JP3699846B2 - 超音波処置装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体組織を把持しながら超音波を利用して生体組織の切開、切除或いは凝固等の処置を行う超音波処置装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の超音波処置装置としては、例えばUSP第5,322,055号で知られるような超音波手術器具がある。この超音波手術器具は超音波振動子に接続された超音波プローブと、この超音波プローブを挿通するシースと、上記超音波プローブの先端部分によって形成されたブレードと、上記シースの先端部分に枢着され、上記ブレードと対峙したジョーとを備える。そして、上記シースの手元端に設けられたハンドルによりロッドを介して上記ジョーを回動し、そのジョーとブレードの間で生体組織を把持しながら上記超音波プローブを超音波振動させることにより把持部位の生体組織を切開するようになっている。このとき、生体組織の把持部位には凝固作用と切開作用が同時に加わるために、出血を招くことなく、その把持部分の生体組織のみを切開することが可能である。
【0003】
従来、上記ジョーの把持面の耐久性を高めるために、ジョーの把持面に金属製のパッドプレートを配置することも考えられたが、このタイプのものであると、超音波振動中にパッドプレートとブレードとの金属部材同士が直接に接触する結果、金属製のパッドプレートが破断する虞があり、最近では採用されなくなっている。
【0004】
最近では金属プレートを設けないで、把持用パッドにはいわゆるテフロン(ポリテトラフルオロエチレン:PTFE)などの樹脂で作られた従順部材が用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように把持用パッドが樹脂製のものであると、超音波プローブとの摩擦により徐々に摩耗してゆく。この理由はジョーを回動し、そのジョーとプローブとの間で生体組織を切断しきったとき、ジョーのパッド部分には振動状態のブレードが直接に接触し、その結果、ジョーのパッド部分は使用の都度、摩耗するためである。繰り返し使用することによりパッド部分は大きく摩耗し、凝固切開能力は次第に劣化してゆくことになる。
【0006】
また、超音波プローブには使用の都度、超音波振動が加わるため、常に大きな負荷を受けており、超音波プローブは疲労破壊が極めて起き易い部品である。従って、ジョーのパッド部分が摩耗して完全に使用できなくなる以前において超音波プローブの使用を中止し、破壊する前に超音波プローブを交換すべきである。
【0007】
しかしながら、ユーザーにとっては超音波プローブの交換時期を知る目安はユーザーによる使用経歴の記録しかなく、ユーザーの感に頼ると使いすぎになる可能性があった。
【0008】
本発明は、上記課題に着目してなされたもので、その目的とするところは、凝固/把持能力が劣化したことのみならず、特にプローブが交換時期であることを知らせる機能を有した超音波処置装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、前記ジョーを開閉する操作手段と、前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持するとともに、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗する把持部材と、前記把持部材の前記磨耗が所定の量に達したときに視覚的に現れる、前記把持部材に設けられた指標と、を有することを特徴とする超音波処置装置である。
【0010】
請求項2に係る発明は、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、前記ジョーを開閉する操作手段と、前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持する把持部材と、前記把持部材の前記超音波プローブ側に設けられ、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗するとともに、該磨耗が所定の量に達したときに消滅する指標と、を有することを特徴とする超音波処置装置である。
【0011】
請求項3に係る発明は、超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、前記ジョーを開閉する操作手段と、前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持するとともに、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗する把持部材と、前記把持部材の前記磨耗が所定の量に達したときに前記超音波プローブと接触する硬質部材と、を有することを特徴とする超音波処置装置である。
請求項4に係る発明は、超音波振動することで生体組織に対して所定の処置を行う超音波プローブと、前記超音波プローブに供給する超音波振動を発生する超音波振動子と、前記超音波プローブの超音波振動を検知する計数回路と、前記計数回路で検知された前記超音波発振の累積時間を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された前記累積時間と予め設定された交換時期データとを比較するCPUと、前記CPUにより前記記憶回路に記憶された前記累積時間が予め設定された交換時期データの値に達した時に告知を行う告知手段と、を有することを特徴とする超音波処置装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1乃至図7に基づいて、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は第1の実施形態に係る超音波処置具としてのいわゆる超音波凝固切開具1の組み立て状態を示す。超音波凝固切開具1は図2(a)で示すハンドルユニット2と、図2(b)で示すプローブユニット3と、図3で示す振動子ユニット4の3つのユニットに分けることができる。
【0013】
ハンドルユニット2は図2(a)で示す如く、振動子接続部11を有した操作部本体12を有し、この操作部本体12には固定的な下側ハンドル(固定ハンドル)13と回動自在な上側ハンドル(可動ハンドル)14が設けられている。下側ハンドル13には指掛けリング15が形成され、その指掛けリング15の孔内には親指以外の指の複数のものを差し込めるようになっている。また、上側ハンドル14には同じ手の親指を掛ける指掛けリング16が形成されている。上側ハンドル14は操作部本体12にねじ止めされた軸ピン17により回動自在に枢着されている。
【0014】
尚、上側ハンドル14の基部と下側ハンドル13の基部には上側ハンドル14を閉じる向きに過度の回動が行われることを防止するため、上側ハンドル14の回動終端位置を規制する突当て部18a,18bが形成されている。
【0015】
上側ハンドル14の基部には連結部材としての係止ピンを兼ねた固定ねじ部材19が取り付けられている。この固定ねじ部材19は上記ハンドル枢着用の軸ピン17よりも上側へ離れた近傍位置に設けられている。
【0016】
上記操作部本体12の上部にはハンドルユニット2の所定位置に振動子ユニット4を固定すると共にその固定を解除する着脱部材としてのストッパー片20が枢着されている。このストッパー片20は図示しない巻装したコイルばねにより振動子ユニット4に係止する向きに回動するように付勢されている。
【0017】
上記操作部本体12の前端部分には挿入シース部31が回転ノブ32と共に回転自在に保持されている。挿入シース部31は回転ノブ32により回転可能である。ここで、上記挿入シース部31は回転ノブ32が摺接する操作部本体12側の部材との摩擦力により、常にある程度の制動が掛かっており、このため、回転操作を行わなくても自然に回転してしまうことがない。
【0018】
上記挿入シース部31は図4(b)で示す如く、剛性のある金属製パイプからなる芯材31aと、この芯材31aの外周に被覆した電気的絶縁性の外皮31bの2重管構造のものである。また、図4(b)で示すように、挿入シース部31の先端部分には一対の係止片36が設けられている。係止片36は挿入シース部31内に挿通されるプローブユニット3の先端部分に係止する。
【0019】
上記振動子ユニット4は図3で示す如く、ハンドピース41のハウジングを兼ねた円筒状カバー42内にランジュバン型超音波振動子43を配置してなり、上記超音波振動子43の前端にはホーン44が連結されている。ホーン44の先端にはプローブユニット3の後端に設けた雄ねじ部73にねじ込むための雌ねじ部(図示せず)が形成されている。
【0020】
さらに、図3で示す如く、カバー42の前端部にはリング状のストッパー受け部材56が設けられている。上記ストッパー受け部材56の外周面部には環状の周回溝57が形成されている。このストッパー受け部材56の周回溝57内には上述したストッパー片20の内方先端が嵌め込まれ、振動子ユニット4が抜けないように保持している。また、このストッパー受け部材56の内腔にはプローブユニット3のロータ78の後端部分のみが嵌まり込んで装着されるようになっている。
【0021】
上記ハンドピース41には長尺で可撓性のハンドピースコード61が接続されている。このハンドピースコード61の延出先端にはハンドピースプラグ62が設けられている。このハンドピースプラグ62は振動子ユニット4を洗浄消毒する際に防水キャップ63によっって覆われるようになっている。上記ハンドピース41の後端には高周波処置を行うときに高周波コードを接続するための接続端子67が設けられている。
【0022】
一方、上記プローブユニット3は図2(b)及び図4で示す如く構成されている。すなわち超音波振動を伝達するための棒状の振動伝達部材71と、これに沿って略平行に配置されたワイヤー状の操作駆動軸(可動部材)72とを備える。ここで、振動伝達部材71は音響効果が高く、生体適合性の良い、例えばチタン材やアルミニウム材等で形成されている。また、振動伝達部材71は図2(b)で示すように、先端側部分71aと後端側部分71bの2体のものを連結してなり、先端側部分71aと後端側部分71bの両者はねじ止めと接着により固定的に連結されている。振動伝達部材71の後端部分には上記雄ねじ部73が形成されていて、この雄ねじ部73の部分をホーン44の先端にねじ込んでホーン44と振動伝達部材71を連結するようになっている。そして、振動伝達部材71の後端がホーン44の先端壁面に突き当たる位置までねじ込んで締め付けることにより、その振動伝達部材71とホーン44が強固に連結される。振動伝達部材71の後端部の周面にはそれを着脱するときに使用するスパナ掛け面75が形成されている。
【0023】
上記操作駆動軸72はワイヤー状の部材であり、これは比較的剛性があり、また、ばね弾性も備えた、例えばステンレススチール(SUS)等の材料によって形成されている。また、操作駆動軸72には図4(a)で示す如く、薄い金属製のパイプ76が被嵌されている。このパイプ76は操作駆動軸72の基端から先端の手前の途中部分のところにわたり被嵌されている。
【0024】
上記操作駆動軸72の後端には上記ロータ78が固定的に取着されている。このロータ78はその中心が振動伝達部材71の中心軸と一致する同心的な円筒状の回転体形状に形成されている。上記ロータ78の外周には2条の鍔81を設けており、この2条の鍔81間で係合用環状溝82を形成している。係合用環状溝82にはハンドルユニット2の可動ハンドルである上側ハンドル14に設けた連結用係合部が嵌まり込み、上側ハンドル14によって前後に移動操作されるようになっている。
【0025】
上述した各ユニット2,3,4を組み立てた際、ロータ78の前端側周部85がハンドルユニット2の嵌合孔内に嵌まり込み、ロータ78の後端側周部87が操作部本体12内においてストッパー受け部材56内に嵌まり込む。このとき、振動子ユニット4側のストッパー受け部材56の周回溝57には上記ストッパー片20が係止することになる。そして、振動子ユニット4はプローブユニット3と一体に回転が可能である。プローブユニット3の操作駆動軸72はハンドルユニット2によるハンドル操作で、ロータ78と一体的に上記振動子ユニット4及び振動伝達部材71等の静止した部材に対して前後軸方向への移動が可能なものである。
【0026】
図2(b)で示すように、振動伝達部材71と、操作駆動軸72に被嵌されたパイプ76とは複数のスぺーサー86によって互いに保持し合っている。各スぺーサー86はいずれも振動伝達部材71の振動の節の位置に配置されている。スぺーサー86は振動伝達部材71と操作駆動軸72を所定の間隔で平行に維持する。また、操作駆動軸72に被嵌したパイプ76には上記スぺーサー86の前後の移動を阻止するために最先のスぺーサー86を除き、その前後に止め輪89が被嵌して設けられている。各止め輪89はいずれも接着により操作駆動軸72に被嵌したパイプ76の外周に固定されている。
【0027】
図4(a)に示すように、最先に位置したスペーサー86は遠位端の超音波プローブ115に最も近い超音波振動の節部に位置して設けられている。この最先のスペーサー86は操作駆動軸72に被嵌したパイプ76の外周に接着等により固定してもよいが、ここではパイプ76の外周に遊嵌して設けられている。上記スペーサー86には支持部材90が設けられていて、スペーサー86と支持部材90の両者には締結用止めリング91が被嵌され、これらは接着により一体的に固定されている。
【0028】
図4(a)で示す如く、最先端のスペーサー86のところに位置する振動伝達部材71の周部には回動規制用フランジ95が形成されている。この回動規制用フランジ95はこれに対応位置するスペーサー86の内面部に形成された嵌込み溝に密に嵌め込まれて係合し、振動伝達部材71廻りでのスペーサー86の回動を阻止する。スペーサー86の嵌込み溝には操作駆動軸72側に位置して回動規制用フランジ95との間に振動吸収部材の例えばゴム製の緩衝部材97が嵌め込まれている。
【0029】
この最先端に位置したスペーサー86はこれより前方へ延びるジョー保持部材100の支持部を兼ねるものであり、スペーサー86とジョー保持部材100の両者は一体に形成されている。上記ジョー保持部材100は上記スペーサー86に支持され、上記振動伝達部材71の軸方向への移動、及びその軸廻りでの回動が制限されている。ジョー保持部材100はその前方端が振動伝達部材71の先端直前まで延長されており、その基端部付近から先端まで達するスリット溝101が形成されている。ジョー保持部材100の先端付近部分において、そのスリット溝101の左右両部分には補強橋102が架設されている。また、ジョー保持部材100の延長した先端部付近にはジョー105が枢着されている。
【0030】
上記ジョー保持部材100の先端部分にはそのスリット溝101の左右両部分に渡って橋架する枢支ピン103が設けられている。上記ジョー105は枢支ピン103によって枢着されている。上記ジョー105はいわゆる可動ブレードを構成しており、後述する超音波プローブ115に対峙する可動側把持片である。
【0031】
上記ジョー105は図5で示す如く、金属製の本体部材(保持枠)106と、樹脂製の把持部材(パット部材)107とを備えており、本体部材106の基部付近には軸受け用連結孔108が形成されている。軸受け用連結孔108に上記枢支ピン103を挿通することにより上記本体部材106は上記ジョー保持部材100に対して回動自在に支持される。軸受け用連結孔108は挿入シース部31の軸方向に対して斜めの長孔からなっており、上記枢支ピン103はその連結孔108内に摺動自在に嵌め込まれている。本体部材106には操作駆動軸72の先端を接続するための接続孔109が、上記軸受け用連結孔108の直近の下側に位置して形成されている。この接続孔109には操作駆動軸72の先端部分を略直角に屈曲して形成した屈曲部110が嵌入されている。
【0032】
上記本体部材106には前後に長い矩形状の嵌込み装着用孔111が設けられている。この嵌込み装着用孔111には上記把持部材107の背面に設けた突部112が密に嵌め込まれる。突部112の突出端には左右に突き出した鍔113が形成されている。
【0033】
そして、嵌込み装着用孔111に把持部材107の突部112を嵌め込むときには図5の矢印で示すように、鍔113の部分を先にして下側から嵌込み装着用孔111に突部112を強く差し込む。すると、鍔113及び本体部材106の嵌込み装着用孔111付近が弾性変形し、その鍔113が嵌込み装着用孔111を突き抜けたところで、その突部112の根元部分が嵌込み装着用孔111内に密に嵌め込まれる。さらに把持部材107の背面と鍔113の間で本体部材106を上下から挟み込んで、本体部材106に把持部材107が保持される。
【0034】
上記把持部材107は滑り性のよい従順部材、例えばいわゆるテフロンなどの樹脂で一体的に形成されたものである。把持部材107の把持面117の左右両縁には超音波プローブ115側へ突き出した縁部118が形成されている。これらの縁部118の先端には歯119が形成されている。
【0035】
上記振動伝達部材71の先端部分は超音波プローブ(固定側把持片)115を構成する。この超音波プローブ115の部分は上記ジョー105の把持部材107が対峙するように配置されている。超音波プローブ115は図7で示す如く、その断面形状が縦長である。超音波プローブ115の先端外周面部分は丸みが付けられている。そして、操作駆動軸72を押し引きすることにより回動させられる開閉自在なジョー105とその固定的な超音波プローブ115により生体組織を把持して凝固及び切開する超音波処置部120を構成している。
【0036】
また、ジョー保持部材100の処には操作駆動軸72を引いて閉じる向きにジョー105を回動操作する際においてジョー105の過剰な回動量を規制するためのストッパー機構が設けられている。つまり、図4(a)で示す如く、ジョー保持部材100のスリット溝101内に位置した操作駆動軸(可動部材)72の途中部分にはストッパー管(ストッパ体)121が被嵌されている。このストッパー管121はその内面に雌ねじを形成し、上記操作駆動軸72に被嵌したパイプ76の外周に形成した雄ねじに螺合して固定的に取着されている。この取付け手段は螺合方式であるため、製作組付け過程でストッパー管121の位置をその軸方向に微調整することができる。パイプ76の雄ねじの先端側部分には管状のナット122が螺合している。
【0037】
そして、上記ストッパー機構は操作駆動軸72を引き込んで、ジョー105を閉じた際、ストッパー管121の後端124が、静止部材としてのジョー保持部材100に形成したスリット溝101の後端面からなるストッパー受け面125に当たり、操作駆動軸72のそれ以上の引き込みを阻止し、これによってジョー105の過剰な回動を制限する。
【0038】
次に、上記ジョー105に組み込むプローブユニット3の交換時期を知らせるシステムについて説明する。この第1の実施形態では図6で示すように、樹脂製の把持部材107に横方向に貫通する指標用孔131を形成した。この指標用孔131は上下に狭く前後に長いものであり、把持面117からその指標用孔131に至るまでの肉厚は凝固切開能力が確保できる範囲、つまり摩耗が許容できる範囲の寸法に設定されている。ここでは金属製の本体部材106の嵌込み装着用孔111の周囲の枠部分までの高さ寸法に設定しているが、その高さ未満に設定することが望ましい。なぜならば、後述する理由により超音波プローブ115が金属製の本体部材106に触れる以前にプローブユニット3の交換の時期を検知することができるからである。もっとも、ジョー105の把持部材保持構造が、超音波プローブ115により把持部材107がかなり摩耗したとしてもジョー105の金属製本体部材106に超音波プローブ115が触れないようにした構造である場合、例えば超音波プローブ115に対応する位置を避けて保持枠を配置し、または逃げ等を形成するときには嵌込み装着用孔111の周囲の枠部分までの高さを考慮する必要がない。
【0039】
次に、この超音波凝固切開具1を使用して超音波処置を行う場合について説明する。体腔内において、超音波プローブ115とジョー105の間に生体組織を把持し、超音波プローブ115に超音波振動を加える。すると、把持された生体組織部分が凝固されながら切れる。生体組織部分が部分的または完全に切れたとき、把持面117には超音波振動状態の超音波プローブ115が直接に触れる。従って、把持面117は使用の都度、摩耗することになる。使い始めた新品のときには把持部材107の把持面117は図7(a)で示すように摩耗はない。繰り返し使用することにより把持面117は図7(b)で示すように削れ、窪んでくる。超音波プローブ115が接触する把持面117が摩耗により減ってゆき、把持力や凝固切開力が次第に減少する。また、超音波プローブ115の劣化も進む。
【0040】
一定以上、把持面117が摩耗すると、把持面117の窪み部分に指標用孔131が出現し、ユーザーはその指標用孔131を目視により認識することが可能となる。この指標が現れたとき、超音波プローブ115及びジョー105の交換すること、この実施形態ではさらにプローブユニット3の全体の耐久性も考えてプローブユニット3の全体の交換が必要であるものと設計してある。
【0041】
従って、ユーザーは超音波凝固切開具1を使用する前に把持面117をチェックすることにより超音波プローブ115及びジョー105の交換、この実施形態ではプローブユニット3の全体の交換の要否の判断が容易である。つまり、ユーザーにとって、プローブユニット3の交換の時期を明確に知ることができるために、使い過ぎてしまう虞がない。ユーザーは使い過ぎによる凝固/把持能力の低下や超音波プローブ115の目に見えない劣化を看過し易いが、その時期をユーザーが明確に知ることができて都合がよい。
【0042】
また、使用可能な時期がユーザーの感ではなく、明確な指標として容易に交換時期を判断できることになるので、使用が可能な限り、超音波凝固切開具1を安心して使用し続けることができる。また、ジョー105や超音波プローブ115またはプローブユニット3を使用可能な期間一杯に使用することができて経済的である。
【0043】
(第2の実施形態)
図8に基づいて、本発明の第2の実施形態を説明する。本実施形態は上述した第1の実施形態のジョー105の構成においての指標用孔131内に他のものと区別可能な色の部材135を密に嵌め込んだものである。
この場合、プローブユニット3の交換の時期において、指標用孔131が色付きのものとして出現する。ユーザーはその色により指標用孔131を視認し易くなる。また、指標用孔131が封止されるので、その指標用孔131内に血液や汚れが溜まり難く、洗浄性に優れる。
【0044】
(第3の実施形態)
図9及び図10に基づいて、本発明の第3の実施形態を説明する。本実施形態は樹脂製の把持部材107の上面から掘り下げて溝141を形成した。このジョー105の把持部材107の他の構成は上述した第1の実施形態のものと同じである。
【0045】
本実施形態によれば、図10(b)で示すように、把持部材107の溝141の底壁が貫通して孔が出来たことを指標としてプローブユニット3の交換の時期を知るものであり、その事実は把持部材107の上面側から溝141を覗き込むことにより観察できる。特に透かして見ると貫通した孔が明確に見えるため、指標としての視認性に優れる。また、孔が貫通しなくとも透かして見ても良く、その薄さの程度によって貫通しない前からプローブユニット3の交換の時期を見込むことができる。
【0046】
(第4の実施形態)
図11及び図12に基づいて、本発明の第4の実施形態を説明する。本実施形態は樹脂製の把持部材107の上部、例えば突部112を下部の色と異なる色のものとして形成したものである。そして、把持面117が摩耗し、把持面117の窪み部分に異なる色の突部112の部分が現れることを指標として、プローブユニット3の交換の時期を目視により認識するようにした。ジョー105の他の構成は上述した第1の実施形態のものと同じである。
本実施形態によれば、色により判別するので視認しやすい。また、孔や溝がないので、血液や汚れが溜まり難く、洗浄性に優れる。
【0047】
尚、着色部分は把持面側部分と一体のものでも別部材のものでもよいし、特に着色部分の材料の種類は限定されるものではない。また、着色部分の色は一種類である必要はなく、複数に色分けしたものでもよい。
【0048】
(第5の実施形態)
図13及び図14に基づいて、本発明の第5の実施形態を説明する。本実施形態はジョー105の把持部材107における把持面117に左右横方向に沿って左右に貫通する一条の溝145を形成したものである。
【0049】
本実施形態では上記第1の実施形態とは逆に図14(a)で示す初期の状態で超音波プローブ115との接触面に溝145が見えている。超音波プローブ115の超音波振動によりプローブ接触面が摩耗し、同時に溝145の部分も次第に摩耗してゆく。摩耗が進行してゆくと、最後には図14(b)で示すように溝145がなくなって他の摩耗面と同一面となる。この状態をプローブユニット3の交換時期を示す指標とする。
【0050】
本実施形態によれば、初期の段階で指標の溝145が認められることにより、ユーザにとって指標がどれであるかの認識が常にあり、認識し易い。そして、徐々に減ってゆく指標の状態を逐次確認することができるため、確認忘れを防止できると共に、プローブユニット3の交換の時期を予想することができる。また、本実施形態のものでは把持面117に指標の溝145を形成するので、その把持部材107の加工が容易であり、経済性に優れる。
【0051】
尚、溝145は1筋ではなく、左右に沿う複数の溝145を例えば平行に形成するようにしてもよい。また。溝145の代わりに穴としたものでもよい。この穴は丸穴、角穴等、その形状は問わない。
【0052】
(第6の実施形態)
図15及び図16に基づいて、本発明の第6の実施形態を説明する。本実施形態はジョー105の把持部材107における把持表面部に前後縦方向に上記超音波プローブ115に沿って一条の溝146を形成したものである。
【0053】
本実施形態では上記第1の実施形態とは逆に図16(a)で示す初期の状態で超音波プローブ115との接触面に溝146が見えている。超音波プローブ115の超音波振動によりプローブ接触面が摩耗すると、溝146の部分も次第に窪んでゆく。摩耗が進行してゆくと、最後には図16(b)で示すように溝146がなくなって他の摩耗面と同一面となる。この状態をプローブユニット3の交換時期を示す指標とする。
【0054】
本実施形態によれば、上記第5の実施形態の場合と同様、初期の段階で指標の溝146が認識することができる。このため、ユーザにとって指標がどれであるかの認識が常にあり、そして、徐々に減ってゆく指標の状態を逐次確認することになる。従って、確認忘れを防止できると共に、プローブユニット3の交換の時期を予想することができる。また、本実施形態のものでも溝146の加工が容易であり、経済性に優れる。
【0055】
尚、溝146は1筋ではなく、複数のものを、例えば平行に形成するようにしてもよい。また、図17で示すように、波状の複数の溝147としたものでもよい。
【0056】
(第7の実施形態)
図18及び図19に基づいて、本発明の第7の実施形態を説明する。本実施形態は前述した第3の実施形態で述べた把持部材107の溝141内に把持部材107と異なる色の部材151を充填したものである。そして、把持面117が摩耗し、把持面117の窪み部分に着色した部材151が現れることを指標としてプローブユニット3の交換の時期を目視により認識するようにした。
【0057】
図19(a)は初期の状態であり、図19(b)は超音波プローブ115の超音波振動によりプローブ接触面が摩耗し、着色した部材151が現れたときの状態を示す。着色した部材151が現れたことを指標として、プローブユニット3の交換の時期を目視により認識することができる。
【0058】
本実施形態によれば、色により指標を判別するので、それを視認し易い。また孔や溝がないので、血液や汚れが溜まり難く、洗浄性に優れる。
【0059】
(第8の実施形態)
図20及び図21に基づいて、本発明の第8の実施形態を説明する。本実施形態は前述した第3の実施形態で述べた把持部材107の溝141内に金属などの硬質な材料で形成した硬質部材155を充填的に配設したものである。そして、把持面117が摩耗し、その窪みが硬質部材155に達すると、振動する超音波プローブ115がその硬質部材155に当たるようになり、その結果、金属音が発生する。この音の発生を指標として、プローブユニット3の交換の時期を、ユーザーが聴覚により認識する。本実施形態のものにあっては特に使用中(手術中)でも認識することが可能になり、即時の交換が対処可能である。
【0060】
上記硬質部材155を着色しておけば、第7の実施形態の場合と同様、プローブユニット3の交換の時期を視覚的に認識できる。
【0061】
(第9の実施形態)
図22及び図23に基づいて、本発明の第9の実施形態を説明する。本実施形態は上記第8の実施形態での音を発生させる硬質部材の代わりに上記ジョー105の金属製本体部材(保持枠)106の一部を利用したものである。本体部材106における嵌込み装着用孔111の先端縁の下面に下方に突き出す突起161を一体に形成した。また、本体部材106にはその突起161を嵌め込む溝部162を形成する。
【0062】
本体部材106の嵌込み装着用孔111に上記把持部材107を嵌め込んで装着したとき、突起161が溝部162に密に嵌まり込む。
そして、把持面117が摩耗し、その窪みが硬質な突起161の部分に達すると、振動する超音波プローブ115がその硬質な突起161に当たるようになり、その結果、金属音が発生する。この金属音の発生を指標として、プローブユニット3の交換の時期を聴覚により認識する。本実施形態でも使用中(手術中)でも認識することが可能になり、即時の交換が可能である。
また、上記把持面の摩耗は先端側が大きい為、把持部材107の摩耗が進行すると、突起161が把持面117側から視覚的にも認識することができる。
【0063】
(第10の実施形態)
図24及び図25に基づいて、本発明の第10の実施形態を説明する。本実施形態は上述した第1の実施形態において述べた超音波凝固切開具1のハンドルユニット2の例えば操作部本体12等に振動子ユニット4の発振回数を累計で記憶する手段を設け、プローブユニット3の使用量を換算するようにしたシステムである。
【0064】
以下において、このシステムを具体的に説明する。超音波凝固切開具1のハンドピースプラグ62を接続する装置本体181内に制御回路182を設け、制御回路182は計数回路183によって、この本体装置181に接続された、ハンドピース41のランジュバン型超音波振動子43の出力を制御するフットSW184のON状態を検知する。計数回路183はこの検知結果を受けてCPU185に超音波発振検知信号を出力する。
【0065】
ハンドルユニット2の例えば操作部本体12の接続部11には記憶手段(例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM) 等)186を設ける。この記憶手段186に超音波発振時間の累積時間を記憶する。記憶手段186は操作部本体12と、これに接続される振動子ユニット4のハンドピース41におけるカバー42との両者に形成した接続コネクター(図示せず)を介してハンドピースコード61を通じて上記装置本体181内に制御回路182に接続されるようになっている。
【0066】
超音波発振検知信号が入力されたCPU185では図示しないROM等に書き込まれたプログラムに従って初期設定の動作を開始する。その際、ハンドルユニット2に設けられた記憶手段186に記憶されていた前回の検知時までの超音波発振時間の累積時間データを読み出し、前述の超音波発振検知信号に基づき、ハンドピース41のランジュバン型超音波振動子43が発振を開始した時からの時間を積算する。このように、CPU185は適宜の時間間隔で記憶手段186の累積時間データの更新を行う。
【0067】
また、CPU185は適宜の時間の間隔で現在の累積時間データと、予め設定されたプローブユニット3の交換時期データとを比較することも行う。そして、この比較の結果、累積時間データが交換時期データの値に達したことを認識すると、告知手段187を作動させ、術者にプローブユニット3が交換時期になったことを告知し、その交換を促すようにしている。
【0068】
この実施形態のシステムによれば、事前のチェック等が不要であり、また、使用中でも設定発振回数に達したことを知らせる機能があるため、術中での交換が可能である。
【0069】
尚、CPU185は累積時間データが交換時期データの値に達したことを認識したとき、フットSW184の入力をキャンセルし、超音波を発振できないようにすることも可能である。このようにした場合、それ以上の発振が不可能なために安全性も高い。
【0070】
ここでの告知手段187は装置本体181の操作パネルに設けられたLEDを点灯または点滅させる視覚的な構成のものとしてもよいし、スピーカーより警告音を発する聴覚的な構成のものとしてもよい。また、その両者を合わせたものでもよい。
また、ハンドピース41と装置本体181は独立して接続されるようにしてもよいし、図示しないプローブを介して接続されるようにしてもよい。
【0071】
(第11の実施形態)
図26に基づいて、第11の実施形態を説明する。本実施形態は上述した第10の実施形態のシステムにおいての記憶手段186をプローブユニット3側に設けたものである。例えばロータ78の後端側周部87に記憶手段186を組み込む。また、後端側周部87にはハンドルユニット2に組み込んだとき、信号ラインに接触して接続される接点188が設けられている。この接点188は振動子ユニット4のハンドピース41におけるカバー42に対応して設けた接点(図示せず)に装着時に接続され、ハンドピースコード61を通じて上記装置本体181内に制御回路182に接続されるようになっている。
【0072】
本実施形態によれば、超音波プローブとジョーが一体となったプローブユニット3側に記憶手段186を設ける構成であるので、記憶データの個性化が容易であり、構成の簡略化が図れるなどの利点がある。
【0073】
(第12の実施形態)
図27に基づいて、第12の実施形態を説明する。本実施形態はプローブユニットの使用回数をその超音波凝固切開具1の滅菌回数から検知するため、滅菌回数を記憶するラベル191を超音波凝固切開具1のいずれかのユニット2,3,4の、例えばプローブユニット3のロータ78の端面、ハンドルユニット2の操作部本体12等に貼り付けたものである。
【0074】
上記ラベル191は滅菌回数を記憶できる特性を持たせたものであり、例えば滅菌時の温度上昇やガスによる化学変化により色が変るシールのようなものが用いられている。すなわち医療器械が使用前に必ず滅菌されることを利用し、その滅菌処理による色の変化等を利用して滅菌回数を認識させるように構成した。
【0075】
上記ラベル191の指標の表示形式としては図27(a)で示すようにプローブユニット3の交換の時期になったとき、終りを意味する「End」の文字が表面に現れる丸形のもの、図27(b)で示すように使用回数が次々に現れ、最終の使用回数の数字に至る過程をサークル的に表示する丸形のもの、図27(c)で示すように使用回数が次々に現れ、最終の使用回数の数字に至る過程を直線的に表示する矩形状のもの等がある。また、表示の仕方としても色付けによって表示するようにしたものでもよい。また、残りの使用回数を表示するようにしてもよい。
【0076】
本実施形態は累積滅菌回数を告知可能なラベル手段により残りの使用回数が予測できる。また、シールを検出対象物に貼るだけで、簡単に装着することができる。また、経済性にも優れるものである。
【0077】
<付記>
1.超音波振動を発生する超音波振動子と、この超音波振動子に接続された生体組織を処理するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、振動伝達部材の遠位端に連結された超音波プローブと、この超音波プローブに対峙して可動自在であり超音波プローブとの間に生体組織を把持するジョーと、このジョーを超音波プローブに対して開閉する操作手段を具備した超音波処置装置において、超音波プローブ交換時期を示す手段を有することを特徴とする超音波処置装置。
【0078】
2.第1項に示す超音波処置装置において、超音波プローブ交換時期になると視覚的に認識できるようになる指標を有することを特徴とするもの。
3.第1項に示す超音波処置装置において、ジョーの把持部材が超音波プローブの振動により摩耗し、超音波プローブ交換時期になると視覚的に現れるような指標を有することを特徴とするもの。
4.第2.3項に示す超音波処置装置において、指標がジョーの把持部材に設けられた孔であることを特徴とするもの。
5.第2.3項に示す超音波処置装置において、指標がジョーの把持部材に設けられた溝であることを特徴とするもの。
【0079】
6.第2.3項に示す超音波処置装置において、指標がジョーの把持部材につけられた異なる色であることを特徴とするもの。
7.第4.5項に示す超音波処置装置において、孔と溝内に充填材を充填したことを特徴とするもの。
8.第7項に示す超音波処置装置において、充填材はジョーの把持部材の色と異なることを特徴とするもの。
9.第2.3項に示す超音波処置装置において、指標がジョーに設けられた異なる材質であることを特徴とするもの。
10.第1項に示す超音波処置装置において、ジョーの把持部材が超音波プローブの振動により摩耗し、超音波プローブ交換時期になると視覚的に消えるような指標を有することを特徴とするもの。
11.第10項に示す超音波処置装置において、指標がジョーの把持部材の把持面に形成された孔であることを特徴とするもの。
【0080】
12.第10項に示す超音波処置装置において、指標がジョーの把持部材の把持面に形成された溝であることを特徴とするもの。
13.第1項に示す超音波処置装置において、ジョーの把持部材の把持面が超音波プローブの振動により摩耗して超音波プローブ交換時期になると超音波プローブに接触して機械音を発生する部材を設けたことを特徴とするもの。
14.第13項に示す超音波処置装置において、音を発生する部材が金属であることを特徴とするもの。
15.第13項に示す超音波処置装置において、音を発生する部材は把持部材を保持する枠部材の少なくとも一部であることを特徴とするもの。
16.第15項に示す超音波処置装置において、音を発生する部材は把持部材を保持する枠部材から把持部材の把持面側に向かって一体に突出して形成された突起であることを特徴とするもの。
17.第1項に示す超音波処置装置において、超音波振動子の発振回数または超音波プローブの累積使用時間などの使用量を記憶する手段を有することを特徴とするもの。
18.第17項に示す超音波処置装置において、超音波振動子の発振回数を記憶する手段がハンドルユニットに設けられていることを特徴とするもの。
【0081】
19.第17項に示す超音波処置装置において、超音波振動子の発振回数を記憶する手段がプローブユニット設けられていることを特徴とするもの。
20.第1項に示す超音波処置装置について、累積滅菌回数または累積滅菌時間を告知可能な手段を有することを特徴とするもの。
21.第20項に示す超音波処置装置について、告知する手段がラベルであることを特徴とするもの。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、凝固/把持能力が劣化したことは勿論のこと、超音波プローブが交換時期であることをユーザーに知らせる機能を有する超音波処置装置を提供することができる。ユーザにとって交換の時期を容易に認識することができるため、使い過ぎることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る超音波凝固切開具の組み立て状態の側面図。
【図2】(a)は上記超音波凝固切開具のハンドルユニットの側面図、(b)は上記超音波凝固切開具のプローブユニットの側面図。
【図3】上記超音波凝固切開具の振動子ユニットの斜視図。
【図4】(a)は上記超音波凝固切開具の先端部分の縦断面図、(b)は(a)中のa−a線に沿う部分の横断面図。
【図5】上記超音波凝固切開具のジョーを展開して示す斜視図。
【図6】上記超音波凝固切開具のジョーの把持部材の縦断面図。
【図7】図6中b−b線に沿う部分の横断面図。
【図8】第2の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図9】第3の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図10】図9中のc−c線に沿う部分の横断面図。
【図11】第4の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図12】図11中のd−d線に沿う部分の横断面図。
【図13】第5の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図14】図13中のe−e線に沿う部分の横断面図。
【図15】第6の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図16】図15中のf−f線に沿う部分の横断面図。
【図17】第6の実施形態におけるジョーの把持部材の変形例の縦断面図。
【図18】第7の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図19】図18中のg−g線に沿う部分の横断面図。
【図20】第8の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図21】図20中のh−h線に沿う部分の横断面図。
【図22】第9の実施形態におけるジョーの把持部材の縦断面図。
【図23】第10の実施形態におけるジョーの展開斜視図。
【図24】第11の実施形態における記憶手段を取り付けたハンドルユニットの操作部本体の背面図。
【図25】第11の実施形態における回路のブロック図。
【図26】第12の実施形態における記憶手段を取り付けたプローブユニットの側面図。
【図27】第11の実施形態のプローブユニットの使用回数を滅菌回数を記憶するラベルの説明図。
【符号の説明】
1…超音波凝固切開具、2…ハンドルユニット、3…プローブユニット、
4…振動子ユニット、12…操作部本体、13…下側ハンドル、
14…上側ハンドル、71…振動伝達部材、72…操作駆動軸、
86…スペーサー、100…ジョー保持部材、105…ジョー、
106…金属製の本体部材、107…樹脂製の把持部材、
115…超音波プローブ、117…把持面、131…指標用孔。
Claims (4)
- 超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、
前記ジョーを開閉する操作手段と、
前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持するとともに、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗する把持部材と、
前記把持部材の前記磨耗が所定の量に達したときに視覚的に現れる、前記把持部材に設けられた指標と、
を有することを特徴とする超音波処置装置。 - 超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、
前記ジョーを開閉する操作手段と、
前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持する把持部材と、
前記把持部材の前記超音波プローブ側に設けられ、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗するとともに、該磨耗が所定の量に達したときに消滅する指標と、
を有することを特徴とする超音波処置装置。 - 超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波振動子に接続され、生体組織を処置するための処置部へ超音波振動を伝達する振動伝達部材と、
前記振動伝達部材の遠位端に設けられた超音波プローブと、
前記超音波プローブに対峙して可動自在なジョーと、
前記ジョーを開閉する操作手段と、
前記ジョーの前記超音波プローブ側に備えられ、該超音波プローブとの間で前記生体組織を把持するとともに、前記超音波プローブの超音波振動により該超音波プローブとの接触部分が磨耗する把持部材と、
前記把持部材の前記磨耗が所定の量に達したときに前記超音波プローブと接触する硬質部材と、
を有することを特徴とする超音波処置装置。 - 超音波振動することで生体組織に対して所定の処置を行う超音波プローブと、
前記超音波プローブに供給する超音波振動を発生する超音波振動子と、
前記超音波プローブの超音波振動を検知する計数回路と、
前記計数回路で検知された前記超音波発振の累積時間を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記累積時間と予め設定された交換時期データとを比較するCPUと、
前記CPUにより前記記憶回路に記憶された前記累積時間が予め設定された交換時期データの値に達した時に告知を行う告知手段と、
を有することを特徴とする超音波処置装置。
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