JP3699081B2 - 交流電源直結型ブラシレスdcモータおよびそれを搭載した電気機器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主にパイプファンや天井埋め込み型等の排気用および給気用の換気装置や、送風機、加湿器、除湿機、冷凍機器などのファン駆動用のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、換気装置等の電気機器に搭載するファン駆動用の電動機においては、低価格化、高効率化、静音化が強く求められており、誘導電動機では大幅な高効率化は困難であることから、永久磁石を使用したブラシレスDCモータが増えてきている。一方では、交流電源に接続するだけで簡単に回転するというような、使い勝手の良い電動機も求められている。
【0003】
従来、この種の電動機は、特許文献1〜3に開示された構成のものが知られている。
【0004】
以下、その電動機について図10〜図13を参照しながら説明する。
【0005】
図に示すように、単一のプリント基板56に商用のAC電源を整流する整流部51と、DCモータの2相の駆動コイル53、54と、永久磁石55aを配した磁石回転子55と、モータ駆動コイル53、54と整流部51の間には平滑コンデンサ59として大容量の電解コンデンサを配し、モータ駆動コイル53、54に一方向にのみ電流を流すスイッチング素子57、58と、このスイッチング素子57、58を含め、モータ駆動コイル53、54への通電を制御をする制御部52とを備え、整流部51で整流してなる高圧DC電源をモータ駆動コイル53、54に直接に供給し、整流部51で整流した高圧DC電源を減圧して制御部52に供給するようにした2相半波駆動方式の構成としている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−41370号公報
【特許文献2】
特開2000−41395号公報
【特許文献3】
特開2002−10609号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の電動機によれば、2相半波駆動方式であることから、死点の発生を防止するために、空間高調波トルクを重畳して対策したり、固定子ティースの間隔を変えて対策したとしても、トルクリップル、トルク変化率が大きくなるので、騒音・振動が大きくなり、静音化ができないという課題があり、トルクリップルおよびトルク変化率を小さくし、騒音・振動の発生を抑制することが要求されている。
【0008】
また、半波駆動方式であることから、電流が大きくなるとともに、負荷トルクに対する電流変化も大きくなるので、使用可能な負荷トルクの範囲が狭くなるという課題があり、電流を小さくでき、使用可能な負荷トルクの範囲が広いことが要求されている。
【0009】
また、半波駆動方式であることから、出力の高い領域では銅損が極端に大きくなるために、誘導電動機に対しての消費電力の削減効果がなくなってしまうという課題があり、出力の高い領域であっても低消費電力を実現できることが要求されている。
【0010】
また、整流部で得た高圧DC電圧を直接駆動電源としているため、整流部後段の平滑コンデンサの容量を大きくする必要があり、そのためには電解コンデンサの使用が必須となるので、回路の小型化、品質の安定性確保、長寿命化ができないという課題があった。また、平滑コンデンサの容量を小さくした場合は電源リップルが大きくなるため、トルクリップルが極端に大きくなり振動・騒音がさらに大きくなるとともに、回転むらも極端におおきくなることからファン駆動用に使用した場合、風量がばらつき安定した送風量を確保できないという課題があり、回路の小型化、高品質化、長寿命化を実現した上で、安定した送風量を確保できることが要求されている。
【0011】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、トルクリップルおよびトルク変化率を小さくし、騒音・振動の発生を抑制することができ、また、電流を小さくし、使用可能な負荷トルクの範囲が広く、高出力域でも低消費電力を実現でき、回路の小型化、高品質化、長寿命化を実現した上で、回転むらの発生も抑制できる交流電源直結型のブラシレスDCモータを提供することを目的としている。
【0012】
そして、速度調節ができないことから、換気装置における強制換気モードと風量の少ない常時換気モードのどちらかにしか対応できないので、換気装置への搭載が困難であるという課題があり、2段階以上の速度調節ができることが要求されている。
【0013】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、2段階以上の速度調節ができる交流電源直結型のブラシレスDCモータを提供することを目的としている。
【0014】
さらには、ダクト式換気装置のようなシロッコファンなど遠心型の送風機を内蔵した機器では、誘導電動機を搭載し、そのトルク特性において起動トルクから最大トルクまでの回転数変化の大きな領域で使用している機器が大半を占めており、このような送風機にブラシレスDCモータを搭載して、印加電圧一定で運転した場合、図13のトルク−回転数特性比較グラフに示すように、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機の場合と比較して極端に小さくなるので、風量−静圧特性において、最大静圧値を誘導電動機搭載時の値と同等にした場合は、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなり、騒音・振動が大きくなるうえ、冷暖房エネルギーロスも含めて消費電力の削減効果も少なくなるという課題があり、逆に静圧ゼロ時の風量を同等にした場合は最大静圧の値が極端に低くなり、外風などにより機外圧力損失の変化にともなって風量が大きく変動するという課題があり、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性が得られることが要求されている。
【0015】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性を得ることができる交流電源直結型のブラシレスDCモータを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のブラシレスDCモータは上記目的を達成するために、交流電源に直結するブラシレスDCモータであって、前記交流電源に接続する複数の交流電源接続手段と、固定子鉄心に絶縁体を介して駆動コイルを巻装した固定子と、永久磁石を備えた磁石回転子と、この磁石回転子の磁束密度分布を検知する磁束密度分布検知手段と、前記交流電源を全波整流する整流手段と、この整流手段によって得た高圧電圧を略平坦な低圧直流電圧に変換する低圧直流電圧変換手段と、前記磁束密度分布検知手段の信号を基に、前記低圧直流電圧変換手段にて生成した低圧直流電圧を前記駆動コイルに所定の方向と順序で順次全波通電するための駆動ロジック制御手段と、この駆動ロジック制御手段の出力に基づいて、前記駆動コイルへの通電を行う複数のスイッチング素子と、前記磁束密度分布検知手段によって検知される磁束密度分布波形が、前記磁石回転子が回転することによって前記駆動コイルに誘起される誘起電圧波形に略相似形となるよう前記磁束密度分布検知手段を配置するとともに、前記駆動ロジック制御手段は前記磁束密度分布検知手段が検出した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流す電流波形制御手段を備え、前記スイッチング素子に供給する平均電流を略一定に制御する供給電流値制御手段を設け、前記交流電源接続手段への接続箇所に応じて、前記供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値を変更する供給電流値変更手段を設けたことを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータの構成としたものである。
【0017】
また他の手段は、PWM制御することによって、電流波形を形成することを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータの構成としたものである。
【0018】
また他の手段は、前記磁束密度分布検知手段が検出した波形のうち2相分の波形を合成する磁束密度分布波形合成手段を設け、駆動ロジック制御手段は前記磁束密度分布波形合成手段が合成した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流すことを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータの構成としたものである。
【0019】
また他の手段は、前記磁石回転子の永久磁石は極異方性磁石としたことを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータの構成としたものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
請求項に記載の発明は、交流電源に直結するブラシレスDCモータであって、前記交流電源に接続する複数の交流電源接続手段と、固定子鉄心に絶縁体を介して駆動コイルを巻装した固定子と、永久磁石を備えた磁石回転子と、この磁石回転子の磁束密度分布を検知する磁束密度分布検知手段と、前記交流電源を全波整流する整流手段と、この整流手段によって得た高圧電圧を略平坦な低圧直流電圧に変換する低圧直流電圧変換手段と、前記磁束密度分布検知手段の信号を基に、前記低圧直流電圧変換手段にて生成した低圧直流電圧を前記駆動コイルに所定の方向と順序で順次全波通電するための駆動ロジック制御手段と、この駆動ロジック制御手段の出力に基づいて、前記駆動コイルへの通電を行う複数のスイッチング素子と、前記磁束密度分布検知手段によって検知される磁束密度分布波形が、前記磁石回転子が回転することによって前記駆動コイルに誘起される誘起電圧波形に略相似形となるよう前記磁束密度分布検知手段を配置するとともに、前記駆動ロジック制御手段は前記磁束密度分布検知手段が検出した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流す電流波形制御手段を備え、前記スイッチング素子に供給する平均電流を略一定に制御する供給電流値制御手段を設け、前記交流電源接続手段への接続箇所に応じて、前記供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値を変更する供給電流値変更手段を設けたことを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータの構成とすることにより、誘起電圧波形と電流波形が略相似形となることから、トルクリップルおよびトルク変化率を小さくし、騒音・振動の発生を抑制するとともに、ブラシレスDCモータの効率が大幅に向上するので、使用可能な負荷トルクの範囲が広くなるとともに、銅損が低減できることによって、低消費電力化が実現できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよび電気機器が得られる。さらには、低圧直流電圧を駆動コイルに供給することから、全波整流回路の後段に用いる平滑コンデンサの容量を低く抑えることができるので、電解コンデンサを必要としなくなり、回路の大幅な小型化が実現できるとともに、トルク略一定運転となることから、負荷変化に対する回転数差が大きくなるため、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載しても、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、静音化、低消費電力化、高品質化、長寿命化、回転むら発生の抑制を実現できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよび電気機器が得られる。
【0021】
請求項に記載の発明は、駆動ロジック制御手段をPWM制御することによって、電流波形を形成する駆動ロジック制御手段にすることにより、スイッチング素子の発熱を抑制できるので、使用可能な負荷トルクの範囲がさらに広くできる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよび電気機器が得られる。
【0022】
請求項に記載の発明は、磁束密度分布検知手段が検出した波形のうち2相分の波形を合成する磁束密度分布波形合成手段を設けるとともに、駆動ロジック制御手段を前記磁束密度分布波形合成手段が合成した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流す駆動ロジック制御手段にすることにより、電流波形における3次調波や5次調波などの高調波成分が除去できることから、瞬時トルクに高調波成分の含有を抑制した低騒音化・低振動化が可能な交流電源直結型のブラシレスDCモータおよび電気機器が得られる。
【0023】
請求項に記載の発明は、磁石回転子の永久磁石を極異方性磁石とすることにより、誘起電圧波形と電流波形が略正弦波となることから、トルクリップルおよびトルク変化率をより一層小さくし、騒音・振動の発生をさらに抑制した低騒音化・低振動化が可能な交流電源直結型のブラシレスDCモータおよび電気機器が得られる。
以下、本発明の実施例について図1〜図9を参照しながら説明する。
【0024】
【実施例】
(実施例1)
図1〜図3に示すように、1は交流電源直結型のブラシレスDCモータで、10は複数のスロットを有する固定子鉄心10aに絶縁材にて形成されたインシュレータ11を介して駆動コイル2を巻装した固定子で、固定子10は熱硬化性樹脂21にてモールド成形されて外被を形成しており、17はブラケットで軸受け20を保持している。3は磁石回転子であり、プラスチックマグネットを射出成形時に極配向させてシャフト19と一体成形して形成しており、主磁極部は極異方性磁石3aとなっている。4は極異方性磁石3aの磁束密度分布を検知する磁束密度分布検知手段となるホール素子で、このホール素子4の検知した波形が極異方性磁石3aによって駆動コイル2に誘起される誘起電圧波形と略相似となるようにホール素子4と極異方性磁石3aの空隙を設定して配置している。12は磁束密度分布波形合成手段で、駆動コイル2のu相に供給する電流波形の高調波成分を除去するために、ホール素子4のu相波形からv相波形を減算し、同様に駆動コイル2のv相にはホール素子4のv相波形からw相波形を減算し、駆動コイルのw相にはホール素子4のw相波形からu相波形を減算している。5は駆動ロジック制御手段で、駆動コイル2に所定の方向と順序で順次全波通電となるようスイッチング素子6のON・OFFを制御し、電流波形制御手段7は磁束密度分布波形合成手段12によって高調波成分を除去した波形に略相似形になるように、スイッチング素子6が飽和に近い非飽和状態になるようにフィードバックしながら出力バイアス電流を調整する。15は商用交流電源を接続する交流電源接続手段であり、15aは強出力接続端子、15bは弱出力接続端子、15cは共通接続端子である。9は交流電源を全波整流する整流手段で、8は整流手段9にて全波整流されたリップルを有する高圧の電圧を45V以下の略平坦な低圧直流電圧に変換する低圧直流電圧変換手段で、この低圧直流電圧変換手段8にて変換された低圧直流電圧はスイッチング素子6を介して駆動コイル2に供給されるとともに、駆動ロジック制御手段5等への制御電源としても供給される。そして、低圧直流電圧変換手段8と整流手段9の間には、交流100V50Hzを全波整流した時に45V以下となる2.1ミリ秒の期間の電圧を補う小容量の平滑コンデンサ18を配している。22は外部スイッチであり、強出力接続端子15aまたは弱出力接続端子15bのどちらかに接続する構成であり、14は交流電源が弱出力接続端子15bに接続された場合に、交流入力フォトカプラなどにて構成された速度調節指示電圧検知手段13からの信号により、低圧直流電圧変換手段8にて生成する低圧直流電圧値を強出力接続端子15aに交流電源が接続された場合よりも低い電圧に変換する低圧直流電圧変更手段である。そして、図1において一点鎖線にて囲まれた電子部品の内、平滑コンデンサ18と、低圧直流電圧変換手段8を構成する部品の一つとなるコイルを除いて、アルミ製基板の上に実装、配線接続して形成したワンチップIC16の構成になっている。
【0025】
このような本発明の交流電源直結型のブラシレスDCモータ1によれば、全波整流する整流手段9によって整流されたリプルを有する高圧電圧を、低圧直流電圧変換手段8が45V以下の略平坦な低圧直流電圧に変換し、駆動電源として駆動コイル2に供給することにより、全波整流後の平滑コンデンサ18は電圧不足となる非常に短い期間の2.1ミリ秒を補うだけの容量に低く抑えることができるので、コンデンサの小型化、省スペース化ができるとともに、電解コンデンサを使用しなくても、セラミックコンデンサやフイルムコンデンサを使用できるため、大幅な小型化、温度特性の変化がないなどの高品質化、長寿命化ができる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0026】
また、平滑コンデンサ18の容量が少なくても、低圧直流電圧変換手段8が略平坦な低圧直流電圧にするので、トルクリップルや回転むらを抑えた交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。そして、ファン駆動用に使用しても送風量の安定化が実現できる。
【0027】
また、駆動ロジック制御手段5が3相全波駆動することにより、死点を考慮する必要がなくなるうえ、トルクリップルやトルク変化率を小さくでき、駆動電流を小さくできるとともに、高出力領域での銅損を削減できるため、騒音・振動の発生を抑制し、使用可能な負荷トルクの範囲が広く、高出力領域であっても低消費電力を実現できる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0028】
また、磁束密度分布検知手段4の検知する波形が極異方性磁石3aによって駆動コイル2に誘起される誘起電圧波形と略相似となるように磁束密度分布検知手段4と磁石の空隙を設定して配置し、電流波形制御手段7は磁束密度分布検知手段4が検知した磁束密度分布波形に略相似形の電流を駆動コイル2に流すことにより、誘起電圧波形と電流波形が略相似となるので、トルクリップルおよびトルク変化率を一層低く抑えることができるとともに、モータ効率が大幅に向上するため、低騒音化、高効率化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0029】
また、磁石回転子3の主磁極部を極異方性磁石3aとすることにより、誘起電圧波形も電流波形もともに正弦波となることから、トルクリップルおよびトルク変化率をより一層低く抑えることができるとともに、モータ効率も大幅に向上するので、静音化、高効率化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0030】
また、磁束密度分布波形合成手段12が、磁束密度分布検知手段4が検知したu相、v相、w相の波形を合成することにより、各相の磁束密度分布検知手段4のばらつきの影響が小さくなるとともに、u相、v相、w相各相の磁束密度分布波形は、基本的には位相が単にずれただけの波形であることから、2相を減算合成することにより、検知した磁束密度分布波形に含まれた高調波成分が除去されるので、回転むらの発生が抑制できるとともに、トルクリップルおよびトルク変化率をさらに低く抑えることができるため、高品質化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0031】
また、速度調節指示電圧検知手段13を設け、速度調節指示電圧検知手段13が速度指示電圧の有無を検知し、速度指示電圧が有ることを受けて低圧直流電圧値変更手段14が低圧直流電圧変換手段8によって生成する低圧直流電圧の値を変更する構成により、2段階の低圧直流電圧出力調節ができるので、2段階の速度調節が可能な交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0032】
また、交流電源接続手段15において、強出力接続端子15aと弱出力接続端子15bのように2箇所設け、低圧直流電圧値変更手段14を設けることにより、2段階の低圧直流電圧出力調節ができるので、速度調節が可能な交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。ここで、交流電源接続手段15において、その接続端子の数量に応じて、低圧直流電圧値変更手段14の設定量を変更すれば、接続端子の数だけ速度調節ができることとなる。
【0033】
なお、本実施例1では駆動コイル2に供給される電流波形を、誘起電圧波形に略相似形となるように構成したが、用途、商品の要求される騒音レベルに応じて、120度矩形波通電や、140度、150度通電のように広角通電方式としても良く、低圧直流電圧を駆動電源として駆動コイル2に供給することにより、全波整流後の平滑コンデンサの容量を低く抑え、回転むらを抑制し、高出力領域での銅損の削減による、大幅な小型化、高品質化、長寿命化、使用可能な負荷トルクの範囲が広く、高出力領域であっても低消費電力を実現できる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られることに差異は生じない。
【0034】
また、本実施例1では磁束密度分布検知手段4を用いた構成としたが、非通電相に誘起される誘起電圧や、電流を検知して磁石回転子に対する通電位相を決める方式としても良く、その作用効果に差異を生じない。
【0035】
また、本実施例1ではスイッチング素子6が飽和に近い非飽和状態になるようにフィードバックしながら出力バイアス電流を調整したが、スイッチング素子6をPWM制御して電流波形を制御しても良く、その場合にはスイッチング素子6の損失が低減できるので、スイッチング素子6の発熱が抑制され、使用可能な負荷トルクの範囲がさらに広くできる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られることとなる。
【0036】
また、本実施例1では低圧直流電圧変換手段8が45V以下の略平坦な低圧直流電圧に変換したが、36V以下の低圧直流電圧に変換するならば、1.7ミリ秒の期間を補うだけのコンデンサ容量にさらに低く抑えることができることとなる。
【0037】
また、本実施例1では交流電源接続手段15を速度調節指示電圧検知手段13に接続する構成としたが、整流手段9と平滑コンデンサ18を増設した構成としても良く、その作用効果に差異を生じない。
【0038】
(実施例2)
図4および図5に示すように、25は換気装置の一種である天井埋め込み型の換気扇であり、交流電源直結型のブラシレスDCモータ27をファン駆動用として搭載している。23はスイッチング素子6に供給される電流を検知する電流検出手段で、24は供給電流値制御手段である。この供給電流値制御手段24は電流検出手段23にて検出するスイッチング素子6に供給される平均電流値が設定された電流値と同等になるように、低圧直流電圧値変更手段14を制御することにより、低圧直流電圧変換手段8から出力される電圧を可変しながらフィードバック制御する。そして、速度調節指示電圧検知手段13からの信号により、供給電流値変更手段26がスイッチング素子6に流す電流の設定値を変更する構成であり、その他の構成において、実施例1と同一部分には同一番号を付し、詳細な説明は省略する。
【0039】
このような本発明の交流電源直結型のブラシレスDCモータ27によれば、供給電流値制御手段24がスイッチング素子6に供給する平均電流を略一定に制御するので、出力トルクが略一定運転となり、負荷変化に対する回転数差が大きくなるため、シロッコファンなど遠心型の送風機を搭載した換気装置25においては、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、静音化、低消費電力化を実現できる。
【0040】
また、速度調節指示電圧検知手段13を設け、速度調節指示電圧検知手段13が速度指示電圧の有無を検知し、速度指示電圧が有ることを受けて供給電流値変更手段26がスイッチング素子6に流す電流の設定値を変更する構成により、2段階のトルク略一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機を搭載した換気装置25においては、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性が2段階設定できるため、換気装置25においては、強制換気モードと常時換気モードの両方に対応できることとなる。
【0041】
また、交流電源接続手段15において、強出力接続端子15aと弱出力接続端子15bのように2箇所設け、供給電流値変更手段26を設けることにより、2段階のトルク略一定運転ができるので、シロッコファンなど遠心型の送風機を搭載した換気装置25においては、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性が2段階設定できる。ここで、交流電源接続手段15において、その接続端子の数量に応じて、供給電流値変更手段26の設定量を変更すれば、接続端子の数だけ速度調節ができることとなる。
【0042】
なお、実施例1と同様の構成における作用効果に差異は生じない。
【0043】
また、図6に示すように、供給電流値制御手段24を供給電力制御手段28に置き換え、供給電流値変更手段26を供給電力変更手段29に置き換えることにより、モータにかかる負荷が軽くなるにしたがって供給電流が低くなるので、それに応じて印加電圧を高くすることになり、逆に負荷が重くなれば供給電流が高くなるため、印加電圧を低くするので、負荷変化に対する回転数差が大きくなることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載しても、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、負荷変動に対して消費電力の変化がなく、静音化、低消費電力化を実現できる。
【0044】
参考例1
図7に示すように、30は交流電源直結型のブラシレスDCモータで、整流手段9、小容量平滑コンデンサ18、低圧直流電圧変換手段8、磁束密度分布検知手段4、磁束密度分布波形合成手段12、駆動ロジック制御手段5、スイッチング素子6、電流波形制御手段7を同一のプリント基板上に実装した上でブラシレスDCモータ30内に内蔵している。31は低圧直流電圧変換手段8にて生成した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ30外部に導出する低圧直流電圧導出端子で、この低圧直流電圧導出端子31より導出した低圧電源をブラシレスDCモータ30外部に近接した抵抗分圧回路などにて形成した減圧手段33にて減圧し、この減圧した直流電圧を低圧直流電圧導入端子32よりブラシレスDCモータ30内部に導入し、スイッチング素子6および駆動ロジック制御手段5に供給する構成であり、その他の構成において、実施例1と同一部分には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0045】
このような本発明の交流電源直結型のブラシレスDCモータ30によれば、低圧直流電圧変換手段8によって生成された低圧直流電圧をブラシレスDCモータ30外部に導出する低圧直流電圧導出端子31と、この低圧直流電圧導出端子31より導出された低圧直流電圧を減圧した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ30内部に導入する低圧直流電圧導入端子32を設け、この低圧直流電圧導入端子32より導入した低圧直流電圧をスイッチング素子6に供給する構成とすることにより、ブラシレスDCモータ外部に簡単な減圧手段33を近設することにより、無段階で低圧直流電圧を可変することが可能となるので、無段階の速度調節ができる交流電源直結型のブラシレスDCモータ30およびそのブラシレスDCモータ30を搭載した電気機器が得られる。
【0046】
参考例2
図8に示すように、34は交流電源直結型のブラシレスDCモータで、整流手段9、小容量平滑コンデンサ18、低圧直流電圧変換手段8、磁束密度分布検知手段4、磁束密度分布波形合成手段12、駆動ロジック制御手段5、スイッチング素子6、電流波形制御手段7、低圧直流電圧変更手段14、電流検出手段23、供給電流値制御手段24、供給電流値変更手段26を同一のプリント基板上に実装した上でブラシレスDCモータ34内に内蔵している。31は低圧直流電圧変換手段8にて生成した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ34外部に導出する低圧直流電圧導出端子で、この低圧直流電圧導出端子31より導出した低圧電源をブラシレスDCモータ34外部に近接した抵抗分圧回路などにて形成した減圧手段33にて減圧して、供給電流値指示電圧に変換し、この供給電流値指示電圧を供給電流設定値入力手段35よりブラシレスDCモータ34内部に導入し、この供給電流値指示電圧の大きさに応じて供給電流値変更手段26が供給電流値制御手段24にて略一定制御する平均電流値を変更する構成であり、その他の実施例1および2と同一部分には同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0047】
このような本発明の交流電源直結型のブラシレスDCモータ34によれば、低圧直流電圧変換手段8によって生成された低圧直流電圧をブラシレスDCモータ34外部に導出する低圧直流電圧導出端子31と、この低圧直流電圧導出端子31より導出された低圧直流電圧を減圧した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ34内部に導入する供給電流設定値入力手段35を設け、この供給電流設定値入力手段35より導入した低圧直流電圧の大きさに応じて供給電流値変更手段26が供給電流値制御手段24にて略一定制御する平均電流値を変更する構成とすることにより、ブラシレスDCモータ34外部に簡単な減圧手段33を近設することにより、無段階でトルク略一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が無段階で設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータ34およびそのブラシレスDCモータ34を搭載した電気機器が得られる。
【0048】
なお、参考例2では低圧直流電圧変換手段8によって生成した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ34の外部に導出し、減圧して供給する平均電流値の設定値信号となる電圧を生成して供給電流設定値入力手段35に入力したが、別の電源より入力してもよく、無段階で電流略一定運転ができるという効果に差異は生じない。
【0049】
また、参考例2では供給電流値制御手段24と、供給電流値変更手段26によって平均電流略一定運転をする構成としたが、図9に示すように、供給電流値制御手段24を供給電力制御手段28に置き換え、供給電流値変更手段26を供給電力変更手段29に置き換え、供給電流設定値入力手段35を供給電力設定値入力手段36に置き換えることにより、モータにかかる負荷が軽くなるにしたがって供給電流が低くなり、それに応じて印加電圧を高くすることになり、逆に負荷が重くなれば供給電流が高くなるので、印加電圧を低くするので、負荷変化に対する回転数差が大きくなることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載しても、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、負荷変動に対して消費電力の変化がなく、静音化、低消費電力化を実現できるため、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が無段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られることとなる。
【0050】
【発明の効果】
以上の実施例から明らかなように、本発明によれば、全波整流する整流手段によって整流されたリプルを有する高圧電圧を、低圧直流電圧変換手段が45V以下の略平坦な低圧直流電圧に変換し、駆動電源として駆動コイルに供給することにより、全波整流後の平滑コンデンサは電圧不足となる非常に短い期間(例えば、AC100V50Hzならば2.1ミリ秒)を補うだけの容量に低く抑えることができるので、コンデンサの小型化、省スペース化ができるとともに、電解コンデンサを使用しなくても、セラミックコンデンサやフイルムコンデンサを使用できるため、大幅な小型化や、温度特性の変化がないなどの高品質化、大幅な長寿命化ができるとともに、トルクリップルや回転むらの発生を抑制できる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。そして、ファン駆動用に使用しても送風量の安定化が実現できる。
【0051】
また、駆動ロジック制御手段が3相全波駆動することにより、死点を考慮する必要がなくなるうえ、トルクリップルやトルク変化率を小さくでき、駆動電流を小さくできるとともに、高出力領域での銅損を削減できるため、騒音・振動の発生を抑制し、使用可能な負荷トルクの範囲が広く、高出力領域であっても低消費電力を実現できる交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0052】
また、磁束密度分布検知手段の検知する波形が磁石回転子によって駆動コイルに誘起される誘起電圧波形と略相似となるように磁束密度分布検知手段と磁石の空隙を設定して配置し、電流波形制御手段は磁束密度分布検知手段が検知した磁束密度分布波形に略相似形の電流を駆動コイルに流すことにより、誘起電圧波形と電流波形が略相似となるので、トルクリップルおよびトルク変化率を一層低く抑えることができるとともに、モータ効率が大幅に向上するため、低騒音化、高効率化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータが得られる。
【0053】
また、電流検出手段によってスイッチング素子に流れる平均電流値を検知し、供給電流値制御手段がスイッチング素子に供給する平均電流を略一定に制御するので、出力トルクが略一定運転となり、負荷変化に対する回転数差が大きくなるため、シロッコファンなど遠心型の送風機を搭載した換気装置等の電気機器においては、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、静音化、低消費電力化を実現できる。
【0054】
また、スイッチング素子に供給する平均電力を略一定に制御する供給電力制御手段を備えることにより、モータにかかる負荷が軽くなるにしたがって供給電流が低くなるため、それに応じて印加電圧を高くすることになり、逆に負荷が重くなれば供給電流が高くなるので、印加電圧を低くするため、負荷変化に対する回転数差が大きくなることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載しても、最大静圧時の回転数と静圧ゼロ時の回転数差が誘導電動機を搭載した場合と同等になるので、最大静圧が極端に低くなることや、静圧ゼロ時の風量が極端に多くなることを防止できるとともに、負荷変動に対して消費電力の変化がなく、静音化、低消費電力化を実現できる。
【0055】
また、磁石回転子の永久磁石を極異方性磁石とすることにより、誘起電圧波形も電流波形もともに正弦波となることから、トルクリップルおよびトルク変化率をより一層低く抑えることができるとともに、モータ効率も大幅に向上するので、静音化、高効率化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0056】
また、磁束密度分布波形合成手段が、磁束密度分布検知手段が検知した2相分の波形を合成することにより、各相の磁束密度分布検知手段のばらつきの影響が小さくなるとともに、各相の磁束密度分布波形は、基本的には位相が単にずれただけの波形であることから、2相を減算合成することにより、検知した磁束密度分布波形に含まれた高調波成分が除去されるので、回転むらの発生が抑制できるとともに、トルクリップルおよびトルク変化率をさらに低く抑えることができるため、高品質化を実現した交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0057】
また、PWM制御することによって、電流波形を形成する駆動ロジック制御手段にすることにより、スイッチング素子の発熱を抑制できるので、使用可能な負荷トルクの範囲がさらに広くできる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0058】
また、速度調節指示電圧検知手段を設け、速度調節指示電圧検知手段が速度指示電圧の有無を検知し、速度指示電圧が有ることを受けて低圧直流電圧値変更手段が低圧直流電圧変換手段によって生成する低圧直流電圧の値を変更する構成により、2段階の低圧直流電圧出力調節ができるので、速度調節が可能な交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0059】
また、交流電源を接続する交流電源接続手段を複数設け、この交流電源接続手段への接続箇所に応じて、低圧直流電圧変換手段によって生成する低圧直流電圧の値を変更する低圧直流電圧値変更手段を設けることにより、外部スイッチの切替により、低圧直流電圧の値が交流電源接続手段の数だけ変更できることから、複数段の速度調節ができる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0060】
また、低圧直流電圧変換手段によって生成された低圧直流電圧をブラシレスDCモータ外部に導出する低圧直流電圧導出端子と、この低圧直流電圧導出端子より導出された低圧直流電圧を減圧した低圧直流電圧をブラシレスDCモータ内部に導入する低圧直流電圧導入端子を設け、この低圧直流電圧導入端子より導入した低圧直流電圧を駆動コイルに供給する構成とすることにより、ブラシレスDCモータ外部に簡単な減圧回路を近設することにより、無段階で低圧直流電圧を可変することが可能となるので、無段階の速度調節ができる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0061】
また、速度調節指示電圧検知手段を設け、この速度調節指示電圧検知手段が速度指示電圧の有無を検知し、速度指示電圧が有ることを受けて供給電流値変更手段がスイッチング素子に流す電流の設定値を変更する構成により、2段階のトルク略一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性が2段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0062】
また、速度調節指示電圧検知手段を設け、この速度調節指示電圧検知手段が速度指示電圧の有無を検知し、速度指示電圧が有ることを受けて供給電力値変更手段がスイッチング素子に供給する電力の設定値を変更する構成により、2段階の電力一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同等の風量−静圧特性が2段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0063】
また、交流電源を接続する交流電源接続手段を複数設け、この交流電源接続手段への接続箇所に応じて、供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値を変更する供給電流値変更手段を設けることにより、スイッチング素子に供給する電流値を変更できることから、交流電源接続手段の数だけトルク略一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が複数段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0064】
また、交流電源を接続する交流電源接続手段を複数設け、この交流電源接続手段への接続箇所に応じて、供給電力制御手段によって略一定に制御する電力値を変更する供給電力値変更手段を設けることにより、スイッチング素子に供給する電力値を変更できることから、負荷変動に対する回転数差の大きな運転が交流電源接続手段の数だけできることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が複数段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0065】
また、供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値の設定値信号を入力する供給電流設定値入力手段を設け、この供給電流設定値入力手段によって指示された電流値にて略一定に制御することにより、スイッチング素子に供給する電流値を任意に変更できることから、無段階でトルク略一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が無段階で設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0066】
また、供給電力値制御手段によって略一定に制御する電力値の設定値信号を入力する供給電力設定値入力手段を設け、この供給電力設定値入力手段によって指示された電力値にて略一定に制御することにより、負荷変動に対する回転数差の大きな運転が無段階できることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が無段階で設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0067】
また、低圧直流電圧変換手段によって生成された低圧直流電圧をブラシレスDCモータ外部に導出する低圧直流電圧導出端子と、この低圧直流電圧導出端子より導出された低圧直流電圧を減圧した低圧直流電圧を前記供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値の制御信号として、ブラシレスDCモータ内部に導入する供給電流設定値入力手段を設け、この供給電流設定値入力手段より導入した低圧直流電圧の大きさにより、スイッチング素子に供給する平均電流値を制御することにより、ブラシレスDCモータ外部に簡単な減圧回路を近設することにより、無段階でスイッチング素子に供給する電流値を任意に変更できることから、無段階でトルク一定運転ができることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が無段階で設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【0068】
また、低圧直流電圧変換手段によって生成された低圧直流電圧をブラシレスDCモータ外部に導出する低圧直流電圧導出端子と、この低圧直流電圧導出端子より導出された低圧直流電圧を減圧した低圧直流電圧を前記供給電力値制御手段によって略一定に制御する電力値の制御信号として、ブラシレスDCモータ内部に導入する供給電力設定値入力手段を設け、この供給電力設定値入力手段より導入した低圧直流電圧の大きさにより、スイッチング素子に供給する平均電力を制御することにより、ブラシレスDCモータ外部に簡単な減圧回路を近設することにより、無段階でスイッチング素子に供給する電力値を変更できることから、負荷変動に対する回転数差の大きな運転が無段階でできることとなり、シロッコファンなど遠心型の送風機に搭載した時に、誘導電動機を搭載した場合と同様の風量−静圧特性が複数段階設定できる交流電源直結型のブラシレスDCモータおよびそのブラシレスDCモータを搭載した電気機器が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における交流電源直結型ブラシレスDCモータを示すブロック図
【図2】同ブラシレスDCモータを示す断面図
【図3】同ブラシレスDCモータの整流後の電圧波形を示す図
【図4】本発明の実施例2における交流電源直結型ブラシレスDCモータを示すブロック図
【図5】同ブラシレスDCモータを搭載した換気装置を示す断面図
【図6】同ブラシレスDCモータにおいて他の構成を示すブロック図
【図7】本発明の参考例1における交流電源直結型ブラシレスDCモータを示すブロック図
【図8】本発明の参考例2における交流電源直結型ブラシレスDCモータを示すブロック図
【図9】同ブラシレスDCモータにおいて他の構成を示すブロック図
【図10】従来のDCモータを示す回路図
【図11】同DCモータを示す断面図
【図12】同DCモータを示す斜視図
【図13】同DCモータと誘導電動機のトルク−回転数特性を比較するグラフ
【符号の説明】
1 ブラシレスDCモータ
2 駆動コイル
3 磁石回転子
4 磁束密度分布検知手段
5 駆動ロジック制御手段
6 スイッチング素子
7 電流波形制御手段
8 低圧直流電圧変換手段
9 整流手段
10 固定子
10a 固定子鉄心
11 インシュレータ
12 磁束密度分布波形合成手段
13 速度調節指示電圧検知手段
14 低圧直流電圧変更手段
15 交流電源接続手段
15a 強出力接続端子
15b 弱出力接続端子
15c 共通接続接続端子
16 ワンチップIC
17 ブラケット
18 平滑コンデンサ
19 シャフト
20 軸受け
21 熱硬化性樹脂
22 外部スイッチ
23 電流検出手段
24 供給電流値制御手段
25 換気装置
26 供給電流値変更手段
27 ブラシレスDCモータ
28 供給電力制御手段
29 供給電力変更手段
30 ブラシレスDCモータ
31 低圧直流電圧導出端子
32 低圧直流電圧導入端子
33 減圧手段
34 ブラシレスDCモータ
35 供給電流設定値入力手段
36 供給電力設定値入力手段

Claims (6)

  1. 交流電源に直結するブラシレスDCモータであって、前記交流電源に接続する複数の交流電源接続手段と、固定子鉄心に絶縁体を介して駆動コイルを巻装した固定子と、永久磁石を備えた磁石回転子と、この磁石回転子の磁束密度分布を検知する磁束密度分布検知手段と、前記交流電源を全波整流する整流手段と、この整流手段によって得た高圧電圧を略平坦な低圧直流電圧に変換する低圧直流電圧変換手段と、前記磁束密度分布検知手段の信号を基に、前記低圧直流電圧変換手段にて生成した低圧直流電圧を前記駆動コイルに所定の方向と順序で順次全波通電するための駆動ロジック制御手段と、この駆動ロジック制御手段の出力に基づいて、前記駆動コイルへの通電を行う複数のスイッチング素子と、前記磁束密度分布検知手段によって検知される磁束密度分布波形が、前記磁石回転子が回転することによって前記駆動コイルに誘起される誘起電圧波形に略相似形となるよう前記磁束密度分布検知手段を配置するとともに、前記駆動ロジック制御手段は前記磁束密度分布検知手段が検出した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流す電流波形制御手段を備え、前記スイッチング素子に供給する平均電流を略一定に制御する供給電流値制御手段を設け、前記交流電源接続手段への接続箇所に応じて、前記供給電流値制御手段によって略一定に制御する電流値を変更する供給電流値変更手段を設けたことを特徴とする交流電源直結型ブラシレスDCモータ。
  2. 動ロジック制御手段はPWM制御することによって、電流波形を形成する駆動ロジック制御手段に置き換えたことを特徴とする請求項1記載の交流電源直結型ブラシレスDCモータ。
  3. 記磁束密度分布検知手段が検出した波形のうち2相分の波形を合成する磁束密度分布波形合成手段を設け、駆動ロジック制御手段は前記磁束密度分布波形合成手段が合成した波形に略相似形の電流を前記駆動コイルに流す駆動ロジック制御手段に置き換えたことを特徴とする請求項1または2記載の交流電源直結型ブラシレスDCモータ。
  4. 前記磁石回転子の永久磁石は極異方性磁石としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の交流電源直結型ブラシレスDCモータ。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の交流電源直結型ブラシレスDCモータを搭載した電気機器。
  6. 請求項記載の電気機器は換気装置、送風機、除湿機、加湿器、冷凍機器、ファンフィルタユニットのいずれかであることを特徴とする電気機器。
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