JP3688221B2 - 変圧器の保護のための継電方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は変圧器の保護のための継電方法に関するもので、特に相互鎖交磁束比(Mutual Flux Linkage Ratio)及び誘起電圧比(Induced Voltage Ratio)を用いる変圧器の保護のための継電方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電力用変圧器保護用で使用されている方式としては、高調波抑制要素を有する電流差動方式がある。この方式は、変圧器の両側端子に流れる電流差を求め、その差が一定の値以上となると、事故と判断する方法である。このような原理を基にして事故を判断するため、事故でない状況でも差動電流が発生できる。すなわち、変圧器を投入したとき、1次巻線に大電流が流れて差動電流が大きく発生する(以下では、“励磁突入”という)。ところで、これは事故でないため、継電器は事故と認識してはいけない。このようなことを防止するために、高調波抑制要素を添加した方式が使用されてきた。励磁突入現象が起こる場合、差動電流の高調波成分のなかには2調波成分が多くなる。高調波抑制方式はこのような高調波成分を感知して内部事故と励磁突入現象を区分する。ところが、この方式は、送電線の長さ増加と地中線路の使用などの原因により、変圧器内部事故の場合には大きい高調波成分が含まれることもあり得るため、問題点として指摘されている。
【0003】
このような問題点を補完するため、電流と電圧をともに用いる方式が提案された。
第1方式は、変圧器π形等価回路において、トランスファーインバースインダクタンス(Transfer Inverse Inductance)成分が正常状態、励磁突入、内部事故の場合には一定の値を有することに着目した。すなわち、事故の起こった巻線のシャントインバースインダクタンス(ShuntInverse Inductance)成分が事故巻数比の増加にしたがって増加し、ほかのシャントインバースインダクタンス成分は0より小さいか同じであることを用いたものである。しかし、この方式は、巻線が多いか3相である場合には、式が複雑になる欠点を持っている。
【0004】
第2方式は、電圧、電流から磁束の増分を計算して、増分が小さいと、励磁突入と判定した。しかし、この方式は巻線抵抗がないと仮定して式を誘導し、巻線抵抗が含まれると誤差を発生する問題点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前記のような従来技術による問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、相互鎖交磁束比を用いる変圧器保護用継電アルゴリズムを提供することである。すなわち、1次及び2次間の相互鎖交磁束比が励磁突入の場合には巻線比と同じであるのに対し、内部事故の場合には、巻線比とは違う値を有することになる。したがって、1次、2次電圧と電流から1次及び2次相互鎖交磁束を計算し、その比から励磁突入と内部事故を区分するための変圧器の保護のための継電方法を提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明のほかの目的は、誘起電圧比を用いる変圧器保護用継電アルゴリズムを提供することにある。すなわち、1次及び2次間の誘起電圧比が励磁突入の場合には巻線比と同じであるのに対し、内部事故の場合には巻線比とは違う値を有することになる。したがって、1次、2次電圧と電流から1次及び2次誘起電圧比を計算し、その比から励磁突入と内部事故を区分するための変圧器の保護のための継電方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するための本発明の第1の面による一つ以上の相を有する変圧器の保護のための継電方法は、前記変圧器の1次側と2次側の各相の端子電圧及び電流を測定する第1段階と、前記第1段階で測定された前記各相の端子電圧及び電流を用いて、前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の誘起電圧、誘起電圧差、前記1次側と2次側間の前記誘起電圧の比又は前記誘起電圧差の比を計算する第2段階と、前記第2段階で計算された前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の前記誘起電圧、前記誘起電圧差、前記1次側と2次側間の前記誘起電圧の比又は前記誘起電圧差の比と、予め決められた前記変圧器の1次側と2次側の巻線比の関係を決定するため、予め決められた関係式により一つ以上の判断変数を計算する第3段階と、前記第3段階で計算された前記一つ以上の判断変数がどの領域にあるかを判断して前記変圧器の内部事故有無を判定する第4段階とを含む。
【0008】
また、本発明のほかの面による一つ以上の相を有する変圧器の保護のための継電方法は、前記変圧器の1次側と2次側の各相の端子電圧及び電流を測定する第1段階と、前記第1段階で測定された前記各相の端子電圧及び電流を用いて、前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の相互鎖交磁束変化量、相互鎖交磁束変化量の差、前記第1次側と2次側間の前記相互鎖交磁束変化量の比又は前記相互鎖交磁束変化量の差の比を第2段階と、前記第2段階で計算された前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の相互鎖交磁束変化量、相互鎖交磁束変化量の差、前記第1次側と2次側間の前記相互鎖交磁束変化量の比又は前記相互鎖交磁束変化量の差の比を第2段階と、前記変圧器の1次側と2次側の巻線比との関係を決定するため、予め決められた関係式により一つ以上の判断変数を計算する第3段階と、前記第3段階で計算された前記一つ以上の判断変数がどの領域にあるかを判断して前記変圧器の内部事故有無を判定する第4段階とを含む。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による変圧器保護継電方法についての各実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
(第1実施例)
本発明の第1実施例は誘起電圧比を用いる変圧器保護継電方法に関するもので、図1は一般的な単相2巻線変圧器の構成を示す図である。
【0011】
図1に示す単相巻線変圧器の内部事故が発生しなかった場合、毎瞬間の1次及び2次端子電圧は下記の数式1及び数式2のように表現できる。
【数1】
【数2】
ここで、R1、R2は1次、2次巻線抵抗であり、Ll1、Ll2は1次、2次漏洩インダクタンスであり、e1、e2は1次、2次誘起電圧である。
【0012】
前記数式1と数式2を誘起電圧e1、e2に対し再度展開すると、つぎの数式3と数式4のように表現できる。
【数3】
【数4】
【0013】
したがって、誘起電圧e1、e2は1次、2次端子電圧と電流、巻線抵抗、漏洩インダクタンスから計算できる。前記数式3と数式4の比を誘起電圧比(IVR)と定義する。すなわち、IVRは下記の数式5のように表現できる。
【数5】
【0014】
前記e1、e2は前記数式3と数式4を用いて求められるので、毎瞬間誘起電圧比が前記数式5から計算できるものである。仮に、変圧器の内部事故が発生しなかったら、毎瞬間の誘起電圧比は巻線比(N1/N2)となる。すなわち、前記数式5において、e1、e2は瞬時値であるため、内部事故発生しなかったら、任意のe1、e2に対し(e1=0又はe2=0である場合除き)誘起電圧比は巻線比と同じになる。
【0015】
また、励磁突入現象とは、変圧器の投入時、鉄心の飽和により鉄心の磁化インダクタンスの値が小さくなったり大きくなったりして、電流が大きくなったり小さくなったりするのを周期的に繰り返す現象である。励磁突入現象は変圧器の内部事故が発生したものでないため、誘起電圧比はやはり巻線比と同じになるものである。すなわち、励磁突入時、e1、e2が歪曲されたといっても、誘起電圧比は巻線比と同じものである。
【0016】
一方、変圧器巻線の内部事故の場合、誘起電圧比は巻線比とならない。したがって、本発明の第1実施例においては、このような点を着目し、まず誘起電圧比を求め、その求められた誘起電圧比が巻線比と同じであると内部事故でなく、巻線比と同じでないと内部事故であると判定するものである。
【0017】
しかし、e1、e2は瞬時値であるため、e2が0に近い値を有する瞬間にはその比が大きくなり得るため、本発明の第1実施例では、下記の数式6を用いて、内部事故を事故で
値を有すると(すなわち、所定の臨界値より大きい場合)内部事故であると判定するものである。
【数6】
ここで、V1rmsは変圧器1次側定格電圧である。
【0018】
図2は一般的な3相2巻線Y−Y変圧器の構成を示す図で、図2に示すVA、VB、Vcは各相の1次端子電圧、Va、Vb、Vcは各相の2次端子電圧、iA、iB、iCは各相の1次電流、ia、ib、icは各相の2次電流である。
【0019】
図2において、各相の1次端子電圧は下記の数式7、8、9のように表現できる。
【数7】
【数8】
【数9】
ここで、RA、RB、RCは各相の1次巻線抵抗であり、LlA、LlB、LlCは各相の1次漏洩インダクタンスであり、eA、eB、eCは各相の1次誘起電圧である。
【0020】
また、2次端子電圧は下記の数式10、11、12のように表現できる。
【数10】
【数11】
【数12】
ここで、Ra、Rb、Rcは各相の2次巻線抵抗であり、Lla、Llb、Llcは各相の2次漏洩インダクタンスであり、ea、eb、ecは各相の2次誘起電圧である。
【0021】
単相変圧器の場合と同様に、3相変圧器においても各相の検出器(Detector)(内部事故判定値)を求めると、下記の数式13、14、15のように表現できる。
【数13】
【数14】
【数15】
内部事故が発生しなかったと判定するものである。
【0022】
次いで、Y−Δ結線3相変圧器の場合、内部事故の判定方法について説明する。
図3は一般的な3相2巻線Y−Δ変圧器の構成を示す図であり、図3において、Vab、Vbc、Vcaは各巻線の2次線間電圧であり、iab、ibc、icaは各巻線の2次相電流を示す。
【0023】
図3において、1次端子電圧は前記数式7、8、9と同じであるため、その説明は省略し、2次のΔ結線側の電圧を数式で表すと、下記の数式16、17、18のように表現できる。
【数16】
【数17】
【数18】
ここで、Rab、Rbc、Rcaは2次各巻線の巻線抵抗であり、Llab、Llbc、Llcaは2次各巻線の漏洩インダクタンスであり、eab、ebc、ecaは2次各巻線の誘起電圧である。
【0024】
そして、前記数式16、17、18において、iab、ibc、icaは測定できないため、数式16、17、18からeab、ebc、ecaを計算することができないものである。ところで、iab、ibc、icaのみが測定できる値であるため、ia、ib、icを用いるため、本発明の第1実施例ではica−iab=ia、iab−ibc=ib、ibc−ica=icの関係式を用いるものである。
【0025】
また、事故が発生しないと、Δ結線側3相の巻線抵抗と漏洩インダクタンスが
Llに近似する。したがって、数式16、17、18を整理すると、下記の数式19、20、21のように表現できる。
【数19】
【数20】
【数21】
【0026】
前記数式19ないし数式21の左辺は計算可能である。また、数式19ないし数式21と対応する1次側の式を求めるため、前記数式7ないし数式9の式を再び整理すると、下記の数式22ないし数式24のように整理できる。
【数22】
【数23】
【数24】
【0027】
Y−Δ変圧器の場合に内部事故が発生しなかったら、下記の数式25のような誘起電圧比が成り立つであろう。
【数25】
【0028】
しかし、Y結線側のeA、eB、eCは計算できるがΔ結線側のeab、ebc、ecaは計算できないので、前記数式25を事故判定に直接利用できないものである。
【0029】
したがって、Y−Δ変圧器の場合に使用できる誘起電圧比を下記の数式26に示す。
【数26】
【0030】
すなわち、数式25と数式26は必要十分条件であり、ここで十分条件は、数式25を数式26に代入すると容易に証明されるため、必要条件のみを証明するとよいのである。したがって、必要条件を証明するため、各相に対応する誘起電圧比をα、β、γとしよう。すなわち、eA/eab=α、eB/ebc=β、ec/eca=γとしよう。
【0031】
この式を前記数式26に代入してから再び整理すると、γeca−αeab=N1/N2(eca−eab)、αeab−βebc=N1/N2(eab−ebc)、βebc−γeca=N1/N2(ebc−eca)となる。
【0032】
ところで、前記3式がすべてのeab、ebc、ecaに対して成り立つためには、α=β=γ=N1/N2である。したがって、eA/eab=eB/ebc=eC/eca=N1/N2となる。したがって、前記数式25と数式26は必要十分条件となるものである。
【0033】
結局、Y−Δ変圧器の場合、本発明の第1実施例において、変圧器の事故判定に使用される検出値は下記の数式27ないし数式29のように表現できる。
【数27】
【数28】
【数29】
【0034】
このようなY−Δ変圧器の場合に三つの検出器を用いて事故を判定する規則を下記の表1に理解しやすく示す。
【0035】
【表1】
と、内部事故、つまりA相又はB相又はC相の事故と判定するものである。しかし、2相以上に同時に事故が発生した場合には事故を判定することはできるが、事故相を区分することはできない。
【0036】
前記本発明の第1実施例による変圧器保護継電方法に対する一例を添付図面に基づいて説明する。
【0037】
図4は本発明による変圧器保護継電方法に適用される3相Y−Δ結線変圧器のモデル系統を示すもので、154kV/14.7kV、100[MVA]である。
1次巻線の短絡事故と地絡事故をEMPTでモデリングし、また励磁突入現象をモデリングして1次、2次電流/電圧データを生成した。ここで、サンプリング比は周期当たり16サンプルにしたものである。
【0038】
まず、励磁突入について説明する。
励磁突入は、無負荷時、電源投入位相角が0度である場合、鉄心に残留磁束がない場合と飽和点が80%程度ある場合について説明する。
図5aないし図5dには、図4の変圧器に電流磁束がない場合、各相の差動電流波形(Diff current)を示し、図6には前記数式13と数式27を用いて計算したDETECTOR1のec−eaとN1/N2(eca−eab)を示した。励磁突入が発生して大電流が流れたが、計算した二つの電圧がほぼ同じであることが分かる。
【0039】
図7aないし図7dは本発明の第1実施例による三つのDETECTORの検出信号とトリップ信号(trip signal)波形を示すグラフである。ここで、トリップ信号とは事故を感知して電流遮断動作を開始させるための信号を意味する。本実施例では、カウンタを置き、DETECTORが5%以上であると、カウンタを1だけ増加させ、5%未満であると1だけ減少させ、カウンタが4となると、最終トリップ信号の発生を決定した。変圧器の投入以後、差動電流(励磁電流)は、A相の場合、最大値が900[A]に至ったが、DETECTORは5%以内となりトリップ信号が発生しなかった。
【0040】
図7のDETECTORは誘起電圧を計算する過程で微分項を近似するときに発生する誤差である。本実施例では、周期当たり16サンプルである場合について事例研究を行ったが、サンプリング比を高めると、誤差は著しく減ることが分かる。
【0041】
図8及び図9は飽和点の80%の残留磁束がある場合の差動電流とDETECTORをそれぞれ示した。この場合には、残留磁束がない場合より差動電流が大きく表れて最大値が1600[A]に至ったが、DETECTOR値は5%以内となりトリップが発生しなかった。
【0042】
次いで、内部事故実験について説明する。
内部事故は、図4に示す変圧器において、B相巻線の中性点から40%地点の地絡事故、中性点から20%地点と40%地点の層間短絡事故、中性点から60%地点と80%地点の層間短絡事故を模擬し、事故位相角はそれぞれ0度と90とした。
【0043】
図10はB相の中性点から40%地点で0度地絡事故時のDETECTOR値とトリップ信号を示し、図11はB相の中性点から20%地点と40%地点の90度層間短絡事故時、DETECTOR値とトリップ信号を示した。このような方式は、両場合とも事故後4.167[ms]に事故と判定した。
【0044】
次いで、外部事故の実験について説明する。本実験は変圧器から20[km]離れた送電線で地絡事故と3相短絡事故が起こったとき、0度事故と90度事故に対して模擬したものである。
【0045】
図12には、3相短絡事故時、0度事故の結果を示した。この場合、DETECTORはみんな1サンプル程度大きい値を有するが、内部事故とは判定しなかった。
【0046】
結局、本発明の第1実施例による変圧器保護継電方法は、変圧器の1次、2次誘起電圧比を用いて内部事故と内部事故でない励磁突入、外部事故を区分するアルゴリズムを提示したものである。このようなアルゴリズムは変圧器の1次、2次電圧、電流の関係式から1次、2次の誘起電圧を計算し、これらの比に基づき内部事故と励磁突入を区分するものである。
【0047】
励磁突入は投入位相角と残留磁束を異ならせて模擬し、地絡事故、短絡事故は事故位相角と事故位置をそれぞれ異ならせて模擬して提示した方式を試験した結果、提示した方式は内部事故と励磁突入をよく区分することを確認した。
【0048】
また、外部事故時にも誤動作しないことが分かり、変圧器内部事故時、事故後1/4周期以内にトリップ信号を発生させて非常に早く内部事故を認識することが分かる。
【0049】
前記実施例と図面は、本発明の技術的思想の範囲を限定するものではなく、ただ詳細な説明のためのものであることを明らかにしておく。また、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形、応用があり得るが、以下では3相Δ−Y結線とΔ−Δ結線の場合を説明し、前記実施例と根本的な技術的違いがないので、その詳細な記述は省略する。
【0050】
図20には一般的な3相2巻線Δ−Y変圧器の構成を示した。
【0051】
前記3相2巻線Δ−Y変圧器において、1次側の電圧、電流関係式は下記の数式のようになる。
【数30】
【数31】
【数32】
【0052】
また、2次側の電圧、電流の関係式は下記の数式のようになる。
【数33】
【数34】
【数35】
【0053】
icと仮定すると、前記電圧、電流の関係式から1次側の誘起電圧の差を求めることができ、これらを下記の数式で示した。
【数36】
【数37】
【数38】
【0054】
また、2次側の誘起電圧の差はつぎのようになる。
【数39】
【数40】
【数41】
【0055】
前記関係と前記必要十分条件の関係がつぎの数式42と数式43間に成り立つことを用いて下記の数式44ないし46の値を判断変数とすることにより、変圧器内部の事故の有無を判断することができる。
【数42】
【数43】
【数44】
【数45】
【数46】
【0056】
図19には一般的な3相2巻線Δ−Δ変圧器の構成を示した。
前記3相2巻線Δ−Δ変圧器において、1次側の電圧、電流の関係式は下記の数式のようになる。
【数47】
【数48】
【数49】
【0057】
また、2次側の電圧、電流の関係式は下記の数式のようになる。
【数50】
【数51】
【数52】
【0058】
2、ica−iab=ia、iab−ibc=ib、ibc−ica=icと仮定すると、前記電圧、電流の関係式から1次側の誘起電圧の差を求めることができ、これらを下記の数式に示した。
【数53】
【数54】
【数55】
【0059】
また、2次側の誘起電圧の差は下記のようになる。
【数56】
【数57】
【数58】
【0060】
前記関係と前記必要十分条件の関係が下記の数式59と数式60間に成り立つことを用いて下記の数式61ないし63の値を判断変数とすることにより、変圧器の内部事故の有無を判断することができる。
【数59】
【数60】
【数61】
【数62】
【数63】
【0061】
(第2実施例)
本発明による第2実施例においては、変圧器1次及び2次相互鎖交磁束比を用いる変圧器保護継電方法について説明する。
【0062】
まず、図1に示す単相2巻線変圧器の内部事故が発生しなかった場合、毎瞬間の1次及び2次端子電圧は下記の数式64及び数式65のように表現できる。
【数64】
【数65】
ここで、R1、R2は1次、2次巻線抵抗であり、Ll1、Ll2は1次、2次漏洩インダクタンスであり、λ1、λ2は1次、2次相互鎖交磁束である。
【0063】
前記数式64と数式65をλ1、λ2に対し再度展開すると、つぎの数式66と数式67のように表現できる。
【数66】
【数67】
【0064】
前記数式66と数式67の両辺をtnからtn−1まで積分すると、下記の数式68と数式69のように表現できる。
【数68】
【数69】
【0065】
したがって、相互鎖交磁束の変化量Δλ1、Δλ2は1次、2次端子電圧と電流、巻線抵抗と漏洩インダクタンスから計算可能である。前記数式64と65の比を相互鎖交磁束比と定義し、相互鎖交磁束比は下記の数式70のように表現できる。
【数70】
前記数式70において、Δλ1、Δλ2は前記数式68と数式69を用いて求められるので、毎瞬間相互鎖交磁束比を数式70から計算できるものである。
【0066】
仮に、内部事故が発生しなかったら、毎瞬間の相互鎖交磁束比は巻線比(N1/N2)となる。すなわち、前記数式70において、Δλ1、Δλ2は瞬時値であるため、内部事故発生しなかったら、任意のΔλ1、Δλ2に対し(ただし、Δλ1=0又はΔλ2=0である場合除き)相互鎖交磁束比は巻線比となるものである。
【0067】
また、励磁突入現象とは、変圧器の投入時、鉄心の飽和により鉄心の磁化インダクタンスの値が小さくなったり大きくなったりして、電流が大きくなったり小さくなったりするのを周期的に繰り返す現象である。励磁突入現象は変圧器の内部事故が発生したものでないため、相互鎖交磁束比はやはり巻線比と同じになる。すなわち、励磁突入時、Δλ1、Δλ2が歪曲されたといっても、相互鎖交磁束比は巻線比と同じものである。
【0068】
一方、変圧器巻線の内部事故の場合、相互鎖交磁束比は巻線比とならない。本実施例においては、このような点を着目し、相互鎖交磁束比を求め、この値が巻線比と同じであると内部事故でなく、巻線比と同じでないと内部事故であると判定するものである。
【0069】
ところで、Δλ1、Δλ2は瞬時値であるため、Δλ2が“0”に近い値を有する瞬間にはその比が大きくなり得るため、本実施例では、下記の数式71を用いて、内部事故を事故でない現象と区分しようとするものである。すなわち、下記の数
すると内部事故であると判定するものである。
【数71】
ここで、Vlrmsは変圧器1次側定格電圧であり、fは定格周波数である。
【0070】
このような方法を図2のような3相Y−Y結線変圧器に適用して詳細に説明する。
【0071】
図2において、各相の1次端子電圧は下記の数式72及び数式73のように表現できる。
【数72】
【数73】
【数74】
ここで、RA、RB、RCは各相の1次巻線抵抗であり、LlA、LlB、LlCは各相の1次漏洩インダクタンスであり、λA、λB、λCは各相の1次相互鎖交磁束である。
【0072】
また、2次端子電圧を示すと、下記の数式75ないし数式77のように表現できる。
【数75】
【数76】
【数77】
ここで、Ra、Rb、Rcは各相の2次巻線抵抗であり、Lla、Llb、Llcは各相の2次漏洩インダクタンスであり、λa、λb、λcは各相の相互鎖交磁束である。
【0073】
単相変圧器の場合の同様に各相の内部事故有無を判定するDetector値を求めると、下記の数式78ないし数式80のようになる。
【数78】
【数79】
【数80】
【0074】
ったと判定するものである。
【0075】
生しなかったと判定するものである。
【0076】
次いで、3相2巻線Y−Δ結線変圧器の場合、内部事故判定方法について説明する。
【0077】
図2において、各相の1次端子電圧は前記数式72ないし74と同じであり、2次側Δ結線側の電圧を示すと、下記の数式81ないし83のように表現できる。
【数81】
【数82】
【数83】
ここで、Rab、Rbc、Rcaは2次各巻線の巻線抵抗であり、Llab、Llbc、Llcaは2次各巻線の漏洩インダクタンスであり、λab、λbc、λcaは2次各巻線の相互鎖交磁束である。
【0078】
iab、ibc、icaは測定できないので、前記数式81ないし数式83からλab、λbc、λcaを計算することができないものである。ところで、iab、ibc、icaのみが測定できる値であるため、ia、ib、icを用いるため、本発明による第2実施例ではica−iab=ia、iab−ibc=ib、ibc−ica=icの関係式を用いた。
【0079】
また、事故が発生しないと、デルタ結線側3相の巻線抵抗と漏洩インダクタン
84ないし86のように表現できる。
【数84】
【数85】
【数86】
【0080】
前記数式84ないし86の左辺は計算可能である。また、数式84ないし数式86と対応する1次側の式を求めるため、前記数式72ないし数式74の式を再度整理すると、下記の数式87ないし数式89のように表現される。
【数87】
【数88】
【数89】
【0081】
Y−Δ変圧器の場合、内部事故が発生しなかったら、下記の数式90のような相互鎖交磁束比が成り立つ。
【数90】
【0082】
しかし、Y結線側のΔλA、ΔλB、ΔλCは計算できるが、Δ結線側のΔλab、Δλbc、Δλcaは計算できないため、前記数式90を事故判定に直接用いることができない。したがって、Y−Δ変圧器の場合に使用できる相互鎖交磁束比を下記の数式91に示した。
【数91】
【0083】
前記数式90と数式91は互いに必要十分条件である。この誘導過程を説明する。
十分条件は、数式90を数式91に代入すると、易しく証明されるため、必要条件のみを証明するとよいのである。したがって、必要条件を証明するため、各相に対応する相互鎖交磁束比をα、β、γとする。すなわち、ΔλA/Δλab=α、ΔλB/Δλbc=β、Δλc/Δλca=γとする。
この式を前記数式91に代入してから再び整理すると、Δ(γλca−αλab)=N1Δ(λca−λab)/N2、Δ(αλab−βλbc)=N1Δ(λab−λbc)/N2、Δ(βλbc−γλca)=N1Δ(λbc−λca)/N2
となる。
ところで、前記の三つの式がΔλab、Δλbc、Δλcaに対して成り立つためには、α=β=γ=N1/N2である。したがって、ΔλA/Δλab=ΔλB/Δλbc=Δλc/ΔλCa=N1/N2となる。したがって、前記数式90と数式91は必要十分条件となるものである。
したがって。数式91の左辺の分母と分子は数式84ないし数式89を用いて計算可能であるため、本実施例では、数式91を事故判定に用いるものである。
【0084】
Y−Δ変圧器の場合、本実施例で事故判定に使用されたDetectorは下記の数式92ないし数式94のようになる。
【数92】
【数93】
【数94】
【0085】
前記Y−Δ変圧器の場合、三つのDetectorを用いて事故を判定する規則は前記表1と同じであるため、その説明は省略する。
【0086】
本発明の第2実施例による変圧器保護継電方法を検証するための事例を図4に示すモデル系統を用いて説明する。
【0087】
まず、励磁突入の場合について説明する。
励磁突入は、無負荷時、電源投入位相角が0度である場合、鉄心に残留磁束がない場合と飽和点が80%程度ある場合について説明する。
【0088】
残留磁束がない場合、各相の差動電流波形は第1実施例の図5と同じである。そして、図13aないし図13cには、前記数式78と数式92を用いて計算したDetector1のΔ(λc−λA)と(N1/N2)Δ(λca−λab)、Detector2のΔ(λA−λB)と(N1/N2)Δ(λab−λbc)、Detector3のΔ(λB−λc)と(N1/N2)Δ(λbc−λca)を示した。
【0089】
励磁突入が発生して大電流が流れたが、計算した二つの電圧がほぼ同じであることが分かる。
【0090】
本発明の第2実施例による三つのDETECTORの検出信号とトリップ信号波形を図14aないし図14dに示した。すなわち、カウンタを置き、DETECTORが5%以上であると、カウンタを1だけ増加させ、5%未満であると1だけ減少させ、カウンタが4となると、最終トリップを決定した。変圧器の投入以後、差動電流(励磁電流)は、A相の場合、最大値が900[A]に至ったが、DETECTORは5%以内となりトリップ信号が発生しなかった。
【0091】
図14のDETECTORは相互鎖交磁束を計算する過程で積分項を近似するときに発生する誤差である。本実施例では、周期当たり16サンプルである場合について事例研究を行ったが、サンプリング比を高めると、誤差は著しく減ることが分かる。
【0092】
図15及び図16には飽和点の80%の残留磁束がある場合の差動電流とDETECTORをそれぞれ示した。この場合には、残留磁束がない場合より差動電流が大きく表れて最大値が1600[A]に至ったが、DETECTOR値は5%以内となりトリップが発生しなかった。
【0093】
次いで、内部事故実験結果について説明する。
内部事故は、B相巻線の中性点から40%地点の地絡事故、中性点から20%地点と40%地点の層間短絡事故、中性点から60%地点と80%地点の層間短絡事故を模擬し、事故位相角はそれぞれ0度と90とした。
【0094】
図17はB相の中性点から40%地点で0度地絡事故時のDETECTOR値とトリップ信号を示し、図18はB相の中性点から20%地点と40%地点の0度層間短絡事故時、DETECTOR値とトリップ信号を示した。このような方式は、両場合とも事故後4.167[ms]に事故と判定した。
【0095】
結局、本発明の第2実施例による変圧器保護継電方法は、変圧器の1次、2次相互鎖交磁束比を用いて内部事故と内部事故でない励磁突入、外部事故を区分するアルゴリズムを提示したものである。このようなアルゴリズムは変圧器の1次、2次電圧、電流の関係式から1次、2次の相互鎖交磁束を計算し、これらの比に基づき内部事故と励磁突入を区分するものである。
【0096】
励磁突入は投入位相角と残留磁束を異ならせて模擬し、地絡事故、短絡事故は事故位相角と事故位置をそれぞれ異ならせて模擬して提示した方式を試験した結果、提示した方式は内部事故と励磁突入をよく区分することを確認した。
【0097】
また、外部事故時にも誤動作しないことが分かり、変圧器の内部事故時、事故後1/4周期以内にトリップ信号を発生させて非常に早く内部事故を認識することが分かる。
【0098】
前記実施例と図面は本発明の技術的思想の範囲を限定しようとするものではなく、ただ詳細な説明のためのものであることを明らかにしておく。また、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形、応用があり得るが、以下では3相Δ−Y結線とΔ−Δ結線の場合を説明し、前記実施例と根本的な技術的違いがないので、その詳細な記述は省略する。
【0099】
図20では一般的な3相2巻線Δ−Y変圧器の構成を示した。
【0100】
前記3相2巻線Δ−Y変圧器において、1次側の電圧、電流関係式は下記の数式のようになる。
【数95】
【数96】
【数97】
【0101】
また、2次側の電圧、電流の関係式は下記の数式のようになる。
【数98】
【数99】
【数100】
【0102】
仮定すると、前記電圧、電流の関係式から1次側の鎖交磁束変化量の差を求めることができ、これらを下記の数式で示した。
【数101】
【数102】
【数103】
【0103】
また、2次側の鎖交磁束変化量の差は下記のようになる。
【数104】
【数105】
【数106】
【0104】
前記関係と前記必要十分条件の関係がつぎの数式107と数式108間に成り立つことを用いて下記の数式109ないし111の値を判断変数とすることにより、変圧器内部の事故の有無を判断することができる。
【数107】
【数108】
【数109】
【数110】
【数111】
【0105】
図19には一般的な3相2巻き線Δ−Δ変圧器の構成を示した。
【0106】
前記3相2巻線Δ−Δ変圧器において、1次側の電圧、電流の関係式は下記の数式のようになる。
【数112】
【数113】
【数114】
【0107】
また、2次側の電圧、電流の関係式はつぎの数式のようになる。
【数115】
【数116】
【数117】
【0108】
2、ica−iab=ia、iab−ibc=ib、ibc−ica=icと仮定すると、前記電圧、電流の関係式から1次側の鎖交磁束変化量の差を求めることができ、これらを下記の数式に示した。
【数118】
【数119】
【数120】
【0109】
また、2次側の鎖交磁束変化量の差はつぎのようになる。
【数121】
【数122】
【数123】
【0110】
前記関係と前記必要十分条件の関係が下記の数式124と数式125間に成り立つことを用いて下記の数式126ないし128の値を判断変数とすることにより、変圧器の内部事故の有無を判断することができる。
【数124】
【数125】
【数126】
【数127】
【数128】
【0111】
前記実施例と図面は、本発明を詳細に記述し易くするための例示にすぎず、本発明の技術的思想の範囲を限定させることを目的としておらず、本発明の技術的思想の範囲内で多くの変形、応用が可能であることが明らかである。
【0112】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による変圧器保護継電方法は、変圧器の1次、2次相互鎖交磁束比又は誘起電圧比が励磁突入の場合には巻線比と同じであるに対し、内部事故の場合には巻線比とは違う値を有することになる。したがって、1次、2次電圧と電流から1次及び2次電圧比又は相互鎖交磁束を計算し、この比により励磁突入と内部事故を区分するもので、複雑な鉄心のヒステリシスデータが不要であり、コアの材質が変わるか又は系統条件が変わっても別の多くの修正なしに適用可能な方式であり、時間領域で保護を行うため、継電器の動作時間を減少させることができ、サンプリング比を高めると、継電器の動作時間を更に減少させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な単相2巻線変圧器の構成を示す図である。
【図2】一般的な3相2巻線Y−Y変圧器の構成を示す図である。
【図3】一般的な3相2巻線Y−Δ変圧器の構成を示す図である。
【図4】本発明による変圧器保護継電方法に適用される3相Y−Δ結線変圧器のモデル系統を示す図である。
【図5】図5aないし図5dは、図4に示す変圧器に残留磁束がない場合、各相の差動電流波形を示す図である。
【図6】本発明の第1実施例に適用される複数の検出器のうち、第1検出器の誘起電圧波形を示す図である。
【図7】図7aないし図7dは、残留磁束がない場合、本発明の第1実施例による複数の検出器で検出された信号とトリップ信号波形を示すグラフである。
【図8】図8aないし図8cは、本発明の第1実施例による飽和点の80%の残留磁束がある場合、各相の差動電流の波形を示す図である。
【図9】図9aないし図9dは、本発明の第1実施例による飽和点の80%の残留磁束がある場合、複数の検出器での検出信号及びトリップ信号の波形を示す図である。
【図10】図10aないし図10dは、本発明の第1実施例による3相変圧器のB相中性点から40%部分で0度地絡事故時、各検出器の検出信号及びトリップ信号波形を示す図である。
【図11】図11aないし図11dは、本発明の第1実施例による3相変圧器のB相中性点から20%部分で90度層間短絡事故時、各検出器の検出信号及びトリップ信号波形を示す図である。
【図12】図12aないし図12dは、本発明の第1実施例による変圧器の外部での3相短絡事故時、0度事故結果を示す各検出器の検出信号及びトリップ信号波形を示す図である。
【図13】図13aないし図13cは、本発明の第2実施例に適用される複数の検出器の誘起電圧波形を示す図である。
【図14】図14aないし図14dは、本発明の第2実施例による複数の検出器で検出された信号とトリップ信号波形を示すグラフである。
【図15】図15aないし図15cは、本発明の第2実施例による飽和点の80%の残留磁束がある場合、それぞれの相の差動電流の波形を示す図である。
【図16】図16aないし図16dは、本発明の第2実施例による飽和点の80%の残留磁束がある場合、複数の検出器での検出信号及びトリップ信号の波形を示す図である。
【図17】図17aないし図17dは、本発明の第2実施例による3相変圧器のB相巻線の中性点から40%部分で0度地絡事故時、各検出器の検出信号及びトリップ信号波形を示す図である。
【図18】図18aないし図18dは、本発明の第2実施例による3相変圧器のB相中性点から20%部分と40%部分の0度層間短絡事故時、各検出器の検出信号及びトリップ信号波形を示す図である。
【図19】一般的な3相2巻線Δ−Δ変圧器の構成を示す図である。
【図20】一般的な3相2巻線Δ−Y変圧器の構成を示す図である。
Claims (19)
- 一つ以上の相を有する変圧器の保護のための継電方法において、
前記変圧器の1次側と2次側の各相の端子電圧及び電流を測定する第1段階と、
前記第1段階で測定された前記各相の端子電圧及び電流を用いて、前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の誘起電圧、誘起電圧差、前記1次側と2次側間の前記誘起電圧の比又は前記誘起電圧差の比を計算する第2段階と、
前記第2段階で計算された前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の前記誘起電圧、前記誘起電圧差、前記1次側と2次側間の前記誘起電圧の比又は前記誘起電圧差の比と、予め決められた前記変圧器の1次側と2次側の巻線比の関係を決定するため、予め決められた関係式により一つ以上の判断変数を計算する第3段階と、
前記第3段階で計算された前記一つ以上の判断変数がどの領域にあるかを判断して前記変圧器の内部事故有無を判定する第4段階とを含み、
前記変圧器は単相変圧器であり、
又はこれから変形された式であり、ここで、e 1 及びe 2 はそれぞれ1次及び2次誘起電圧、N 1 及びN 2 はそれぞれ1次及び2次巻線数であり、
前記判断変数は
であり、ここで、V 1rms は前記変圧器の1次側定格電圧であることを特徴とする変圧器の保護のための継電方法。 - 一つ以上の相を有する変圧器の保護のための継電方法において、
前記変圧器の1次側と2次側の各相の端子電圧及び電流を測定する第1段階と、
前記第1段階で測定された前記各相の端子電圧及び電流を用いて、前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の相互鎖交磁束変化量、相互鎖交磁束変化量の差、前記第1次側と2次側間の前記相互鎖交磁束変化量の比又は前記相互鎖交磁束変化量の差の比を計算する第2段階と、
前記第2段階で計算された前記変圧器の1次側及び2次側の各相又は各巻線の相互鎖交磁束変化量、相互鎖交磁束変化量の差、前記第1次側と2次側間の前記相互鎖交磁束変化量の比又は前記相互鎖交磁束変化量の差の比と、予め決められた前記変圧器の1次側と2次側の巻線比との関係を決定するため、予め決められた関係式により一つ以上の判断変数を計算する第3段階と、
前記第3段階で計算された前記一つ以上の判断変数がどの領域にあるかを判断して前記変圧器の内部事故有無を判定する第4段階とを含み、
前記変圧器は単相変圧器であり、
前記第3段階において、前記判断変数を計算するための予定された関係式は
及び2次相互鎖交磁束変化量、N 1 及びN 2 はそれぞれ1次及び2次巻線数であることを特徴とする変圧器の保護のための継電方法。
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