JP3688442B2 - 超音波カテーテル駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、血管及び脈管等の体腔内に挿入して、管腔断面像の表示や血流測定等を行うために用いられる超音波カテーテルのための駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
血管等の体腔内に挿入して、超音波振動子により管腔断面像の表示や血流量等の測定を行う超音波カテーテルが知られている。この超音波カテーテルとしては、例えば体腔内に挿入される中空のカテーテルチューブ(シース)の先端内部に超音波振動子と、振動子又は超音波反射ミラーを回転させる駆動力を伝達する駆動シャフトと、振動子と外部電気回路を接続する信号線とカテーテルの後端部に設けられたコネクタとからなるものが知られている。このような超音波カテーテルは、コネクタを介して駆動装置と連結され、電気的接続や機械的接続がなされる。駆動装置は更に、超音波カテーテルにより得られた画像を表示するモニター画面や、各種操作のための操作部(キーボード)等に接続される。このようなコネクタと駆動装置の接続部は主に剛体で形成されており、また両者を接続する際は、直接一方を他方に挿入する形で接続されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、両者を容易に接続するにはある程度の隙間が必要であるが、その隙間は外部駆動装置で発生した駆動トルクによって、超音波カテーテルのコネクタ及びそれに連結しているカテーテル部分を振動させる原因となり、その結果、超音波カテ−テルの先端部の超音波振動子に回転ムラが発生し、画像に悪影響を引き起こしていた。また、この振動は超音波カテ−テルの操作者(医師等)にとって、不快感や疲労の増大を引き起こすものであった。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、コネクタと外部駆動装置を強固に接続することによって、駆動トルクに起因する振動がカテーテルに伝わりにくい超音波カテーテル駆動装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)から(4)の本発明により達成される。
【0006】
(1)体腔内に挿入され超音波振動子により体腔内の映像を得る超音波カテーテルを該超音波カテーテルのコネクタを介して着脱自在に接続する駆動装置において、前記コネクタを接続する接続部を有し、該接続部に前記コネクタに密着する押圧手段を備え、該押圧手段は、前記接続部の周囲上に少なくとも2個等間隔で配置され、カム状に形成された内面に接触し、押圧されることにより、前記接続部の中心軸方向に移動するように押圧することを特徴とする超音波カテーテル駆動装置。
【0007】
(2)該押圧手段は、少なくとも2個のピンと、該ピンそれぞれに接している弾性部材を有することを特徴とする(1)に記載の超音波カテーテル駆動装置。
【0008】
(3)前記弾性部材は前記ピンを前記接続部の外周面から突出する方向に動かすことを特徴とする(2)に記載の超音波カテーテル駆動装置。
【0009】
(4)前記カム状に形成された内面がダイヤルの内面であり、該内面は、前記ピンを押圧することを特徴とする(2)または(3)に記載の超音波カテーテル駆動装置。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の超音波カテーテル駆動装置を添付図面に示す好適構成例に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の超音波カテーテル駆動装置の実施例を示す全体側面図である。図2は、図1に示した超音波カテーテルの先端部の断面図である。図3は、図1に示す超音波カテーテル駆動装置の縦断面図である。図4は、図1に示す超音波カテーテル駆動装置の先端付近の縦断面拡大図である。
【0012】
本発明の超音波カテーテル駆動装置10は、超音波カテーテル1とコネクタ5を介して着脱自在に連結され、ケーブル60により更に図示しない画像表示モニターや操作板(キーボード)等に接続されている。超音波カテーテル1は、図2に示すように、体腔内に挿入されるシース2と、シース2内に挿入され基端側から先端側まで機械的回転駆動力を伝達する駆動シャフト3と、駆動シャフト3の先端部に固定された超音波振動子4とを備える。シース2及び駆動シャフト3の後端部はコネクタ5に連結されている。
【0013】
図3に示すように、駆動装置10は、駆動シャフト3および超音波振動子4を回転させるためのモーター12と、カテーテルのコネクタ5を着脱可能に接続する接続部20を備え、かつ、接続部20には、駆動装置10に超音波カテーテル1が接続された後、超音波カテーテル1を接続部20に強く固定させる押圧手段30を備えている。
【0014】
押圧手段30は、図4に示すように、ロックピン31、弾性部材32、およびロック手段であるロックダイヤル33、ダイヤルストッパー34からなる。ロックピン31は、略球状の頭部310とそれに続く鍔部311、軸部312を有し、接続部20の先端部付近に120度ずつ環状に等しく穿たれた深ザグリ穴21に軸部312を中心方向に向けて3個配置される。なお、ロックピン31の軸部312には、弾性部材32が挿入され、ロックピン31の鍔部311と深ザグリ穴21の段付き部210の間に挟まれている。この弾性部材32としては、弾性に富むOリング、例えばシリコン素材のOリングが好適に用いられる。通常状態(超音波カテーテル1が接続部より抜き差し可能な状態)では、ロックピン31の頭部310は、若干接続部20の外周面22より突出している。ダイヤルストッパー34は、接続部20の最先端部23に例えば小ネジ340等を用いて据え付けられ、超音波カテーテル1のコネクタ5を受け入れるための穴が開けられている。
【0015】
図4において、6は超音波カテーテル1のコネクタ5に形成されたロックピン31を受け入れるための溝に設けられた弾性部材(インシュレータ)であり、7はコネクタ5の回動を防止するためのキーである。
【0016】
図5は、ロックダイヤル33を先端側より見た図、図6a〜図6cは、図3のA−A断面における、本実施例のロック機構の作動図である。
【0017】
ロックダイヤル33は接続部20の先端部付近に配置され、その内面330にはカムが形成されている。カムは図5に示すように、接続部の外周より若干広いカム面331a、最も大きなカム面331b、カム面331bより小さいカム面331cの3種類のカム面がロックダイヤル33の内面330に3つずつ、存在している。通常状態では、図6−aに示すように、ロックピン31の頭部310が、カム面331bの内側に配置される。
【0018】
次に、本発明の操作方法と作用について説明する。超音波カテーテル1を駆動装置10の接続部20に所定の位置まで挿入した後、ロックダイヤル33を時計回りあるいは反時計回りに回転させる。すると、図6−aに示すように、3つ存在するロックピン31の頭部310はそれぞれカム面331bに接触し、徐々にカム面331aに移行し、同時に押圧される。すると3つのロックピン31全体が、接続部の中心軸方向に移動し、ロックピン31の底面313が、挿入された超音波カテーテル1の弾性部材(インシュレータ)6に当接し、押し込む(図6-b)。さらに、ロックダイヤル33を回すと、ロックピン31の頭部310はカム面331cに移行し、弾性部材(Oリング)32の弾性、及びインシュレータ6の弾性により、ロックピン31は接続部20の外周面22から突出する方向に動く。しかし、カム面331cは小さい凹みのため、戻り量は小さく、ロックピン31の底面313がインシュレータ6を押している力は、まだ十分にあるので、コネクタ5はロックピン31によりロックされる(図6-c)。ロックピン31は接続部の外周上に等間隔に配置されているため(本例の場合、3つのロックピンを用いている)、コネクタは接続部20と同軸のままロックされる。
【0019】
カム面331cにロックピン31が当接したとき、操作者にはクリック感が生じるので、ロック位置を把握しやすい。また、視覚的なロック位置の判断として、図4に示したように、キャップ13の先端部周囲に120度ずつに形成された窓部130と、ロックダイヤルのボス部332上に記された色、文字等の記号(図4の「L」)が、ロック時に、重なり、窓部130からその記号が見えたときに、ロック位置として認識させるような構造でも良い。
【0020】
図7aは、接続部20を先端側から見た図、図7bは、図7aのA−A断面における断面図である。
【0021】
接続部20の最先端面23には3つのキー溝24に続く、6つの斜面25が形成されている。コネクタ5を接続部20に挿入するとき、コネクタ5のキー7が、その斜面25の一つに当接後、さらに押し込んでいくとコネクタ5が回転しながら、滑らかにキー溝24に導かれる。ここで、キー溝24はキー7の幅よりかなり広い幅で形成されているため、少ない回転量でコネクタのキー7をキー溝24に差し込むのが可能となる。押圧手段30を用いれば、コネクタ5はその場で固定されるため、モーター12の駆動力によりコネクタ自体が回転してしまうこともなく、万が一、回転してもキー溝24の壁241に当接するため僅かな回転量で抑えられるため安全である。
【0022】
次に第2の実施例を図8を用いて示す。本実施例は、ロックダイヤルがロックピンを押し下げる機構が実施例1と異なっている。具体的には、ロックダイヤル60は中空で、末端側は例えば、ローレット切りされたダイヤル形状をなしている。基端側は雄ねじ61が形成され、最基端面はテーパ面62が形成されている。接続部20とキャップ13の間には、ロックピン31を覆うようにロックスリーブ70が接続、固定されている。ロックスリーブ70の末端側には、雌ねじ71が形成され、ロックダイヤル60の雄ねじ61とかみ合っている。なお、ここでは、両ネジ部は右ねじとする。
【0023】
ここで、ロックダイヤル60を矢印Aのように右回転させると、雄ねじ61が雌ねじ71に噛み込められていき、ロックダイヤル60は矢印Bの方向に動く。すると、ロックダイヤル60のテーパー面62は、ロックピン31の頭部310に当接し、さらに進むと、ロックピン31全体を矢印C方向に押し下げる。これにより、コネクタ5(図示しない)はロックピン31によりロックされる。
【0024】
以上、本発明の超音波カテーテルを図示の実施例に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ロックピンは1個でも良く、また、形状も例えば、頭部は略球状ではなく、略円弧状でも良く、軸部は角状でも良い。また、弾性部材はバネを用いても良い。さらにまた、ロックピン31の底面313に弾性体を張り付ける、または、ロックピン31の全部または一部を弾性体で形成すれば、コネクタ5にインシュレータ6を設ける必要はない。また、ロックピンの代わりにテーパロックを用いた締め付け機構でも良い。
【0025】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明の超音波カテーテル用外部駆動装置によれば、超音波カテーテルを駆動装置に密着固定することによって、駆動トルクによる超音波カテーテルの振動を抑制することができ、その結果、超音波振動子の回転ムラや操作者の不快感や疲労を減少できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波カテーテル用外部駆動装置の実施例を示す全体側面図である。
【図2】図1に示した超音波カテーテルの先端部の断面図である。
【図3】図1に示す超音波カテーテル駆動装置の縦断面図である。
【図4】図1に示す超音波カテーテル駆動装置の先端付近の縦断面拡大図である。
【図5】ロックダイヤル33を先端側より見た図である。
【図6】図6a〜図6cは、図3のA−A断面における、当実施例のロック機構の作動状態を示す図である。
【図7】図7aは、接続部20を先端側から見た図であり、図7bは、図7aのA−A断面における断面図である。
【図8】本発明の第2の実施例の駆動装置先端部の断面図である。
【符号の説明】
1 超音波カテーテル
4 超音波振動子
5 コネクタ
10 駆動装置
20 接続部
31 ロックピン
33 ロックダイヤル
34 ダイヤルストッパー
Claims (4)
- 体腔内に挿入され超音波振動子により体腔内の映像を得る超音波カテーテルを該超音波カテーテルのコネクタを介して着脱自在に接続する駆動装置において、前記コネクタを接続する接続部を有し、該接続部に前記コネクタに密着する押圧手段を備え、該押圧手段は、前記接続部の周囲上に少なくとも2個等間隔で配置され、カム状に形成された内面に接触し、押圧されることにより、前記接続部の中心軸方向に移動するように押圧することを特徴とする超音波カテーテル駆動装置。
- 該押圧手段は、少なくとも2個のピンと、該ピンそれぞれに接している弾性部材を有することを特徴とする請求項1に記載の超音波カテーテル駆動装置。
- 前記弾性部材は前記ピンを前記接続部の外周面から突出する方向に動かすことを特徴とする請求項2に記載の超音波カテーテル駆動装置。
- 前記カム状に形成された内面がダイヤルの内面であり、該内面は、前記ピンを押圧することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の超音波カテーテル駆動装置。
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JP23190597A JP3688442B2 (ja) | 1997-08-28 | 1997-08-28 | 超音波カテーテル駆動装置 |
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- 1997-08-28 JP JP23190597A patent/JP3688442B2/ja not_active Expired - Fee Related
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