JP3700587B2 - コネクタを用いた接続構造及びコネクタを用いた接続構造用防水キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両等において、燃料、水、エア等の各種流体を移送するための各種チューブや金属パイプをコネクタを用いて接続した接続構造に係り、特に金属パイプをワンタッチで簡易に接続することが可能なクイックコネクタを用いた接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の接続構造としては、例えば図10に示すようなクイックコネクタ10を用いたものが知られている。この接続構造は、筒状のコネクタ10の筒状本体11の軸方向一端部12内周側に、挿入端部21の外周面に同軸状に突設された環状突部22を有する金属製のパイプ20の挿入端部21が挿嵌され、軸方向他端部13外周に、樹脂製等のフレキシブルなチューブ(図示しない)の一端部が外嵌されている。コネクタ10の一端部12には、一端側にパイプ20の環状突部22を係止させる筒状の係止部材23が保持されており、他端側にコネクタ10とパイプ20との間を流体密にシールする環状のシール部材であるOリング17が内装されている。
【0003】
係止部材23は、周方向の一箇所に軸方向に延びたスリットを有しており、径方向に弾性変形可能になっており、筒状本体11内に縮径しながら挿入され、その係止片26が筒状本体11の窓部14d位置で拡径して窓部14dにスナップ係合することにより、一端部12内に保持されるようになっている。さらに、コネクタ10の一端部12内に挿入されたパイプ20は、環状突部22が係止部材23の軸方向内端の係止孔27にスナップ係合することにより、一端部12内に連結固定される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記接続構造においては、パイプ20がその環状突部22においてコネクタ10に設けた係止部材23の径方向の変形によりスナップ係合して接続が形成される構造になっているため、コネクタ10の開口端11a側においてパイプ20と係止部材23との間に必然的に空間が生じ、開口端11aから見て凹部が形成される。そのため、接続構造のパイプ20とコネクタ10が上下関係になるように車両に組付けられると、開口端11aの凹部に水が入り込んで溜りやすく、これにより金属製のパイプ20にさびが発生し易くなるという不具合がある。近年、特にこの種接続構造のパイプにおけるさびに対する要求が厳しくなってきており、防錆のために適正に対処する必要がある。
【0005】
これに対して、配管のレイアウト設計において、接続構造のコネクタ10の開口端11aを下向きにしたり横向きになるように配置させることにより、開口端11aから凹部への水の侵入を防止することができる。しかし、周辺部品の配置状況や、部品組付けの作業手順等の関係から、開口端11aを上向きするレイアウトが必須になることがあり、このような場合には、開口端から凹部への水の侵入を避けることができない。さらに、接続構造の向きを特定方向に限定することは、配管レイアウトの設計上の自由度が制限されることになり好ましいことではない。
【0006】
本発明は、上記した問題を解決しようとするもので、コネクタの開口端からの水分の侵入による金属製パイプのさびを確実に防止できると共に、配管レイアウト設計上の自由度を制限することのないコネクタを用いた接続構造及びこれに用いる防水キャップを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、上記請求項1の発明の構成上の特徴は、外周面に突設された環状突部を有する金属製のパイプと、一端側にてパイプの環状突部に係止したコネクタと、コネクタの他端側に接続された管状の相手部材とにより構成される接続構造において、コネクタの外周側には、筒状の防水キャップが挿嵌され、防水キャップの一端側がコネクタの一端側開口端から外方向に突出していると共に、防水キャップの一端側端部がパイプ外周面との間をシールする第1シール部になっており、防水キャップの他端側がコネクタの一端側開口端より内方向のコネクタ上または相手部材上に配置されてコネクタの外周面または相手部材の外周面との間をシールする第2シール部になっており、防水キャップの第1シール部側先端部の少なくとも一部が、軸直角方向に対して傾斜しており、防水キャップが装着されたコネクタをパイプに挿入するとき、傾斜部分の先端がパイプの環状突部と点接触の状態になることにある。
【0008】
上記のように構成した請求項1の発明においては、コネクタの一端側には、パイプの環状突部が係止される構造になっており、コネクタの一端側の開口端においてパイプとコネクタとの間に必然的に空間が生じ、開口端から見て凹部が形成されている。しかし、コネクタの外周側には、コネクタの一端側開口端を覆って筒状の防水キャップが挿通されており、さらに防水キャップの一端側端部がパイプ上に延設配置されて第1シール部となっており、パイプ外周面との間をシールすることができる。また、防水キャップの他端側が、コネクタ上またはコネクタの他端側に接続された管状の相手部材上に配置されて第2シール部となっており、コネクタの外周面または相手部材の外周面との間をシールすることができる。
【0009】
そのため、コネクタの一端側開口端を上方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第1シール部によって開口端からコネクタと金属製のパイプの間の凹部への水の侵入を防止できる。一方、コネクタの一端側開口端を下方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第2シール部によってコネクタあるいは相手部材側からコネクタとパイプの間の凹部への水の侵入を防止できる。
【0010】
また、本発明においては、防水キャップが装着されたコネクタを、防水キャップの第1シール部側から金属製のパイプに挿入するとき、第1シール部側先端部がパイプに設けた環状突部に当接するが、第1シール部側先端部の少なくとも一部が軸直角方向に対して傾斜していることにより、傾斜部分の先端がパイプの環状突部と点接触の状態になっている。そのため、環状突部に押されることにより第1シール部側先端部が変形し易くなっている。すなわち、第1シール部側先端部が容易に変形することにより、第1シール部に対する環状突部の挿入抵抗が弱められ、環状突部が防水キャップの内部にスムーズに挿嵌される。その結果、防水キャップを装着したコネクタを、パイプの外周側に容易に挿嵌固定させることができる。
【0011】
また、本発明によれば、接続構造のパイプ側に位置する防水キャップの第1シール部の少なくとも一部が軸直角方向に対して傾斜していることにより、コネクタの一端側開口端を上方に向けて接続構造を配置したときに、パイプに付着した水が、防水キャップの傾斜に沿って下方にスムーズに流れるため、パイプ外周と第1シール部側先端部端面との間に水が溜り難くなるようにされる。
【0012】
また、上記請求項2の発明の構成上の特徴は、前記請求項1に記載の接続構造において、防水キャップに、コネクタと係止する係止部を設けたことにある。これにより、防水キャップが係止部によってコネクタに係止されるため、防水キャップが振動等によって軸方向に移動することを防止できる。
【0013】
また、上記請求項3の発明の構成上の特徴は、外周面に突設された環状突部を有する金属製のパイプと、一端側にてパイプの環状突部に係止したコネクタと、コネクタの他端側に接続された管状の相手部材とにより構成された接続構造用の防水キャップであって、コネクタの外周側には、筒状の防水キャップが挿嵌され、防水キャップの一端側が該コネクタの一端側開口端から外方向に突出していると共に、防水キャップの一端側端部がパイプ外周面との間をシールする第1シール部になっており、他端側がコネクタの一端側開口端より内方向のコネクタ上または相手部材上に配置されてコネクタの外周面または相手部材の外周面との間をシールする第2シール部になっており、第1シール部側先端部の少なくとも一部が、軸直角方向に対して傾斜しており、防水キャップが装着されたコネクタをパイプに挿入するとき、傾斜部分の先端がパイプの環状突部と点接触の状態になることにある。
【0014】
上記のように構成した請求項3の発明においては、防水キャップは、コネクタの外周側に挿通されて、コネクタの一端側開口端を覆っており、さらに防水キャップの一端側端部が第1シール部としてパイプ上に延設配置されてパイプ外周面との間をシールすることができる。また、防水キャップの他端側が第2シール部として、コネクタまたはコネクタの他端側に接続された相手部材の外周面との間をシールすることができる。したがって、コネクタの一端側にはパイプの環状突部が係止される構造になっており、コネクタの一端側の開口端においてパイプとコネクタとの間に空間が生じ、開口端から見て凹部が形成されているが、防水キャップにより凹部への水の侵入を確実に防止することができる。
【0015】
すなわち、コネクタの一端側開口端を上方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第1シール部によって開口端からコネクタとパイプの間の凹部への水の侵入を防止できる。一方、コネクタの一端側開口端を下方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第2シール部によってコネクタあるいは相手部材側からコネクタとパイプの間の凹部への水の侵入を防止できる。
【0016】
また、請求項3の発明においては、防水キャップが装着されたコネクタを、防水キャップの第1シール部側から金属製のパイプに挿入するとき、第1シール部側先端部がパイプに設けた環状突部に当接するが、第1シール部側先端部の少なくとも一部が軸直角方向に対して傾斜していることにより、傾斜部分の先端がパイプの環状突部と点接触の状態になっている。そのため、環状突部に押されることにより第1シール部側先端部が変形し易くなっており、第1シール部に対する環状突部の挿入抵抗が弱められ、環状突部が防水キャップの内部にスムーズに挿嵌される。その結果、本発明においては、防水キャップを装着したコネクタを、パイプの外周側に容易に挿嵌固定させることができると共に防水キャップの損傷を防止できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を用いて説明すると、図1、図2は、第1の実施形態に係る自動車の燃料流通配管経路に設けられる公知のクイックコネクタを用いた接続構造をそれぞれ断面図及び正面図により示したものであり、図3は、クイックコネクタを断面図により示したものである。
【0018】
この接続構造は、クイックコネクタ(以下、コネクタと記す)10と、その軸方向一端部12内周側に挿嵌された挿入端部21の外周面に同軸状に突設された環状突部22を有する金属製のパイプ20と、コネクタ10の外周側に挿通されてその一端側がパイプ20上にまで延出された筒状の防水キャップ30とにより構成されている。なお、コネクタ10の他端部13外周面には、図示しないが、樹脂製等のフレキシブルなチューブが挿嵌固着される。以下、図示左側を一端側、右側を他端側とする。
【0019】
コネクタ10は、図3に示すように、樹脂製の略等しい肉厚の筒状本体11と、樹脂製の係止部である係止部材23と、シール部材であるOリング17とにより構成されている。筒状本体11は、図4に示すように、一端側が金属パイプ20が挿嵌されるコネクタの一端部12となっており、他端側が一端部12に対して同軸的にかつ一体的に続きチューブ(図示しない)が挿嵌されるコネクタの他端部13になっている。他端部13の外周は、チューブの嵌合が緊密に行われるために軸断面形状が波状の凹凸面13aになっている。一端部12は、一端側から他端側に向けて同軸的に順次大径部14、中径部15、小径部16が一体で配置されている。大径部14、中径部15、小径部16は、その順で外径及び内径が共にわずかずつ小さくされており、各部の境界は外周面及び内周面共に段部14a,15a,16aになっている。また、小径部16に続く他端部13は、小径部16よりさらに外径及び内径共に小さくされている。従って、大径部14、中径部15、小径部16及び他端部13は、その軸穴14b,15b,16b,13bも順次小さくなっている。
【0020】
小径部16の内径は、パイプ20の外径と略同一にされており、パイプ20の先端部が軸孔16bに密着状態で挿嵌されるようになっている。また、大径部14は、軸方向内端部分において、その内周面の形状が軸方向に略1ピッチの波状の係合面14cにされている。大径部14は、径方向の対称位置に一対の四角形の貫通穴である窓部14dを設けている。中径部15の軸孔15bには、一対のOリング17が、それと略同じ径のセパレータ18を介して同軸的にかつ軸方向に移動可能に挿嵌されている。また、大径部14の係合面14c位置には、中径部15にOリング17が挿着された状態で環状のストッパ部材19が係合面14cに緊密に嵌合されており、Oリング17の一端側への移動を制限している。ストッパ部材19の内径は、パイプ20の外径と略同一になっている。さらに、大径部14には、係止部材23が装着保持されている。
【0021】
係止部材23は、図5に示すように、樹脂製で筒状の周方向一部が軸方向に切り欠かれた開放部24aを有する軸直角断面が略C形状の基部24を備えている。基部24は、開放部24aに対して直交する2個所が、軸方向略中間位置から一端側にかけて拡径方向にわずかに傾斜した傾斜部25になっており、さらに傾斜部25の一端側にて径方向外方に突出した一対の係止片26を設けている。また、傾斜部25に続く基部24他端側にて、開放部24aに対して直交する2個所には、周方向に沿って延びた細長い四角形の開口である一対の係止孔27が設けられている。また、基部24他端側の開放部24aに対向する位置には、他端から軸方向に略四角形に切り欠かれた切欠き部28が設けられている。さらに、基部24の軸方向一端側には、傾斜部25に沿って外方に突出すると共に拡径方向に対してわずかに広がるように傾斜した一対の操作片29が設けられている。
【0022】
係止部材23は、開放部24aを設けていることにより、開放部24aと直交する方向に変形可能になっている。そのため、係止部材23は、その他端側から筒状本体11の大径部14内に挿嵌されるとき縮小変形しつつ挿嵌され、係止片26が窓部14dに達すると拡径することにより、係止片26が窓部14dに係合し、同時に、操作片29が大径部14の開口端11aに当接する。すなわち、係止部材23は、大径部14内に挿入することによりワンタッチで筒状本体11内に簡易に固定され、筒状本体11等と共にコネクタ10を構成する。
【0023】
パイプ20は、コネクタ10に挿嵌されるときは、環状突部22が、係止部材23を拡径方向に弾性変形させつつ広げることにより挿通され、係止孔27に達したとき、係止部材23が縮径して元に戻されることにより係止孔27に係止され、係止部材23によってコネクタ10に軸方向に移動不能に固定される。
【0024】
防水キャップ30は、ゴム又は弾性を有する樹脂製で、コネクタの大径部14の外径と略同一の内径である円筒部31を有している。円筒部31の他端側は、円筒部に対して直角に径方向内方に突出した環状のフランジである第2シール部32になっており、その内径はコネクタ中径部15の外径よりわずかに小径になっている。円筒部31の一端側は、円筒部31から径方向内方に曲げられて傾斜した傾斜部33になっており、傾斜部33の内端からはさらに軸方向外方に同軸状にわずかに延びた筒状の第1シール部34になっている。傾斜部33を設けたことにより、防水キャップ30をパイプ20の環状突部22へ挿嵌する際、多少傾斜部33が広がる方向に変形し易いので、防水キャップ30の挿嵌が容易になる。円筒部31と傾斜部33、傾斜部33と第1シール部34の境界は、それぞれ軸断面形状が円弧状にされている。第1シール部34の内径は、パイプ20の外径よりわずかに小さくされている。そして、第1シール部34の先端部である開口端35は、その軸直角面に対して傾斜した傾斜面となっている。
【0025】
防水キャップ30は、第2シール部32が大径部14と中径部15の間の段部14aに係合することにより段部14aに開口端側へ移動不能に係止される。また、第2シール部32は、中径部15外周面との間を液密にシールすることができる。すなわち、第2シール部32は、中径部15外周面に対するシール機能を有すると共に、防水キャップ30を軸方向へ移動不能にコネクタ10に係止させる係止部としても機能する。また、防水キャップ30の一端側傾斜部33が一端部12の開口端11aに当接することにより、防水キャップ30の軸方向他端側への移動が制限されるようになっている。
【0026】
つぎに、上記接続構造の組立てについて説明する。
まず、図6に示すように、コネクタ10の一端部12側の開口端11aから防水キャップ30が外嵌され、第2シール部32を大径部14と中径部15の間の段部14aに係止されて、コネクタ10に開口端11a側へ移動不能に装着される。つぎに、防水キャップ30を装着したコネクタ10が、開口端11aより外方向に突出した防水キャップ30の第1シール部34の開口端35からパイプ20の挿入端部21外周に挿嵌される。
【0027】
ここで、第1シール部34の開口端35は、軸直角面に対してわずかに傾斜した傾斜面となっているため、開口端35に当接したパイプ20の環状突部22は、傾斜面の先端側とほぼ点接触の状態となり、環状突部22に押されることにより第1シール部34が容易に変形するようになっている。このように第1シール部34が容易に変形することにより、第1シール部34に対する環状突部22の挿入抵抗が小さくなり、環状突部22を第1シール部34の内側に容易に挿入することができる。さらに、コネクタ10が、パイプ20の挿入端部21外周側に嵌合され、環状突部22がコネクタ10の係止部材23の係止孔27に係合することにより、パイプ20がコネクタ10にワンタッチで固定され、接続構造が形成される。すなわち、コネクタ10は、防水キャップ30がパイプ20の環状突部22によって大きな抵抗を受けることはないので、パイプ20にスムーズに接続される。又、無理な力をかける必要がないので、防水キャップ30が損傷を受けることもない。また、パイプ20の外周面は、わずかに小径の防水キャップ30の第1シール部34によってシールされる。
【0028】
そのため、コネクタ10の一端部12側の開口端11aを上方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップ30の第1シール部34によって、開口端11aから係止部材23とパイプ20の間の凹部への水の侵入を防止できる。その結果、コネクタ10の一端部12の開口端側においてパイプ20と係止部材23との間に必然的に生じる凹部に水が溜り、金属製のパイプ20が錆びるという不具合の発生を確実に防止することができる。
【0029】
また、防水キャップ30の第1シール部34開口端35が軸直角方向に対して傾斜していることにより、コネクタ10の一端部12開口端11aを上方に向けて接続構造を配置したときに、パイプ20に付着した水が、第1シール部34の開口端35の傾斜に沿って下方にスムーズに流れる。そのため、パイプ20外周と第1シール部34端部との間に水が溜り難くなるようにすることができ、その部分でのパイプ20の錆び発生を抑えることができる。
【0030】
一方、コネクタ10の一端部12の開口端を下方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップ30の第2シール部32によってコネクタ10側から係止部材23とパイプ20の間の凹部への水の侵入を防止でき、同様にパイプ20が錆びるという不具合の発生を防止することができる。また、防水キャップ30が第2シール部32によってコネクタ10に係止されるため、防水キャップ30が振動等によって軸方向に移動することにより、防水キャップのシール性が損なわれたり、コネクタ10から外れるという不具合を確実に防止することができる。
【0031】
さらに、本実施形態においては、コネクタ10は、大径部14に一対の窓部14dを設けており、窓部14dからも水が入り易い構造になっているが、防水キャップ30が窓部14dを被覆しているため、水の侵入を防止できる。そのため、窓部14dから侵入した水によるパイプ20の錆び発生を未然に防止できる。
【0032】
つぎに、防水キャップの変形例について説明する。
上記実施形態においては、防水キャップの第1シール部34の開口端35が、軸直角面に対して傾斜した1つの傾斜面になっているが、変形例においては、第1シール部36の開口端37を外周の対向位置から軸方向内側に傾斜した2つの傾斜面により構成することも可能である。また、これと反対に、2つの傾斜面を軸方向外側に傾斜させることも可能である。また、傾斜面は、平面に限らず曲面であってもよい。変形例においても、上記実施形態と同様の効果が得られる。
【0033】
次に、第2の実施形態について図8、図9により説明する。本実施形態では、接続構造として、他の形態であるクイックコネクタ40を用いると共に、その軸方向一端側で係止される防水キャップ50を採用したものである。なお、接続されるパイプ20については上記実施形態に示したものと同様である。
【0034】
コネクタ40は、金属製の筒状本体41と、ゴム弾性体製の筒状の係止部材46とにより構成されている。筒状本体41は、一端側が金属パイプ20が挿嵌される一端部42であり、他端側が一端部42よりわずかに小径で、一端部42に対して同軸的にかつ一体的に続き、チューブ(図示しない)が挿嵌される他端部43になっている。一端部42は、一端側から他端側に向けて同軸状に順次円筒形の大径部44、小径部45が一体で配置されている。小径部45に続く他端部43は、小径部45よりさらに外径及び内径共に小さくされている。大径部44、小径部45、他端部43の各境界の段差部分は、傾斜面44a,45aになっている。さらに、大径部44の一端側は、開口端に向けて縮径方向に傾斜した傾斜部44bになっており、さらに傾斜部の先端で径方向に膨出した軸断面形状が半円状の環状突起部44cになっている。したがって、傾斜部44bと環状突起部44cの間は、環状凹部44dとなっている。
【0035】
係止部材46は、筒状本体41の大径部44の傾斜面44aと小径部45の傾斜面45aの近傍位置との間に配置されており、一端側の係止突部47と他端側のシール部48とを一体で備えている。係止突部47は、外径が小径部45の外径より大きく、大径部44に係止されるようになっている。また、係止突部47の内周面には、パイプの環状突部22が嵌合される環状凹部47aが同軸的に形成されている。また、係止突部47の一端は、パイプ20の挿入を容易にするために内外周面から傾斜して軸断面形状が三角形の傾斜端部47bにされている。シール部48は、軸方向の複数箇所で内外周面からわずかに突出して軸断面形状が全体として略円形になっている複数のシールリング部48aを設けており、シールリング部48aの外周が小径部45に密着している。
【0036】
防水キャップ50は、他端側から一端側に向けて軸方向長さの短い大径の第2シール部51と、一端に向けて円錐形に縮径した傾斜部52と、小径の第1シール部53とを備えている。第2シール部51は、その他端側の内周面に軸心方向に突出してコネクタ40の環状凹部44dに係合するた環状の係止突部54を設けている。第1シール部53の開口端55は、その軸直角面に対して傾斜した傾斜面となっている。
【0037】
防水キャップ50は、図9に示すように、第2シール部51側をコネクタ40の一端部42側外周に開口端41aから挿嵌し、第2シール部51の係止突部54を一端部42の傾斜部44bと環状突起部44cの間の環状凹部44dに係合させることにより環状凹部44dに開口端41a側へ移動不能に係止される。さらに、第2シール部51は、大径部44の一端側にて外周面との間を液密にシールすることができる。すなわち、第2シール部51は、大径部44外周面に対するシール機能を有すると共に、防水キャップ30を軸方向へ移動不能にコネクタ10に係止させる係止部としても機能している。
【0038】
このように、防水キャップ50が装着されたコネクタ40が、防水キャップ50の開口端55からパイプ20の挿入端部21外周側に挿嵌されるが、第1シール部53の開口端55は、軸直角面に対して傾斜した傾斜面となっているため、開口端55に当接したパイプ20の環状突部22と点接触することにより容易に変形することができる。そのため、第1シール部53に対する環状突部22の挿入抵抗が小さくなり、環状突部22を第1シール部53の内側に容易に挿入させることができる。さらに、コネクタ40が、パイプ20の挿入端部21外周側に嵌合され、環状突部22がコネクタ40の係止部材46の環状凹部47aに係合することにより、コネクタ40はパイプ20にワンタッチで固定され、接続構造が形成される。すなわち、パイプ20は、防水キャップ50から受ける挿入抵抗が小さいので、防水キャップ50に損傷を与えることなく、スムーズにコネクタ40内に挿嵌される。また、パイプ20の外周面は、わずかに小径の防水キャップ50の第1シール部53によってシールされる。
【0039】
その結果、第2の実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、コネクタ40の一端部42の開口端41a側においてパイプ20とコネクタ40との間に必然的に空間が生じ、開口端41aから見て凹部が形成されているが、防水キャップ50によって、凹部に水が溜まってパイプ20が錆びるという不具合の発生を防止することができる。また、防水キャップ50の第1シール部53開口端55が軸直角方向に対して傾斜していることにより、パイプ20に付着した水が傾斜に沿って下方にスムーズに流れるため、パイプ20外周と第1シール部53開口端との間に水が溜り難くなるようにすることができ、その部分でのパイプ20の錆びを抑えることができる。さらに、本実施形態では、防水キャップ50の長さを短くできるので、コネクタ40への装着等の取扱いが容易になると共に、安価に提供される。なお、係止部材46については、係止突部47とシール部48が一体にされているが、両者を別個の部材とすることもできる。
【0040】
なお、上記各実施形態においては、防水キャップの第2シール部のシール位置はコネクタ外周面にされているが、これに限らず、クイックコネクタの形状等に応じて、コネクタの他端部に接続されたチューブ等相手部材上とすることも可能である。また、上記各実施形態においては、第2シール部が係止部としての機能を兼ねているが、係止部を第2シール部と別個に設けてもよい。
【0041】
また、上記各実施形態において、防水キャップの第1シール部開口端の厚さ方向形状を、その内周面側から外周面側に傾斜した円錐状の傾斜面形状にすることもできる。これにより、パイプに付着した水を、傾斜面によって第1シール部外周面側にスムーズに流すことができ、パイプと第1シール部開口端の間に水を溜まり難くすることができ、この部分でのパイプの錆びを発生し難くすることが可能である。
【0042】
なお、上記各実施形態においては、防水キャップの第1シール部の開口端形状については、軸直角断面に対して全体が傾斜しているが、傾斜部分を開口端の一部にのみ設けてもよい。また必要に応じて傾斜しないようにすることも可能である。この場合には、防水キャップの開口端に軸方向のスリットを設けてもよい。これにより、パイプ挿入時にスリットによって防水キャップが広げられるため、挿入が容易に行われる。
その他、上記実施形態に示したクイックコネクタ及び防水キャップについては一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲においては、種々の形態で実施することができる。
【0043】
【発明の効果】
上記請求項1の発明によれば、コネクタの一端側開口端を上方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第1シール部によって開口端から係止部材と金属パイプの間の凹部への水の侵入を防止でき、コネクタの一端側開口端を下方に向けて接続構造を配置したときは、防水キャップの第2シール部によってコネクタあるいはチューブ側からの水の侵入を防止できる。その結果、金属パイプのコネクタとの接続部分でのさびの発生を確実に防止することができる。また、接続構造の配置方向に考慮する必要がないので、配管レイアウトの自由度が高められる。
【0044】
さらに、請求項1の発明によれば、防水キャップが装着されたコネクタを、防水キャッ プの第1シール部側から金属パイプに挿入するとき、第1シール部先端部が軸直角方向に対して傾斜しているため、パイプの環状突部の挿入抵抗が小さくされる。その結果、防水キャップを装着したコネクタのパイプへの挿嵌作業が容易になると共に、第1シール部の損傷を防止できる。また、コネクタの一端側開口端を上方に向けて接続構造を配置したときに、パイプに付着した水を、第1シール部先端部の傾斜に沿って下方にスムーズに流すことができるため、パイプ外周と第1シール部先端部端面との間に水が溜り難くなるようにすることができ、その部分でパイプを錆び難くさせることができる。
【0045】
また、係止部により防水キャップが振動等によって軸方向に移動することを防止できるため、防水のシール性が損なわれたり、防水キャップがコネクタから外れるという不具合を確実に防止することができる(請求項2の発明の効果)。
【0046】
また、請求項3の発明によれば、防水キャップは、第1シール部及び第2シール部によってコネクタ開口端からコネクタと金属製のパイプの間の凹部への水の侵入を防止できるので、金属パイプのコネクタとの接続部分でのさびの発生を確実に防止することができる。また、防水キャップの採用により、接続構造の配置方向に考慮する必要がないので、配管レイアウトの自由度が高められる。さらに、請求項3の発明によれば、防水キャップが装着されたコネクタを、防水キャップの第1シール部側から金属パイプに挿入するとき、第1シール部先端部が軸直角方向に対して傾斜しているため、環状突部の挿入抵抗が小さくされ、その結果、防水キャップを装着したコネクタのパイプへの挿嵌作業が容易になると共に、第1シール部の損傷が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるクイックコネクタを用いた接続構造を示す断面図である。
【図2】同接続構造を示す正面図である。
【図3】同接続構造に用いるクイックコネクタを示す断面図である。
【図4】クイックコネクタの筒状本体を示す断面図である。
【図5】クイックコネクタの係止部材を示す正面図、平面図及び側面図である。
【図6】クイックコネクタに防水キャップを装着した状態を示す断面図である。
【図7】防水キャップの変形例を示す正面図である。
【図8】第2の実施形態である接続構造を示す上半分が断面の正面図である。
【図9】同接続構造に用いるクイックコネクタを示す断面図(下半分を省略)である。
【図10】従来例であるクイックコネクタを用いた接続構造を示す断面図である。
【符号の説明】
10…クイックコネクタ、11…筒状本体、11a…開口端、12…一端部、13…他端部、14…大径部、14d…窓部、15…中径部、17…Oリング、20…パイプ、22…環状突部、23…係止部材、24…基部、26…係止片、27…係止孔、29…操作片、30…防水キャップ、32…第2シール部、34…第1シール部、35…開口端、40…コネクタ、46…係止部材、47…係止突部、48…シール部、50…防水キャップ、51…第2シール部、53…第1シール部、54…係止突部、55…開口端。
Claims (3)
- 外周面に突設された環状突部を有する金属製のパイプと、一端側にて前記パイプの環状突部に係止したコネクタと、該コネクタの他端側に接続された管状の相手部材とにより構成される接続構造において、
前記コネクタの外周側には、筒状の防水キャップが挿嵌され、該防水キャップの一端側が該コネクタの一端側開口端から外方向に突出していると共に、該防水キャップの一端側端部が前記パイプ外周面との間をシールする第1シール部になっており、該防水キャップの他端側が前記コネクタの一端側開口端より内方向の該コネクタ上または前記相手部材上に配置されて該コネクタの外周面または該相手部材の外周面との間をシールする第2シール部になっており、
前記防水キャップの第1シール部側先端部の少なくとも一部が、軸直角方向に対して傾斜しており、該防水キャップが装着された前記コネクタを前記パイプに挿入するとき、該傾斜部分の先端が該パイプの環状突部と点接触の状態になることを特徴とするコネクタを用いた接続構造。 - 前記防水キャップに、前記コネクタと係止する係止部を設けたことを特徴とする前記請求項1に記載のコネクタを用いた接続構造。
- 外周面に突設された環状突部を有する金属製のパイプと、一端側にて前記パイプの環状突部に係止したコネクタと、該コネクタの他端側に接続された管状の相手部材とにより構成された接続構造用の防水キャップであって、
前記コネクタの外周側には、筒状の該防水キャップが挿嵌され、該防水キャップの一端側が該コネクタの一端側開口端から外方向に突出していると共に、該防水キャップの一端側端部が前記パイプ外周面との間をシールする第1シール部になっており、他端側が前記コネクタの一端側開口端より内方向の該コネクタ上または前記相手部材上に配置されて該コネクタの外周面または該相手部材の外周面との間をシールする第2シール部になっており、
前記第1シール部側先端部の少なくとも一部が、軸直角方向に対して傾斜しており、該防水キャップが装着された前記コネクタを前記パイプに挿入するとき、該傾斜部分の先端が該パイプの環状突部と点接触の状態になることを特徴とするコネクタを用いた接続構造用防水キャップ。
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