JP3700112B2 - マスコンクリートの養生構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマスコンクリートの養生構造に係り、低温液化ガスを貯蔵する地下タンクの底版コンクリート打設時の施工性と打設されたコンクリートの保温性を保持するためのマスコンクリートの養生構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、多く建設されている液化天然ガス(LNG)地下タンクには、その規模が直径70m以上、深さ約50〜60mを有し、底版コンクリートの厚さは10m以上になるものもある。このため、底版コンクリートはマスコンクリートとして取り扱われ施工されている。一般にマスコンクリートでは、セメント硬化時の水和発熱に起因する構造物の温度変化に伴って生じる温度応力が、構造物に有害な温度ひび割れを生じさせることがあるため、施工において種々の注意が必要とされている。
【0003】
この温度ひび割れはコンクリート内外の温度差によって生じる内部拘束に起因することが知られている。そこで、打設後のコンクリート部材内外の温度差が大きくならないように、あるいは部材硬化時の温度降下勾配を緩やかに外気温に近づけることが重要である。これを目的とした対策法のひとつとしてマット養生がある。マット養生とは打設されたマスコンクリートスラブ等の養生面を、保温性、断熱性の高い(熱伝達係数が低い)マット、シートで一定の期間覆って養生を行うものである。養生マットとしては多数の気泡をシート内に内包したポリエチレンシート、ポリスチレンシートや、グラスウールマット、アルミ蒸着ポリエチレンシート等種々の公知の資材が利用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5に示したような従来の地下タンク50の底版コンクリート51は温度応力の緩和、施工性を考慮して、所定のリフト高で2層の底版コンクリート51A、51Bに分割して打設するように計画されている。同図には、下層コンクリート版51Aと上層コンクリート版51Bとの一体性を図るため、多数のせん断補強筋54が下層コンクリート51Aの上面から所定長さだけ突出して立設されている。これらのせん断補強筋54には通常、D51等の極太径異形棒鋼が使用されており、気中に露出する表面積が従来の鉄筋より大きい。さらにコンクリートと比較して熱伝導率が大きいため、露出した鉄筋部分から大気への伝達熱量も大きく、この影響は底版コンクリートの温度応力を考慮する上で無視できない程度となっている。
【0005】
そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、鉄筋の露出したマスコンクリートスラブ等においても有効に温度ひび割れ制御を行えるようにしたマスコンクリートの養生構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は複数リフトで分割打設されるマット状マスコンクリートの打継ぎ養生面を覆う保温養生マットと、前記打継ぎ養生面から突出した鉄筋の全長にわたり着脱自在に被された、発泡ポリエチレン成形品からなる筒状の鉄筋保温養生キャップとを有することを特徴とする。
【0007】
前記筒状の鉄筋保温養生キャップは発泡ポリエチレン成形品とすることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスコンクリートの養生構造の一実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1は本発明によるマスコンクリートの養生構造を、LNG地下式タンク1の底版コンクリート2の打設時に適用した施工例を示した概略説明図である。同図に示したように、地中連続壁3を山留め壁として所定深さまで掘削された円筒形状の地中空間4の底面付近に所定リフト高さで打設される底版コンクリートのうち、下層コンクリート版2が模式的に示されている。この下層コンクリート版2は、側面が型枠5で区画された円版状範囲に低発熱型コンクリートが打設されている。このとき図1では説明のために外周縁に沿って突出したせん断補強筋6と、コンクリート版の中心から所定範囲を除いた範囲に放射状に配筋されたせん断補強筋6が示されている。なお、同図では図の簡単化のために版中心を通る一直線上に配筋されたせん断補強筋6(後述する保温養生キャップ20とともに)のみが示されているが、実際にはコンクリート版の中心部を除いたほぼ全面に所定の配筋ピッチでせん断補強筋6が突出している。
【0009】
コンクリート面には養生マット10が敷き詰められており、コンクリート硬化時にコンクリート表面が外気と接触することが防止され、コンクリート表面の急激な温度低下が生じないようになっている。
養生マット10としては多数の気泡をシート内に内包したポリエチレンシート、ポリスチレンシートや、グラスウールマット、アルミ蒸着ポリエチレンシート等が好適である。さらにコンクリート面から突出したせん断補強筋6には保温養生キャップ20が被着されている。これらの保温養生キャップ20はコンクリート面から突出しているせん断補強筋6を全体を覆うように被せられるが、図1ではその差がわかるように、一部の鉄筋に被せられた状態が示されている。本実施の形態では保温養生キャップ20として発泡ポリエチレン樹脂成形品が用いられている。
【0010】
図2は図1に示した底版コンクリート2の養生面2a(上面)の外周縁近傍を拡大して示した部分断面図である。
同図に示したように、底版コンクリート2の養生面2aには複数枚が積層された養生マット10がコンクリート面全面を覆うように敷設されている。さらに、コンクリート面2aから突出したせん断補強筋6には保温養生キャップ20が被着されている。これらのうち、養生マット10の積層枚数は、その養生マットの断熱性能(一定条件の下、定量的に熱伝達係数等で数値化することが好ましい。)に依存するが、コストとの兼ね合いにより設定することが好ましい。養生マット10は、2枚重ねすることにより不使用時に比べ、熱伝達係数を50%以上低減でき、4枚程度重ねすることに30%程度まで小さくできることが実験的に確認されている。さらに、養生マット10を使用した状態で鉄筋6に保温養生キャップ20を被着することにより、保温養生キャップ20を使用しない場合に比べ、コンクリートスラブ全体の熱伝達係数を50%以下にすることができる。また、そのときの鉄筋6からの熱伝達を60%程度に押さえることができる。このように、養生マット10でコンクリート断熱性を高めた場合、露出した鉄筋からの放熱がより盛んになるため、養生において、養生マット10と鉄筋保温養生キャップ20とを併用することが重要となってくる。
【0011】
また、施工性の観点からは、底版コンクリートの第1リフト打設時にあらかじめ鉄筋頭部に保温養生キャップ20を被着することで、コンクリートが直に鉄筋に付着するのを防止でき、継手部分の鉄筋連結時の付着コンクリートの清掃等の作業をなくすことができるという利点がある。
【0012】
図3(a)は本実施の形態による保温養生キャップ20の全体斜視図を示している。図3(b)はその半割断面図である。保温養生キャップ20は、同図に示したように、鉄筋径よりわずかに大きい内径を有する有蓋円筒形状になっており、突出した鉄筋部分の全長にわたり密着して被せることができる。他の発泡プラスチック材としては高発泡ポリスチレン(スチロフォーム)、硬質発泡ポリウレタ等が耐久性があり、反復利用の観点から好適である。
【0013】
図4(a)は他の変形例として筒袋状のアルミ蒸着ポリエチレンシート26内にグラスウール材27を詰めて製作した保温養生キャップ25である(図4(b)断面図参照)。この保温養生キャップ25は発泡成形材からなる硬質のキャップに比べ、柔軟性がありコンパクトに畳めるので、保管時にも嵩張らず保管時、運搬時において優れた効果を発揮する。また、表面のアルミ蒸着面26とグラスウール27によって高い断熱性も確保される。
【0014】
なお、底版コンクリート2に配筋された鉄筋には、図2に示したように、コンクリート上面から突出する鉛直せん断補強筋6の他、水平筋7がある。この水平筋7の端部には機械継手等のジョイント継手8が取り付けられ、その一端が側面型枠5に当接するように配筋されることが多い、この場合、ジョイント継手8と鋼製型枠5との間に熱橋作用(ヒートブリッジ)が生じないように、ジョイント継手8の一端に断熱プラグ21を差し込み、ジョイント継手8と鋼製型枠5間を熱的に絶縁することが好ましい。
【0015】
以上の説明ではマスコンクリートとしてLNG地下式タンクの底版コンクリートを例にしたが、この養生構造は、ダム堤体コンクリートの施工時等、種々のマスコンクリート施工時に適用可能な養生構造であることはいうまでもない。
【0016】
【発明の効果】
以上に述べたように地下タンク等の底版コンクリート打設のコンクリート打ち継ぎ養生において、突出した鉄筋に保温養生キャップを被着することにより、コンクリート硬化時の温度応力に対する外気温の影響を十分押さえることができ、温度ひび割れの防止に対して十分な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるマスコンクリートの養生構造の一実施の形態を示した概略全体斜視図。
【図2】図1のマスコンクリートの養生構造の一部を拡大して示した部分断面図。
【図3】 鉄筋保温養生キャップの一実施の形態を示した概略斜視図及び縦断面図。
【図4】 鉄筋保温養生キャップの変形例を示した概略斜視図及び横断面図。
【図5】従来のLNG地下タンクの構造の一例を示した概略断面図。
【符号の説明】
1 LNG地下式タンク
2 底版コンクリート
6 せん断補強筋(鉄筋)
10 養生マット
20,25 鉄筋保温養生キャップ
Claims (1)
- 複数リフトで分割打設されるマット状マスコンクリートの打継ぎ養生面を覆う保温養生マットと、前記打継ぎ養生面から突出した鉄筋の全長にわたり着脱自在に被された、発泡ポリエチレン成形品からなる筒状の鉄筋保温養生キャップとを有することを特徴とするマスコンクリートの養生構造。
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