JP3700592B2 - 取引処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、商取引に使用する取引処理装置に係り、特に、クリーニング店におけるクリーニング品の預かり・返却・登録・精算処理のように、顧客から物品を預かり、所定のサービスを施した後、顧客に返却すると共に施したサービスに対して対価を請求する商取引に使用する取引処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クリーニング店では一般の小売店とは異なり、顧客から洗濯物を預かり返却する処理が伴うので、クリーニング店向けのキャッシュレジスタやPOS端末装置等の取引処理装置は、一般小売店用の取引処理装置とは異なる様々な機能が具備されたものが開発され好評を博している。
例えば、従来の装置にあっては、顧客から預かった洗濯物の種別や顧客が希望するサービス種別(防水加工や帯電防止加工等)を入力すると料金を自動的に算出加算すると共に顧客を特定する番号を付加した預かり証を印字発行し、また、預かった洗濯物のデータを記憶する。そして、顧客が洗濯物を受け取りにきた場合に、顧客を特定する番号を入力することで顧客の預かり品データを呼び出して表示させることにより、クリーニング品の預かり返却処理が、簡単且つ円滑に行えるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の装置では次のような問題点があった。即ち、最近では洗濯を依頼される品物の種別が多様化すると共に、顧客へのサービスをよりきめ細やかに行うためにクリーニング代金が極めて細分化されている。例えば、同じ「スカート」でも、その種類(例えば、「タイト」、「ボックス」、「プリーツ」等)毎にクリーニングの手間が異なるので、クリーニング料金が異なるのが普通である。
従って、顧客から洗濯物を預かる際、店員が洗濯物の種別、例えば「タイトスカート」なのか、「ボックススカート」なのかを判別して入力する必要がある。しかし、このような洗濯物の種別判断は経験が必要であり、熟練した店員でない場合には、これらの種別判断が一様ではなく、顧客の同一の洗濯物に対して前回と異なる種別を入力してしまう可能性がある。このように、種別が異なると前回と今回とで請求代金が異なり、顧客へ不信感を与えかねないといった問題があった。
【0004】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、同一顧客の同一の預かり物品に対して前回と異なる情報を入力することを防止するように工夫した取引処理装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、顧客から物品を預かり、所定のサービスを施した後、顧客に当該物品を返却すると共に、サービスに対する代金を請求する商取引に使用する取引処理装置において、顧客を識別する識別情報を入力する顧客識別情報入力手段(後述の実施形態における液晶タッチパネル13のタッチキー又はストロークキー15)と、顧客から預かる物品の種別を登録する預かり物品種別登録手段(CPU10が備える機能であり、図10に示したフローチャートのSP31において前記顧客識別情報入力手段から入力される)と、預かり物品を登録する際、当該物品の特徴情報を入力する特徴情報入力手段と(CPU10が備える機能であり、図10に示したフローチャートのSP32において前記顧客識別情報入力手段から入力される)、登録した預かり物品種別及び物品種別の判断を補助するような特徴情報を顧客識別情報と共に記憶する預かり物品履歴情報記憶手段(CPU10が備える機能であり、図10に示したステップSP31において入力された種別及びステップSP32において入力された特徴情報とを当該預かり物品の情報と対応付けて履歴ファイルF5に登録する機能)と、顧客から預かる物品の種別を登録する際、前記預かり物品履歴情報記憶手段から、当該顧客に関わる預かり物品種別及び物品種別の判断を補助するような特徴情報を含む預かり物品履歴情報を読み出して表示する履歴情報表示手段(CPU10が備える機能であり、図10に示したフローチャートのステップSP22或いはステップSP24において行われる検索処理と、ステップSP25において行われる検索結果画面DSP1の表示)とを具備することを特徴とする。
【0006】
このような構成によれば、預かり物品を登録する際、当該顧客の過去の預かり物品データをその特徴と共に表示する。これにより、データ入力者が物品種別の判断に迷った場合には、前回の預かり品の特徴を参照することで、似たような特徴を持つ預かり品があった場合には、その預かり品と同一物品であると推測することができる。
このように、物品種別の判断を補助するようなデータを種別入力時にデータ入力者に対して提供することにより、同一物品に対して、前回と今回とで種別が異なる等の不都合を解消することができる。
【0007】
また、上記記載の取引処理装置は、前記履歴情報を表示する際、表示する物品の分類を指定可能に構成したことを特徴とする。
このような構成によれば、履歴情報を表示する際に、表示する物品の分類を指定することにより、当該顧客の過去の預かり物品データの中から、今回の預かり物品の分類に該当する顧客履歴情報のみを表示させることが可能となる。
【0008】
また、上記記載の取引処理装置は、取引表示された履歴情報の中から該当する物品種別を選択することにより預かり物品の登録を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、表示された物品履歴情報に今回の預かり物品に該当するものがあった場合には、該当する物品履歴に係るデータを選択することにより、今回の預かり物品を登録することができる。
【0009】
また、上記記載の取引処理装置において、前記特徴情報入力手段は、予め設定されている複数の選択肢の中から選択することを特徴とする。
このような構成によれば、データ入力者(店員等)は、表示された複数の特徴情報の中から今回の預かり品に該当するものを選択する操作を行うだけで、簡単に特徴情報の入力を行うことができる。また、特徴情報はその顧客から同一物品を以前に預かったか否かを判断するためのデータなので、予め設定されているものから選択するだけで十分その目的を達成することができる。
【0010】
また、上記記載の取引処理装置において、前記預かり物品は洗濯物で、前記特徴情報は洗濯物の色、柄であることを特徴とする。
このように、預かり物品を洗濯物とした場合に、特徴を洗濯物の色、柄とすることにより、容易に物品を特定することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係るクリーニングPOS端末装置(以下、POS端末装置と略称する)の概観図である。POS端末装置1には、液晶タッチパネル13、顧客側表示器14、ストロークキー15、カードリーダ16及び印字部17が配設される。
【0012】
液晶タッチパネル13(或いはストロークキー15)は、顧客から預かった衣服種類等を入力するのに用いられる。カードリーダ16は、顧客カードに磁気記録された顧客情報(会員番号等)を読み取る。顧客側表示器14は、液晶タッチパネル13(或いはストロークキー15)の入力操作に応じて算出される請求金額を表示する。顧客の代金支払いに応じて液晶タッチパネル13(或いはストロークキー15)が操作されると、印字部17は受付日、仕上がり予定日及び伝票番号等を印字した受領明細(レシート)と、顧客情報(電話番号等)、預かった衣服種類を識別するタグ番号及び伝票番号等を印字した引き取り票とを発行する。
【0013】
次に、図2を参照してPOS端末装置1の電気的構成について説明する。図2において、CPU10は、ROM11から読み出した制御プログラムに基づいて装置各部を制御する。ROM11はCPU10にロードされる各種制御プログラムや、液晶タッチパネル13に画面表示するための各種画面データを記憶する。RAM12は、図3に示すようにCPU10の演算結果、即ち各種レジスタやフラグデータを一時記憶するワークエリアWEと、CPU10が実行する各種処理に必要なデータが登録されるファイル群を格納するファイルエリアFEとを備える。ファイルエリアFEには、プリセットキーファイルF1、顧客ファイルF2及び預かりファイルF3、PLUファイルF4、履歴ファイルF5等が格納される。
【0014】
プリセットキーファイルF1には、液晶タッチパネル13やストロークキー15のプリセットキーに割り当てられる複数種の取引データ(顧客から預かった衣服を識別するPLU番号(種別番号)、名称、値段等のデータ)が登録される。液晶タッチパネル13やストロークキー15のプリセットキーがタッチ操作(或いは入力操作)された場合、このプリセットキーファイルF1を参照して対応する取引データが読み出されるようになっている。
【0015】
顧客ファイルF2は、図4に示すように顧客の会員番号、電話番号、氏名及び住所からなる顧客情報と実績データ(例えば、取引全額の累計やポイント数等)とを顧客毎に記憶する。
預かりファイルF3は、図5に示すように、顧客の会員番号毎に、預かった衣服のPLU番号(種別番号)、預かり日、仕上がり予定日、預かった衣服の特徴等を所定件数分記憶する。
【0016】
PLUファイルF4は、図6に示すように、PLU番号(種別番号)に対応して、品名、分類、料金等が予め設定されている。これらの設定値は、任意に変更できるものとする。
履歴ファイルF5は、図7に示すように、最近の預かり物品データ(預かり物品のPLU番号、分類、特徴、当該物品を提出した顧客の会員番号等)を10万アイテム分FIFO(First In First Out)の方法で記憶する。
【0017】
次に、再び図2を参照してPOS端末装置1の構成について説明を進める。液晶タッチパネル13は、CPU10から供給される表示制御信号に応じて各種画面を液晶表示する一方、その液晶画面上に表示されるキーのタッチ操作に対応したキーイベント信号を発生する。具体的には、タッチ操作に応じて動作モード切替、ファイル設定或いは商品登録(衣服種類登録)等をCPU10側に指示する。ストロークキー15は、図8に示すように、テンキー等からなる固定キー21と、種別入力キー22及び特徴入力キー23からなるプリセットキーとを備えている。ここで、使用頻度の高い取引データを各プリセットキーに割り当てることにより、データの入力操作を簡単に行うことができる。なお、プリセットキーに設定されていない入力項目についての入力は、タッチパネル13から行うことができる。ブザー18は、例えば誤った入力操作が行われた場合に、CPU10から供給されるブザー駆動信号に応じてブザー鳴動する。時計19は、カレンダ機能を有し、現在時刻及び年月日を時計出力する。
【0018】
次に、図9〜図10を参照して上記構成によるPOS端末装置1の動作について説明する。なお、以下に示す処理は、本発明のPOS端末装置1の動作の概要を説明するものであり、CPU10が行う処理そのものを示すものではない。
【0019】
まず、上記構成によるPOS端末装置1に電源が投入されると、CPU10はROM11から所定の制御プログラムを読み出して自身にロードし、RAM11の12のワークエリアWEに格納される各種レジスタやフラグ類をリセットしたり初期値をセットするイニシャライズ処理を実行する。
【0020】
イニシャライズ処理完了後は、液晶タッチパネル13にメニュー画面を表示する。このメニュー画面においてデータ入力者である店員が登録モードを選択すると、タッチパネルに当該装置が取り扱う業務が表示され、店員が表示された業務の内、これから行う業務を選択することにより以下の処理が実施される。
【0021】
まず、ステップSP1において、CPU10は、店員によって選択された業務が預かり物品登録モードであるか判断し、預かり物品登録モードであれば判断結果が「YES」となり、ステップSP2に進み、預かり物品登録モードでなければ判断結果が「NO」となり、ステップSP7に進む。
ステップSP2では、店員は顧客から会員カードを受け取り、会員カードをカードリーダ16に挿入等することにより、POS端末装置1に会員番号を読み取らせる。係る操作により、CPU10は、この会員番号に対応付けられて格納されている顧客情報(氏名)を顧客ファイルF2から読み出す。なお、会員カードを忘れた場合には、電話番号を入力することにより、CPU10は同様に顧客情報を読み出すことができる。
【0022】
ステップSP2において顧客情報が読み出されると、続くステップSP3では、預り商品の登録を行う。以下、預かり商品の登録について、図10に示すフローチャートに沿って説明する。まず、図10のステップSP21において、店員は顧客から預かる洗濯物(以下、預かり物品と称する)の種別、例えば分類が「スカート」であった場合には、そのスカートがどの種別(「タイトスカート」、「ボックススカート」等)に該当するかを判断する。この結果、種別の判断ができない場合、換言すると、種別が不明か否かの判定が「YES」の場合には、ステップSP22へ進む。ステップSP22では、店員が液晶タッチパネル13の「履歴」キーをタッチ操作する、或いは液晶タッチパネル13上で商品分類、例えば「スカート」を指定した後に「履歴」キーをタッチ操作すると、係る操作により、CPU10は当該顧客の会員番号を検索キーとして履歴ファイルF5を検索し、該当する履歴データを抽出して集合ファイルを作成する。
【0023】
続くステップSP23では、CPU10は、ステップSP22において店員により商品分類が指定されたか否かを判断し、分類が指定されていなければステップSP25へ進み、ステップSP22において作成した集合ファイルを検索結果として液晶タッチパネル13に表示する。
一方、ステップSP23において商品分類が指定されていると判断した場合には、ステップSP24へ進み、ステップSP22において作成した集合ファイルの中から更に分類が「スカート」である履歴データを抽出して集合ファイルを作成し、続くステップSP25において、この集合ファイルを検索結果として液晶タッチパネル13に表示する。
ここで、図11に、商品分類名として「スカート」が入力された場合の検索結果画面DSP1の一例を示す。同図に示すように、液晶タッチパネル13には、会員番号23569で識別される顧客の氏名が表示され、更に、当該顧客の履歴データの中からスカートに係る履歴データが抽出されて表示される。
【0024】
店員は図11に示したような検索結果画面DSP1を参照し、今回の預かり物品に該当するものがあるか否かを判断する。この結果、該当するものがあった場合には、ステップSP27へ進み、店員は、液晶タッチパネル13の画面に表示されている履歴データ中、該当する履歴データを指定することにより種別及び特徴を入力する。
係る操作により、ステップSP28では、CPU10はステップSP27において指定された履歴データに基づいて、図5に示した預かりファイルF3に当該預かり物品の情報を登録する処理を行う。
例えば、ステップSP27において、店員が図11に示した検索結果画面DSP1の1行目に記載されている「タイトスカート」を指定したとすると、CPU10は、タイトスカートのPLU番号に該当するPLUデータをPLUファイルF4(図6参照)から読み出し、このPLUデータとステップSP27において指定された履歴データとに基づいて当該預かり物品の登録処理を行う。
具体的には、ファイルF3の会員番号として当該顧客の会員番号を、PLU番号、又、特徴として、ステップSP27において指定された履歴データの物品種別番号と特徴情報とを、預かり日として本日の日時を、仕上がり日として本日の日時にPLUデータに記載された仕上がり期間を加算した日時を登録する。
そして、CPU10は、当該預かり物品の預かりファイルF3への登録処理が終了すると、この登録データを図7に示す履歴ファイルに反映させる。即ち、履歴ファイルに当該預かり物品のデータを登録する。
なお、当該POS端末装置1の時計19が有するカレンダ機能として、予め本店舗の休業日を登録しておくことにより、仕上がり予定日が当該店舗の休業日に当たる日となった場合には、その次の営業日を仕上がり予定日として登録するように設定することも可能である。
【0025】
続くステップSP29では、CPU10は、ステップSP28において参照したPLUデータ及び履歴データに基づいて、預かり画面DSP2を作成し、これを液晶タッチパネル13に表示させる。図12に、預かり画面DSP2の一例を示す。
この図に示すように、預かり画面DSP2では、今回クリーニングを依頼された品物の種別、特徴、料金の一覧が表示される。
続いて、ステップSP30において、店員は、まだ登録すべき預かり物品があるか否かを判断し、登録すべき預かり物品があると判断した場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSP21に戻り、上述した当該取引の登録処理(ステップSP21からステップSP29の処理)を行う。一方、登録すべき預かり物品がないと判断した場合、即ち全ての預かり物品について登録処理を終了したと判断した場合には、判断結果が「YES」となり、当該取引の登録処理を抜けて、図9に示したメインフローに戻る。
【0026】
なお、図10に示したステップSP21において、店員が預かり物品の種別を判断できる(種別が不明か否かの判定が「NO」である)場合、或いは、ステップSP26において、液晶タッチパネル13に表示された検索結果画面DSP1に当該預かり物品に該当する履歴データが存在しなかった場合には、ステップSP31へ進み、店員自らが液晶タッチパネル13に表示されているタッチキー或いはストロークキー15の種別入力キー22を操作することにより当該預かり物品の種別を入力する。更に、続くステップSP32では、店員は、液晶タッチパネル13に表示されているタッチキー或いはストロークキー15の特徴入力キー23を操作することにより当該預かり物品の特徴、例えば色、柄等を入力する。なお、本実施形態では、1アイテム(商品)に対し特徴を5個(データ)入力できる。そして、店員によって種別及び特徴が入力されると、上述したステップSP29へ進み、CPU10は、今回の預かり物品に対して入力された種別、特徴及び当該預かり物品の種別番号に該当するPLUデータをPLUファイルF4から読み出し、これらのデータに基づいて、当該預かり物品の登録を行い、上述したステップSP29へ進む。
【0027】
次に、再び図9へ戻り、取引の登録SP3以降の処理について説明する。
ステップSP4において、店員は精算キーを操作し、続くステップSP5では、顧客から受け取った代金を入力し、精算処理を行う。これにより、ステップSP6において、CPU10は当該取引におけるデータ、即ち図10に示した取引の登録処理においてステップSP29において作成した表示データDSP2のデータを印字部17へ出力することにより、印字部17は当該取引における預り証を兼用したレシートを印字し、発行する。
【0028】
一方、図9のステップSP1において、預かりモードでなかった場合には、判断結果が「NO」となり、ステップSP7へ進む。ステップSP7では、CPU10は、現在のモードが返却モードであるか否かを判断し、返却モードであった場合には、「YES]となりステップSP8へ進む。ステップSP8では、店員が、カードリーダ16、又は液晶タッチパネル13のタッチキー或いはストロークキー15を操作することにより、会員番号(又は電話番号)、レシート番号を入力する。係る操作により、CPU10は入力された会員番号(又は電話番号)、レシート番号をキーとして当該顧客の預かりデータを預かりファイルF4から読み出し、液晶タッチパネル13に表示させる。
【0029】
ステップSP9において、店員は、液晶タッチパネル13に表示された預り物品と顧客が持参したレシート(預かり票)の内容とを確認した後、内容が正しければ、該当する商品を棚等から取り出し、顧客に返却する。そして、預かり票にかかれた預かり物品を顧客に返却し、顧客が了解したのを確認すると、店員は、液晶タッチパネル13のタッチキー或いはストロークキーの固定キー21を操作することにより、当該預かり物品の預かりデータをクリアする指示を出す。これにより、CPU10は、該当する預かり物品のデータを預かりファイルF3から消去する。
【0030】
なお、上述したステップSP28において履歴ファイルF5に当該預かり物品に係るデータを登録する代わりに、この時、当該預かり物品に係るデータを履歴ファイルF5に反映させるようにしてもよい。
なお、顧客の商品を棚等から取り出す際に、店員は液晶タッチパネルに表示された当該預かり物品の特徴データを参考にすることにより、容易に該当物品を棚から探し当てることが可能となる。
【0031】
一方、店員によって指示された業務内容が預かり業務でも返却業務でもない場合、即ち、図9のステップSP1において判断結果が「NO」であり、更にステップSP7においても判断結果が「NO」であった場合には、ステップSP10に進み、店員によって指示された他の業務、即ち、預かり業務及び返却業務以外の業務に対応する処理を実行する。この他の業務としては、例えば、装置メンテナンスや売上累計をレポート出力する等の処理、プリセットキーファイルF1の内容変更処理、預かりファイルF3の内容更新等の処理、入出金処理、見出しシール発行処理等が挙げられる。
【0032】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0033】
例えば、上述の実施形態では、1アイテムにつき特徴を5つまで入力可能としたが、入力可能データ数は限定されない。
また、上述の実施形態において、特徴データはストロークキーに割り当てられたものから選択していたが、特徴を直接キー入力しても良い。この場合、文字入力画面に切り替えて入力することが必要となる。
【0034】
また、上述の実施形態では、POS端末装置単体で顧客情報を記憶管理するいわゆるスタンドアロンタイプの場合を述べたが、これに替えて、顧客情報をホストコンピュータ等で記憶管理し、POS端末装置1がホストコンピュータ側との通信にて顧客情報を授受したり、POS端末装置1からコンピュータ側へ消去コマンドを送出するシステムとしても良い。
また、上述のように上位・下位からなる装置の概念ではなく、複数台のPOS端末装置をネットワーク等で接続し、複数台からなるシステムを構築しても良い。この場合は、各装置でファイルを共有するか、或いは一台が代表してデータの記憶管理を行うようにしてもよい。
【0035】
また、上述の実施形態においては、分類の特定は1種であったが、この分類を例えば、大分類は衣服、寝具等、中分類は、男性、女性、子供等、小分類はズボン、スカート、コート等のように複数の段階に分けて分類してもよい。
また、上述の実施形態においては、クリーニング店に設置されるPOS端末装置1について説明してきたが、これに限定されず、顧客から商品(物品)を預かり、サービスを施した後に返却する商取引であれば、適用可能である。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の取引処理装置によれば、顧客から預かる物品の種別を登録する際に、預かり物品履歴情報記憶手段から、当該顧客に関わる預かり物品種別及び物品種別の判断を補助するような特徴情報を含む預かり物品履歴情報を読み出して表示するので、データ入力者が物品種別の判断に迷った場合には、前回の預かり品の特徴を参照することで、似たような特徴を持つ預かり品があった場合には、その預かり品と同一物品であると推測することができる。このように、物品種別の判断を補助するようなデータを種別入力時にデータ入力者に対して提供することにより、同一物品に対して、前回と今回とで種別が異なる等の不都合を解消することができ、同一物品に対しては常に請求代金が統一できるようになるため、顧客の不信感を除去でき、トラブルの発生を抑えることができるとともに、常に安定したサービスを提供することが可能となるという効果が得られる。
【0037】
また、本発明の取引処理装置によれば、履歴情報を表示する際、表示する物品の分類を指定可能に構成したので、履歴情報を表示する際に、表示する物品の分類を指定することにより、当該顧客の過去の預かり物品データの中から、今回の預かり物品の分類に該当する顧客履歴情報のみを表示させることが可能となる。これにより、物品種別の判断に必要のないデータは表示されないので、表示された預かり物品履歴情報から今回の預かり物と同一の物品情報を容易に見つけることができ、預かり物の登録に費やす時間を短縮できるという効果が得られる。
【0038】
また、本発明の取引処理装置によれば、取引表示された履歴情報の中から物品種別を選択することにより預かり物品の登録を行うので、表示された物品履歴情報に今回の預かり物品に該当するものがあった場合には、該当する物品履歴に係るデータを選択することにより、今回の預かり物品を登録することができる。
これにより、一度依頼を受けた物品については、データを再入力することなく選択行為だけで登録が可能となるので、登録操作が簡単化され、且つ入力ミスが防止されるという効果が得られる。
【0039】
また、本発明の取引処理装置によれば、特徴情報入力手段は、予め設定された複数のデータの中から選択するので、データ入力者(店員等)は、表示された複数の特徴情報の中から今回の預かり品に該当するものを選択する操作を行うだけで、簡単に特徴情報の入力を行うことができる。また、特徴情報はその顧客から同一物品を以前に預かったか否かを判断するためのデータなので、予め設定されているものから選択するだけで十分その目的を達成することができる。
【0040】
また、本発明の取引処理装置によれば、預かり物品は洗濯物で、特徴情報は洗濯物の色、柄であるので、容易に物品を特定することができる。これにより、預かり物品の種別判断が迅速に容易に判断することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施形態に係る取引処理装置の概観図である。
【図2】 同実施形態に係る取引処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】 RAM12の構成を示すメモリマップである。
【図4】 顧客ファイルF2の一構成例を示す図である。
【図5】 預かりファイルF3の一構成例を示す図である。
【図6】 PLUファイルF4の一構成例を示す図である。
【図7】 履歴ファイルF5の一構成例を示す図である。
【図8】 ストロークキー15のキー配列を示す図である。
【図9】 本発明の一実施形態に係る取引処理装置のメインルーチンの動作を示すフローチャートである。
【図10】 本発明の一実施形態に係る取引処理装置の取引の登録の動作を示すフローチャートである。
【図11】 履歴ファイルからの検索結果画面DSP1の一例を示す図である。
【図12】 預かり画面DSP2の一例を示す図である。
【符号の説明】
10…CPU、11…ROM、12…RAM、13…液晶タッチパネル、14…顧客側表示器、15…ストロークキー、16…カードリーダ、17…印字部、18…ブザー、19…時計
Claims (5)
- 顧客から物品を預かり、所定のサービスを施した後、顧客に当該物品を返却すると共に、サービスに対する代金を請求する商取引に使用する取引処理装置において、
顧客を識別する識別情報を入力する顧客識別情報入力手段と、
顧客から預かる物品の種別を登録する預かり物品種別登録手段と、
預かり物品を登録する際、当該物品の特徴情報を入力する特徴情報入力手段と、
登録した預かり物品種別及び物品種別の判断を補助するような特徴情報を顧客識別情報と共に記憶する預かり物品履歴情報記憶手段と、
顧客から預かる物品の種別を登録する際、前記預かり物品履歴情報記憶手段から、当該顧客に関わる預かり物品種別及び物品種別の判断を補助するような特徴情報を含む預かり物品履歴情報を読み出して表示する履歴情報表示手段と
を具備することを特徴とする取引処理装置。 - 前記履歴情報を表示する際、表示する物品の分類を指定可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載の取引処理装置。
- 表示された履歴情報の中から該当する物品種別を選択することにより預かり物品の登録を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の取引処理装置。
- 前記特徴情報入力手段は、予め設定されている複数の選択肢の中から選択することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載の取引処理装置。
- 前記預かり物品は洗濯物で、前記特徴情報は洗濯物の色、柄であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかの項に記載の取引処理装置。
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