JP3693325B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特に、血行動態(Hemodynamic)指標の計測に関する。
【0002】
【従来の技術】
心臓の機能を評価するために、血行動態について診断がなされる。血行動態指標としては、各種のものが知られており、例えば、公知のウエーブインテンシティ(wave intensity)もその1つである。
【0003】
ところで、動脈を伝わる脈波は、前進成分(前進脈波成分)と反射成分(反射脈波成分)に成分分離でき、ここで前進成分は心臓側から末梢側へ伝わる波であり、反射成分は末梢側から心臓側へ伝わる波である。
【0004】
脈波計による脈波速度測定は古くから行なわれているが、頸動脈と大動脈の2点間の平均速度しか得られない。また、カテーテルを利用した脈波速度計測法も知られている。カテーテルの先端部には、圧力センサ及び流速センサが内蔵され、カテーテルの先端部が体外から体内へ挿入され、更にその先端部が動脈内の計測部位へ導かれる。そして、圧力センサによって計測部位における局所血圧が計測され、それと同時に、流速センサによって計測部位における血流速度が計測される。
【0005】
ここで、ある一定の時間サンプル間隔での圧力変化ΔPと流速変化ΔUから、前進成分が優勢な期間では、脈波(伝播)速度cは(ΔP/ΔU)/ρにほぼ等しいとみなせる(例えば、TW Koh, JR Pepper, AC DeSouza, and KH Paker, Analysis of wave reflections in the arterial system using wave intensity: a novel method for predicting the timing and amplitude of reflected waves, Heart Vessels 13, 103-113, 1998.など参照)。但し、ρは血液密度で、それは一定値とみなせるものである。
【0006】
この脈波速度cを用いると、血圧波形の前進成分(前進脈波に依存した成分)ΔPfと(反射脈波に依存した成分)ΔPbとを次式で表わせる。
【0007】
【数1】
Figure 0003693325
上記の(1)及び(2)式の関係を用いると,次式の
【数2】
Figure 0003693325
で定義される前記wave intensity(ΔI)が、以下のように、前進成分(前進脈波に依存した成分)ΔIfと反射成分(反射脈波に依存した成分)ΔIbとに分離できる。
【0008】
【数3】
Figure 0003693325
この成分分離によって、例えば、反射成分が到来するタイミングや大きさが分かり、つまり、反射成分の心機能への影響等を考える上で、診断に有用な情報を得られる(上記文献参照)。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の手法によると、カテーテルを利用しなければならず、つまり侵襲的ゆえに患者への負担が大きい。また、そのために簡便に繰り返して計測を行うことができない。よって、臨床応用には大きな制約がある。
【0010】
また、上記の圧力変化ΔPと流速変化ΔUの大きさは、サンプル時間間隔に依存するため、サンプル時間が異なるデータ間では、wave intensity(WI)の値を直接比較できない。
【0011】
なお、本願発明者らは、サンプル時間に依存しないwave intensityのリアルタイム計測装置を特願2000−32856で提案している。しかし、この提案に係る装置は、WI波形を前進成分と反射成分とに分離する構成を具備していない。なお、血行動態指標としては、上記wave intensityに限られず、各種のものがあるが、従来において、その前進成分及びその反射成分を簡便に分離計測できるものは実用化されていない。
【0012】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたもので、その目的は、非侵襲的に計測を行うことができ、しかも計測したWI、血圧、血流速度などの血行動態を示す情報を前進成分と反射成分とに分離できるようにすることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、心臓の機能を精度よく診断できるようにすることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
(1)まず計測原理について説明する。但し、以下の説明は本発明の理解を容易ならしめるためのもので、本発明を限定する趣旨のものではない。
【0015】
時間で正規化されたWave Intensity(WI)は次式で定義される。
【0016】
【数4】
Figure 0003693325
ここで、dP/dtは計測部位における血圧(局所血圧)の時間微分であり、dU/dtは計測部位における血流速度の時間微分(血流加速度)である。上記のWIはサンプル時間間隔の取り方に依存せず、しかも上記(1)式で定義されたwave intensity:ΔIと同じ性質をもつ。なお、WIの計測法それ自体は、上記の特願2000−32856でも開示されている。
【0017】
このWI演算で用いたdP/dtとdU/dtを用いると、次式から脈波速度cが求められる。
【0018】
【数5】
Figure 0003693325
ここで、ρは血液密度で、ヒトの場合にはρ=1.05*103[kg/m3]の一定値とみなせる。上記の脈波速度計測法に関しては、特願2001−22198でも開示されている。
【0019】
このcとdP/dtおよびdU/dtから、計測したWIを、次式のように、それぞれ前進成分(前進脈波に依存した成分)WIfと反射成分(反射脈波に依存した成分)WIbとに分離できる。
【0020】
【数6】
Figure 0003693325
同様に、血圧の時間微分も、次式のように前進成分(前進脈波に依存した成分)dPf/dtと反射波成分(反射脈波に依存した成分)dPb/dtに分離できる。
【0021】
【数7】
Figure 0003693325
さらに、血流速度の時間微分も、次式のように前進成分(前進脈波に依存した成分)dUf/dtと反射成分(反射脈波に依存した成分)dUb/dtに分離できる。
【0022】
【数8】
Figure 0003693325
上記の(10)〜(13)式の左辺を適当な時間範囲で積分すると、次式のように血圧及び血流速度について、それぞれ前進成分(前進脈波に依存した成分)と反射成分(反射脈波に依存した成分)が求められる。
【0023】
【数9】
Figure 0003693325
ここで、基準となる時刻t1としては、例えば、拡張期の最低血圧を示す時刻にとることができる。なお、1心拍中において、前進脈波が優先な期間について上記の成分分離の演算結果を採用するようにしてもよいし、全期間について上記の成分分離の演算結果を採用するようにしてもよい。計測精度との関係において、上記原理を基礎として各種の変型例を考え得る。
【0024】
(2)次に、解決手段について説明する。
【0025】
上記目的を達成するために、本発明は、超音波を送受波し、受信信号を出力する送受波手段と、前記受信信号に基づいて、血管内における計測部位の血流速度を求める血流速度計測手段と、血管内における計測部位の血圧を求める血圧計測手段と、前記血流速度及び前記血圧を入力し、前記血流速度の時間微分 (dU/dt)及び前記血圧の時間微分 (dP/dt) を用いて、前記計測部位の脈波速度 c c (1/ ρ )(dP/dt)/(dU/dt) と表せることに基づいて(但し、ρ:血流密度で一定値)、血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を求める成分演算手段と、を含むことを特徴とする。
【0026】
上記構成によれば、受信信号に基づいて血管内の計測部位(計測点)について血流速度が求められる。また、血管内の計測部位について血圧(局所血圧)が求められる。この場合、受信信号などを利用して、非侵襲的に計測部位の血圧を求めるようにするのが望ましい。血流速度と血圧とが求められると、それらの時間微分から脈波速度を求めることができ、それを利用して所定情報について成分演算を行える。但し、脈波速度については実際にその演算を行わずに、最終の演算結果にだけ反映される場合もある。本発明によれば、基本的に、超音波の送受波を利用して簡便に計測を行うことができ、しかも前進成分と反射成分とを別々に求めることができるので、疾病診断上、有益な情報を求められる。超音波を利用しているので、計測部位については、例えば二次元断層画像上でユーザー指定させることができ、その指定された計測部位について即座に所定情報等の計測演算を行える。
【0027】
望ましくは、前記血圧計測手段は、前記受信信号に基づいて前記計測部位の血圧を演算する。また望ましくは、前記血圧計測手段は、前記受信信号に基づいて前記計測部位における血管壁の変位を表す情報を演算する手段と、参照部位において別途測定された参照血圧に従って、前記血管壁の変位を表す情報を前記計測部位の血圧に換算する手段と、を含む。参照血圧は、体表から測定されたものであるのが望ましい。その参照血圧を換算基準として、血管径の変化などから局所血圧を求めることができる。
【0028】
また望ましくは、前記成分演算手段は、前記成分演算手段は、前記血流速度の時間微分(dU/dt)を演算する手段と、前記血圧の時間微分(dP/dt)を演算する手段と、前記血流速度の時間微分(dU/dt)と前記血圧の時間微分(dP/dt)とから前記計測部位の脈波速度cを演算する手段と、前記計測部位の脈波速度cに従って、前記血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を演算する手段と、を含む。また望ましくは、前記成分演算手段は、前記血流速度と前記血圧とを入力し、前記血行動態指標となる所定情報についてその前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を出力するテーブルである。
【0029】
また望ましくは、前記所定情報は、ウエーブインテンシティ、血圧、血圧の時間微分、血流速度、及び、血流速度の時間微分の内の少なくとも1つである。また望ましくは、前記前進成分及び前記反射成分の内で少なくとも一方について積分を行う手段を含む。
【0030】
また上記目的を達成するために、本発明は、体表面を介して超音波を送受波し受信信号を出力する手段であって、超音波ビームを走査して走査面を形成する送受波手段と、前記走査面に対応する断層画像上において計測部位をユーザーにより指定させるための手段と、前記受信信号に基づいて、血管内における計測部位の血流速度を求める血流速度計測手段と、血管内における計測部位の血圧を求める血圧計測手段と、前記血流速度及び前記血圧を入力し、前記血流速度の時間微分 (dU/dt) 及び前記血圧の時間微分 (dP/dt) を用いて、前記計測部位の脈波速度 c c (1/ ρ )(dP/dt)/(dU/dt) と表せることに基づいて(但し、ρ:血流密度で一定値)、血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を求める成分演算手段と、を含むことを特徴とする。
【0031】
上記構成によれば、体表面を介して超音波の送受波を行って、それにより得られる受信信号に基づいて所定情報について前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を求めることができる。つまり、カテーテルの体内への挿入などを行うことなく計測を行える。
【0032】
望ましくは、前記前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方の波形を表示する表示手段を含む。また望ましくは、前記前進成分及び反射成分の波形を合成表示する表示手段を含む。また望ましくは、前記所定情報、前記前進成分及び前記反射成分の波形を合成表示する表示手段を含む。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0034】
図10には、本実施形態における計測方法が示されている。人体の体表面(例えば頸部)100には、超音波探触子としてのプローブ10が当接される。プローブ10内には複数の振動素子からなるアレイ振動子101が設けられている。このアレイ振動子101によって超音波ビームの電子走査がなされる。この場合の電子走査方式は、例えば電子リニア走査(図示例)や電子セクタ走査などである。符号120Aは超音波ビームの一方の走査端を示し、符号120Bは超音波ビームの他方の走査端を示す。つまり、それらの間で超音波ビームが繰り返し走査されると、二次元データ取り込み領域(走査面)が順次形成される。
【0035】
体表面100の内部には、例えば頸動脈などの血管102が存在し、その血管102の内部には血液が流れている。微視的に見ると、血管壁においては、心臓側から末梢側へ前進脈波が伝播し、同時に、末梢側から心臓側へ反射脈波が伝播する。
【0036】
プローブ10側から見て、近い方の血管壁を前壁106と定義し、遠い方の血管壁を後壁108と定義する。血行動態指標の計測を行う場合、例えば二次元断層画像(Bモード画像)上において、計測部位を通過する所定の方位(血管軸と直交する方位が望ましい)がユーザー設定され、その方位上において超音波ビーム122が繰り返し形成される。その超音波ビーム122上においては、自動的又は手動でトラッキングゲート126及び128が設定され、そのトラッキングゲート126及び128内で、位相検出やエッジ検出などの公知の手法を利用し、前壁102及び後壁108の境界面(内表面)について逐次検出(トラッキング)がなされる。これにより、各壁間の距離を求めることによって、血管102の各時刻の直径を演算することができる。この直径あるいはその変化は、計測点の局所血圧を演算する場合に利用される。もちろん、局所血圧を非侵襲に計測できる限りにおいて各種の手法を用いることができる。
【0037】
一方、超音波ビーム122上における血管中央部(計測部位)を通過するように、公知の手法を用いて、自動的にあるいは手動で、もう1つの超音波ビーム124が交差形成される。その超音波ビーム124上には、血管中央部にサンプルゲート130が設定される。そして、そのサンプルゲート130内で得られるドプラ情報から、計測部位における血流速度が演算される。
【0038】
上記の計測部位における局所血圧及び血流速度は、各種の血行動態指標を演算するための情報として利用され、また、各種の血行動態指標の前進成分及び反射成分の成分を演算する場合にも利用される。
【0039】
図1には、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成がブロック図として示されている。
【0040】
プローブ10は体表面上に当接して用いられる。例外的には食道などの体腔に挿入されるプローブを用いることも可能である。送信部12は送信ビームフォーマーとして機能し、上記アレイ振動子を構成する複数の振動素子に対して送信駆動信号を供給する。受信部14は受信ビームフォーマーとして機能し、上記アレイ振動子を構成する複数の振動素子からの受信信号を入力し、それらについて整相加算処理を実行する。受信部14から出力された整相加算後の受信信号は、本実施形態において、画像形成部20、変位演算部24及び血流速度演算部26へ出力されている。制御部16は本装置内の各構成の動作制御を行っており、その制御部16に接続された操作パネル18を利用して、ユーザーは計測部位の設定あるいは超音波ビームの方位設定などを行うことができる。また、各種の表示方式についても選択できる。
【0041】
画像形成部20は、受信信号に基づいて二次元断層画像を形成する。その画像情報は表示処理部22へ出力されている。なお、二次元断層画像を形成するためのビーム走査と、血行動態指標を計測するためのビーム形成とについては、所定シーケンスに従って例えば交互に行うようにしてもよい。
【0042】
変位演算部24は、図10を用いて説明したように、計測部位について、各時刻における血管の直径Dを演算する機能を有する。この場合には、血管前壁と後壁にトラッキング技術が適用される。心臓の拍動に伴う血圧変化に応じて脈波が伝播し、血管壁に時間的な変位が生じ、それが直径Dの時間的変化として観測される。
【0043】
血流速度演算部26は、図10を用いて説明したように、計測点について局所の血流速度を演算する。超音波ビーム124と血流の方向とに交差角度が存在するため、その交差角度に基づいて血流速度を補正するようにしてもよい。
【0044】
血圧計30は、リファレンスとなる参照血圧を計測するものであり、例えば人体の片方の上腕に巻き付けて血圧を測定するカフ型の血圧計である。局所血圧演算部32では、血圧計30が測定した1又は複数の心拍周期における血圧(参照血圧)の最大値及び最小値を基準とし、血管径の波形の最大値を参照血圧の最大値に相当するものとし、血管径の最小値を参照血圧の最小値に相当するものとし、このような最大、最小値のスケーリングによって、血管径の時間変化波形を血圧の時間変化波形に変換(換算)する。これについては例えば特願2000−032856でも開示されている。この手法を用いれば、非侵襲的に局所血圧を計測できる。
【0045】
微分器34は、血流速度(波形)について時間微分を演算する。微分器36は局所血圧(波形)について時間微分を演算する。そして、脈波速度演算部38は、それらの時間微分に基づいて、上記(7)式に従って脈波速度cを演算する。また、WI演算部40は、血流速度の時間微分及び局所血圧の時間微分を入力し、上記(6)式に従ってWIを演算する。
【0046】
分離演算部42は、血流速度についての時間微分、局所血圧についての時間微分、WI及び脈波速度を入力し、上記(8)〜(17)式の演算を実行する。これにより、血流速度についての時間微分、局所血圧についての時間微分、WIのそれぞれについて、前進成分と反射成分を分離演算することができ、また、各成分について積分結果を求めることができる。
【0047】
それらの演算結果は、表示処理部22に出力され、各演算結果は必要に応じて単独であるいは合成して表示部44に波形として表示される。その表示例については後に図3〜図9を用いて説明する。なお、表示部44には断層画像その他の情報も表示される。
【0048】
上記構成において、例えば、符号46で示す回路構成部分(成分演算部)については、ROMなどのテーブルによって構成することもできる。また、その回路構成部分から一部を除外し、あるいは、他の構成を含めて、テーブル化するようにしてもよい。
【0049】
図2には、図1に示した分離演算部42をハードウエアで構成した場合の例が示されている。この構成例は、上記の(8)〜(17)式を実現するものであるが、それぞれの計算式における重複演算部分については簡略化されている。
【0050】
脈波速度cは、乗算器50において、別途設定された血液密度ρ(一定値であるが、可変設定してもよい)と乗算され、その乗算結果ρcに対して、乗算器52において、血流速度の時間微分dU/dtが乗算されている。加算器54では、乗算器52の出力であるρc(dU/dt)に、局所血圧の時間微分dP/dtが加算されている。その加算結果に対しては、乗算器56で係数1/2が乗算され、これによって、(10)式の演算結果である、局所血圧の時間微分についての前進成分が求められる。また、加算器(減算器)58において、局所血圧の時間微分dP/dtから、乗算器56の出力を減算することによって、(11)式の演算結果である、局所血圧の時間微分についての反射成分が求められている。
【0051】
一方、乗算器60では、乗算器56の出力の二乗が演算され、割算器62では、二乗演算結果に対する乗算器50の出力ρcによる割算が実行される。その割算演算結果は、(8)式の演算結果である、WIの前進成分である。そして、加算器(減算器)64で、WIからWIの前進成分を減算することによって、(9)式の演算結果である、WIの反射成分を求めることができる。
【0052】
更に、割算器66では乗算器56の出力に対する乗算器50の出力ρcによる割算が実行され、これによって、(12)式の演算がなされ、血流速度の前進成分が求められる。また、加算器(減算器)68では、血流速度の時間微分dU/dtからその前進成分を減算することによって、(13)式の演算がなされ、血流速度の時間微分の反射成分が求められる。
【0053】
また、局所血圧の時間微分の前進成分及び反射成分、並びに、血流速度の時間微分の前進成分及び反射成分については、積分器70において、それぞれについて所定時間にわたって積分され、各積分結果が求められている。つまり、局所血圧の前進成分及び反射成分、並びに、血流速度の前進成分及び反射成分が求められている。
【0054】
なお、以上の説明においては、前進成分を先に演算して、それを用いて反射成分を演算するようにしたが、それらの演算順序は逆であってもよく、また、それらが同時に演算されるようにしてもよい。また、図2においては、ハードウエアによって各計算式が実現されていたが、それをソフトウエア演算するようにしてもよく、また上記のようにテーブルを利用して各計算式の結果を直接的に求めるようにしてもよい。
【0055】
図3〜図9には、頸動脈について、1心拍分について各種の血行動態指標(波形)が示されている。
【0056】
図3には、局所血圧が波形として示されている。図4には、血流速度が波形として示されている。図5には、WIが波形として示されている。図6には、脈波速度(脈波伝播速度)(PWV)が波形として示されている。この例では、WIのピーク値近傍で、約4.4m/sの脈波速度が得られている。また、WIが正の場合、前進成分が優勢であるというWIの性質を良く表わしている。これらの波形は表示部44に単独であるいは並列して表示されるものである。
【0057】
図7には、WI(細線)と、その前進成分(破線)及びその反射成分(太線)とが波形として合成表示されている。図8には、局所血圧の時間微分(細線)と、その前進成分(破線)及びその反射成分(太線)とが合成表示されている。これと同様に、血流速度についても合成表示することができる。更に、図9には、局所血圧(細線)と、その前進成分(破線)及びその反射成分(太線)とが合成表示されている。これと同様に、血流速度についても合成表示することができる。
【0058】
なお、各図においては、全成分と前進成分と反射成分とが一緒に表示されているが、それぞれを単独で表示させることもできる。表示形態についてはユーザー選択するようにするのが望ましい。また各波形については、異なるカラーで表示することもできる。更に、上記の積分期間は、心拍周期に合わせてその始点及び終点を人為的に又は自動的に設定するのが望ましく、後者の場合には心電信号などを基準として利用するようにしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたもので、その目的は、血行動態を示す情報を前進成分と反射成分とに分離できる。よって、心臓の機能を精度よく診断できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の好適な実施形態を示すブロック図である。
【図2】 図1に示す分離演算部の構成例を示す図である。
【図3】 局所圧力の波形を示す図である。
【図4】 血流速度の波形を示す図である。
【図5】 WIの波形を示す図である。
【図6】 脈波速度の波形を示す図である。
【図7】 WIと、その前進成分及びその反射成分とを波形として示す図である。
【図8】 局所血圧の時間微分とその前進成分及びその反射成分を波形として示す図である。
【図9】 局所血圧と、その前進成分及びその反射成分とを波形として示す図である。
【図10】 計測方式を説明するための図である。
【符号の説明】
10 プローブ、20 画像形成部、22 表示処理部、24 変位演算部、26 血流速度演算部、30 血圧計、32 局所血圧演算部、38 脈波速度演算部、40 WI演算部、42 分離演算部。

Claims (11)

  1. 超音波を送受波し、受信信号を出力する送受波手段と、
    前記受信信号に基づいて、血管内における計測部位の血流速度を求める血流速度計測手段と、
    血管内における計測部位の血圧を求める血圧計測手段と、
    前記血流速度及び前記血圧を入力し、前記血流速度の時間微分 (dU/dt)及び前記血圧の時間微分 (dP/dt) を用いて、前記計測部位の脈波速度 c c (1/ ρ )(dP/dt)/(dU/dt) と表せることに基づいて(但し、ρ:血流密度で一定値)、血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を求める成分演算手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  2. 請求項1記載の装置において、
    前記血圧計測手段は、前記受信信号に基づいて前記計測部位の血圧を演算することを特徴とする超音波診断装置。
  3. 請求項1記載の装置において、
    前記血圧計測手段は、
    前記受信信号に基づいて前記計測部位における血管壁の変位を表す情報を演算する手段と、
    参照部位において別途測定された参照血圧を利用し、前記血管壁の変位を表す情報から前記計測部位の血圧を求める手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  4. 請求項1記載の装置において、
    前記成分演算手段は、
    前記血流速度の時間微分(dU/dt)を演算する手段と、
    前記血圧の時間微分(dP/dt)を演算する手段と、
    前記血流速度の時間微分(dU/dt)と前記血圧の時間微分(dP/dt)とから前記計測部位の脈波速度cを演算する手段と、
    前記計測部位の脈波速度cに従って、前記血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を演算する手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  5. 請求項1記載の装置において、
    前記成分演算手段は、前記血流速度と前記血圧とを入力し、前記血行動態指標となる所定情報についてその前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を出力するテーブルであることを特徴とする超音波診断装置。
  6. 請求項1記載の装置において、
    前記所定情報は、ウエーブインテンシティ、血圧、血圧の時間微分、血流速度、及び、血流速度の時間微分の内の少なくとも1つであることを特徴とする超音波診断装置。
  7. 請求項1記載の装置において、
    前記前進成分及び前記反射成分の内で少なくとも一方について積分を行う手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  8. 体表面を介して超音波を送受波し、受信信号を出力する手段であって、超音波ビームを走査して走査面を形成する送受波手段と、
    前記走査面に対応する断層画像上において計測部位をユーザーにより指定させるための手段と、
    前記受信信号に基づいて、血管内における計測部位の血流速度を求める血流速度計測手段と、
    血管内における計測部位の血圧を求める血圧計測手段と、
    前記血流速度及び前記血圧を入力し、前記血流速度の時間微分 (dU/dt) 及び前記血圧の時間微分 (dP/dt) を用いて、前記計測部位の脈波速度 c c (1/ ρ )(dP/dt)/(dU/dt) と表せることに基づいて(但し、ρ:血流密度で一定値)、血行動態指標となる所定情報について、その前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方を求める成分演算手段と、
    を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  9. 請求項記載の装置において、
    前記前進成分及び反射成分の内で少なくとも一方の波形を表示する表示手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  10. 請求項記載の装置において、
    前記前進成分及び反射成分の波形を合成表示する表示手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
  11. 請求項記載の装置において、
    前記所定情報、前記前進成分及び前記反射成分の波形を合成表示する表示手段を含むことを特徴とする超音波診断装置。
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