JP3691332B2 - 車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法及びその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
かかる鉄道車両の乗り心地に関する参考文献としては、以下に挙げるものがある。
【0003】
(1)鈴木浩明:鉄道車両の振動乗り心地に関する人間科学的研究,鉄道総研報告特別24号,1998
(2)小柳志郎:振子車の振動乗心地評価法 −車体傾斜角速度による評価,鉄道技術研究報告,No.1274,1984
(3)ISO:Mechanical vibration and shock−Evaluation of human exposure to whole−body vibration,Part1:General requirements,ISO 2631−1.ISO,1997
(4)ISO:Evaluation of human exposure to whole−body vibration−Part4:Guidelines for the evaluation of the effects of vibration and rotational motion on passenger and crew comfort of fixed guideway transport systems ISO/CD 2631−4.ISO,1998
(5)鈴木浩明・手塚和彦・吉岡博・高井秀之:鉄道振動の快適性評価に関わる国際規格原案,鉄道総研報告,vol.12,No.11,pp.37〜42,1998
(6)CEN:Railway applications−Ride comfort of passengers.Measuring and evaluation,Final draft,CEN/TC256 prENV12299.CEN,1996
(7)仲川滋:在来線到達時分短縮にむけて −TRY−Zによる曲線通過速度向上試験−,JREA,Vol.41,No.4,pp.26〜28,1998
(8)大野央人・鈴木浩明・芳賀一郎・辻野昭道・杉森昌樹:鉄道車両の車体ローリング乗り心地を規定する要因に関する一考察,日本機械学会第7回交通・物流部門大会,pp.183〜184,1998
(9)鈴木浩明・白戸宏明・中川千鶴・大野央人:乗り物酔いの評価に関する研究の現状と課題,鉄道総研報告,Vol.12,No.11,pp.1〜6,1998
従来、振子式車両等の車体傾斜車両は曲線走行時に車体を自ら内傾し、乗客に作用する遠心力を補償して高速走行することが可能なため、我が国では1970年代に導入されて以来、急曲線が多い在来線区の特急列車のスピードアップに貢献してきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
傾斜制御技術の向上によって車体傾斜車両の乗り心地は格段に向上してきたが、車体傾斜時のローリング等に起因すると考えられる不快感が今日でも問題となる場合がある。
【0005】
車体傾斜車両の乗り心地に関わるいくつかの目安値はあるものの、我が国では傾斜制御の違いに起因する乗り心地の良否を総合的に評価する指標が提案されたことはない。
【0006】
そこで、以下に既存の車体傾斜車両の乗り心地の評価方法について説明する。
【0007】
〔1〕車体傾斜車両の乗り心地に影響する要因
列車走行時に生じる振動は、その振幅や周波数が絶えず変動している。このようなランダム振動の場合、振動波形のどのような側面を計測すれば、人の快・不快の差に対応する物理量となるのかが1つの検討課題となる。
【0008】
車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地を考える上で重要なのは、左右方向の並進振動(左右振動)と回転振動(ローリング)であり、とりわけ後者は車体傾斜車両に特有の問題となる。
【0009】
図2は車体傾斜車両が直線から曲線にかけて走行した際に生じるローリングの角速度(ロール角速度)と左右振動加速度の変化を時間軸に沿って模式的に示した図である。
【0010】
例えば、緩和曲線区間に入ると車体が傾斜し始めるため、ロール角速度〔図2(a)参照〕の値は徐々に大きくなるが、円曲線に入ると車体傾斜を終えて再びほぼ0に戻る。ただし、車両のサスペンションと軌道の相互影響により生じる繰り返し動揺などのため、直線や円曲線中でローリングの値が完全に0となるわけではない。車体傾斜時のローリングの大きさを表す物理量としては、緩和曲線中のロール角速度の最大値(θp )や、その変化率を意味するロール角加速度の最大値(θj )が代表的である。
【0011】
一方、軌道狂いと車両の動的な相互作用に起因して生じる左右振動加速度〔図2(b)参照〕の場合は、緩和曲線区間に入ると車両に加わる遠心力の大きさに応じて、基線からのずれが観測される。円曲線区間では、走行速度が変化しない限りは、基線からのずれの程度はほぼ一定(定常的)である。このように、車両が円曲線を走行するときに定常的に生じる車体床面に平行な左右加速度を左右定常加速度ya と呼ぶ。左右定常加速度ya は一般に左右振動加速度波形にローパスフィルタをかけて得られた低周波成分の平均値として求められる。
【0012】
逆に、こうした低周波数成分を無視していわゆる振動分1波の最大振幅をその区間内の代表値とするp−p値ym (peak to peak value)も、指標として広く用いられる。なお、基線から片側のみの最大振幅を代表値とする場合はピーク値という。さらには、低周波分・高周波分を合わせて、基線からのずれを含む左右振動加速度の最大値を読み取った左右加速度最大値yp や、緩和曲線中の左右振動加速度の時間変化率(ジャーク)最大値yj などを指標として用いることもある。
【0013】
乗り心地の快−不快はこれら様々な振動特性に影響されるため、車体傾斜車両の曲線走行時の振動特性を表す指標としてどのような代表値を選ぶかによって、評価結果が左右される。
【0014】
次に、これまでに用いられてきた主な代表値を概観する〔参考文献(1)〕。
【0015】
〔2〕日本における評価法
〔2−1〕左右振動加速度と左右定常加速度
国鉄時代に設けられた乗り心地基準では、一般走行時(=直線区間の等速走行時等)と曲線走行時を分けて考えている。
【0016】
一般走行時については、左右、上下、前後方向の振動加速度ピーク値をもとに乗り心地を5段階評価する「乗り心地係数」や、後述するISO規格を参考に、振動加速度の実効値(rms値)で乗り心地を評価する「乗り心地レベル」等が提案されている。
【0017】
一方、曲線走行時の乗り心地の程度は、左右定常加速度の大きさで評価され、「5%の立位乗客が許容できないとする定常加速度は0.8m/s2 である」との目安値が1960年代に提案されている。今日でも一部の例外を除き、この値を超えないように曲線通過速度が制限されている。
【0018】
〔2−2〕ロール角速度とロール角加速度
曲線走行時に車体を内傾することで、左右定常加速度を低減し、より高速走行が可能になるよう開発されたのが車体傾斜車両である。車体傾斜機構には幾つかのタイプがあり、我が国で初期に導入された振子式車両は、車両に遠心力が働くとコロに載った車体が自然に内傾する方式(自然振子式)を採用していた。しかし、この方式では、曲線に入ってから車体が傾斜し始める振り遅れ等により、曲線線形に沿ったスムーズな車体傾斜ができない場合があった。このため、(特に立位での)乗り心地は芳しくなく、酔いやすいとの評価もあった。検討の結果、車体傾斜に伴う低周波ローリングが問題であり、良好な乗り心地を確保するには下記の条件を満たす必要があることが結論づけられた。
【0019】
ロール角速度等から「良い」と判定される条件は、以下のとおりである。
【0020】
(1)曲線出入口でのロール角速度が小さい(限度の目安は5deg/s)。
【0021】
(2)曲線出入口でのロール角加速度が小さい(限度の目安は15deg/s2 )。
【0022】
(3)曲線出入口でのロール角加速度波形が左右対称、かつ正弦波状である。
【0023】
(4)車体左右加速度に衝撃波形が生じない。
上記の5deg/s、15deg/s2 という値は現在でも目安値として活用されている。
【0024】
その後、空気アクチュエータをコンピュータで制御する方式を導入したことで傾斜制御の精度は格段に向上した。現在では、すべてのJR旅客会社が急曲線の多い在来線区の特急列車に制御付き振子式車両を採用している。
【0025】
〔2−3〕諸外国における検討例
〔2−3−1〕ISOの評価指針(ISO2631)
ISOによる「全身振動に対する人体曝露の評価(ISO2631)」は鉄道車両の乗り心地評価に影響を及ぼした国際規格であり〔参考文献(1)〕、今日では、鉄道振動の評価方法をISO2631の独立したパート(Part4)として制定するための審議も行われている〔参考文献(3)〜(5)〕。この規格案には「ローリングが乗り心地に影響する要因の1つであり、大きなロール角速度の運動に繰り返し曝露されると乗り物酔いに陥りやすい」ことが記されているが、その具体的な測定・評価法は明確になっていない。
【0026】
〔2−3−2〕欧州規格案
車体傾斜車両の曲線乗り心地について最も参考となるのは、欧州標準化委員会(CEN)で審議中の欧州規格(EN)案である。国際鉄道連合(UIC)の一連の研究報告書をベースにしたEN案には次のような曲線乗り心地指標(PCT)が提案されている。
【0027】
【数1】
Figure 0003691332
【0028】
なお、左右振動については、ISO2631を参考にした、図3に示されるローパスフィルタによる周波数補正を行った後の値を用いる必要がある。上記した式(1),(2)の括弧内の項は正の値となる場合のみ採用され、負の場合には、ロール角速度のみで表される式となる。
【0029】
〔2−4〕開発目的の違い・一体感評価と設計仕様
開発目的の違いに着目すると、従来の様々な評価指標は以下の2つに大別できる。1つは「人の感じる快−不快の変化と最も高い相関を持つような振動特性の物理的変化を定量化し、物理量の大きさから乗り心地の程度を予測可能な評価関数を作成する」ことを目的としたものであり、もう1つは、「商品やサービスを提供する際に必要な設計標準を得ること」を目的としたものである。両者の違いは絶対的なものではないが、その目的の違いから必要とされる指標の形態が異なることが多い。
【0030】
〔2−4−1〕多項式による快−不快の表現
乗り心地の快−不快は様々な振動特性に影響されるため、体感との相関が最も高くなるように各種の振動特性の重みづけ和を求めて、例えば、EN案のような評価式を作成することができる。ところが、このように表現すると、各々の変数を物理的にどの程度低減すれば、乗り心地がどう変化するかが分かりにくい。
【0031】
このため、「軌道管理や車両設計に反映しづらい指標」と評価されがちな傾向がある。設計・管理面からは、「θp は5deg/s,θj は15deg/s2 ,ya は0.8m/s2 以下に抑えること」といった許容値で表す方が適している。
【0032】
しかしながら、このような管理基準では、物理量の変化に伴って快−不快の程度がどう変化するかの定量化は困難である。
【0033】
〔2−4−2〕サービスの質への認識の違い
以上から、乗客の体感的な良否を表す指標と、軌道管理や車両設計に有用な指標は必ずしも同じでないことがわかる。欧州では管理・設計用の基準と体感乗り心地の評価関数を区別した上で、乗り心地指標の規格化を進めているが、我が国では「すぐに役に立つ」ことが強調されるため、設計・管理指標としての乗り心地に目が行きがちで、サービスの総合品質指標としての乗り心地基準の検討は遅れている。
【0034】
このため、本発明は、サービスの質を評価する意味での乗り心地指標を与えることができる車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法及びその装置を提供することを目的とする。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕緩和曲線区間において、左右加速度最大値yp 、左右振動ジャーク最大値yj 、ロール角速度最大値θp 、ロール角加速度最大値θj の4変数を算出し、その重みづけ合成和を作成することにより、体感と相関の高い乗り心地評価を行う車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法であって、次の式に従って乗り心地評価演算を行うことを特徴とする車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法。
【0036】
立位:TC T-R =0.6y p +0.3y j +0.03θ p +0.12θ j +0.5
座位:TC T-Z =0.4y p +0.4y j +0.02θ p +0.04θ j +0.8
〕上記〔〕記載の車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法において、前記演算値が3を超える場合には「不快」な乗り心地であり、2未満である場合には、「全く問題ない」ものとし、この式の計算結果が負の値となる場合には近似的に0とみなすことを特徴とする車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法。
【0037】
〕車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価装置において、左右加速度センサとロール角速度センサを有する車載センサ装置と、の車載センサ装置からの情報を取込み、左右加速度最大値yp を演算する左右加速度最大値yp 演算装置、左右振動ジャーク最大値yj を演算する左右振動ジャーク最大値yj 演算装置、ロール角速度最大値θp を演算するロール角速度最大値θp 演算装置、ロール角加速度最大値θj を演算するロール角加速度最大値θj 演算装置と、それらの演算装置からの情報を取込み、
立位:TC T-R =0.6y p +0.3y j +0.03θ p +0.12θ j +0.5
座位:TC T-Z =0.4y p +0.4y j +0.02θ p +0.04θ j +0.8
上記式に従った乗り心地評価演算を行う乗り心地評価演算装置と、この乗り心地評価演算装置に接続され、乗り心地評価表示を行う乗り心地評価表示装置を具備することを特徴とする。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
【0039】
本発明によれば、4種の振動特性の重みづけ合成値で乗り心地を予測する以下のような評価式を作成した。重回帰係数は立位、座位ともに0.70であり、精度を下げることなく、汎用的な指標を作成することができた。
【0040】
立位:TCT-R =0.6yp +0.3yj +0.03θp +0.12θj+0.5
座位:TCT-Z =0.4yp +0.4yj +0.02θp +0.04θj+0.8
この式から得られる値は以下に述べる現車試験で用いた4段階の評価尺度と対応しているので、計算結果が3を超える場合には「不快」な乗り心地であり、2未満である場合には、「全く問題ない」ことを意味している。ただし、この式の計算結果が負の値となる場合には近似的に0とみなす。
【0041】
図1は本発明の実施例を示す車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価装置の概略構成図である。
【0042】
この図において、車載センサ装置1として、左右加速度センサ2、ロール角速度センサ4が搭載され、それらの出力信号は、乗り心地評価データ処理装置10に取り込まれる。その乗り心地評価データ処理装置10は、左右加速度センサ2からの左右加速度の最大値として得られる左右加速度最大値yp 演算装置11、左右加速度センサ2からの左右加速度情報の変化率の最大値として得られる左右振動ジャーク最大値yj 演算装置12、ロール角速度センサ4からのロール角速度の最大値として得られるロール角速度最大値θp 演算装置13、ロール角速度センサ4からのロール角速度を微分して得られるロール角加速度最大値θj 演算装置14、計時装置(同期装置)15などから構成され、それぞれの出力情報が乗り心地評価演算装置16において、
立位:TCT-R =0.6yp +0.3yj +0.03θp +0.12θj +0.5
座位:TCT-Z =0.4yp +0.4yj +0.02θp +0.04θj +0.8
の式の演算処理を行い、乗り心地表示装置17にて乗り心地を表示する。
【0043】
例えば、計算結果が3を超える場合には「不快」な乗り心地であり、2未満である場合には、「全く問題ない」ことになる。ただし、計算結果が負の値となる場合には近似的に0とみなす。このような数値に基づいて、「不快」な場合には、人間のしかめ面を乗り心地表示装置17の表示面に表示したり、「全く問題ない」場合には人間の笑顔を表示面上に描くようにするなど工夫することができる。当然に、数値を4段階にして、それに応じた画像による表示などを行わせるようにしてもよい。
【0044】
このように、緩和曲線区間において、(1)左右加速度最大値、(2)左右振動ジャーク最大値、(3)ロール角速度最大値、(4)ロール角加速度最大値の4変数を算出し、その重みづけ合成和を作成することで、体感と相関の高い評価が可能となる。なお、この指標は、左右方向の並進振動・回転振動(ローリング)それぞれの最大値(yp ,yj )と変化率最大値(θp ,θj )から構成されていると換言することができる。
【0045】
以下、詳細に説明する。
【0046】
〔1〕現車での体感評価試験の実態について、
〔1−1〕試験目的
ここでは、車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地に影響する振動特性を検討し、体感と適合した乗り心地評価方法を作成するための資料を得る。
【0047】
〔1−2〕試験実施概要
試験は、1998年9月に中央車線の四方津−甲斐大和間で実施した。供試車両は東日本旅客鉄道株式会社のE991系試験電車(TRY−Z)3両編成であり、試験はT車内で実施した。曲線に入ると超過遠心力と制御力によって重心が外側に振り出されて車体を傾斜させる従来の振り子式車両と異なり、この試験車両は油圧による強制車体傾斜方式を採用しており、曲線で強制的に重心を内側に移動させることができる。
【0048】
また、任意の地点で車体を傾斜させ始めたり、一定の傾斜角で車体傾斜を止めるなど、個々の曲線毎に傾斜制御条件を比較的自由に設定できる特色がある。
【0049】
試験には鉄道関係者28名(立位12名、座位16名)が被験者として参加した。
【0050】
〔1−2−1〕試験方法
区間内に13個の試験曲線(曲線半径R=400m、カントc=105mm、円曲線長の平均値=327m)を設け、各曲線の開始・終了時を放送で被験者に知らせた。各試験曲線について、図4に示す区間(A〜C)毎に4段階尺度で乗り心地を評価する作業を被験者に課した。なお、評価用語は既存の研究を参考に以下のように選定した。
(1)まったく問題ない
(2)やや気になる程度
(3)不快であるが許容範囲内である
(4)不快であり許容できない
〔1−2−2〕試験走行条件
新たな評価法について検討するための資料を得るには、現在営業運転中の列車の車体傾斜パターンをはじめ、様々な走行条件下で被験者の評価データを収集する必要がある。このため、下記に示す各要因を変化させることにより、多様な傾斜制御パターンでのデータ収集を図った。1日の試番数は4回であり、試験は6日間にわたって昼間の時間帯で実施した。なお、試験の実施順序が評価に影響しないよう、各条件の走行順序はランダムに配置した。
【0051】
操作した車体傾斜制御変数:変域と変化ステップは以下の通りである。
【0052】
(1)車体傾斜角:4〜7度(1度刻み)
(2)左右定常加速度補償率:60〜100%(20%刻み)
(3)曲線走行速度:90〜110km/h(5km/h刻み)
(4)車体傾斜タイミング:緩和曲線の長さ相当分、前もしくは後に移動(緩和曲線長の1/2の長さ刻み)
〔1−2−3〕測定物理量
車体振動加速度、車体ロール角・ロール角速度を測定し、合わせて速度、キロポストマーカーを記録した。
〔2〕結果と考察
本発明では、乗り心地に影響する振動特性の検討と、車体傾斜車両の乗り心地評価方法の提供に焦点を当てて考察する。このため、個々の車体傾斜制御条件と体感評価との関係についての検討は省略する。
【0053】
被験者の評定値データについては、1〜4の評点を人間の感覚量に対応する値とみなし、立位・座位別に全被験者の評定平均値を求め、これを「乗り心地の程度を表す指標」とした。なお、特に断りのない限り入口側・出口側の緩和曲線の評価(図4のA、C)は区別せず、合わせて分析に用いた。一方、物理量については、図2のyp ,yj ,θp ,θj の4種を分析に用いた。前3者はEN規格案に用いられている指標であり、θp とθj は日本における従来の評価で用いられてきた指標である。
【0054】
〔2−1〕個々の物理量と評価値の相関
〔2−1−1〕物理量間の相関
4種の物理量間の相関係数を表1に示す。yp とθp ,yp とθj が独立とみなせる以外、他の変数間の相関は統計的に有意であることが明らかになった。
【0055】
【表1】
Figure 0003691332
【0056】
〔2−1−2〕物理量と評定値(被経験者評定平均値)との相関・偏相関
上記の4変数の各々と被験者評定平均値との相関係数を立位・座位別に示したのが表2の左欄である。
【0057】
【表2】
Figure 0003691332
【0058】
また、上記表1に示されるように、物理量同士が独立でないことを考慮して偏相関係数を算出した結果を表2の右欄に示す。ここで、偏相関係数とは相関を調べたい変数ペア以外の変数の影響を取り除いて算出した相関係数である。例えばこの表では、yj ,θp ,θj の影響を取り除いた場合のyp と評定平均値との相関係数は立位で0.38、座位で0.19であることを示している。相関係数で見ると立位・座位ともにyj の値が最も大きいが、立位の場合には、他の変数の影響を取り除くとθj の相関が最も高い。ただし、最も高い偏相関係数でも、0.5未満であるため、単独の変数で体感乗り心地の程度を予測するには限界があることが分かる。
【0059】
〔2−2〕緩和曲線の乗り心地評価指標
以上により、体感と相関の高い評価指標を作成するには、複数物理量の合成変数を用いるのが望ましいとの結果が得られた。そこで、幾つかの合成変数について、体感との適合度がどの程度あるかを検討する。
【0060】
〔2−2−1〕ローリングのみを用いた評価
日本ではθp とθj の目安値で車体傾斜車両の乗り心地を評価してきたので、まず、この2要因で合成変数を作成した場合にどの程度の精度が得られるかを分析する。θp とθj を独立変数、立位・座位別の評定値を従属変数としてステップワイズ式の重回帰分析で検討した結果、以下の回帰式を得た。
【0061】
立位:N11=0.12θp +0.03θj −0.80 …(3)
座位:N12=0.06θp +0.02θj −0.96 …(4)
なお、ステップワイズ式重回帰分析とは、従属変数に生じた差の理由を説明できるような、最も効率的な独立変数の組み合わせを取捨選択する統計技法であり、今回の例でいえば、乗り心地評価に影響している振動特性の組み合わせを選び出すことを意味する。分析結果によれば、θp ,θj ともに有効な変数として採択された。ただし、振動特性と評定値との結び付きの強さを表す重回帰係数は立位0.55、座位0.42であり、それほど高くはない。
【0062】
〔2−2−2〕EN方式の評価
次に、EN案のPCT(yp ,yj ,θp の合成変数)を独立変数とした回帰分析の結果、以下の回帰式を得た。回帰係数は立位0.67、座位0.65であり、上記式(3)、(4)より高い値となった。なお、EN案ではPCTの適用対象を入口側緩和曲線のみとしているが、本発明の試験では入口、出口側ともにほぼ同程度の回帰係数が得られたため、両者を合わせて分析した。
【0063】
立位:N21=0.03PCT+1.12 …(5)
座位:N22=0.05PCT+1.14 …(6)
〔2−2−3〕新たな評価指標の検討
上記式(3)〜(6)の回帰係数はいずれも統計的に有意であり、一定の信頼性が確認された。EN指標の方が信頼度は高く、0.6を超える回帰係数が得られた。従って、今後の国際化の流れを考慮すれば、この指標をそのまま曲線乗り心地指標として採用するのも一案である。
【0064】
しかしながら、本発明では、以下の点を勘案して新たな指標の作成を試みることとした。
【0065】
(1)緩和曲線の長さや形状、鉄道車両の乗り心地への期待値などは国によって異なる。このため、EN案の各変数の重みづけ値を日本の評価にそのまま適用すべきかどうかについて(式の各変数の有効桁数を含めて)疑問が残る。
【0066】
(2)日本ではこれまで車体傾斜車両の乗り心地評価にロール角加速度を活用しており、この指標の有効性は定置試験結果でも確認されている〔参考文献(8)〕ことから、ロール角加速度を加えた指標とする。
【0067】
以上の方針に従い、yp ,yj ,θp ,θj の4変数を独立変数としたステップワイズ式重回帰分析を実施した。なお、EN案ではロール角速度を指数関数で計算しているが、本発明では直線回帰式を用いた。分析の結果、4変数全てが評価に有効な変数として採択され、以下の回帰式が得られた。なお、重回帰係数は立位0.74、座位0.68であり、EN案より高い値を示した。
【0068】
立位:N31=0.72yp +0.36yj +0.04θp +0.11θj
−0.43 …(7)
座位:N32=0.23yp +0.44yj +0.02θp +0.01θj
−0.79 …(8)
〔2−2−4〕本発明にかかる総合評価指標(TCT
乗り心地の評価は刺激の絶対強度のみでなく、刺激の変域や分布等の影響を受けた相対評価になりがちである。このため、一回の試験で得られた評価式が別の試験結果には適合しないことがある。そこで、同様の手続きで行われた別の現車試験や室内実験等の結果を参考に係数の修正を行い、4種の振動特性の重みづけ合成値で乗り心地を予測する評価式を作成した。重回帰係数は立位、座位ともに0.70であり、上記式(7)〜(8)の精度を下げずに汎用的な指標を作成することができた。
【0069】
立位:TCT-R =0.6yp +0.3yj +0.03θp +0.12θj
+0.5 …(9)
座位:TCT-Z =0.4yp +0.4yj +0.02θp +0.04θj
+0.8 …(10)
この式から得られる値は現車試験で用いた4段階の評価尺度と対応しているので、計算結果が3を超える場合には「不快」な乗り心地であり、2未満である場合には、「全く問題ない」ことを意味している。ただし、この式の計算結果が負の値となる場合には近似的に0とみなす。
【0070】
なお、この分析で用いたデータを対象にEN案のPCTを算出した結果、重回帰係数は立位0.59、座位0.67であり、本発明の総合評価指標TCT の方が適合性が高いことが確認された。
〔2−2−5〕指標の適用範囲
指標の適用範囲に関わる留意点をいくつか述べる。
【0071】
(1)この指標は車体傾斜車両を対象にした検討結果に基づいているため、非傾斜方式の車両の乗り心地評価にも適用可能かどうかについては別途検討が必要である。
【0072】
(2)同様に、走行速度、曲線形状、軌道管理状態などが異なる新幹線の評価に適用する場合にも、別途検討が必要である。
【0073】
(3)本発明では、座位と立位の評価式を提案したが、在来線特急列車の運転状況等を考慮すれば、より評価が厳しい立位の評価式を用いる方が望ましい。
【0074】
(4)人間の快−不快は期待値との比較で決まるため、車両の走行性能や鉄道をとりまく環境の変化に応じて、絶えず柔軟に評価指標を修正していく必要がある。
〔3〕
本発明では、車体傾斜車両が曲線区間を走行する際の乗り心地に影響する要因について検討を行い、緩和曲線走行時の乗り心地の総合評価指標(TCT )を提案した。緩和曲線区間において、(1)左右加速度最大値、(2)左右振動ジャーク最大値、(3)ロール角速度最大値、(4)ロール角加速度最大値の4変数を算出し、その重みづけ合成和を作成することで、体感と相関の高い評価が可能となることを明らかにした。なお、この指標は、左右方向の並進振動・回転振動(ローリング)それぞれの最大値(yp ,yj )と変化率最大値(θp ,θj )から構成されていると換言することができる。また、評価の程度は4段階区分で表示できる。
【0075】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0076】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価において、サービスの質を評価する意味での乗り心地指標及びその装置を与えることができる。
【0077】
特に、緩和曲線区間において、(1)左右加速度最大値、(2)左右振動ジャーク最大値、(3)ロール角速度最大値、(4)ロール角加速度最大値の4変数を算出し、その重みづけ合成和を作成することで、体感と相関の高い評価が可能となる。
【0078】
なお、この指標は、左右方向の並進振動・回転振動(ローリング)それぞれの最大値(yp ,yj )と変化率最大値(θp ,θj )から構成されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価装置の概略構成図である。
【図2】 車体傾斜車両が直線から曲線にかけて走行した際に生じるローリングの角速度(ロール角速度)と左右振動加速度の変化を時間軸に沿って模式的に示した図である。
【図3】 ローパスフィルタによる周波数補正を示す図である。
【図4】 乗り心地の評価区間を示す図である。
【符号の説明】
1 車載センサ装置
2 左右加速度センサ
4 ロール角速度センサ
10 乗り心地評価データ処理装置
11 左右加速度最大値yp 演算装置
12 左右振動ジャーク最大値yj 演算装置
13 ロール角速度最大値θp 演算装置
14 ロール角加速度最大値θj 演算装置
15 計時装置(同期装置)
16 乗り心地評価演算装置
17 乗り心地表示装置

Claims (3)

  1. 和曲線区間において、左右加速度最大値yp 、左右振動ジャーク最大値yj 、ロール角速度最大値θp 、ロール角加速度最大値θj の4変数を算出し、その重みづけ合成和を作成することにより、体感と相関の高い乗り心地評価を行う車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法であって、次の式に従って乗り心地評価演算を行うことを特徴とする車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法。
    立位:TC T-R =0.6y p +0.3y j +0.03θ p +0.12θ j +0.5
    座位:TC T-Z =0.4y p +0.4y j +0.02θ p +0.04θ j +0.8
  2. 請求項記載の車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法において、前記演算値が3を超える場合には「不快」な乗り心地であり、2未満である場合には、「全く問題ない」ものとし、この式の計算結果が負の値となる場合には近似的に0とみなすことを特徴とする車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価方法。
  3. 車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価装置において、
    (a)左右加速度センサとロール角速度センサを有する車載センサ装置と、
    (b)該車載センサ装置からの情報を取込み、左右加速度最大値yp を演算する左右加速度最大値yp 演算装置、左右振動ジャーク最大値yj を演算する左右振動ジャーク最大値yj 演算装置、ロール角速度最大値θp を演算するロール角速度最大値θp 演算装置、ロール角加速度最大値θj を演算するロール角加速度最大値θj 演算装置と、
    (c)それらの演算装置からの情報を取込み、
    立位:TC T-R =0.6y p +0.3y j +0.03θ p +0.12θ j +0.5
    座位:TC T-Z =0.4y p +0.4y j +0.02θ p +0.04θ j +0.8
    上記式に従った乗り心地評価演算を行う乗り心地評価演算装置と、
    (d)該乗り心地評価演算装置に接続され、乗り心地評価表示を行う乗り心地評価表示装置を具備することを特徴とする車体傾斜車両の曲線走行時の乗り心地評価装置。
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