JP3697048B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー画像形成装置に関し、特に複数の走査光学装置から出射した複数の光束を用いて対応する複数の像担持体面上を光走査してカラー画像情報を記録するようにした、例えばカラー電子写真プロセスを有するレーザービームプリンターやカラーデジタル複写機等の装置に好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりレーザービームプリンター(LBP)やデジタル複写機等に用いられる走査光学装置においては画像信号に応じて光源手段から光変調され出射した光束を、例えば回転多面鏡(ポリゴンミラー)より光偏向器により周期的に偏向させ、fθ特性を有する走査光学素子(結像素子)によって感光性の記録媒体(感光ドラム)面上にスポット状に集束させ、その面上を光走査して画像記録を行っている。
【0003】
図14はこの種の従来の走査光学装置に要部概略図である。
【0004】
同図において光源手段91から放射した発散光束はコリメーターレンズ92により略平行光束とされ、絞り93によって該光束(光量)を制限して副走査方向にのみ所定の屈折力を有するシリンダーレンズ(シリンドリカルレンズ)94に入射している。シリンダーレンズ94に入射した略平行光束のうち主走査断面内においてはそのまま略平行光束の状態で射出する。また副走査断面内においては集束して回転多面鏡(ポリゴンミラー)から成る光偏向器95の偏向面(反射面)95aにほぼ線像として結像している。
【0005】
そして光偏向器95の偏向面95aで偏向反射された光束はfθ特性を有する走査光学素子(fθレンズ)96を介して被走査面としての感光ドラム面98上に導光し、該光偏向器95を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム面98上を矢印B方向に光走査している。これにより記録媒体である感光ドラム面98上に画像記録を行なっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図15は前述した走査光学装置を複数個同時に使用し、それぞれ異なる感光ドラム面上に各色毎の画像情報を記録し、カラー画像を形成するカラー画像形成装置の要部概略図である。
【0007】
同図において101,102,103,104は各々走査光学装置、111,112,113,114は各々像担持体としての感光ドラム、121,122,123,124は各々現像器、131は搬送ベルトである。同図におけるカラー画像形成装置は上記の走査光学装置(101,102,103,104)を4個並べ、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々並行して感光ドラム111,112,113,114面上に画像信号を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
【0008】
このようなカラー画像形成装置では複数の走査線を重ね合わせ画像形成を行うため、特に各色間の走査線ずれ(以下「レジストレーションずれ」とも称す。)を少なくすることが重要である。このため走査光学装置には、
・初期変化(製造誤差、設置時の変化等)、環境変化(温度上昇等)による走査線ずれを最小限に抑えるため光学系の光路長を短くすること、
・感光ドラム(それを含むカートリッジ)の取り付け誤差やそれ自身の偏心回転による主走査方向の倍率ずれを最小限に抑えるため主走査面内での被走査面(感光ドラム面)への入射角を小さくすること、
等が求められる。
【0009】
特開平7−128603号公報はカラー画像形成装置に使用する走査光学装置の走査用光学系をガラスレンズとガラスシリンダーミラーとから構成した例である。同公報では被走査面への光束の入射角は小さいものの光学系の光路長が約400mmと長いため、上記の諸変動による影響を受けやすく、かつ装置全体の肥大化を招くという問題点を有する。
【0010】
特開平8−76011号公報は走査光学装置の走査用光学系を非球面を有した単一のトーリックレンズから構成した例である。同公報では光学系の光路長は短いものの、被走査面への光束の入射角がθi =30°と大きく、感光ドラムの偏心回転による影響が受け易いという問題点を有する。
【0011】
本発明は複数の走査光学装置を有するカラー画像形成装置において、各走査光学装置を該走査光学装置の偏向素子の回転軸から像担持体までの距離を該像担持体における有効走査域の長さよりも短く、かつ該像担持体面に入射する光束の主走査面内での入射角θi を有効走査域全域において27°以下となるように設定することにより、諸変動(カラー画像形成装置本体の初期変化、環境変化)によるレジストレーションずれを最小限に抑えることができ、かつ容易な構成で色ずれを少なくすることができるコンパクトなカラー画像形成装置の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明のカラー画像形成装置は、偏向素子を有する走査光学装置を複数設け、該複数の走査光学装置から出射された複数の光束を各々対応する複数の像担持体面上に導光し、該複数の光束で該複数の像担持体面上を走査するカラー画像形成装置において、該複数の走査光学装置は各々該走査光学装置の偏向素子の回転軸から該像担持体面までの距離が該像担持体面における有効走査域の長さよりも短い構成であり、該偏向素子で偏向された光束を該像担持体面上に結像させるf−θ特性を有する走査光学素子を有し、該走査光学素子はパワーのある屈折光学素子と、パワーのある回折光学素子の2つの光学素子より成り、前記回折光学素子は、前記屈折光学素子より前記像担持体面側に配置されており、該像担持体面に入射する光束の主走査面内での入射角θiが有効走査域全域において27°以下となるように設定してあることを特徴としている。
【0013】
請求項2の発明は請求項1の発明において、前記偏向素子で偏向された光束の前記走査光学素子の光軸に対する最大出射角θPが40°以上で、かつ60°以下となるように設定されていることを特徴としている。
請求項3の発明は請求項1又は2の発明において、前記屈折光学素子はプラスチック製のトーリックレンズであることを特徴としている。
請求項4の発明は請求項1〜3のいずれか1項の発明において、前記回折光学素子はプラスチック製であることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
図1は本発明の実施形態1のカラー画像形成装置の要部概略図である。
【0018】
同図において11,12,13,14は各々走査光学装置、21,22,23,24は各々像担持体としての感光ドラム、31,32,33,34は各々現像器、41は搬送ベルトである。本実施形態におけるカラー画像形成装置は後述するように諸変動[カラー画像形成装置本体の初期変化(製造誤差、設置等の変化等)、環境変化(温度上昇等)]によるレジストレーションずれを最小限に抑え、かつ色ずれの少ない上記の走査光学装置(11,12,13,14)を4個並べ、各々がC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の各色に対応し、各々並行して感光ドラム21,22,23,24面上に画像信号(画像情報)を記録し、カラー画像を高速に印字するものである。
【0019】
次に本発明の特徴とする諸変動によるレジストレーションずれを最小限に抑え、かつ色ずれを少なくする方法及びその光学素子について説明する。尚、カラー画像形成装置を構成する複数の走査光学装置11,12,13,14は、その構成及び光学的作用は同様であるので、以下代表して走査光学装置11について説明する。
【0020】
図2はこの走査光学装置11とそれに対応する像担持体21とを示した要部概略図、図3は図2に示した光学系の主走査方向の要部断面図である。
【0021】
図2、図3において1は光源手段であり、例えば半導体レーザーより成っている。2は第1の光学素子としてのコリメーターレンズであり、光源手段1から出射された発散光束(光ビーム)を略平行光束に変換している。3は開口絞りであり、通過光束(光量)を制限している。4は第2の光学素子としてのシリンドリカルレンズ(シリンダーレンズ)であり、副走査方向にのみ所定の屈折力を有しており、開口絞り3を通過した光束を副走査断面内で後述する光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像として結像させている。
【0022】
5は偏向素子としての、例えばポリゴンミラー(回転多面鏡)より成る光偏向器であり、モータ等の駆動手段(不図示)により図中矢印A方向に一定速度で回転している。
【0023】
6はfθ特性を有する第3の光学素子としての走査光学素子であり、少なくとも1枚の屈折光学素子を含む第3−1の光学素子と、少なくとも1枚の回折光学素子を含む第3−2の光学素子とを有している。本実施形態における第3−1の光学素子は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する単一のプラスチック製のトーリックレンズ61より成り、該トーリックレンズ61の主走査方向の両レンズ面は非球面形状より成っている。第3−2の光学素子は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する長尺の回折光学素子62より成っている。本実施形態では光偏向器5の回転軸Oと感光ドラム21面(被走査面)の中点より該光偏向器5側にトーリックレンズ61、該感光ドラム21面側に回折光学素子62を配している。走査光学素子6は光偏向器5によって偏向された画像情報に基づく光束を感光ドラム21面上に結像させ、かつ副走査断面内において光偏向器5の偏向面5aの面倒れを補正している。尚、本実施形態における回折光学素子62は射出成形により製作されたプラスチック製より構成しているが、これに限らず、例えばガラス基盤の上にレプリカで回折格子を製作しても同等の効果が得られる。
【0024】
本実施形態では光偏向器5の回転軸Oから感光ドラム21面(被走査面)までの距離Lが、該感光ドラム21面における有効走査域の長さWよりも短くなるように、かつ該感光ドラム21面に入射する光束の主走査面内での入射角θi が有効走査域全域において27°以下となるように各要素(走査光学素子)を設定している。また本実施形態では光偏向器5で偏向された光束の走査光学素子6の光軸に対する最大出射角θP が40°以上で、かつ60°以下となるように設定している。
【0025】
本実施形態におけるカラー画像形成装置は上述の如く4つの走査光学装置11,12,13,14により各々の変調信号に基づいた光束を用いて潜像を各々対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成している。例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の潜像を対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成し、その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
【0026】
本実施形態における走査光学装置11において半導体レーザー1から出射した発散光束はコリメーターレンズ2により略平行光束に変換され、開口絞り3によって該光束(光量)を制限してシリンドリカルレンズ4に入射している。シリンドリカルレンズ4に入射した略平行光束のうち主走査断面においてはそのままの状態で射出する。また副走査断面内においては収束して光偏向器5の偏向面5aにほぼ線像(主走査方向に長手の線像)として結像している。そして光偏向器5の偏向面5aで偏向された光束はトーリックレンズ61と回折光学素子62とを介して感光ドラム21面上に導光され、該光偏向器5を矢印A方向に回転させることによって、該感光ドラム21面上を矢印B方向に光走査している。そして上述の如く例えばC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、B(ブラック)の潜像を対応する感光ドラム21,22,23,24面上に形成し、その後、記録材に多重転写して1枚のフルカラー画像を形成している。
【0027】
本実施形態における走査光学装置11の第3の光学素子6を構成するトーリックレンズ61と回折光学素子62との形状はそれぞれ、
▲1▼トーリックレンズ..主走査方向が10次までの関数で表せる非球面形状、トーリックレンズの光軸との交点を原点とし、光軸方向をx軸、主走査断面内において光軸と直交する軸をy軸、副走査断面内において光軸と直交する軸をz軸としたとき、
主走査方向と対応する母線方向が、
【0028】
【数1】
(但し、Rは曲率半径、K、B4 、B6 、B8 、B10は非球面係数)
副走査方向(光軸を含み主走査方向に対して直交する方向)と対応する子線方向が、
【0029】
【数2】
ここで r ’=r0(1+D2Y2+ D4Y4+ D6Y6+ D8Y8+ D10Y10)
(但し、r0 は光軸上の子線曲率半径、D2 、D4 、D6 、D8 、D10は非球面係数)
▲2▼回折光学素子..主走査方向が6次まで、副走査方向が主走査方向の位置により異なる2次の位相関数で表わされる回折面は、
φ=mλ=b2 Y2 +b4 Y4 +b6 Y6
+(d0 +d1 Y+d2 Y2 +d3 Y3 +d4 Y4 )Z2
(但し、φは位相関数、mは回折次数、λは使用波長、Yはレンズ光軸からの高さ、b2 ,b4 ,b6 ,d0 ,d1 ,d2 ,d3 ,d4 は位相係数、実施形態1〜3では+1次回折光を使用)
なる式で表わされる。
【0030】
表−1に本実施形態における光学配置とトーリックレンズ61の非球面係数及び回折光学素子62の位相項を示す。
【0031】
【表1】
図4は本実施形態における近軸収差(主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差等)を示した説明図である。同図より主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差のいずれの収差も良好に補正されていることが分かる。
【0032】
ここで感光ドラムの偏心回転や位置ずれによる感光ドラム面(被走査面)の偏心量dxと主走査方向の倍率ずれdyとの関係について説明する。これらは感光ドラム面に入射する光束の偏向面内(主走査面内)における最大入射角θi をパラメーターとして
dy=dx×tanθi
と表現される。実画像上において各走査線毎のレジストレーションずれを抑え、色ずれを低減するためには、主走査方向の倍率ずれdyを感光ドラム面の偏心量dxの半分以下に抑える必要がある。このため感光ドラム面に入射する光束の偏向面内における最大入射角θi が
tanθi ≦0.5
θi ≦27° ‥‥‥(1)
になるように各要素(走査光学素子)を設定する必要がある。
【0033】
本実施形態では感光ドラム21面に入射する光束の偏向面内における最大入射角がθi =25°であり、そのときの主走査方向の倍率ずれ量dyは、
dy=dx×tan25°
=0.466×dx
となり、これは感光ドラム21等の取り付け誤差やそれ自身の偏心回転による各色間の色ずれの生じにくい、レジストレーションの良い走査光学系(走査光学素子)と成っている。
【0034】
上記の条件式(1)は感光ドラム21面に入射する光束の主走査面内での入射角を規定するものである。条件式(1)を外れると感光ドラム21の偏心回転や位置ずれ等による影響が受け易くなってくるので良くない。
【0035】
次に諸変動[カラー画像形成装置本体の初期変化(製造誤差、設置等の変化等)、環境変化(温度上昇等)]によるレジストレーションずれに関しては、これを最小限に抑えるためには光偏向器の回転軸から感光ドラム面までの光路長Lが有効走査域の長さWより短いコンパクトな走査光学系(走査光学素子)が必要となる。本実施形態では有効走査域の長さをW=297mm(=A3サイズ)、光路長をL=246mmに設定しており、これは諸変動によるレジストレーションずれが生じにくい構成に成っている。
【0036】
また本実施形態では光偏向器5で偏向された光束の走査光学素子6の光軸に対する最大出射角をθP としたとき
40°≦ θP ≦ 60° ‥‥‥(2)
なる条件を満足するようにしている。
【0037】
条件式(2)は光偏向器5で偏向された光束の走査光学素子6の光軸に対する最大出射角θP を規定するものであり、条件式(2)を外れると諸変動による影響が受け易く、かつ装置全体の肥大化を招くので良くない。特に条件式(2)の上限値を越えると6面以上のポリゴンミラーでの走査は不可能となり、また5面以下のポリゴンミラーで構成しても面の幅が大きくなりポリゴンミラーの大型化につながるので良くない。
【0038】
このように本実施形態では上述の如く走査光学装置11の走査光学素子6として光偏向器5側に配したトーリックレンズ61と、感光ドラム21面側に配した回折光学素子62とを用い、複数個の走査光学装置11,12,13,14で複数の感光ドラム21,22,23,24面上に画像記録を行うことによって、各色間のレジストレーションずれの少ないカラー画像形成装置を容易な構成で、かつ安価に実現することができる。
【0039】
尚、本実施形態におけるカラー画像形成装置は複数個の走査光学装置とそれに対応する複数の感光ドラムとより構成したが、該感光ドラムを単一より構成しても本発明は前述の実施形態1と同様に適用することができる。
【0040】
[実施形態2]
図5は本発明の実施形態2のカラー画像形成装置を構成する複数の走査光学装置のうち1つの走査光学装置と、それに対応する感光ドラムとを抜き出して示した光学系の主走査方向の要部断面図である。同図において図3に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0041】
本実施形態において前述の実施形態1と異なる点は、第3の光学素子16の一要素を構成する第3−2の光学素子を主走査方向にパワーを有するシリンダーレンズ(シリンドリカルレンズ)63aと、主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する回折光学素子63bとが複合して成る複合光学素子63とより構成したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態1と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0042】
即ち、同図において16はfθ特性を有する第3の光学素子としての走査光学素子であり、少なくとも1枚の屈折光学素子を含む第3−1の光学素子と少なくとも1枚の回折光学素子を含む第3−2の光学素子とを有している。本実施形態における第3−1の光学素子は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する単一のプラスチック製のトーリックレンズ61より成っている。第3−2の光学素子は主走査方向にパワー有する単一のプラスチック製のシリンダーレンズ63aと主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する回折光学素子63bとが互いに組み合わされた複合光学素子(長尺回折素子)63より成っている。
【0043】
表−2に本実施形態における光学配置とトーリックレンズ61、シリンダーレンズ63aの非球面係数及び回折光学素子63bの位相項を示す。
【0044】
【表2】
図6は本実施形態における近軸収差(主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差等)を示した説明図である。同図より主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差のいずれの収差も良好に補正されていることが分かる。
【0045】
本実施形態では主走査方向にパワーを有するシリンダーレンズ63aを回折光学素子63bに付加している為、感光ドラム21面に入射する光束の偏向面内(主走査面内)における最大入射角θi をθi =23.0°と、より小さくすることができ、これにより感光ドラム等の取り付け誤差や偏心回転による各色の色ずれの生じにくい、レジストレーションの良い走査光学系と成っている。
【0046】
また本実施形態では前述の実施形態1と同様に光偏向器5の回転軸から感光ドラム21面までの光路長Lを有効走査域の長さWより短く設定したことにより、諸変動によるレジストレーションずれの生じにくい構成に成っている。
【0047】
このように本実施形態では上述の如く走査光学装置11の走査光学素子16として光偏向器5側に配したトーリックレンズ61と、感光ドラム21面側に配したシリンダーレンズ63aと回折光学素子63bとが複合して成る複合光学素子63とを用い、複数個の走査光学装置11,12,13,14で複数の感光ドラム21,22,23,24面上に画像記録を行うことにより、各色間のレジストレーションずれの少ないカラー画像形成装置を容易な構成で、安価に実現することができる。
【0048】
[実施形態3]
図7は本発明の実施形態3のカラー画像形成装置を構成する複数の走査光学装置のうち1つの走査光学装置と、それに対応する感光ドラムとを抜き出して示した光学系の主走査方向の要部断面図である。同図において図5に示した要素と同一要素には同符番を付している。
【0049】
本実施形態において前述の実施形態2と異なる点は第3の光学素子26の一要素を構成する第3−1の光学素子をトーリックレンズ61と回折光学素子64とより構成したことである。その他の構成及び光学的作用は実施形態2と略同様であり、これにより同様な効果を得ている。
【0050】
即ち、同図において26はfθ特性を有する第3の光学素子としての走査光学素子であり、少なくとも1枚の屈折光学素子を含む第3−1の光学素子と、少なくとも1枚の回折光学素子を含む第3−2の光学素子とを有している。本実施形態における第3−1の光学素子は主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する単一のプラスチック製のトーリックレンズ61と、主走査方向にパワーを有する第1の回折光学素子64とより成っている。第3−2の光学素子は主走査方向にパワーを有する単一のプラスチック製のシリンダーレンズ63aと主走査方向と副走査方向とで互いに異なるパワーを有する第2の回折光学素子63bとが互いに組み合わされた複合光学素子(長尺回折素子)63より成っている。
【0051】
表−3に本実施形態における光学配置とトーリックレンズ61、シリンダーレンズ63aの非球面係数及び第1、第2の回折光学素子64,63bの位相項を示す。
【0052】
【表3】
図9は本実施形態における近軸収差(主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差等)を示した説明図である。同図より主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差のいずれの収差も良好に補正されていることが分かる。
【0053】
本実施形態では前述の実施形態2に対して第3−1の光学素子に第1の回折光学素子64を追加して構成しているため、主走査方向、副走査方向の像面湾曲及び歪曲収差が高精度に補正されており、より高精細な印字が可能となっている。
【0054】
また本実施形態においても前述の実施形態2と同様に感光ドラム21面に入射する光束の偏向面内(主走査面内)における最大入射角θi をθi =23.0°と、より小さくすることができ、これにより感光ドラム等の取り付け誤差や偏心回転による各色の色ずれの生じにくい、レジストレーションの良い走査光学系と成っている。
【0055】
また本実施形態では前述の実施形態1,2と同様に光偏向器5の回転軸から感光ドラム21面までの光路長Lを有効走査域の長さWより短く設定したことにより、諸変動によるレジストレーションずれの生じにくい構成に成っている。
【0056】
このように本実施形態では上述の如く走査光学装置11の走査光学素子26として光偏向器5側に配したトーリックレンズ61と第1の回折光学素子64、そして感光ドラム21面側に配したシリンダーレンズ63aと第2の回折光学素子63bとが複合して成る複合光学素子63を用い、複数個の走査光学装置11,12,13,14で複数の感光ドラム21,22,23,24面上に画像記録を行うことにより、各色間のレジストレーションずれが少なく、かつ高精細印字に可能なカラー画像形成装置を実現すことができる。
【0057】
尚、各実施形態で用いている回折光学素子の構成としては、例えば図9に示す1層のキノフォーム形状の1層構成のものや、図11に示すような格子厚の異なる(又は同一の)2つの層を積層した2層構成のもの等が適用可能である。
【0058】
図10は図9に示す回折光学素子101の1次回折光の回折効率の波長依存特性である。実際の回折光学素子101の構成は、基材102の表面に紫外線硬化樹脂を塗布し、樹脂部に波長530nmで1次回折光の回折効率が100%となるような格子厚dの層103を形成している。
【0059】
図10で明らかなように設計次数の回折効率は最適化した波長530nmから離れるに従って低下し、一方設計次数近傍の次数の0次回折光と2次回折光の回折効率が増大している。その設計次数以外の回折光の増加はフレアとなり、光学系の解像度の低下につながる。
【0060】
図11に示す2つの層104,105を積層した積層型の回折光学素子の1次回折光の回折効率の波長依存特性を図12に示す。
【0061】
図11では基材102上に紫外線硬化樹脂(nd=1.499、νd=54)からなる第1層104を形成し、その上に別の紫外線硬化樹脂(nd=1.598、νd=28)からなる第2層105を形成している。この材質の組み合わせでは第1層104の格子厚d1はd1=13.8μm、第2層105の格子厚d2はd2=10.5μmとしている。
【0062】
図12から分かるように積層構造の回折光学素子にすることで、設計次数の回折効率は、使用波長全域で95%以上の高い回折効率を有している。
【0063】
なお、前述の積層構造の回折光学素子として、材質を紫外線硬化樹脂に限定するものではなく、他のプラスチック材等も使用できるし、基材によっては第1層104を直接基材に形成しても良い。また各格子厚が必ずしも異なる必要はなく、材料の組み合わせによっては図13に示すように2つの層104と105の格子厚を等しくしても良い。
【0064】
この場合、回折光学素子の表面に格子形状が形成されないので、防塵性に優れ、回折光学素子の組立作業性を向上させることができる。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば前述の如く複数の走査光学装置を有するカラー画像形成装置において、各走査光学装置を該走査光学装置の偏向素子の回転軸から像担持体までの距離を該像担持体における有効走査域の長さよりも短く、かつ該像担持体面に入射する光束の主走査面内での入射角θi を有効走査域全域において27°以下となるように設定することにより、諸変動(カラー画像形成装置本体の初期変化、環境変化)によるレジストレーションずれを最小限に抑えることができ、かつ容易な構成で色ずれを少なくすることができるコンパクトなカラー画像形成装置を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1のカラー画像形成装置の要部概略図
【図2】 図1に示した走査光学装置とそれに対応する像担持体を示した要部概略図
【図3】 図2に示した光学系の主走査方向の要部断面図
【図4】 本発明の実施形態1における走査光学装置の近軸収差図
【図5】 本発明の実施形態2のカラー画像形成装置を構成する走査光学装置の光学系の主走査方向の要部断面図
【図6】 本発明の実施形態2における走査光学装置の近軸収差図
【図7】 本発明の実施形態3のカラー画像形成装置を構成する走査光学装置の光学系の主走査方向の要部断面図
【図8】 本発明の実施形態3における走査光学装置の近軸収差図
【図9】 本発明に関わる回折光学素子の説明図
【図10】 本発明に関わる回折光学素子の波長依存特性の説明図
【図11】 本発明に関わる回折光学素子の説明図
【図12】 本発明に関わる回折光学素子の波長依存特性の説明図
【図13】 本発明に関わる回折光学素子の説明図
【図14】 従来の走査光学装置の主走査方向の要部断面図
【図15】 従来のカラー画像形成装置の要部概略図
【符号の説明】
1 光源手段(半導体レーザー)
2 第1の光学素子(コリメーターレンズ)
3 開口絞り
4 第2の光学素子(シリンダーレンズ)
5 偏向素子(光偏向器)
6,16,26 第3の光学素子(走査光学素子)
61 トーリックレンズ
62 回折光学素子
63 複合光学素子(シリンダーレンズ+回折光学素子)
64 回折光学素子
11,12,13,14 走査光学装置
21,22,23,24 像担持体(感光ドラム)
31,32,33,34 現像器
41 搬送ベルト
Claims (4)
- 偏向素子を有する走査光学装置を複数設け、該複数の走査光学装置から出射された複数の光束を各々対応する複数の像担持体面上に導光し、該複数の光束で該複数の像担持体面上を走査するカラー画像形成装置において、該複数の走査光学装置は各々該走査光学装置の偏向素子の回転軸から該像担持体面までの距離が該像担持体面における有効走査域の長さよりも短い構成であり、該偏向素子で偏向された光束を該像担持体面上に結像させるf−θ特性を有する走査光学素子を有し、該走査光学素子はパワーのある屈折光学素子と、パワーのある回折光学素子の2つの光学素子より成り、前記回折光学素子は、前記屈折光学素子より前記像担持体面側に配置されており、該像担持体面に入射する光束の主走査面内での入射角θiが有効走査域全域において27°以下となるように設定してあることを特徴とするカラー画像形成装置。
- 前記偏向素子で偏向された光束の前記走査光学素子の光軸に対する最大出射角θPが40°以上で、かつ60°以下となるように設定されていることを特徴とする請求項1のカラー画像形成装置。
- 前記屈折光学素子はプラスチック製のトーリックレンズであること
を特徴とする請求項1又は2のカラー画像形成装置。 - 前記回折光学素子はプラスチック製であることを特徴とする請求項1〜3のいづれか一項のカラー画像形成装置。
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