JP3691164B2 - 生物時計を制御する遺伝子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医学、生理学上重要な生物の概日性リズムを司る生物時計制御遺伝子、およびその遺伝子産物に関する。
【0002】
【従来の技術】
約24時間周期の概日性リズムは地球上の生物が環境に適応するための基本的生命現象の一つであり、このリズムを維持するための生物時計(概日性時計、circadian clock)を生物が有していることは広く認識されている。すなわち、生物の生理機能は昼、夜の光や温度の変化に対応して変化し、植物の開花、休眠の他、鳥やミツバチに見られる方向感覚も上記のリズムによって制御されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとく、生物の生理機能は生物時計の刻む概日性リズムによって制御されているが、現代社会では、特に、人間は自らの概日性リズムに反する生活を強いられ、不眠症や時差ボケに悩まされることが多い。また、うつ病や神経症などの精神病も概日性時計の異常との関連が深い。生物の持つこの概日性リズムを生じさせる基本振動は生物の細胞の中で発生することは知られている。しかしながら、この基本振動の発生や、それが生物の活動に反映される機構についてはほとんど解明されていない。
本発明の目的は、生物時計による概日性リズム発現の機構を分子生物学的に明らかにし、概日性リズムの異常に起因する疾病に対する治療、対策に貢献すること、およびエネルギー、食糧問題に対する対策などにも役立てることにある。
例えば、今日では社会活動は24時間休みなく継続されているために、正しく労働−睡眠のリズムが取れないことも多く、ジェット・ラグやシフトワークなどで重大な不適応が生じ、本人の生理的苦痛はもとより、スリーマイル島発電所事故のような重大な災害の原因ともなっている。生物時計の分子メカニズムを解明し、それを外部から適切に操作することにより、このような不適応を緩和、除去することが可能になる。
【0004】
また、食糧や建築、工芸材料として重要な高等植物は、24時間周期の地球環境と1年周期の季節変動に適応するために、その成長や花芽形成が生物時計によって制御されている。この時計を人為的に操作することができれば、エネルギーコストを最小に抑えて最大の穀物生産を達成することや、ある特定の環境に適応した植物を人工的に創製することも可能になる。動物、特に、家畜についても同様のことが言える。
このような現代社会のかかえる諸問題を解決するために生物時計を司っている遺伝子を単離し、提供することによって概日性リズムの分子機構解明に糸口を与えることが本発明の目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意研究の結果、藍色細菌を材料とし、分子遺伝学的手法を駆使することによって、概日性リズムの乱れを相補する遺伝子、すなわち、生物時計を制御する遺伝子を単離することに成功し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明の第1の態様は、配列表の配列番号1に記載したアミノ酸配列を有する生物時計の制御に関与するタンパク質またはその機能的同等物、ならびに、それらの生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子、とりわけ、配列表の配列番号2に記載した塩基配列を有する生物時計制御遺伝子を提供するものである。さらに、この生物時計制御遺伝子とハイブリダイズし、生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする遺伝子も提供する。
【0007】
また、本発明の第2の態様は、配列表の配列番号3に記載したアミノ酸配列を有する生物時計の制御に関与するタンパク質またはその機能的同等物、ならびに、それらの生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子、とりわけ、配列表の配列番号4に記載した塩基配列を有する生物時計制御遺伝子を提供するものである。さらに、この生物時計制御遺伝子とハイブリダイズし、生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする遺伝子も提供する。
【0008】
また、本発明の第3の態様は、配列表の配列番号5に記載したアミノ酸配列を有する生物時計の制御に関与するタンパク質またはその機能的同等物、ならびに、それらの生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子、とりわけ配列表の配列番号6に記載した塩基配列を有する生物時計制御遺伝子を提供するものである。さらに、この生物時計制御遺伝子とハイブリダイズし、生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする遺伝子も提供する。
【0009】
本明細書で用いる「機能的同等物」とは以下のようなものをいう。
天然に存在するタンパクにはそれをコードする遺伝子の多形や変異の他、生成後のタンパクの生体内および精製中の修飾反応などによってそのアミノ酸配列中にアミノ酸の欠失、挿入、付加、置換等の変異が起こりうるが、それにもかかわらず変異を有しないタンパクと実質的に同等の生理、生物学的活性を示すものがあることが知られている。
このように構造的に若干の差違があってもその機能については大きな違いが認められないものを機能的同等物と呼ぶ。人為的にタンパクのアミノ酸配列に上記のような変異を導入した場合も同様であり、この場合にはさらに多種多様の変異体を作製することが可能である。例えば、ヒトインターロイキン2(IL−2)のアミノ酸配列中の、あるシステイン残基をセリンに置換したポリペプチドがインターロイキン2活性を保持することが知られている[サイエンス(Science)、第224巻、1431頁(1984)]。
【0010】
また、ある種のタンパクは、活性には必須でないペプチド領域を有していることが知られている。例えば、細胞外に分泌されるタンパクに存在するシグナルペプチドや、プロテアーゼの前駆体等に見られるプロ配列などがこれにあたり、これらの領域のほとんどは翻訳後、または活性型タンパクへの転換に際して除去される。このようなタンパクは、一次構造上は異なった形で存在しているが、最終的には同等の機能を有するタンパクであり、「機能的同等物」の範囲内に属するものである。
【0011】
ある遺伝子に「ハイブリダイズする遺伝子」とは、該遺伝子に類似した塩基配列を有する遺伝子である。ある遺伝子に類似した塩基配列を有する遺伝子は、そこにコードされているタンパク質のアミノ酸配列、さらに該タンパク質が有している機能も類似している可能性が高い。遺伝子の塩基配列の類似性は、両遺伝子またはその一部同士がハイブリッドを形成する(ハイブリダイズする)かどうかによって調べることができ、これを利用してある遺伝子がコードするタンパク質と同様の機能を持つタンパク質をコードする遺伝子を取得することができる。すなわち、本発明で得られた遺伝子、またはその一部をプローブに用いて公知の方法でハイブリダイゼーションを行うことにより、本発明の遺伝子に類似の塩基配列を有する遺伝子を取得することができる。また、ハイブリダイゼーションにかえて、本発明で得られた遺伝子の塩基配列の一部をプライマーに用いる遺伝子増幅法、例えば、PCR法を利用することもできる。こうして得られた遺伝子が目的の機能を有するタンパク質をコードするものであるかとうか、以下のようにして調べることができる。すなわち、本明細書に示すように、概日性リズムの乱れた変異体に、得られた遺伝子を導入して変異の相補を調べることにより、該遺伝子にコードされるタンパク質の機能を確認することができる。適当な変異体が得られていない場合には、得られた遺伝子にその機能が失われるような変異(ナンセンス変異等)を導入した後、相同組み換えによって、野生型生物の染色体上の遺伝子を破壊し、これによって概日性リズムが乱れるがどうかを調べればよい。このように、本発明の遺伝子にハイブリダイズする遺伝子は本明細書の開示によって容易に取得可能であり、本発明の範囲のものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(1)藍色細菌(Synechococcus)において生物時計の刻む概日性リズムに支配されていることがわかっているプロモーター PpsbAIを単離し、その下流に発光酵素であるルシフェラーゼ遺伝子を接続して、シネココッカス・スピーシーズ(Synechococcus sp.) PCC 7942株のゲノムDNA上のニュートラルな部位(NS1部位)に相同的組換えによって挿入した形質転換体 AMC149株を作製することができる[Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、第5672-5676頁(1993)]。該形質転換体においては、プロモーター PpsbAI依存的にルシフェラーゼが発現されるため、ルシフェラーゼ活性による生物発光を連続的に測定することにより概日性リズムを確認することができる。
ルシフェラーゼ活性に由来する生物発光を連続的に測定できる実験系は、すでに本発明者らによって完成、特許出願されており、特開平6−153994号公報に記載されている。また、プレート上のSynechococcusのコロニーについて同様の測定を行う方法も J. Bacteriol.、第176巻、第1881-1886頁(1994)に記載されている。これらの方法を用いることにより、上記の AMC149株の生物発光がほぼ24時間周期の概日性リズムを刻むことが確認されている[Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、第5672-5676頁(1993)]。
【0013】
(2)上記の AMC149株を用いて概日性リズムが乱れた変異体を分離する。例えば、該菌株を化学変異原であるエチルメタンスルフォネート(ethylmethanesulfonate、EMS)処理した後に上記の方法で概日性リズムの測定を行い、長周期型、短周期型、無周期型、低振幅型等の概日性リズムに異常を生じた変異体を分離することができる。本発明には Science、第266巻、第1233-1236頁(1994)に記載の P30、P38、P48、LP60等の突然変異体を使用することができる。これらの変異体はそれぞれ約30時間、約38時間、約48時間、約60時間周期の発光リズムを示す。
【0014】
(3)野生株であるSynechococcus sp. PCC 7942株のゲノムDNAを調製し、適当な制限酵素、例えばSau3AIで部分消化する。これを適当なクローニングベクターに連結したゲノムDNAライブラリーを作製する。
ベクターとしては、例えば、プラスミドpNS2KTOAを使用することができる。該プラスミドは、プラスミドpBR322由来のアンピシリン耐性遺伝子、Synechococcusゲノム上のターゲッティングサイト2の両隣の領域(NS2領域; プラスミドpAM717に挿入されたSynechococcusゲノム由来の2.8kb BamHI断片[Mol. Gen. Genet.、第232巻、第221-230頁(1992)])、選択マーカーであるプラスミドpACYC177由来のカナマイシン耐性遺伝子(Km)に連結した大腸菌(E.coli)プラスミドPA15の複製開始点領域(ori PA15)の三つの部分よりなり、Km、ori PA15部分はターゲッティングサイト2に挿入されている。プラスミドpNS2KTOAの制限酵素地図を図1に示す。外来DNAを挿入するためのBamHIクローニングサイトは、Kmとori PA15の連結部に存在し、その両隣にEcoRIサイトが付加してある。このベクターでSynechococcusを形質転換することにより、任意の外来DNAをKm、 ori PA15部分と共に、Synechococcus ゲノム上のターゲッティングサイト2に挿入できる。ゲノムに組み込まれたこの領域は、形質転換体のゲノムDNAをNotIで切断することによりゲノムから切り出すことができ、さらに得られたNotI断片を環状化して大腸菌に導入することによりプラスミドとして回収できる(プラスミドレスキュー)。
また、回収されたプラスミド中の外来DNA断片はベクター部分からEcoRIで切り出して解析することができる。
DNAの切断、連結、プラスミドの調製などの基本的な操作には公知の方法を使用することができ、当該方法の詳細はコールド スプリング ハーバー ラボラトリー社発行、Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd Edition、(1989)に記載されている。
【0015】
(4)上記の SynechococcusゲノムDNAライブラリーを用いて、(2)で得られた概日性リズム変異体を形質転換する。形質転換の方法としては、例えば、 Methods Enzymol.、第153巻、第215-231頁(1987)に記載のように、Synechococcusが本来有する形質転換能力を利用する方法を用いることができる。すなわち、培養した Synechococcus菌体とDNAとを混合し、静置した後にカナマイシン耐性のコロニーを選択して形質転換体を得ることができる。
得られた形質転換体を寒天培地上に生育させ、12時間の暗期を与えて生物時計を同調させた後に、上記の方法にしたがって形質転換体コロニーの生物発光を連続的に測定し、発光リズムの周期が野生型(24時間)に戻った相補体コロニーを分離する。
【0016】
(5)相補体コロニーからゲノムDNAを調製し、上記のDNAライブラリーからゲノムDNA中に挿入されたDNA断片を回収する。DNAライブラリーがプラスミドpNS2KTOAをベクターに用いて作製されたものである場合には上記のプラスミドレスキュー法により目的のDNA断片を回収することができる。すなわち、相補体コロニーから調製されたゲノムDNAをNotIで切断した後、生じた断片をDNAリガーゼで環状化し、大腸菌に導入してカナマイシン耐性の形質転換体を選択する。該形質転換体より目的のDNA断片を含むプラスミドを回収することができる。
レスキューされたプラスミドに挿入された上記のライブラリー由来のDNA断片について、その塩基配列を決定する。配列の決定は通常の方法、例えば、ジデオキシ法によって決定することができる。さらに、得られた塩基配列を解析することにより、該塩基配列中のタンパクをコードしうる領域(オープンリーディングフレーム、ORF)を推定することができる。
【0017】
(6)上記の塩基配列をもとに、概日性リズムが乱れた変異体のゲノムDNA上の対応する領域の塩基配列を調べて両者を比較することにより、変異体ゲノムDNA上に生じている突然変異の位置およびその種類を知ることができる。変異体のゲノムDNAの塩基配列の決定にあたっては、サザンブロッティング解析により目的の領域を含むゲノムDNA断片を単離する方法や、PCRを利用したダイレクトシークエンス法が使用できる。
【0018】
本発明者らは、Synechococcus sp. AMC149株由来の4種の突然変異体、P30、P38、P48、LP60のそれぞれを、Synechococcus sp. PCC 7942株のゲノムDNA由来のDNAライブラリー(Gライブラリー)を用いて形質転換し、得られた形質転換体、計約5万コロニーについて上記の方法で生物発光を連続測定した。
この結果、生物発光リズムが正しい24時間周期に戻った相補体を、各変異体についてそれぞれ1種ずつ得ることができた。これらの相補体はそれぞれP30CG(cured with G library)、P38CG、P48CG、LP60CGと命名されている。これらの相補体のゲノムDNA上に、ベクターの設計どおりにライブラリー由来のDNA断片が挿入されていることは、ライブラリーの作製に使用されたベクター由来のDNA断片をプローブに用いたサザンブロッティング解析によって確認することができる。
【0019】
各相補体よりプラスミドレスキュー法により回収されたプラスミドは、何れも上記のサザンブロッティング解析の結果から予想されるサイズのDNA断片を保持している。また、これらのプラスミドを再度突然変異体、P30、P38、P48、LP60に導入し、得られる形質転換体の生物発光リズムを測定することにより、該プラスミドに挿入されたDNA断片上に生物時計機能の変異を相補する能力がコードされていることを確認することができる。
また、これらの各プラスミドの挿入DNA断片をプローブとし、野生型であるSynechococcus sp. PCC 7942株のゲノムDNAについてサザンブロッティング解析を行うことにより、これらの挿入断片の上記野生株のゲノムDNA上での関係を調べることができる。これにより、上記の挿入断片は共通のDNA断片を有していることがわかる。さらに、これらの挿入断片の制限酵素地図や、部分的な塩基配列を決定して比較することにより、それぞれのDNA断片がカバーするDNA領域の関係を知ることができる。
【0020】
以上のようにして各相補体から回収されたプラスミドのうち、突然変異体 P48の相補体であるP48CGより得られたものの一つはプラスミドp48N2と命名されている。また、該プラスミドで形質転換された大腸菌JM109は Escherichia coli JM109/p48N2と命名、表示され、平成8年5月28日より通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に受託番号FERM P−15648として寄託されている。該プラスミドは P30、P38、P48、LP60のどの突然変異体に導入された場合にも生物発光リズムの乱れを相補することができ、これらの変異体に生じたDNA上の変異のすべてをカバーするDNA断片を含んでいることがわかる。また、他のプラスミドに挿入されている挿入DNA断片との比較から、プラスミドp48N2に挿入されているDNA断片中の2つのEcoRIサイトにはさまれた約5kbのDNA断片上に、上記の4種の変異体の生物発光リズムの変異を相補する能力がコードされていることが示される。図2にプラスミドp48N2に挿入されているDNA断片の制限酵素地図、ならびに上記の約5kbDNA断片を示す。
【0021】
上記の約5kbのDNA断片の塩基配列は通常の方法、例えば、ジデオキシ法によって決定することができる。配列表の配列番号7に決定された塩基配列を示す。さらに、該塩基配列を解析することにより、タンパク質をコードすることのできるORFを調べることができる。該塩基配列中には Synechococcus属で使用頻度の高いコドンからなる3つのORFがタンデムに並んでおり、これらは上流に存在するものから順にORF−D、ORF−E、ORF−Fと命名されている。配列表の配列番号2、4、6にそれぞれORF−D、ORF−E、ORF−Fの塩基配列を示す。また、配列表の配列番号1、3、5にそれぞれORF−D、ORF−E、ORF−Fにコードされているタンパク質の推定アミノ酸配列を示す。これらのORFは非常に近接して存在しており、ORF−DとORF−Eの間は約90bp、ORF−EとORF−Fの間は約50bpしか離れていない。このことはこれらのORFが一つのオペロンを構成していることを示していると考えられる。
【0022】
配列表の配列番号7に示された塩基配列をもとにこの塩基配列中の任意の領域をPCR法によって増幅するためのプライマーを設計することができる。次に、これらのプライマーを用い、上記の概日性リズムが乱れた4種の突然変異体のゲノムDNAを鋳型としたPCRを行うことにより、該領域に対応する突然変異体ゲノム上のDNA断片を増幅することができる。さらに得られたDNA断片の塩基配列を決定し、配列表の配列番号7に示された塩基配列と比較することにより、変異体のゲノムDNAに生じている突然変異を特定し、さらに、そこにコードされている遺伝子産物が該日性リズムの発現に関与するものであることを確認することができる。
【0023】
この結果、突然変異体 P38、P48、LP60では、ORF−F上にそれぞれ1箇所の塩基置換(および1アミノ酸置換)が、また突然変異体P30では、ORF−D上に1箇所の塩基置換(および1アミノ酸置換)が見い出された。また、これら以外に単離されている変異体について同様の解析を行った結果、ORF−E上にアミノ酸置換を有する変異体においても該日性リズムが変化していることが確かめられた。
こうして、Synechococcus sp. PCC 7942株より該日性リズムの発現に関与する3種の生物時計制御遺伝子、およびそこにコードされるタンパク質が明らかにされた。
【0024】
本発明で得られた遺伝子の塩基配列を利用して、本発明のタンパク質と同様の機能を有するタンパク質をコードする遺伝子を取得することができる。すなわち、本発明の遺伝子、あるいはその塩基配列の一部をハイブリダイゼーションのプローブまたはPCR等の遺伝子増幅法のプライマーに用いることにより、Synechococcus属をはじめとする藍色細菌やその他の生物から本発明のタンパク質に類似の機能を有するタンパク質をコードする遺伝子をスクリーニングすることができる。
上記の方法では目的の遺伝子の一部のみを含むDNA断片が得られることがあるが、その際には得られたDNA断片の塩基配列を調べてそれが目的の遺伝子の一部であることを確かめた上、該DNA断片またはその一部をプローブとしてハイブリダイゼーションを行うか、あるいは該DNA断片の塩基配列に基づいて合成されたプライマーを用いてPCRを行うことにより、目的の遺伝子全体を取得することができる。
【0025】
上記のハイブリダイゼーションは、例えば、以下の条件で行うことができる。すなわち、DNAを固定したメンブレンを0.5%SDS、0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.1%ポリビニルピロリドン、0.1%フィコール400、0.01%変性サケ精子DNAを含む6×SSC(1×SSCは0.15MNaCl、0.015Mクエン酸ナトリウム、pH7.0を示す)中で、50℃にて12〜20時間、プローブとともにインキュベートする。インキュベーション終了後、0.5%SDSを含む2×SSC中、37℃での洗浄から始めて、SSC濃度は0.1×までの範囲で、また、温度は50℃までの範囲で変化させ、固定されたDNA由来のシグナルがバックグラウンドと区別できるようになるまでメンブレンを洗浄する。
また、こうして得られた新たな遺伝子について、そこにコードされているタンパク質の有する機能を上記同様の方法によって調べることにより、得られた遺伝子が目的とするものであるかどうかを確認することができる。
【0026】
本発明によって得られた遺伝子は、例えば、上記のように生物時計機能に異常を有する生物の概日性リズムを正常な状態に回復させるために使用することができる。またその逆に生物時計機能への選択的な変異導入にも利用できる。
本発明において突然変異体の作製に用いられた変異原処理のようなランダムな変異誘起法では、得られた変異体が生物時計機能以外にも何らかの異常を有している可能性がある。例えば、本発明によって得られた生物時計制御遺伝子に任意の変異を導入した後、これを相同組換えによって正常な生物に導入することにより、用いられた生物時計制御遺伝子にのみ変異を有する生物を得ることができる。このような手法を用いることによって、従来にない新規な性質、例えば、開花の時期や期間を人為的に変化させた観賞用植物等を作製することができる。
このように本発明により得られた生物時計制御遺伝子は、生物の有する概日性リズムを研究するうえでの情報、あるいは材料としてばかりでなく、新規な性質を有する生物を作成するための手段としても極めて重要なものである。
【0027】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例の内容のみに限定されるものではない。
実施例1
Synechococcus細胞株とその培養
材料として野生型の藍色細菌Synechococcus sp. PCC 7942、該細菌のゲノム上の特定部位(NS1; ターゲッティングサイト1;ここに外来DNA断片を挿入しても細胞の生育には全く害が認められない)にスペクチノマイシン耐性遺伝子と連結したPpsbAI::luxAB融合遺伝子がレポーターとして組み込まれているAMC149株[Proc. Natl. Acad. Sci. USA、第90巻、第5672-5676頁(1993)]、およびエチルメタンスルフォネート処理によって AMC149株から分離された生物発光リズムの周期に乱れを生じた突然変異体P30、P38、P48、LP60[Science、第266巻、第1233-1236頁(1994)]を用いた。AMC149株、およびその突然変異体の概日性リズムは、特開平6−153994号公報、および J. Bacteriol.、第176巻、第1881-1886頁(1994)に記載の方法により、n-デカナール (n-decanal) 存在下での生物発光として測定することができる。
Synechococcusを液体培養する場合には改変BG-11培地[J. Bacteriol.、第173巻、第7525-7533頁(1991)]中、対数増殖期の中ごろ(OD750=0.65)まで30℃の恒明条件下で通気培養した。スペクチノマイシン耐性を有する株を培養する場合には培地に終濃度40μg/mlのスペクチノマイシンを添加した。また、コロニーを形成させる場合には改変BG-11寒天培地を使用した。
【0028】
実施例2
Gライブラリーの作製
(1)ライブラリーベクターpNS2KTOA
ライブラリーベクターpNS2KTOA(7.43kb)は、プラスミドpBR322由来のアンピシリン耐性遺伝子(bla)、Synechococcusゲノム上のターゲッティングサイト2の両隣の領域(NS2; プラスミドpAM717由来の2.8kb BamHI断片[Mol. Gen. Genet.、第232巻、第221-230頁(1992)])、選択マーカーであるプラスミドpACYC177由来のカナマイシン耐性遺伝子(Km)に連結した大腸菌プラスミドPA15の複製開始点領域(ori PA15)の三つの部分よりなり、Km、ori PA15部分はNS2領域中に挿入されている。外来DNAを挿入するためのBamHIクローニングサイトは、Kmとori PA15の連結部に存在し、その両隣にEcoRIサイトが付加してある。プラスミドベクターpNS2KTOAの制限酵素地図を図1に示す。
ライブラリーベクターpNS2KTOA 5μgを 50μlの反応液(BamHI緩衝液、NEB社製)中で80ユニットの制限酵素BamHI(NEB社製)を用いて37℃で3.5時間処理して線状化し、エタノール沈殿でDNAを回収した。次にベクターの自己環状化を防ぐために、50μlの反応液中(脱リン酸化緩衝液、ベーリンガーマンハイム社製)、2ユニットのアルカリホスファターゼ(Calf intestinal phosphatase、ベーリンガーマンハイム社製)で37℃で1時間処理した後、エタノール沈殿でDNAを回収した。線状化DNAを未分解の環状DNAと分離するために、0.8%アガロースゲル電気泳動で分画し、線状化DNAを含むアガロースゲルをカミソリの刃で切り出し、ガラスビーズ法(QIAX、Qiagen社製)でDNAをアガロースから抽出・精製した。
【0029】
(2)Synechococcus のゲノムDNA断片の調製
Synechococcus sp. PCC 7942のゲノムDNAはPorterの方法[Methods Enzymol.、第167巻、第703-712頁(1988)]で調製した。なお、培養には改変BG-11培地[J. Bacteriol.、第173巻、第7525-7533頁(1991)]を使用し、培養温度は30℃とした。得られたゲノムDNA100μgを3.3mlの反応液中(H緩衝液、宝酒造社製)で26ユニットの制限酵素Sau3AI(宝酒造社製)で37℃で1時間処理し、DNAの平均長が約6kbになるように部分分解した。エタノール沈殿によって反応液からDNA断片を回収し、0.8%アガロースゲル電気泳動で分画して5〜7kbのDNA断片を含むゲルを切り出した。このゲル中のDNAをガラスビーズ法(QIAX、Qiagen社製)によって精製した。
【0030】
(3)ライブラリーベクターとゲノムDNA断片の連結
上記のゲノムDNA断片(41ng)と線状化したライブラリーベクターDNA(50ng)を10μlの反応液(T4 DNA リガーゼ緩衝液、コールド スプリング ハーバー ラボラトリー社発行、Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd Edition、(1989))中、200ユニットのT4 DNAリガーゼ(NEB社製)で16℃で15時間処理して連結した。エタノール沈殿で反応液からDNAを回収し、15μlの1/2TE緩衝液(5mM Tris−HCl、0.5mM EDTA)に溶かした(以後、このDNA溶液をライゲーション反応産物とよぶ)。1μlのライゲーション反応産物を電気パルス発生装置(Cellject Basic、Cellject社製)を用いた電気穿孔法によって大腸菌 DH10Bエレクトロコンピテントセル(BRL社製)に導入し、これをLB寒天培地(50μg/ml アンピシリン、25μg/ml クロラムフェニコール入り)にまき、30℃で約21時間培養して形質転換体コロニーを形成させた。現れたコロニーより無作為に12コロニーを選び、そのそれぞれからボイリング法によってプラスミドDNAを調製した。得られたプラスミドDNAの制限酵素解析(制限酵素NotI、EcoRIなどで切断し、アガロース電気泳動でDNA断片の長さを調べた)を行い、12クローンのうち9クローンのプラスミドにGライブラリー由来のDNA断片が挿入されていることを確認した(平均クローニング効率は75%)。また、挿入DNA断片の平均長は5.9kbであった。
【0031】
(4)GライブラリープラスミドDNAの調製
ライゲーション反応産物を電気穿孔法により、再度大腸菌 DH10Bエレクトロコンピテントセルに導入し、上記同様に形質転換体コロニーを形成させ、約38,000個のコロニーを得た。スプレッダーを用いて、寒天培地上のコロニーを32mlのLB液体培地中に回収し、よく撹拌して均一化した後、31mlはグリセロール(最終濃度15%[v/v])と混ぜて液体窒素で凍結させ−80℃で保存した。残りの1mlを使ってライブラリープラスミドDNAを調製した。すなわち、この1mlの大腸菌けん濁液を500mlのLB液体培地(50μg/ml アンピシリン、25μg/ml クロラムフェニコール入り)を含む3リットル容の三角フラスコに接種し、30℃で約9時間振とう培養(180rpm)して大腸菌を増殖させた。菌体を集めた後、Qiagen Plasmid Midi Kit(Qiagen社製)を用いたアルカリリシス法でライブラリープラスミドDNAを調製した。このライブラリーをGライブラリーと命名し、以下の操作に用いた。
【0032】
実施例3
生物時計制御遺伝子を含むクローンのスクリーニング
(1)Synechococcus突然変異体の形質転換
Synechococcusが本来持つ形質転換能力を利用したトランスフォーメーション [Methods Enzymol.、第153巻、第215-231頁(1987)]により、GライブラリープラスミドをAMC149株由来の生物時計突然変異体P30、P38、P48、LP60のそれぞれにに導入した。
1×109個の細胞を含む上記の変異体の培養液(OD730で培養液の濁度を測定し、吸光度が0.25を示したとき、その培養液1ml中に1×108個の細胞が含まれている)を室温で遠心分離(4500rpm、10分間)し、菌体を集めた。得られた菌体を2mlの10mM NaCl溶液に懸濁した後、再び遠心して上清を除き、菌体を洗浄した。この洗浄操作をもう一度繰り返した。洗浄した菌体を1mlのBG-11培地に懸濁して50mlポリプロピレン遠心チューブに移し、2μlのTE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA)に溶かした1μgのGライブラリープラスミドDNAを加えた。遠心チューブをアルミホイルで遮光して、30℃で12時間振とうした。次に、それを、BG-11寒天培地に 25、50、100、200μlずつ塗布し、カナマイシン耐性遺伝子を形質転換体で充分発現させるために恒明条件下、30℃で一晩培養した。その後、形質転換体を選択するために、最終濃度が20μg/mlになるように寒天培地の底に300μlの硫酸カナマイシン溶液(2mg/ml)を添加して4〜5日恒明条件下で静置し、形質転換体コロニーの直径が1〜2mmになるまで生育させた。
【0033】
(2)生物発光の経時測定による相補体コロニーのスクリーニング
上記の形質転換体プレートの中からおよそ1000個のコロニーが出現したものを選び、概日性リズムの変異が野生型に戻ったクローン(相補体クローン)のスクリーニングを行った。形質転換体コロニーに12時間の暗期を与えて生物時計を同調させた後に、特開平6−153994号公報記載の方法にしたがって形質転換体コロニーの生物発光リズムを調べた。すなわち、生物発光の基質であるn-デカナール (シグマ社製)を最終濃度3%(V/V)になるように真空ポンプオイルと混合し、この混合液300μlをエッペンドルフチューブの蓋に入れ、暗期の終わりに寒天培地上におき、気相を介して投与した。生物発光リズムは、生物発光自動測定装置で測定し、リズムの周期が野生型(24時間)に戻った相補体コロニーを探した。
この結果、用いた4つの突然変異体について、それぞれ1つづつの野生型のリズムを示す(あるいは野生型のリズムに近づいた)コロニーが得られた。P30、P38、P48、LP60の各変異体から得られた相補体クローンは、それぞれP30CG、P38CG、P48CG、LP60CGと命名した。
【0034】
(3)サザンブロッテイング解析
上記の相補体クローンのゲノムDNA上にGライブラリー由来のDNA断片が挿入されていることを確認するため、サザンブロッティング解析を行った。すなわち、各相補体クローンより調製したゲノムDNAをNotIで切断し、アガロースゲル電気泳動を行った。ゲル上のDNAをキャピラリートランスファー法[コールド スプリング ハーバー ラボラトリー社発行、Molecular Cloning : A Laboratory Manual, 2nd Edition.、(1989)]で正電荷を帯びたナイロンメンブレン(ハイボンド−N+、アマシャム社製)に転写した後、DIG(ベーリンガーマンハイム社製)で標識したプラスミドpBR322(ゲノムに組み込まれるはずのないアンピシリン耐性遺伝子(bla)を含むベクター)、あるいはプラスミドpACYC177由来のカナマイシン耐性遺伝子(Km;野生型ゲノムDNAインサートと共にターゲッティングサイト2に組み込まれる)をプロ−ブとしてハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション後のシグナルの検出はDIG Luminescent Detection Kit for Nucleic Acids(ベーリンガーマンハイム社製)を用いてハイブリダイゼーションシグナルを光に変え、X線フィルムに露光させることによって行った。
上記の4種の相補体クローンすべてにおいて、Kmプローブの場合には、それぞれ単一のシグナルバンドが検出されたが、pBR322プローブの場合には、バンドは全く検出されなかった。このことは、Gライブラリー由来のDNA断片が、ライブラリーベクターのKm、ori PA15部分とともに相補体クローンのゲノムDNA中に挿入されていることを示している。また、KmプローブとハイブリダイズしているNotI断片のサイズより、P30CG、P38CG、P48CG、LP60CGの各相補体クローンのゲノムDNA中に挿入されているGライブラリー由来のDNA断片が、それぞれ約11kb、約10kb、約9.4kb、約12kbであることも確認された。
【0035】
(4)相補体クローンからのGライブラリー由来DNA断片の回収
上記の各相補体クローンより調製したゲノムDNA、2.5μgずつをそれぞれ20μlの反応液(NEB緩衝液3、NEB社製)中で25ユニットのNotI(ベーリンガーマンハイム社製)を用いて37℃で2時間処理し、完全に切断した。その反応液10μlを390μlのライゲーション反応液(NEB社製)中で200ユニットのT4 DNAリガーゼで処理し、DNAを環状化した。該反応液よりDNAをエタノール沈殿法で回収し、10μlのTE緩衝液に溶かした。そのうちの1μlを使用して電気穿孔法による大腸菌 DH10Bの形質転換を行い、形質転換後の大腸菌を100μg/mlの硫酸カナマイシンを含むLB寒天培地にまいて30℃で一晩培養した。相補体クローンP30CG、P38CG、P48CG、LP60CGのそれぞれから得られたカナマイシン耐性コロニ−を20個ずつ選び、このそれぞれからボイリング法によってプラスミドDNAを調製した。NotIを用いた制限酵素解析の結果、各プラスミドに含まれるGライブラリー由来DNA断片の長さはそれぞれ上記のサザンブロッティング解析から推定される長さと一致した。各相補体クローン由来のプラスミドを2つずつ選び、それぞれプラスミドp30N1、p30N2、p38N1、p38N2、p48N1、p48N2、p60N1、p60N2と命名した。
これらのプラスミドに相補活性があることを確認するために、それぞれを対応する突然変異体P30、P38、P48、P60に再導入し、得られたカナマイシン耐性形質転換体の生物発光リズムの周期を調べた。その結果、すべてのプラスミドが対応する変異体の生物発光リズムの周期をほぼ24時間の野生型に戻した。また、プラスミドp48N2はこれら4種の突然変異体のすべてを相補する能力を有することも示された。
プラスミドp48N2に含まれるGライブラリー由来DNA断片の制限酵素地図を図2に示す。
【0036】
実施例4
生物時計制御遺伝子の解析
(1)変異相補活性を有するDNA断片のマッピング
上記の4種のプラスミド(プラスミドp30N2、p38N2、p48N2、p60N2)に含まれるGライブラリー由来DNA断片の Synechococcusのゲノム上での関係を調べるために、これら4種のプラスミドの挿入DNA断片をプロ−ブとして、SynechococcusゲノムDNAのサザンブロッティング解析を行った。その結果、これら4種の挿入DNA断片は互いに共通の領域を持っていることが示された。
そこで、これらの挿入DNA断片の塩基配列を部分的に決定して比較した。すなわち、プラスミドp30N2、p38N2、p48N2、p60N2を制限酵素EcoRIで切断することによりベクタ−から切り出された種々のDNA断片について、EcoRIサイト近傍の塩基配列を決定し、そのそれぞれを比較した。
以上の結果より、上記の4種の突然変異体の概日性リズムの変異を相補する能力は、プラスミドp48N2に含まれるGライブラリー由来DNA断片のうち、図2に示された2つのEcoRIサイトにはさまれた約5kbのDNA断片上にコードされていることが示された。
【0037】
(2)塩基配列の決定と蛋白質コード領域の推定
上記のプラスミドp48N2由来の約5kbのEcoRI断片の塩基配列を以下のようにして決定した。
Nested Deletion Kit(ファルマシア社製)を用いて、上記の約5kbDNA断片をおよそ250bpづつ欠失させたDNA断片を含む一連のプラスミドを作製し、蛍光式自動塩基配列決定装置(373A DNA Sequencing System、ABI社製)を使用して該DNA断片の全塩基配列を決定した。得られた塩基配列を配列表の配列番号7に示す。該配列をもとにGene Works遺伝子情報解析ソフトウエア(IntelliGenetics社製)を用いて制限酵素認識部位やオープンリーディングフレーム(ORF)を解析した。この結果、Synechococcusで使用頻度の高いコドンからなる3つのORFがタンデムに並んでいることが見い出された。これらのORFを上流に存在するものから順にORF−D、ORF−E、ORF−Fと命名した。配列表の配列番号2、4、6にそれぞれORF−D、ORF−E、ORF−Fの塩基配列を示す。また、配列表の配列番号1、3、5にそれぞれORF−D、ORF−E、ORF−Fにコードされているタンパク質の推定アミノ酸配列を示す。
【0038】
(3)生物時計制御機能の確認
上記の概日性リズムの変異を有する4種の突然変異体は、ORF−D、ORF−E、ORF−Fのいずれかに変異を有していることが予想される。そこで、各突然変異体ゲノムDNA上のORF−D開始コドンのおよそ400bp上流から、ORF−Fの下流約50bpの領域の塩基配列をPCRによるダイレクトシークエンス法によって決定し、配列表の配列番号7に示される野性型の塩基配列と比較した。突然変異体 P38、P48、LP60では、ORF−F上にそれぞれ1箇所の塩基置換(および1アミノ酸置換)が起きていること、突然変異体P30では、ORF−D上に1箇所の塩基置換(および1アミノ酸置換)が起きていることが確認された。また、これまでに多様な変異(短周期型、長周期型、無周期型)を示す約30種類の突然変異体について、このORF−D、E、Fを含むゲノム領域の塩基配列を決定し、ほとんどの変異がこれら三つのORFのどれかに存在することが明らかになった。ORF−E上にアミノ酸置換を有する変異体もすでに2種類が確認されている。こうしてORF−D、E、Fそれぞれに生じたアミノ酸置換突然変異が生物時計に異常を引き起こすことが確認された。
【0039】
【発明の効果】
本発明により、生物の概日性リズムの発現に関与するタンパク質およびそれをコードする遺伝子が明らかにされた。本タンパク質およびその遺伝子は、生物時計による概日性リズム発現の機構を解明するうえで重要である。さらに、本発明の遺伝子を利用することにより、生物の概日性リズムを人為的に調節することも可能となる。
【0040】
【配列表】
【0041】
配列番号:1
配列の長さ:284
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
Figure 0003691164
Figure 0003691164
【0042】
配列番号:2
配列の長さ:855
配列の型:核酸
鎖の数:2
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列:
GTGCTCTCGC AAATTGCAAT CTGCATTTGG GTGGAATCGA CGGCAATTTT GCAGGATTGC 60
CAGCGGGCGC TGTCGGCCGA TCGCTATCAA CTCCAAGTCT GTGAGTCTGG CGAAATGCTC 120
TTGGAGTATG CCCAAACCCA TCGTGACCAA ATCGACTGCC TGATTTTAGT GGCAGCCAAT 180
CCCAGCTTCA GGGCAGTTGT TCAGCAGCTC TGCTTTGAGG GAGTGGTGGT ACCAGCGATT 240
GTCGTAGGCG ATCGCGACAG TGAGGATCCC GATGAACCAG CCAAAGAACA GCTCTATCAC 300
AGCGCTGAAC TGCACCTCGG TATCCATCAG CTCGAGCAAT TGCCCTACCA AGTTGATGCT 360
GCACTGGCTG AATTTCTGCG CTTAGCCCCG GTCGAGACCA TGGCCGACCA CATCATGCTG 420
ATGGGGGCCA ACCACGATCC CGAGCTATCG AGCCAGCAGC GGGACCTCGC TCAGCGACTA 480
CAAGAGCGCC TAGGCTATCT CGGGGTCTAC TACAAGCGTG ATCCCGATCG CTTTCTGCGC 540
AACCTACCCG CCTACGAAAG CCAAAAGCTG CACCAAGCGA TGCAGACTAG CTATCGTGAA 600
ATCGTTTTGA GCTATTTTTC GCCGAATAGC AACCTCAACC AGAGCATTGA CAACTTCGTC 660
AACATGGCTT TCTTTGCCGA TGTTCCAGTC ACCAAAGTGG TAGAAATTCA CATGGAGCTG 720
ATGGACGAGT TTGCCAAGAA GCTCCGCGTA GAGGGACGTT CAGAGGACAT TTTGCTGGAT 780
TATCGGCTGA CTTTAATTGA TGTAATTGCA CATCTTTGTG AGATGTATCG ACGGTCTATC 840
CCACGAGAAA CCTGA 855
【0043】
配列番号:3
配列の長さ:102
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
Figure 0003691164
【0044】
配列番号:4
配列の長さ:309
配列の型:核酸
鎖の数:2
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列:
ATGAGCCCTC GTAAAACCTA CATTCTCAAG CTCTACGTCG CCGGCAATAC TCCAAACTCA 60
GTCCGTGCCC TCAAAACGCT CAAGAACATT CTCGAAGTTG AATTTCAAGG TGTTTATGCT 120
CTAAAGGTGA TCGATGTTCT CAAAAATCCT CAGTTGGCAG AAGAGGATAA AATCCTAGCG 180
ACGCCAACCC TCGCCAAGGT TCTACCACTG CCTGTCCGAC GGATTATTGG TGATTTATCC 240
GACCGTGAGA AAGTTTTGAT TGGCCTTGAT TTACTCTACG GCGAACTTCA AGATTCCGAC 300
GACTTCTAA 309
【0045】
配列番号:5
配列の長さ:519
配列の型:アミノ酸
鎖の数:1
トポロジー:直鎖状
配列の種類:ペプチド
Figure 0003691164
Figure 0003691164
Figure 0003691164
【0046】
配列番号:6
配列の長さ:1560
配列の型:核酸
鎖の数:2
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列:
ATGACTTCCG CTGAGATGAC TAGCCCTAAT AATAATTCTG AGCACCAAGC CATCGCTAAG 60
ATGCGCACGA TGATTGAAGG CTTTGATGAT ATTAGTCATG GCGGTCTTCC AATCGGGCGA 120
TCGACCCTCG TTAGTGGTAC TTCAGGAACC GGCAAGACCC TTTTTTCTAT TCAATTTCTC 180
TATAACGGTA TTATCGAGTT TGATGAGCCT GGGGTTTTCG TTACTTTCGA AGAAACCCCG 240
CAAGATATCA TTAAAAACGC CCGTAGTTTT GGCTGGGATT TAGCCAAGCT GGTCGATGAG 300
GGCAAACTAT TTATTCTTGA TGCTTCACCC GATCCAGAAG GTCAAGAGGT TGTTGGCGGC 360
TTCGATCTCT CTGCTCTGAT TGAGCGGATT AATTATGCAA TTCAAAAGTA TCGAGCGCGG 420
CGGGTTTCAA TTGACTCGGT CACGTCCGTT TTCCAGCAAT ATGATGCCTC TTCTGTGGTT 480
CGCCGCGAAC TCTTTCGGTT GGTAGCTCGC CTAAAACAAA TTGGGGCAAC TACGGTCATG 540
ACCACCGAGC GTATCGAGGA ATATGGCCCG ATCGCTCGTT ACGGTGTTGA GGAATTTGTC 600
TCCGATAACG TCGTGATTCT CCGCAACGTT TTGGAAGGGG AGCGCCGTCG CCGCACCCTC 660
GAAATCCTCA AGCTACGTGG CACCAGCCAC ATGAAAGGGG AATATCCGTT CACGATTACG 720
GATCATGGCA TCAATATCTT CCCGCTCGGG GCAATGCGCC TTACGCAGCG ATCGTCGAAC 780
GTGCGTGTTT CATCTGGTGT CGTCCGACTC GATGAAATGT GTGGTGGGGG CTTCTTTAAG 840
GACTCAATCA TTCTGGCAAC TGGCGCTACA GGCACTGGTA AAACTCTGTT AGTTAGCCGT 900
TTCGTTGAGA ATGCTTGTGC TAACAAAGAG CGGGCGATTC TGTTCGCTTA TGAAGAGTCA 960
CGAGCTCAGC TGCTCCGCAA TGCCTATTCA TGGGGAATGG ACTTTGAGGA GATGGAGCGC 1020
CAAAACCTCC TCAAAATTGT TTGCGCCTAT CCTGAATCTG CAGGTCTTGA AGACCATTTG 1080
CAGATTATTA AGTCGGAGAT CAATGACTTT AAGCCAGCTC GTATTGCAAT CGACTCCCTC 1140
TCTGCTTTGG CGCGGGGCGT TAGCAACAAT GCCTTCCGCC AATTTGTAAT TGGTGTCACT 1200
GGCTACGCGA AACAAGAAGA AATCACGGGA CTATTCACAA ATACCAGTGA TCAATTTATG 1260
GGAGCGCATT CGATTACTGA CTCCCATATC TCAACAATTA CGGATACGAT TATCTTGCTC 1320
CAATACGTCG AGATTCGTGG CGAAATGTCC CGCGCCATTA ACGTCTTCAA GATGCGCGGA 1380
TCTTGGCATG ACAAAGCAAT CCGCGAATTC ATGATCAGCG ACAAAGGGCC GGACATCAAG 1440
GATTCTTTCC GGAACTTTGA GCGGATTATT TCAGGTTCGC CAACACGGAT TACCGTCGAT 1500
GAGAAAAGCG AACTCTCGCG AATTGTGCGC GGCGTTCAAG AAAAAGGGCC GGAGAGCTAG 1560
【0047】
配列番号:7
配列の長さ:4943
配列の型:核酸
鎖の数:2
トポロジー:直鎖状
配列の種類:Genomic DNA
配列:
GAATTCGAAT TGACTGAATT TCTACGGTGC GCCAAGGGAG CTCCGTGGGG GCTTCCCCGC 60
GCCGAGCAAG CTGATAGAGT CGCTGCCCTT GCACTTGTAC GGCACTAACC TGGGGCGGTT 120
GCTGCTGAAT GTGGCCGAGG AATTGGGGTA GCGCCGCCTC GATTGCCTCT CGCGACAAGT 180
GGCTGGTATC GGCTTCTGCC AGGCGATCGC CCGTCAGATC GTCCGTACTG GTCTGCAACC 240
CGAAGCGAAT GGTGCCGACG TAGGTTTTGC CACTGGGAAG ATAGGGTAGG AGCCGCGTGG 300
CTCGTCCCAC CGCGATCGGC AGAACACCTG TGACTGCCGG ATCAAGCGTG CCACCATGGC 360
CGATACGCCG CTCCCGTAAC AGACGCCGTA ACTTGGCGAC ACAGTCATGG GAAGTCCAGC 420
CCGCTGGCTT ATCGAGGTTG ACAAACCCTT CCGATGACAT AGCAAGACCT CTGTCTTAAG 480
ACGGTAGACT GCATCACAGC CACAAGCGAT CGTCGATAGT AGAATTGGCT CTTCTGAGTT 540
ACGGTTGCGC AGATGGCCAA TATCCTCGTT GTTGATGACA GCAGTCTCTA CCTAGAACTT 600
GCCCGTCAAG CCTTAGTTGA TCATGGCCAC CAGGTTGAAC TTGCCAACAA CGGTCAAGAA 660
GCCTTGCAAT CCGTCGCCAA CAAGAAGCCT GACTTGATTC TGCTCGATAT CGTTATGCCA 720
GAAATGAATG GCTACGACGT ACTGCGATCG CTCAAGAAAT CAGCTGAAAA CGCTACGATT 780
CCTGTCATTC TTTGCTCGAC CAAAGGCGAG GATTTTGACA AGTATTGGGG GCTCAAACAG 840
GGAGCCAATG CCTACTTGAC TAAGCCCTAT GAACCAACCG AACTATTGCT ATTGGTGCAG 900
GAACAACTGA CTGCAGCCCG CAATTCTTGA AATTTGGCGG GGCGATCGTG ACCTCTGACC 960
TGACAAAATC AATTGATCAG ACGCGATCGC AGACAAAGTG AAGGGGATCA GGACAATAAT 1020
GTCCGATCCC CTTTGTTCTA GTTCGCTGGA ATTAAGCAGC TTCGCCAGCA GGGTAAACGC 1080
TGACTTTCTT GCCGCCTTTG CCTTTGCGCT CAAAGGTGAC GACGCCGTCG ATCAGTGCAA 1140
ACAGGGTGTC GTCACCGCCG CGACCAACAT TGACACCCGG ATGGAACTTA GTACCCCGTT 1200
GACGAACGAT GATGCTGCCC GAGCGCACCA CTTCGCCACC GAATTTTTTG ACGCCGAGGC 1260
GCTGAGCGTT AGAGTCACGC CCGTTACGAG TACTACCCGT ACCTTTCTTA TGAGCCATGG 1320
TCTTGGAATC CTCTGGTTAG AACGACGAAA AACTAGCCAG CAGCGTCAAT GTCCGCTTCT 1380
GATTTCGGTA AGTCAGCCGC GTTAGCCGTC AAGACTTTAC CGCCTACAGT AATCGACTCC 1440
ACCAAAACCC GGGTCAAATC TTGGCGATGG CCTTGTTTCT TACGGGTTTT TTTCTTGGGC 1500
TTCATCTTGT AGACAGTGAC TTTGCGACCC CGAGGGTGAC TCAGAACCGT CACTTGCACT 1560
GTGGCACCGG CCACGTAGGG CTGTCCAATC TGCGGTGCGC CTTCGTCTTG AACGAGCAGG 1620
ACTTTGTCGA GGGTGAGCGA CTGATCCAAG TCTGCGTCGA GGCGATCGAG ATCGTAGAAC 1680
CGACCGGGTT CAACCCAGAG TTGCTTACCG CTTGCTTCGA TGATTGCGTA AGCCATGCAT 1740
TTTCAGCCGT AGAGGTGGCT ACACCTGCCG AGGGCAGAGA GAGCACTTGA AGAAACCTGT 1800
TCCGAGCCGC CTTTTAAACA ACAGCCCTCT ATCATCTCAG AAACTTTTGA GAACTGTCAA 1860
ACTGTGGACA AAGCGATCGC GGCCTCATGA GCTGCAGTGC TAGGCTAAAT TAAATTTTTC 1920
CTTTGTCCAG AGATTAATCT GTCTGCAGAC TCAGTCCTGA CAGGAGCGAC TGCGTGCTCT 1980
CGCAAATTGC AATCTGCATT TGGGTGGAAT CGACGGCAAT TTTGCAGGAT TGCCAGCGGG 2040
CGCTGTCGGC CGATCGCTAT CAACTCCAAG TCTGTGAGTC TGGCGAAATG CTCTTGGAGT 2100
ATGCCCAAAC CCATCGTGAC CAAATCGACT GCCTGATTTT AGTGGCAGCC AATCCCAGCT 2160
TCAGGGCAGT TGTTCAGCAG CTCTGCTTTG AGGGAGTGGT GGTACCAGCG ATTGTCGTAG 2220
GCGATCGCGA CAGTGAGGAT CCCGATGAAC CAGCCAAAGA ACAGCTCTAT CACAGCGCTG 2280
AACTGCACCT CGGTATCCAT CAGCTCGAGC AATTGCCCTA CCAAGTTGAT GCTGCACTGG 2340
CTGAATTTCT GCGCTTAGCC CCGGTCGAGA CCATGGCCGA CCACATCATG CTGATGGGGG 2400
CCAACCACGA TCCCGAGCTA TCGAGCCAGC AGCGGGACCT CGCTCAGCGA CTACAAGAGC 2460
GCCTAGGCTA TCTCGGGGTC TACTACAAGC GTGATCCCGA TCGCTTTCTG CGCAACCTAC 2520
CCGCCTACGA AAGCCAAAAG CTGCACCAAG CGATGCAGAC TAGCTATCGT GAAATCGTTT 2580
TGAGCTATTT TTCGCCGAAT AGCAACCTCA ACCAGAGCAT TGACAACTTC GTCAACATGG 2640
CTTTCTTTGC CGATGTTCCA GTCACCAAAG TGGTAGAAAT TCACATGGAG CTGATGGACG 2700
AGTTTGCCAA GAAGCTCCGC GTAGAGGGAC GTTCAGAGGA CATTTTGCTG GATTATCGGC 2760
TGACTTTAAT TGATGTAATT GCACATCTTT GTGAGATGTA TCGACGGTCT ATCCCACGAG 2820
AAACCTGAAA AGGTAAAGGA GGTCTTAAGC TCGGCTCAAT TTCTCTCTTT ATCCTGTTAG 2880
ATGGTTTGAT TGCTGTTGCT ACCCCGTTGA TCTGCGTATG AGCCCTCGTA AAACCTACAT 2940
TCTCAAGCTC TACGTCGCCG GCAATACTCC AAACTCAGTC CGTGCCCTCA AAACGCTCAA 3000
GAACATTCTC GAAGTTGAAT TTCAAGGTGT TTATGCTCTA AAGGTGATCG ATGTTCTCAA 3060
AAATCCTCAG TTGGCAGAAG AGGATAAAAT CCTAGCGACG CCAACCCTCG CCAAGGTTCT 3120
ACCACTGCCT GTCCGACGGA TTATTGGTGA TTTATCCGAC CGTGAGAAAG TTTTGATTGG 3180
CCTTGATTTA CTCTACGGCG AACTTCAAGA TTCCGACGAC TTCTAACTGT CGTTAACTGC 3240
TTTGTTGGTA CTACCTGACT TCACCCTCTT TTAAGATGAC TTCCGCTGAG ATGACTAGCC 3300
CTAATAATAA TTCTGAGCAC CAAGCCATCG CTAAGATGCG CACGATGATT GAAGGCTTTG 3360
ATGATATTAG TCATGGCGGT CTTCCAATCG GGCGATCGAC CCTCGTTAGT GGTACTTCAG 3420
GAACCGGCAA GACCCTTTTT TCTATTCAAT TTCTCTATAA CGGTATTATC GAGTTTGATG 3480
AGCCTGGGGT TTTCGTTACT TTCGAAGAAA CCCCGCAAGA TATCATTAAA AACGCCCGTA 3540
GTTTTGGCTG GGATTTAGCC AAGCTGGTCG ATGAGGGCAA ACTATTTATT CTTGATGCTT 3600
CACCCGATCC AGAAGGTCAA GAGGTTGTTG GCGGCTTCGA TCTCTCTGCT CTGATTGAGC 3660
GGATTAATTA TGCAATTCAA AAGTATCGAG CGCGGCGGGT TTCAATTGAC TCGGTCACGT 3720
CCGTTTTCCA GCAATATGAT GCCTCTTCTG TGGTTCGCCG CGAACTCTTT CGGTTGGTAG 3780
CTCGCCTAAA ACAAATTGGG GCAACTACGG TCATGACCAC CGAGCGTATC GAGGAATATG 3840
GCCCGATCGC TCGTTACGGT GTTGAGGAAT TTGTCTCCGA TAACGTCGTG ATTCTCCGCA 3900
ACGTTTTGGA AGGGGAGCGC CGTCGCCGCA CCCTCGAAAT CCTCAAGCTA CGTGGCACCA 3960
GCCACATGAA AGGGGAATAT CCGTTCACGA TTACGGATCA TGGCATCAAT ATCTTCCCGC 4020
TCGGGGCAAT GCGCCTTACG CAGCGATCGT CGAACGTGCG TGTTTCATCT GGTGTCGTCC 4080
GACTCGATGA AATGTGTGGT GGGGGCTTCT TTAAGGACTC AATCATTCTG GCAACTGGCG 4140
CTACAGGCAC TGGTAAAACT CTGTTAGTTA GCCGTTTCGT TGAGAATGCT TGTGCTAACA 4200
AAGAGCGGGC GATTCTGTTC GCTTATGAAG AGTCACGAGC TCAGCTGCTC CGCAATGCCT 4260
ATTCATGGGG AATGGACTTT GAGGAGATGG AGCGCCAAAA CCTCCTCAAA ATTGTTTGCG 4320
CCTATCCTGA ATCTGCAGGT CTTGAAGACC ATTTGCAGAT TATTAAGTCG GAGATCAATG 4380
ACTTTAAGCC AGCTCGTATT GCAATCGACT CCCTCTCTGC TTTGGCGCGG GGCGTTAGCA 4440
ACAATGCCTT CCGCCAATTT GTAATTGGTG TCACTGGCTA CGCGAAACAA GAAGAAATCA 4500
CGGGACTATT CACAAATACC AGTGATCAAT TTATGGGAGC GCATTCGATT ACTGACTCCC 4560
ATATCTCAAC AATTACGGAT ACGATTATCT TGCTCCAATA CGTCGAGATT CGTGGCGAAA 4620
TGTCCCGCGC CATTAACGTC TTCAAGATGC GCGGATCTTG GCATGACAAA GCAATCCGCG 4680
AATTCATGAT CAGCGACAAA GGGCCGGACA TCAAGGATTC TTTCCGGAAC TTTGAGCGGA 4740
TTATTTCAGG TTCGCCAACA CGGATTACCG TCGATGAGAA AAGCGAACTC TCGCGAATTG 4800
TGCGCGGCGT TCAAGAAAAA GGGCCGGAGA GCTAGCCAGC GATCGCGCTT AGGTATTCTT 4860
GTCTCAGCTC AGTCGTCAAC CCGAGCACCG AGAAAGCTAA GGCCTCGCGA TAAAGCCGTT 4920
GTGCTGGATT CTGTAGCGAA TTC 4943
【図面の簡単な説明】
【図1】 プラスミドpNS2KTOAの制限酵素地図である。
【図2】 プラスミドp48N2に含まれる挿入DNA断片の制限酵素地図である。

Claims (9)

  1. 配列表の配列番号1に示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列中に1または数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加および/または置換がなされたアミノ酸配列から成ることを特徴とする生物時計の制御に関与するタンパク質。
  2. 請求項1記載の生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子。
  3. 配列表の配列番号2に示される塩基配列から成ることを特徴とする請求項2記載の生物時計制御遺伝子。
  4. 配列表の配列番号3に示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列中に1または数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加および/または置換がなされたアミノ酸配列から成ることを特徴とする生物時計の制御に関与するタンパク質。
  5. 請求項4記載の生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子。
  6. 配列表の配列番号4に示される塩基配列から成ることを特徴とする請求項5記載の生物時計制御遺伝子。
  7. 配列表の配列番号5に示されるアミノ酸配列、または該アミノ酸配列中に1または数個のアミノ酸の欠失、挿入、付加および/または置換がなされたアミノ酸配列から成ることを特徴とする生物時計の制御に関与するタンパク質。
  8. 請求項7記載の生物時計の制御に関与するタンパク質をコードする生物時計制御遺伝子。
  9. 配列表の配列番号6に示される塩基配列から成ることを特徴とする請求項8記載の生物時計制御遺伝子。
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