸次減少の傾向が見られた。
【0075】
処理水の色度を緩速ろ過で低下させるのは難しいとされているが、図9に示すように▲1▼、▲2▼の場合共に、水質基準値5.0度を下回っていることが分かる。
(実施例5)
表1は汚泥除去装置によるろ過を行ってから16日後における水質試験結果のデータを示している。▲1▼本システムで洗浄した1号池の場合、一般細菌が処理前の14.6%に、大腸菌については1.6%に減少している。このように▲2▼人力で汚泥を削取した2号池の場合より良い結果となっていることが分かる。
【0076】
【表1】
Figure 0003702302
【0077】
以上の実施例4、5の試験結果から総合的に判断すると、▲1▼及び▲2▼の双方とも水質的に差異は見られず、本システムを使用して洗浄作業を行っても生物ろ過機能は十分確保されているものと考えられた。
以上の実施例1〜5により得られた知見から明らかなように、汚泥層に向けて洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、掘削される汚泥層の周囲を覆うフード部と、フード部内の汚泥を含む汚濁水を吸引して排出する汚泥搬送部とを有する汚泥除去装置においては、洗浄ノズル部から洗浄水を噴射させることによる汚泥層の掘削条件(洗浄水の噴射幅、洗浄水の噴射圧力、供給空気量、洗浄水の汚泥層に対する噴射角度、汚泥層とノズル先端までの噴射距離、洗浄ノズル部の移動速度、汚泥搬送部における混入空気量、高圧水の供給量など)は、処理するろ過池等の広さや、水深、汚泥層の厚み、種類等によりそれぞれの最適値が変化することがわかった。
【0078】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、これによって、以下の効果が得られる。
(a)洗浄ノズル部から噴射される空気の細径気泡を含む洗浄水の噴出水流によりろ過池底等の汚泥層を掘削して、汚泥を水中に分散させることができる。この分散された汚泥を含む汚濁水はフード部によって周囲に汚泥を拡散させることなく捕捉される。フード部に捕捉された汚濁水はフード上部に設けられた汚泥搬送部を用いて外部の処理装置等に排出して、除去することができる。
(b)フード部が設けられているので、洗浄ノズル部からの洗浄水の噴射によって掘削された汚泥がフード部の外にまき散らされるようなことがなく、汚濁水のろ過池等の外部への流失による環境汚染や、汚泥の拡散による汚水処理効率の低下等を抑制することができる。
(c)洗浄ノズル部から圧縮性を有した空気を含む洗浄水が噴射されるので、気泡による水流撹拌効果と気泡を汚泥粒子やSS等の周囲に凝集させることによる浮力効果とが有効に発揮され、汚泥の捕集率を高める。
(d)水だけを噴射する場合に比べて、混気水流の噴射の際の衝撃力を増大させて汚泥層の掘削効果を高めることができる。
(e)また、混気水流を用いて汚泥層の掘削を行うので汚泥や砂層中に空気を含ませることができ、汚泥除去後の砂層や残留する汚泥層における生物膜生成を助長させ、以降の微生物などを利用した汚泥中の有機物成分等の分解処理を効果的に行うことができる。
(f)洗浄水中の空気気泡を汚泥粒子の表面に吸着凝集させ、汚泥粒子に浮力を付与して、汚泥粒子を効果的に分散浮上させ、浮上した汚泥を汚泥搬送部による吸引力で洗浄域外へ排出することができる。
(g)汚泥搬送部にエジェクターを用いた場合には、ろ過池等の現場の水を使用できると共に、洗浄水も現場の水を使用するので、手近なものを使用して、効率的に汚泥を除去すると共に、省エネルギー性に優れる。また、構造が簡単なので、メンテナンスを容易に行うことができる。
(h)水絞り部で圧力が付加された高圧水をその吐出口から噴出させると共に、その周囲に高圧水供給管と外管との間に形成される空気流路を介して空気を供給して、水と空気とからなる高圧の混合流体を生成させることができる。この水と空気からなる混合流体を外管先端に設けた混気水絞り部を介して、圧縮した後、外部の水中に拡散させることにより、均一で微細な気泡を効果的に生成させることができる。
(i)均一かつ微細な気泡を発生させることができるので、洗浄ノズル部から噴出させる洗浄水による撹拌力と掘削力を増大させ、汚泥層の洗浄処理を効率的に行うことができる。
請求項2に記載の発明によれば、これによって、請求項1で得られる効果の他に次の効果が得られる。
(a)エジェクターは構造が単純で流路に羽根車等の流れの障害となるものがないため、高圧水に藻、砂、ゴミといったものが含まれていても、支障なく作動させることができ、保守も容易である。
(b)汚泥搬送部が高圧水を流すことにより作動するエジェクターで構成されるので、電動モータ等の重量物を装置本体に搭載する必要がなく、耐圧性のフレキシブルホース等を用いて装置本体から離れた場所から高圧水を供給して汚泥搬送部を作動させることができる。これにより装置本体を軽量化して移動させ、ろ過池の広い面積に亘って堆積した汚泥層の処理を容易に行うことができる。
(c)汚泥搬送部の駆動源が高圧水であるので、手近にあるろ過池の上澄み水や汚濁水あるいは複数の汚泥除去装置の間を循環する循環水等を用いて水処理システムを効率的に構成させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、この構成によって、請求項1又は2で得られる効果の他に次の効果が得られる。
(a)洗浄ノズル部、フード部及び汚泥搬送部を含む本体部分を支持するフロート部を有しているので、ろ過池に浮上させた本体部分を容易に移動させることができ、ろ過池等や養殖池等の広い面積に亘って堆積した汚泥層を連続的に効率良く処理することができる。
(b)フロート部の重量等を調整することにより、洗浄ノズル部やフード部下端と汚泥層表面との間の距離を所定値に維持させることもできるので、常時、洗浄水による掘削効率やフード部による汚濁水の吸引効率を適正範囲に維持させることができる。
(c)フロート部を枠体に設定しているので、枠体のボルト等を外すことにより容易に分解でき、コンパクト化して収納や現場への搬送ができる。
(d)フロート部の浮力を重りの付加や、フロート部への水の供給、排出によって調整して、汚泥除去装置の水中における深度を汚泥を効率的に除去できる適正位置に設定することができる。
請求項4に記載の発明によれば、この構成によって、請求項1乃至3のいずれか1項の効果の他に次の効果が得られる。
(a)汚泥除去装置の下部の汚泥層と接触する部分にそり状の湾曲部が設けられているので、汚泥層に大きな岩や、凹凸等があっても、これを湾曲部で乗り上げて、支障なく汚泥層上に沿って汚泥除去装置を移動させ、効率的に汚泥の除去処理を行うことができる。
(b)そり状の湾曲部を広く板状に形成して、中央部に開口部を設け、ここにフード部を配置して、汚泥除去装置を汚泥層に沿って移動させた場合には、汚泥層の処理後のろ過池等の底部を後部の板状部で押し当て、平滑にならすことができ、これによって、汚泥層の連続処理を円滑に行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、この構成によって、請求項1乃至4のいずれか1項の効果の他に次の効果が得られる。
(a)洗浄ノズル部の先端が、扇状に開口して形成されるので、汚泥除去装置を汚泥層に対して移動させる際のデッドスペースを少なくして、汚泥除去の処理効率をさらに向上させることができる。
(b)洗浄ノズル部の先端における開口面積が絞られているので、高速高圧の混気水流を汚泥層に当てることができ、汚泥層の洗浄能力を向上できる。
(c)先端部が扇状に形成されるので、噴射される洗浄水中の気泡の分散性がよくなり、汚泥中に空気中に含める酸素を供給して、処理水中の生物活性を高め、微生物等による汚濁物の分解を促進させ、水の浄化を行う場合の処理効率が高められる。
請求項6に記載の発明によれば、この構成によって、請求項1乃至5のいずれか1項の効果の他に次の効果が得られる。
(a)洗浄水中の空気と水が特定の重量比の範囲に設定されるので、洗浄水を汚泥層に噴射した際の、衝撃効果が所定の良好な範囲に維持され、汚泥除去の処理効率を更に向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、この構成によって、請求項1乃至6のいずれか1項の効果の他に次の効果が得られる。
(a)汚濁水の吸引流量(c)と洗浄水流量(d)との流量比(c/d)を特定範囲にしているので、フード部内における流体の流入量と流出量とをバランスさせる条件の下で、汚濁水の周囲への拡散を抑制し、汚泥層の掘削効率を良好に維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の汚泥除去装置の模式図
【図2】実施の形態2の汚泥除去装置の側面図
【図3】実施の形態2の汚泥除去装置の正面図
【図4】実施の形態2の汚泥除去装置の平面図
【図5】実施の形態3の汚泥除去装置における洗浄ノズル部の断面図
【図6】(a)洗浄ノズル部に装着されるノズルキャップの正断面図
(b)その側断面図
(c)その平面図
【図7】ジェットポンプの供給空気流量と正味吸い込み流量の関係を示すグラフ
【図8】ろ過池における濁度の時間変化のグラフ
【図9】ろ過池における色度の時間変化のグラフ
【符号の説明】
10 汚泥除去装置
11 汚泥層
12 洗浄ノズル部
13 フード部
14 汚泥搬送部
15 耐圧ホース
20 汚泥除去装置
21 汚泥層
22 洗浄ノズル部
23 洗浄ノズル部
24 洗浄ノズル部
25 洗浄ノズル部
26 フード部
26a フード部支持枠
26b スライド部材
26c 位置固定部材
26d 支持部材
27 汚泥搬送部
28 洗浄水供給用ポンプ
29 高圧水供給用ポンプ
30 フロート部
31 枠体
32 ダクトホース
33 空気供給ホース
33a 空気供給管
34 走行安定板
34a 走行安定板開口部
34b フード部支持部
35 ろ過材
36 水供給ホース
36a 分配管
40 洗浄ノズル部
41 外管
42 高圧水供給管
43 混気水絞り部
44 水絞り部
45 空気供給管
46 気水混合部
47 ノズルキャップ

Claims (7)

  1. 底部に堆積した汚泥層に向けて空気を含む洗浄水を噴射する洗浄ノズル部と、
    前記洗浄ノズル部の洗浄水により掘削される汚泥層の周囲を覆うフード部と、
    前記フード部の上部開口部と連通して配設され、前記フード部内の汚泥を含む汚濁水を吸引して排出する汚泥搬送部と、
    前記フード部を支持する枠体と、を有し、
    前記洗浄ノズル部が、高圧水が一端部から供給される高圧水供給管と、前記高圧水供給管の水吐出側先端部に形成された水絞り部と、前記高圧水供給管の外側に同軸状に配置され空気が前記高圧水供給管の外側を通って供給される外管と、前記高圧水供給管の水絞り部に対して同軸状に前記外管の吐出側先端部に形成された混気水絞り部と、を有することを特徴とする汚泥除去装置。
  2. 前記汚泥搬送部が高圧水によって駆動されるエジェクターで形成されていることを特徴とする請求項1に記載の汚泥除去装置。
  3. 前記洗浄ノズル部、前記フード部及び前記汚泥搬送部が配設された枠体と、前記枠体に固定又は上下動自在に配設された1以上のフロート部と、を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の汚泥除去装置。
  4. 前記枠体の下端部に前後にそり状の湾曲部を備えた走行安定板を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の汚泥除去装置。
  5. 前記洗浄ノズル部の先端が、絞られかつ扇状に開口して形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の汚泥除去装置。
  6. 前記洗浄ノズル部が、供給される空気と水を所定比率で混合して気泡が微細分散された洗浄水を吐出させる気水混合部を有していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の汚泥除去装置。
  7. 前記汚泥搬送部により前記フード部から吸引される汚濁水の吸引流量(c)と前記洗浄ノズル部により前記フード部に供給される洗浄水流量(d)との流量比(c/d)が0.1〜10、好ましくは1〜5の範囲であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の汚泥除去装置。
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