JP3686859B2 - 熱可塑性エラストマー組成物 - Google Patents

熱可塑性エラストマー組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの耐熱性や耐油性を大きく損なうことなく耐屈曲性、柔軟性等を改善する処方を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体やポリエステル・ポリエステルブロック共重合体などのポリエステル系熱可塑性エラストマーは、強靭で耐熱性、耐油性、低温特性などが良好な熱可塑性エラストマーであり、ホース、チューブ、ベルト、電線被覆、自動車部品材料など種々の分野で使用されている。ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、重合組成、分子量、分子量分布などによってその性質が左右され、耐屈曲性や柔軟性が良好なものもあるが、耐熱性や耐油性に優れるものは一般に柔軟性が充分でなく、また比較的柔軟性に優れるものは耐屈曲性が充分でないため、その使用分野が限定されていた。またポリエステル系エラストマーの柔軟化では、重合組成、分子量、分子量分布を制御する以外にも、良好な耐熱性、屈曲性、耐油性を有するポリエステル系エラストマーに可塑剤を始めとする添加剤や柔軟なゴムあるいは樹脂を配合することで柔軟なエラストマー組成物を調製する方法が知られているが(例えば特開平7−126500号、特開平8−277359号、特開2001−207046号などの各公報)、耐熱性や耐油性が著しく悪化してしまい、満足すべきものは得られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明の目的は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーの優れた耐熱性、耐油性、風合い、手触り、耐傷付性を大きく損なうことなく、耐屈曲性や柔軟性を改良する処方を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明によれば、ポリエステル系熱可塑性エラストマー60〜99.5重量部とエチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物40〜0.5重量部とからなる熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
【0005】
本発明の好適態様によれば、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとエチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物の合計量100重量部に対し、20重量部以下の可塑剤が配合された熱可塑性エラストマー組成物が提供される。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるポリエステル系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントからなるブロック共重合体であって、分子鎖中にポリエステル結合を有するものである。その代表的なものが、ハードセグメントとして高融点のポリエステルセグメントを、ソフトセグメントとして低融点重合体セグメントを有するブロック共重合体である。ここに高融点のポリエステルセグメントとは、高融点のポリエステルセグメント構成成分のみで高分子量重合体を形成した場合の融点が150℃以上のものであり、低融点重合体セグメントとは、低融点重合体セグメント構成成分のみで測定した場合の融点乃至軟化点が80℃以下となるものであり、通常分子量が400〜6000程度のものである。
【0007】
高融点ポリエステルセグメントを構成するポリエステルとしては、テレフタル酸、イソフタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、4,4’−スルホニルジ安息香酸などの芳香族ジカルボン酸残基と、エチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2,2−ジメチルトリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、p−キシリレングリコールなどのジオール残基とからなるポリエステル、あるいはこれら2種以上のジカルボン酸あるいは2種以上のジオールを用いたコポリエステル、あるいはp−オキシ安息香酸、p−(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸などのオキシ酸及びそれらの残基から誘導されるポリエステル、1,2−ビス(4,4’−ジカルボキシメチルフェノキシ)エタン、ジ(4−カルボキシフェノキシ)エタンなどの芳香族エーテルジカルボン酸の残基と前述のジオール残基とからなるポリエーテルエステル、さらに上述のジカルボン酸、オキシ酸、ジオール類を組み合わせたコポリエステルなどを挙げることができる。このようなコポリエステルにおいて、少量であれば脂肪族ジカルボン酸残基や脂肪族オキシ酸残基が含まれるものであってもよい。いずれにしてもこのような高融点セグメントとして、融点が150℃以上のものが使用される。好ましいのは、ポリテトラメチレンテレフタレート又はポリエチレンテレフタレートであり、とくに好ましいのはポリテトラメチレンテレフタレートである。
【0008】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーを構成する低融点重合体セグメントは、融点ないしは軟化点が80℃以下のものであり、実質的に非晶状態を示すものが好ましい。低融点重合体セグメントの分子量は400〜6000程度、とくに600〜5000程度のものがよい。低融点重合体セグメントとして具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシアルキレングリコールあるいはこれらの混合物、またはポリアルキレングリコール単位とテレフタル酸単位を含むポリエーテルなどを例示することができる。
【0009】
上記低融点重合体セグメントとしてはまた、炭素数2〜12の脂肪族又は脂環族ジカルボン酸と炭素数2〜10の脂肪族又は脂環族ジオールとのポリエステル又はコポリエステル、炭素数4〜10の脂肪族ラクトンのポリエステル又はコポリエステル、脂肪族又は脂環族ジカルボン酸、脂肪族又は脂環族ジオール及び脂肪族ラクトンのコポリエステルなどの脂肪族ポリエステルを挙げることができる。より具体的には、ポリエチレンアジペート、ポリテトラメチレンアジペート、ポリエチレンセバケート、ポチネオペンチルセバケート、ポリテトラメチレンドデカネート、ポリテトラメチレンアゼレート、ポリヘキサメチレンアゼレート、ポリ−ε−カプロラクトンなどを挙げることができる。
【0010】
低融点重合体セグメントとしては、上記ポリオキシアルキレングリコールと脂肪族ポリエステルを併用することもできる。
【0011】
低融点重合体セグメントとしてポリオキシアルキレングリコールを使用したポリエステル・ポリエーテルブロック共重合体や低融点重合体セグメントとして脂肪族ポリエステルを使用したポリエステル・ポリエステルブロック共重合体などの上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、ポリオキシアルキレングリコールや脂肪族ポリエステルなどの低融点重合体セグメントの含有量が5〜80重量%、とくに15〜70重量%含まれるものが好ましい。またショアA硬度が90以下、とくに70〜85のものが好ましい。さらに230℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜1000g/10分、とくに1〜100g/10分のものを用いるのが好ましい。
【0012】
上記ポリエステル系熱可塑性エラストマーは、通常の重縮合法によって製造することができる。例えば、芳香族ジカルボン酸又はそのジメチルエステルと、低融点セグメント形成性ジオールと、低分子量ジオールとを、触媒の存在下に150〜260℃程度に加熱してエステル化反応又はエステル交換反応を行い、次いで真空下に過剰の低分子量ジオールを除去しつつ重縮合反応を行うことによりポリエステル系ブロック共重合体を得る方法、あらかじめ調製した高融点ポリエステルセグメント形成性プレポリマー及び低融点重合体セグメント形成性プレポリマーに、それらのプレポリマー末端基と反応する2官能性の鎖延長剤を混合して反応させた後、系を高真空に保ち、揮発成分を除去することによりポリエステル系ブロック共重合体を得る方法、高重合度の高融点ポリエステルとラクトン類を加熱混合し、ラクトンを開環重合させつつエステル交換反応させることにより、ポリエステル系ブロック共重合体を得る方法などである。
【0013】
ポリエステル系熱可塑性エラストマーの他の例として、ハードセグメントとしてジヒドロキシ−p−クォーターフェニルのような低分子液晶化合物を使用し、ソフトセグメントとして上記のような脂肪族ポリエステルを用いたマルチブロック共重合体を挙げることができる。このようなポリエステル系熱可塑性エラストマーにおいても、ショアA硬度が90以下、とくに85以下のものを使用するのが好ましい。
【0014】
本発明で使用されるエチレンと一酸化炭素を含む共重合体は、エチレンと一酸化炭素を必須構成成分とし、任意に他のモノマーを共重合成分とする共重合体である。上記他のモノマーとしては、酢酸ビニルのようなビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチル、マレイン酸ジエチルのような不飽和カルボン酸エステルなどの不飽和エステルを挙げることができる。とくに好適な共重合体は、耐熱性、柔軟性に優れるところから、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを共重合した多元共重合体である。
【0015】
エチレンと一酸化炭素を含む共重合体においては、エチレン成分が50〜98重量%、とくに60〜94重量%、一酸化炭素成分が2〜20重量%、とくに4〜15重量%、他のモノマー成分が0〜40重量%、とくに2〜35重量%の割合で共重合されているものを使用するのが好ましい。これら共重合体としてはまた、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが0.1〜500g/10分、とくに0.5〜100g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0016】
エチレンと一酸化炭素を含む共重合体は、エチレン、一酸化炭素、任意に他のモノマーを、ラジカル開始剤を用い、高温、高圧下で共重合することによって得ることができる。
【0017】
本発明においては、上記のようなエチレンと一酸化炭素を含む共重合体を部分架橋したものが使用される。部分架橋物としては、ゲル分率が20〜80%、とくに30〜70%のものを使用するのが好ましい。すなわちゲル分率があまり低いものを使用すると、目的とする熱可塑性エラストマー組成物の耐熱性及び耐油性が悪化するので好ましくなく、一方ゲル分率があまり高いものを使用すると溶融流動性が損なわれるので、ポリエステル系熱可塑性エラストマーと均一に混合させることが難しくなり、所望の効果を得ることが難しくなる。
【0018】
尚、ゲル分率の測定は、次のようにして行うことができる。すなわち約1gの上記共重合体部分架橋物試料を精秤し、300mlナス型フラスコに100mlのメチルエチルケトンと共に入れ、3時間還流する。冷却後、約25mlのメチルエイチルケトンを取り出し、遠心分離後(8000/分、20分間)上澄み10mlをボールピペットにて取り、予め重量を測ったシャーレに移す。サンプルをドラフト中に一晩置いた後、真空乾燥機中、100〜110℃で1時間乾燥し、これをデシケーター中で冷却し、シャーレに残った残留物の重量を測定する。ゲル分率は次式により求める。
ゲル分率(%)=100−[残留物(mg)/サンプル重量(g)]
【0019】
エチレンと一酸化炭素を含む共重合体を部分架橋するには、架橋剤の存在下に該共重合体を動的に熱処理(溶融状態で混練)すればよい。架橋剤としては、パーオキサイド、ポリアミン等を挙げることができるが、とくにパーオキサイドを使用することが好ましい。パーオキサイドとして具体的には、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレラート、ジベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエートなどを挙げることができる。
【0020】
エチレンと一酸化炭素を含む共重合体の動的な熱処理においては、共重合体100重量部に対し、パーオキサイドを0.05〜2重量部程度、とくに0.1〜1.5重量部程度使用するのが好ましい。また動的熱処理においては、パーオキサイドの分解温度によっても異なるが、100〜250℃、とくに120〜200℃の範囲で、1〜20分、とくに1〜10分程度混練を行うのが好ましい。動的熱処理に使用される装置としては、一般の溶融混練装置であれば如何なるものでも使用することができるが、工業的には押出機を使用するのが有利である。
【0021】
上記共重合体の動的熱処理は、通常は上記共重合体とパーオキサイドを溶融混練することによって行われるが、望むならばポリエステル系熱可塑性エラストマーの一部又は全部を共存させて行ってもよく、あるいは後述の可塑剤を共存させて行ってもよい。
【0022】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、ポリエステル系熱可塑性エラストマー60〜99.5重量部、好ましくは70〜95重量部に対し、エチレンと一酸化炭素を含有する共重合体40〜0.5重量部、好ましくは30〜5重量部の割合で配合する。上記共重合体の使用量が少なすぎると、柔軟性や耐屈曲性の改善効果が充分でなく、またその使用量が多くなりすぎると機械的強度、耐熱性、耐油性等の低下が無視できなくなってくる。
【0023】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物においては、柔軟性、耐屈曲性を一層改善するために可塑剤を配合することが効果的である。可塑剤として具体的には、プロセスオイルやエクステンダー油等の鉱油系ゴム用軟化剤;ジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジn−オクチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ブチルラウリルフタレート、ブチルベンジルフタレートなどのフタル酸エステル、トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソノニルエステル、トリメリット酸イソデシルエステルなどのトリメリット酸エステル、ピロメリット酸オクチルエステルなどのピロメリット酸エステルのような芳香族エステル系可塑剤;ジメチルアジペート、ジイソブチルアジペート、ジn−ブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソデシルアジペート、ジオクチルアゼレート、ジ(2−エチルヘキシル)アアゼレート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケート、メチルアセチルリシノレート、ジペンタエリスリトールエステルのような脂肪族エステル系可塑剤;ポリエチレングリコールエステルのようなグリコールエステル系可塑剤;エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステルのようなエポキシ系可塑剤、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリラウリルホスフェート、トリセチルホスフェート、トリステアリルホスフェート、トリオレイルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、縮合リン酸エステルなどのリン酸エステル系可塑剤などを例示することができる。これらの中では芳香族ポリエステル系可塑剤の使用が最も好ましい。
【0024】
可塑剤の有効な配合量は、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとエチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物の合計量100重量部に対し、20重量部以下、好ましくは0.05重量部以上、一層好ましくは1〜10重量部の範囲である。
【0025】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、本発明の目的を損なわない範囲において、他の重合体や添加剤を配合することができる。このような添加剤の例としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、染料、抗菌剤、防黴剤、帯電防止剤、発泡剤、発泡助剤、無機充填剤、繊維強化材などを挙げることができる。
【0026】
本発明の熱可塑性エラストマー組成物は、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、ロール、ニーダーなどを用いてポリエステル系熱可塑性エラストマー、エチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物、及び可塑剤などの任意に配合される成分を溶融混練することによって調製することができる。このようにして得られる熱可塑性エラストマー組成物は、良好な加工性、風合い、手触り、耐傷付性を有しており、押出成形、射出成形、インサート成形、中空成形、プレス成形、真空成形などの各種成形方法によって、フイルム、シート、棒状物、管状物などの単純な形状の成形品から複雑な形状の成形品まで種々の形状の成形品を製造することができる。とくに自動車用途(例えばCVJブーツ)、家電、工業部品、繊維、クッション材、緩衝材、グリーップ、スイッチカバー、滑り止め等の用途に好適である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。尚、実施例及び比較例で用いた原料及び得られた組成物等の物性評価方法は、以下の通りである。
【0028】
1.原料
(1)ポリエステル系熱可塑性エラストマー
A−1:熱可塑性ポリエステルエラストマー、ペルプレンP−30B(商品名、ショアA硬度75、東洋紡(株)製)
A−2:熱可塑性ポリエステルエラストマー、ペルプレンP−40B(商品名、ショアA硬度81、東洋紡(株)製)
A−3:熱可塑性ポリエーテルエステルエラストマー、ハイトレル3046(商品名、ショアA硬度82、東レ・デュポン(株)製)
(2)エチレンと一酸化炭素を含む共重合体及びその部分架橋物
B−1:エチレン・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチル共重合体(一酸化炭素10重量%、アクリル酸n−ブチル30重量%、メルトフローレート8g/10分)
B−2:B−1の部分架橋物(ゲル分率40%)
(3)可塑剤
C−1:ジイソノニルフタレート(DINP)
【0029】
2.物性評価方法
(1)硬度(ショアA):JIS K6301
(2)引張特性(伸び、破断点強度):ASTM D638
(3)曲げ剛性率:ASTM D790
【0030】
(4)耐屈曲性
試験片:JIS K−6301(ASTM D430−59)準拠
屈曲試験:デマッチャ屈曲試験機
屈曲ストローク:最長チャック間75mm、最短チャック間19mm
屈曲サイクル:300サイクル/分
測定温度:23℃
評価
◎:5万回の屈曲の後、ノッチ幅が5mm以下
○:5万回の屈曲の後、ノッチ幅が15mm以下
×:5万回の屈曲の後、ノッチ幅が15mm以上
【0031】
(5)耐油性
引張試験用試験片及び30×30×2mmに裁断した試験片を100℃の3号膨潤油に70時間浸漬したものにつき、引張特性及び重量変化率を測定した。重量変化率は次の式により求めた。
重量変化率(%)=(浸漬後重量/浸漬前重量)×100
【0032】
(6)耐熱性
引張試験用及びデマッチャ屈曲試験用の試験片並びに30×30×2mmに裁断した試験片を100℃に設定したオーブン中に100時間放置し、引張特性、耐屈曲性、重量変化率を測定した。
【0033】
[実施例1]
ポリエステル系エラストマーとしてヘルプレン30B(A−1)80重量部及びエチレン・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチル共重合体の部分架橋物(B−2)20重量部を溶融混合して得られた熱可塑性エラストマー組成物の物性評価を行った。その結果を表1に示す。
【0034】
[比較例1]
比較のため、ヘルプレン30B(A−1)の物性評価を行った結果を表1に示す。
【0035】
[比較例2]
実施例1において、部分架橋物(B−2)の代りに、部分架橋していないエチレン・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチル共重合体(B−1)を使用して得た熱可塑性エラストマー組成物の物性評価結果を表1に示す。
【0036】
[実施例2]
実施例1において、部分架橋物(B−2)20重量部の代りに、部分架橋物(B−2)17重量部及びジノニルフタレート(C−1)3重量部を使用した以外は、実施例1と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。その物性評価結果を表1に示す。
【0037】
[比較例3]
実施例2において、部分架橋物(B−2)の代りに、部分架橋していないエチレン・一酸化炭素・アクリル酸n−ブチル共重合体(B−1)を使用して得た熱可塑性エラストマー組成物の物性評価結果を表1に示す。
【0038】
[比較例4]
ポリエステル系熱可塑性エラストマーのヘルプレン30B(A−1)を97重量部とジノニルフタレート(C−1)3重量部を溶融混合して得た熱可塑性エラストマー組成物の物性評価結果を表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003686859
【0040】
[実施例3]
実施例2において、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしてヘルプレン30B(A−1)の代りに、ヘルプレン40B(A−2)を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。その物性評価結果を表2に示す。
【0041】
[比較例5]
ヘルプレン40B(A−2)の物性評価結果を表2に示す。
【0042】
[実施例4]
実施例2において、ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしてヘルプレン30B(A−1)の代りに、ハイトレル3046(A−3)を使用した以外は、実施例2と同様にして熱可塑性エラストマー組成物を得た。その物性評価結果を表2に示す。
【0043】
[比較例6]
ハイトレル3046(A−3)の物性評価結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
Figure 0003686859
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐油性に優れ、強靭で柔軟性、風合い、手触り、耐傷付性、耐屈曲性に優れた熱可塑性エラストマー組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. ポリエステル系熱可塑性エラストマー60〜99.5重量部とエチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物40〜0.5重量部とからなる熱可塑性エラストマー組成物。
  2. ポリエステル系熱可塑性エラストマーが、ショアA硬度90以下のものである請求項1記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  3. エチレンと一酸化炭素を含む共重合体が、エチレン・不飽和カルボン酸エステル・一酸化炭素共重合体である請求項1又は2記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  4. エチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物が、ゲル分率20〜80%のものである請求項1〜3のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  5. エチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物が、押出機中、パーオキサイドの存在下で、エチレンと一酸化炭素を含む共重合体を動的に熱処理したものである請求項1〜4のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
  6. ポリエステル系熱可塑性エラストマーとエチレンと一酸化炭素を含む共重合体の部分架橋物の合計量100重量部に対し、20重量部以下の可塑剤を配合してなる請求項1〜5のいずれかに記載の熱可塑性エラストマー組成物。
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