JP3697616B2 - 絶縁監視装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電路の対地絶縁状態を監視する絶縁監視装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3は、高低圧変圧器Tr1の出力側電路の対地絶縁状態を監視する従来の絶縁監視装置の構成を示したものであり、この絶縁監視装置は、交流絶縁監視電圧印加部51と絶縁抵抗演算部52と重畳用変成器53とを備えたものである。尚、高低圧変圧器Tr1は、中性点もしくは出力側端子(低圧側端子)の一つが接地線ELを介して接地極(例えばB種接地極)に直接接地されており、上記重畳用変成器53は交流絶縁監視電圧印加部51から出力された商用周波数以外の周波数の交流絶縁監視電圧を接地線ELを介して高低圧変圧器Tr1の二つのフィーダF1,F2に印加するものである。尚、図3では各フィーダF1,F2を単線で示しているが、実際には単相2線式電路であれば2線の配線であり、複数相式電路であれば、その相数に対応した配線数である。
図3において、C01はフィーダF1の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R01はフィーダF1の各配線と大地間の対地絶縁抵抗の並列合成抵抗を示している。また、C02はフィーダF2の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R02はフィーダF2の各配線と大地間の対地絶縁抵抗の並列合成抵抗を示している。更に、ZCT1はフィーダF1に設けられた零相変流器であり、ZCT2はフィーダF2に設けられた零相変流器である。
【0003】
以上のように構成された従来の絶縁監視装置で高低圧変圧器Tr1のフィーダF1,F2の対地絶縁状態を監視する場合、交流絶縁監視電圧印加部51が商用周波数以外の周波数の交流絶縁監視電圧を重畳用変成器53に出力すると、その交流絶縁監視電圧が接地線ELを介して高低圧変圧器Tr1の二つのフィーダF1,F2に印加されるため、絶縁抵抗演算部52は、交流絶縁監視電圧と零相変流器ZCT1,ZCT2により検出される零相電流の大きさと位相差とに基づいて対地絶縁抵抗R01,R02を演算して求める(例えば、非特許文献1参照。)。
【0004】
図4は、非接地式の高低圧変圧器Tr1の出力側電路の対地絶縁状態を監視する従来の絶縁監視装置の構成を示したものであり、この絶縁監視装置は、交流絶縁監視電圧印加部61と絶縁抵抗演算部62とを備えたものであって、図3のような重畳用変成器53は使用しない。このような構成の絶縁監視装置で高低圧変圧器Tr1のフィーダF1,F2の対地絶縁状態を監視する場合、交流絶縁監視電圧印加部61が商用周波数以外の周波数の交流絶縁監視電圧を電路の任意の1線と大地間に直接印加すると、絶縁抵抗演算部62は、交流絶縁監視電圧と零相変流器ZCT1,ZCT2により検出される零相電流の大きさと位相差とに基づいて対地絶縁抵抗R01,R02を演算して求める。
【0005】
また、図5は、従来の別の絶縁監視装置の構成を示したものであり、この絶縁監視装置で高低圧変圧器Tr1のフィーダF1,F2の対地絶縁状態を監視する場合、直流絶縁監視電圧印加部71から直流絶縁監視電圧を電路の任意の1線と大地間に直接印加すると、絶縁抵抗演算部72は、直流絶縁監視電圧と電路の対地絶縁抵抗R01,R02に流れる電流から変圧器バンク全体の絶縁抵抗(図5では対地絶縁抵抗R01,R02の並列抵抗値)を演算して求める。
【0006】
【非特許文献1】
平成14年度(第20回)電気設備学会全国大会「講演論文集」
社団法人 電気設備学会 平成14年9月5日、6日 p252,253
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図3、図4に示した従来の絶縁監視装置の場合、商用周波数以外の周波数の交流絶縁監視電圧を高低圧変圧器Tr1のフィーダF1,F2に印加するものであるが、フィーダF1,F2にその交流絶縁監視電圧と同じ周波数のノイズ電流が存在する場合、対地絶縁抵抗R01,R02の正しい値を求めることが出来ないという問題がある。また、フィーダF1,F2の対地静電容量が大きい場合、対地静電容量に流れる電流に対して、対地絶縁抵抗R01,R02に流れる電流が極めて小さくなるため、計測誤差が大きくなり、対地絶縁抵抗R01,R02の正しい値を求めることが出来ないという問題がある。
また、図5に示した従来の絶縁監視装置の場合、各フィーダF1,F2に、例えばOA機器が接続されており、その機器の電源回路にダイオード整流回路などが設けられている場合、その整流回路に絶縁劣化が生じてフィーダF1,F2に直流漏れ電流が流れると、直流絶縁監視電圧に基づく電流に直流漏れ電流が加わるため、対地絶縁抵抗を正しく求めることができないという問題がある。
【0008】
そこで本発明では、電路の交流ノイズ電流や直流漏れ電流に影響されること無く、電路の対地絶縁抵抗を正確に測定することができる絶縁監視装置を提供することを解決すべき課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、特許請求の範囲の欄に記載した絶縁監視装置により解決することができる。
【0010】
請求項1記載の絶縁監視装置によれば、中性点もしくは出力側端子の一つが接地コンデンサを介して電気設備技術基準で定められている接地極に接地されている変圧器の出力側電路の対地絶縁状態を監視する場合、直流電源から変圧器の出力側電路と接地極の間に電流制限抵抗を介して直流定電圧が印加されると、極性切替手段は、変圧器の出力側電路と接地極の間に流れる直流電流が安定した値を示した状態で直流定電圧の印加極性を切り替える。また、電圧検出手段は、直流電流が安定した値を示す毎に電流制限抵抗間の電圧を検出する。絶縁抵抗演算手段は、前記直流定電圧の値、前記電流制限抵抗の値、及び前記直流電流が安定した値を示す毎に検出された前記電流制限抵抗間電圧の値を演算要素とする絶縁抵抗演算式に基づいて、前記変圧器の出力側電路の対地絶縁抵抗値を演算して求める。
このように、絶縁監視用電圧として直流定電圧を電路に印加するため、電路の交流ノイズ電流に影響されることが無く、且つ電路と接地極間に印加される直流定電圧の極性を切り替えるため、電路における直流漏れ電流の影響をキャンセルすることができる。これにより、電路の対地絶縁抵抗を正確に測定することができる。
【0011】
請求項2記載の絶縁監視装置によれば、中性点や出力側端子が接地されていない非接地式変圧器の出力側電路の対地絶縁状態を監視する場合、直流電源から変圧器の出力側電路と接地極の間に電流制限抵抗を介して直流定電圧が印加されると、極性切替手段は、変圧器の出力側電路と接地極の間に流れる直流電流が安定した値を示した状態で直流定電圧の印加極性を切り替える。また、電圧検出手段は、直流電流が安定した値を示す毎に電流制限抵抗間の電圧を検出する。絶縁抵抗演算手段は、前記直流定電圧の値、前記電流制限抵抗の値、及び前記直流電流が安定した値を示す毎に検出された前記電流制限抵抗間電圧の値を演算要素とする絶縁抵抗演算式に基づいて前記変圧器の出力側電路の対地絶縁抵抗値を演算して求める。
このように、絶縁監視用電圧として直流定電圧を電路に印加するため、電路の交流ノイズ電流に影響されることが無く、且つ電路に印加される直流定電圧の極性を切り替えるため、電路における直流漏れ電流の影響をキャンセルすることができる。これにより、電路の対地絶縁抵抗を正確に測定することができる。
【0012】
請求項3記載の絶縁監視装置によれば、対地絶縁抵抗値が所定値以下に低下した場合に警報信号を出力することができるため、監視担当者に、電路の対地絶縁抵抗の低下を即座に知らせることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、高低圧変圧器Tr1,Tr2の対地絶縁状態が監視される低圧側電路(以下、電路と記載する)L1,L2と、電路L1,L2の対地絶縁状態を監視する絶縁監視装置1aの構成とを示した電気回路図である。尚、電路L1,L2は単線で示しているが、実際には単相2線式電路であれば2線の配線であり、複数相式電路であれば、その相数に対応した配線数である。
図1に示しているC1,C2は、高低圧変圧器Tr1,Tr2の中性点もしくは出力側端子の一つを、B種接地線LB1,LB2を介して電気設備技術基準で定められているB種接地極EBに接地するための接地コンデンサである。尚、この接地コンデンサC1,C2は、商用周波数の交流に対しては直接接地方式電路と同様の性能を維持するとともに、直流的には電路L1,L2を大地と切離すために設置されている。そのため、この接地コンデンサC1,C2は、商用周波数のインピーダンスが数オームとなる、例えば1000μF程度の容量となっている。
【0014】
図1に示しているC01は電路L1の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R01は電路L1の各配線と大地間の対地絶縁抵抗の並列合成抵抗(以下、対地絶縁抵抗と記載する。)を示している。また、C02は電路L2の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R02は電路L2の各配線と大地間の対地絶縁抵抗の並列合成抵抗(以下、対地絶縁抵抗と記載する。)を示している。尚、接地極EDは、電路L1,L2に接続される負荷機器の筐体等を接地するための電気設備技術基準で定められているD種接地極である。
【0015】
絶縁監視装置1aは、直流定電圧Vdcを出力する直流電源2と、電流制限抵抗R1,R2を介して電路L1,L2と接地極EDの間に印加される直流定電圧Vdcの印加極性を切り替える切替スイッチSW1,SW2と、電路L1,L2と接地極EDとの間に直流定電圧Vdcが印加されて電路L1,L2と接地極ED間に流れる直流電流が安定した値を示した場合に切替スイッチSW1,SW2を切替制御する極性切替制御部3と、電路L1,L2と接地極EDの間に流れる直流電流が安定した値を示す毎に電流制限抵抗R1,R2間の電圧を検出するとともに、後述の絶縁抵抗演算式に基づいて電路L1,L2の対地絶縁抵抗R01,R02の値を演算して求める絶縁抵抗演算部4とを有するものである。
【0016】
次に、絶縁監視装置1aを用いて電路L1,L2の対地絶縁抵抗値R01,R02を求める作用について説明する。
切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側に接続されている状態で、直流電源2から直流定電圧Vdcが出力されると、電流制限抵抗R1,R2を介して接地コンデンサC1,C2、対地静電容量C01,C02、及び対地絶縁抵抗R01,R02に直流電流が流れ、そして、接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電されると、直流電流は電流制限抵抗R1,R2を介して対地絶縁抵抗R01,R02のみへ流れるようになる。
【0017】
上記のように接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電され、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したとき、絶縁抵抗演算部4は、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1a,V2aを検出し、その電圧V1a,V2aを内部のメモリ回路に記憶する。
尚、電圧V1a,V2aの検出はローパスフィルタを通して行い、交流ノイズ成分を取り除いた電圧V1a,V2aを上記内部のメモリ回路に記憶する。
【0018】
上記のように、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1a,V2aが記憶されると、極性切替制御部3は、切替スイッチSW1,SW2を接点(ロ)側に接続替えする。極性切替制御部3が切替スイッチSW1,SW2を接点(ロ)側に切り替えると、上記直流電流の通電方向が反転される。この状態で再び接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電され、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したとき、絶縁抵抗演算部4は、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1b,V2bを検出し、その電圧V1b,V2bを内部のメモリ回路に記憶する。
尚、電圧V1b,V2bの検出はローパスフィルタを通して行い、交流ノイズ成分を取り除いた電圧V1b,V2bを上記内部のメモリ回路に記憶する。
【0019】
上記のように、極性切替制御部3は、接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電された状態で切替スイッチSW1,SW2を接点(イ)または、接点(ロ)側に切り替えるが、その切替タイミングとしては、電流制限抵抗R1,R2間それぞれの電圧の変化を絶縁抵抗演算部4を介して検出し、その変化がゼロとなったとき、即ち、接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電され、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したときと同じ状態となったとき、あるいは切替スイッチSW1,SW2が切り替わってから電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧が安定するまでの時間を計算して求めておき、その時間に若干の余裕を見込んだ時間の間隔で、タイマーにより切り替える手段でもよい。
【0020】
次の式は対地絶縁抵抗R01,R02それぞれを求めるための絶縁抵抗演算式である。
R01=(Vdc−|V1b−V1a|/2)・2R1/|V1b−V1a|
R02=(Vdc−|V2b−V2a|/2)・2R2/|V2b−V2a|
絶縁抵抗演算部4は、上記絶縁抵抗演算を繰り返し行い、対地絶縁抵抗R01,R02を求める。
このように、絶縁抵抗演算部4は、対地絶縁抵抗R01,R02を求めることにより、電路L1,L2の対地絶縁状態を常時監視し、対地絶縁抵抗R01,R02が予め設定した値以下に低下した場合、外部に警報信号を出力する。また、対地絶縁抵抗値を通信手段により外部に出力する。これにより、電路L1,L2の対地絶縁抵抗が低下したことを、即座に、絶縁監視担当者に報知することができる。
【0021】
ここで、上記のように接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電された状態で極性切替制御部3の制御により切替スイッチSW1,SW2を切り替える理由について説明する。
その結論的理由は、電路L1,L2に電子機器などが接続されており、その電子機器のダイオード整流回路などの絶縁が劣化している場合、直流漏れ電流が上記電流制限抵抗R1,R2に流れて対地絶縁抵抗R01,R02を正しく求めることができなくなることを防ぐためである。以下、その詳しい説明をする。
電流制限抵抗R1,R2に流れる電流のうち、上記電子機器のダイオード整流回路などの直流回路からの漏れ電流をそれぞれI1a,I2a、前述の直流電源2から供給される電流をI1b,I2bとし、切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側に接続された状態での電流制限抵抗R1,R2間に流れる電流をI1a+I1bとすれば、切替スイッチSW1,SW2が接点(ロ)側に接続された状態での電流制限抵抗R1,R2間に流れる電流はI1a−I1bとなる。即ち上記電子機器のダイオード整流回路などの直流回路からの漏れ電流Iは一定方向に流れ、直流電源2から供給される電流は、流れる方向が逆になる。従って、切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側、(ロ)側それぞれに切り替えられた状態での電流制限抵抗R1,R2間の電圧は次式で表される。
【0022】
切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側、(ロ)側それぞれに切り替えられた状態での電流制限抵抗R1,R2間の電圧の差をとり、その絶対値を2で割ると次のようになる。
|V1b−V1a|/2
=|(I1a−I1b)R1−(I1a+I1b)R1|/2
=I1b・R1
|V2b−V2a|/2
=|(I2a−I2b)R2−(I2a+I2b)R2|/2
=I2b・R2
このように、切替スイッチSW1,SW2を切り替えることにより、直流電源2から供給される電流のみ、電流制限抵抗R1,R2を流れたときの電圧となって、前述の直流漏れ電流の影響をキャンセルすることができる。
【0023】
次に、図2に示した電路L1,L2の対地絶縁状態を監視する絶縁監視装置1bについて説明する。尚、電路L1,L2は単線で示しているが、実際には単相2線式電路であれば2線の配線であり、複数相式電路であれば、その相数に対応した配線数である。また、高低圧変圧器Tr1,Tr2は、中性点もしくは出力側端子の一つが接地されていない非接地方式となっている。
図2に示したC01は電路L1の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R01は電路L1の各配線と大地間の対地絶縁抵抗を示している。また、C02は電路L2の各配線と大地間の対地静電容量の並列合成容量を示しており、R02は電路L2の各配線と大地間の対地絶縁抵抗を示している。尚、接地極EDは、電路L1,L2に接続される負荷機器の筐体等を接地するための電気設備技術基準で定められているD種接地極である。
【0024】
絶縁監視装置1bは、直流定電圧Vdcを出力する直流電源2と、直流電源2から出力された直流定電圧Vdcを電流制限抵抗R1,R2を介して電路L1,L2とD種接地極ED間に極性を切り替えて印加する切替スイッチSW1,SW2を制御する極性切替制御部3と、切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側、(ロ)側それぞれに切り替えられた状態での電流制限抵抗R1,R2間の電圧を検出するとともに、前述の絶縁抵抗演算式に基づいて電路L1,L2の対地絶縁抵抗R01,R02の値を演算して求める絶縁抵抗演算部4とを有するものである。
尚、切替スイッチSW1,SW2の切替タイミングとしては、電流制限抵抗R1,R2間それぞれの電圧の変化を絶縁抵抗演算部4を介して検出し、その変化がゼロとなったとき、即ち、接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電され、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したときと同じ状態となったとき、あるいは切替スイッチSW1,SW2が切り替わってから電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧が安定するまでの時間を計算して求めておき、その時間に若干の余裕を見込んだ時間の間隔で、タイマーにより切り替える手段でもよい。
【0025】
次に、絶縁監視装置1bを用いて電路L1,L2の対地絶縁抵抗値R01,R02を求める作用について説明する。
切替スイッチSW1,SW2が接点(イ)側に接続されている状態で、直流電源2から直流定電圧Vdcが出力されると、直流定電圧Vdcは、電流制限抵抗R1,R2を介して電路L1,L2とD種接地極ED間に印加される。直流定電圧Vdcが電流制限抵抗R1,R2を介して電路L1,L2とD種接地極ED間に印加されると、直流電流が電流制限抵抗R1,R2を介して対地絶縁抵抗R01,R02、及び対地静電容量C01,C02へ流れる。
【0026】
上記のように対地絶縁抵抗R01,R02、及び対地静電容量C01,C02へ直流電流が流れ、対地静電容量C01,C02への充電が完全に終了し、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したとき、絶縁抵抗演算部4は、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1a,V2aを検出し、その電圧V1a,V2aを内部のメモリ回路に記憶する。
尚、電圧V1a,V2aの検出はローパスフィルタを通して行い、交流ノイズ成分を取り除いた電圧V1a,V2aを上記内部のメモリ回路に記憶する。
【0027】
上記のように、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1a,V2aが記憶されると、極性切替制御部3は、切替スイッチSW1,SW2を接点(ロ)側に接続替えする。極性切替制御部3が切替スイッチSW1,SW2を接点(ロ)側に切り替えると、電路L1,L2とD種接地極ED間に印加される直流定電圧Vdcの極性が切り替えられる。この状態で再び対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したとき、絶縁抵抗演算部4は、電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧V1b,V2bを検出し、その電圧V1b,V2bを内部のメモリ回路に記憶する。
尚、電圧V1b,V2bの検出はローパスフィルタを通して行い、交流ノイズ成分を取り除いた電圧V1b,V2bを上記内部のメモリ回路に記憶する。
【0028】
尚、極性切替制御部3が切替スイッチSW1,SW2を接点(イ)または、接点(ロ)側に切り替える理由は前述と同じであり、切替タイミングは、電流制限抵抗R1,R2間それぞれの電圧の変化を絶縁抵抗演算部4を介して検出し、その変化がゼロとなったとき、即ち、接地コンデンサC1,C2、及び対地静電容量C01,C02が完全に充電され、対地絶縁抵抗R01,R02へ流れる直流電流の値が安定したときと同じ状態となったとき、あるいは切替スイッチSW1,SW2が切り替わってから電流制限抵抗R1,R2間のそれぞれの電圧が安定するまでの時間を計算して求めておき、その時間に若干の余裕を見込んだ時間の間隔で、タイマーにより切り替える手段でもよい。
【0029】
絶縁抵抗演算部4が対地絶縁抵抗R01,R02それぞれを求めるための絶縁抵抗演算式は,前述の絶縁監視装置1aの場合と同じである。即ち、
R01=(Vdc−|V1b−V1a|/2)・2R1/|V1b−V1a|
R02=(Vdc−|V2b−V2a|/2)・2R2/|V2b−V2a|
絶縁抵抗演算部4は、上記絶縁抵抗演算を繰り返し行い、対地絶縁抵抗R01,R02を求める。
このように、絶縁抵抗演算部4は、対地絶縁抵抗R01,R02を求めることにより、電路L1,L2の対地絶縁状態を常時監視し、対地絶縁抵抗R01,R02が予め設定した値以下に低下した場合、外部に警報信号を出力する。また、対地絶縁抵抗値を通信手段により外部に出力する。これにより、電路L1,L2の対地絶縁抵抗が低下したことを、即座に、絶縁監視担当者に報知することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によれば、電路の交流ノイズ電流や直流漏れ電流に影響されること無く、電路の対地絶縁抵抗を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絶縁監視装置の構成と絶縁監視装置により監視される電路の電気回路図である。
【図2】絶縁監視装置の構成と絶縁監視装置により監視される電路の電気回路図である。
【図3】従来の技術を説明するための電気回路図である。
【図4】従来の技術を説明するための電気回路図である。
【図5】従来の技術を説明するための電気回路図である。
【符号の説明】
1a,1b 絶縁監視装置
2 直流電源
3 極性切替制御部
4 絶縁抵抗演算部
SW1,SW2 切替スイッチ
R1,R2 電流制限抵抗
L1,L2 電路
C1,C2 接地コンデンサ
C01,C02 電路と大地間の対地静電容量
R01,R02 電路の対地絶縁抵抗
Tr1,Tr2 高低圧変圧器
Claims (3)
- 中性点もしくは出力側端子の一つが接地コンデンサを介して接地極に接地されている変圧器の出力側電路の対地絶縁状態を監視する絶縁監視装置であって、
前記変圧器の出力側電路と前記接地極との間に電流制限抵抗を介して直流定電圧を印加する直流電源と、前記変圧器の出力側電路と前記接地極の間に前記直流定電圧が印加された場合に前記変圧器の出力側電路と前記接地極の間に流れる直流電流が安定した値を示した状態で前記直流定電圧の印加極性を切り替える極性切替手段と、前記直流電流が安定した値を示す毎に前記電流制限抵抗間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記直流定電圧の値、前記電流制限抵抗の値、及び前記直流電流が安定した値を示す毎に検出された前記電流制限抵抗間電圧の値を演算要素とする絶縁抵抗演算式に基づいて前記変圧器の出力側電路の対地絶縁抵抗値を演算する絶縁抵抗演算手段とを備えたことを特徴とする絶縁監視装置。 - 中性点や出力側端子が接地されていない非接地式変圧器の出力側電路の対地絶縁状態を監視する絶縁監視装置であって、
前記変圧器の出力側電路と負荷機器接地用の接地極との間に電流制限抵抗を介して直流定電圧を印加する直流電源と、前記変圧器の出力側電路と前記接地極の間に前記直流定電圧が印加された場合に前記変圧器の出力側電路と前記接地極の間に流れる直流電流が安定した値を示した状態で前記直流定電圧の印加極性を切り替える極性切替手段と、前記直流電流が安定した値を示す毎に前記電流制限抵抗間の電圧を検出する電圧検出手段と、前記直流定電圧の値、前記電流制限抵抗の値、及び前記直流電流が安定した値を示す毎に検出された前記電流制限抵抗間電圧の値を演算要素とする絶縁抵抗演算式に基づいて前記変圧器の出力側電路の対地絶縁抵抗値を演算する絶縁抵抗演算手段とを備えたことを特徴とする絶縁監視装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の絶縁監視装置であって、
前記対地絶縁抵抗値が所定値以下に低下した場合に警報信号を出力するための警報信号出力手段を有することを特徴とする絶縁監視装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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