JP3693276B2 - 温度差を有する気液を配管上で混合するための装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高温ガスと常温の液体を配管上において混合し、直接熱交換することにより、一様温度の混合流体を製造するための装置(気液混合器)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の温度差を有する気液を配管上で混合するための装置は、図3に示すように、配管の一部を構成する配管強度母材1の内側にスリーブ管2を内挿し、このスリーブ管2内に高温ガス導入口3から高温ガスの一部または全量を導入すると共に、液体導入口4からスリーブ管2内に液体を導入して両者を混合し、直接熱交換させることにより、高温ガスの顕熱で液体を全量気化せしめて温度がほぼ一様となった混合流体を製造している。図中5はノズル、6はスペーサーである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の装置においては、配管強度母材内で直接熱交換を行うようにすると、高サイクルの熱疲労により配管強度母材が損傷するため、配管強度母材1内にスリーブ管2を挿入し、この中で気液を直接熱交換しているものであるが、しかし、次のような欠点がある。
1.混合させる液側の温度に対してガス側の温度が低い混合条件の場合には適用できない。
2.液側の温度に対してガス側の温度が高い場合であっても、液側を全量気化できない気液の温度、または流量比による混合条件の場合にも適用できない。
本発明は、斯る点に鑑みて提案されるものであって、この種気液混合装置において、気液混合条件の適用範囲の拡大を図り、更に装置中において、配管強度母材を熱疲労から保護して耐久性の向上を図ることが目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、配管強度母材内に挿入したスリーブ管内に温度差を有する高温ガスと液体を導入して混合させることにより、直接熱交換を行って一様温度の混合流体を製造するための装置において、前記スリーブ管の底部に孔加工プレートを溶接し、この孔加工プレート上であって、スリーブ管内の所定の位置まで空隙率と比表面積が大きい混合促進部材を充填すると共に、前記孔加工プレートを配管強度母材とレデューサ側のフランジ間に着脱自在に固定したことを特徴とするものである。
【0007】
【作用】
上記構造によると、スリーブ管内に導入された高温ガスと、同じようにスリーブ管内に導入され、スプレーされた液体は、混合促進部材によりその混合が促進されるばかりでなく、大きな空隙率と比表面積の作用により、直接熱交換されて熱交換効率が向上する。
【0008】
このようにして直接熱交換されて一様温度となった混合流体は、装置の配管強度母材に熱衝撃を与えることなく、レデューサ側に送り出される。
又、混合促進部材は、スリーブ管の底部に溶接された孔加工プレートでスリーブ管内に支持・充填されていると共に、スリーブ管はこの孔加工プレートを配管強度母材とレデューサ側のフランジ間に着脱自在に固定することによって配管強度母材内に組み込むようにしているため、スリーブ管の組み込み(組み立て)が容易であると共に、メンテナンスを簡単に行うことができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1に基づいて、本願発明の実施例を説明する。
10は本発明に係る気液を混合するための装置であって、この混合装置10は、配管強度母材11内にスリーブ管12を縦向きに内挿し、このスリーブ管12内の底部には孔17aを設けた孔加工プレート17が溶接されている。13はスリーブ管12内において、所定の位置まで充填されたポールリングであって、このポーリング13は、気液の混合の促進と、熱交換効率の向上を図るために充填されている。ポールリング13は、空隙率と比表面積が比較的大きく、一般に市販されているものである。
なお、混合促進部材は、このポールリング13に限定されるものではなく、他に、高空隙率と比表面積を有するものがあれば、それに代えてもよい。
【0010】
14は高温ガス導入口、15は純水導入ラインであって、この純水導入ライン15の先は、取付けに支障のない範囲で前記スリーブ管12の上口12aからその内部に挿入されていて、先端15aには純水側の初期分散を図るために、フルコーン型スプレーノズル16が取り付けられている。
【0011】
18はレデューサ、19は配管強度母材11側とレデューサ18側を接続しているフランジであって、前記スリーブ管12の底部に溶接された孔加工プレート17は、このフランジ19間に着脱自在に固定されている。19aは高温ガス導入管と純水導入配管を配管強度母材11に接続するためのフランジである。
【0012】
上記実施例の装置において、例えば高温ガス導入口14から18Nm3/h、370℃に加熱されたNG(天然ガス)が配管強度母材11内に導入されると、このNGはスリーブ管12内にその上口12aから流入する。一方、純水導入ライン15から50kg/h、15℃の純水がスリーブ管12内においてノズル16からスプレーされると、このNGと純水はスリーブ管12内に充填されたポールリング13を通過するときに混合が行われ、更に大きい比表面積の作用により、NGから純水への顕熱移動が活発化する。この結果、NGと純水の温度差は緩和され、レデューサ18に至るときの混合温度は、計算上の平衡温度である67℃にほぼ一様化される。
【0013】
【発明の効果】
本発明は以上のように、スリーブ管内に気液混合促進部材を充填したことにより、スリーブ管内に導入された温度差を有する高温のガスと液体は、この混合促進部材により効率よく混合されると共に顕熱の移動が活発化する。この結果、従来例に比較して、液側の全量気化を期待できない気液の混合条件、例えば温度条件、流量比条件等であっても、混合流体の温度の一様化と、装置における配管強度母材の保護を両立させることができる。
又、本発明においては、スリーブ管の底部に孔加工プレートを溶接した上で、スリーブ管内に混合促進部材を充填し、その上で孔加工プレートを配管強度母材とレデューサ側のフランジ間に着脱自在に固定するようにしたことにより、スリーブ管の着脱が容易となり、混合促進部材、スリーブ等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る気液混合装置の説明図。
【図2】孔加工プレートをスリーブの底部に溶接した部分と、この孔加工プレートをフランジ間に固定した状態の説明図。
【図3】従来の気液混合装置の説明図。
【符号の説明】
10 気液混合装置
11 配管強度母材
12 スリーブ管
13 ポールリング
14 高温ガス導入口
15 純水導入ライン
16 ノズル
17 孔加工プレート
18 レデューサ
19 フランジ
Claims (1)
- 配管強度母材内に挿入したスリーブ管内に温度差を有する高温ガスと液体を導入して混合させることにより、直接熱交換を行って一様温度の混合流体を製造するための装置において、前記スリーブ管の底部に孔加工プレートを溶接し、この孔加工プレート上であって、スリーブ管内の所定の位置まで空隙率と比表面積が大きい混合促進部材を充填すると共に、前記孔加工プレートを配管強度母材とレデューサ側のフランジ間に着脱自在に固定して成る温度差を有する気液を配管上で混合するための装置。
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