JP3698771B2 - ゲーム玩具 - Google Patents

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律人 山中
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は複数の遊戯者が同時に参加して駒の数を競い合うことができるゲーム玩具関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複数の遊戯者が各自の操作部を操作してゲーム面に設けたゴールに互いの持駒を幾つ入れることができるかを競い合うゲーム玩具が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、このようなゲーム玩具において、偶然性と必然性を組合わせ、遊戯者が飽きずに楽しく遊ぶことのできる新規なゲーム玩具を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のゲーム玩具は、放射状に複数の仕切を設けた上面を有する円板と、該円板を回転させる駆動手段を収納する台座と、前記円板から放射状に延びている複数本の主要通路と、該各主要通路及び前記円板と連通し且つ各主要通路及び円板から下方へ傾斜している複数本の落下通路とを具備する立体ゲーム装置、並びに前記主要通路を前記円板に向かって自力移動可能な複数個の駒部材を備えたことを特徴とする。
【0005】
遊戯者は円板を回転させ、各自の駒部材を各自の主要通路の端に置き、駒部材の自力移動を開始させる。駒部材は夫々の能力で移動し回転する円板に向かう。
駒部材が円板に到達したとき、円板の仕切が通路に位置していると、駒部材は仕切に阻まれて円板に乗ることができず、落下通路に弾き出され、そのまま落下する。駒部材が円板に到達したとき円板の仕切が通路に位置していないときは、駒部材は円板に乗ることができる。駒部材が円板の2本の仕切の間に乗った状態で円板は回転する。次の駒部材が円板に到達しても既に先着の駒部材が乗っていれば後の駒部材は弾かれて落下通路に落ちる。このようにして各遊戯者の円板に乗った駒部材の数を競い合って遊ぶ。
【0006】
上記駒部材としては、回動自在な2本の足部材該足部材の後方に位置する後方支持部を有し、前記足部材と後方支持部とが接地して直立する形状体で構成され、各足部材の底面が外側に向かって左端又は右端に近付くにつれて上方に湾曲すると共に該底面の前後部も上方に湾曲して形成された歩行玩具が用いられる
【0007】
この歩行玩具は、各足部材の底面が上記のように湾曲しているので、下方に傾斜した斜面上で左又は右に傾けると、左右に揺動しながら2本の足部材を交互に前に出して歩行する動作を行う。すなわち、この歩行玩具を、例えば右に傾斜させると、歩行玩具は右に揺動し左足が持ち上がる。玩具を直立させている接地面が下方傾斜していると、直立している玩具はやや前のめりになり、持ち上がっている左足は前方へ回動し、玩具の重心は左足に移る。左足に重心が移ると、玩具は左に傾斜して左足が接地し、右足が持ち上がる。接地面が下方傾斜しているので、玩具はやや前のめりになり、持ち上がった右足は前方へ回動し、玩具の重心は右足に移る。このように、玩具の左右揺動に伴って左右の足が順次前方へ移動し、玩具は一定の歩行速度で自力前進することができる
【0008】
このような歩行玩具は、本発明のゲーム玩具の駒部材として最適である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の立体ゲーム装置において、円板は上面が平坦な水平面又は摺り鉢状に中心に向かってやや下方傾斜している傾斜面として形成され、通常4〜10本、好ましくは5〜8本の仕切が設けられ、駒部材が各仕切の間に乗り込めるようになっている。円板は、円板を回転させる駆動手段を収納している台座の上に据え付けられる。円板を回転させる駆動手段は、モータ、ゼンマイなどを駆動源として用いた歯車列が好ましく用いられる。円板の回転速度は、自力前進して円板に到達した駒部材が円板上に乗り込める程度の速度が好ましい。
【0010】
円板から放射状に延びている主要通路の長さは、駒部材の自力前進が高速であれば長めがよく、低速であれば短めがよい。遊戯者の年令なども考慮に入れて適する長さが設定される。主要通路は水平または円板に向かってやや上方傾斜していてもよいが、好ましくは円板に向かって下方傾斜している。いずれの場合も、円板に接する位置では円板の周縁と同じ高さに設定される。
【0011】
落下通路は、円板及び主要通路と連通している。すなわち、主要通路は円板と接する位置の側方で落下通路とも接し、主要通路と落下通路とは円板を頂点としてV字状に連通している。落下通路は円板にうまく乗れなかった駒部材を排除するための通路である。
【0012】
駒部材としては、主要通路を自力で前進できる構成を有していればよい。例えば、足が交互に前に出て前進する構成、車輪が回転して前進する構成などを挙げることができる。
【0013】
主要通路が水平であるか又はやや上方傾斜している場合には、遊戯者が手で押出す構成であるか、駆動手段としてゼンマイ等を用いた構成であってもよい。
【0014】
主要通路が円板に向かって下方傾斜している場合は、傾斜面に置いただけで自力前進する回転自在な車輪を有する走行玩具でもよいが、下方傾斜面を重心の移動によって左右の足が交互に前にでて前進する自力歩行玩具が、加速度がつかず適切な速度を最後まで維持でき、かつ、前進する形態が見て面白いという利点を有するので最も好ましい。このような歩行玩具については、実施例で具体的に説明する。
【0015】
立体ゲーム装置は駒部材の外形に相応しい装飾が施されることが好ましい。
【0016】
【実施例】
図1は本発明のゲーム玩具の一実施例の外観を示す斜視図であり、図2はその一部を省略した上面図である。
【0017】
ゲーム玩具10は、立体ゲーム装置11と、駒部材として用いられる歩行玩具13とからなる。
【0018】
立体ゲーム装置11は、図1に示すように氷山を模した形状で、図2に示すように、放射状に6枚の仕切15を設けた上面を有する円板17と、円板17を回転させる駆動手段(後述する)を収納する台座19と、円板17の直径線上に延び、円板17に向かって下方傾斜している2本の主要通路21L、21Rと、主要通路21L及び円板17と連通し、且つ、主要通路21L及び円板17から下方へ傾斜している落下通路23Lと、主要通路21R及び円板17と連通し、且つ、主要通路21R及び円板17から下方へ傾斜している落下通路23Rとを具備している。
【0019】
円板17の上面は摺り鉢状に中心に向かってやや下方傾斜し、傾斜角度は主要通路21L、21Rとほぼ同じである。円板17の上面の中心部には円柱25が立設してあり、各仕切15は円柱25と当接している。円柱25は円板17に乗り込んできた歩行玩具13を停止させる作用を果たす。
【0020】
台座19の側壁から台座19内に収納した後述する駆動装置の電源をオン・オフするスイッチボタン20が突出している。
【0021】
図3は台座19の内部の駆動装置を示す略図である。
【0022】
台座19の内部には、動力源である乾電池27、モータ29、減速歯車31、加速歯車33、円板17と同軸の歯車35とからなる駆動装置が収納されている。スイッチボタン20を反時計回りに動かすと電源が入りモータ29は時計回りに回転し、その回転は減速歯車31、加速歯車び33を経て、歯車35を反時計回りに回転させる。歯車35と一体に円板17は反時計回りに回転する。
【0023】
図4は歩行玩具13の斜視図、図5はその正面図、図6はその縦断面図、図7は足部材の斜視図である。歩行玩具13はペンギン形状のハウジング37と左右の足部材39L、39Rとからなり、足部材39L、39Rの上端付近に設けた軸孔に軸41が貫通し、軸41の両端はハウジング37に設けた軸受けに固定されている。軸41には足部材39L、39Rを挟んで3個の間隔維持部材43L、43C、43Rが嵌込まれているので、左右の足部材39L、39Rは回動自在ではあるが、左右にずれることはない。各足部材39L、39Rの回動できる範囲はハウジング37の下方に設けた開口45の範囲内である。
【0024】
図5に示すように、左足部材39Lの底面は、左端に近付くにしたがって湾曲して持ち上がり、右部材39Rの底面も、右端に近付くにしたがって湾曲して持ち上がっている。また、図6に示すように、各足部材39R(39L)の底面は前方及び後方が湾曲して持ち上がっている。
【0025】
次に、このような構成を有するゲーム玩具の遊び方について説明する。
【0026】
先ずスイッチボタン20を右に動かしてスイッチをオンにするとモータ29が駆動し円板17は反時計回りに回転し始める。二人の遊戯者は夫々各自の歩行玩具13を下方傾斜している主要通路21R(21L)の端部に置く。
【0027】
歩行玩具13のハウジング37を左又は右に傾斜させる。例えば、ハウジング37を右に傾斜させると左足部材39Lが持ち上がる。直立している歩行玩具13はやや前のめりになり、持ち上がっている左足部材39Lは前方へ回動し、歩行玩具13の重心は左足部材39Lに移る。左足部材39Lに重心が移ると、歩行玩具13は左に傾斜して左足部材39Lの底面が接地し、右足部材39Rが持ち上がる。接地面が下方傾斜しているので、歩行玩具13はやや前のめりになり、持ち上がった右足部材39Rは前方へ回動し、歩行玩具13の重心は右足部材39Rに移る。
【0028】
このように、左右の足部材39L、39Rが順次前方へ移動し、歩行玩具13は一定の歩行速度で前進する。歩行玩具13が主要通路21R(21L)を肩を左右に揺らしながら歩いている様子は、氷山をペンギンがよちよち歩いているようで可愛らしい。歩行玩具13の歩行速度は、固体差により微妙に異なっている。
【0029】
歩行玩具13が円板17に到達したとき、円板17の仕切15が主要通路21R(21L)を塞いでいないときは歩行玩具13は円板17に乗り込むことができる。円板17の仕切15が主要通路21R(21L)を塞いでいるとき又は仕切15で仕切られた円板17上に既に別の歩行玩具13が乗り込んでいるときは、回転している仕切15にはね除けられ、主要通路21R(21L)の右側に連通している落下通路23R(23L)に弾き出され、落下通路23R(23L)を滑り落ちる。
【0030】
2人の歩行玩具13には夫々別の色彩が施してあり、円板17に乗り込んだ歩行玩具13がどちらの駒部材か判別できる。6枚ある仕切15の間に何個の歩行玩具13を乗せることができるかを競い合って遊ぶ。
【0031】
【発明の効果】
円板の回転と自力前進する駒部材の前進速度という予想不可能な2つの要素により駒部材が円板に乗り込めるかどうかが左右される。従って、遊戯者は、自分の駒部材であるのに力を貸すことができず、はらはらしてその動きを見ていなければならいという、従来のゲーム玩具にはない興奮を味わうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゲーム玩具の実施例の外観を示す斜視図。
【図2】図1のゲーム玩具の上面図。
【図3】図1のゲーム玩具における駆動装置の概略図。
【図4】本発明の歩行玩具の一例を示す斜視図。
【図5】図4の歩行玩具の正面図。
【図6】図4の歩行玩具の縦断面図。
【図7】図4の歩行玩具の足部材を示す斜視図。
【符号の説明】
10…ゲーム玩具、11…立体ゲーム装置、13…歩行玩具、15…仕切、17…円板、19…台座、21L,21R…主要通路、23L,23R…落下通路、25…円柱、27…乾電池、29…モータ、31…減速歯車、33…加速歯車、35…歯車、37…ハウジング、39L,39R…足部材、41…軸、43L,43C,43R…間隔維持部材、45…開口。

Claims (4)

  1. 放射状に複数の仕切を設けた上面を有する円板と、該円板を回転させる駆動手段を収納する台座と、前記円板から放射状に延びている複数本の主要通路と、該各主要通路及び前記円板と連通し且つ各主要通路及び円板から下方へ傾斜している複数本の落下通路とを具備する立体ゲーム装置、並びに前記主要通路を前記円板に向かって自力移動可能な複数個の駒部材を備えたことを特徴とするゲーム玩具。
  2. 前記主要通路は前記円板に向かって下方傾斜していることを特徴とする請求項1記載のゲーム玩具。
  3. 前記主要通路は前記円板の直径線上に2本設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のゲーム玩具。
  4. 前記駒部材は、回動自在な2本の足部材該足部材の後方に位置する後方支持部を有し、前記足部材と後方支持部とが接地して直立する形状体で構成され、各足部材の底面が外側に向かって左端又は右端に近付くにつれて上方に湾曲すると共に該底面の前後部も上方に湾曲して形成された歩行玩具であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のゲーム玩具。
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