JP3686831B2 - 折り畳み式ブランコ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として室内で使用する折り畳み式ブランコに関し、詳しくはその折り畳み式ブランコのフレーム構造の改良にする。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種ブランコとして、特開昭63−272378号公報に開示されるように、左右一対の支柱の上端同士を上横桟で、下端同士を下横桟で夫々連結した台形枠を二組備え、これら台形枠の左右の支柱同士が上端において回動自在に連結されると共に、四本の支柱により支持される平面形状が矩形状とされた上枠を有し、この上枠によってシートが取付けられる吊下材を支持してなり、移動や収納保管時は台形枠同士が重なる方向へ回動させて折り畳む一方、使用時には台形枠同士が開く方向へ回動させて安定して設置できるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし乍ら従来の折り畳み式ブランコにおいては、一対のコ字型に屈曲されたパイプの両側片の先端同士を連結材を解して回動自在に連結することで折り畳み自在とされた上枠を有し、この上枠により台形枠同士の開き角度を規制するようになっているので、上枠を必須要素とする分だけフレーム構造が複雑になり、材料コスト,組立てコストが高くなるという問題がある。また、その上枠で吊下材を支持しているので、シートを適宜高さに位置させるために台形枠における支柱高さが高くなり、使用スペース,収納スペースが嵩張るという問題がある。さらに、使用時に上枠が邪魔になるという問題もある。
【0004】
本発明はこのような従来事情に鑑みて成されたものであり、その目的とする処は、上枠を不要としてフレーム構造を簡素化すると共に、上枠を用いることなく枠同士の開き角度を確実に規制して安全に使用でき、且つ使用スペース,収納スペースを縮小することができる新規な折り畳み式ブランコを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために本発明に係る折り畳み式ブランコは、左右一対の支柱の上端間を上部横杆で連結したフレーム枠を二組備え、これらフレーム枠の上部同士を回動自在に連結すると共に、これらフレーム枠にてシートが取付けられる吊下材を支持してなるものであって、上記二組のフレーム枠は、左右の支柱の上部を、相対するフレーム枠方向へ向けて所定角度をもって折曲させた左右の交叉杆部を夫々備え、二組のフレーム枠における隣接する交叉杆部の適所同士を回動自在に連結すると共に、夫々のフレーム枠において左右の交叉杆部の先端間を上部横杆で連結して、一方のフレーム枠の上部横杆が他方のフレーム枠の左右支柱に当接してフレーム枠同士の開き方向への回動範囲が規制されるよう形成し、且つ上部横杆に上記吊下材を支持してなることを要旨とする。
【0006】
このように形成した場合、ブランコ使用時には二組のフレーム枠同士を開き方向へ回動すると、両フレーム枠が所定角度開いた状態で一方のフレーム枠の上部横杆が他方のフレーム枠の左右支柱に当接してそれ以上の回動が規制されるので、上枠を用いなくとも安定性良く設置して使用することができる。よって、従来の折り畳み式ブランコのフレーム構造で必須要素とされていた上枠が不要になり、二組のフレーム枠で構成される簡素なフレーム構造となって、材料コスト,組立てコストを低減することができる。また、上枠を用いることなくフレーム枠の上部横杆で吊下材を直接支持しているので、上枠で吊下材を支持する場合に比べフレーム枠の支柱高さを低くすることができ、使用スペース,収納スペースを縮少することができる。さらに、フレーム枠上部に上枠が存在しないので、シートとフレーム枠上部との間の空間が広くなり、子供が乗り降りする際に手を挟んだり頭をぶつけるような虞れが少なくなる。
【0007】
前記二組のフレーム枠における左右の支柱の下端間を下部横杆で連結すると共に、そのフレーム枠を略長方形状に形成し、且つ前記左右のフレーム枠は左右の支柱を夫々伸縮自在に形成すると共に、伸張状態と収縮状態を解除可能にロックするロック機構を備えていることが好ましい。
【0008】
このように形成した場合、フレーム枠が略長方形状であることから、収納時には左右の支柱を短くするだけでフレーム枠の高さ方向の寸法を縮少することができ、使用時には各支柱を長くすれば良い。これに対し、実開昭63−172482号に開示される従来の折り畳み式ブランコのように台形枠状のフレーム構造を採用した場合は、まず下横桟を伸縮させ、次いで左右の支柱を伸縮される二段階の作業が必要であり、本発明では下部横杆を伸縮する作業が不要になる。
【0009】
前記ロック機構におけるロック解除操作部を左右の支柱の中高部位に露出状に備え、且つ左右の支柱には、上記ロック解除操作部を覆う伸縮自在なカバー材を備えると良い。ここで、カバー材としては、伸縮自在な蛇腹筒を用いること等が例示できる。
【0010】
このように形成した場合、ブランコ使用時にはロック解除操作部をカバー材で覆って子供が指を引掛けるような虞れをなくし、折り畳み・組立て時にはカバー材を収縮させてロック解除操作部を露出させ、支柱の伸縮操作を行うことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。図1〜図3は使用状態(開いた状態)、図4は折り畳み状態(閉じた状態)を示す。
本例の折り畳み式ブランコは、正面形状が略長方形状となるフレーム枠1を二組備え、両フレーム枠1,1の上部に設けた交叉杆部15a,15a、15b,15b同士を軸2により回動自在に連結すると共に、各フレーム枠1,1における上部横杆13,13に吊下材3,3を介して一対の椅子型シート4,4を吊下げ、対向する両椅子型シート4,4の下方を足置き台5で連結して、両椅子型シート4,4が同時に揺れるように形成してなる。
【0012】
各フレーム枠1は、大径パイプ11aの下端側に小径パイプ11bを摺動自在に挿入して伸縮自在とした左右一対の支柱11,11と、大径パイプ11aの下端部に設けられ小径パイプ11bが突出した状態で所定長さに固定するロック機構12と、左右一対の支柱11,11の上端間を連結する上部横杆13と、同支柱11,11の下端間を連結する下部横杆14からなる。
【0013】
上部横杆13と左右の大径パイプ11a,11aは、一本の太径パイプの両端を内側に折り曲げて略コ字形とすることで連結状に形成され、下部横杆14と左右の小径パイプ11b,11bは、一本の細径パイプの両端を内側に折り曲げて略コ字形とすることで連結状に形成される。
【0014】
夫々のフレーム枠1,1における左右の太径パイプ11a,11aの上部には、相対するフレーム枠1方向へ向けて所定角度(本例では130度程度)をもって折曲させた左右の交叉杆部15a,15bを形成する。そうして、二組のフレーム枠1,1における隣接する交叉杆部15a,15a及び15b,15b同士において、そのほぼ中間部分同士を前述した軸2で回動自在に連結する。
また、夫々のフレーム枠1において、左右の交叉杆部15a,15bの先端間を前述した上部横杆13で連結して、一方のフレーム枠1の上部横杆13が他方のフレーム枠1の太径パイプ11a,11aの上部に当接して、フレーム枠1,1同士の開き方向への回動範囲が規制されるよう形成する。
【0015】
ロック機構12は、この種技術分野で周知の各種構造のものが採用可能であるが、本例では、小径パイプ11bの上端に、ばね等の付勢部材で外側へ付勢された出没自在なストッパー(ロック解除操作部)12aを設けると共に、大径パイプ11aの下端に前記ストッパー12aが係脱自在に係合する係合孔12bを設け、支柱11が所定長さに伸長した状態でストッパー12aが係合孔12bに挿入係合してその伸長状態を固定し、ストッパー12aを没することで前記固定状態が解除されるよう形成される。
【0016】
各フレーム枠1の下端の左右両側、本例では、左右の小径パイプ11b,11bと下部横杆14の連結部分になる湾曲部14a,14aは、合成樹脂製のコーナーカバー16で覆われる。
【0017】
17は大径パイプ11aと小径パイプ11bの差込み部分及びロック機構12を覆うためのカバー材で、合成樹脂材料でもって伸縮自在に形成した蛇腹管からなる。
【0018】
吊下材3はU字形に折曲したパイプ材からなり、その左右上端部3a,3aを上部横杆13に回動自在に取付けて、揺動自在になっている。
【0019】
椅子型シート4は、背板4aと座板4bを回動自在に連結すると共に、吊下材3に回動自在に連結した支持枠4cを背板4aに回動自在に連結し、且つ座板4bの先端両側面を係止ヒンジ4dで回動自在且つ鉛直位置と水平位置で係止可能に連結してなる。
【0020】
以上のように構成した本例の折り畳み式ブランコは、図1〜図3に示す使用状態(開いた状態)では、一方のフレーム枠1の上部横杆13が他方のフレーム枠1の支柱11,11の上部に当接して、フレーム枠1,1同士の開き方向への最大回動範囲を80度程度に規制し、安定性良く設置して使用することができる。
また、フレーム枠1が略長方形状であり、且つ上枠を備えないので、両フレーム枠1,1の上部空間Sが広くなり、子供が乗り降りする際に手を挟んだり頭をぶつける虞れが少ない。
また、上枠で吊下材3を支持する場合に比べフレーム枠1の支柱11高さが低くなるので、使用スペースや収納スペースを縮少することができる。
さらに大径パイプ11aと小径パイプ11b間の隙間やロック機構12等をカバー材17で覆って、使用時や折り畳み,組立て作業の際等に指を挟まれるような虞れを防止することができる。
【0021】
収納時には、足載せ台5を外し、各ロック機構12のストッパー12aの押し操作で各支柱11を短くしてワンタッチで折り畳みが出来、折り畳み高さを使用時の2/3程度、一般家庭の押入れや納戸等にも収納できる程度にまで小さく出来る(図4参照)。
【0022】
本例の構造を採用した折り畳み式ブランコの高さ寸法の一例をあげれば、従来の上枠を備えたフレーム構造のものが高さ寸法1700〜1800mm程度であるのに対し、本例の上枠のない簡素なフレーム構造の場合、その高さ寸法は1500mm程度、支柱11を縮めた状態では1100mm程度まで小型化することができた。
【0023】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成したので、下記の効果を奏する。
(請求項1)
上枠を必要としない簡素なフレーム構造の折り畳み式ブランコとしたので、材料コスト,組立てコストを低減することができ、また上枠を用いずフレーム枠の上部横杆で直接吊下材を支持する構成なので、上枠で吊下材を支持する場合に比べフレーム枠の支柱高さを低くして使用スペース,収納スペースを縮少することができ、さらにフレーム枠上部に上枠が存在しないので、シートとフレーム枠上部との間の空間が広くなり、子供が乗り降りする際に手を挟んだり頭をぶつけるような虞れが少なくなるなど、多くの効果を奏する。
【0024】
(請求項2)
フレーム枠が略長方形状であることから、収納時には各支柱を縮めるだけで折り畳みが可能になり、組立て時には各支柱を伸ばせば良い。従って、支柱を短くすることで収納スペースを小さくして一般家庭の押入れや納戸等にも収納できるという省スペース性を維持しながら、収納・組立てがワンタッチで行え、しかも、フレーム枠が略長方形状であるので、フレーム枠上部の空間が広くなり、子供が乗り降りする際に手を挟んだり頭をぶつける虞れが少なく、安全性にも優れる等の効果を奏する。
【0025】
(請求項3)
ロック解除操作部がカバー材で覆われるので、使用時や折り畳み,組立て時に指を挟まれるような虞れがなく、安全性をより向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用状態(開いた状態)を示す正面図。
【図2】図1の平面図。
【図3】図1の側面図。
【図4】折り畳み状態(閉じた状態)を示す正面図。
【符号の説明】
1:フレーム枠
2:軸
3:吊下材
4:椅子型シート
11:支柱
11a:大径パイプ
11b:小径パイプ
12:ロック機構
12a:ストッパー(ロック解除操作部)
13:上部横杆
14:下部横杆
15a,15b:交叉杆部
17:カバー材
Claims (3)
- 左右一対の支柱の上端間を上部横杆で連結したフレーム枠を二組備え、これらフレーム枠の上部同士を回動自在に連結すると共に、これらフレーム枠にてシートが取付けられる吊下材を支持してなる折り畳み式ブランコであって、上記二組のフレーム枠は、左右の支柱の上部を、相対するフレーム枠方向へ向けて所定角度をもって折曲させた左右の交叉杆部を夫々備え、二組のフレーム枠における隣接する交叉杆部の適所同士を回動自在に連結すると共に、夫々のフレーム枠において左右の交叉杆部の先端間を上部横杆で連結して、一方のフレーム枠の上部横杆が他方のフレーム枠の左右支柱に当接してフレーム枠同士の開き方向への回動範囲が規制されるよう形成し、且つ上部横杆に上記吊下材を支持してなることを特徴とする折り畳み式ブランコ。
- 前記二組のフレーム枠における左右の支柱の下端間を下部横杆で連結すると共に、そのフレーム枠を略長方形状に形成し、且つ前記左右のフレーム枠は左右の支柱を夫々伸縮自在に形成すると共に、伸張状態と収縮状態を解除可能にロックするロック機構を備えている請求項1記載の折り畳み式ブランコ。
- 前記ロック機構におけるロック解除操作部を左右の支柱の中高部位に露出状に備え、且つ左右の支柱には、上記ロック解除操作部を覆う伸縮自在なカバー材を備えてなる請求項2記載の折り畳み式ブランコ。
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