JP3691907B2 - 運動強度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、運動負荷を与えることによって生体の運動強度を測定する運動強度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
生体に運動負荷を付与する場合には、生体の実際の運動強度を定量的に把握することが望まれており、一般には、生体の脈拍数が用いられていた。たとえば、生体の安静時に求められた脈拍数からその生体の最大脈拍数を算出し、その最大脈拍数に対する割合を以てその生体の運動強度を逐次定量的に測定するのである。しかし、このようにして脈拍数を用いて生体の運動強度が求められる場合には、必ずしも生体にとっての実際の負荷すなわち内的負荷を正確に示すものではないため、生体の運動強度を正確に求めることができないという不都合があった。
【0003】
【発明が解決すべき課題】
これに対し、生体の運動強度を正確に表すために、生体の脈拍数と血圧値との積(PRP:ダブルプロダクト)を用いることが提案されている。このような場合には、血圧値を可及的に短い周期で連続的に測定する必要があるが、通常の血圧測定装置では、たとえば3mmHg/sec程度に予め設定された低い速度でカフによる圧迫圧力が徐々に変化させられる過程で脈波或いはコロトコフ音を採取する必要があることから、少なくとも数十秒以上の間隔でしか血圧値を得ることができないため、脈拍周期のような短い周期で上記の運動強度を逐次求めることが困難であった。
【0004】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、生体の運動強度を脈拍周期のような短い周期で逐次求めることができる運動強度測定装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願出願人は、以上の事情を背景として種々検討を重ねた結果、光電脈波やインピーダンス脈波のように生体の一部内における血液容積の周期的変化を表す容積脈波(プレスチモグラフ)の面積が生体の血圧値と密接に関連することを利用して、予め求められた関係から実際の容積脈波の面積に基づいて連続的に血圧値を推定でき、その連続血圧値と脈拍数とから前期運動強度PRPを逐次算出できることを見いだした。本発明は、このような知見に基づいて為されたものである。
【0006】
すなわち、本発明の要旨とするところは、生体に運動負荷を与えることによりその生体の運動強度を測定する運動強度測定装置であって、(a) 前記生体の脈拍数を算出する脈拍数算出手段と、(b) 前記生体の容積脈波を検出する容積脈波検出装置を有し、その容積脈波の面積に基づいて生体の血圧値を非侵襲で前記脈拍周期に同期して連続的に測定する連続血圧測定手段と、(c) 前記脈拍数算出手段により算出された脈拍数と前記連続血圧測定手段により測定された血圧値との積である運動強度値を、前記脈拍周期に同期して逐次算出する運動強度値算出手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】
このようにすれば、運動強度値算出手段により、脈拍数算出手段により算出された脈拍数と前記連続血圧測定手段により測定された血圧値との積である運動強度値が、前記脈拍周期に同期して逐次算出される。このような脈拍数および血圧値の積である運動強度値は、生体にとっての負荷すなわち内的負荷を正確に表すものである。また、運動強度値の算出に用いられる上記血圧値は連続血圧測定手段によって容積脈波面積に基づいて脈拍に同期して非侵襲で連続的に測定されることから、カフを用いて測定した血圧値から運動強度値を算出する場合に比較して、実際の運動強度値の測定遅れが解消される。このため、遅れのない運動強度の判断、或いは運動負荷調節が可能となる。
【0008】
【発明の他の態様】
ここで、好適には、上記の発明において、前記連続血圧測定手段は、(d) 前記生体の一部内の動脈を圧迫する圧迫手段による圧迫圧を所定の速度で変化させる圧迫圧制御手段と、(e) その圧迫手段による圧迫圧の変化過程において得られる脈拍同期波の変化に基づいて生体の血圧値を決定する基準血圧測定手段と、(f) 前記生体の容積脈波を逐次検出する容積脈波検出装置と、(g) その容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する容積脈波面積算出手段と、(h) 容積脈波面積算出手段により算出された容積脈波の面積と前記基準血圧測定手段により決定された血圧値との間の対応関係を決定する脈波面積血圧対応関係決定手段と、(i) その対応関係から前記容積脈波面積算出手段により逐次算出される実際の容積脈波面積の大きさに基づいて連続血圧値を逐次決定する連続血圧値決定手段とを、含むものである。このようにすれば、基準血圧測定手段により生体の一部を圧迫する圧迫手段を用いて測定された信頼性の高い血圧値と容積脈波面積算出手段により算出される容積脈波面積との対応関係から実際の容積脈波面積の大きさに基づいて連続血圧値が逐次推定されるので、脈拍に同期して生体の血圧値が比較的正確に得られる利点がある。
【0009】
また、好適には、前記圧迫手段は、前記生体の一部に巻回されて生体の一部を圧迫するカフであり、前記圧迫圧制御手段は、そのカフ内の圧力を調節する圧力調節装置であり、前記基準血圧測定手段は、そのカフの圧力振動であるカフ脈波の大きさの変化に基づいて生体の血圧値を決定するものである。或いは、その基準血圧測定手段は、カフの圧迫部から発生するコロトコフ音の発生および消滅時のカフ圧力に基づいて生体の血圧値を決定するものである。このようにすれば、信頼性の高い所謂オシロメトリック法或いはコロトコフ音法を用いて、生体の血圧値が求められる利点がある。
【0010】
また、好適には、上記の発明において、前記連続血圧測定手段は、(j) 前記生体の一部に装着されたカフの圧迫圧を変化させることにより測定された基準血圧値を記憶する基準血圧値記憶手段と、(k) 前記生体の容積脈波を逐次検出する容積脈波検出装置と、(l) その容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する容積脈波面積算出手段と、(m) その容積脈波面積算出手段により算出された容積脈波面積と前記基準血圧値記憶手段により記憶された基準血圧値との間の対応関係を決定する脈波面積血圧対応関係決定手段と、(n) その対応関係から前記容積脈波面積算出手段により逐次算出される実際の容積脈波面積の大きさに基づいて連続血圧値を逐次決定する連続血圧値決定手段とを、含むものである。このようにすれば、基準血圧値を測定する装置により測定された生体の基準血圧値を記憶する基準血圧値記憶手段を備えていることから、カフなどを備えた基準血圧測定装置を備えなくてもよいので、大幅に装置が小型となる利点がある。
【0011】
また、好適には、前記運動強度測定装置が適用される運動機能測定装置は、前記運動強度値算出手段により算出された運動強度が、予め設定された目標運動強度に到達するまでの総仕事量を算出する総仕事量算出手段と、その総仕事量算出手段により算出された総仕事量に基づいて、前記生体の運動機能を表す値を表示する表示手段とをさらに含むものである。このようにすれば、脈拍数および血圧値の積である運動強度値は、生体にとっての負荷すなわち内的負荷を正確に表すものであるので、その運動強度値が予め設定された目標運動強度値に到達するまでの総仕事量に基づいて生体の運動機能を示す値が表示器に表示されることにより、生体の運動機能が容易に且つ高い精度で求められる。
【0012】
また、好適には、上記運動機能測定装置は、生体の運動に関連して作動させられることにより運動負荷を生体に与える運動機構を有するものである一方、その運動機構から生体に与えられる運動負荷を調節する運動負荷調節手段と、前記運動強度値算出手段により算出された運動強度値が予め設定された目標運動強度値に到達したか否かを判定する運動強度判定手段とを備えたものであり、その運動強度判定手段は、運動強度値算出手段により算出された運動強度値が予め設定された目標運動強度値に到達したと判定した場合には、上記運動機構から生体に与えられる負荷を低減するものである。このようにすれば、運動機能測定のための総仕事量を算出するための期間が経過した場合には直ちに運動機構の負荷が零とされるので、運動機能測定のために生体に与えられる負荷が可及的に小さくされる。
【0013】
また、好適には、上記運動負荷調節手段は、前記生体によって回転駆動される発電機であり、前記総仕事量算出手段は、その発電機によって発電された発電電力に基づいて総仕事量を算出するものである。このようにすれば、運動負荷の付与と総仕事量の検出とが共通の発電機を利用することにより実行される利点がある。
【0014】
【発明の好適な実施の態様】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1において、自動負荷調節機能を備えた運動負荷装置は、生体によって回転駆動されるエルゴメータ6と、生体の血圧値を脈拍周期に同期して連続的に測定する連続血圧測定装置8とを備えている。
【0015】
図1の運動負荷装置において、連続血圧測定装置8は、ゴム製袋を布製帯状袋内に有してたとえば患者の上腕部12に巻回されるカフ10と、このカフ10に配管20を介してそれぞれ接続された圧力センサ14、切換弁16、および空気ポンプ18とを備えている。この切換弁16は、カフ10内への圧力の供給を許容する圧力供給状態、カフ10内を徐々に排圧する徐速排圧状態、およびカフ10内を急速に排圧する急速排圧状態の3つの状態に切り換えられるように構成されている。
【0016】
圧力センサ14は、カフ10内の圧力を検出してその圧力を表す圧力信号SPを静圧弁別回路22および脈波弁別回路24にそれぞれ供給する。静圧弁別回路22はローパスフィルタを備え、圧力信号SPに含まれる定常的な圧力すなわちカフ圧PC を表すカフ圧信号SKを弁別してそのカフ圧信号SKをA/D変換器26を介して電子制御装置28へ供給する。
【0017】
上記脈波弁別回路24はバンドパスフィルタを備え、圧力信号SPの振動成分である脈波信号SM1 を周波数的に弁別してその脈波信号SM1 をA/D変換器30を介して電子制御装置28へ供給する。この脈波信号SM1 が表すカフ脈波は、患者の心拍に同期して図示しない上腕動脈から発生してカフ10に伝達される圧力振動波すなわちカフ脈波であり、上記カフ10、圧力センサ14、および脈波弁別回路24は、カフ脈波センサとして機能している。
【0018】
上記電子制御装置28は、CPU30,ROM32,RAM34,および図示しないI/Oポート等を備えた所謂マイクロコンピュータにて構成されており、CPU30は、ROM32に予め記憶されたプログラムに従ってRAM34の記憶機能を利用しつつ入力信号の処理を実行することにより、I/Oポートから駆動信号を出力して切換弁16および空気ポンプ18を制御するとともに、表示器36の表示画面37に、生体の血圧測定値BP、運動強度値PRP、運動機能を示す値などを表示させる。
【0019】
図2に詳しく示すように、光電脈波センサ38は、ヘモグロビンにより好適に反射される比較的長い波長の可視光を表皮40に向かって出力するLED42と、生体内のヘモグロビンにより散乱を受けた光を受光する光検出素子44とを本体46内に備え、脈拍に同期して血液容積が変化する毛細血管の容積に対応する光電脈波信号SM2 をA/D変換器48を介して電子制御装置28へ出力する。本実施例では、上記光電脈波センサ38が容積脈波検出装置として機能している。
【0020】
設定器60は、たとえばキーボードを含むものであって、目標運動強度PRPM 、血圧異常判定値などの設定値を電子制御装置28へ出力するために設けられている。また、時計回路62は、圧脈波、血圧値などの検出時刻を記憶するために現在時刻を電子制御装置28へ出力するものである。さらに、被測定者が個々に所有するメモリーカード63には、氏名、年齢、性別、体重、脈拍数、運動機能レベル、前回に測定した運動機能データ、測定日時などの情報が記憶されており、メモリーカード63がカード書込読取装置64に差し込まれると、それらの情報が読み出されて電子制御装置28へ供給されると同時に、運動機能の測定開始を示す信号が発生させられるようになっている。
【0021】
エルゴメータ6は、生体の運動に関連して駆動される運動機構として機能するものであり、生体によって回転駆動されるペダル65と、このペダル65とチェーン66を介して作動的に連結された発電機68とを備えている。この発電機68は、たとえばその発電電流が制御されることによって回転抵抗を発生する電磁ブレーキとして機能する。この発電機68は、上記運動機構の作動状態(回転抵抗)を変化させることにより、運動中の生体に荷せられる負荷を変化させ得る運動負荷調節手段として機能している。ワットメータ69は、上記発電機68による発電電力Wすなわち生体の仕事能率を検出して電子制御装置28へ供給する。
【0022】
図3は、上記運動負荷装置の電子制御装置28の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図において、カフ圧制御手段70は、たとえば図4に示す脈波面積血圧対応関係のキャリブレーションのために所定の周期で起動させられる基準血圧測定手段72の測定期間において、カフ10の圧迫圧力をよく知られた測定手順にしたがって変化させる。たとえば、カフ圧制御手段70は、生体の最高血圧より高い180mmHg程度に設定された昇圧目標値までカフ10を昇圧させた後に、血圧測定アルゴリズムが実行される測定区間では3mmHg/sec程度の速度で緩やかに降圧させ、血圧測定が終了するとカフ10の圧力を解放させる。
【0023】
基準血圧測定手段72は、エルゴメータ6を用いる生体の運動機能測定に先立って、カフ10の圧迫圧力の緩やかな変化過程においてカフ10の圧力振動として得られた脈波の大きさの変化に基づいてよく知られたオシロメトリック法により患者の最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA をそれぞれ測定し、表示器36に表示させる。
【0024】
容積脈波検出装置に対応する光電脈波センサ38は、そのハウジング46内に収容された生体の指の表皮40から発生する光電脈波を検出し、その光電脈波を示す光電脈波信号SM2 を出力する。容積脈波面積算出手段74は、その光電脈波の面積Sをその1周期Wおよび振幅Lに基づいて正規化して算出し、正規化脈波面積SF を出力する。すなわち、信号SM2 により表される光電脈波は、図5に示すように、数ミリ秒或いは十数ミリ秒毎のサンプリング周期毎に入力される光電脈波信号SM2 の大きさを示す点の連なりにより構成されており、その1周期W内において光電脈波信号SM2 を積分(加算)することにより光電脈波の面積Sが求められた後、S/(W×L)なる演算が行われることにより正規化脈波面積SF が算出されるのである。したがって、この正規化脈波面積SF は、その1周期Wと振幅Lとにより囲まれる矩形内における面積割合を表す無次元の値であり、%MAPとも称される。
【0025】
脈波面積血圧対応関係決定手段76は、基準血圧測定手段72により血圧値が測定されると、上記容積脈波面積算出手段74により算出された正規化脈波面積SF と、その基準血圧測定手段72により測定された血圧値BP(最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA のうちのいずれか1つ)との間の対応関係を、所定の生体について予め決定する。この対応関係は、たとえば図4に示すものであり、MBP=α・SF +βなる式により表される。但し、αは傾きを示す定数、βは切片を示す定数、MBPは1拍毎に決定される連続血圧値を示している。ここで、一対の血圧値BPおよびそれが測定されたときの正規化脈波面積SF から上記対応関係MBP=f(SF )が求められる場合には、上記の定数αおよびβとして統計的に求められた一般値が性別や年齢に応じて用いられるが、2対以上の血圧値BPおよび正規化脈波面積SF から上記の対応関係MBP=f(SF )が求められる場合には、上記の定数αおよびβはその度に生体個人毎の値として決定される。また、それらの定数αおよびβが一旦求められた後は、基準血圧測定手段72による血圧測定毎に学習により補正されてもよい。
【0026】
連続血圧値決定手段78は、エルゴメータ6を用いる運動機能測定に先立って、上記脈波面積血圧対応関係決定手段76により決定された対応関係MBP=f(SF )から、容積脈波面積算出手段74により逐次算出される正規化脈波面積SF に基づいて、連続血圧値MBPを逐次決定し、その決定した連続血圧値MBPを表示器36に連続的にトレンド表示させる。上記脈波面積血圧対応関係決定手段76において対応関係MBP=f(SF )が求められる場合に、基準血圧測定手段72により測定された血圧値BPとして最高血圧値BPSYS が用いられたのであれば、連続血圧値MBPは最高血圧を示していることになるが、血圧値BPとして平均血圧値BPMEANが用いられたのであれば、連続血圧値MBPは平均血圧を示し、血圧値BPとして最低血圧値BPDIA が用いられたのであれば、連続血圧値MBPは最低血圧を示すこととなる。上記カフ圧制御手段70、基準血圧測定手段72、光電脈波センサ38、容積脈波面積算出手段74、脈波面積血圧対応関係決定手段76、連続血圧値決定手段78が、生体の血圧値を非侵襲で前記脈拍周期に同期して連続的に測定する連続血圧測定手段79として機能している。
【0027】
脈拍数算出手段80は、たとえば光電脈波センサ38から出力される光電脈波の周期に基づいて、生体の脈拍数PRをその脈拍周期に同期して連続的に算出する。運動強度値算出手段82は、その脈拍数算出手段80により算出された脈拍数PRと上記連続血圧測定手段79により測定された連続血圧値MBPとの積である運動強度値PRP(=PR×MBP)を、脈拍周期に同期して逐次算出する。
【0028】
運動強度判定手段84は、上記運動強度値算出手段82により算出された運動強度値PRPが、予め設定された一定の目標運動強度値PRPM に到達したか否かを判定し、到達したと判定した場合には、運動負荷調節手段として機能する発電機68の負荷を零に低下させる。運動負荷調節手段85は、エルゴメータ6の負荷すなわち回転抵抗が予め設定された一定負荷を示す直線或いは所定の負荷曲線に沿うように制御するとともに、上記運動強度判定手段84により運動強度値PRPが目標運動強度値PRPM に到達したと判定された場合にはエルゴメータ6の負荷を零に低下させる。総仕事量算出手段86は、上記運動強度判定手段84により運動強度値PRPが予め設定された一定の目標運動強度値PRPM に到達したと判定されるまでの総仕事量WHを前記ワットメータ69の出力に基づいて算出する。
【0029】
表示制御手段88は、上記総仕事量算出手段86により算出された総仕事量WHに基づいて、たとえば図6に示すように総仕事量WHを前回の値と並べて時系列的に表示することにより、生体の運動機能を表す値を表示する。図6において、表示器36の表示画面37では、時間軸90および運動強度値PRPを表す軸92を含む直交座標において、運動強度値PRPの経時的変化を示す曲線94および目標運動強度値PRPM を示す直線96が表示されるとともに、上記直交座表の下に設けられた表示場所98には、運動機能を示すための軸100と並列に過去において順次測定された運動機能を示す値を表す棒グラフ102、104および今回測定された運動機能を示す値を表す棒グラフ106でアナログ表示され、且つデジタル値がその右側の表示場所108に表示される。
【0030】
図7および図8は、上記電子制御装置28の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、図7は、連続血圧値MBPを一拍毎に求めるための連続血圧測定ルーチン、図8は、その連続血圧値MBPに基づいて求めた運動強度PRPが目標値PRPM と一致するまでの総仕事量WHに基づいて運動機能を表示するルーチンを示している。
【0031】
図7は、上記電子制御装置28の制御作動の要部を説明するフローチャートである。図のステップSA1(以下、ステップを省略する。)において図示しないカウンタやレジスタをクリアする初期処理が実行された後、前記カフ圧制御手段70に対応するSA2では、切換弁16が圧力供給状態に切り換えられ且つ空気ポンプ18が駆動されることにより、血圧測定のためにカフ10の急速昇圧が開始される。
【0032】
次いで、容積脈波面積算出手段74に対応するSA3では、カフ昇圧期間において、光電脈波センサ38により検出された図5に示す光電脈波信号SM2 から、光電脈波の面積S、周期W、振幅Lが求められるとともに、それらからS/(W×L)なる演算がそれぞれ行われることにより正規化脈波面積SF が算出される。
【0033】
続いて、カフ圧制御手段70に対応するSA4では、カフ圧PC が180mmHg程度に予め設定された目標圧迫圧PCM以上となったか否かが判断される。このSA4の判断が否定された場合は、上記SA2以下が繰り返し実行されることによりカフ圧PC の上昇が継続される。しかし、カフ圧PC の上昇により上記SA4の判断が肯定されると、基準血圧測定手段72に対応するSA5において、血圧測定アルゴリズムが実行される。すなわち、空気ポンプ18を停止させ且つ切換弁16を徐速排圧状態に切り換えてカフ10内の圧力を予め定められた3mmHg/sec程度の緩やかな速度で下降させることにより、この徐速降圧過程で逐次得られる脈波信号SM1 が表す脈波の振幅の変化に基づいて、良く知られたオシロメトリック方式の血圧値決定アルゴリズムに従って最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA が測定されるとともに、脈波間隔に基づいて脈拍数などが決定されるのである。そして、その測定された血圧値および脈拍数などが表示器36に表示されるとともに、切換弁16が急速排圧状態に切り換えられてカフ10内が急速に排圧される。
【0034】
次に、前記脈波面積血圧対応関係決定手段76に対応するSA6では、容積脈波面積算出手段74に対応するSA3において求められた複数個の正規化脈波面積SF と、上記基準血圧測定手段72に対応するSA5において測定されたカフ10による血圧値BPSYS 、BPMEAN、またはBPDIA との間の対応関係が求められる。すなわち、SA5において血圧値BPSYS 、BPMEAN、およびBPDIA が測定されると、それら血圧値BPSYS 、BPMEAN、またはBPDIA のうちの1つと、複数個の正規化脈波面積SF とに基づいて、正規化脈波面積SF と連続血圧値MBPとの間の対応関係(MBP=α・SF +β)が決定されるのである。
【0035】
上記のようにして脈波面積血圧対応関係が決定されると、SA7において、光電脈波が入力されたか否かが判断される。このSA7の判断が否定された場合はSA7が繰り返し実行されるが、肯定された場合は、前記容積脈波面積算出手段74に対応するSA8において、新たに入力された光電脈波の正規化脈波面積SF がSA3と同様にして算出される。
【0036】
そして、連続血圧値決定手段78に対応するSA9において、上記SA6において求められた脈波面積血圧対応関係(MBP=α・SF +β)から、上記SA8において求められた正規化脈波面積SF に基づいて、連続血圧値MBPが決定され、且つ一拍毎の連続血圧値MBPをトレンド表示させるために表示器36に出力される。
【0037】
次いで、SA10では、上記ステップSA5においてカフ10による血圧測定が行われてからの経過時間が予め設定された15乃至20分程度の設定周期すなわちキャリブレーション周期を経過したか否かが判断される。このSA10の判断が否定された場合には、前記SA7以下の血圧監視ルーチンが繰り返し実行され、連続血圧値MBPが1拍毎に連続的に決定され、且つ表示器36において時系列的にトレンド表示される。しかし、このSA10の判断が肯定された場合には、前記対応関係(MBP=α・SF +β)を再決定するために前記SA2以下のカフキャリブレーションルーチンが再び実行される。
【0038】
以上のようにして最高連続血圧値MBPSYS 或いは最低連続血圧値MBPDIA が1拍毎に連続的に決定される状態において、図8のSB1では、メモリーカード63がカード書込読取装置64に装着されたか否かが判断され、装着されない場合にはそのSB1の実行が繰り返される。メモリーカード63が装着されると、SB2が実行されてメモリーカード63内に記憶された情報が読み込まれるとともに、SB3が実行されて目標運動強度値PRPM がROM32に予め記憶された複数種類の関係(データマップ)からメモリーカード63内に記憶された被測定者の年齢、性別、体重、脈拍数、運動機能レベルに応じて選択されかつ自動的に設定される。この目標運動強度値PRPM は安静時の脈拍数を、被測定者の年齢、性別、体重、運動機能レベル等の要素から決まる割増率(たとえば50%〜100%)にて増加させた値である。
【0039】
次いでSB4が実行されて、表示器36の表示画面37において、選択された目標運動強度値PRPM を示す直線96が前記時間軸90と平行に表示され、また前回に測定されてメモリーカード63内に記憶された運動機能を表わす値が表示画面37上の表示場所98に運動機能レベルをしめす軸100と並列にグラフ表示される。図6の棒102、104は前々回および前回に測定された値を表示するものである。
【0040】
そして、続くSB5が実行されることにより被測定者に対するメッセージたとえば「終了指示がでるまでエルゴメータを回転させて下さい。」が音声にてまたは表示器36の表示画面37において表示される。続くSB6においてこの回転指示にしたがって被測定者がエルゴメータ6を回転し始めたか否かが判断され、回転していない場合にはSB6が繰り返し実行されるが、SB6においてエルゴメータ6が回転し始めたことが判断されると、SB7以下が実行される。
【0041】
まず、SB7が実行されることにより、タイマがリセットされてその時間計測が開始されるとともに、続く運動負荷調節手段85に対応するSB8が実行されることにより、エルゴメータ6の負荷すなわち回転抵抗が予め設定された一定負荷を示す直線或いは所定の負荷曲線に沿うように制御される。次いで、前記脈拍数算出手段80および運動強度値算出手段82に対応するSB9では、図7のルーチンにおいて連続的に決定される連続血圧値MBPおよび脈拍数PRが逐次読み込まれるとともに実際の脈拍数PRが算出され、実際の運動強度値PRPが、実際の脈拍数PRおよび連続血圧値MBPSYS を積算することにより算出される。このSB9が実行された後のエルゴメータ6の負荷制御過程では、上記SB9が繰り返し実行されることにより、表示画面37上には、内的運動負荷(運動強度値PRP)を表す経時曲線94が伸長しつつ表示される。なお、図6は実際の運動強度値PRPが目標運動強度値PRPM に到達したときの表示状態を示している。
【0042】
次いで、SB10では前記タイマに予め設定された一定の設定時間が満了したか否かが判断される。未だ満了していない場合には次のSB11が実行されるが、満了した場合には後述のSB12以下が実行される。実際の運動強度値PRPが所定時間以内に目標運動強度値PRPM に到達せず運動機能が測定されない場合には、設定負荷が軽過ぎるなどの何らかの異常があるので、このような場合に測定作動を一旦終了させるための適当な設定時間がタイマに設定されているのである。
【0043】
前記運動強度判定手段84に対応するSB11では、実際の運動強度値PRPが所定時間以内に目標運動強度値PRPM に到達したか否かが判断される。未だ到達しない場合には前記SB8以下が繰り返し実行されるが、到達したと判断されるとSB12が実行されて、たとえば「エルゴメータの回転を止めてください。」という停止指示を表すメッセージが音声にてあるいは表示画面37上に表示される。このため、その停止指示にしたがって被測定者はエルゴメータ6の回転を停止させる。そして、運動負荷調節手段85に対応するSB13が実行されてエルゴメータ6の負荷制御が終了させられる。
【0044】
次いで、前記総仕事量算出手段86に対応するSB14が実行されることにより、前記ワットメータ69によって検出されたエルゴメータ6内の発電機68の総発電電力(ワット・時間)すなわち総仕事量WHが決定され、その総仕事量WHをそのまま表した運動機能を示す量、或いはその数値を単純な数値またはレベルに分類付けした運動機能を示す量が決定される。
【0045】
そして、前記表示制御手段88に対応するSB15が実行されて、運動機能を示す数値が表示画面37上の表示場所98において棒106に示すようにグラフ表示されるとともに、表示場所108において数値表示される。なお、前記SB10においてタイマが満了したと判断されているときにはSB15においてはその旨の表示が行われ、運動機能を表す数値は表示されない。
【0046】
上述のように、本実施例によれば、基準血圧測定手段72(SA5)によって血圧値BPSYS 、BPMEAN、BPDIA が測定されたときには、脈波面積血圧対応関係決定手段76(SA6)により、その基準血圧測定手段72によって測定された血圧値BPSYS 、BPMEAN、またはBPDIA と、容積脈波面積算出手段74(SA3)により正規化して算出された容積脈波の面積(正規化脈波面積)SF との間の脈波面積血圧対応関係(MBP=α・SF +β)が決定され、連続血圧値決定手段78(SA9)によって、その脈波面積血圧対応関係決定手段76により決定された脈波面積血圧対応関係から、光電脈波センサ38により検出された実際の光電脈波の正規化脈波面積SF に基づいて、連続血圧値MBPが逐次決定される。したがって、一拍毎に連続血圧値を得ることから、血圧監視の遅れを少なくするために血圧測定が短い周期で不要に実行されることが解消されるので、カフを用いた血圧値測定頻度が低減され、生体に対する負担が軽減される。また、光電脈波センサ38は生体の表皮上においてそれほどの制約なく装着され得るので、生体の疾患部位によって使用が制限されるおそれがなく、しかも、生体の体動などによって検出信号が変化することが極めて少ないので、正確な監視を継続できる利点がある。
【0047】
また、本実施例において用いられる正規化光電脈波面積SF は、その1周期Wおよび振幅Lに基づいて正規化されていることから、脈拍数、体温などの変化の影響を受けることが抑制されて、波形変化が抽出されるので、信頼性の高い連続血圧値MBPを得ることができる。
【0048】
また、本実施例によれば、運動強度値算出手段82(SB9)において、脈拍数算出手段80(SB9)により算出された脈拍数PRと連続血圧測定手段79(SA1乃至SA10)により逐次測定された連続血圧値MBPとの積である運動強度値PRPが脈拍周期に同期して逐次算出されるが、そのような脈拍数PRおよび連続血圧値MBPの積である運動強度値PRPは、生体にとっての負荷すなわち内的負荷を正確に表すものである。その運動強度値PRPの算出に用いられる連続血圧値MBPは連続血圧測定手段79によって容積脈波面積SF に基づいて脈拍に同期して非侵襲で連続的に測定されることから、カフを用いて測定した血圧値から運動強度値を算出する場合に比較して、実際の運動強度値PRPの測定遅れが解消される。このため、遅れのない運動強度の判断、或いは運動負荷調節が可能となる。
【0049】
また、本実施例によれば、運動させることにより被測定者に生じる反応であってその運動強度値PRPが目標運動強度値PRPM に到達するまでに、被測定者が行なう仕事量であるエルゴメータ6内の発電機68の発電電力量WHが求められ、これに基づいて運動機能を表わす値が表示器36に表示されるので、被測定者の運動機能が自動的かつ定量的に測定される。
【0050】
また、本実施例によれば、表示制御手段88に対応するSB15では、表示器36の表示場所98において前回の測定値と並列させて新たな運動機能を示す値をグラフ表示するので、両者を対比させることにより、運動機能の変化が容易に把握できる利点がある。
【0051】
また、本実施例によれば、被測定者の運動過程において時間軸90が逐次伸長するので、それが被測定者の励みとなり、単調さによる苦痛を軽減することができる利点がある。しかし、上記表示場所108における表示や時間軸90の表示は運動機能を測定する上で必ずしも必要ではない。
【0052】
本実施例では、容積脈波面積に基づいて生体の連続血圧値MBPを非侵襲で脈拍周期に同期して連続的に測定する連続血圧測定手段79(SA1〜SA8)が備えられていることから、運動強度値算出手段82(SB9)により脈拍周期に同期して運動強度値PRPが逐次算出されるので、カフを用いた血圧測定値から運動強度値PRPを算出する場合に比較して、実際の運動強度値PRPの決定遅れが解消され、運動強度判定手段84(SB11)の運動強度値PRPが目標運動強度値PRPM に到達したという判定精度が高められるので、生体の運動機能が一層高い精度で求められる。
【0053】
また、本実施例によれば、連続血圧測定手段79は、生体の一部内の動脈を圧迫するカフ10による圧迫圧を所定の速度で変化させるカフ圧制御手段70と、カフ10による圧迫圧の変化過程において得られる脈拍同期波の変化に基づいて生体の血圧値を決定する基準血圧測定手段72(SA5)と、容積脈波検出装置として機能する光電脈波センサ38と、その光電脈波センサ38により検出された光電脈波の面積を正規化した値SF を算出する容積脈波面積算出手段74(SA3)と、正規化脈波面積SF の大きさと上記基準血圧測定手段72により決定された血圧値BPとの間の対応関係を決定する脈波面積血圧対応関係決定手段76(SA6)と、その対応関係から光電脈波センサ38により逐次検出される実際の正規化脈波面積SF の大きさに基づいて連続血圧値MBPを逐次決定する連続血圧値決定手段78(SA9)とを、含むものであるので、基準血圧測定手段72により生体の一部を圧迫するカフ10を用いて測定された信頼性の高い血圧値BPと光電脈波センサ38により検出される光電脈波との対応関係から実際の光電脈波の大きさに基づいて連続血圧値MBPが逐次推定されるので、脈拍に同期して生体の血圧値が比較的正確に得られる利点がある。
【0054】
また、本実施例では、生体の一部を圧迫するための圧迫手段としてカフ10が用いられており、前記カフ圧制御手段70は、そのカフ10内の圧力を調節する圧力調節装置であり、前記基準血圧測定手段72は、そのカフ10の圧力振動であるカフ脈波の大きさの変化に基づいて生体の血圧値を決定するものであることから、信頼性について実績のある所謂オシロメトリック法を用いた生体の血圧値から圧脈波血圧対応関係が求められるので、信頼性の高い連続血圧値MBPが得られる。
【0055】
また、本実施例では、前記基準血圧測定手段72は、運動機能測定開始に先立って、生体の血圧値を決定するために所定の設定周期で周期的に血圧決定作動させられるものであり、前記脈波面積血圧対応関係決定手段76は、その基準血圧測定手段72により血圧値が決定される毎に前記対応関係を更新するものであることから、最新の対応関係から連続血圧値MBPが決定されるので、一層精度の高い運動強度値PRPが運動機能測定に用いられる利点がある。
【0056】
また、本実施例によれば、運動強度値算出手段82(SB9)により算出された運動強度値PRPが予め設定された目標運動強度値PRPM に到達したか否かを判定する運動強度判定手段84(SB11)が備えられ、その運動強度判定手段84は、運動強度値算出手段82により算出された運動強度値PRPが予め設定された目標運動強度値PRPM に到達したと判定した場合には、エルゴメータ6から生体に与えられる負荷を零とするものであるので、運動機能測定のための総仕事量を算出するための期間が経過した場合には直ちに運動機能の負荷が零へ低減されるので、運動機能測定のために生体に与えられる負荷が可及的に小さくされる。
【0057】
また、本実施例によれば、生体によって回転駆動される発電機68が運動負荷調節手段として機能し、総仕事量算出手段86は、その発電機68によって発電された発電電力に基づいて総仕事量WHを算出するものであるので、エルゴメータ6における運動負荷の付与と総仕事量WHの検出とが共通の発電機68を利用することにより実行される利点がある。
【0058】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
図9は、本発明の他の実施例の携帯型運動強度測定装置110を示している。この携帯型運動強度測定装置110は、液晶表示器112を有するPCカード型の本体114とこれに接続された且つ耳穴内に装着可能な光電脈波センサ116とを備えている。
【0060】
図10は、上記本体114および光電脈波センサ116の電気的構成を説明するブロック線図である。本体114は、CPU118、ROM120、RAM122、A/D変換器124、インタフェース回路126およびそれに接続されたコネクタ128を備えた所謂マイクロコンピュータである。光電脈波センサ116は、耳穴内に挿入される突起の先端部にLED130および受光素子132を備えた反射型のセンサであり、LED130から照射され且つ表皮下の毛細血管内のヘモグロビンにより散乱を受けた散乱光を受光素子132が検知し、その散乱光の大きさに対応する光電脈波信号をA/D変換器124を介してCPU118へ供給するようになっている。
【0061】
上記コネクタ128は、通常の自動血圧測定装置と同様に構成されることによりカフ10を用いて生体の基準血圧を測定する基準血圧測定装置140のコネクタ142と接続可能に構成されており、上記CPU118は、基準血圧測定装置140により測定された基準血圧値をRAM122内に設けられた所定の基準血圧記憶場所144内に記憶させる。図10は、携帯型運動強度測定装置110のコネクタ128が基準血圧測定装置140のコネクタ142と接続された状態を示している。
【0062】
図11は、上記携帯型運動強度測定装置110の制御機能を説明する機能ブロック線図である。基準血圧値記憶手段146は、上記RAM122内に設けられた所定の基準血圧記憶場所144に対応するものであり、血圧測定装置140により測定された生体の基準血圧値を記憶する。容積脈波面積算出手段74は、光電脈波センサ116から出力された光電脈波の面積Sをその1周期Wおよび振幅Lに基づいて正規化して算出し、正規化脈波面積SF を出力する。脈波面積血圧対応関係決定手段76は、上記容積脈波面積算出手段74により算出された正規化脈波面積SF と、基準血圧値記憶手段146により記憶された基準血圧値BP(最高血圧値BPSYS 、平均血圧値BPMEAN、および最低血圧値BPDIA のうちのいずれか1つ)との間の対応関係を、図4に示すように予め決定する。連続血圧値決定手段78は、上記脈波面積血圧対応関係決定手段76により決定された対応関係MBP=f(SF )から、容積脈波面積算出手段74により逐次算出される正規化脈波面積SF に基づいて、連続血圧値MBPを逐次決定する。本実施例では、光電脈波センサ116、容積脈波面積算出手段74、脈波面積血圧対応関係決定手段76、連続血圧値決定手段78が連続血圧測定手段148に対応している。
【0063】
脈拍数算出手段80は、たとえば光電脈波センサ116から出力される光電脈波の周期に基づいて、生体の脈拍数PRをその脈拍周期に同期して連続的に算出する。運動強度値算出手段82は、その脈拍数算出手段80により算出された脈拍数PRと上記連続血圧測定手段148により測定された連続血圧値MBPとの積である運動強度値PRP(=PR×MBP)を、脈拍周期に同期して逐次算出する。表示制御手段150は、運動強度値算出手段82により算出された運動強度値PRPを液晶表示器112に逐次表示させる。
【0064】
図12は、上記携帯型運動強度測定装置110の制御作動を説明するフローチャートであり、図7のSA6乃至SA9と同様のステップが繰り返し実行されるようになっている。
【0065】
本実施例の携帯型運動強度測定装置110によれば、脈波面積血圧対応関係決定手段76(SA6)により、その基準血圧値記憶手段146によって記憶された基準血圧値BPSYS 、BPMEAN、またはBPDIA と、容積脈波面積算出手段74(SA3)により正規化して算出された容積脈波の面積(正規化脈波面積)SF との間の脈波面積血圧対応関係(MBP=α・SF +β)が決定され、連続血圧値決定手段78(SA9)によって、その脈波面積血圧対応関係決定手段76により決定された脈波面積血圧対応関係から、光電脈波センサ116により検出された実際の光電脈波の正規化脈波面積SF に基づいて、連続血圧値MBPが逐次決定される。このため、一拍毎に連続血圧値を得ることから、血圧監視の遅れを少なくするために血圧測定が短い周期で不要に実行されることが解消されるので、カフを用いた血圧値測定頻度が低減され、生体に対する負担が軽減される。また、光電脈波センサ116は生体の表皮上においてそれほどの制約なく装着され得るので、生体の疾患部位によって使用が制限されるおそれがなく、しかも、生体の体動などによって検出信号が変化することが極めて少ないので、正確な監視を継続できる利点がある。
【0066】
しかも、本実施例の携帯型運動強度測定装置110によれば、基準血圧測定装置140により測定されて基準血圧値を記憶する基準血圧値記憶手段146が備えられていることから、カフを用いた基準血圧測定装置を備えなくてもよいので装置が大幅に小型化できて携帯型が可能となる利点がある。
【0067】
以上、本発明の一実施例を図面に基づいて説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0068】
たとえば、前述の実施例の光電脈波センサ38に代えて、複数種類の波長の光を生体の表皮に照射してその散乱光を検出する酸素飽和度検出プローブからの電気信号が用いられてもよいし、インピーダンス脈波センサが用いられてもよい。このインピーダンス脈波センサは、生体の表皮に所定間隔を隔てて接触させられる少なくとも2個の電極を備え、それら2個の電極間に位置する生体組織の血液容積に対応するインピーダンス脈波を出力するように構成される。
【0069】
また、前述の実施例では、一拍毎に逐次求められる正規化脈波面積SF に基づいて生体の血圧が監視されていたが、必ずしも一拍毎でなくてもよく、たとえば数拍おきに、正規化脈波面積SF に基づいて生体の血圧MBPおよび脈拍数PRが求められ、それらから運動強度PRPが求められてもよいのである。
【0070】
また、前述の実施例では、光電脈波の全体の面積Sが正規化された正規化脈波面積SF に基づいて生体の血圧が監視されていたが、その正規化脈波面積SF に替えて、たとえば図5に示すような光電脈波の全体の面積Sのうちの最高ピークまでの前半部の面積S1 或いは最高ピーク以後の後半部の面積S2 を正規化したものが用いられてもよい。また、上記光電脈波の正規化脈波面積SF として、図5に示すような光電脈波においてたとえばL・(2/3)に相当する高さの幅寸法lを正規化したl/L、或いはその面積に対応する値が用いられてもよい。要するに、容積脈波の面積或いは上方への尖り具合(先鋭度)を示す値であればよいのである。
【0071】
また、前述の脈波面積血圧対応関係決定手段76(SA6)においては、一次式の関係(MBP=α・SF +β)が決定されていたが、二次以上の多項式であっても差し支えないし、補正項などが必要に応じて設けられる。
【0072】
また、前述の基準血圧測定手段72では、カフ圧PC が徐々に降下させられる過程のカフ脈波の変化に基づいて生体の血圧値が決定されていたが、徐々に昇圧させる過程のカフ脈波の変化に基づいて生体の血圧値を決定するものであってもよい。
【0073】
また、前述の実施例の基準血圧測定手段72は、所謂オシロメトリック法に従い、カフ10の圧迫圧力に伴って変化する圧脈波の大きさの変化状態に基づいて血圧値を決定するように構成されていたが、所謂コロトコフ音法に従い、カフ10の圧迫圧力に伴って発生および消滅するコロトコフ音に基づいて血圧値を決定するように構成されてもよい。
【0074】
その他、本発明はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である運動強度測定装置が運動機能測定装置に適用された場合の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の実施例の光電脈波センサの構成を説明する図である。
【図3】図1の実施例の電子制御装置の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図4】図1の実施例において血圧監視に用いられる脈波面積血圧値対応関係を例示する図である。
【図5】図1の実施例の光電脈波センサにより検出される光電脈波すなわち容積脈波を説明する図である。
【図6】図1の実施例の電子制御装置の作動により表示器において運動強度値が表示される例を示している。
【図7】図1の実施例の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、連続血圧値MBPを一拍毎に求めるための連続血圧測定ルーチンを示している。
【図8】図1の実施例の電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、連続血圧値MBPに基づいて求めた運動強度PRPが目標値PRPM と一致するまでの総仕事量WHに基づいて運動機能を表示するルーチンを示している。
【図9】本発明の他の実施例である携帯型運動強度測定装置を説明する図である。
【図10】図9の実施例における電気的構成を説明するブロック線図である。
【図11】図9の実施例における制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図9の実施例における制御作動の要部を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:カフ
36:表示器
40、116:光電脈波センサ(容積脈波検出装置)
70:カフ圧制御手段
72:基準血圧測定手段
74:容積脈波面積算出手段
76:脈波面積血圧対応関係決定手段
78:連続血圧値決定手段
79、148:連続血圧測定手段
80:脈拍数算出手段
82:運動強度値算出手段
84:運動強度判定算出手段
86:総仕事量算出手段
146:基準血圧値記憶手段

Claims (3)

  1. 生体に運動負荷を与えることにより該生体の運動強度を測定する運動強度測定装置であって、
    前記生体の脈拍数を算出する脈拍数算出手段と、
    前記生体の容積脈波を検出する容積脈波検出装置を有し、該容積脈波の面積に基づいて該生体の血圧値を非侵襲で前記脈拍周期に同期して連続的に測定する連続血圧測定手段と、
    前記脈拍数算出手段により算出された脈拍数と前記連続血圧測定手段により連続的に測定された連続血圧値との積である運動強度値を、前記脈拍周期に同期して逐次算出する運動強度値算出手段と
    を、含むことを特徴とする運動強度測定装置。
  2. 前記連続血圧測定手段は、
    前記生体の一部内の動脈を圧迫する圧迫手段による圧迫圧を所定の速度で変化させる圧迫圧制御手段と、
    該圧迫手段による圧迫圧の変化過程において得られる脈拍同期波の変化に基づいて該生体の血圧値を決定する基準血圧測定手段と、
    前記生体の容積脈波を逐次検出する容積脈波検出装置と、
    該容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する容積脈波面積算出手段と、
    該容積脈波面積算出手段により算出された容積脈波面積と前記基準血圧測定手段により決定された血圧値との間の対応関係を決定する脈波面積血圧対応関係決定手段と、
    該対応関係から前記容積脈波面積算出手段により逐次算出される実際の容積脈波面積の大きさに基づいて連続血圧値を逐次決定する連続血圧値決定手段と
    を、含むものである請求項1の運動強度測定装置。
  3. 前記連続血圧測定手段は、
    前記生体の一部に装着されたカフの圧迫圧を変化させることにより測定された基準血圧値を記憶する基準血圧値記憶手段と、
    前記生体の容積脈波を逐次検出する容積脈波検出装置と、
    該容積脈波検出装置により検出された容積脈波の面積を算出する容積脈波面積算出手段と、
    該容積脈波面積算出手段により算出された容積脈波面積と前記基準血圧値記憶手段により記憶された基準血圧値との間の対応関係を決定する脈波面積血圧対応関係決定手段と、
    該対応関係から前記容積脈波面積算出手段により逐次算出される実際の容積脈波面積の大きさに基づいて連続血圧値を逐次決定する連続血圧値決定手段と
    を、含むものである請求項1の運動強度測定装置。
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