JP3693459B2 - ポリッシング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は半導体ウエハ等のポリッシング対象物を平坦且つ鏡面状に研磨するポリッシング装置に係り、特にポリッシング対象物の周縁部の研磨量を制御する機構を具備したポリッシング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体デバイスの高集積化が進むにつれて回路の配線が微細化し、配線間距離もより狭くなりつつある。特に線幅が0.5μm以下の光リソグラフィの場合、許容される焦点深度が浅くなるためステッパーの結像面の平坦度を必要とする。そこで、半導体ウエハの表面を平坦化することが必要となるが、この平坦化法の1手段としてポリッシング装置により研磨することが行われている。
【0003】
従来、この種のポリッシング装置は、ターンテーブルとトップリングとを有し、トップリングが一定の圧力をターンテーブルに与え、ターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて、砥液を供給しつつ該ポリッシング対象物の表面を平坦且つ鏡面に研磨している。
【0004】
上述したポリッシング装置において、研磨中のポリッシング対象物と研磨布との間の相対的な押圧力がポリッシング対象物の全面に亘って均一でないと、各部分の押圧力に応じて研磨不足や過研磨が生じてしまう。よって、従来のポリッシング装置においては、上記の押圧力の不均一を避けるための手段として、
▲1▼ トップリングの半導体ウエハ保持面に、弾性を有する例えばポリウレタン等の弾性マットを貼ること、
▲2▼ ポリッシング対象物の保持部、即ちトップリングを、研磨布の表面に対して傾動可能にすること、
▲3▼ 研磨布の研磨部の周囲の部分を、トップリング及びポリッシング対象物とは独立して押圧することにより、研磨布の研磨領域とその周囲の段差を防ぐこと、等が行われている。
【0005】
図4は従来のポリッシング装置の一例の主要部を示す図である。ポリッシング装置は、上面に研磨布42を貼った回転するターンテーブル41と、回転および押圧可能にポリッシング対象物である半導体ウエハ43を保持するトップリング45と、研磨布42に砥液Qを供給する砥液供給ノズル48を備えている。トップリング45はトップリングシャフト49に連結されており、またトップリング45はその下面にポリウレタン等の弾性マット47を備えており、弾性マット47に接触させて半導体ウエハ43を保持する。さらにトップリング45は、研磨中に半導体ウエハ43がトップリング45の下面から外れないようにするため、円筒状のガイドリング46Aを外周縁部に備えている。ここで、ガイドリング46Aはトップリング45に対して固定されており、その下端面はトップリング45の保持面から突出するように形成され、ポリッシング対象物である半導体ウエハ43が保持面内に保持され、研磨中に研磨布42との摩擦力によってトップリング外へ飛び出さないようになっている。
【0006】
半導体ウエハ43をトップリング45の下面の弾性マット47の下部に保持し、ターンテーブル41上の研磨布42に半導体ウエハ43をトップリング45によって押圧するとともに、ターンテーブル41およびトップリング45を回転させて研磨布42と半導体ウエハ43を相対運動させて研磨する。このとき、砥液供給ノズル48から研磨布42上に砥液Qを供給する。砥液は、例えばアルカリ溶液に微粒子からなる砥粒を懸濁したものを用い、アリカリによる化学的研磨作用と、砥粒による機械的研磨作用との複合作用によって半導体ウエハを研磨する。
【0007】
図5は、図4に示すポリッシング装置による研磨時の半導体ウエハと研磨布と弾性マットの状態を示す拡大断面図である。図5に示すように、ポリッシング対象物のみが研磨布を押圧する構造になっている場合には、ポリッシング対象物である半導体ウエハ43の周縁は、研磨布42との接触/非接触の境界であると同時に、弾性マット47との接触/非接触との境界になっている。このため、これらの境界であるポリッシング対象物の周縁において、ポリッシング対象物に加わる研磨圧力が不均一になり、ポリッシング対象物の周縁のみが多く研磨され、いわゆる「縁だれ」を起こしてしまうという欠点があった。
【0008】
上述した半導体ウエハの縁だれを防止するため、本件出願人は、先に特願平7−287976号にて半導体ウエハの外周側に位置する研磨布を押圧する構造を有したポリッシング装置を提案している。
【0009】
図6は、特願平7−287976号にて提案したポリッシング装置の例の主要部を示す図である。トップリング45はボール65を介してトップリングシャフト66に連結されている。ガイドリング46はキー58を介してトップリング45に連結されており、ガイドリング46はトップリング45に対して上下動自在であるとともにトップリング45と一体に回転可能になっている。そして、ガイドリング46はベアリング59を保持したベアリング押さえ60及びシャフト61を介してガイドリング用エアシリンダ62に連結されている。ガイドリング用エアシリンダ62はトップリングヘッド59に固定されている。ガイドリング用エアシリンダ62は円周上に複数個(例えば3個)配設されている。トップリング用エアシリンダ60及びガイドリング用エアシリンダ62は、それぞれレギュレータR1,R2を介して圧縮空気源64に接続されている。
【0010】
前記レギュレータR1によってトップリング用エアシリンダ60へ供給する空気圧を調整することによりトップリング45が半導体ウエハ43をターンテーブル41上の研磨布42に押圧する押圧力を調整することができ、レギュレータR2によってガイドリング用エアシリンダ62へ供給する空気圧を調整することによりガイドリング46が研磨布42を押圧する押圧力を調整することができる。このトップリングの押圧力に対するガイドリングの押圧力を適宜調整することにより、半導体ウエハの中心部から周縁部、さらには半導体ウエハの外側にあるガイドリング46の外周部までの研磨圧力の分布が連続かつ均一になる。そのため、半導体ウエハ43の外周部における研磨量の過不足を防止することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本件出願人が先に特願平7−287976号において提案したポリッシング装置では、トップリング45とガイドリング46とは一体に回転するようになっている。そのため、トップリング45の下端面に保持された半導体ウエハ43とガイドリング46との間での相対回転はなく、半導体ウエハ43の周縁部とガイドリング46の内周部とは常に同一部位同士が対面した状態で研磨が行われていた。
【0012】
しかしながら、ガイドリングの押圧面は、微視的には平坦とは言い難く、わずかながらうねりが存在する。この押圧面のうねりのために、研磨布の変形量に微小な差異が生じ、半導体ウエハの周縁部近傍の研磨布が均一に変形されず、これが半導体ウエハの周縁部の研磨量に影響し、半導体ウエハの周縁部全周が均一に研磨されないという問題点があった。またガイドリングの上下方向の板厚が全周に亘って均一でないことも、半導体ウエハの周縁部全周が均一に研磨されない要因となっていた。
【0013】
本発明は上述の事情に鑑みなされたもので、半導体ウエハ等のポリッシング対象物の周縁部における研磨量を全周に亘って均一にすることができるポリッシング装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため本発明のポリッシング装置は、上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとを有し、前記ターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の力で押圧することによって該ポリッシング対象物を研磨し、平坦且つ鏡面化するポリッシング装置において、前記ポリッシング対象物を収容する凹部を有したトップリングの周囲に押圧リングを上下動自在に配置し、前記押圧リングを研磨布に対して可変の押圧力で押圧する押圧手段を設け、前記トップリングと前記押圧リングとを相対回転可能に構成し、前記トップリングは、自身の軸線に対して回転可能に構成され、前記押圧リングは、自身の軸線に対して非回転に構成されていることを特徴とするものである。
【0015】
本発明によれば、トップリングと押圧リングとが相対回転可能に構成されているため、研磨中にトップリングの下端面に保持されたポリッシング対象物と押圧リングとの間で相対移動を生ずる。そのため、ポリッシング対象物の周縁部と押圧リングの内周部とは常に異なった部位同士が対面した状態で研磨が行われている。したがって、押圧リングの押圧面にうねりがあったり、また押圧リングの上下方向の板厚が全周に亘って均一でないことに起因してポリッシング対象物の周縁部近傍の研磨布が均一に変形されなかったとしても、ポリッシング対象物の押圧リングに対する回転によってポリッシング対象物の周縁部の研磨量が平準化され、ポリッシング対象物の周縁部全周が均一に研磨される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るポリッシング装置の一実施例を図1乃至図3を参照して説明する。図1はポリッシング装置の全体構成を示す断面図であり、図2はトップリング及び押圧リングの部分を示す拡大断面図であり、図3は図2の要部拡大断面図である。
【0017】
図1および図2において、符号1はトップリングであり、トップリング1は、トップリング本体1Aと、トップリング本体1Aの外周部にボルト31によって着脱可能に固定されたリテーナリング1Bとからなり、半導体ウエハ4を収容する凹部1aはトップリング本体1Aの下面とリテーナリング1Bによって形成されている。そして、トップリング本体1Aの下面によって半導体ウエハ4の上面を保持し、リテーナリング1Bによって半導体ウエハ4の外周部を保持するようになっている。前記トップリング本体1Aおよびリテーナリング1Bの周囲には押圧リング3が上下動可能に設けられている。また押圧リング3とトップリング1との間には、トップリング1の過度な傾動を抑制するための略U字状の断面を有する板バネ17が介装されている。
【0018】
前記トップリング1の下面には弾性マット2が貼着されている。またトップリング1の下方には、上面に研磨布6を貼ったターンテーブル5が設置されている。またトップリング本体1Aには凹球面32aを有した取付フランジ32が固定されている。トップリング1の上方にはトップリングシャフト8が配置されている。トップリングシャフト8の下端には、凹球面34aを有した駆動軸フランジ34が固定されている。そして、前記両凹球面32a,34a間には、球ベアリング7が介装されている。また、トップリング本体1Aと取付フランジ32との間には空間33が形成され、この空間33に真空、加圧空気、水等の液体が供給できるようになっている。トップリング本体1Aは空間33と連通して下面に開口する多数の連通孔35を有している。弾性マット2も同様に前記連通孔35に対向した位置に開口を有している。これによって、半導体ウエハ4(図1参照)の上面を真空によって吸着可能であり、又、半導体ウエハ4の上面に液体又は加圧空気を供給できるようになっている。
【0019】
前記トップリングシャフト8はトップリングヘッド9に固定されたトップリング用エアシリンダ10に連結されており、このトップリング用エアシリンダ10によってトップリングシャフト8は上下動し、トップリング1の下端面に保持された半導体ウエハ4をターンテーブル5に押圧するようになっている。
【0020】
また、トップリングシャフト8はキー(図示せず)を介して回転筒11に連結されており、この回転筒11はその外周部にタイミングプーリ12を有している。そして、タイミングプーリ12は、タイミングベルト13を介して、トップリングヘッド9に固定されたトップリング用モータ14に設けられたタイミングプーリ15に接続されている。したがって、トップリング用モータ14を回転駆動することによってタイミングプーリ15、タイミングベルト13およびタイミングプーリ12を介して回転筒11及びトップリングシャフト8が一体に回転し、トップリング1が回転する。トップリングヘッド9は、フレーム(図示せず)に固定支持されたトップリングヘッドシャフト16によって支持されている。
【0021】
トップリング1の周囲に設けられた押圧リング3は、図2および図3に示すように、最下位置にあってアルミナセラミックからなる第1押圧リング部材3aと、第1押圧リング部材3aの上方にあるステンレス鋼からなる第2,第3押圧リング部材3b,3cと、最上方位置にあるステンレス鋼からなる第4押圧リング部材3dとから構成されている。第2〜第4押圧リング部材3b〜3dは、ボルト36によって相互に接続されており、第1押圧リング部材3aは第2押圧リング部材3bに接着等によって固定されている。第1押圧リング部材3aの下端面は、内周側のみが下方に突出して段差を形成しており、内周側のみが研磨布6を押圧する押圧面になっている。押圧リング3の上端部は押圧リング用エアシリンダ22に連結されている。押圧リング用エアシリンダ22はトップリングヘッド9に固定されている。押圧リング用エアシリンダ22は円周上に複数個(例えば3個)配設されている。またリテーナリング1Bはステンレス鋼等の金属からなり、図3の太線に示すように、その下部内外周面および下端面に樹脂コーティング18が施されている。樹脂コーティング18はPEEK(ポリエーテルケトン)、ポリテトラフルオロエチレン、塩化ポリビニール等が好ましく、その膜厚は100ミクロン以内が適当である。
【0022】
トップリング用エアシリンダ10及び押圧リング用エアシリンダ22は、それぞれレギュレータR1,R2を介して圧縮空気源24に接続されている。そして、レギュレータR1によってトップリング用エアシリンダ10へ供給する空気圧を調整することによりトップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力を調整することができ、レギュレータR2によって押圧リング用エアシリンダ22へ供給する空気圧を調整することにより押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力を調整することができる。
【0023】
本実施例においては、トップリング1と押圧リング3との間に、トップリング1の回転を押圧リング3に伝達するためのキー等の手段が設けられていない。従って、研磨中にトップリング1はトップリングシャフト8の軸心まわりに回転するが、押圧リング3は自身の軸線に対して非回転に構成されている。そのため、トップリング1の回転力が押圧リング3へ伝達しないので、トップリングシャフト8の回転負荷が少なくなる。また、押圧リング3をトップリングヘッド9に固定された押圧リング用エアシリンダ22によって直接作動させることができるため、装置構造が簡易になる。
【0024】
また、ターンテーブル5の上方には砥液供給ノズル25が設置されており、砥液供給ノズル25によってターンテーブル5上の研磨布6上に研磨砥液Qが供給されるようになっている。
【0025】
上記構成のポリッシング装置において、トップリング1の下面に半導体ウエハ4を保持させ、トップリング用エアシリンダ10を作動させてトップリング1をターンテーブル5に向かって押圧し、回転しているターンテーブル5の上面の研磨布6に半導体ウエハ4を押圧する。一方、砥液供給ノズル25から研磨砥液Qを流すことにより、研磨布6に研磨砥液Qが保持されており、半導体ウエハ4の研磨される面(下面)と研磨布6の間に研磨砥液Qが存在した状態でポリッシングが行われる。
【0026】
トップリング用エアシリンダ10によるトップリング1の押圧力に応じて押圧リング用エアシリンダ22による押圧リング3の研磨布6への押圧力を適宜調整して半導体ウエハ4の研磨を行う。研磨中にレギュレータR1によってトップリング1が半導体ウエハ4をターンテーブル5上の研磨布6に押圧する押圧力F1 を変更でき、レギュレータR2によって押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2 を変更できる(図1参照)。したがって、研磨中に、押圧リング3が研磨布6を押圧する押圧力F2 を、トップリング1が半導体ウエハ4を研磨布6に押圧する押圧力F1に応じて変更することができる。この押圧力F1に対する押圧力F2 を適宜調整することにより、半導体ウエハ4の中心部から周縁部、さらには半導体ウエハ4の外側にある押圧リング3の外周部までの研磨圧力の分布が連続かつ均一になる。そのため、半導体ウエハ4の周縁部における研磨量の過不足を防止することができる。
【0027】
また半導体ウエハ4の周縁部で内部側より意図的に研磨量を多くし又は逆に少なくしたい場合には、押圧リングの押圧力F2をトップリングの押圧力F1に基づいて最適な値に選択することにより、半導体ウエハ4の周縁部の研磨量を意図的に増減できる。
【0028】
本実施例においては、半導体ウエハ4の研磨中に、トップリング1は、トップリングシャフト8の回転によって自身の軸線に対して回転する。しかしながら、押圧リング3は、固定のトップリングヘッド9にエアシリンダ22を介して連結されているため、自身の軸線に対して非回転に構成されている。そのため、トップリング1の下端面に保持された半導体ウエハ4と押圧リング3との間で相対回転が生ずる。よって、半導体ウエハ4の周縁部と押圧リング3の内周部とは常に異なった部位同士が対面した状態で研磨が行われる。
【0029】
したがって、押圧リング3の押圧面に、うねりがあったり、また押圧リング3の上下方向の板厚が全周に亘って均一でないことに起因して、半導体ウエハ4の周縁部近傍の研磨布6が全周に亘って均一に変形されなかったとしても、半導体ウエハ4の押圧リング3に対する回転によって半導体ウエハ4の周縁部の研磨量が平準化され、半導体ウエハ4の周縁部全周が均一に研磨される。
【0030】
また本実施例によれば、リテーナリング1Bと押圧リング3とを最適な材質のものを選択することができる。リテーナリング1Bは、内周面が半導体ウエハ4に接触し、下端が研磨布6に接触しないため、金属に樹脂コーティング18を施す等の手段により比較的柔らかな表面を有する材料から選ぶことができる。硬い材料を用いると、研磨中に半導体ウエハ4が破損することがあるからである。またリテーナリング1Bと押圧リング3とが接触したとしても、両者は樹脂コーティング18を介して接触するため、金属同士の接触がなく、押圧リング3とリテーナリング1Bの相対運動(上下運動および回転運動)が円滑に行われる。また、この樹脂コーティングを施すことにより、金属材料が磨耗することによって生じる金属汚染を防止することができる。
【0031】
また第1押圧リング3aは、半導体ウエハ4に接触せず、かつ研磨布6と接触するために、アルミナセラミック等の硬度が高く耐摩耗性に富み、かつ摩擦係数の低い材料から選択することができる。押圧リングは、摩耗が少なく、かつ研磨布との摩擦抵抗が小さく、又、押圧リングの摩耗粉が半導体ウエハ4上の半導体デバイスに悪影響を与えないものが望ましい。第1押圧リング3aは、上述したように半導体ウエハ4と直接接触することがないために、この面からの制約がないので、上記要請を満たすような最適な材質であるアルミナセラミックを選択することができる。なお、押圧リングの材質としてアルミナセラミック以外に炭化ケイ素(SiC)やジルコニア等のセラミックであってもよい。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のポリッシング装置によれば、押圧リングの押圧面にうねりがあったり、また押圧リングの上下方向の板厚が全周に亘って均一でないことに起因して、ポリッシング対象物の周縁部近傍の研磨布が均一に変形されなかったとしても、ポリッシング対象物の押圧リングに対する回転によってポリッシング対象物の周縁部の研磨量が平準化され、ポリッシング対象物の周縁部全周が均一に研磨される。
【0033】
また本発明によれば、押圧リングは、研磨布と接触する押圧面を有する部位がセラミック等の耐摩耗性に富みかつ低摩擦係数の材料で構成されている。したがって、押圧リングが研磨布を押圧して摺動する際の摩耗を抑制することができるとともに摺動時の発熱を抑制することができる。
【0034】
さらに本発明によれば、リテーナリングの少なくとも下部は樹脂コーティングが施されているため、ポリッシング対象物の外周部を柔らかな材料(樹脂コーティング)で支持することができる。また押圧リングがリテーナリングに接触したとしても、両者が樹脂コーティングを介して接触するため、金属同士の接触がなく、押圧リングとリテーナリングの相対運動が円滑に行われる。更に、樹脂コーティングにより、ポリッシング対象物の金属汚染を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るポリッシング装置の一実施例の全体構成を示す断面図である。
【図2】本発明に係るポリッシング装置の一実施例の要部構成を示す断面図である。
【図3】図2の要部拡大断面図である。
【図4】従来のポリッシング装置の概略構造を示す断面図である。
【図5】従来のポリッシング装置における半導体ウエハと研磨布と弾性マットとの状態を示す拡大断面図である。
【図6】本件出願人が先に提案したポリッシング装置の例の主要部を示す図である。
【符号の説明】
1 トップリング
1A トップリング本体
1B リテーナリング
2 弾性マット
3 押圧リング
4 半導体ウエハ
5 ターンテーブル
6 研磨布
7 球ベアリング
8 トップリングシャフト
9 トップリングヘッド
10 トップリング用エアシリンダ
18 樹脂コーティング
22 押圧リング用エアシリンダ
24 圧縮空気源
25 砥液供給ノズル
32 取付フランジ
34 駆動軸フランジ

Claims (6)

  1. 上面に研磨布を貼ったターンテーブルとトップリングとを有し、前記ターンテーブルとトップリングとの間にポリッシング対象物を介在させて所定の力で押圧することによって該ポリッシング対象物を研磨し、平坦且つ鏡面化するポリッシング装置において、
    前記ポリッシング対象物を収容する凹部を有したトップリングの周囲に押圧リングを上下動自在に配置し、前記押圧リングを研磨布に対して可変の押圧力で押圧する押圧手段を設け、前記トップリングと前記押圧リングとを相対回転可能に構成し
    前記トップリングは、自身の軸線に対して回転可能に構成され、前記押圧リングは、自身の軸線に対して非回転に構成されていることを特徴とするポリッシング装置。
  2. 前記押圧リングは、前記研磨布と接触する押圧面を有する部位がセラミック等の耐摩耗性材料からなることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  3. 前記トップリングは、ポリッシング対象物の上面を保持するトップリング本体と、このトップリング本体の外周部に着脱可能に配置されポリッシング対象物の外周部を保持するリテーナリングとからなり、前記ポリッシング対象物を収容する凹部は前記トップリング本体の下面と前記リテーナリングの内周面とにより形成されていることを特徴とする請求項1記載のポリッシング装置。
  4. 前記リテーナリングの少なくとも下部は、樹脂コーティングが施されていることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  5. 前記押圧リングの前記研磨布と接触する押圧面を有する部位は炭化ケイ素からなることを特徴とする請求項記載のポリッシング装置。
  6. 上面に研磨布を貼ったターンテーブルと、
    ポリッシング対象物を保持し、前記ターンテーブルに対してポリッシング対象物を所定の力で押圧するトップリングとを有するポリッシング装置であって、
    前記トップリングは、前記ポリッシング対象物を保持するトップリング本体と、該トップリング本体の周囲に上下動自在に配置された押圧リングと、前記押圧リングを研磨布に対して可変の押圧力で押圧する押圧手段とを設け、前記トップリング本体は、自身の軸線に対して回転可能に構成され、前記押圧リングは、自身の軸線に対して非回転に構成されていることを特徴とするポリッシング装置。
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