JP3692886B2 - PCDD、PCDFおよびco−PCBのガスクロマトグラフィ−質量分析方法 - Google Patents

PCDD、PCDFおよびco−PCBのガスクロマトグラフィ−質量分析方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、気体、液体、あるいは固体中の微量のPCDD、PCDFおよびco-PCBを、迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能なPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
大気、排ガスなどの気体、河川水、湖沼水などの環境水、排水、埋立処分場の浸出水などの液体、あるいは焼却灰、土壌、底質(:海底、湖底、沼底、河川底の表面を構成する物質)、排水スラッジなどの固体中に含まれる有機化合物の定性および定量は、環境分析として日常的におこなわれている。
【0003】
これらの有機化合物のなかでも、近年、特にダイオキシン類(PCDD、PCDF)がその毒性の大きさから重要な分析対象物として分析の必要性が増し、さらに最近、ダイオキシン類に加えてPCB の異性体のうち二つのベンゼン環が共平面構造をとるPCB(:co-PCB)の分析の必要性が増している。
PCDD、PCDFおよびco-PCBの分析を目的とする試料の前処理工程においては、一般に、硫酸処理、シリカゲルクロマトグラフィー、およびアルミナクロマトグラフィーなどの処理を行う。
【0004】
図3に、従来法の試料前処理工程のフローシートを示す。
すなわち、従来法では前処理工程において、PCDDおよびPCDFを含む画分とco-PCBを含む画分とに分け、得られた2種類の試料溶液各々のガスクロマトグラフ−質量分析(以下、GC-MS もしくはGC-MS 測定とも記す)を行い異性体別に定量する(「廃棄物処理におけるダイオキシン類及びコプラナーPCB 標準測定分析マニュアル」、有害廃棄物の分析手法に関する国際比較研究委員会 有機ハロゲン化合物分析技術小委員会、平成10年3月)。
【0005】
すなわち、従来の試料の前処理方法においては、PCDD/PCDFとco-PCBとを分画するために、塩基性アルミナによるアルミナクロマトグラフィーを用い、溶離溶媒の組成を変えることにより分画を行っているが、アルミナは製造ロット、保存状態、活性化処理の条件により再現性のよい活性度を得ることが難しく、この結果溶離条件が変化し、分画が実際上容易ではなかった。
【0006】
また、GC-MS 測定においては、PCDDおよびPCDF全異性体分析のための2回の測定およびco-PCB異性体の測定、すなわち合計3回のGC-MS 測定が必要となる。
すなわち、PCDD、PCDFに加えてco-PCBも分析する場合、試料の前処理およびGC-MS 測定の各工程が複雑で、また分析に長時間を要していた。
以上述べたように、従来、co-PCBも含めたダイオキシン類を効率的に分析する方法は確立されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、気体、液体、あるいは固体中の微量のPCDD、PCDFおよびco-PCBを、迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能なPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料溶液中のポリクロロジベンゾパラダイオキシン(PCDD)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)およびコプラナーPCB (co-PCB)のガスクロマトグラフ−質量分析 GC-MS )において、前記GC-MS の試料溶液として、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に溶出して得た溶出液および/または該溶出液の濃縮液を用い、4〜5塩素化PCDDおよび4〜5塩素化PCDFについては M+ および(M+2)+ 、6塩素化PCDDおよび6塩素化PCDFについては M+ および (M+2) + 7〜8塩素化PCDDおよび7〜8塩素化PCDFについては (M+2)+ およ (M+4)+ 、4〜5塩素化PCB については (M+2)+ およ (M+4)+ 、6〜7塩素化PCB について (M+4)+ および (M+6) + モニターイオンとして選択イオンモニター法で質量分析することを特徴とするPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法である。
【0009】
前記した本発明においては、前記GC-MS の試料溶液として、試料を粗抽出後、硫酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、さらにアルミナカラムクロマトグラフィーを行い、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に溶出して得た溶出液および/または該溶出液の濃縮液を用いることが好ましい(本発明の第1の好適態様)。
【0010】
なお、前記した本発明の第1の好適態様においては、硫酸処理後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い、その後アルミナカラムクロマトグラフィーを行うことが好ましい。
また、前記した本発明の第1の好適態様においては、前記アルミナカラムクロマトグラフィーのアルミナとして、中性アルミナを用いることが好ましい(本発明の第2の好適態様)。
【0011】
また、前記した本発明、本発明の第1の好適態様、第2の好適態様においては、前記GC-MS のGCカラムとして、液相が微極性のキャピラリーカラムを用いることが好ましい。
また、前記した本発明、本発明の第1の好適態様、第2の好適態様においては、前記GC-MS のGCカラムとして、液相が、フェニル基の含有量が5〜50 mol%であるフェニル−メチルポリシロキサンであるキャピラリーカラムを用いることが好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明者は、前記した従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、下記[1] の試料前処理方法を用い、下記[2] のガスクロマトグラフ−質量分析方法で分析を行うことによって、PCDD、PCDFおよびco-PCBを、迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能であることを見出し本発明に至った。
【0013】
以下、本発明における[1] 試料前処理方法、[2] ガスクロマトグラフ−質量分析方法の順に説明する。
[1] 試料前処理方法:
図2に、本発明に係わる試料前処理工程のフローシートの一例を示す。
ダイオキシン類およびPCB を含む試料の前処理は、(1) 試料からダイオキシン類およびPCB を有機溶媒で抽出し、粗抽出液を得る抽出工程および(2) 前記粗抽出液中からダイオキシン類およびPCB 以外の成分をできるだけ除去し、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に溶出する精製工程に大別することができる。
【0014】
(1) 抽出(粗抽出)工程:
ダイオキシン類およびPCB の抽出(粗抽出)方法は、公知の方法で行うことができるが、試料中の水分の影響が考えられる場合は、例えば、本発明者が提案した特願平11−20279 号あるいは特願平11−75647 号の下記方法▲1▼、▲2▼を用いてダイオキシン類およびPCB を抽出することが好ましい。
【0015】
▲1▼脱水剤保持部を有する抽出装置を用いたダイオキシン類およびPCB の抽出:
抽出装置:
試料および有機溶媒を収納する試料抽出容器と、該試料抽出容器より上方に配設されると共に該試料抽出容器と連接管で連接された還流冷却器を有する抽出装置で、前記連接管内に脱水剤保持部を有する抽出装置を用いる。
【0016】
ダイオキシン類およびPCB の抽出(粗抽出):
上記した抽出装置を用い、前記試料抽出容器に、試料と、常圧における沸点が100 ℃を超える有機溶媒を収納すると共に、前記脱水剤保持部に脱水剤を充填した後、試料抽出容器内の試料および有機溶媒を加熱し、有機溶媒の還流条件下で試料中のダイオキシン類およびPCB の抽出を行う。
【0017】
なお、脱水剤としては、特に限定されることはなく、吸水性があり、使用有機溶媒に溶解しない脱水剤であればよく、例えば、無水硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、シリカゲルおよびアルミナなどから選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
また、前記した有機溶媒としては、前記した沸点の条件を満足すればその種類は特に制限を受けるものではないが、好ましくは、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ソルベントナフサ、テトラリン、デカリン、アルキルナフタレンなどの芳香族炭化水素、モノクロロベンゼン、o- ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素から選ばれる1種または2種以上を、合計量で50 vol%以上含有する有機溶媒を用いることが好ましい。
【0018】
▲2▼親水性有機溶媒および非水溶性有機溶媒の両者を用いるダイオキシン類およびPCB の抽出(粗抽出):
試料を親水性有機溶媒を用いて抽出操作した後、非水溶性有機溶媒を用いて抽出操作を行う。
前記親水性有機溶媒としては、主成分としてアセトン、メタノール、イソプロピルアルコールおよびテトラヒドロフランから選ばれる1種または2種以上を含有する有機溶媒が好ましく、前記非水溶性有機溶媒としては、主成分としてトルエン、キシレンおよびヘキサンから選ばれる1種または2種以上を含有する有機溶媒が好ましい。
【0019】
上記した▲1▼もしくは▲2▼の抽出方法によれば、試料を予め十分乾燥させなくとも有機溶媒中にダイオキシン類およびPCB を抽出することができ、試料の乾燥に必要な時間を短縮でき、本発明の主目的の一つとする分析の迅速化に寄与することができる。
(2) 精製工程:
精製工程においては、ダイオキシン類およびPCB の抽出(粗抽出)で得られた粗抽出液について、下記方法によって硫酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィーを行い、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分として溶出・回収することが好ましい。
【0020】
なお、図2に示すように、上記した硫酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィーは、該順序で行うことが好ましい。さらに本発明においては、後記するように、精製工程において、中性アルミナを用いたアルミナカラムクロマトグラフィーを行い、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分として溶媒中に溶出・回収することが好ましい。
【0021】
〔粗抽出液の硫酸処理:〕
本硫酸処理においては、抽出(粗抽出)で得られた粗抽出液を濃縮器で濃縮し、得られた試料濃縮液(ダイオキシン類・co-PCB濃縮液)から有機溶媒を蒸発除去した後、好ましくはn−ヘキサン溶液とし、硫酸処理を行う。
硫酸処理においては、上記で得られたn−ヘキサン溶液を分液漏斗に移し、濃硫酸を適量加え、振盪し、静置後硫酸層を除去する。
【0022】
上記した操作を硫酸層の着色が薄くなるまで繰り返し、n−ヘキサン層をヘキサン洗浄水でほぼ中性になるように洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水後、濃縮器で濃縮し、窒素気流により大部分のn−ヘキサンを蒸発させ、得られた最終溶液に新たにn−ヘキサンを加え、シリカゲルカラムクロマトグラフィーの試料とする。
【0023】
〔シリカゲルカラムクロマトグラフィー:〕
上記で得られた試料をシリゲルを充填したカラムクロマトに注入し、好ましくはn−ヘキサンで溶出し、溶出液を濃縮器で濃縮する。
〔アルミナカラムクロマトグラフィー:〕
本発明においては、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分として集めるために、アルミナカラムクロマトグラフィーで用いるアルミナとしては、前記した従来法で用いられている塩基性アルミナではなく、中性アルミナを使用することが好ましい。
【0024】
また、アルミナは、相対湿度30%に保ったデシケータ中に室温で保管したものを使用することが好ましい。
従来の塩基性アルミナの場合、活性化処理として100 ℃以上の温度での熱処理を行うが、中性アルミナに対しては、上記した熱処理は施さないことが好ましい。
【0025】
これは、熱処理を施した中性アルミナを用いると、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に回収することが困難となるためである。
アルミナカラムクロマトグラフィーにおいては、前記したシリカゲルクロマトグラフィー処理後のn-ヘキサン溶液濃縮液を、好ましくは中性アルミナを充填したガラス製のカラム管のカラム上端から注入する。
【0026】
充填するアルミナの量は特に制限はなく、通常10〜15g 程度が適切であるが、予想される共存化合物の量に応じて増減できる。
アルミナカラムクロマトグラフィーによる精製時は、始めに、好ましくはヘキサンで溶離(第1画分)し、次に、好ましくはn−ヘキサン/ジクロロメタン(50 vol%/50 vol%)で溶離し第2画分を得る。
【0027】
第1画分(:Fr1.)を得るための溶離操作は、PCDD、PCDF、co-PCBより極性の小さい共存化合物を先に溶出させて除くためのものであり、低極性炭化水素化合物などが溶出し、PCDD、PCDF、co-PCBは溶出しない。
第2画分(:Fr2.)を得るための溶離操作は、PCDD、PCDF、co-PCBを溶出させ、強極性の侠雑物はカラムに吸着、保持するためのものである。
【0028】
第1画分および第2画分を得るための溶媒の量については特に制限はないが、各段階で溶出させるべき化合物と溶出させない化合物とを分画するためには、例えばアルミナを15g 用いた場合、第1画分および第2画分の溶媒の量はそれぞれ50〜100ml および150 〜200ml が適当である。
第1画分の溶離に用いる溶媒の組成は、n−ヘキサンに1 vol%程度までのジクロロメタンを添加したものを用いてもよいが、ジクロロメタン含有率が高くなるとアルミナの活性度によってはPCB の一部の異性体が第1画分に流出する不都合が生じる。
【0029】
第2画分の溶離に用いる溶媒の組成は、前記した50 vol%ジクロロメタン/n−ヘキサンが好ましいが、40〜60 vol%ジクロロメタン/n−ヘキサンを用いてもよい。
次に、得られた第2画分を、好ましくは、濃縮器などで濃縮し、得られた濃縮液を窒素気流など不活性ガスの気流によってさらに濃縮した濃縮液をGC-MS 測定用試料とする。
【0030】
なお、本発明におけるGC-MS 測定用試料(GC-MS の試料溶液)としては、精製工程で得た溶出液の濃縮液を用いることが好ましいが、必ずしも濃縮液に限定されることはなく、対象試料によっては、溶出液そのもの、もしくは溶出液および濃縮液の混合溶液を用いてもよい。
試料前処理工程における上記以外の各操作は公知の方法でよい。
【0031】
本発明によれば、試料の精製工程において、硫酸処理、シリカゲルクロマトグラフィー、さらに、好ましくは中性アルミナを用いたアルミナクロマトグラフィーを行うことによって、PCDD、PCDFおよびco-PCBの各異性体を同一画分として回収することができ、試料精製を迅速かつ簡易な方法で効率的に行うことができる。
【0032】
[2] ガスクロマトグラフ−質量分析方法
本発明においては、ダイオキシン類およびco-PCBの各異性体をできるだけ感度よく定量するために、ガスクロマトグラフ−質量分析方法(GC-MS) による測定は、高分解能質量分析計による選択イオンモニター法(SIM 法、selected ion monitoring 法)で行う。
【0033】
なお、選択イオンモニター法とは、GC-MS において化合物のスペクトル中の特徴的ないくつかのイオンを選んで、そのm/zに相当する電場強度および加速電圧(磁場型)をすばやく変化させ、GCから各成分が溶出している時間中連続的に、そのいくつかのイオンの信号だけを検出記録する方法である。
モニターイオンは通常分子イオンである。
【0034】
ダイオキシン類およびPCB は塩素原子を含むため35Clおよび37Clの存在比にしたがって、同一分子に対して複数の質量ピークが現れる。
このため、PCDD、PCDF、PCB の塩素同族体の間で極めて近い質量数を持つ組合せがでてくる。
例えば、12C12 1H3 35Cl7 (7塩素化PCB 、質量数391.8054)と12C12 1H2 35Cl4 37Cl2 16O2(6塩素化PCDD、質量数391.8127)などがあり、これらの質量数はダイオキシン類の測定に通常用いられる質量分解能(:10000)では分離できない。
【0035】
また、上記したと同じような組合せは他にも存在し、さらに、フラグメントイオンによる妨害もある。
このような相互妨害を避けるためには、
(1) 質量分析において相互妨害が最小となるような質量ピークの選択
(2) GCカラムの選択
が重要となる。
【0036】
以下、本発明における(1) 質量ピークの選択、(2) GCカラムの選択について述べる。
(1) 質量ピークの選択:
質量分析において、特に問題となる相互妨害は、 n塩素化PCDDと(n+1) 塩素化PCB の間の妨害である。
【0037】
特に、本発明の場合、前処理段階でPCDD、PCDF、PCB を分離しないので、このような妨害の可能性が大きい。
上記した妨害は、感度に問題が生じない範囲で、PCDDの測定にはできるだけ小さい質量数のイオンをモニターし、PCB の測定にはできるだけ大きな質量数のイオンをモニターすることでかなりの程度避けることができる。
【0038】
図1に、本発明の選択イオンモニター法によるクロマトグラムの例として、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分として溶出・回収した溶出液についてのHxCB(6塩素化PCB )のクロマトグラムを示す。
図1より、モニターイオンを選択することによって、 PeCDD(5塩素化PCDD)による妨害を排除できることが分かる。
【0042】
発明においては、上記した理由から、選択イオンモニター法によるGC-MS 測定において、塩素数が同じPCDD、PCDF、co-PCB各同族体の分子イオンの内、質量数の異なる2種類の分子イオンをモニターする。
すなわち、GCクロマトグラム上での各異性体の同定が確実な場合は、前記質量数のモニターイオンの内いずれか1つのみのモニターでも測定は可能であるが、目的の化合物以外のものとの判別を確実にするため、質量数の異なる前記したモニターイオンの内各2種類のモニターイオンの使用する
【0043】
この場合、モニターする質量数は、4〜5塩素化PCDDおよび4〜5塩素化PCDFについては M + および(M+2) + 、6塩素化PCDDおよび6塩素化PCDFについては M + および(M+2) + 、7〜8塩素化PCDDおよび7〜8塩素化PCDFについては (M+2) + および (M+4) + 、4〜5塩素化PCB については (M+2) + および (M+4) + 6〜7塩素化PCB については (M+4) + および (M+6) + である。
【0044】
本発明によれば、上記したモニターイオンの選択によって、質量分析におけるPCDD、PCDFおよびco-PCBの各同族体同士の相互妨害を回避できる。
(2) GCカラムの選択:
GCカラムは、相互妨害が生じる同族体同士、すなわちPCDD/PCDF とco-PCBのGC保持時間がある程度離れるようなカラムが望ましい。
【0045】
本発明者は、上記した要件を満たし、かつPCDD/PCDF/co-PCBおのおのの塩素数の異なる同族体のなかでの異性体間、特に定量対象異性体の十分なGC分離を実現するため鋭意検討した結果、液相が微極性のキャピラリーカラムを用いる方が、従来4〜6塩素化PCDDおよびPCDFの測定に用いられているシアノプロピル系カラムのような強極性カラムを用いた場合に対して分離性が優れていることを見出した。
【0046】
また、PCDD/PCDF/co-PCBの定量分析において、定量対象異性体を全て定量するためには、PCDD、PCDFおよびco-PCBの分離のいずれにおいても微極性系のキャピラリーカラムを用いることが好ましいことを見出した。
すなわち、本発明においては、GCカラムとして、液相が微極性のキャピラリーカラムを用いることが好ましい。
【0047】
上記した液相が微極性のキャピラリーカラムとしては、GCカラムの液相としてフェニル基の含有量が5〜50 mol%であるフェニル−メチルポリシロキサンを用いたカラムを用いることが好ましい。
液相が微極性のキャピラリーカラムを用いた場合、極性の大きなカラムを用いた場合に比べて塩素数の異なる同族体ピーク同士の重なりが少なくなる結果、グルーピング測定が容易となる利点もある。
【0048】
上記した5〜50 mol%フェニル−メチルポリシロキサンとしては、5 mol%ジフェニル95 mol%ジメチルポリシロキサンを例示することができる。
従来法においては、4塩素化〜6塩素化PCDD/PCDF の測定には強極性系カラムを用い、7塩素化〜8塩素化PCDD/PCDF およびco-PCBの測定には微極性系カラムを用いていたが、本発明においては、PCDD/PCDF/co-PCBの定量対象異性体の全てを液相が微極性のキャピラリーカラムである同一のカラムを用いて測定することが好ましい。
【0049】
さらに、前記したように、液相が微極性のキャピラリーカラムを用いた場合、4塩素化〜8塩素化PCDD/PCDF を一度に測定できるようになり、1試料あたりの必要測定回数を減らすことが可能となった。
従来のダイオキシン類およびco-PCBの測定に用いられているGCカラムと本発明におけるGCカラムおよび必要測定回数を下記に対比して示す。
【0050】
従来法;
4塩素化〜6塩素化PCDD/PCDF :強極性系カラム(シアノプロピル系カラム)
7塩素化〜8塩素化PCDD/PCDF :微極性系カラム
co-PCB:微極性系カラム
計3回の測定(カラム交換が必要)
本発明の方法;
4塩素化〜8塩素化PCDD/PCDF :微極性系カラム
co-PCB:微極性系カラム
計2回の測定(カラム交換不要)
すなわち、本発明によれば、PCDD、PCDFおよびco-PCBの全てを、同じ微極性系カラムによって分離することによって、必要測定回数を減らすことができ、またカラム交換の必要がなくなり、PCDD、PCDFおよびco-PCBを、迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能となり、またGC-MS 装置の効率的な運転ができるようになった。
【0051】
以上、本発明のPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法について述べたが、内部標準法など前記した好適測定条件以外の測定条件については公知の方法に準じることができる。
【0052】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的に説明する。
実施例においては、電気炉集塵機ダスト中のPCDD、PCDFおよびco-PCBの定量を行った。
【0053】
すなわち、先ず、試料ダスト19g に、内部標準としてPCDD、PCDFおよびco-PCB定量対象異性体の13C-同位体を所定量添加した後、塩酸処理を行い不溶分をろ別し、少量の水およびメタノールで洗浄した。
洗浄後の試料を風乾した後、溶媒をアセトン、トルエンの順に変えてソックスレー抽出を行った。
【0054】
次に、塩酸処理の際の塩酸溶液および水、メタノール洗液をジクロロメタンで抽出し、ソックスレー抽出液と合液した。
次に、上記で得られた粗抽出液を濃縮し、前記した図2および前記した試料前処理方法並びにガスクロマトグラフ−質量分析方法に従って分析を行った。
試料前処理におけるアルミナカラムクロマトグラフィーにおいては、アルミナとして中性アルミナを用いた。
【0055】
なお、GC-MS 測定の試料溶液としては、アルミナカラムからの第2画分(Fr2.) である溶出液を濃縮して得た濃縮液を用いた。
また、GC-MS 測定におけるGCカラムとしては、0.32mmφ×60m(膜厚0.25μm :5 mol%ジフェニル95 mol%ジメチルポリシロキサン)のキャピラリーカラムを用い、PCDD、PCDFおよびco-PCBの各異性体を、GCカラムを交換することなく同一カラムで分離し、分析した。
【0058】
量分析(選択イオンモニター法)におけるモニターイオンとして、4〜6塩素化PCDDおよび4〜6塩素化PCDFについては M+ および(M+2)+ 、7〜8塩素化PCDDおよび7〜8塩素化PCDFについては(M+2)+ および(M+4)+ 、4〜塩素化PCB については(M+2)+ および(M+4)+ 6〜7塩素化PCB については(M+4)+ および(M+6)+ を用いた。
【0061】
表1に、得られた分析結果を、前記した図3に示す従来法による分析結果と比較して示す。
表1に示されるように、本発明の方法で得られた分析結果と従来法による分析結果はよく一致した。
なお、実施例においては、試料前処理の過程で得られたアルミナカラム第1画分(Fr1.) の分析も行い、第1画分にはPCDD、PCDFおよびco-PCB各異性体が含まれていないこと、すなわち、本発明に係わる試料前処理方法によれば、目的化合物が全て第2画分(Fr2.) に含まれていることを確認した。
【0062】
前記した分析の場合、従来法においては、分析に11日(前処理9日+測定2日)が必要であったが、本発明によれば、8日(前処理7日+測定1日)でよく、PCDD、PCDFおよびco-PCBを従来法より迅速に定量分析することが可能となった。
また、工数もPCDD、PCDFのみの分析の場合と変わらないことが分かった。
さらに、GC-MS 測定において、従来法では3回の測定を要し途中でGCカラムの交換が必要であったが、本発明の方法では2回の測定でよく、また、GCカラムの交換が不要となった。
【0063】
すなわち、本発明の方法によれば、試料中の微量のPCDD、PCDFおよびco-PCBを、迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能となった。
【0064】
【表1】
Figure 0003692886
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、下記(1) 〜(3) の優れた効果が得られ、試料中のPCDD、PCDFおよびco-PCBを、従来法より迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能となった。
(1) 質量分析における各異性体同士の相互妨害の回避:
モニターイオンの選択によって、質量分析におけるPCDD、PCDFおよびco-PCBの各異性体同士の相互妨害を回避できる。
【0066】
(2) 試料精製の効率化:
試料の精製工程において、中性アルミナを用いたアルミナクロマトグラフィーを行うことによって、PCDD、PCDFおよびco-PCBの各異性体を同一画分として回収することができ、試料精製を迅速かつ簡易な方法で効率的に行うことができる。
(3) 必要測定回数、カラム交換頻度の減少:
PCDD、PCDFおよびco-PCBの全てを、微極性系カラムでかつ同一のキャピラリーカラムによって分離することによって、必要測定回数を減らすことができ、またカラム交換の必要がなくなり、PCDD、PCDFおよびco-PCBの全てを、従来法より迅速かつ簡易な方法で効率的に定量分析することが可能となり、またGC-MS 装置の効率的な運転ができるようになった。
【0067】
本発明は、例えば大気、排ガスなどの気体、河川水、湖沼水などの環境水、排水、埋立処分場の浸出水などの液体、あるいは焼却灰、土壌、底質、排水スラッジなどの固体など環境試料中のPCDD、PCDFおよびco-PCBの分析に有効に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガスクロマトグラフ−質量分析方法によって得られたクロマトグラムの一例を示すグラフである。
【図2】 本発明に係わる試料前処理工程の一例を示すフローシートである。
【図3】 従来法の試料前処理工程を示すフローシートである。

Claims (5)

  1. 試料溶液中のポリクロロジベンゾパラダイオキシン(PCDD)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)およびコプラナーPCB (co-PCB)のガスクロマトグラフ−質量分析 GC-MS )において、前記GC-MS の試料溶液として、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に溶出して得た溶出液および/または該溶出液の濃縮液を用い、4〜5塩素化PCDDおよび4〜5塩素化PCDFについては M+ および(M+2)+ 、6塩素化PCDDおよび6塩素化PCDFについては M+ および (M+2) + 7〜8塩素化PCDDおよび7〜8塩素化PCDFについては (M+2)+ およ (M+4)+ 、4〜5塩素化PCB については (M+2)+ およ (M+4)+ 、6〜7塩素化PCB について (M+4)+ および (M+6) + モニターイオンとして選択イオンモニター法で質量分析することを特徴とするPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法。
  2. 前記GC-MS の試料溶液として、試料を粗抽出後、硫酸処理、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、さらにアルミナカラムクロマトグラフィーを行い、PCDD、PCDFおよびco-PCBを同一画分に溶出して得た溶出液および/または該溶出液の濃縮液を用いることを特徴とする請求項1記載のPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法。
  3. 前記アルミナカラムクロマトグラフィーのアルミナとして、中性アルミナを用いることを特徴とする請求項2記載のPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法。
  4. 前記GC-MS のGCカラムとして、液相が微極性のキャピラリーカラムを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法。
  5. 前記GC-MS のGCカラムとして、液相が、フェニル基の含有量が5〜50 mol%であるフェニル−メチルポリシロキサンであるキャピラリーカラムを用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPCDD、PCDFおよびco-PCBのガスクロマトグラフ−質量分析方法。
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