JP3692252B2 - 車両用の油圧装置およびオートクラッチ装置 - Google Patents

車両用の油圧装置およびオートクラッチ装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ポンプを含む油圧装置に関し、具体的には、例えば車両のオートクラッチ装置、ABS(アンチスキッドブレーキシステム)等を駆動する油圧を供給するための車両用の油圧装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】
油圧により駆動される自動車の機器に対して油圧を供給するための油圧装置は、油タンクから吸込路を介して油を吸い込み、吐出路を介して圧油を吐出して各機器に供給する油圧ポンプを有している。
ところで、油圧ポンプでは、その始動時において、ポンプ圧力が所定の圧力以上になるまで外部へ油が吐出されないタイプのものがある。この種の油圧ポンプでは上記の所定の圧力に達するまで油が油圧ポンプの内部で循環するため、油温が非常に高くなる。その結果、シール等の劣化を早めるおそれがある。
【0003】
また、例えばギヤポンプを含む油圧装置をオートクラッチ装置に適用する場合、作動油として用いられるブレーキ油の粘性が低くて潤滑性が悪いため、ポンプの始動時に金属接触が発生し易く、軸受部に異常摩耗が生ずるおそれがある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は油圧ポンプ起動時の高温発生や潤滑不良による耐久劣化を防止することのできる車両用の油圧装置及びオートクラッチ装置を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、電磁弁を介してスレーブシリンダに連なる油路と、車両の発進と同時に駆動を開始する駆動源によって駆動され、油タンクから吸込路を介して吸入した油を吐出路を介してスレーブシリンダに連なる油路へ吐出する油圧ポンプと、上記スレーブシリンダに連なる油路に、油圧ポンプと並列に接続されたアキュームレータと、上記吐出路と油タンクとを連通するバイパス路と、このバイパス路に配置され、バイパス路を流れる流量が所定の流量以上になるとバイパス路を閉じる流量制御弁とを備え、ポンプ軸の回転数が低くてバイパス路を流れる流量が所定の流量よりも少ない、油圧ポンプの起動直後であって、流量制御弁によってバイパス路が開放されているときに、電磁弁が開放された場合、上記アキュームレータからスレーブシリンダに連なる油路に油が供給され、油圧ポンプの起動から遅れてバイパス路を流れる流量が所定の流量以上に増大すると、流量制御弁によってバイパス路閉じられることを特徴とするものである。
【0005】
本態様では、油圧ポンプを始動した直後は、バイパス路が開放されているので、油は油タンクから吸込路、油圧ポンプ、吐出路及びバイパス路を順次に経由して油タンクに戻され、循環される。すなわち、油圧ポンプのポンプ軸の回転数が低い(軸受負荷容量が小さい)間は、バイパス油路を介して油が循環されるので、油圧ポンプの発生圧力を低く抑えることができる。したがって、油が高温になることもなく、また、油圧ポンプのポンプ軸の軸受部に不要に高い負荷が及ぼされることがない。一方、ポンプ回転数が高く(軸受負荷容量が大きく)なった時点で、バイパス回路が閉じて、発生圧力を高くする。発生圧力が高くなっても、軸受部に潤滑膜が形成されているので、金属接触が発生し難い。
【0006】
特に、近年、車両では省エネの要請から、例えば信号待ち等の間、車両の駆動源その他の機器の駆動を停止し、発進と同時に駆動を開始するような使い方もある。このような場合、油圧ポンプが始動、停止される頻度が高く、本態様であれば、これに有効に対処することができる。
ところで、ギヤポンプは潤滑性の悪い油が用いられる関係上、ポンプ起動時に潤滑不良による異常摩耗を発生し易いが、本態様では油圧ポンプがギヤポンプである場合において、特に、異常摩耗の発生を防止できる点で顕著な効果がある。
【0008】
量制御弁を用いるので、圧力感応型のスプール弁を用いる場合と比較して弁構造を簡素化することができる。
【0009】
請求項記載の発明の態様は、請求項において、上記流量制御弁は、弁孔を閉じることのできるボールと、このボールを中間部材を介して開放方向に押す弾性部材とを含み、上記中間部材は、当該中間部材の前後の差圧を受けて、弾性部材に抗してボールによる弁孔の閉塞を許容する方向へ変位することを特徴とするものである。
【0010】
本態様では、差圧を受ける中間部材を用いてボールによる弁孔の開閉を行うので、開閉が確実である。また、弾性部材の付勢力の設定により、ボールを作動させる流量を容易に調整することができる。
請求項記載の発明の態様は、電磁弁を介してスレーブシリンダに連なる油路と、車両の発進と同時に駆動を開始する駆動源によって駆動され、油タンクから吸込路を介して吸入した油を吐出路を介してスレーブシリンダに連なる油路へ吐出する油圧ポンプと、上記スレーブシリンダに連なる油路に、油圧ポンプと並列に接続されたアキュームレータと、上記吐出路と油タンクとを連通するバイパス路と、バイパス路に、互いに直列に配置された圧力制御弁および絞りとを備え、ポンプ軸の回転数が低くてポンプ軸の回転数が低くて吐出路の圧力が低い、油圧ポンプの起動直後であって、圧力制御弁によってバイパス路が開放されているときに、電磁弁が開放された場合、上記アキュームレータからスレーブシリンダに連なる油路に油が供給され、油圧ポンプの起動から遅れて吐出路の圧力が高くなると、圧力制御弁が絞りの上流側に生ずる圧力をパイロット圧としてバイパス路を遮断することを特徴とするものである。本態様では、パイロット型の圧力制御弁を用いるので、油圧ポンプの起動直後の内圧上昇を確実に抑えることができる。
【0011】
請求項記載の発明の態様は、車両用のオートクラッチ装置において、動力源から変速機に伝達される動力をレリーズ部材の移動により断接する摩擦クラッチと、上記レリーズ部材を摩擦クラッチが切れる方向に駆動するための油圧をスレーブシリンダに供給する請求項1,2又は3に記載の油圧装置とを含むことを特徴とするものである。本態様では、オートクラッチ装置において、請求項1,2又は3に記載の作用効果を得ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施の形態の油圧装置を含む、車両用オートクラッチ装置の概略構成図である。図1を参照して、本オートクラッチ装置1は、摩擦クラッチ2と、この摩擦クラッチ2のレリーズベアリング3をレリーズフォーク4を介して駆動するスレーブシリンダ5と、摩擦クラッチ2を断接する信号に応じて作動する方向制御弁からなる電磁弁6と、この電磁弁6を介してスレーブシリンダ5に油圧を供給する油圧装置としてのポンプユニット7とを備えている。
【0013】
摩擦クラッチ2は、エンジンや電動モータ等の車両の駆動源の出力軸と一体になって回転するフライホイール8に、クラッチカバー9を組み付けて、その外郭を構成すると共に、クラッチディスク10とプレッシャープレート11とを内蔵している。スレーブシリンダ5がレリーズフォーク4の一端(図1では上端)を押すと、レリーズフォーク4が支点12の回りに揺動し、レリーズフォーク4の他端(図1では下端)がレリーズベアリング3を介してダイヤフラムスプリング13の内周を押す。これにより、ダイヤフラムスプリング13が逆に反り返る姿勢となり、ダイヤフラムスプリング13の外周によってプレッシャープレート11が引き戻されてクラッチディスク10から離反し、クラッチが切れるようになっている。
【0014】
油圧装置としてのポンプユニット7は、例えばギヤポンプからなる油圧ポンプ14と、この油圧ポンプ14を駆動するモータMと、油タンク15と、逆止弁18と、弁手段としての流量制御弁20とを主要部として備えている。
油圧ポンプ14は吸込路16を介して油タンク15から油を吸い込み、吐出路17を介して上記の電磁弁6側へ圧油を吐出する。上記の逆止弁18は吐出路17に配置され、油圧ポンプ14側への油の逆流を防止する。
【0015】
また、吐出路17の途中部(吐出路7において油圧ポンプ14と逆止弁18との間の中間部分)に設けられた分岐点dを、油タンク15に接続するバイパス路19が設けられており、このバイパス路19に上記の流量制御弁20が配置されている。
ポンプユニット7の吐出路17は外部の油路21に接続され、この油路21が上記の電磁弁6を介してスレーブシリンダ5に接続されている。22は油路21において電磁弁6の上流側に設けられたアキュームレータである。また、70は油路21の圧力に応じて、油圧ポンプ14駆動用のモータMをオンオフ制御する圧力スイッチである。
【0016】
上記の弁手段としての流量制御弁20は、バイパス路19を流れる流量が所定の流量以上になるとバイパス路19を閉じるものである。図2(a)及び(b)を参照して、流量制御弁20は、弁孔23を閉じることのできるボール24と、このボール24を中間部材25を介して開放方向に押す圧縮コイルばねからなる弾性部材26とを有している。
【0017】
流量制御弁20のケーシングKは、弁孔23の前後に、弁孔23より大径のボール収容室27と中間部材収容室28とを区画している。弁孔23のボール収容室27側の周縁が弁座となっている。38はボール収容室27内においてボール24の前後に油が流れるようにするための油溝である。
ボール24はボール収容室27に所定距離だけ進退自在な状態で収容され、また、中間部材25は中間部材収容室28に摺動自在に収容されている。
【0018】
中間部材25は、中間部材収容室28の内壁面に摺動すると共に軸方向に貫通する複数の油孔32を有する大径の円板部29と、この円板部29の一端中央から軸方向に延びてボール24を押す小径の押し棒30と、円板部29の他端から軸方向に延びて、弾性部材26としての圧縮コイルばねに内嵌されるガイド棒31とを有している。
【0019】
圧縮コイルばねからなる弾性部材26は、一部が中間部材収容室28内に挿入されてねじ結合するリテーナ33と、中間部材25の他端との間に介在している。リテーナ33は油タンク15側へ接続するための管路(図示せず)のジョイントである。34は吐出路17側へ接続するための管路(図示せず)のジョイントである。ジョイント34の一部はボール収容室27内に侵入し、ボール24の抜け止めの役目を果たしている。
【0020】
中間部材収容室28には、中間部材25が弁孔23側へ移動したときに、円板部29の外縁に当接して、これを受ける環状段部からなる受け部35が形成されている。中間部材25の円板部29の弁孔23側の端面と、中間部材収容室28の弁孔23側の端面36との間は所定間隔隔てられ、この間に油室37が形成されている。弾性部材26により付勢された中間部材25が受け部35に当接した状態でも油室37の容積が確保されるように、受け部35は中間部材収容室28の端面36から離隔した位置に配置されている。また、図2(a)に示すように、弾性部材26により付勢された中間部材25が受け部35に当接した状態で、弁棒30が弁孔23を貫通してボール24を押し上げ、ボール24を弁孔23の周縁から離して弁を開放する。これにより、吐出路17側から油がボール収容室27及び弁孔23を介して、中間部材収容室28に入り、油室37及び油孔32を介して油タンク15に至るようになっている。
【0021】
本実施の形態では、油圧ポンプ14の始動から所定時間tが経過するまでの間は、ポンプ軸の回転数が低くて流量が少ない。したがって、中間部材25の前後の差圧が小さいので、図2(a)に示すように中間部材25は弾性部材26により押し上げられてボール24を押し弁孔23を開放している。このため、図1に実線矢符で示すように、油は、油タンク15から吸込路16、油圧ポンプ14、吐出路17及びバイパス路19を介して油タンク15に還流され循環される。
【0022】
これにより、油圧ポンプ内で油が循環される従来の場合と比較して、油圧ポンプ14の発生圧力を低く抑えることができる結果、油が高温になることもなく、また、ポンプ軸の軸受部に不要に高い負荷が及ぼされることがない。すなわち、ポンプ軸の回転数が低くて軸受負荷容量が小さい間は、発生圧力が抑えられて軸受負荷が軽減されるので、金属接触等が生じ難く、軸受部の耐久性を向上することができる。特に、油圧ポンプ14がギヤポンプである場合に、軸受部の耐久性に関して顕著な効果を奏することができる。
【0023】
なお、バイパス路19を介して油が循環されている間に電磁弁6が開放されても、油圧ポンプ14と並列に配置されたアキュームレータ22から、図1に一点鎖線矢符で示すように、スレーブシリンダ5側へ油が供給されるので、供給油圧の立ち上がりの遅れは生じない。
始動から所定時間tが経過してポンプ軸の回転数が高くなり、流量が所定の流量以上に増大すると、油孔32を通過する際の圧力降下が大となる。その結果、中間部材25の前後の差圧が増大し、この差圧を受けた中間部材25は、図2(b)に示すように、弾性部材26に抗して、弁孔23内に埋没する方向へ変位する。これにより、ボール24が弁孔23を閉塞し、バイパス路19が閉じられる。その結果、油圧ポンプ14から吐出路17へ吐出される圧油は、図1において破線矢符で示すように逆止弁18を介して電磁弁6側へ送られる。これにより、油圧ポンプ14により摩擦クラッチ2を駆動することが可能となる。
【0024】
このように、ポンプ軸の回転数が高くなった時点でバイパス回路19を閉じて発生圧力を高くするが、軸受負荷容量も大となっているので、軸受部で金属接触が発生することはない。
また、バイパス路19及び流量制御弁20を油圧ポンプ14のケーシング内に組み込んでおけば、ポンプユニット7全体をコンパクトにすることができる。また、本ポンプユニット7を他の機器に適用し易い。
【0025】
図3は本実施の形態における、油圧ポンプ14のポンプ軸の回転数変化と吐出路17の油圧の変化を経時的に示すグラフ図である。図3において、二点鎖線はポンプ軸の回転数を示しており、実線は本実施の形態での吐出油圧を示し、一点鎖線は本実施の形態からバイパス路19を取り除いた従来の場合の吐出油圧を示している。従来の場合は始動直後から油圧ポンプ14の吐出油圧が立ち上がっているのに対して、本実施の形態では始動から時間tの遅れを持って吐出油圧が立ち上がり、時間tが経過までの昇圧を確実に防止することができる。
【0026】
次いで、図4〜図7を参照して、本発明の他の実施の形態について説明する。図4を参照して、本実施の形態が図1の実施の形態と異なるのは、図1の実施の形態の油圧装置としてのポンプユニット7では、バイパス路19に流量制御弁20を配置していたが、本実施の形態の油圧装置としてのポンプユニット7Aでは、バイパス路19に圧力制御弁40と絞り41とを直列に配置している点である。
【0027】
絞り41は圧力制御弁40よりも油タンク15側に配置されており、圧力制御弁40はパイロット油路42を備えている。このパイロット油路42は圧力制御弁40の二次側圧力をパイロットするために、バイパス路19において、圧力制御弁40と絞り41との間の接続点eに接続されている。
油圧ポンプ14の始動直後でポンプ軸の回転数が低く、吐出路17の圧力が低い状態では、圧力制御弁40は図4に示すように内部油路44によりバイパス路19を開放する第1の状態にある。このため、油はバイパス路19を介して油タンク15に循環される。
【0028】
一方、ポンプ軸の回転数が高くなって吐出路17の圧力が高くなると、絞り41があるために、バイパス路19において絞り41よりも吐出路17側にある部分の圧が高まる。この圧をパイロット圧として、図5に示すように圧力制御弁40はバイパス路19を遮断する第2の状態となり、吐出路17から電磁弁6側へ送られる。図4及び図5において他の構成については図1の実施の形態と同様であるので、図に同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
図6は本実施の形態における、油圧ポンプ14のポンプ軸の回転数と吐出路17の油圧の変化を経時的に示すグラフ図である。図6において、二点鎖線はポンプ軸の回転数を示しており、実線は本実施の形態での吐出油圧を示し、一点鎖線は本実施の形態からバイパス路19を取り除いた従来の場合の吐出油圧を示している。従来の場合は始動直後から油圧ポンプ14の吐出油圧が立ち上がっているのに対して、本実施の形態では始動から時間tが経過するまでの間、吐出油圧が絞り41により緩やかに上昇する。すなわち、この間に高圧が発生するのを防止することができる。
【0030】
次いで、圧力制御弁40と絞り41の具体的構造について図7を参照して説明する。圧力制御弁40は、スプール45と、このスプール45を摺動自在に収容する円孔46と、円柱状くし形のスプール45を開放方向に付勢する圧縮コイルばねからなる弾性部材47とを備えている。スプール45は、円孔46の内周面との間に環状油路48を区画するための周溝49を有しており、この周溝49を挟んだ両側の位置に第1の大径部50と第2の大径部51とを有している。
【0031】
圧力制御弁40のケーシングK1は、上記の円孔46とそれぞれ直交する第1の内部油路52、第2の内部油路53及び第3の内部油路54を備えている。第1及び第2の内部流路52,53は円孔46を径方向に挟んで対向する状態に配置されている。上記の環状油路48は、第2の内部油路53、油路55及び油路56を含む上記のパイロット油路42を介して油室57に連通している。油室57内にはスプール45の一端部が侵入しており、パイロット油路42を介してパイロット圧として油室57内に導かれた圧がスプール45を閉じ方向に付勢するようになっている。58は油室57を封止する栓であり、また、スプール45の一端部に当接してスプール45の開放位置を位置決めする。
【0032】
第1及び第2の内部油路52,53は環状油路48の一端側に連通可能に配置されているのに対して、第3の内部油路54は環状油路48の他端側に連通可能に配置されている。第3の内部油路54には、上記絞り41としての固定オリフィスを形成するオリフィス形成体59が内嵌されている。第1の内部油路52が吐出路17の分岐点d側へ通じ、また、第3の内部流路54が油タンク15側へ通ずる。油圧ポンプ14の始動直後において、吐出路17に吐出された油は、第1の内部油路52、環状油路48及び絞り41を配した第3の内部油路54を順次に介して油タンク15に還流される。
【0033】
61は、スプール45の他端にリテーナ62を介して一端が係合する弾性部材47を収容するための収容孔であり、この収容孔62はドレン孔60に通じている。また、収容孔62は有底円筒状のカバー63によって液密的に閉じられており、このカバー63の内周面には、弾性部材47の他端に係合するガイド部材64が摺動自在に且つ液密的に収容されている。ガイド部材64はカバー63に形成されたねじ孔65を貫通する状態でねじ結合するねじ棒66を一体に設けている。67はねじ棒66に結合した状態でカバー63の端面に締結され、ねじ棒66のねじ孔65への結合位置をロックするロックナットである。ねじ棒66の結合位置の調整により弾性部材47のプリロードを調整し、これを通じて弁が閉じるときの圧力を調整できるようになっている。
【0034】
ポンプ始動直後で吐出油圧が低いときは図7に示すようにスプール45が円孔46を開放しているが、吐出油圧が高まるにしたがってパイロット油路42を介して油室57に導かれているパイロット圧が高まると、弾性部材47に抗してスプール45が弾性部材47側に変位され、第1の大径部50が、第1の内部油路52と第3の内部油路54との間で円孔46を閉じ、これによりバイパス路19が遮断されることになる。
【0035】
本実施の形態では、図1の実施の形態と同様にして、油圧ポンプ14の始動直後の高温や高圧の発生を抑制してシールや軸受の耐久性を向上することができる。特に、内圧に応じて作動する弁を用いているので、高圧発生を確実に防止することができる。また、圧力制御弁40のケーシングK1に絞り41を内蔵してあるので、構造を簡素化することができる。
【0036】
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、例えば、流量制御弁20や圧力制御弁40に代えて、タイマー信号にて動作する電磁弁を用いてバイパス路19を開閉するようにしても良い。また、アキュームレータ22、圧力スイッチ70及び電磁弁6が、油圧装置としてのポンプユニット7,7Aに含まれていても良い。その他、上記各実施の形態のポンプユニットを、ABSに適用すること等、本発明の範囲で種々の変更を施すことができる。
【0037】
【発明の効果】
請求項1記載の発明では、始動直後で油圧ポンプのポンプ軸の回転数が低い(軸受負荷容量が小さい)間は、バイパス回路を介して循環されるので、油圧ポンプの発生圧力を低く抑えることができる結果、油が高温になることもなく、また、ポンプ軸の軸受部に不要に高い負荷が及ぼされることがない。一方、ポンプ回転数が高く(軸受負荷容量が大きく)なった時点で、バイパス回路が閉じて、発生圧力を高くするが、軸受負荷容量も大となっているので、金属接触が発生し難い。特に油圧ポンプがギヤポンプである場合に軸受の耐久性向上に顕著な効果がある。
【0038】
また、流量制御弁を用いるので、圧力感応型のスプール弁を用いる場合と比較して弁構造を簡素化することができる。
請求項記載の発明では、差圧を受ける中間部材を用いてボールによる弁孔の開閉を行うので、開閉が確実である。また、弾性部材の付勢力の設定により、ボールを作動させる流量を容易に調整することができる。
【0039】
請求項記載の発明では、パイロット型の圧力制御弁を用いるので、油圧ポンプの起動直後の内圧上昇を確実に抑えることができる。
請求項記載の発明では、オートクラッチ装置において、請求項1ないし4で得られた作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の油圧装置としてのポンプユニットが適用されたオートクラッチ装置を模式的に示す概略構成図である。
【図2】(a)及び(b)は図1のポンプユニットに含まれる流量制御弁の開放時及び閉鎖時をそれぞれ示す断面図である。
【図3】図1のポンプユニットの油圧ポンプを始動してから、ポンプ軸の回転数とポンプユニット内の油圧がどのように変化するかを経時的に示すグラフ図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の油圧装置としてのポンプユニットが適用されたオートクラッチ装置を模式的に示す概略構成図であり、ポンプの始動直後の状態を示している。
【図5】図4のオートクラッチ装置において、ポンプの始動から所定時間経過した後の状態を示している。
【図6】図4のポンプユニットの油圧ポンプを始動してから、ポンプ軸の回転数とポンプユニット内の油圧がどのように変化するかを経時的に示すグラフ図である。
【図7】図4のポンプユニットに含まれる圧力制御弁の断面図であり、圧力制御弁の開放時を示している。
【符号の説明】
1 オートクラッチ装置
2 摩擦クラッチ
3 レリーズベアリング
4 レリーズフォーク
5 スレーブシリンダ
6 電磁弁
7,7A ポンプユニット(油圧装置)
8 フライホイール
10 クラッチディスク
11 プレッシャープレート
13 ダイヤフラムスプリング
14 油圧ポンプ
15 油タンク
16 吸込路
17 吐出路
18 逆止弁
19 バイパス路
20 流量制御弁
22 アキュームレータ
23 弁孔
24 ボール
25 中間部材
26 弾性部材
40 圧力制御弁
41 絞り
42 パイロット油路
45 スプール
46 円孔
47 弾性部材
48 環状油路
59 オリフィス形成体

Claims (4)

  1. 電磁弁を介してスレーブシリンダに連なる油路と、
    車両の発進と同時に駆動を開始する駆動源によって駆動され、油タンクから吸込路を介して吸入した油を吐出路を介してスレーブシリンダに連なる油路へ吐出する油圧ポンプと、
    上記スレーブシリンダに連なる油路に、油圧ポンプと並列に接続されたアキュームレータと、
    上記吐出路と油タンクとを連通するバイパス路と、
    このバイパス路に配置され、バイパス路を流れる流量が所定の流量以上になるとバイパス路を閉じる流量制御弁とを備え、
    ポンプ軸の回転数が低くてバイパス路を流れる流量が所定の流量よりも少ない、油圧ポンプの起動直後であって、流量制御弁によってバイパス路が開放されているときに、電磁弁が開放された場合、上記アキュームレータからスレーブシリンダに連なる油路に油が供給され
    油圧ポンプの起動から遅れてバイパス路を流れる流量が所定の流量以上に増大すると、流量制御弁によってバイパス路閉じられることを特徴とする車両用の油圧装置。
  2. 上記流量制御弁は、弁孔を閉じることのできるボールと、このボールを中間部材を介して開放方向に押す弾性部材とを含み、上記中間部材は、当該中間部材の前後の差圧を受けて、弾性部材に抗してボールによる弁孔の閉塞を許容する方向へ変位することを特徴とする請求項1記載の車両用の油圧装置。
  3. 電磁弁を介してスレーブシリンダに連なる油路と、
    車両の発進と同時に駆動を開始する駆動源によって駆動され、油タンクから吸込路を介して吸入した油を吐出路を介してスレーブシリンダに連なる油路へ吐出する油圧ポンプと、
    上記スレーブシリンダに連なる油路に、油圧ポンプと並列に接続されたアキュームレータと、
    上記吐出路と油タンクとを連通するバイパス路と、
    バイパス路に、互いに直列に配置された圧力制御弁および絞りとを備え、
    ポンプ軸の回転数が低くてポンプ軸の回転数が低くて吐出路の圧力が低い、油圧ポンプの起動直後であって、圧力制御弁によってバイパス路が開放されているときに、電磁弁が開放された場合、上記アキュームレータからスレーブシリンダに連なる油路に油が供給され
    油圧ポンプの起動から遅れて吐出路の圧力が高くなると、圧力制御弁が絞りの上流側に生ずる圧力をパイロット圧としてバイパス路を遮断することを特徴とする車両用の油圧装置。
  4. 動力源から変速機に伝達される動力をレリーズ部材の移動により断接する摩擦クラッチと、上記レリーズ部材を摩擦クラッチが切れる方向に駆動するための油圧をスレーブシリンダに供給する請求項1,2又は3に記載の油圧装置とを含む車両用のオートクラッチ装置。
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