JP3692625B2 - 超電導送電ケーブル - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導コイル等の超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブル、特に大電流を通電して用いられる超電導装置用の超電導送電ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
核融合装置、MHD発電装置、あるいは加速器等に用いられる大型の超電導マグネットは、大型の導体を用いて構成され、大電流を通電して使用される。通常の超電導マグネットにおいては、極低温に冷却された超電導マグネットへの電流の供給は、電流リードを超電導マグネットの近傍に設置して、電流リードの室温部に配した常温端子に電源からの銅製ブスバーを接続し、電流リードの低温端に超電導マグネットへ連結される接続バー、例えば超電導線を銅製バーに埋め込んでなる接続バーを接続して行われるのが通例である。しかしながら、例えば数十kAの大電流を流す上記のごとき大型の超電導マグネットでは、発生磁界の及ぶ範囲が広いので、電源を磁界の影響を受けないように超電導マグネットより例えば数十m離れた位置に配置することが必要となる。
【0003】
このとき、電流リードを超電導マグネットの近傍に設置し、電源と電流リードとの間を長大な銅製ブスバーにより連結する方法を採ることとすれば、▲1▼電流リードおよび銅製ブスバーを流れる電流により生じる磁界が大きく、超電導マグネットの所定発生磁界を損なう恐れがあり、また、▲2▼室温にある銅製ブスバーの許容電流密度は 0.5〜2.0 A/mm2 と小さいので、ブスバーが大型となり装置が大型化して広い設置空間が必要となる。さらに、▲3▼特に核融合装置では、他の設置機器との干渉により超電導マグネットの近傍に電流リードを配設することが不可能である。したがって、この連結方法に替わるものとして、電流リードを電源の近傍に設置し、電流リードの低温端と超電導マグネットとの間を超電導導体を用いた長大な超電導ブスバーにより連結して、電流リードと超電導ブスバーよりなる超電導送電ケーブルにより超電導マグネットに電流を供給する方法が採られている。
【0004】
図7は、従来のこの種の超電導送電ケーブルの構成例を示す断面図である。
冷媒貯液容器6には、それぞれ電流リード1を組み込んだ一組の液体ヘリウム容器9と、液体ヘリウム2を貯液するリザーバタンク3が収納されており、これらを囲んで配された熱シールド5と真空7とにより断熱して保持されている。一組の液体ヘリウム容器9とリザーバタンク3は下端近傍において連通しており、リザーバタンク3に貯液された液体ヘリウム2が液体ヘリウム容器9へと供給されるよう構成されている。電流リード1は、銅または銅合金などの良電気伝導体からなる導体を内蔵しており、液体ヘリウム容器9に貯液された液体ヘリウム2が蒸発して生じた低温のヘリウムガスを下端より導入し、内部を通流させて導体を冷却し、上端に設置された常温端子の冷媒排出口より排出するよう構成されている。液体ヘリウム2により冷却された電流リード1の低温端は、ケーブルジョイント4によりブスバー容器12に収納された、超電導体を安定化金属に埋設して一体化された超電導ブスバー10へと接続されており、超電導ブスバー10の他端は、コイル容器22に収納された超電導コイル20にジョイント21を介して接続されている。超電導ブスバー10は、接続端を除く大半がヘリウム配管11の内部に配されており、その外周に配された熱シールド5と、両端を冷媒貯液容器6とコイル容器22に接続したブスバー容器12により形成される真空7により断熱して保持されている。また、超電導ブスバー10を収納するヘリウム配管11は、電流リード側端部にリザーバタンク3へと接続された連通管13を、また超電導コイル側端部に冷凍機へと排出するヘリウム排出口14を備えてなり、リザーバタンク3の液体ヘリウム2を導入し通流することにより超電導ブスバー10を冷却する構成となっている。
【0005】
すなわち、本構成の超電導送電ケーブルでは、リザーバタンク3に貯液された液体ヘリウム2を分流して電流リード1と超電導ブスバー10とを冷却する方式を採ることにより、電流リードと超電導ブスバーよりなる超電導送電ケーブルによって超電導マグネットへ電流を供給している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超電導送電ケーブルでは、上記のごとく構成することによって、所要スペースが小さく、超電導マグネットの発生磁界を阻害することのない電流供給手段を実現している。
しかしながら、本構成の超電導送電ケーブルでは、リザーバタンク3に貯液された液体ヘリウム2を分流して、電流リード1と超電導ブスバー10を冷却する方式を採っており、電流リード1においては液体ヘリウム容器9に貯液された液体ヘリウム2が蒸発して生じた低温のヘリウムガスにより冷却するのに対して、超電導ブスバー10では加圧して供給される液体ヘリウム2で冷却されることとなる。すなわち、本構成では、冷媒の相状態が異なる二つの被冷却体にリザーバタンク3に貯液された液体ヘリウム2を並列に供給しているので、冷却条件が他方の冷却条件の変化により変動し、一方の被冷却体の冷却条件を向上させれば、他方の被冷却体の冷却条件に影響を及ぼし、冷却性能が低下する事態が生ずるので、それぞれの被冷却体をバランスよく安定に冷却することが極めて困難であるという難点がある。
【0007】
本発明の目的は、上記のごとき従来技術の難点を解消し、所要スペースが小さく、超電導マグネットの発生磁界を阻害する恐れがないばかりでなく、バランスよく安定して冷却運転される超電導送電ケーブルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明においては、
(1)室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルを、超電導導線、あるいは超電導導線と低抵抗金属導線からなる複数の導体素線を金属管内に収納してなり、一端に電源に接続される常温端子を配し、他端がジョイントを介して超電導装置へ接続されてなる超電導ブスバーと、超電導ブスバーを取り囲んで配された良熱伝導性金属からなる熱シールドと、超電導ブスバーと熱シールドを収納し真空に保持される室温容器とを備えて構成し、
上記の金属管のジョイントの近傍に備えられた冷媒供給口より冷媒を導入し、金属管内を通流させて、上記の常温端子に備えられた冷媒排出口より排出して、金属管内に収納した前記の複数の導体素線を冷却して用いることとする。
【0009】
このようにすれば、超電導送電ケーブルの導体素線を冷却する冷媒は、冷媒供給口より冷媒排出口へと一元的に通流することとなるので、安定した冷却運転ができることとなる。また、本構成では、従来のケーブルジョイントのごとき接続部分が存在しないので、接続によるジュール発熱がなく、熱損失が低く抑えられることとなる。
【0010】
(2)さらに、(1)の超電導送電ケーブルの熱シールドに、超電導ブスバーの金属管に連通して冷媒を通流するシールド冷却管を備えることとする。
このようにすれば、熱シールドの冷却が効果的に行われ、熱損失が一層低く抑えられることとなる。
(3)さらに、(1)または(2)の超電導送電ケーブルの金属管内に配された複数の導体素線を、常温端子に隣接する部分を直線構造とし、他の部分を撚線構造として形成することとする。
【0011】
このようにすれば、室温から極低温へと温度変化する電流リードに対応する常温端子に隣接した部分において、複数の導体素線を金属管内に密に配設することができ、冷媒による冷却が効果的にできるので、常温端子側からの熱侵入量を抑制することができる。また、極低温部分を撚線構造として形成すれば超電導導線の交流磁界による損失が低減できるので熱損失が抑えられ、かつ複数の導体素線間での通流電流の偏りを抑えられるので、安定した通電が可能となる。
【0012】
(4)また、室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルを、超電導導線、あるいは超電導導線と低抵抗金属導線からなる複数の導体素線を金属管内に収納してなり、一端がジョイントを介して超電導装置へ接続されてなる超電導ブスバーと、リード導体の極低温側の一端がケーブルジョイントを介して超電導ブスバーの他端に接続され、リード導体の他の一端に電源に接続される常温端子を備え、極低温側が冷媒容器に貯液された冷媒に浸漬されてなる電流リードと、超電導ブスバー、ケーブルジョイント、電流リードおよび冷媒容器を取り囲んで配された良熱伝導性金属からなる熱シールドと、超電導ブスバー、ケーブルジョイント、電流リード、冷媒容器および熱シールドを収納し、真空に保持される室温容器とを備えて構成し、
上記の金属管のジョイントの近傍に備えられた冷媒供給口より冷媒を導入し、金属管内を通流させて上記の複数の導体素線を冷却し、金属管と上記の冷媒容器との間に備えられたジュールトムソン弁(JT弁)を有する接続配管を通して冷媒容器へと冷媒を送り、冷媒容器に貯液された冷媒が蒸発して生じた低温ガスにより電流リードのリード導体を冷却して用いることとする。
【0013】
このようにすれば、超電導送電ケーブルを構成する超電導ブスバーの導体素線と電流リードを冷却する冷媒は、冷媒供給口より導入され、金属管内を通流し、接続配管を通して冷媒容器へ送られ、蒸発して生じた低温ガスは電流リードの常温端より排出される。すなわち、本構成では、冷媒が一元的に通流することとなるので、安定した冷却運転ができることとなる。
【0014】
(5)さらに、上記(4)の超電導送電ケーブルの熱シールドに、超電導ブスバーの金属管に連通して冷媒を通流するシールド冷却管を備えることとする。
このようにすれば、熱シールドの冷却が効果的に行われ、熱損失が一層低く抑えられることとなる。
(6)さらに、上記(4)、または(5)の超電導送電ケーブルの超電導ブスバーの金属管内に配された複数の導体素線を撚線構造として形成することとする。
【0015】
このようにすれば、極低温にある超電導導線の交流磁界による損失が低減できるので熱損失が抑えられ、かつ複数の導体素線間での通流電流量の偏りが抑えられるので、安定した通電が可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による超電導送電ケーブルの第1の実施例の基本構成を模式的に示す断面図である。また図2は、本実施例の超電導ブスバーの構成を示す横断面図である。
図1に見られるように、本実施例の超電導送電ケーブルは、多数の超電導細線を低抵抗金属の銅中に埋設して形成した超電導導線からなる導体素線を金属管中に収納してなる一組の超電導ブスバー51と、これを取り囲んで配された熱シールド52を、ブスバー容器53の内部に収納し、真空55に保持して構成されている。超電導ブスバー51の一端は、コイル容器22に収納された超電導コイル20の接続リードにジョイント21を介して接続されており、他端には、室温空間に配された電源へと接続される常温端子54が付設されている。また、超電導ブスバー51のジョイント21の側の端部近傍には冷媒供給口56が、また常温端子54には超電導ブスバー51の金属管に連結する冷媒排出口57が設置されている。
【0017】
また、図2に見られるように、超電導導線からなる多数の導体素線71を金属管73に収納し、外周に絶縁74を施して超電導ブスバー51を構成し、このように構成された一組の超電導ブスバー51を良熱伝導性金属である銅製の円筒板からなる熱シールド52で取り囲み、円筒状のブスバー容器53の内部に収納して超電導送電ケーブルが形成されている。
【0018】
本構成では、冷媒を冷媒供給口56より供給し、金属管中を通流させ、冷媒排出口57より排出することにより、金属管中に収納した超電導導線からなる導体素線71を冷却して極低温に保持して通電されるので、冷媒は一元的に流れ、安定した冷却運転ができる。また、極低温に冷却した超電導導線を用いることによって小型に構成されるばかりでなく、本構成では従来例で示したごとき電流リードの液体ヘリウム容器が不要で、縦置きの配置とする必要がないので設置所要空間が小さくコンパクトに配設することができる。
【0019】
図3は、本発明による超電導送電ケーブルの第2の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図である。
本図の構成の第1の実施例の構成との基本的な差異は、熱シールド52に、超電導ブスバー51の金属管73にシールド接続管58を介して接続する熱シールド冷却管52aが備えられていることにある。シールド接続管58は超電導ブスバー51の電流リードに対応する部分の極低温端に設置されており、冷媒供給口56より供給され、超電導ブスバー51bを通流した冷媒は、大半は超電導ブスバー51aへと流れ、一部はシールド接続管58を通して熱シールド冷却管52aへと流れ、熱シールド52を冷却したのちシールド冷却ガス出口59より排出される。したがって、本構成では熱シールド52が効果的に冷却されるので、熱侵入量を低く抑えることができる。
【0020】
なお、上記の第1、第2の実施例では、超電導ブスバー51の金属管73に束状に収納する導体素線71を超電導導線より形成しているが、超電導導線に例えば銅よりなる低抵抗金属導線を組み込んで形成したものとしても、ほぼ同等の効果が得られる。
図4は、本発明による超電導送電ケーブルの第3の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図で、第1の実施例あるいは第2の実施例の構成の超電導送電ケーブルの超電導ブスバーの金属管の内部に配される導体素線に適用される構成を示す断面図である。
【0021】
本実施例の導体構成の特徴は、超電導ブスバーの電流リードに対応する部分(領域A)に配置された導体素線71が直線構造に、他の部分、すなわち極低温部分(領域B)が撚線構造として形成されていることにある。特に、領域Aにおけるボイド率(金属管73の内部の全断面積に占める冷媒通流断面積の割合)を約20%として構成しているので、冷媒の偏流を生じることなく構成する各導体素線71が効果的に冷却され、常温端子側からの熱侵入が抑制される。また、領域Bにおけるボイド率を約35%として導体素線71を配しているので、超電導導体の交流損失を抑え、各導体素線71間の電流偏流を抑える撚線構造が採れ、かつ有効な冷却が保持されている。なお、導体素線71を直線構造に配した領域Aにおけるボイド率を約30%以上とすれば、冷媒の偏流が生じて有効に冷却されない導体素線71が存在することとなり、常温端子側からの熱侵入が増大することとなる。また、導体素線71を撚線構造に配した領域Aにおいて、ボイド率を30%以下とすれば有効な撚線が不可能であり、またボイド率を40%以上とすれば冷媒の偏流が生じて有効な冷却が得られなくなる。
【0022】
図5は、本発明による超電導送電ケーブルの第4の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図である。
図に見られるように、本構成の超電導送電ケーブルは、電流リード容器6Aに収納された一組の電流リード1と、ブスバー容器53に収納された一組の超電導ブスバー51からなる。超電導ブスバー51は、図7に示した従来例の超電導体を安定化金属に埋設してなる超電導ブスバー10と異なり、金属管に多数の超電導導線よりなる導体素線を撚線構造にして収納し形成したものである。また、電流リード容器6Aには、図7に示した従来例のごときリザーバタンクは設置されておらず、電流リード1を組み込んだ一組の液体ヘリウム容器9Aには、超電導ブスバー51を冷却した冷媒が供給されるよう構成されている。すなわち、超電導ブスバー51の超電導コイル側の端部近傍に設けられた冷媒供給口58より導入され、超電導ブスバー51の金属管の内部を通流して多数の導体素線を冷却した超臨界圧状態のヘリウムを、ケーブルジョイント4の近傍より連結管81を通して液体ヘリウム容器9Aへと送り、連結管81に設置したJT弁82によって液体ヘリウムに相変化させて、液体ヘリウム容器9Aに貯液する構成である。
【0023】
したがって、本構成では、冷媒供給口58より導入した冷媒により、超電導ブスバー51の導体素線と電流リード1とを順次冷却し、電流リード1の常温端より排出することとなるので、従来例に比較して冷却系統が簡素化され、安定したバランスよい冷却運転ができることとなる。
図6は、本発明による超電導送電ケーブルの第5の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図である。本構成は、第4の実施例の構成の超電導送電ケーブルに、超電導ブスバー51のケーブルジョイント4の近傍より熱シールド52に付設された図示しない熱シールド冷却管へと連通するシールド接続管83を備えたものであり、超電導ブスバー51の金属管の内部を通流した冷媒の一部を熱シールド冷却管へ分流して、熱シールド52を効果的に冷却する構成である。したがって、本構成においては、電流リード容器6Aとブスバー容器53とが効果的に断熱され、熱侵入量がより一層低く抑えられることとなる。
【0024】
【発明の効果】
上述のごとく、本発明によれば、
(1)室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルを、請求項1に記載のごとくに構成することとしたので、所要スペースが小さく、超電導マグネットの発生磁界を阻害する恐れがないばかりでなく、導体素線を冷却する冷媒が冷媒供給口より冷媒排出口へと一元的に通流するので、バランスよく安定して冷却運転される超電導送電ケーブルが得られることとなった。
【0025】
(2)さらに、請求項2に記載のごとくにすれば、熱シールドが効果的に冷却されて熱損失が一層低く抑えられることとなり、また請求項3に記載のごとくにすれば、常温端子側からの熱侵入量が低減し、かつ極低温部分の超電導導線の交流磁界による損失が低減し、複数の導体素線間での通流電流量の偏りが抑制されるので、バランスよく安定して冷却運転される超電導送電ケーブルとして、より好適である。
【0026】
(3)また、室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルを、請求項4に記載のごとくに構成することとすれば、超電導ブスバーの導体素線と電流リードとを導電接続して構成されるものにおいても、これらの導体を冷却する冷媒が一元的に通流することとなるので、バランスよく安定して冷却運転される超電導送電ケーブルが得られることとなる。
【0027】
(4)さらに、請求項5に記載のごとくにすれば、熱シールドが効果的に冷却されて熱損失が一層低く抑えられることとなり、また請求項6に記載のごとくにすれば、超電導ブスバー部分の超電導導線の交流磁界による損失が低減し、複数の導体素線間での通流電流量の偏りが抑制されるので、バランスよく安定して冷却運転される超電導送電ケーブルとして、より好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による超電導送電ケーブルの第1の実施例の基本構成を模式的に示す断面図
【図2】図1に示した第1の実施例の超電導ブスバーの構成を示す横断面図
【図3】本発明による超電導送電ケーブルの第2の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図
【図4】本発明による超電導送電ケーブルの第3の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図
【図5】本発明による超電導送電ケーブルの第4の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図
【図6】本発明による超電導送電ケーブルの第5の実施例の要部の基本構成を模式的に示す断面図
【図7】従来のこの種の超電導送電ケーブルの構成例を示す断面図
【符号の説明】
1 電流リード
2 液体ヘリウム
4 ケーブルジョイント
6A 電流リード容器
9A 液体ヘリウム容器
20 超電導コイル
21 ジョイント
22 コイル容器
51 超電導ブスバー
52 熱シールド
52a 熱シールド冷却管
53 ブスバー容器
54 常温端子
55 真空
56 冷媒供給口
57 冷媒排出口
58 シールド接続管
59 シールド冷却ガス出口
71 導体素線
72 冷媒
73 金属管
74 絶縁
81 連結管
82 JT弁
83 シールド接続管
Claims (6)
- 室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルにおいて、
超電導導線、あるいは超電導導線と低抵抗金属導線からなる複数の導体素線を金属管内に収納してなり、一端に電源に接続される常温端子を配し、他端がジョイントを介して超電導装置へ接続されてなる超電導ブスバーと、
超電導ブスバーを取り囲んで配された良熱伝導性金属からなる熱シールドと、
超電導ブスバーと熱シールドを収納し、真空に保持される室温容器と
を備え、前記金属管のジョイントの近傍に備えられた冷媒供給口より冷媒を導入し、金属管内を通流させて、前記常温端子に備えられた冷媒排出口より排出して、金属管内に収納した前記の複数の導体素線を冷却して用いることを特徴とする超電導送電ケーブル。 - 請求項1に記載の超電導送電ケーブルにおいて、前記熱シールドが、超電導ブスバーの金属管に連通して冷媒を通流するシールド冷却管を備えてなることを特徴とする超電導送電ケーブル。
- 請求項1または2に記載の超電導送電ケーブルにおいて、前記の超電導ブスバーの金属管内に配された複数の導体素線が、常温端子に隣接する部分を直線構造とし、他の部分を撚線構造として形成されていることを特徴とする超電導送電ケーブル。
- 室温空間に置かれた電源より極低温に冷却された超電導装置へ電流を供給する超電導送電ケーブルで、
超電導導線、あるいは超電導導線と低抵抗金属導線からなる複数の導体素線を金属管内に収納してなり、一端がジョイントを介して超電導装置へ接続されてなる超電導ブスバーと、
リード導体の極低温側の一端がケーブルジョイントを介して超電導ブスバーの他端に接続され、リード導体の他の一端に電源に接続される常温端子を備え、極低温側が冷媒容器に貯液された冷媒に浸漬されてなる電流リードと、
超電導ブスバー、ケーブルジョイント、電流リードおよび冷媒容器を取り囲んで配された良熱伝導性金属からなる熱シールドと、
超電導ブスバー、ケーブルジョイント、電流リード、冷媒容器および熱シールドを収納し、真空に保持される室温容器と
を備え、前記金属管のジョイントの近傍に備えられた冷媒供給口より冷媒を導入し、金属管内を通流させて前記の複数の導体素線を冷却し、金属管と前記冷媒容器との間に備えられたジュールトムソン弁(JT弁)を有する接続配管を通して冷媒容器へと冷媒を送り、冷媒容器に貯液された冷媒が蒸発して生じた低温ガスにより電流リードのリード導体を冷却して用いることを特徴とする超電導送電ケーブル。 - 請求項4に記載の超電導送電ケーブルにおいて、前記熱シールドが、超電導ブスバーの金属管に連通して冷媒を通流するシールド冷却管を備えてなることを特徴とする超電導送電ケーブル。
- 請求項4または5に記載の超電導送電ケーブルにおいて、前記の超電導ブスバーの金属管内に配された複数の導体素線が撚線構造として形成されていることを特徴とする超電導送電ケーブル。
Priority Applications (1)
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