JP3690567B2 - 旋回式気液分離器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和器、衣類乾燥機、内燃機関等において発生する気体中に液体を含有した気液二相流から、気体と液体とを分離する気液分離器に関し、特に、衣類乾燥機において容器内の流体通路を旋回させる環状旋回流によって空気と水の分離を行う旋回式気液分離器に関する。
【0002】
【従来の技術】
旋回式気液分離器は、気液二相流から気体と液体とを分離する簡便な装置として様々な分野で利用されている。例えば、特開平5−38408号公報には、地熱発電用蒸気内の水分を除去するための旋回式気液分離器が、また、特開平5−86831号公報には、内燃機関で発生するブローバイガス中のミスト状の潤滑油を分離するための旋回式気液分離器が開示されている。
【0003】
特開平5−38408号公報の旋回式気液分離器を図1に示す。図1において、(a)は旋回式気液分離器9の縦断面図であり、(b)は(a)のA−Aにおける水平断面図である。この旋回式気液分離器9は、断面円筒形の流体通路1を有するケーシング10と、気液二相流の流入口2と、気体排出口3と、液排出口5より成る。
【0004】
ケーシング10は流体通路1の軸が垂直方向になるように縦配置され、流入口2はケーシング10の上下方向の略中央に、流体通路1の円形断面の接線方向に気液二相流を流入させるように設けられている。気体排出口3は流体通路1と同軸に設けられており、その開口部3aがケーシング10内の上部に位置するように、下端からケーシング10内に挿入されている。液排出口5はケーシング10の下部に設けられている。
【0005】
流入口2からケーシング10に流入した気液二相流は、流体通路1を旋回してケーシング10の内壁に衝突する。気液二相流に含まれている液滴は衝突によって壁面に付着し、壁面を流下して液排出口5から排出される。液滴を除去された気体は、気体排出口3の開口部3aから排出される。
【0006】
特開平5−86831号公報の旋回式気液分離器を図2に示す。図2において、(a)は旋回式気液分離器9の正面図、(b)は(a)のB方向からの側面図、(c)は(a)のA−Aにおける水平断面図である。この旋回式気液分離器9は、断面円筒状の流体通路1を有するケーシング10と、気液二相流の流入口2と、気体排出口3と、流体通路1の下方に設けられた液回収部7より成る。
【0007】
ケーシング10は流体通路1の軸が水平方向になるように横配置され、流入口2はケーシング10の端部に、流体通路1の円形断面の接線方向に気液二相流を流入させるように設けられている。気体排出口3は流体通路1と同軸に設けられており、その開口部3aが流入口2から遠い端部1c側に位置するように、流入口2と同じ側の端部1aからケーシング10内に挿入されている。流体通路1と液回収部7の間にはスリット11が形成された仕切り壁が設けられており、液回収部7には溜まった液を排出するための排出口8が設けられている。
【0008】
流入口2から流体通路1に入った気液二相流は、ケーシング10の内壁に沿って環状(矢印J方向)に旋回する環状旋回流となって矢印K方向に進行する。気液二相流に含まれる液滴はケーシング10の内壁に衝突して付着し、壁面に沿って流下して、スリット11を通って液回収部7に滴下する。液回収部7に溜まった液は、液排出口8から排出される。また、液滴を除去されながら進行した気液二相流は気体排出口3の開口部3aに到達し、液滴を分離された気体として気体排出口3から排出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図1の縦型旋回式気液分離器は、小型化したとき、流体通路が狭くなってしまうため、気液二相流の流量を同じにしようとすると流速が増大する。流速が増大すると、ケーシング10の内壁に付着した液滴が気液二相流の流れに沿って気体排出口3の開口部3aの方向に進行して、下方に流下しなくなってしまい、その結果、気液分離性能が低下する。換言すれば、処理能力を高く保ちながらこの縦型旋回式気液分離器を小型化することは困難である。
【0010】
また、図2の横型旋回式気液分離器は、気液二相流がスリット11から液回収部7に流入して、分離された液滴を再度含有してしまう。このため、気体排出口3から排出される気体には多くの液滴が含まれることになって、高い気液分離性能を得ることはできない。しかも、流入口2と気体排出口3がケーシング10の同じ側の端部に設けられているため、気体の排出に際して流体通路1内で気体を反転する必要があり、圧力損失が大きくなる。
【0011】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、気液分離性能が高く圧力損失の少ない小型の旋回式気液分離器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、流体通路と略同軸に流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、流体通路の中央部から他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、流体通路の軸に沿う方向の液回収口の長さを4mm以上かつ20mm以下とする。
【0013】
この構成によると、流体通路の略円形の外縁を規定する壁面に沿うように一端部から流体通路内に流入した気液二相流は、壁面に衝突しながら旋回して進行し、含有した液滴を壁面に付着させて、流体通路の他端部の気体排出口から液滴を除去された気体となって排出される。壁面に付着した液滴は、流下し、気液二相流の旋回進行にともなって流体通路の下流側方向へと進行し、流体通路の下部に設けられた液回収口より外部へ排出される。このとき、液排出口の流体通路の軸方向長さを4mm以上、20mm以下に設定することにより、流体通路内を旋回する気体の流れに乱れが生じ難くなる。その結果、分離した液は旋回する気体の影響を受け難くなって、気体と再び混合することなく液回収口に流れる。
【0014】
前記目的を達成するために、本発明ではまた、水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、流体通路と略同軸に流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、流体通路の中央部から他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、液回収口を、流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設ける。
【0015】
個々の液回収口の流体通路の軸方向長さは4mm以下であってもかまわない。このような比較的小さな液回収口を複数設けることにより、流体通路内を旋回する気体の流れに乱れが生じ難くなり、分離した液は旋回する気体の影響を受け難くなって、気体と再び混合することなく液回収口に流れる。
【0016】
前記目的を達成するために、本発明ではさらにまた、流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定する。
【0017】
この構成では、流体通路の略円形の外縁を規定する壁面に沿うように一端部から流体通路内に流入した気液二相流は、壁面に衝突しながら旋回して進行し、含有した液滴を壁面に付着させて、流体通路の他端部の気体排出口から液滴を除去された気体となって排出される。壁面に付着した液滴は、流下し、気液二相流の旋回進行にともなって流体通路の下流側方向へと進行し、流体通路の下部に設けられた液回収口より滴下して、液回収部に溜まる。液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときでも、液面と液回収口との距離が10mm以上になるように設定されており、液回収部内の液がその所定量に達する前に液回収部から液を適宜排出することで、常に液面を液回収口から10mm以上離間させることができる。液面が液回収口から十分に離間することにより、液回収部内の液は流体通路内を旋回する気体の影響を受け難くなり、気体に再び混合して気体と共に排出されることが防止される。
【0018】
上記構成の旋回式気液分離器に、液回収部の下部に設けられた液排出口と、液回収部に溜まった液に浮くフロートと、フロートに連結され、前記フロートに連動して液排出口を開閉するバルブとを備え、液回収口から液回収部の液面までの距離を常時10mm以上に保つようにしてもよい。液回収部内の液が少ないときは、液排出口はバルブによって閉じられ、液回収口より滴下する液は液回収部に溜まる。液量が多くなるとフロートが上昇してこれに連結されているバルブは排出口を開き、液回収部に溜まっていた液は排出される。したがって、液回収部内の液はその量に応じて自動的に排出されることになり、確実に液面を液回収口から10mm以上離間させることができる。
【0019】
前記各構成の旋回式気液分離器において、流体通路の断面は円形に近い多角形とすることができる。流体通路の断面が多角形であることにより、旋回する気液二相流は流体通路を規定する壁面に衝突し易くなって、液滴の壁面への付着が助長される。また、気液二相流の運動エネルギーが消費されて、その流速が低下し易くなり、壁面に付着した液が再び気体と混合するのが防止される。しかも、流体通路の断面は多角形でありながらも円形に近いから、旋回する気液二相流の流れに大きな乱れが生じることはない。このため、壁面に付着した液への気体の影響が抑えられて、流速の低下による液と気体の再混合の防止効果が低減することはない。
【0020】
ここで、1つの稜が最も低くなるように流体通路を設定し、この最も低い稜がが液回収口に連なるようにするとよい。流体通路の外縁の隣合う面が交わる稜の1つを流体通路の最下部とし、これを液回収口に連なるようにすることで、壁面に付着し流下した液を液回収口に導く明確な案内路が形成され、分離した液滴を流体通路から速やかに除去することができる。
【0021】
流体通路の断面を多角形とするときは、8角形以上の正多角形とするとよい。流体通路の断面が円形に近くなって、旋回する気液二相流の流れに大きな乱れが生じるのを確実に避けることができる。
【0022】
前記各構成の旋回式気液分離器において、流体通路の外縁を規定する壁面の液回収口の近傍の部位に、流体の旋回方向に沿った溝または突条を備えることもできる。流体通路の壁面に付着した液は、気液二相流の流れに従って流入口側から液回収口側へと進行するが、液回収口近傍に設けられた溝または突条によってその進行を妨げられ、溝または突条に沿って壁面を流下して液回収口へと導かれる。したがって、分離した液を流体通路から速やかに除去することができる。
【0023】
流体通路の外縁を規定する壁面に弾性をもたせるようにしてもよい。壁面に衝突した液滴が跳ね返って再び気体に混合するのが抑制されて、気液分離性能が向上する。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の旋回式気液分離器の実施形態について、図面を参照しながら説明する。図3に第1の実施形態の旋回式気液分離器9の斜視図を示し、図4にその正面図、図5に図4のA−Aにおける断面図を示す。この旋回式気液分離器9は円筒状のケーシング10を有し、ケーシング10の内壁面によって円柱状の流体通路1が形成されている。この旋回式気液分離器9は流体通路1の中心軸が水平になるように配置される。
【0025】
流体通路1の一方の端部には、流体通路1の円形断面の接線に沿って流入口2が突設されている。流体通路1の他方の端部には、流体通路1と同軸に気体排出口3が突設されている。この気体排出口3が設けられている端部に近接して、ケーシング10の円筒面1cの下部に液回収口4が形成されており、ケーシング10の下方には、液回収口4に連なり流体通路1からの液滴を排出する液排出口8が突設されている。液回収口4は、流体通路1の軸方向の長さLxを4mm以上かつ20mm以下に設定されている。
【0026】
流入口2から流体通路1の円形断面の接線方向に流入した気液二相流は、流体通路1の外縁を規定するケーシング10の内壁に沿うように環状(矢印J方向)に旋回する環状旋回流となって矢印K方向に進行する。気液二相流に含有された液滴は、ケーシング10の内壁に衝突して付着する。ケーシング10の内壁に付着した液滴は、環状旋回流に沿って、ケーシング10の内壁を流下しながら矢印K方向に進行し、液回収口4を通って液排出口8から外部へ排出される。また、液滴を除去されながら進行した気液二相流は、気体排出口3に到達し、液滴を分離された気体として気体排出口3から外部に排出される。
【0027】
この構成では、気液二相流の流入口2が流体通路1の一方の端面1b側にあり、気体排出口3が端面1bに対向する端面1a側にあるので、気体はその流れの方向を転換されることなく排出される。したがって、圧力損失が生じ難い。また、液回収口4が少なくとも流体通路1の中央部より気体排出口側に設けられており、しかも、液回収口4の軸方向長さLxを4mm以上20mm以下にしているので、ケーシング10内を旋回する気体の流れが乱れず、ケーシング10の内壁に付着した液滴への旋回する気体の流れの影響は小さい。このため、液滴が液回収口4へと導かれた後、液回収口4に効率よく入って、液排出口8から外部へ排出される。液回収口4の位置は、気体排出口側端面1aに近いほどよい。
【0028】
図6に第2の実施形態の旋回式気液分離器9の斜視図を示し、図7にその正面図を示す。この旋回式気液分離器9は円筒状のケーシング10を有し、ケーシング10の内壁面によって円柱状の流体通路1が形成されている。旋回式気液分離器9は流体通路1の中心軸が水平になるように配置される。
【0029】
流体通路1の一方の端部には、流体通路1の円形断面の接線に沿って流入口2が突設されている。流体通路1の他方の端部には、流体通路1と同軸に気体排出口3が突設されている。この気体排出口3が設けられている端部に近接して、ケーシング10の円筒面1cの下部に複数の液回収口4が形成されており、ケーシング10の下方には、液回収口4に連なり流体通路1からの液滴を排出する液排出口8が突設されている。個々の液回収口4の開口面積は小さく、全ての液回収口4が設けられている範囲の流体通路1の軸方向の長さは、4mm以上かつ20mm以下に設定されている。
【0030】
流入口2から流体通路1の円形断面の接線方向に流入した気液二相流は、流体通路の外縁を規定するケーシング10の内壁に沿う環状旋回流となって矢印K方向に進行する。気液二相流に含有された液滴は、ケーシング10の内壁に衝突して付着する。ケーシング10の内壁に付着した液滴は、環状旋回流に沿って、ケーシング10の内壁を流下しながら矢印K方向に進行し、液回収口4を通って液排出口8から外部へ排出される。また、液滴を除去されながら進行した気液二相流は、気体排出口3に到達し、液滴を分離された気体として気体排出口3から外部に排出される。
【0031】
この構成では、気液二相流の流入口2が流体通路1の一方の端面1b側にあり、気体排出口3が端面1bに対向する端面1a側にあるので、気体はその流れの方向を転換されることなく排出される。したがって、圧力損失が生じ難い。また、液回収口4が少なくとも流体通路1の中央部より気体排出口側に設けられており、しかも、個々の液回収口4の開口面積を小さくし、これら複数の液回収口4の配設位置を流体通路の軸方向長さLx4mm以上20mm以下の範囲内に設定しているので、ケーシング10内を旋回する気体の流れが乱れず、ケーシング10の内壁に付着した液滴への旋回する気体の流れの影響は小さい。このため、液滴が液回収口4へと導かれた後、液回収口4に効率よく入って、液排出口8から外部へ排出される。
【0032】
図8に第3の実施形態の旋回式気液分離器9の斜視図を示し、図9にその正面図を示す。旋回式気液分離器9はケーシング10を有し、ケーシング10は、円柱状の流体通路1を形成する円筒形の上部と、その下に設けられ分離した液を回収して溜める液回収部7に2分割されている。旋回式気液分離器9は流体通路1の中心軸が水平になるように配置される。
【0033】
流体通路1の一方の端部には、流体通路1の円形断面の接線に沿って流入口2が突設されている。流体通路1の他方の端部には、流体通路1と同軸に気体排出口3が突設されている。この気体排出口3が設けられている端部に近接して、ケーシング10の円筒面1cの下部に、液回収部7を流体通路1に連通させ流体通路1からの液滴を液回収部7に導く液回収口4が形成されている。液回収口4は、流体通路1の軸方向の長さを4mm以上かつ20mm以下に設定されている。
【0034】
液回収部7の底面には液を排出する液排出口8が突設されており、液排出口8にはバルブ13が設けられている。液回収部7に溜まった液は、バルブ13を開くことにより、任意の時に排出することができる。液回収部7の形状および寸法は、旋回式気液分離器9の用途、特にバルブ13を開く周期を考慮して、溜まった液の量が最大のときでもその液面と液回収口4との距離が10mm以上になるように設定されている。
【0035】
この構成の旋回式気液分離器9では、液排出口8をバルブ13によって閉じておくことができるので、気体は全て気体排出口3から排出されることになる。流体通路1と液回収部7を連通させるのが開口面積の小さい液回収口4のみであるから、流入口2より流入した気液二相流に含まれる気体の大部分は、液回収部7に流入することなく気体排出口3から排出される。しかも、液回収部7に溜まった液の上面と液回収口4の距離が常に10mm以上に保たれるため、流体通路1を旋回する気体の影響が液回収口4を介して液回収部7内の液に及ぶことがない。このため、液回収部7の液が気体に混合して再び流体通路1に進入し、気体排出口3から流出するのを防止することができる。
【0036】
また、環状旋回流の進行方向の前方に気体排出口3が設けられているため、流体流路1内で気体の流れの向きが反転されることがなく、したがって、圧力損失が生じ難い。さらに、液排出口8が閉じられるので、気液二相流を流入口2から流体通路1に送り込む使用形態だけでなく、気体排出口3から吸引して流入口2より気液二相流を流体通路1に吸い込むようにする使用形態も採用することが可能になる。したがって、本実施形態の旋回式気液分離器9の用途は広い。
【0037】
なお、ここでは、第1の実施形態と同様に、液回収口4を1つとしてその流体通路1の軸方向の長さLxを4mm以上20mm以下と設定しているが、第2の実施形態のように、流体通路1の軸方向の4mm以上20mm以下の範囲内に開口面積の小さな液回収口4を複数設けるようにしてもよい。液回収口4の位置は、流体通路1の気体排出口側の端面1aに近いほどよい。
【0038】
上記各実施形態の旋回式気液分離器9が気液分離性能を十分に発揮するためには、気液二相流に含まれる液滴がケーシング10の内壁にできるだけ多く衝突するようにする必要がある。そのためには、流入口2から流体通路1に流入した気液二相流を少なくとも半回転以上旋回させて、ケーシング10の内壁の広い範囲と衝突させるのが望ましい。
【0039】
そこで、通常の使用条件で、気液二相流が流体通路1内で半回転以上旋回することを検証する。図9に示すように、旋回式気液分離器9の流体通路1の直径をd0、流入口2の内径をd1、気体排出口3の内径をd2、旋回式気液分離器9の高さをH、流体通路1の長さをLで表す。
【0040】
流入口2から流体通路1に流入した気液二相流の速度は、旋回している間に次第に低下して、最終的には安定した終末速度utとなる。この終末速度ut(m/s)は、レイノルズ数Re
2<Re<500
の範囲のとき、次の式(1)で求められる。
t={(4/225)・(ρs−ρf2・(r・ω22/(μ・ρf)}1/3・Ds ・・・ (1)
【0041】
ここで、ρsは液滴の密度(kg/m3)、ρfは気体の密度(kg/m3)、μは気体の粘度(Pa・s)、rは液滴の旋回半径(m)、ωは液滴の旋回角速度(rad/s)、Dsは液滴の径(m)である。
【0042】
いま、旋回式気液分離器9の典型例の具体的寸法を次のように設定する。
流体通路1の径 d0=0.055(m)
流入口2の内径 d1=0.03(m)
気体排出口3の内径 d2=0.03(m)
流体通路1の長さ L=0.11(m)
液滴の旋回半径 r=d0/2=0.0275(m)
気液分離器9の高さ H=0.065(m)
【0043】
また、気液二相流が次の特性をもつものとする。この特性をもつ気液二相流の代表例は水滴を含む空気である。
液滴の密度 ρs=1000(kg/m3
気体の密度 ρf=1.293(kg/m3
気体の粘度 μ =0.01822×10-3(Pa・s)
液滴の径 Ds=10-4(m)
【0044】
旋回式気液分離器9に流入する気液二相流の流量Qを
Q=1.6(m3/min)
=0.0267(m3/s)
とすると、流入した気液二相流が気体排出口3まで移動するのに要する時間Tは
T=0.0098(s)
となる。
【0045】
気液二相流が気体排出口3まで移動したときに半回転旋回していたすると、その時の接線速度vt
t=rω=rπ/T=8.82(m/s)
となり、また、終末速度utとレイノルズ数Reはそれぞれ
t=18.19(m/s)
e=129.1
となる。
【0046】
このレイノルズ数Reの値は、式(1)によって終末速度utを求めることが妥当であることを示している。ここで、終末速度utと移動に要する速度Tの積と気液二相流の旋回半径rを比較すると
t・T(0.178m)>r(0.0275m)
となる。この関係は、気液二相流が流体通路1の外周に確実に到達すること、すなわち気液二相流がケーシング10の内壁に確実に衝突することを示している。
【0047】
一方、流体通路1に流入する気液二相流の平均流速vを流入口2の内径と上記流入量から求めると、
v=37.73(m/s)
となり、流入する気液二相流の平均流速vと気体排出口3まで移動した気液二相流の接線速度vtの関係は
v(37.73m/s)>vt(8.82m/s)
となる。流体通路1に流入する気液二相流の平均流速vが接線速度vtよりも大きいことは、気液二相流の速度が流体通路1内で次第に低下していっても、気体排出口3に到達した時点でなお、半回転以上旋回しうる接線速度を気液二相流が維持していることを示している。
【0048】
よって、気液二相流は旋回式気液分離器9内で半回転以上の旋回をし、その間にケーシング10の内壁に衝突することがわかる。上記の設定により、液滴をケーシング10の内壁に確実に衝突させることができ、旋回式気液分離器9の分離性能を十分に発揮させることが可能となる。
【0049】
なお、ここに示した寸法は、本発明の旋回式気液分離器9の典型的な一例にすぎず、また、気液二相流の特性や流入量の値も、代表的な一例にすぎない。本発明の旋回式気液分離器9は他の寸法に設定することができるし、上記以外の特性の気液二相流の分離にも適用可能である。要は、液滴をケーシング10の内壁にできるだけ多く衝突させることが重要であり、そのために流入口2から流体通路1に流入した気液二相流を少なくとも半回転以上旋回させることが望ましく、気液二相流の特性に応じてその流入量を調節すればよい。
【0050】
次に、旋回式気液分離器9の気液分離性能を調べた数種の実験について説明する。実験は、第3の実施形態の旋回式気液分離器9を上記寸法に設定し、液回収口4の一部をテープによって塞いで行った。気液二相流としては水を含んだ空気を使用し、流量は上記の値1.6m3/minとした。実験に用いた旋回式気液分離器9の寸法のうち、図9に示していないものを図10の側面図に示す。
【0051】
液回収口4は幅Wを46mmとし、軸方向の長さLxを気体排出口側の端面1aから20mmとした。液回収口4から液回収部7の底面までの距離は、中央部の距離h2が5mm、両端部の距離h1、h3がともに14.5mmである。
【0052】
第1の実験は、液回収口4の流体通路1の軸方向の長さと、気液分離性能の関係を調べたものである。第1の実験に用いた旋回式気液分離器9の平面図を図11に示す。ここで、Xは液回収口4の長さを表している。なお、液回収口4の幅Wは46mmで一定とし、バルブ13を開いて、分離され液回収部7に滴下した液滴が液排出口8から速やかに排出されるようにした。
【0053】
第1の実験の結果を図12に示す。図12において、横軸は液回収口4の流体通路1の軸方向の長さXであり、縦軸は流入した気液二相流に含まれる液滴の量に対する分離された液適の量の比で表した気液分離性能である。
【0054】
気液分離性能は、液回収口4の長さXが4mmのときの約66%から、Xが7mmのときの約69%を経て、Xが10mmのときの約70%へと向上し、Xが20mmのとき低下して約69%となる。このように、液回収口4の長さXには気液分離性能を最大にする最適値が7〜20mmの間にある。したがって、液回収口4の流体通路1の軸方向の長さXはこの範囲に設定するのが最も好ましい。ただし、Xが4mmであっても最大分離性能の95%程度の性能が得られるから、液回収口4の長さを4mm以上20mm以下の範囲内に設定すれば、旋回式気液分離器9は十分に性能を発揮しうるといえる。
【0055】
第2および第3の実験に用いた旋回式気液分離器9の平面図を図13に示す。用いた旋回式気液分離器は、(a)に示す幅Wの広い1つの液回収口4を有するもの9A、(b)に示す幅W1の狭い1つの液回収口4を有するもの9B、(c)に示す2つの液回収口4を有するもの9C、(d)に示す長さX1、X2の異なる3つの液回収口4を有するもの9D、および(e)に示す長さXの同じ3つの開口を有するものEの5種である。また、旋回式気液分離器9Aと9Cについては、それぞれ、長さXを違えたもの9A−4、9A−7、9A−10と、幅W1、W2を違えたもの9C−13、9C−18を使用した。
【0056】
これらの旋回式気液分離器の液回収口4の長さおよび幅は次のとおりである(単位はmm)。
9A−4: X=4、 W=46
9A−7: X=7、 W=46
9A−10: X=10、W=46
9B: X=10、W1=10
9C−13: X=10、W1=W2=13
9C−18: X=10、W1=W2=18
9D: X1=10、X2=20、W1=W3=3、W2=6
9E: X=10、W1=W3=3、W2=6
【0057】
第2の実験は、主として液回収口4の面積および数と、気液分離性能の関係を調べたものである。実験に際しては、バルブ13を開いて、分離され液回収部7に滴下した液滴が液排出口8から速やかに排出されるようにした。
【0058】
実験結果を図14に示す。図14において、横軸は旋回式気液分離器とその液回収口4の総面積、縦軸は前述の気液分離性能を表す。旋回式気液分離器9Dのように開口面積の小さい液回収口4を複数備えたものは、旋回式液分離器9A−10のように開口面積の大きい液回収口4をただ1つ備えたものよりも、気液分離性能が高くなっている。また、総開口面積が120mm2以上であれば、70%以上の分離性能を確保することができる。
【0059】
第3の実験は、液回収口4から液回収部7に溜まった液の上面までの距離と、気液分離性能の関係を調べたものである。このため、気体排出口3側が流入口2側よりも高くなるように旋回式気液分離器9を5°傾けて配置した実験と、水平に配置した実験とを行った。液排出口8は閉じておいた。5°の傾きにより、液回収部7に溜まる液は流入口2側に偏在する状態となる。
【0060】
実験結果を図15に示す。いずれの旋回式気液分離器においても、傾けて配置したときの方が水平に配置したときよりも、気液分離性能が高くなっている。これは、気体と液滴とを分離する能力をどの旋回式気液分離器も本質的に有していながら、水平に配置したときにその能力が現れなくなったためである。
【0061】
旋回式気液分離器を水平に配置した場合には、分離した液が液回収部7に溜まると、液回収口4の下方の液面が上昇して、液回収口4と液面との距離が短くなる。流体通路1を流れる気体の一部は液回収口4から液回収部7に進入しており、液回収口4と液面との距離が短いと、進入した気体が液を引き上げて液滴を気体排出口3に運ぶため、分離性能が低下すると考えられる。
【0062】
流体通路1の最下部に液回収口4が位置し、液開口部4から液回収部7の底面までの距離が5mmである旋回式気液分離器9A−10と、流体通路1の最下部ではなく高い部位に液回収口4が位置し、液開口部4から液回収部7の底面までの距離が10mmとなっている旋回式気液分離器9C−13を比較すると、傾けて配置したときと水平に配置したときの分離性能の差異は前者の方がはるかに大きい。これは、液回収口4から液回収部7の液面までの距離が長いほど、分離性能が高くなることを示している。同量の液が溜まったときの液回収口4から液面までの距離は液回収部7の形状および寸法に依存するが、液回収口4から液面までの距離を常に10mm以上に保つようにしておけば、高い気液分離性能が得られるといえる。
【0063】
なお、旋回式気液分離器の5°程度の傾きは、流体通路1を流れる気液二相流にほとんど影響を及ぼさない。これは、旋回式気液分離器9A−10を本実験で傾けて配置した結果と、第2の実験で水平に配置した結果に差異がないことからも明かである。また、この実験は液回収口4から液面までの距離と気液分離性能の関係を調べるために行ったものであり、旋回式気液分離器を傾けて配置しなければならないということを意味するものではない。本発明の旋回式気液分離器9は、液面を液回収口4から十分離間させることにより、好ましくは10mm以上離間させることにより、水平に配置しても良好な気液分離性能を発揮することができる。
【0064】
以上の実験結果を踏まえた第4〜第7の実施形態の旋回式気液分離器9の平面図を図16に示す。図16の(a)では流体通路1の幅方向に延びる帯状の液回収口4が同一幅で複数設けられており、(b)では(a)の各液回収口4が分割されて短冊状とされている。また、(c)では流体通路1の軸方向に延びる短冊状の液回収口4が同一長で複数設けられており、(d)では小さな円形の液回収口4が複数設けられている。いずれの旋回式気液分離器9においても、全ての液回収口4が占める範囲の流体通路1の軸方向の長さは、4mm以上かつ20mm以下に設定されている。個々の液回収口4の長さは4mm以下であってもよい。
【0065】
図17に第8の実施形態の旋回式気液分離器9の斜視図を示す。この旋回式気液分離器9は、液排出口8にバルブ15を備えるとともに液回収部7内にフロート14を備えて、両者を連結し、バルブ15による液排出口8の開閉をフロート14の上下動によって行うようにしたものである。液回収部7内の液面が所定の高さに達するとフロート14が液に浮いて、バルブ15によって閉じられていた液排出口8が開き、液は外部に排出される。フロート14は、液回収口4から液面までの距離が10mm以上の所定値にまで減少したときに浮くように設定されている。
【0066】
第9および第10の実施形態の旋回式気液分離器9を、図18および図19に示す。これらの図において、(a)は斜視図、(b)は側面図である。第9および第10の実施形態の旋回式気液分離器9は多角柱状のケーシング10を備えており、流体通路1の断面はそれぞれ正六角形および正十角形である。流体通路1を規定する壁面が平面になっているため、旋回する気液二相流が壁面に衝突し易くなって、液滴の分離が促進される。また、気液二相流の運動エネルギーが低下して、液滴の回収が容易になる。
【0067】
ケーシング10は、隣合う2面の間の稜が最も低くなるように配置されており、その稜が流体通路1の最下部となっている。流体通路1の最下部の稜は液回収口4に連なり、ケーシング10の内壁に付着し流下した液滴を滑らかに液回収口4に案内する。
【0068】
流体通路1の断面が三角形や四角形では圧力損失が増大し、また気液二相流の流れに乱れが生じるが、六角形以上として円形に近づけることで、圧力損失の増大と流れの乱れを抑えつつ、液滴の回収効率が向上するように適度に運動エネルギーを低下させることが可能になる。ただし、流体通路1の断面をあまり円形に近づけすぎるとその効果が得られなくなるから、断面は二十角形程度以下がよく、特に八角形ないし十二角形程度がよい。流体通路1の断面を何角形にするかはケーシング10の加工の難易も考慮して設定するとよい。
【0069】
図20に第11の実施形態の旋回式気液分離器9の斜視図を示す。この旋回式気液分離器9は、円筒状のケーシング10の内壁面の液回収口4近傍の部位に、接線方向の浅い溝16を複数形成したものである。ケーシング10の内壁に付着した液滴は、気液二相流の流れによって流体通路1の軸方向に移動するが、溝16によってその移動を妨げられて溝16に沿って流下し易くなる。すなわち、溝16は壁面に付着した液滴を液回収口4に案内する案内溝として機能し、これにより気液分離性能がさらに向上する。
【0070】
なお、溝16は何本設けてもよく、1本でもかまわない。また、1本の溝を螺旋状に多重に形成してもよい。また、溝16に代えて突条を接線方向に形成して、これによって液滴を液回収口4に案内することもできる。
【0071】
上記各実施形態の旋回式気液分離器9のケーシング10の内壁には弾性をもたせるのが好ましい。壁面が固いと衝突した液滴が飛散して再び気液二相流に含まれ易くなるが、壁面に弾性をもたせることによって、液滴の飛散が防止され、気液分離性能が一層向上する。気液二相流の流速が最も高い流入口2近傍の部位だけに弾性をもたせることも有効である。内壁が弾性を有するケーシング10は、ケーシング10自体を弾性を有する材料で形成する、固い材質のケーシング10の内面に弾性を有する平滑なあるいは微細な凹凸を有するフィルム状の材料を貼着する等の、様々な方法で作製することができる。
【0072】
以上説明したように、本発明の旋回式気液分離器は、気液分離性能が高く圧力損失が少ないので、様々な分野で気体と液体を効率よく分離することができる。しかも、流体通路内に何の部材も存在せず、小型に形成しても流体通路の断面を大きく保つことができるから、特に、空気調和器、衣類乾燥機等の家庭用の電気機器に組み込むのに適している。
【0073】
【発明の効果】
本発明の旋回式気液分離器によるときは、気液二相流を流入させる流入口が流体通路の一端に、分離された気体を排出する気体排出口が流体通路の他端に設けられているため、気液二相流の流れの方向を転換することがなく、圧力損失が生じ難い。また、液回収口が流体通路の中央よりも下流側に存在することにより、分離された液滴が気液二相流の流れに従って自然に液回収口に導かれるから、気液分離性能が高い。しかも、液回収口が、液滴を回収するに足りかつ気液二相流の旋回に乱れを生じない最適の大きさに設定されているから、分離した液滴が再び気体に含まれ難くなって、気液分離性能が一層向上する。また、気体排出口や液回収口が流体通路内に突出しないため、流体通路の断面積が大きく、小型に形成しても気液二相流の流速があまり高くならない。
【0074】
また、本発明の旋回式気液分離器、流入口、気体排出口および液回収口の配設位置の特徴により、圧力損失が少なく、気液分離性能は高い。しかも、液滴を回収するに足るように比較的小さな開口面積の液回収口を複数備え、全ての液回収口が気液二相流の旋回に乱れを生じない最適の範囲に配置されているから、分離した液滴が再び気体に含まれ難くなって、気液分離性能が一層向上する。
【0075】
また、本発明の旋回式気液分離器、分離され液回収部に溜まった液の液面が液回収口から常に大きく離間しているため、液回収口から液回収部に流入する気液二相流が液回収部内の液に影響を及ぼし難く、したがって、分離後の液滴が再び気体に含まれるのが防止されて、高い気液分離性能が得られる。
【0076】
また、本発明の旋回式気液分離器では、液回収部に所定量の液が溜まった時点でその液が自動的に排出されるから、確実に液面を液回収口から大きく離間させることができて、気液分離性能を常に高く保つことができる。また、液回収部からの液の排出に何の人為操作も要らなくなる。
【0077】
また、本発明の旋回式気液分離器では、大きな圧力損失や流れの乱れを伴わない範囲で、液滴の壁面への付着を助長し分離後の液滴の気体への再混合を抑制することができて、気液分離性能がさらに高くなる。
【0078】
また、本発明の旋回式気液分離器では、壁面に付着し流下した液を液回収口に導く明確な案内路が形成されるから、分離した液を流体通路から速やかに除去することができて、気液分離性能がさらに向上する。
【0079】
また、本発明の旋回式気液分離器では、旋回する気液二相流の流れに大きな乱れが生じるのを確実に避けることができるから、分離後の液滴の気体への再混合をより確実に抑制することができて、一層高い気液分離性能が得られる。
【0080】
また、本発明の旋回式気液分離器では、気液二相流の流れに従って移動する分離後の液滴の向きを変えて液回収口に導く案内路を有するため、分離した液が流体通路に滞留し難くなって速やかに除去され、気液分離性能がさらに高くなる。
【0081】
また、本発明の旋回式気液分離器では、壁面に衝突した液滴が飛散し難くなり、分離後の液滴の気体との再混合が抑制されて、気液分離効率が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の縦型の旋回式気液分離器を示す縦断面図および水平断面図。
【図2】 従来の横型の旋回式気液分離器を示す正面図、側面図および水平断面図。
【図3】 第1の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図。
【図4】 第1の実施形態の旋回式気液分離器の正面図。
【図5】 第1の実施形態の旋回式気液分離器の縦断面図。
【図6】 第2の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図。
【図7】 第2の実施形態の旋回式気液分離器の正面図。
【図8】 第3の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図。
【図9】 第3の実施形態の旋回式気液分離器の正面図。
【図10】 第3の実施形態の旋回式気液分離器の側面図。
【図11】 第1の実験に用いた旋回式気液分離器の平面図。
【図12】 第1の実験で得られた気液分離性能を示す図。
【図13】 第2および第3の実験に用いた旋回式気液分離器の平面図。
【図14】 第2の実験で得られた気液分離性能を示す図。
【図15】 第3の実験で得られた気液分離性能を示す図。
【図16】 第4ないし第7の実施形態の旋回式気液分離器の平面図。
【図17】 第8の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図。
【図18】 第9の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図および側面図。
【図19】 第10の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図および側面図。
【図20】 第11の実施形態の旋回式気液分離器の斜視図。
【符号の説明】
1 流体通路
2 流入口
3 気体排出口
4 液回収口
7 液回収部
8 液排出口
9 旋回式気液分離器
10 ケーシング
13 バルブ
14 フロート
15 バルブ
16 溝

Claims (14)

  1. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路は断面が円形に近い多角形であることを特徴とする旋回式気液分離器。
  2. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路は断面が円形に近い多角形であることを特徴とする旋回式気液分離器。
  3. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路は断面が円形に近い多角形であることを特徴とする旋回式気液分離器。
  4. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路は断面が円形に近い多角形であることを特徴とする旋回式気液分離器。
  5. 前記流体通路は1つの稜が最も低くなるように設定されており、前記最も低い稜が前記液回収口に連なることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の旋回式気液分離器。
  6. 前記流体通路の断面は8角形以上の正多角形であることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の旋回式気液分離器。
  7. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面の前記液回収口の近傍の部位に、前記流体の旋回方向に沿った溝または突条を備えることを特徴とする旋回式気液分離器。
  8. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面の前記液回収口の近傍の部位に、前記流体の旋回方向に沿った溝または突条を備えることを特徴とする旋回式気液分離器。
  9. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面の前記液回収口の近傍の部位に、前記流体の旋回方向に沿った溝または突条を備えることを特徴とする旋回式気液分離器。
  10. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面の前記液回収口の近傍の部位に、前記流体の旋回方向に沿った溝または突条を備えることを特徴とする旋回式気液分離器。
  11. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面は弾性を有することを特徴とする旋回式気液分離器。
  12. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面は弾性を有することを特徴とする旋回式気液分離器。
  13. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記流体通路の軸に沿う方向の前記液回収口の長さが4mm以上かつ20mm以下であって、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面は弾性を有することを特徴とする旋回式気液分離器。
  14. 水平方向に配置される断面略円形状の流体通路と、前記流体通路の一端部で、その流体通路の円形断面の接線に沿って突設され、気液二相の流体を前記流体通路内で旋回進行するように流入させる流入口と、前記流体通路と略同軸に前記流体通路の他端部に設けられた気体排出口と、前記流体通路の中央部から前記他端部に至る間の下部に設けられた液回収口とを備えた旋回式気液分離器において、
    前記液回収口は、前記流体通路の軸に沿う方向の長さが4mm以上かつ20mm以下の範囲内に、複数設けられており、
    前記流体通路の下方に設けられ前記液回収口を介して前記流体通路と連通した液回収部を備えるようにするとともに、
    前記液回収部の形状および寸法は、所定量の液が溜まったときに前記液回収口から液面までの距離が10mm以上になるように設定されており、
    前記流体通路の外縁を規定する壁面は弾性を有することを特徴とする旋回式気液分離器。
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