JP3699651B2 - ロール内の油除去装置 - Google Patents
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Description
本発明は、請求項1の前段に記載したロール内の油除去装置に関するものである。
【0002】
本発明による油除去装置は、ロールマントルが周囲を回転する静止支持構体を有し、ロール内に蓄積される油を抜き取ることが望まれるすべてのロールに採用可能である。かかるロールは、例えば、抄紙機もしくは板紙抄紙機におけるクラウン調整ロール、静止支持構体に対するニップ面においてマントルを移動可能なロール、または拡張ニップロールである。
【0003】
このようなロールでは、油が撥ねることと、ロール内部から油を排出する設備の拙劣さとが問題である。油は、潤滑を目的として負荷部材とロールマントルの内面との間のスペースに送り込まれ、油はまた、冷却を目的としてロールマントルの内面に噴霧してもよい。ロールマントルが回転する時は、遠心力によって、前記潤滑油および冷却油はロールマントルの内面に蓄積され、回転するロールマントルの内面に沿って運搬される。前記潤滑油および冷却油は、マントルの内面から可能な限り早急に抜き取るべきであり、これは、油が負荷部材およびその他の支持部材に衝突して撥ねないようにするためである。ロールマントルの内面に過剰に蓄積された油はまた、ロールマントルを回転するために必要なエネルギ量を増大してしまう。
【0004】
本願出願人のフィンランド実用新案登録第2920号では、油の泡立ちを防止するために負荷シューを備えたクラウン調整ロールに関して、装置が記載されている。この装置は、ロールマントルの内面に対して摺動する独立したガイドと、前記ガイド上の面とを含み、この面は油を案内し、これによってロールマントルの内面に存在する油は掻き取られ、静止ロール軸に取り付けられた収集樋への自由な流れとして案内される。
【0005】
本願出願人のフィンランド特許公開公報第98,318号には、ロールから油を抜き取る装置が記載され、この装置は非回転ロール軸を含み、この軸にロールマントルは回転可能に取り付けられている。ロールマントルとロール軸との間には油圧式負荷要素が取り付けられていて、これは、ニップ面に位置するロールマントルの内面で機能し、ロール軸によって支持され、圧力媒体によって負荷を受ける。前記負荷要素は、ロール軸に形成されたシリンダ孔に取り付けられたピストンと、ロールマントルの内面に対して支持されたグライドシューとを含み、このグライドシューはポケットを備え、これは横方向のリッジおよび中間リッジによって隔てられ、潤滑スペースとして動作している。ロール内の少なくとも1つのグライドシューには油抜き取り溝が形成されていて、この溝は、ロール軸内に備えられた油抜き取りダクトによって、パイプ、ホースまたはその等価物に接続され、油は、グライドシューを通ってロール外に抜き取られる。
【0006】
欧州特許第812,994号には、クラウン調整ロールに関して、油の流れを案内する第2の装置が記載されている。クラウン調整ロールは、油圧式負荷シリンダ状負荷部材に接続された静止中心軸と、中心軸の周囲を軸受けに支持されて回転するロールマントルとを含む。円形断面を有する各負荷部材の外面には、2個の半径方向の油ガイド部材が対称的に取り付けられている。さらに、油ガイド部材の外側端部には、負荷シューの外面と接する方向に拡がるガイドプレートが取り付けられている。ロールが下方の位置にありロールマントルが時計回りに回転している時は、ロールマントルの内面に存在する油は、前方側から負荷部材に対して衝突し、負荷部材の面に沿って案内されて油ガイド部材に入り、そこから油は中心軸の端面に落ち、そこからさらに、中心軸に接続して配置された第1の油収集樋に入る。第1の油収集樋から、油は第1のダクトに沿って中心軸の中央に送られ、そこから油はロール外に排出される。ロールが上方の位置にありロールマントルが反時計回りに回転している時は、油は後方側から負荷部材に対して衝突し、その場合も、油は負荷部材間で案内されて接線方向のガイドプレートによって形成されたダクトに入る。ここから、油は、ロールマントルの内面上の前記ダクトの幅と等しい幅のストライプとして進み、中心軸における負荷部材の反対側に配置されたばね負荷式ドクタに対して衝突する。ロールマントルの内面に対するばね負荷を受けるドクタ面から、油は中心軸の端面に落ち、そこからさらに、中心軸に接続して配置された第2の油収集樋に入る。第2の油収集樋から、油は、第2のダクトに沿って中心軸の中央に送られ、そこから油はロール外に排出される。ロールマントルの内面に対して配置されるドクタ面は傾斜している。ロールが下方の位置にある時、油はドクタのウェッジ面に対して衝突し、ばねに対してドクタを押圧し、そのため油はドクタの下のロールマントルの内面に沿って搬送可能である。
【0007】
本発明は、効率的なロール内の油除去装置を提供することを目的とする。
【0008】
本発明による油除去装置は、請求項1の特徴段の記載を主たる特徴とする。
【0009】
本発明による油除去装置に関連した油収集器によれば、油はロールマントルの内面からの掻き取りによって収集されるのではない。したがって、この油収集器では、油を案内しロールマントルの内面に最も近接した曲面が、ロールマントルの内面から一定の距離をおいて配置されている。掻き取りによって行われる油の除去では、ドクタとロールマントルの内面との間の摩擦によって、ロールマントルを回転させるのに必要とされる電力が増大してしまう。
【0010】
油の案内用に曲面を使用すれば、支持構体の外面とロールマントルの内面との間に油を案内する十分に長い面を形成可能となる。油を案内する十分に長い面を用いれば、油の流れは穏やかにすることが可能であり、この場合、油は、渦の形成により、ロールマントルの内面における循環に戻ることはない。曲面を用いれば、遠心力の効率的な利用も可能となる。遠心力によって油の流れは曲面に対して押圧され、このため、油の流れは穏やかになる。
【0011】
本発明で採用する油収集器の曲面によれば省スペース化が図られ、この場合、スペース確保のためにそれほど大規模に支持構体を製作する必要はない。曲面によれば、油収集器の体積を最大とすることが可能である。
【0012】
以下、添付図面を参照して本発明を説明するが、本発明は、前記図面の内容にのみ限定されるものではない。
【0013】
図1はクラウン調整ロール10における本発明による油除去装置の第1の実施例を示す。図1に示す状態では、クラウン調整ロール10は下方の位置にあり、ロールマントル12の回転方向Sは反時計回りである。図2に示す状態では、クラウン調整ロール10は上方の位置にあり、回転の方向S’は時計回りである。図3は図1および図2に示す油除去装置90の概略軸測投影図である。図4は本実施例で採用される油除去サイフォンの断面図であり、図5は、油収集器90が使用される場合、および油収集器90が使用されない場合において、マントル12の回転速度の関数としてロールの必要電力を示す。
【0014】
図1に示すクラウン調整ロール10は、実質的に円形の断面を有する静止支持構体11と、前記支持構体の周囲を反時計回りSに回転するロールマントル12とを含み、このロールマントルは、その内面12’から支持構体11へ、少なくとも1つの油圧負荷式負荷部材13によって支持され、この負荷部材により、ロールマントル12は、クラウン調整ロールとともにニップNを形成するバックアップロール20に対して負荷を加えることが可能である。支持構体11には、負荷部材13の所に、円形状から外れる平坦上面11bがある。さらにマントル12は、線圧の調節のため、負荷部材13に対して支持構体11の反対側に配置された油圧調節式支持部材14a、14bによって、支持構体11に支持される。これらのいわゆるカウンタゾーンでは、ロールの長手方向における支持部材14a、14bの間隔は、ニップNにおける負荷部材13の間隔より疎になっている。図には、ロールの軸方向のニップ面Y−Y、およびロールの中心軸上のニップ面Y−Yに垂直に配置された軸方向の中央面X−Xも、示している。クラウン調整ロールでは、潤滑油は負荷部材13とロールマントル12の内面12との間に供給される。クラウン調整ロールでは、冷却を目的として、ロールマントル12の内面12’に油を噴霧することも可能である。ロールマントル12が回転すると、潤滑油および冷却油はロールマントルの内面に蓄積され、そこからロール外へ排出する必要がある。
【0015】
クラウン調整ロールでは、ロールマントル12は、専ら負荷部材13によって負荷を受け、曲げを補償する。可動マントルを有するロールでは、マントル12は支持構体11に対して移動し、バックアップロールに対して負荷を加える。
【0016】
図3に示す油収集器90は、油ガイドプレート91を含み、これはロールマントルの軸方向を横断して拡がっていて、ロールマントル12の内面12’のカーブした形状に従っている。油ガイドプレート91は直状前方エッジ91aと、カーブした後方エッジ91bと、直状側方エッジ91c、91dとを有する。油ガイドプレート91の各側方エッジ91c、91dは、支持構体11に向けられた半径方向の側壁93、94を有する。油ガイドプレート91のカーブした後方エッジ91bは、支持構体11に向けられたカーブした後部壁92に接続されている。油ガイドプレート91の前方エッジ91aからカーブした後部壁92の中央部までの距離は、油ガイドプレート91の前方エッジ91aからカーブした後部壁92の側方部までの距離より短い。側壁93、94は油ガイドプレート91の前方エッジ91aを出発して、油ガイドプレート91の後方エッジ91bからある距離だけ離れた所まで延びていて、これにより、油除去口95、96が油ガイドプレートの後方角部に残される。ロールマントルの回転方向Sも図示されている。
【0017】
ロールマントル12の内面12’に蓄積された油Eが負荷シュー13に対してロールマントル12の回転方向Sに衝突すると、油の一部は負荷シュー13の側壁に沿って支持構体11の平坦上面11bを流れ、そこからさらに、支持構体11の円周状の傾斜した外面11”に沿って、ロールマントル12の回転方向Sと反対方向に流れる。一方、油の一部は、油ガイドプレート91と支持構体11の外面11”との間のスペースに、矢印E1およびE2で示すように撥ね戻される。支持構体の外面11”と油ガイドプレート91との間をロールマントル12の回転方向Sとは反対の方向に移動する油は、油収集器90のカーブした後部壁92に対して衝突し、そのため、この油は、油収集器90の後方角部に設けられた開口95、96を通してロール端部に案内される。
【0018】
図1および図2に示す実施例では、2つの油収集器90、90aが採用されている。図1の場合、ロールは下方の位置にあり、ロールの回転方向Sは反時計回りであり、負荷部材13に対して開口している油収集器90が油収集用に採用されていて、図2の場合、ロールは上方の位置にあり、ロールの回転方向S’は時計回りであり、カウンタゾーンの支持部材14bに向かって開口している油収集器90が採用されている。油収集器90の前方部は支持構体11に取付可能であり、例えば、油収集器90に取り付けられた突起97によって行われ、この突起は支持構体11にボルト98によって取り付けられている。油収集器90の後方部は、支持構体11にボルトによって同様の方法で取付可能である。第1の油収集器90は負荷部材13に対して開口していて、第2の油収集器90aはカウンタゾーンの負荷部材14bに対して開口している。
【0019】
図1および図2において、ロールには、支持構体11の右半分にのみ油収集器90、90aが配置されているが、支持構体の左半分にも油収集器を設けてよい。図1および図2に示すように、支持構体11の右半分および左半分に油収集器が設けられた場合、油の除去は、すべてのロール位置において、両方の回転方向に行われる。かかるロールはニップにおける上方ロールまたは下方ロールとして配置可能であり、それら配置の両方において、ロールの回転方向は、時計回りまたは反時計回りとすることができる。
【0020】
図1および図2では、ロールは2つの油収集器90、90aを設けているが、ロールは、むろん、1つの油収集器のみを設けていてもよい。すると、図1の場合、ロールは油収集器90を有し、図2の場合、ロールは油収集器90aを有する。ロールの回転方向が図1において時計回りであるとすると、油収集器90は支持構体の左半分に配置され、ロールの回転方向が図2において反時計回りであるとすると、油収集器90aは支持構体の右半分に配置される。
【0021】
図3に示す油収集器90では、第1の油ガイド面は、カーブした油ガイドプレート91から成り、第2の油ガイド面は、支持構体11のカーブした外面11”から成る。支持構体11の断面が実質的に円形でない場合は、第2の油ガイド面として、第2の油ガイドプレートを使用可能であり、その場合、油収集器90は、箱として形成される。
【0022】
図4は、ロールの各端部に配置された油除去サイフォン100を示し、このサイフォンによれば、図3に示す油除去器90によって前記ロール端部へ案内される油Eは、油除去サイフォン100の半径方向の油抜き取りダクト101へ案内され、前記ダクトに沿ってさらにロール中心部へ送られ、そこから油は軸方向の油抜き取りダクト102に沿ってロール外へ送られる。
【0023】
図5において、曲線f1は油除去サイフォン100のみがロール端部で使用された場合を示し、曲線f2は油除去サイフォン100および本発明の第1の実施例による油収集器90の両方が使用された場合を示す。図中に示す各曲線は、毎分150リットルという一定流量の油が冷却を目的としてロールマントルの内面に噴霧された場合に測定されたものである。この図によれば、油除去サイフォン100のみがロール端部で使用された場合f1と比較すると、すべての回転速度について、本発明の第1の実施例による油除去装置が使用された場合f2の方が、ロールマントルを回転させるのに必要とされる電力が低いことが分かる。
【0024】
図6では、本発明の第2の実施例による油除去装置がクラウン調整ロールに適用され、このロールの支持構体は実質的に長方形の断面を有する。図7は図6に示すロールがニップにおいて上方ロールとして取り付けられている場合を示す。図8は図6および図7で使用される油収集器60を示す。
【0025】
図8に示す油収集器60は底プレート61を含み、これには、底プレート61を貫いて延びているダクト62が固定されている。これらのダクト62には油収集器の外壁63が取り付けられていて、この外壁にはダクト62の内部を通過する開口が備えられている。外壁63は底プレート61に平行な部分63aと、それに続くU字型断面部63bと、それに続くカーブした部分63cとを含む。油収集器60はさらに、底プレート61の1つのエッジに取り付けられたカーブした隔壁64を含み、この隔壁は、外壁63のカーブした部分63cから一定の距離を保って走っていて、外壁のU字型断面部63bの区域にまで延びている。油収集器60は、ロールの軸方向に次々に取り付けられる複数のモジュールで構成してよく、または油収集器60は、ロールの軸方向全体にわたって延びる1つのモジュールで構成してもよい。
【0026】
図6に示す場合では、油収集器60の底プレート61は、支持構体11の側面11aに対して取り付けられていて、その場合、底プレート61を通って延びるダクト62は、支持構体11の中心部を通過する半径方向の油抜き取りダクト50内に配置される。ロールマントル12の内面12’に蓄積される油Eは、負荷シュー13に対して、ロールマントルの反時計回りの回転方向Sに衝突し、このため油は分裂し、負荷シュー13の側方エッジに沿って流れ、支持構体11の上面11bに落下する。この油は、油収集器60の外壁63のカーブした部分63cとカーブした隔壁64との間のスペースへ案内され、外壁63で形成されたポケットへ入り、このポケットにおいて油のレベルが上昇を開始する。油レベルが十分に上昇すると、油は、外壁63に取り付けられたダクト62を流れ、半径方向の油抜き取りダクト50に入り、さらに、支持構体11の中心部における軸方向の油抜き取りダクト51に沿って流れ、ロール外へ排出される。
【0027】
図8に示す油収集器60を使用するにあたり、図6および図7に示すような実質的に長方形の断面を有する支持構体11をロールが備えることは、むろん、必要とされない。支持構体11の側面は、例えば、円弧形状としてもよく、その場合は、油収集器60の底プレート61も同様に円弧形状となる。
【0028】
図6および図7に示す実施例では、油収集器60が1つだけ使用され、これは支持構体11の一方の側面11aに対して設置されている。このロールにおいて、むろん、2つの油収集器を使用することも可能であり、その場合は、他方の油収集器は、支持構体の反対側に配置される。支持構体の両側に配置された2つの油収集器をロールが備える場合、油の除去は、すべてのロール位置において、およびすべての回転方向について実行可能となる。
【0029】
図9はクラウン調整ロールにおける本発明による油除去装置の第3の実施例を示す。この実施例では、第1のニップ面Y’−Y’は鉛直面Tとの間に角度αを形成する。角度αは、例えば、約0〜45°の範囲としてよい。第1のニップ面Y’−Y’に加えて、ロールは、バックアップロール21に対して、第2の負荷シュー15の所で、第2のニップ面Y1をも形成する。同図は補助面X’−X’をも示し、これは、ロールマントルの外面に沿った円の中心Oを通過し、第1のニップ面Y’−Y’と90°の角度で交差する。クラウン調整ロールの支持構体11の断面形状はI字型であり、ロールマントル12の回転方向Sは反時計回りである。
【0030】
図9に示す油収集器70は、ロールマントル12の軸方向の長さにわたって延びている油ガイドプレート71を含み、この油ガイドプレートは、カーブした上部71aと、前記カーブした上部に曲部を介して続く第1の直線部71bと、前記第1の直線部に曲部を介して続く第2の直線部71cとを含む。油ガイドプレート71は、そのカーブした上部71aから、例えばボルト72などの固定手段によって、支持構体11の上面の傾斜部に取り付けられている。さらに必要に応じて、油ガイドプレート71の第2の直線部71cは、支持構体11の中央部に取り付け可能である。油ガイドプレート71はロールの軸方向にわたって延びていて、油ガイドプレート71のエッジは、支持構体11に向けられた側壁(図示しない)を有してもよい。
【0031】
油除去装置はさらに、支持構体11の下部に取り付けられた油収集樋80と、補助面X’−X’において支持構体11の中央部に取り付けられた軸方向の油抜き取りダクト82とを含み、この油抜き取りダクトは、油抜き取りパイプ81を介して油収集樋80に接続されている。油収集樋80の底面上には、支持構体11の中央部において、油抜き取り孔84が形成されていて、これは支持構体11の中央部を貫いて延びている。
【0032】
ロールマントル12の内面に蓄積された油Eが負荷部材13に対してロールマントル12の回転方向Sに衝突すると、油の一部は負荷部材13の側面に沿って支持構体11の上面11bを流れる。この後、油は、負荷部材13間の支持構体11の傾斜した上面11bに沿って流れ、油ガイドプレート71と支持構体11の上面11aとの間のスペースB1へ流入し、このスペースから油はさらに、油ガイドプレート71のカーブした上部71aと支持構体11の上面の傾斜部との間のダクトを通って、油ガイドプレート71の第1の直線部71bに流れ、前記プレート部の傾斜面に沿って、油ガイドプレート71の第2の直線部71cに流れ、その傾斜面に沿って、支持構体11の中央部の側壁の付近まで流れ、そこから油は支持構体11の下部に配置された油収集樋80に落下する。
【0033】
ロールマントル12の内面に蓄積された油Eが負荷部材13に対してロールマントルの回転方向Sに衝突すると、油の一部は、ロールマントルの回転方向Sとは逆方向に撥ね戻されるため、支持構体11の右側から落下し、支持構体11の底部によって形成される油収集スペースB2に入り、そのスペースから油はさらに、支持構体11に備えられた油抜き取り孔84を通して流れ、油収集樋80に入る。
【0034】
油収集樋80から、ロールマントル12内部に存在する圧力の作用によって、油は、油抜き取りパイプ81に沿って除去され、軸方向の油抜き取りダクト82に入り、当該ダクトに沿ってロール外に排出される。油抜き取りパイプ81には気孔83があり、これによって、油のレベルは油収集樋80内において気孔83より上に上がる。油レベルが気孔83のレベルより下がると、ロールマントル12の内部から気孔83を通って空気が流れる。油除去樋80内で油レベルが上がると、気孔83は油レベルより下になり、その場合は、油は、油除去樋80から、適切に排出され始める。
【0035】
図10では、本発明の第4の実施例に関する油除去装置がクラウン調整ロールに適用され、ロールの支持構体11は実質的に円形の断面を有する。図11では、本発明の第4の実施例に関する油除去装置がクラウン調整ロールに適用され、ロールの支持構体11は実質的にI字型の断面を有する。図12は図10および図11で使用される油収集樋30を示す。
【0036】
図12は、図10および図11に示す油除去装置に接続された油収集器30を示す。油収集器30は、長方形の外壁31と、前記外壁から一定の距離をおいて配置された長方形の内壁32とを含む。外壁31および内壁32は、円周方向にカーブした形状に曲げられていて、これらはロールマントル12の軸方向の長さにわたって延びている。油収集器30の内壁32の前方エッジは、円周方向において、油収集器30の外壁31の前方エッジより長く延びている。油収集器30外壁31および内壁32の各エッジは、半径方向の側壁33、34によって相互に接続されている。油収集器30の外壁31および内壁32の後方エッジは、軸方向の油ガイドダクト35に固定されている。油収集器30の外壁31の前方エッジの外面には、ピン36の列があり、これによって外壁31はロールマントル12の内面12’から一定の距離を保っている。油収集器30の外壁31と内壁32との間の半径方向の距離は、外壁31および内壁32の後方エッジにおけるものより、外壁31の前方エッジにおけるものの方が長く、これによって、各壁はそれらの間のギャップを形成し、このギャップが油を収集する。
【0037】
図12に示す油収集器30の内部スペースは、2つの油ガイドプレート37a、37bによって分割されている。油ガイドプレート37a、37bは、油収集器30の前方エッジの中央部における共通の開始点A1を有する。第1の油ガイドプレート37aは、この共通の開始点A1から、カーブした形状によって、油収集器30の第1の後方角部に向かっていて、第2の油ガイドプレート37は、この共通の開始点からカーブした形状によって、油収集器30の第2の後方角部に向かっている。油ガイドダクト35において、前記後方角部には、油収集器30の内部に対して開口している開口部38、39があり、これらの開口部を通じて油ガイドプレート37a、37bによって案内された油が前記油ガイドダクト35に運ばれる。
【0038】
図12に示す油収集器30では、ロールマントル12の内面12”に蓄積された油は、油収集器30の前方エッジにおける開口部を通じて矢印Ea、Ebの方向に送られ、油収集器30の両部に入る。各部において、油は、油ガイドプレート37a、37b、外壁31、内壁32および側壁33、34によって案内され、前記開口部38、39を通って油ガイドダクト35に入る。油の円周方向の流れは、カーブした油ガイドプレート37a、37bによって軸方向に転向させられるため、油が油ガイドダクト35に送り込まれる際に、流れの方向に90°の急激な変化が生じることはない。
【0039】
図10では、油収集器30は、実質的に円形の断面を有する支持構体11の外面11”に対して、例えばシリンダピストン構体などのアクチュエータ40によって取り付けられていて、これによれば、油収集器30およびこれに接続された軸方向の油ガイドダクト35は、外側位置と内側位置との間を、油ガイドダクト35の中心軸を中心として回転可能である。外側位置では、油収集器30の外壁31の前方エッジの外面に設けられたピン36は、ロールマントル12の内面12’に接触している。内側位置では、油収集器30の外壁31は、ロールマントル12の内面12’から一定の距離を保っている。油収集器30に接続された油ガイドダクト35は、中央面X−X上に配置されていて、油ガイドダクト35の各端部は、半径方向の油ガイドダクト50を通じ、支持構体11の中心部に配置された軸方向の油抜き取りダクト51に接続されている。油収集器30が外側位置にある時は、油収集器30の外壁31の前方エッジは、ロールマントル12の内面12’に蓄積された油を案内して油収集器30に入れ、そこから油は軸方向の油ガイドダクト35に送られ、これに接続された半径方向の油ガイドダクト50と、支持構体11の中心部に配置された軸方向の油抜き取りダクト51とを通して、ロール外へ排出される。
【0040】
図10に示す実施例では、中央面X−Xにおいて、支持構体の両側に油収集器30、30aが設けられている。同図では、左側に配置された油収集器30は外側位置にあり、右側に配置された油収集器30aは内側位置にある。ロールマントル12が反時計回り方向Sに回転する場合、左側に配置され外側位置にある油収集器30は、ロールマントルの回転方向Sとは逆方向に開口しているギャップを形成し、このギャップによって、ロールマントルの内面12’に蓄積された油を油収集器30に収集することが可能である。かかる場合、右側に配置された油収集器30aは、内側位置にある。ロールマントル12が時計回り方向、すなわち矢印Sとは逆方向に回転する場合、左側に配置された油収集器30は内側位置に移動し、右側に配置された油収集器30aは、同様に、外側位置に移動する。ロールマントル12が時計回り方向に回転すると、右側に配置され外側位置にある油収集器30aは、ロールマントルの回転方向とは逆方向に開口しているギャップを形成し、このギャップによって、ロールマントル12の内面12’に蓄積された油を油収集器30aに収集することが可能である。
【0041】
図11に示す実施例では、油収集器30に接続された軸方向の油ガイドダクト33の各端部は、半径方向の油ガイドダクト50に接続され、これによって、支持構体11の縦長部側でロールの中央部に取り付けられた軸方向の油抜き取りダクト52に油が案内される。これらの軸方向の油抜き取りダクト52により、油はロール外に排出される。支持構体11の両側に油収集器30、30aがあり、これらは図1に示すものと同様に制御される。ここでは、油収集器30、30aは、支持構体11の縦長部を通って延びているロッド41によって相互に接続されている。油収集器30、30aは、ロッド41の両端部の関節点によって支持されていて、ロッド41の中央部は枢軸装置42における関節点によって支持されていて、枢軸装置はさらに支持構体11の縦長部における関節点によって支持されている。枢軸装置42を回転させると、ロールマントルが反時計回り方向Sに回転する時に左側の油収集器30を使用可能であり、ロールマントルが時計回り方向に回転する時に右側の油収集器30aを使用可能である。
【0042】
図12に示す油収集器30の軸方向の油ガイドダクト35は、その軸方向の端部のみで支持構体11に取り付けられているため、支持構体11の中央部の曲がりは、油収集器30に影響を与えないが、油収集器30の外壁31におけるピン36は、軸方向の長さ全体にわたって、ロールマントル12の内面12’に接触したままである。
【0043】
図10および図11において、ロールは2つの油収集器30、30aを備えているが、むろん、ロールは油収集器を1つだけ備えることとしてもよい。すると、図10の場合は、ロールは油収集器30を備え、図11の場合は、ロールは油収集器30aを備えることとなる。その場合、油収集器30、30aを支持構体11に支持しているアクチュエータ40を使用する必要はなく、油収集器30、30aは、外側位置において、支持構体11に堅固に支持可能である。
【0044】
図13は油ガイド110を示し、これは図1に示す実施例に適用されている。油ガイド110は、ロールマントル12の回転方向Sから見て負荷部材13の手前に配置されていて、油ガイドは、負荷部材13の側面から支持構体11のカーブした外面11”に向かって、傾斜面を形成する。ロールマントル12に沿って運ばれた油Eが負荷部材13に対して衝突すると、油の一部は負荷部材13の側面に沿って流れ、支持構体の実質的に水平な上面11bに落下し、そこから油Eはその流路を重力を援用して探索し、油収集器90に流入する。特に、支持構体11の上面11bに沿ってゆっくりと流れる油は、ロールに存在する気流から生じる渦の形成を受ける傾向があり、その場合、油Eの一部はロールマントル12の内面12’に戻ってしまう。かかる事態は、支持構体11の上面11bに油ガイド110を設けることによって改善可能であり、このガイドに沿って、油はより効率的に案内され、油収集器90に入れられる。
【0045】
図14は利用可能な油ガイド110の概略断面図である。油ガイド110の断面形状は、実質的に直角三角形の形状となる。油ガイド110の垂直壁112は負荷部材13に対向して配置され、油ガイド110の水平壁113は支持構体11の上面11bに対向して配置される。直角に相対する壁111は傾斜した油ガイド面を形成し、これに沿って、負荷部材13に対して衝突した油Eが案内され、油収集器90に入れられる。負荷部材13に対向して配置された垂直壁112は、負荷部材13の上面と、ロールマントル12の内面12’とから一定の距離を保っている。したがって、油Eは、負荷部材13に対して衝突することができ、その後、負荷部材13の側面に沿って流れる油は、傾斜した油ガイド面111に沿って案内され、油収集器90へ入れられる。
【0046】
図15は利用可能な第2の油ガイド110の概略断面図である。この実施例は、油ガイド面111aの形状の点で図14に示す実施例とは異なる。傾斜した面の代わりに、ここでは、曲面111aが使用され、これに沿って、負荷部材13に衝突する油Eは案内され、油収集器90に入れられる。
【0047】
ロール内では、ロールマントルの回転方向から見て各負荷部材13の手前に1つの油ガイド110が取り付けられるよう、複数の油ガイド110を使用することもできる。ロールマントル12の軸方向の長さ全体にわたって延びている1つの油ガイド110を各負荷部材13の手前に取り付けることも想定可能である。
【0048】
かかる油ガイド110の用途は、むろん、負荷部材13に関連して使用される図1に示す場合のみに限定されるものではない。油ガイド110は、例えば、カウンタゾーンの支持部材14bに関連した図2に示す場合、負荷部材に関連した図6に示す場合およびカウンタゾーンの支持部材14bに関連した図7に示す場合にも利用可能である。
【0049】
図1および図6に示す実施例では、油を案内する油収集器60、90の外壁63、91の前方エッジは、支持部材13のごく近傍まで延びている。外壁63、91と負荷部材13の側壁との間の距離は、好ましくは、約10〜20mmの範囲である。図2に示す場合では、同様の距離が、バックアップゾーンの支持部材14bと第2の油収集器90aの外壁91aの前方エッジとの間に採用されている。
【0050】
図1および図6に示す実施例では、油収集器60、90において、十分に長い油ガイド面63、91が採用されているため、抜き取られる油の流れを穏やかにすることが可能である。遠心力によって油の流れが油ガイド面63、91に対して押圧されるため、油の流れは、ばらばらになったり、霧状になったりすることがない。負荷部材13のエッジから油除去器63、91の底面までを測定すると、円周長は20°より大きく、180°より小さい。前記距離は、好ましくは、90°〜120°の範囲にある。
【0051】
上述の油除去装置によれば、ロールマントルの内面からの効率的な油の除去が達成される。油除去装置に関連したカーブした油ガイド面によれば、油は支持構体11とロールのマントル12との間のスペースから外へ収集され、その後、油の流れは軸方向に転向させられる。この後、油を、ロール端部まで送ることが可能であり、そこから油は油除去サイフォンによって除去される。第2の実現手段は、油をロールの中央部まで送り、そこからさらにロール外に排出することである。いずれの場合においても、油をロール外に排出する時に、油の運動エネルギを可能な限り効率的に利用することが試みられている。
【0052】
以下、特許請求の範囲を記載するが、本発明の内容は、前記特許請求の範囲に記載の発明概念の範囲内で変形してよく、実施例によってのみ記載した上述のものとは異なるものとしてよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 クラウン調整ロールにおける本発明の第1の実施例による油除去装置の概略断面図である。
【図2】 クラウン調整ロールがニップの上方ロールとして動作する場合の、図1に示す本発明による油除去装置の概略断面図である。
【図3】 図1および図2で採用される油除去装置の概略軸測投影図である。
【図4】 油除去サイフォンの概略断面図である。
【図5】 油除去サイフォンのみを備えたロールのロールマントル、ならびに油除去サイフォンおよび図1に示す油除去装置の両方を備えたロールのロールマントルの回転速度の関数としてクラウン調整ロールの消費電力を示す図である。
【図6】 クラウン調整ロールにおける本発明の第2の実施例による油除去装置の概略断面図である。
【図7】 クラウン調整ロールがニップの上方ロールとして動作する場合の、図6に示す本発明による油除去装置の概略断面図である。
【図8】 図6および図7で採用される油除去装置の概略軸測投影図である。
【図9】 クラウン調整ロールにおける本発明の第3の実施例による油除去装置の概略断面図である。
【図10】 クラウン調整ロールにおける本発明の第4の実施例による油除去装置の概略断面図である。
【図11】 図10に示すクラウン調整ロールにおける油除去装置の変形の概略断面図である。
【図12】 図10および図11で採用される油除去装置の概略軸測投影図である。
【図13】 油ガイドが加えられた本発明による第1の実施例の概略断面図である。
【図14】 油ガイドの実施例の概略断面図である。
【図15】 油ガイドの第2の実施例の概略断面図である。
Claims (22)
- ロールは静止支持構体と該構体の周囲を回転するロールマントルとを含み、該マントルはその内面から前記支持構体へ少なくとも1つの油圧負荷式負荷部材によって支持され、これによって前記ロールマントルは負荷を受けまたは移動し、さらに前記ロールに対してニップを形成するバックアップロールに対して負荷を受ける一方、油除去装置は前記支持構体の外面とロールマントルの内面との間のスペースに取り付けられた少なくとも1つの油収集器を含み、該収集器は支持構体に対して支持される、ロール内の油除去装置において、前記油収集器は少なくとも第1の油ガイドプレートを含み、該プレートは前記マントルの軸方向にわたって延びていて、該プレートは少なくとも、円周方向にカーブし前記マントルの内面からある距離だけ離れた所に配置された部分を含み、これによって第1の油ガイドプレートと前記支持構体の外面との間に流路が形成され、該流路に沿って、前記負荷部材に対して衝突する油はロール外へ通じる油ガイド装置へ送られることを特徴とする油除去装置。
- 請求項1に記載のロール内の油除去装置において、前記ロールマントルはさらに、その内面から前記支持構体へ、前記負荷部材に対して前記支持構体の反対側に配置された支持部材によって支持され、前記負荷部材または支持部材に対して衝突する油はロール外へ通じる油ガイド装置へ送られることを特徴とする油除去装置。
- 請求項1に記載の油除去装置において、前記支持構体の外面とロールマントルの内面との間のスペースには油収集器が取り付けられていて、該油収集器は、
− 前記負荷部材から一定の距離をおいて配置された直状前方エッジと、該前方エッジから後方エッジの中央部までの距離が該前方エッジから後方エッジの各側方部までの距離より短いカーブした後方エッジと、直状側方エッジとを備えた円周方向にカーブした第1の油ガイドプレートと、
− 第1の油ガイドプレートの側方エッジに接続され、前記支持構体11に向けられ、第1の油ガイドプレートの前方エッジを出発して第1の油ガイドプレートの後方エッジからある距離だけ離れた所まで延びていることにより、油除去口が油収集器の後方角部に形成される半径方向の側壁と、
− 第1の油ガイドプレートの後方エッジに接続され前記支持構体に向けられたカーブした後部壁とを含み、
− これによって前記油収集器と前記支持構体の外面との間に流路が形成され、該流路に沿って、前記ロール内に存在する油は、前記油収集器の後方角部に設けられた油除去口を通して、前記ロールの各端部に配置された油除去サイフォンへ案内され、該サイフォンを介して前記ロールの中心部に送られ、そこから油は軸方向の油抜き取りダクトに沿ってロール外へ送られることを特徴とする油除去装置。 - 請求項3に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける下方のロールとして動作し、前記油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の手前に配置されていて、これによって前記負荷部材に対して衝突し前記支持構体の外面を流れる油と、前記負荷部材から撥ね戻される油とは、前記油収集器に収集されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項2および3に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける上方のロールとして動作し、前記油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記支持部材の手前に配置されていて、これによって前記支持部材に対して衝突し前記支持構体の外面を流れる油と、前記支持部材から撥ね戻される油とは、前記油収集器に収集されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項2および3に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける下方のロールとして動作し、前記ロールマントルの内面と前記支持構体の外面との間に2つの油収集器が取り付けられていて、第1の油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の手前に配置され、第2の油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記支持部材の後ろに配置され、これによって油は、前記ロールマントルの回転方向が反時計回りである間は第1の油収集器によって収集されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項2および3に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける下方のロールとして動作し、前記ロールマントルの内面と前記支持構体の外面との間に2つの油収集器が取り付けられていて、第1の油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の後ろに配置され、第2の油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記支持部材の手前に配置され、これによって油は、前記ロールマントルの回転方向が時計回りである間は第2の油収集器によって収集されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項2および3に記載の油除去装置において、前記ロールマントルの内面と前記支持構体の外面との間には、ニップ面について、前記支持構体の一方の側には2つの油収集器が取り付けられていて、前記支持構体の反対側には2つの油収集器が取り付けられていて、前記ニップ面についてそれぞれの側に配置された油収集器のうち、一方の収集器は前記負荷部材の側に配置され、他方の収集器は前記支持部材の側に配置され、これによって油の収集は、すべてのロール位置において前記ロールマントルの両方の回転方向に行われることを特徴とする油除去装置。
- 請求項1に記載の油除去装置において、前記油収集器は、
− 前記支持構体の外面に対して取り付けられた底プレートと、
− 該底プレートの一方のエッジに取り付けられたカーブした隔壁と、
− 該底プレートを貫いて延びているダクトと、
− 該ダクトに取り付けられ前記底プレートに平行な部分、それに続くU字型断面部、およびそれに続き前記ロールマントルの内面と前記カーブした隔壁との間のスペースに延びているカーブした部分を備えた第1の油ガイドプレートとを含むことを特徴とする油除去装置。 - 請求項9に記載の油除去装置において、前記油収集器は前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の手前に配置され、前記油収集器の第1の油ガイドプレートのカーブした部分の前方エッジは前記負荷部材からある距離だけ離れた所まで延びていて、これによって、前記負荷部材に対して衝突し前記支持構体の外面を流れる油と、前記負荷部材から撥ね戻される油とは、前記油収集器に収集されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 10に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける下方のロールとして動作し、前記油収集器の第1の油ガイドプレートのカーブした部分と前記カーブした隔壁との間に流路が形成され、該流路に沿って、前記負荷部材に対して衝突し前記支持構体の外面を流れる油と、前記負荷部材から撥ね戻される油とは、前記油収集器へ送られ、さらに前記油収集器内のダクトに沿って半径方向の油ガイドダクトを介して前記ロールの中心部に送られ、そこから油は軸方向の油抜き取りダクトによって排出されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 10に記載の油除去装置において、前記ロールはニップにおける上方のロールとして動作し、前記底プレートと第1の油ガイドプレートのうち前記底プレートに平行な部分との間に流路が形成され、該流路に沿って、前記支持部材に対して衝突し前記支持構体の外面を流れる油と、前記支持部材から撥ね戻される油とは、前記油収集器に送られ、さらに前記油収集器内のダクトに沿って半径方向の油ガイドダクトを介して前記ロールの中心部に送られ、そこから油は軸方向の油抜き取りダクトによって排出されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項9に記載の油除去装置において、前記ロールマントルの内面と前記支持構体の外面との間に2つの油収集器が取り付けられていて、第1の油収集器はニップ面について前記支持構体の一方の側に配置され、他方の油収集器は前記支持構体の反対側に配置され、これによって両方の油収集器の外壁は前記負荷部材からある距離だけ離れた所まで延びていて、これによって油の収集はすべてのロール位置において前記ロールマントルの両方の回転方向に行われることを特徴とする油除去装置。
- 請求項1ないし4または9ないし 11のいずれかに記載の油除去装置において、該油除去装置は、油収集器に加えて、前記負荷部材と、前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の手前にある前記支持構体の上面との間の角張ったスペースに取り付けられた油ガイドをも含み、該油ガイドによって傾斜またはカーブした油ガイド面が形成され、該ガイド面に沿って、前記負荷部材に対して衝突する油は前記油収集器へ案内されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項5ないし8または 12 ないし 13に記載の油除去装置において、該油除去装置は、油収集器に加えて、前記負荷部材と前記支持構体の上面との間の角張ったスペースに、および前記支持部材と前記支持構体の上面との間の角張ったスペースに取り付けられた油ガイドをも含み、該油ガイドによって傾斜またはカーブした油ガイド面が形成され、該ガイド面に沿って、前記負荷部材または支持部材に対して衝突する油は前記油収集器へ案内されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項1に記載の油除去装置において、前記支持構体の断面形状はI字型であり、油収集器は前記支持構体の外面と前記ロールマントルの内面との間のスペースに取り付けられていて、該油収集器は第1の油ガイドプレートを含み、該プレートにはカーブした部分と該カーブした部分に曲部を介して続くガイド部とがあり、これによって第1の油ガイドプレートのカーブした部分と前記支持構体の上面の傾斜部分との間に流路が形成され、該流路に沿って前記ロール内に存在する油は第1の油ガイドプレートのガイド部に搬送可能であり、該プレートのガイド部に沿ってさらに前記支持構体に取り付けられた油収集樋に送られ、該樋から油は油抜き取りパイプによって軸方向の油抜き取りダクトへ除去され、該ダクトに沿ってさらにロール外へ排出されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 16に記載の油除去装置において、前記油収集器は、前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の後ろに配置され、これによって、前記負荷部材に対して衝突し前記支持構体の上面に沿って流れる油は前記油収集器に収集されることを特徴とする油除去装置。
- ロールは静止支持構体と該構体の周囲を回転するロールマントルとを含み、該マントルはその内面から前記支持構体へ少なくとも1つの油圧負荷式負荷部材によって支持され、これによって前記ロールマントルは負荷を受けまたは移動し、さらに前記ロールに対してニップを形成するバックアップロールに対して負荷を受ける一方、油除去装置は前記支持構体の外面とロールマントルの内面との間のスペースに取り付けられた少なくとも1つの油収集器を含み、該収集器は支持構体に対して支持される、ロール内の油除去装置において、前記油収集器は、円周方向にカーブした外壁と、円周方向にカーブし前記外壁と支持構体との間に取り付けられた内壁とを含み、前記外壁および内壁は軸方向にわたって延びていて、前記外壁および内壁の側方エッジは半径方向の側壁によって相互に接続されていて、後方エッジは軸方向の油ガイドダクトに取り付けられていて、該ダクトには前記油収集器の内部に対して開口している開口部があり、これによって、前記ロールマントルの内面に蓄積された油は、前記油収集器の外壁および内壁によって形成された流入開口を通して油収集器の中へ案内され、油収集器の後方部からさらに前記軸方向の油ガイドダクトへ案内され、該ダクトからさらに半径方向の油ガイドダクトを介して前記ロールの中心部に送られ、そこから油は軸方向の油抜き取りダクトによって排出されることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 18に記載の油除去装置において、前記油収集器の内部スペースは2つの油ガイドプレートによって2つの部分に分割されていて、該プレートは前記油収集器の前方エッジに共通の開始点を有し、該共通の開始点からは、第1の油ガイドプレートが弧形状によって前記油収集器の第1の後方角部に向かっていて、第2の油ガイドプレートは前記共通の開始点から弧形状によって前記油収集器の第2の後方角部に向かっていて、前記軸方向の油ガイドダクトは前記油収集器の後方角部において開口部を有し、該開口部を通じて、前記油ガイドプレートおよび前記側壁によって案内された油は、前記油収集器における軸方向の油ガイドダクトに運ばれることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 18 または 19に記載の油除去装置において、前記油収集器は、前記ロールマントルの回転方向から見て前記負荷部材の後ろに配置され、前記油収集器に接続された油ガイドダクトは、前記ロールの中央軸上に配置されていることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 18 または 19に記載の油除去装置において、前記ロールマントルの内面と前記支持構体の外面との間に2つの油収集器が取り付けられていて、第1の油収集器は前記ロールマントルの回転方向について前記負荷部材の後ろに配置され、第2の油収集器は前記ロールマントルの回転方向について前記負荷部材の手前に配置され、これによって、前記油収集器に接続された油ガイドダクトは、前記ロールの中央軸上で前記支持構体の両側に配置されていることを特徴とする油除去装置。
- 請求項 21に記載の油除去装置において、個々の油収集器は、前記支持構体にアクチュエータによって支持され、これによって、前記油収集器およびこれに接続された油ガイドダクトは、該油ガイドダクトの中心軸を中心として、前記油収集器が油を収集する外側位置と、前記油収集器が油を収集しない内側位置との間を回転可能であることを特徴とする油除去装置。
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