JP3695304B2 - 一酸化炭素除去装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムに設けられる、炭化水素等の燃料を含む改質燃料を改質した改質ガスに含有される一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
改質ガス中の一酸化炭素を除去する技術として、特開平8−100184号公報や特開平7−185303号公報に記載のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−100184号公報の技術は、触媒層と冷媒層とを積層し、反応熱が触媒層から冷媒層へ伝熱されることにより、触媒温度の上昇を抑制するものである。この種の一酸化炭素除去装置では改質ガスに酸化剤を予混合する混合器を一酸化炭素除去装置と別に設ける必要があり、部品点数の増加や製造工程の増加により、製造コストが高くなる問題がある。
【0004】
また特開平7−185303号公報に記載の技術は、触媒層と冷却層とが交互に配される触媒積層体と選択酸化触媒が充填された触媒充填体とがメッシュ板を介して接合された一酸化炭素除去装置を用いてCOを除去するものである。しかしこの装置では、改質ガスが触媒層に導入される直前に酸化剤が改質ガスに混合される場合には混合が十分行われないため、触媒層から十分離れた位置で酸化剤を導入する必要があり、十分な混合を行うためには一酸化炭素除去装置が大型化する問題がある。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解決する一酸化炭素除去装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化反応を用いて除去する一酸化炭素除去装置において、改質ガスを導入する入口から所定距離離れて一酸化炭素を反応させる触媒が充填される触媒層と、前記触媒層と熱交換する冷媒層とを隔壁を介して積層構成し、前記隔壁に設けた複数の孔を介して前記触媒層の改質ガスの導入領域に酸化剤を供給する酸化剤流路を前記冷媒層の前方に区画形成する。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記触媒層と冷媒層とが複数段積層される。
【0008】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記触媒層と前記冷媒層と前記隔壁と前記酸化剤流路とを改質ガスの流れ方向に直列に複数設け、これらを一体的に形成する。
【0009】
第4の発明は、第1から3のいずれかの発明において、前記触媒層には、その表面に触媒を付着させた波型のフィンが配置され、改質ガスを上流から下流へと流通させる。
【0010】
第5の発明は、第1から4のいずれかの発明において、前記隔壁に設けた孔の大きさは酸化材の流れ方向で下流側ほど大きく設定される。
【0011】
第6の発明は、第1から5のいずれかの発明において、前記隔壁に設けた孔の配置は酸化材の流れ方向で下流側ほど隣り合った孔同士の間隔が狭く設定される。
【0012】
【発明の効果】
第1、第4の発明では、一酸化炭素除去装置において、触媒層と冷媒層とを隔壁を介して改質ガスの流れと直交する方向に積層し、触媒を改質ガス導入口から所定距離離れて充填するとともに、隔壁に設けた孔を介して酸化剤を供給するようにしたので、改質ガスと酸化剤との混合を短時間に効率的に行うことができ、省スペースを可能とし、従来の一酸化炭素除去装置に混合器を接合したものに比して製造コストを低減することができ、かつ触媒層は積層した冷媒層からの適度な冷却を受け、適正な活性温度を維持する。
【0013】
第3の発明では、前記触媒層と前記冷媒層と前記隔壁と前記酸化剤流路とを改質ガスの流れ方向に直列に複数設け、これらを一体的に形成したので、前記第1の発明の作用効果に加えて、一酸化炭素除去能力を向上することができる
第5、6の発明では、酸化剤を供給する孔の大きさや配置を酸化材の流れに沿って変化させたので、改質ガス中の酸化剤濃度の偏りが減少し、均一な反応を生じることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一酸化炭素除去装置の基本概念図を示す。
【0015】
一酸化炭素除去装置25は、改質ガスに酸化剤を導入する酸化剤混合部26と、酸化剤が混合した改質ガス中の一酸化炭素(以下、COと示す)を選択酸化反応によって除去する触媒部27と、触媒部27と熱交換し、触媒部27の温度を調節する熱交換部28とを備える。
【0016】
触媒部27には選択酸化触媒、例えばRu/Al2O3がコーティングされたコルゲート型フィンが充填され、酸化剤が混合した改質ガスとの間で以下の酸化反応を発生させて、COを所定濃度以下に除去する。
【0017】
2CO+O2→2CO2 (1)
この反応は発熱反応であるため、触媒部27の温度が上昇する。選択酸化触媒は反応選択性が高くなる温度領域を有し、この温度領域を越えると下式に示す副反応が活発となる。
【0018】
2H2+O2→2H2O (2)
CO2+H2→CO+H2O (3)
(2)式の副反応は燃料電池スタックの燃料であるH2を消費し、(3)式の副反応はCOを生成するので、これらの副反応は燃料電池システムとしての効率を低下させる。
【0019】
そこで触媒部27を冷却するための熱交換部28を設け、触媒部27の触媒温度を調整する。なお、熱交換部28の冷媒としては例えば、オイルが用いられる。
【0020】
このようにしてCOを所定濃度(例えば100ppm)以下に除去した改質ガスを図示しない燃料電池スタックに供給する。
【0021】
図2から図5を用いて本発明の一酸化炭素除去装置の詳細を説明する。
【0022】
図2は一酸化炭素除去装置の組立状態を示しており、図3に示すように触媒層1と冷媒層3とを隔壁6を介して結合したボックス10Aから10Cを上下に積み重ねた構造となっている。本実施形態では3段構造であるが、1つのボックスそれぞれが一酸化炭素除去装置としての機能を有するので、改質ガスの流量や改質ガス中の一酸化炭素濃度によって段数を変更すればよい。
【0023】
図3を用いて1つのボックスの構成について説明すると、上部の触媒層1は改質ガスの流れ方向にボックスを貫通しており、触媒層1の内部には選択酸化触媒としての、例えばRu/Al2O3がコーティングされた触媒フィン2が触媒層1の改質ガスの入口20Aより所定寸法下流側の位置に設置される。本実施形態において触媒フィン2の形状はコルゲート型であるがこれに限ったものではない。
【0024】
触媒層1に導入された改質ガスは、触媒フィン2との間で酸化反応を生じ、改質ガス中のCOを消費する。この反応によって所定濃度以下にCO濃度を低減した改質ガスが出口20Bより排出される。
【0025】
触媒層1には、改質ガスの流れ方向に触媒フィン2の両側に位置して、冷媒を流通させるための冷媒流路用区画1A、1Bが設けられる。冷媒流路用区画1A、1Bは冷媒が触媒層1に漏れないように触媒層1と独立して設けられる一方、隔壁6に対応する位置に開口した冷媒流路用開口6A、6Bを介して触媒層1の下方に位置する冷媒層3の冷媒流路3Bに接続し、触媒層1を横切るように冷媒層3に冷媒を導入する。このように構成されて冷媒は、例えば図4に示すように、一方の冷媒流路用区画1Aより導入されて、下方の冷媒層3の冷媒流路3Bを水平に通過し、通過の際に触媒層1との間で熱交換を行い触媒層1の熱を吸収し、加熱された冷媒が冷媒流路用区画1Bから排出される。なお、冷媒流路3Bには触媒層1との熱交換を促進するの波板状のフィン8が設けられ、改質ガスと直交して冷媒を流す。
【0026】
このようにしてCO除去時の酸化反応時に生じた反応熱によって触媒層1は加熱されるが、各触媒層1の下方に設けた冷媒層3を流通する冷媒によって触媒フィン2の温度は選択酸化触媒の活性温度に調整される。なお、冷媒としてはオイル等が用いられる。
【0027】
触媒層1には図3に示すように、一方の冷媒流路用区画1Aの上流側に酸化剤を流通する酸化剤流路用区画1Cが設けられる。一方、冷媒層3の前側には冷媒流路3Bと平行に酸化剤流路3Aが区画されており、酸化剤流路用区画1Cと酸化剤流路3Aとは隔壁6に設けた酸化剤流通用開口6Cを介して連通しており、図5に示すように酸化剤流路用区画1Cに導入された酸化剤は酸化剤流路3Aに供給される。そして触媒層1と冷媒層3とを隔てる隔壁6の酸化剤流路3Aの上部に設けられた複数の酸化剤噴出孔7より酸化剤を触媒層1の改質ガスを導入する入口20A側、すなわち触媒フィン2の上流側に供給する。前述したように触媒層1の入口20Aと触媒フィン2までは所定の距離が置かれており、酸化剤はこの触媒フィン2の設置されていない導入スペース15に噴出される。
【0028】
なお、本実施形態において、一酸化炭素除去装置を構成するために、各ボックス10Aから10Cは隔壁6によって触媒層1と冷媒層3が上下方向を遮蔽され、かつその上下面を蓋4、下蓋5によってによって遮蔽されているが、これら3つのボックス10Aから10Cを積層するために、これら蓋4、隔壁6には上述した酸化剤と冷媒の流れを可能とする開口部が設けられている。すなわち蓋4には、酸化剤導入用開口4C、冷媒導入用開口4Aと冷媒排出用開口4Bが設けられている。なお下蓋5については最下段のボックス10Cのみに設けられ、他のボックス10A、10Bは蓋4が兼用する。
【0029】
このような構成とすることによって、改質ガスと酸化剤との混合を短時間で行うことができ、省スペースを可能とし、また式(1)、(2)に示した発熱反応の反応熱によって加熱された選択酸化触媒としての触媒フィン2の上下をサンドウィッチ状に取り囲むように配置した冷媒によって適度に冷却し活性温度に維持することができ、式(2)、(3)に示す副反応による燃料電池システムの効率低下を抑制できる。
【0030】
さらには本実施形態の一酸化炭素除去装置は、改質ガスと酸化剤の混合部(具体的には触媒層1の触媒フィン2の設置されていない入口近傍のスペース15)と酸化反応を行う触媒部(触媒層1)とその冷却を司る冷媒が流通する冷媒層(冷媒流路)とを一体構造とすることができるので、従来の一酸化炭素除去装置に混合器を接合したものに比して小型化でき、製造コストを低減することができる。
【0031】
次に第2の実施形態を図6から図9に示す。このうち、図7から図9には、触媒層1、隔壁6、冷媒層3の斜視図を示す。
【0032】
これは第1の実施形態の一酸化炭素除去装置を改質ガスの流れ方向に沿って直列に複数繋げて構成される。すなわち上流の30Aとその下流の30Bとを直列に接続する。このように構成することでユニット化ができ、全体の製造コストを低減することができる。
【0033】
ところで第1、第2実施形態において、図10に示すように隔壁6に設ける酸化剤噴出孔7の穴径を、酸化剤導入上流側の酸化剤流通用開口6Cから遠くなるほど大きく形成すると、酸化剤の分布を均等化することができる。これは酸化剤流通用開口6Cから遠い位置の酸化剤噴出孔7になるほど静圧が低下することによって、酸化剤の噴出量が少なくなるのを穴径を大きくすることで補い、噴出量の偏りを防止するものである。これにより改質ガス中の酸化材濃度の偏りが減少し、反応効率が向上する。
【0034】
同じく図11に示すものは、酸化剤噴出孔7の配置を酸化剤流通用開口6Cから遠くなるほど隣り合った孔同士の間隔が狭く、密になるようにしたものである。酸化剤流通用開口6Cから遠い酸化剤噴出孔7になるほど静圧が低下することによって、酸化材の噴出量が少なくなるのを酸化剤噴出孔7の配置を密にすることによって補い、噴出量の偏りを防止することができる。なお合わせて、酸化剤噴出孔7の孔径を図10と同様に変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示す概念図である。
【図2】 第1の実施形態を示す斜視図である。
【図3】 同じく各構成部材を示す分解斜視図である。
【図4】 同じく冷媒の流れを説明する、図2のI−I線断面図である。
【図5】 同じく酸化材の流れを説明する、図2のII−II線断面図である。
【図6】 第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7】 同じく触媒層の構成を示す斜視図である。
【図8】 同じく隔壁の構成を示す斜視図である。
【図9】 同じく冷媒層の構成を示す斜視図である。
【図10】 第3の実施形態を示す隔壁の斜視図である。
【図11】 第4の実施形態を示す隔壁の斜視図である。
【符号の説明】
1 触媒層
2 触媒フィン
3 冷媒層
4 蓋
5 下蓋
6 隔壁
7 酸化剤噴出孔
8 フィン
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池システムに設けられる、炭化水素等の燃料を含む改質燃料を改質した改質ガスに含有される一酸化炭素を除去する一酸化炭素除去装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
改質ガス中の一酸化炭素を除去する技術として、特開平8−100184号公報や特開平7−185303号公報に記載のものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特開平8−100184号公報の技術は、触媒層と冷媒層とを積層し、反応熱が触媒層から冷媒層へ伝熱されることにより、触媒温度の上昇を抑制するものである。この種の一酸化炭素除去装置では改質ガスに酸化剤を予混合する混合器を一酸化炭素除去装置と別に設ける必要があり、部品点数の増加や製造工程の増加により、製造コストが高くなる問題がある。
【0004】
また特開平7−185303号公報に記載の技術は、触媒層と冷却層とが交互に配される触媒積層体と選択酸化触媒が充填された触媒充填体とがメッシュ板を介して接合された一酸化炭素除去装置を用いてCOを除去するものである。しかしこの装置では、改質ガスが触媒層に導入される直前に酸化剤が改質ガスに混合される場合には混合が十分行われないため、触媒層から十分離れた位置で酸化剤を導入する必要があり、十分な混合を行うためには一酸化炭素除去装置が大型化する問題がある。
【0005】
そこで本発明は、このような問題を解決する一酸化炭素除去装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化反応を用いて除去する一酸化炭素除去装置において、改質ガスを導入する入口から所定距離離れて一酸化炭素を反応させる触媒が充填される触媒層と、前記触媒層と熱交換する冷媒層とを隔壁を介して積層構成し、前記隔壁に設けた複数の孔を介して前記触媒層の改質ガスの導入領域に酸化剤を供給する酸化剤流路を前記冷媒層の前方に区画形成する。
【0007】
第2の発明は、第1の発明において、前記触媒層と冷媒層とが複数段積層される。
【0008】
第3の発明は、第1または2の発明において、前記触媒層と前記冷媒層と前記隔壁と前記酸化剤流路とを改質ガスの流れ方向に直列に複数設け、これらを一体的に形成する。
【0009】
第4の発明は、第1から3のいずれかの発明において、前記触媒層には、その表面に触媒を付着させた波型のフィンが配置され、改質ガスを上流から下流へと流通させる。
【0010】
第5の発明は、第1から4のいずれかの発明において、前記隔壁に設けた孔の大きさは酸化材の流れ方向で下流側ほど大きく設定される。
【0011】
第6の発明は、第1から5のいずれかの発明において、前記隔壁に設けた孔の配置は酸化材の流れ方向で下流側ほど隣り合った孔同士の間隔が狭く設定される。
【0012】
【発明の効果】
第1、第4の発明では、一酸化炭素除去装置において、触媒層と冷媒層とを隔壁を介して改質ガスの流れと直交する方向に積層し、触媒を改質ガス導入口から所定距離離れて充填するとともに、隔壁に設けた孔を介して酸化剤を供給するようにしたので、改質ガスと酸化剤との混合を短時間に効率的に行うことができ、省スペースを可能とし、従来の一酸化炭素除去装置に混合器を接合したものに比して製造コストを低減することができ、かつ触媒層は積層した冷媒層からの適度な冷却を受け、適正な活性温度を維持する。
【0013】
第3の発明では、前記触媒層と前記冷媒層と前記隔壁と前記酸化剤流路とを改質ガスの流れ方向に直列に複数設け、これらを一体的に形成したので、前記第1の発明の作用効果に加えて、一酸化炭素除去能力を向上することができる
第5、6の発明では、酸化剤を供給する孔の大きさや配置を酸化材の流れに沿って変化させたので、改質ガス中の酸化剤濃度の偏りが減少し、均一な反応を生じることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一酸化炭素除去装置の基本概念図を示す。
【0015】
一酸化炭素除去装置25は、改質ガスに酸化剤を導入する酸化剤混合部26と、酸化剤が混合した改質ガス中の一酸化炭素(以下、COと示す)を選択酸化反応によって除去する触媒部27と、触媒部27と熱交換し、触媒部27の温度を調節する熱交換部28とを備える。
【0016】
触媒部27には選択酸化触媒、例えばRu/Al2O3がコーティングされたコルゲート型フィンが充填され、酸化剤が混合した改質ガスとの間で以下の酸化反応を発生させて、COを所定濃度以下に除去する。
【0017】
2CO+O2→2CO2 (1)
この反応は発熱反応であるため、触媒部27の温度が上昇する。選択酸化触媒は反応選択性が高くなる温度領域を有し、この温度領域を越えると下式に示す副反応が活発となる。
【0018】
2H2+O2→2H2O (2)
CO2+H2→CO+H2O (3)
(2)式の副反応は燃料電池スタックの燃料であるH2を消費し、(3)式の副反応はCOを生成するので、これらの副反応は燃料電池システムとしての効率を低下させる。
【0019】
そこで触媒部27を冷却するための熱交換部28を設け、触媒部27の触媒温度を調整する。なお、熱交換部28の冷媒としては例えば、オイルが用いられる。
【0020】
このようにしてCOを所定濃度(例えば100ppm)以下に除去した改質ガスを図示しない燃料電池スタックに供給する。
【0021】
図2から図5を用いて本発明の一酸化炭素除去装置の詳細を説明する。
【0022】
図2は一酸化炭素除去装置の組立状態を示しており、図3に示すように触媒層1と冷媒層3とを隔壁6を介して結合したボックス10Aから10Cを上下に積み重ねた構造となっている。本実施形態では3段構造であるが、1つのボックスそれぞれが一酸化炭素除去装置としての機能を有するので、改質ガスの流量や改質ガス中の一酸化炭素濃度によって段数を変更すればよい。
【0023】
図3を用いて1つのボックスの構成について説明すると、上部の触媒層1は改質ガスの流れ方向にボックスを貫通しており、触媒層1の内部には選択酸化触媒としての、例えばRu/Al2O3がコーティングされた触媒フィン2が触媒層1の改質ガスの入口20Aより所定寸法下流側の位置に設置される。本実施形態において触媒フィン2の形状はコルゲート型であるがこれに限ったものではない。
【0024】
触媒層1に導入された改質ガスは、触媒フィン2との間で酸化反応を生じ、改質ガス中のCOを消費する。この反応によって所定濃度以下にCO濃度を低減した改質ガスが出口20Bより排出される。
【0025】
触媒層1には、改質ガスの流れ方向に触媒フィン2の両側に位置して、冷媒を流通させるための冷媒流路用区画1A、1Bが設けられる。冷媒流路用区画1A、1Bは冷媒が触媒層1に漏れないように触媒層1と独立して設けられる一方、隔壁6に対応する位置に開口した冷媒流路用開口6A、6Bを介して触媒層1の下方に位置する冷媒層3の冷媒流路3Bに接続し、触媒層1を横切るように冷媒層3に冷媒を導入する。このように構成されて冷媒は、例えば図4に示すように、一方の冷媒流路用区画1Aより導入されて、下方の冷媒層3の冷媒流路3Bを水平に通過し、通過の際に触媒層1との間で熱交換を行い触媒層1の熱を吸収し、加熱された冷媒が冷媒流路用区画1Bから排出される。なお、冷媒流路3Bには触媒層1との熱交換を促進するの波板状のフィン8が設けられ、改質ガスと直交して冷媒を流す。
【0026】
このようにしてCO除去時の酸化反応時に生じた反応熱によって触媒層1は加熱されるが、各触媒層1の下方に設けた冷媒層3を流通する冷媒によって触媒フィン2の温度は選択酸化触媒の活性温度に調整される。なお、冷媒としてはオイル等が用いられる。
【0027】
触媒層1には図3に示すように、一方の冷媒流路用区画1Aの上流側に酸化剤を流通する酸化剤流路用区画1Cが設けられる。一方、冷媒層3の前側には冷媒流路3Bと平行に酸化剤流路3Aが区画されており、酸化剤流路用区画1Cと酸化剤流路3Aとは隔壁6に設けた酸化剤流通用開口6Cを介して連通しており、図5に示すように酸化剤流路用区画1Cに導入された酸化剤は酸化剤流路3Aに供給される。そして触媒層1と冷媒層3とを隔てる隔壁6の酸化剤流路3Aの上部に設けられた複数の酸化剤噴出孔7より酸化剤を触媒層1の改質ガスを導入する入口20A側、すなわち触媒フィン2の上流側に供給する。前述したように触媒層1の入口20Aと触媒フィン2までは所定の距離が置かれており、酸化剤はこの触媒フィン2の設置されていない導入スペース15に噴出される。
【0028】
なお、本実施形態において、一酸化炭素除去装置を構成するために、各ボックス10Aから10Cは隔壁6によって触媒層1と冷媒層3が上下方向を遮蔽され、かつその上下面を蓋4、下蓋5によってによって遮蔽されているが、これら3つのボックス10Aから10Cを積層するために、これら蓋4、隔壁6には上述した酸化剤と冷媒の流れを可能とする開口部が設けられている。すなわち蓋4には、酸化剤導入用開口4C、冷媒導入用開口4Aと冷媒排出用開口4Bが設けられている。なお下蓋5については最下段のボックス10Cのみに設けられ、他のボックス10A、10Bは蓋4が兼用する。
【0029】
このような構成とすることによって、改質ガスと酸化剤との混合を短時間で行うことができ、省スペースを可能とし、また式(1)、(2)に示した発熱反応の反応熱によって加熱された選択酸化触媒としての触媒フィン2の上下をサンドウィッチ状に取り囲むように配置した冷媒によって適度に冷却し活性温度に維持することができ、式(2)、(3)に示す副反応による燃料電池システムの効率低下を抑制できる。
【0030】
さらには本実施形態の一酸化炭素除去装置は、改質ガスと酸化剤の混合部(具体的には触媒層1の触媒フィン2の設置されていない入口近傍のスペース15)と酸化反応を行う触媒部(触媒層1)とその冷却を司る冷媒が流通する冷媒層(冷媒流路)とを一体構造とすることができるので、従来の一酸化炭素除去装置に混合器を接合したものに比して小型化でき、製造コストを低減することができる。
【0031】
次に第2の実施形態を図6から図9に示す。このうち、図7から図9には、触媒層1、隔壁6、冷媒層3の斜視図を示す。
【0032】
これは第1の実施形態の一酸化炭素除去装置を改質ガスの流れ方向に沿って直列に複数繋げて構成される。すなわち上流の30Aとその下流の30Bとを直列に接続する。このように構成することでユニット化ができ、全体の製造コストを低減することができる。
【0033】
ところで第1、第2実施形態において、図10に示すように隔壁6に設ける酸化剤噴出孔7の穴径を、酸化剤導入上流側の酸化剤流通用開口6Cから遠くなるほど大きく形成すると、酸化剤の分布を均等化することができる。これは酸化剤流通用開口6Cから遠い位置の酸化剤噴出孔7になるほど静圧が低下することによって、酸化剤の噴出量が少なくなるのを穴径を大きくすることで補い、噴出量の偏りを防止するものである。これにより改質ガス中の酸化材濃度の偏りが減少し、反応効率が向上する。
【0034】
同じく図11に示すものは、酸化剤噴出孔7の配置を酸化剤流通用開口6Cから遠くなるほど隣り合った孔同士の間隔が狭く、密になるようにしたものである。酸化剤流通用開口6Cから遠い酸化剤噴出孔7になるほど静圧が低下することによって、酸化材の噴出量が少なくなるのを酸化剤噴出孔7の配置を密にすることによって補い、噴出量の偏りを防止することができる。なお合わせて、酸化剤噴出孔7の孔径を図10と同様に変更することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示す概念図である。
【図2】 第1の実施形態を示す斜視図である。
【図3】 同じく各構成部材を示す分解斜視図である。
【図4】 同じく冷媒の流れを説明する、図2のI−I線断面図である。
【図5】 同じく酸化材の流れを説明する、図2のII−II線断面図である。
【図6】 第2の実施形態を示す斜視図である。
【図7】 同じく触媒層の構成を示す斜視図である。
【図8】 同じく隔壁の構成を示す斜視図である。
【図9】 同じく冷媒層の構成を示す斜視図である。
【図10】 第3の実施形態を示す隔壁の斜視図である。
【図11】 第4の実施形態を示す隔壁の斜視図である。
【符号の説明】
1 触媒層
2 触媒フィン
3 冷媒層
4 蓋
5 下蓋
6 隔壁
7 酸化剤噴出孔
8 フィン
Claims (6)
- 改質ガス中の一酸化炭素を選択酸化反応を用いて除去する一酸化炭素除去装置において、
改質ガスを導入する入口から所定距離離れて一酸化炭素を反応させる触媒が充填される触媒層と、
前記触媒層と熱交換する冷媒層とを隔壁を介して積層構成し、
前記隔壁に設けた複数の孔を介して前記触媒層の改質ガスの導入領域に酸化剤を供給する酸化剤流路を前記冷媒層の前方に区画形成したことを特徴とする一酸化炭素除去装置。 - 前記触媒層と冷媒層とが複数段積層されていることを特徴とする請求項1に記載の一酸化炭素除去装置。
- 前記触媒層と前記冷媒層と前記隔壁と前記酸化剤流路とを改質ガスの流れ方向に直列に複数設け、これらを一体的に形成したことを特徴とする請求項1または2に記載の一酸化炭素除去装置。
- 前記触媒層には、その表面に触媒を付着させた波型のフィンが配置され、改質ガスを上流から下流へと流通させるように構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の一酸化炭素除去装置。
- 前記隔壁に設けた孔の大きさは酸化材の流れ方向で下流側ほど大きく設定されることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の一酸化炭素除去装置。
- 前記隔壁に設けた孔の配置は酸化材の流れ方向で下流側ほど隣り合った孔同士の間隔が狭く設定されることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の一酸化炭素除去装置。
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