JP3692175B2 - 緊急時用コンテナ搬送指示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被災地に必要な設備や救援物資を備えたコンテナを迅速に搬送することを可能とする緊急時用コンテナ搬送指示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
地震や火災などの災害の発生を含む緊急時に必要な設備(例えば、簡易トイレ)や救援物資などの被災地への搬送は、通常、被災地以外の他の自治体や省庁等が自主的に行うか、あるいは被災地の自治体等から他の自治体や省庁へ個別に連絡が行き、その要請に基づいて行っているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように行っている従来の搬送システムでは次のような問題がある。まず、他の自治体等が自主的に行う場合には、同じ設備や救援物資が異なる自治体等から余分に搬送される一方で、必要な設備や救援物資の到着が遅れたりすることがある。特に、他の自治体等が自主的に行う場合には、被災状況が把握できず、通行不能な道路を使用して搬送に手間取ることもある。また、被災地の自治体からの要請に基づいて行う方法では、連絡を受けてから必要な設備や救援物資の入手を行うこともあり、入手までに無駄な時間を要する場合がある。すなわち、従来のシステムでは、いずれの場合も、被災地において真に必要とされる設備や救援物資を搬送するのに迅速性に欠けるという問題がある。
【0004】
本発明は上記課題を解消するためになされたものであり、緊急時に必要な設備や救援物資を被災地まで迅速に搬送することを可能とする緊急時用コンテナ搬送指示装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の緊急時用コンテナ搬送指示装置は、
緊急時に必要な設備や救援物資を備えたコンテナの保管状況を記憶するコンテナ管理手段と、
コンテナ搬送手段の保管状況を記憶する搬送機関管理手段と、
被災地の最新の交通状況が随時入力される地図情報管理手段と、
入力された被災状況を基にしてコンテナ管理手段から必要なコンテナを選択する機能、該コンテナを被災地まで搬送するのに最適な搬送機関を搬送機関管理手段から選択する機能、及び選択したコンテナ及び搬送機関の現在位置を基にして地図情報管理手段から最適な搬送経路を選択する機能を備えた搬送経路指示手段と、
該搬送経路指示手段からの指示内容を搬送機関の有するコンピュータ端末機に対して送信する通信手段と、
を有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一の実施の形態を図面に基づき説明する。図1は、本実施の形態にかかる緊急時用コンテナ搬送指示装置を利用した救援システムを模式的に示す図であり、本実施の形態にかかる緊急時用コンテナ搬送指示装置は、コントロールセンター1に配置されている。
【0007】
緊急時用コンテナ搬送指示装置は、所定容量のコンピュータ2を用いて構成されるが、このコンピュータ(以下、「センター側コンピュータ」という)2はコンテナ管理手段、搬送機関管理手段、地図情報管理手段、搬送経路指示手段、通信手段等を有している。
【0008】
コンテナ管理手段は、上記センター側コンピュータ2の記憶部に、搬送対象となるコンテナ3の保管状況を登録し、記憶したデータベースの一つである。コンテナ3の保管状況を示す項目はセンター側コンピュータ2の記憶部の容量等により任意に選択できるが、コンテナ3の種類、保管場所、保有総個数、現在の利用状況、メンテナンス履歴、製造年月日などの項目を登録、記憶させることができる。
【0009】
ここで、コンテナ3としては、人が出入り可能で、トラック、ヘリコプタ、船舶等の搬送手段により搬送可能なものであれば、その大きさは限定されるものではないが、例えば、幅及び高さが約2〜3m程度で、奥行きが約5〜15m程度の直方体状のものを用いることができる。直方体状のものとすると積み重ねが可能となるため、通常の保管時における保管面積の省スペース化に資する。また、人が出入りするための出入口を有することはもちろんであるが、単なる箱体ではなく、側面に窓を設けたり、天井面を開放可能とすることで、室内の快適性を向上させることもできる。
【0010】
コンテナ3に搭載する緊急時に必要な設備としては、種々のものが考えられるが、例えば、水タンクや汚水タンクを備えた簡易トイレ、給水タンクを備えた給水設備、冷蔵庫や調理台を備えた厨房設備、給水タンクや給湯器を備えたシャワー設備、発電機を備えた電源供給設備、コンピュータや通信用アンテナなどを備え、救助担当者の業務補助などに活用できる事務設備、複数のベッドを備えた住居設備、遺体格納棚を備えた遺体安置設備などを挙げることができる。また、スコップ、ミニショベル、燃料用ドラム缶、食料などの救援物資を上記コンテナに収納しておいてもよい。
【0011】
なお、これらのコンテナ3は、被災地へ迅速に運搬するという本発明の目的から、複数の自治体が保有していることが好ましい。コントロールセンター1からの指示により被災地に最も近い場所からの搬送が可能となるからである。
【0012】
搬送機関管理手段は、トラックなどのコンテナ搬送手段の保管状況が蓄積されているデータベースであり、上記したコンテナ管理手段と同様、センター側コンピュータ2の記憶部に記憶されている。登録するコンテナ搬送手段の保管状況としては、搬送機関名(保管者、搬送業者)、種類(トラック、ヘリコプタ、船舶等)、保管場所、保有台数、出動台数などを挙げることができる。なお、搬送機関は上記したコンテナの保管者と同一であっても異なっていてもよいが、被災地への搬送時間の短縮化という観点からは、搬送機関とコンテナの保管場所とはできるだけ近いことが好ましい。
【0013】
また、搬送機関は、コントロールセンター1の搬送経路指示手段及び通信手段からの指示内容を有する受信手段であるコンピュータ端末機を有している。このコンピュータ端末機は、搬送機関のオフィスに備え付けたものであってもよいが、トラック等の搬送手段の出動後にもリアルタイムの指示をコントロールセンター1から送ることを可能にするため、各搬送手段に携帯式のコンピュータ端末機を備え付けることが好ましい。また、このコンピュータ端末機には、コントロールセンター1からの指示に基づく、搬送経路や搬送経路の現況などが表示される表示手段を備え、さらに、該コンピュータ端末機からも搬送経路や被害の状況あるいはコンテナの受け渡しの報告などを入力でき、これをコントロールセンター1へ送信できる機能を有することが好ましい。
【0014】
地図情報管理手段は、コントロールセンター1のセンター側コンピュータの記憶部に蓄積したもので、全国の地図データのほか、災害時の避難場所や小中学校等の公的施設、道路の整備状況、コンテナや搬送車両の保管位置などが登録されている。
【0015】
搬送経路指示手段は、上記したコンテナ管理手段、搬送機関管理手段、地図情報管理手段にアクセスして、必要なコンテナ、最適な搬送機関、最適な搬送経路を選択、判定して、ディスプレイ等に表示し、さらには、後述の通信手段にそのデータを送る処理をする手段である。すなわち、緊急時用コンテナ搬送指示装置を構成するセンター側コンピュータ2に、被災地の自治体等から連絡の入った被災場所、被災規模、被災者数等の被災状況に関するデータを入力すると、該搬送経路指示手段が、記憶部に蓄積されている上記各データベースを読み込み、結果を出力するものである。
【0016】
通信手段としては、緊急時用コンテナ搬送指示装置を構成するセンター側コンピュータ2に付設された公知の種々のモデムを利用することができる。使用する回線は、電話回線、ISDN、衛星通信、地上マイクロ波回線、インターネット等を使用することができる。なお、各自治体、コンテナ保管者、搬送機関等と専用回線を用いて結ぶことにより、回線混雑を避け、より確実かつ迅速な通信が可能となる。
【0017】
本実施の形態にかかる緊急時用コンテナ搬送指示装置は次のように利用される。まず、コントロールセンター1には、上記した各手段を備え、緊急時用コンテナ搬送指示装置として機能するセンター側コンピュータ2を配設する。コントロールセンター1は、市町村などの地方自治体、コンテナ保管者や搬送機関としてのサービスを担う公共機関や民間企業と予め契約し、顧客データとして、その契約内容をコントロールセンター1のセンター側コンピュータ2の記憶部に別途記憶する。各顧客の場所、コンテナ3の保管状況、搬送手段4の保管状況等は、上記したコンテナ管理手段、搬送機関管理手段、地図情報管理手段に内容別に振り分けて登録しておく。
【0018】
この状態で、顧客のうちのいずれかの地方自治体で災害が発生した場合には、当該被災地からコントロールセンター1に被災状況についての連絡が送信される。コントロールセンター1では、その被災状況をセンター側コンピュータ2に入力する。もちろん、被災地のコンピュータ端末機からコントロールセンタ1の緊急時用コンテナ搬送指示装置を構成するセンター側コンピュータ2に、通信回線を介して直接入力する構成とすることもできる。センター側コンピュータ2は、被災状況が入力されると、搬送経路指示手段が稼働して各データベースにアクセスし、コンテナ管理手段からは入力された被災状況から必要とされるコンテナ3の種類を選択し、当該コンテナ3を保有している保管者のうち被災地に最も近い保管者を選択する。次に、搬送機関管理手段から選択された保管者に最も近い搬送機関を選択する。また、地図情報管理手段からは、被災地の位置、選択されたコンテナ保管者及び搬送機関の位置を基に最適な搬送経路を選択する。得られた結果は、通信手段を構成するセンター側のモデムに出力され、搬送機関が保有するコンピュータ端末機に送信される。
【0019】
搬送機関は、コンピュータ端末機から出力された指示内容に基づき、コンテナ3をコンテナ保有者まで引き取りに行き、搬送経路に従って被災地に届ける。また、センター側コンピュータ2の地図情報管理手段には、搬送機関の保有する各コンピュータ端末機やその他の通信機関から送られてきた被災地の最新の交通状況などが随時入力される。その結果、次回の搬送指示を出力する際には、被災状況に合った、さらに適切な搬送経路を指示することができる。
【0020】
なお、本発明で使用する上記コンテナ3は、平常時においては、行楽用や建設現場における簡易宿泊施設や簡易トイレ等として利用することができる。但し、その際にも、緊急事態の発生に備え、本発明の緊急時用コンテナ搬送指示装置を構成するセンター側コンピュータ2には、当該コンテナ3の位置や利用状況などのデータを入力しておくことはもちろんである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の緊急時用コンテナ搬送指示装置によれば、予め、緊急時に必要となる種々の設備を備えたコンテナ、搬送機関、地図データなどの情報が蓄積されているため、緊急事態が発生した際に、被災地で必要な設備や物資を迅速に選択し、搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態にかかる緊急時用コンテナ搬送指示装置を利用した救援システムを模式的に示す図である。
【符号の説明】
1 コントロールセンター
2 センター側コンピュータ
3 コンテナ
4 搬送手段
Claims (1)
- 緊急時に必要な設備や救援物資を備えたコンテナの保管状況を記憶するコンテナ管理手段と、
コンテナ搬送手段の保管状況を記憶する搬送機関管理手段と、
被災地の最新の交通状況が随時入力される地図情報管理手段と、
入力された被災状況を基にしてコンテナ管理手段から必要なコンテナを選択する機能、該コンテナを被災地まで搬送するのに最適な搬送機関を搬送機関管理手段から選択する機能、及び選択したコンテナ及び搬送機関の現在位置を基にして地図情報管理手段から最適な搬送経路を選択する機能を備えた搬送経路指示手段と、
該搬送経路指示手段からの指示内容を搬送機関の有するコンピュータ端末機に対して送信する通信手段と、
を有することを特徴とする緊急時用コンテナ搬送指示装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP4687196A JP3692175B2 (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 緊急時用コンテナ搬送指示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4687196A JP3692175B2 (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 緊急時用コンテナ搬送指示装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09218999A JPH09218999A (ja) | 1997-08-19 |
JP3692175B2 true JP3692175B2 (ja) | 2005-09-07 |
Family
ID=12759418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4687196A Expired - Fee Related JP3692175B2 (ja) | 1996-02-09 | 1996-02-09 | 緊急時用コンテナ搬送指示装置 |
Country Status (1)
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1996
- 1996-02-09 JP JP4687196A patent/JP3692175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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