JP3693707B2 - 皮下組織保護具 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、対象となる皮下組織を処置作業等から保護する皮下組織保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、心臓における血管バイパス手術を行なう際に、バイパス管として体肢に存在する伏在静脈を採取して利用することが行なわれている。
伏在静脈を採取する場合、まず、伏在静脈と他の組織とを剥離する作業を行なう必要がある。伏在静脈の上側組織は、伏在静脈を覆う結合織と、その上側に脂肪と皮膚とが順次積層された構造を成す。
【0003】
伏在静脈の採取術を特に経内視鏡的に行なう場合には、伏在静脈と結合織を含む他の組織とを大きく剥離して、伏在静脈と結合織との間に伏在静脈を採取するために必要な作業空間を形成する必要がある。また、形成した作業空間内においては、剥離作業の最終段階として、剥離しきれなかった結合織を伏在静脈から剥離して切断する作業も行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような剥離作業や切断作業など、血管や神経等の皮下組織の近傍で処置を行なう場合には、その皮下組織に損傷を与えないよう、術者は細心の注意を払う必要がある。
【0005】
しかし、採取すべき伏在静脈の直上で行なわれる剥離作業や切断作業では、その作業中に処置具等によって伏在静脈を傷付けてしまう虞がある。
心臓におけるバイパス管として利用される伏在静脈は傷付けることなく採取することが必要である。これは、何も伏在静脈の採取に限ったことではなく、処置作業を行なう近傍に保護すべき組織がある場合も同様である。
【0006】
本発明は上記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、処置作業中に対象とする皮下組織を保護することができる皮下組織保護具を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明に係る皮下組織保護具は、皮下組織を覆って保護可能な幅方向と長さ方向とを有する本体部を具備し、前記本体部は、前記本体部上に有り、皮下組織に面する皮下組織保護面と、前記本体部を基準として前記皮下組織保護面の反対側に配置され、皮下組織の周辺を剥離もしくは切除する処置具を案内するガイドを有する処置具案内面とを備えている。
また、前記本体部は、板状であることが好適である。
また、前記ガイドは、前記本体部の前記長さ方向に沿って設けられた案内溝を備えていることが好適である。
また、前記ガイドは、前記本体部の長さ方向に配設されて前記処置具を挿通可能で、先端が閉塞された孔と、前記孔の先端側、かつ、前記皮下組織保護面の反対側に設けられた開口とを備えていることが好適である。
また、前記本体部は、先端側が細いテーパ状であることが好適である。
また、前記本体部は、先端側縁部が滑らかな鈍形状を備えていることが好適である。
また、前記本体部は、先端側に任意の器具と着脱自在に接続可能な接続部を備えていることが好適である。
また、前記本体部は、前記幅方向に張り出して前記皮下組織内へ挿入不能な張出部を基端部に備えていることが好適である。
また、前記皮下組織保護面は、保護対象となる皮下組織を収容して保護するために前記長さ方向に沿って形成された収容溝を備えていることが好適である。
また、前記本体部は、内視鏡の挿入部を挿通可能な孔を備えていることが好適である。
【0008】
これらの構成によれば、本体部によって組織と処置具との接触が積極的に防止され、皮下組織案内面や処置具案内面によって組織と処置具との接触を防止しながら処置具を案内することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1ないし図7は本発明の第1の実施形態を示している。図1の(a)に示すように、本実施形態の皮下組織保護具1は、皮下組織内へと挿入可能な板状の長尺部材として形成されており、保護対象となる皮下組織を覆って保護することができる幅と長さとを有する本体部1aを有している。また、本体部1aの基端部には幅方向に張り出した張出部1bが設けられている。この張出部1bは、後述する生体の処置対象部位の皮切部から皮下組織内へ挿入不可能な幅で張り出している。
【0010】
保護対象となる皮下組織を覆う本体部1aの保護面(図1では下面)2は、凹凸のない滑らかな平面に形成されている。また、保護面2と反対側の面(図1では上面…以下、案内面という。)4には、処置具を案内する案内溝6が軸方向に全長にわたって形成されている。
【0011】
なお、本体部1aを皮下組織内へ容易に挿入できるように、本体部1aの先端側は先細りのテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けないように、本体部1aの先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。また、本体部1aの先端には、処置具等と着脱自在に接続可能な接続部7が設けられている。
【0012】
次に、上記構成の皮下組織保護具1を用いて内視鏡的伏在静脈採取術を行なう場合について説明する。この術式は、例えば心臓における血管バイパス手術を行なう際に必要となるバイパス管として大腿部下に存在する伏在静脈を採取して利用するために行なわれるものである。この術式では、伏在静脈を傷付けないように採取することが重要であるため、本実施形態の皮下組織保護具1が必要不可欠となる。
【0013】
まず、図2に示すように、採取する伏在静脈9の走行に沿って大腿部8の複数箇所に切開を加えて皮切部を形成し、各皮切部で剥離鉗子等により伏在静脈9を露出させる。皮切部の数は、採取する伏在静脈9の長さと皮下組織保護具1の長さとから決定する。図では、簡単のため、2つの皮切部10,11が示されている。
【0014】
次に、図3に示すように、剥離子12を皮切部10から皮切部11に向かって皮下組織内へと挿入していく。図示のように、伏在静脈9の上側に存在する組織は、皮膚15と脂肪16と結合織17とが順次積層された構造を成しており、保護対象の皮下組織である伏在静脈9と結合織17との間に剥離子12を挿入していき、剥離子12の先端によって伏在静脈9と結合織17とを剥離していく。この剥離作業は、剥離子12内に挿通された内視鏡13によって剥離状況を常にチェックしながら行なう。なお、剥離子12の少なくとも先端部は透明な素材によって形成されており、伏在静脈9と伏在静脈9から側方に分岐する側枝(図示しない)とを内視鏡13によって鮮明に観察できるようになっている。
【0015】
皮切部10から皮切部11に至る伏在静脈9と結合織17との剥離が完了して剥離子12の先端部を皮切部11から外部に突出させたら、今度は、皮切部10から突出している剥離子12の基端部の接続部20に皮下組織保護具1の接続部7を接続する。この接続は、図4の(a)に示すように、捩じ込み式のものであっても、また、図4の(b)に示すようにラッチ係合式のものであっても良い。
【0016】
次に、剥離子12の基端部の接続部20に皮下組織保護具1の接続部7を接続した状態で、剥離子12を皮下組織内から引き出して皮下組織保護具1を伏在静脈9と結合織17との間の剥離空間に引き込む。この時、皮下組織保護具1の本体部1aの実質的断面積を剥離子12の実質的断面積以下としておけば、皮下組織保護具1を伏在静脈9と結合織17との間に容易に挿入することができる。
【0017】
図5は、剥離子12に代わって皮下組織保護具1が伏在静脈9と結合織17との間に挿入されて留置された状態を示している。この状態では、皮下組織保護具1から剥離子12が取り外され、伏在静脈9が本体部1aの保護面2によって上側から完全に覆われている。また、この状態では、張出部1bが皮切部10に当接して皮切部11側への皮下組織保護具1のずれが防止される。
【0018】
この状態で、今度は、図6に示すように、基端部に処置具としての腔作成具22が接続されたガイド棒23の先端側を皮切部10から導入し、このガイド棒23を皮下組織保護具1の本体部1aの案内溝6に沿って押し進める。ガイド棒23の先端側が皮切部11から突出したら、そのままガイド棒23を皮切部11から外部に引き出して、腔作成具22を伏在静脈9と結合織17との間の剥離空間に引き込む。この時、図7に示すように、腔作成具22は、その下面に長手方向に沿って形成された突起23が案内溝6にガイドされながら引き込まれる。これによって、伏在静脈9と結合織17との剥離状態が腔作成具22の拡張部22aによって広げられて、伏在静脈9の上側すなわち皮下組織保護具1の上側に処置作業を行なうのに十分な広さの腔が形成される。この場合、伏在静脈9は皮下組織保護具1によって保護されているため、腔作成具22による腔作成作業によって伏在静脈9が傷付けられることはない。なお、ガイド棒23の先端側の外周面には指掛け用の凹凸が形成されており、ガイド棒23の先端側を把持して引張る操作を滑ることなく容易に行なえるようになっている。
【0019】
以上のようにして伏在静脈9の上側に所定の大きさの腔を形成したら、図示しない腔確保具によって腔を確保した状態で皮下組織内から皮下組織保護具1を抜き取る。続いて、腔が確保された空間内で伏在静脈9の切除作業を行ない、伏在静脈9を皮切部から採取する。
【0020】
以上説明したように、本実施形態の皮下組織保護具1は、皮下組織を覆って保護する保護面2を有しているため、各種の処置作業中における皮下組織の損傷を防止することができる。したがって、伏在静脈9のような皮下組織を採取する場合は、これを傷付けることなく採取することができる。
【0021】
また、皮下組織保護具1は、ガイド棒23や腔作成具22といった処置具を案内する案内溝6を有しているため、皮下組織内への処置具の挿入を容易に行なうことができる。
【0022】
また、皮下組織保護具1は、本体部1aの先端側が先細りのテーパ状に形成されているため、本体部1aを皮下組織内へ容易に挿入できる。また、本体部1aの先端縁が滑らかな鈍形状に形成されているため、皮下組織内への挿入時に組織を傷付けてしまうこともない。
【0023】
また、本体部1aの先端には、処置具等と着脱自在に接続可能な接続部7が設けられているため、接続する処置具等によって本体部1aを牽引させるようにすれば、本体部1aの皮下組織内への挿入が容易となる。
【0024】
また、本体部1aの基端部には幅方向に張り出した張出部1bが設けられているため、皮下組織内への本体部1aのそれ以上の挿入が防止されるとともに、張出部1bを皮切部10等に当接させれば、皮下組織保護具1の軸方向のずれが防止される。また、張出部1bは、本体部1aを皮下組織内から引き抜く際に把持可能な取手として機能するから、本体部1aの引き抜き動作が容易となる。
【0025】
図8は本発明の第2の実施形態を示している。本実施形態の皮下組織保護具 1´の本体部1aの保護面2には、保護対象となる皮下組織を収容して保護するための収容溝25が長手方向に沿って形成されている。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。
【0026】
この構成によれば、図8に示すように、保護対象となる例えば伏在静脈9を収容溝25に収容するように配置すれば、伏在静脈9を圧迫することなく保護することができる。
【0027】
図9は、本発明の第3の実施形態を示している。本実施形態の皮下組織保護具1´´ は、本体部1aの保護面2に長手方向に沿って突起26が形成されている。それ以外の構成は、第1の実施形態と略同一である。
【0028】
このような構成の皮下組織保護具1´´は、例えば第1の実施形態で示した内視鏡的伏在静脈採取術において大きさの異なる複数の腔作成具22によって伏在静脈9と結合織17との剥離状態を次第に大きく広げていく場合に有益となる。すなわち、伏在静脈9と結合織17との剥離状態が大きくなると、それに伴って皮下組織保護具も大きなものと交換する必要がでてくる。
【0029】
従って、例えば皮下組織保護具1をこれよりも幅広な皮下組織保護具1´´と交換しようとする場合には、図10に示すように、皮下組織保護具1の案内溝6に皮下組織保護具1´´の突起26を係合させた状態で、皮下組織保護具1´´を皮下組織保護具1と完全に重なるまで皮下組織保護具1の案内面4に沿って移動させればよい。これによって、皮下組織保護具1´´が結合織17内に潜り込むようにして皮下組織保護具1上に配置される。この状態で、皮下組織保護具1を引き抜けば、皮下組織保護具1´´が皮下組織保護具1に取って代えられる。
【0030】
図11ないし図14は本発明の第4の実施形態を示している。図11の(a)に示すように、本実施形態の皮下組織保護具40は、皮下組織内に挿入可能な略棒状の長尺部材として形成されており、保護対象となる皮下組織の少なくとも一部を覆って保護することができる幅と長さとを有する本体部40a を有している。また、本体部40aの基端には本体部40aよりも細径な操作棒40bが接続されている。
【0031】
図11の(b)に示すように、皮下組織保護具40の本体部40aは、その断面が略偏平形状になっている。保護対象となる皮下組織と接する本体部40aの保護面42には、皮下組織を収容して保護する収容溝47がその全長にわたって形成されている。また、保護面42と反対側の案内面44には、処置具を案内する案内溝46が長手方向に沿って形成されている。この案内溝46は、両端が壁によって終端しており、特に先端側の溝壁30は、案内溝46に沿って案内される処置具の先端側への突出を規制する。なお、案内溝46は本体部40aの全長にわたって形成されていても良い。
【0032】
また、本体部40aを皮下組織内へ容易に挿入できるように、且つ、保護対象の皮下組織と他の皮下組織とを容易に剥離することができるように、本体部40aの先端側は先細りのテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けないように、本体部40aの先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。
【0033】
次に、上記構成の皮下組織保護具40を用いて内視鏡的伏在静脈採取術を行なう場合について、図12ないし図14を参照しながら説明する。
まず、第1の実施形態で述べたと同様な作業によって伏在静脈9の上側に所定の大きさの腔を形成し、この腔をドーム型の腔確保具39によって確保する。この状態が図12の(a)に示されている。腔確保具39によって確保された空間内では、伏在静脈9が結合織17によって一部被膜された状態で露出している。これは、剥離子12による剥離作業時に、剥離子12が結合織17を介して通過する場合があるためである。なお、図中、19は伏在静脈9から分岐する側枝である。
【0034】
このような状態では、ハサミ鉗子等によって膜状組織である結合織17を伏在静脈9から剥離する作業が必要となる。そのため、まず、腔確保具39によって確保された空間内に皮切部10から皮下組織保護具40を導入する。そして、図中矢印で示すように剥離されていない結合織17と伏在静脈9との間に向けて皮下組織保護具40を押し進める(図12の(b)参照)。なお、この作業は、腔確保具39内に導入された図示しない内視鏡による観察下で行なう。
【0035】
そして、図13に示すように、剥離されていない結合織17と伏在静脈9との間に皮下組織保護具40を挿入して組織9,17同志を剥離する。この時、伏在静脈9が収容溝47に沿うように皮下組織保護具40を挿入していく。図13の(b)はその時の縦断面を示し、図13の(c)は横断面を示している。また、この時、ハサミ鉗子38の刃を案内溝46に沿わせて挿入していく。
【0036】
皮下組織保護具40によって組織9,17同志をある程度剥離したら、図14に示すように、ハサミ鉗子38の刃を案内溝46に沿って押し進めて、結合織17を上刃と下刃との間に位置させる。そして、この状態で結合織17 を切断する。この作業を伏在静脈9の全長が露出するまで繰り返す。
【0037】
伏在静脈9の全長が露出したら、側枝のクリップと切断とを行ない、伏在静脈9の切除作業を行なった後に、伏在静脈9を皮切部を通じて取り出す。
以上説明したように、本実施形態の皮下組織保護具40は、皮下組織を覆って保護する保護面42を有しているため、各種の処置作業中における皮下組織の損傷を防止することができる。すなわち、例えば直接にハサミ鉗子38を伏在静脈9に沿わせて導入して結合織17の切断を行なうと、ハサミ鉗子38によって伏在静脈9を傷付ける虞があるが、本実施形態のように保護面42によって伏在静脈9を保護すれば、伏在静脈9を傷付けることなく案内溝46に沿ってハサミ鉗子38を案内して結合織17の切断を行なうことができる。
【0038】
また、本実施形態の皮下組織保護具40は、保護対象となる例えば伏在静脈9を収容溝47に収容することができるため、伏在静脈9を圧迫することなく保護することができる。
【0039】
また、皮下組織保護具40は、本体部40aの先端側が先細りのテーパ状に形成されているため、本体部40aを皮下組織内へ容易に挿入でき、組織同志の剥離を容易に行なうことができる。また、この時、本体部40aの先端縁が滑らかな鈍形状に形成されているため、剥離時に保護すべき例えば伏在静脈9を傷付けてしまうこともない。
【0040】
図15は本発明の第5の実施形態を示している。本実施形態では、本体部40aの先端が上方に向けられている点以外、第4の実施形態と同一である。
このような先端形状によれば、上側の組織を下側の組織に対してすくい上げるようにして剥離することができる。
【0041】
図16は本発明の第6の実施形態を示している。本実施形態の皮下組織保護具50は、長尺な管状部材として形成されている。図示のように、皮下組織保護具50は内視鏡55の挿入部55aを挿通可能な孔52を有している。孔52の先端は閉塞され、孔52の基端は開口している。
【0042】
皮下組織保護具50は、その全長にわたって透明材料によって形成されており、孔52内に挿入された内視鏡55による観察が可能となっている。また、皮下組織保護具50には、処置具等を案内可能な案内溝51がその全長にわたって形成されている。
【0043】
また、皮下組織保護具50の先端部は、皮下組織内へ容易に挿入できるように、且つ、保護対象の皮下組織と他の皮下組織とを容易に剥離することができるように、先細りのテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けないように、皮下組織保護具50の先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。
【0044】
このような構成の皮下組織保護具50では、基端の開口を通じて孔52内に内視鏡55の挿入部55aを挿通して観察しながら処置を行なうことができる。例えば、案内溝51に沿ってハサミ鉗子を案内して処置しながら、その様子を内視鏡55で観察することができる。
【0045】
また、皮下組織保護具50は、処置具と保護すべき皮下組織との接触を防止するため、すなわち、皮下組織保護具50それ自身によって下側に位置する皮下組織を保護するため、剥離作業等の処置中に皮下組織を処置具によって傷付けてしまうことがない。
【0046】
図17ないし図18は本発明の第7の実施形態を示している。図17に示すように、本実施形態の皮下組織保護具60は、長尺な管状部材として形成されている。図示のように、皮下組織保護具60はハサミ鉗子等の処置具65を挿通可能な孔62を有している。孔62の先端は閉塞され、孔62 の基端は開口している。また、皮下組織保護具60の先端部には孔62を外部に開放させる開口61が形成されている。この開口61は、例えばハサミ鉗子65の鉗子部66の動作と干渉しないような大きさに設定される。
【0047】
また、皮下組織保護具60の先端部は、皮下組織内へ容易に挿入できるように、且つ、保護対象の皮下組織と他の皮下組織とを容易に剥離することができるように、先細りのテーパ状に形成されている。また、組織を傷付けないように、皮下組織保護具60の先端縁は滑らかな鈍形状に形成されている。
【0048】
このような構成の皮下組織保護具60を使用する場合は、まず、図18に示すように、皮下組織保護具60の基端開口から孔62内に例えばハサミ鉗子65を挿入して、鉗子部66を開口61に位置させる。そして、図19に示すように、鉗子部66の一対の刃66a,66bを開いた状態で皮下組織保護具60を例えば伏在静脈9と結合織17との間に挿入して剥離していき、ある程度剥離した状態で刃66a,66bによって結合織17を切断する。
【0049】
以上のように、本実施形態の皮下組織保護具60は、処置具65を孔62内に収容し、処置に関与する鉗子部66のみを開口61から露出させるようにしているため、案内溝で処置具を案内する場合に比べ、保護すべき組織と処置具65との接触を確実に防止することができる。
【0050】
ところで、以上説明してきた実施態様によれば、以下のごとき構成が得られる。
1.皮下組織の処置において皮切部から挿入され、対象皮下組織上に留置されれる本体部を有し、この本体部の上面に処置具をガイドする案内溝が長手軸に沿って形成されていることを特徴とする皮下組織保護具。
【0051】
2.前記本体部は、処置(保護)対象皮下組織を十分に覆う長さに形成されていることを特徴とする第1項に記載の皮下組織保護具。
3.前記本体部の長さは、少なくとも皮切部間の長さ以上に設定されていることを特徴とする第2項に記載の皮下組織保護具。
【0052】
4.前記本体部は、皮下組織側の面(下面)に保護対象組織を収納する窪みを有することを特徴とする第1項ないし第3項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
【0053】
5.前記本体部に牽引手段が設けられていることを特徴とする第1項ないし第4項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
6.前記牽引手段が着脱自在であることを特徴とする第5項に記載の皮下組織保護具。
【0054】
7.前記本体部は少なくとも一部の幅が大きくなっていることを特徴とする第1項ないし第5項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
8.前記本体部は、少なくともその一端部が、挿入側皮切口の幅よりも大きな幅を有していることを特徴とする第7項に記載の皮下組織保護具。
【0055】
9.前記本体部の挿入側先端は、挿入しやすいように先細りの形状となっており、最先端が鈍的に形成されていることを特徴とする第1項ないし第8項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
【0056】
10.前記案内溝は、挿入側先端部付近で壁をもって終端していることを特徴とする第1項ないし第9項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
11.前記本体部が板状であることを特徴とする第1項ないし第10項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
【0057】
12.前記本体部が透明であることを特徴とする第1項ないし第11項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
13.前記本体部は、内視鏡を内蔵可能な腔を有し、透明であることを特徴とする第1項ないし第11項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
【0058】
14.前記本体部の断面積は、本体部の前に体内に挿入される処置具(剥離子等)の断面積以下であることを特徴とする第1項ないし第12項のいずれか1項に記載の皮下組織保護具。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の皮下組織保護具によれば、本体部によって組織と処置具との接触が積極的に防止され、案内手段によって組織と処置具との接触を防止しながら処置具を案内することができる。
したがって、皮下組織を傷付けることなく皮下組織の近傍で処置作業を安全に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施形態に係る皮下組織保護具の斜視図、(b)は(a)のAーA線に沿う断面図である。
【図2】大腿部に皮切を設けた様子を示す平面図である。
【図3】図1の皮下組織保護具を皮下組織内に挿入する様子を示す断面図である。
【図4】皮下組織保護具と処置具との接続態様を示す斜視図である。
【図5】皮切部間に皮下組織保護具を挿通した状態を示す斜視図である。
【図6】皮下組織保護具が留置された皮切部間に腔作成具を挿入する様子を示す平面図である。
【図7】皮下組織保護具と腔作成具とが挿通された皮下組織の断面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る皮下組織保護具と腔作成具とが挿通された皮下組織の断面図である。
【図9】(a)は本発明の第3の実施形態に係る皮下組織保護具の正面図、(b)は該皮下組織保護具の側面図、(c)は該皮下組織保護具の下面図である。
【図10】図9の皮下組織保護具と体内に留置された別の皮下組織保護具とを交換する様子を示す斜視図である。
【図11】(a)は本発明の第4の実施形態に係る皮下組織保護具の斜視図、(b)は(a)のBーB線に沿う断面図、(c)は該皮下組織保護具の側断面図である。
【図12】(a)は図11の皮下組織保護具を伏在静脈と結合織との間に挿入する様子を示す図、(b)は(a)の側断面図である。
【図13】(a)は図11の皮下組織保護具を用いて伏在静脈と結合織とを剥離する様子を示す図、(b)は(a)の側断面図、(c)は(b)のCーC線に沿う断面図である。
【図14】(a)は図11の皮下組織保護具によって案内されたハサミ鉗子を用いて結合織を切断する様子を示す図、(b)は(a)の側断面図である。
【図15】本発明の第5の実施形態に係る皮下組織保護具の側断面図である。
【図16】(a)は本発明の第6の実施形態に係る皮下組織保護具の斜視図、(b)は該皮下組織保護具の横断面図、(c)は該皮下組織保護具の縦側断面図である。
【図17】本発明の第7の実施形態に係る皮下組織保護具の斜視図である。
【図18】図17の皮下組織保護具に処置具を挿通した状態を示すもので、(a)は横断面図、(b)は縦側断面図、(c)は平面図である。
【図19】図17の皮下組織保護具と処置具とを用いて結合織を切断する様子を示す図である。
【符号の説明】
1,1´,1´´,40,50,60…皮下組織保護具、1a,40a…本体部、6,46,51…案内溝(案内手段)、62…孔(案内手段)。

Claims (10)

  1. 皮下組織を覆って保護可能な幅方向と長さ方向とを有する本体部を具備し、
    前記本体部は、
    前記本体部上に有り、皮下組織に面する皮下組織保護面と、
    前記本体部を基準として前記皮下組織保護面の反対側に配置され、皮下組織の周辺を剥離もしくは切除する処置具を案内するガイドを有する処置具案内面と
    を備えていることを特徴とする皮下組織保護具。
  2. 前記本体部は、板状であることを特徴とする請求項1に記載の皮下組織保護具。
  3. 前記ガイドは、前記本体部の前記長さ方向に沿って設けられた案内溝を備えていることを特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の皮下組織保護具。
  4. 前記ガイドは、
    前記本体部の長さ方向に配設されて前記処置具を挿通可能で、先端が閉塞された孔と、
    前記孔の先端側、かつ、前記皮下組織保護面の反対側に設けられた開口と
    を備えていることを特徴とする請求項1に記載の皮下組織保護具。
  5. 前記本体部は、先端側が細いテーパ状であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1に記載の皮下組織保護具。
  6. 前記本体部は、先端側縁部が滑らかな鈍形状を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1に記載の皮下組織保護具。
  7. 前記本体部は、任意の器具と着脱自在に接続可能な接続部を先端側に備えていることを特徴とする請求項1に記載の皮下組織保護具。
  8. 前記本体部は、前記幅方向に張り出して前記皮下組織内へ挿入不能な張出部を基端部に備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか1に記載の皮下組織保護具。
  9. 前記皮下組織保護面は、保護対象となる皮下組織を収容して保護するために前記長さ方向に沿って形成された収容溝を備えていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1に記載の皮下組織保護具。
  10. 前記本体部は、内視鏡の挿入部を挿通可能な孔を備えていることを特徴とする請求項1に記載の皮下組織保護具。
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