JP3686774B2 - バッチ式超臨界水反応装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッチ式超臨界水反応装置に関し、更に詳細には、運転が容易で、安全なバッチ式超臨界水反応装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
環境問題に対する認識の高まりと共に、有機物の酸化、分解能力の高い超臨界水反応を利用して、環境汚染物質を分解、無害化する試みが注目されている。すなわち、超臨界水の高い反応性を利用した超臨界水反応により、従来技術では分解することが難しかった有害な難分解性の有機物、例えば、PCB(ポリ塩素化ビフェニル)、ダイオキシン、有機塩素系溶剤等を分解して、二酸化炭素、窒素、水、無機塩などの無害な生成物に転化する試みである。
その試みの一つとして、最近では、このような有害な有機化合物を含む、様々な下水汚泥、都市ゴミ、産業排水等の液状及び固体状の広義の廃棄物の処理にも、超臨界水反応の利用が試みられている。
【0003】
超臨界水反応装置とは、超臨界水の高い反応性を利用して有機物を分解する装置であって、例えば、難分解性の有害な有機物を分解して無害な二酸化炭素と水に転化したり、難分解性の高分子化合物を分解して有用な低分子化合物に転化したりするために、現在、その実用化が盛んに研究されている。
超臨界水とは、超臨界状態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳しくは、374.1℃以上の温度で、かつ22.04MPa以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極性物質をも完全に溶解することができる一方、逆に、金属、塩等の無機物に対する溶解能は著しく低い。また、超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合して単一相を構成することができる。
【0004】
ここで、図2を参照して、従来の超臨界水反応装置の基本的な構成を説明する。図2は従来の超臨界水反応装置の構成を示すフローシートである。
従来の超臨界水反応装置60は、下水汚泥等の微粒固形物水スラリーを超臨界水反応により処理する装置であって、図2に示すように、超臨界水酸化反応を行う反応器として、チューブラー状の長い耐圧密閉型反応器62を備えている。また、超臨界水反応装置60は、反応器62の上流には反応物を予熱する予熱器64を、反応器62の下流には、反応物と熱交換して反応生成物を冷却する熱交換器66、及び冷却水によって反応生成物を冷却する冷却器68を備えている。
更に、超臨界水反応装置60は、反応器62内の圧力を計測する圧力計87と、反応器62内の圧力を制御する圧力制御弁70を冷却器68の下流に、反応生成物をガスとスラリーとに気液分離する気液分離器72を圧力制御弁70の下流に、及び、スラリー状の反応生成物を固液分離して、無機固形物を反応生成物から分離する固液分離器74を備えている。
固液分離器74で分離された無機固形物は、主として、反応物中に含まれ、反応に寄与しなかったものであって、加えて、超臨界水酸化反応により生成した塩を含むこともある。
【0005】
予熱器64は、超臨界水反応により処理する無機固形物を含む有機物、例えば下水汚泥と、酸化剤の空気とからなる反応物が流れる内管と、反応物を加熱する熱媒が流れる外管とからなる二重管式熱交換器として構成されている。
反応器62は、反応物に対する超臨界水反応の反応時間を確保するために、チューブラー状の長尺の長い反応器であって、その全域に超臨界水を滞留させて、超臨界水領域を構成している。反応温度にまで予熱された反応物は、予熱器64に近い反応器入口から反応器62に入り、超臨界水反応して、反応生成物として反応器出口から流出する。
【0006】
熱交換器66は、反応器62から流出した反応生成物が流れる内管と、反応生成物により加熱される熱媒が流れる外管とからなる二重管式熱交換器として、冷却器68は、熱交換器66を経て降温した反応生成物が流れる内管と、反応生成物を冷却する冷媒体が流れる外管とからなる二重管式熱交換器として、それぞれ、構成されている。
熱交換器66で反応生成物により加熱された熱媒が予熱器64に入って反応物を予熱するように、熱交換器66の外管と予熱器64の外管とは、熱媒配管76により接続されている。
【0007】
反応物流体、例えば下水汚泥を送入する被処理液ライン78が予熱器64の内管に接続され、被処理液ライン78には、有機物を酸化する酸化剤、例えば空気を送入する空気ライン80が合流している。
下水汚泥は下水汚泥ポンプ82により、空気は空気圧縮機84により、それぞれ、被処理液ライン78及び空気ライン80に圧入される。
下水汚泥と空気とからなる反応物は、予熱器64で超臨界水酸化反応の反応温度まで予熱され、次いで反応器62に入り、反応器62の入口から出口に向かって流れる過程で、反応物中の有機物が、超臨界水反応により、主として、水と窒素と二酸化炭素とに転化し、反応生成物として反応器62から流出する。反応生成物は、熱交換器66の内管に入り、熱媒を加熱して自身は降温し、次いで冷却器68の内管に流入し、冷媒体、例えば冷却水により冷却されて流出する。
【0008】
冷却器68の内管の出口には、反応生成物ライン86が接続され、圧力制御弁70を経て、気液分離器72に接続されている。気液分離器72では、反応生成物は、気液分離され、ガス状の反応生成物とスラリー状の反応生成物とに分離される。ガス状の反応生成物は、大気放出又は次の処理工程に移行し、スラリー状の反応生成物は、固液分離器74に導入される。スラリー状の反応生成物は、固液分離器74で液状の処理液と無機固形物とに固液分離され、それぞれ、外部に送出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来、実用化されつつある超臨界水反応装置又は超臨界水反応装置は、上述のように連続式の反応装置であって、ベンチ・スケール等の実験装置を除いて実用的なバッチ式超臨界水反応装置は、現状では、種々の技術的な問題から実現されていない。
一方、超臨界水処理すべき対象物は、近年の環境汚染の拡がりに合わせて、種々雑多になっており、必ずしも連続式の反応装置で処理することができないような、汚染固形物、汚染土壌も処理する必要に迫られている。
【0010】
固形物を連続式の反応装置で処理する場合には、汚染固形物を粉砕してスラリー化することが必要であるが、汚染固形物によっては粉砕することが技術的に難しいものもある。
また、仮に汚染固形物を粉砕してスラリー化できたととしても、次のようなスラリー固有の問題がある。
第1には、粉砕された固形物が、沈降分離したり、浮上分離したりするために、固形物水スラリーを安定して連続式反応装置に送入することが難しいことが多い。
第2には、固形物を処理した際、上述のように固形物に含まれる無機物は超臨界水反応に与からないので、処理液と共に流出させることが、連続運転を継続する上で重要であるが、連続式反応装置では、無機物、又は無機物に由来する無機塩の排出が容易でない。
第3には、スラリーを取り扱う機器として特殊な機器を必要とし、市販品がないという問題、更には、スラリーを取り扱う機器の損傷が激しくて、短寿命のために、経済性に問題がある。
【0011】
そこで、被処理液又は被処理物をバッチ式で反応器に投入し、超臨界水処理を行うことが必要になっている。
また、バッチ式反応器は、被処理液を中和して被処理液の超臨界水処理に伴う反応器の腐食を抑制することが容易であり、またバッチ毎に反応容器を開放するので、中和に伴い析出した無機塩の排出が容易であるという優れた利点を有する。
以上の状況から、本発明の目的は、運転の容易な実用的なバッチ式超臨界水反応装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、従来、実用的なバッチ式超臨界水反応装置を実現できない技術的な問題点を研究した結果、問題点は次の事項に集約されることを見い出した。
第1の問題点として、超臨界水反応条件、例えば温度600℃、圧力25MPa下では、超臨界水の密度が、約0.07g/cm3 であって、通常の水に比べて著しく小さく、従って、処理対象物、水、、酸化剤及び補助燃料等を最初から反応器に入れて処理するならば、極めて容積の大きな反応容器が必要になって、設備費が嵩むので、装置の経済性が問題となる。
【0013】
第2の問題点は、反応器に投入する処理対象物と水との量的なバランスを正確に決めることが難しいことである。その結果、次に述べるように、反応温度の制御が難しいことである。
酸化反応開始温度をTS 、超臨界水酸化反応温度をTR とし、反応器の質量をWkg、反応器に投入した処理対象物、水、及び酸素ガスの質量をそれぞれXkg、Ykg、及びZkgする。また、反応器構成部材の平均比熱をCpwkcal/kg℃、反応器に投入した処理対象物、水、及び酸素ガスの平均比熱をそれぞれCpxkcal/kg℃、Cpykcal/kg℃、及びCpzkcal/kg℃とし、処理対象物の単位質量当たりの発熱量をHkcal/kgとする。
処理対象物の総発熱量XHは、上述の因子と次式の関係にある。但し、qは反応器から放熱された熱量である。
XH=(Y・Cpy+X・Cpx+Z・Cpz+W・Cpw)(TR −TS )+q
【0014】
従って、上述の式を満足させるように、放熱させることができないと、反応器内の温度が上昇し、反応の暴走等の恐れが多い。換言すれば、反応器内の温度を制御することが難しい。また、同じ反応器を使って処理対象固形物の量Xを増大させるには、放熱量qを増大させる必要がある。
しかし、バッチ式超臨界水反応器では、反応の進行を外部から制御する手段が乏しく、反応器内の温度が主として超臨界水反応の進行に委ねられるので、反応器内の温度を制御することは、技術的に極めて難しい。
【0015】
第3には、超臨界水反応が進行するに応じて、CO2 ガス或いはN2 ガス等がが発生して、反応器内の圧力が上昇し、その制御が難しい。
【0016】
そこで、本発明者は、第1の問題点は、セミバッチ式超臨界水反応器を設けることにより、第2の問題点は、反応器から流出する処理液の温度を測定し、その温度に基づいて酸化剤の流量を調節して反応器の温度を制御することにより、及び第3の問題点は、発生したCO2 ガス或いはN2 ガス等をを処理液とともに流出させることにより、それぞれ、解決することを着想し、実験を重ねて、本発明を完成する到った。
【0017】
上記目的を達成するために、上記知見に基づいて、本発明に係るバッチ式超臨界水反応装置は、開閉自在であって、処理対象物を収容し、超臨界水処理を施す反応器と、
反応器に超臨界水を送水する送水手段と、
反応器に酸化剤を送入する酸化剤送入手段と、
反応器から反応生成物を含む流体を流出させる反応生成物流出系統と、
反応器から流出する流体の温度を測定する温度計と、
温度計による温度測定値に基づいて、酸化剤の送入流量を調整して、流体の温度が目標温度になるように制御する温度制御装置と
を備えていることを特徴としている。
【0018】
本発明の好適な実施態様では、反応器から流出した流体中の水成分の水質を規定する規定因子を計測する水質計を反応生成物流出系に設ける。水質計で測定す定因子には、例えばTOC(全有機物)濃度があって、TOC濃度が低い値で一定な値になった時点で超臨界水反応の終点と判定することできる。水質計は反応器から流出した流体中の水成分の水質を計測できる限り、その計測場所に制約はない。また、処理対象物を支持し、生成反応物を通過させる目板状の支持板を反応器に設ける。これにより、反応器から流出した流体中の固形物の含有率を低い値に維持できる。
【0019】
本発明の更に好適な実施態様では、水を昇圧する昇圧ポンプと、水を昇温する加熱装置とを送水手段に設け、昇圧ポンプにより昇圧された水を加熱装置で所定の温度に昇温して反応器に送水する。
また、反応器から流出した流体を気液分離する気液分離器を反応生成物流出系統に設け、分離された液体を送水手段に送液し、加熱装置で昇温した後、超臨界水の少なくとも一部として反応器に送水する。
気液分離されたガス中のCO濃度を測定するCO濃度計を備えている。CO濃度が低い値で一定な値になった時点をもって、超臨界水反応の終点と判定することできる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例
本実施形態例は、本発明に係るバッチ式超臨界水反応装置の実施形態の一例であって、図1は本実施形態例のバッチ式超臨界水反応装置の構成を示すフローシートである。
本実施形態例のバッチ式超臨界水反応装置10は、粉砕し難い有機性固形物を超臨界水反応により処理する装置であって、図1に示すように、バッチ式反応容器12と、反応容器12に超臨界水を送入する送水手段14と、反応容器12に酸化剤として空気を送入する空気圧縮機16と、反応容器12から流出した反応生成物を含む流体を気液分離し、分離して得た水を送水手段14に合流させる反応生成物流出系統15と、空気圧縮機16の吐出空気量を調整して反応容器12内の温度を制御する温度制御装置18とを備えている。
【0021】
反応容器12は、処理対象物を内部に収容し、超臨界水処理を施す、開閉自在なオートクレーブ式の反応器であって、容器内部に処理対象物を支持し、生成反応物及び超臨界水を通過させる目板状の支持板19を有する。
水手段14は、水を収容した水タンク20と、水タンク20に収容された水を送水する送水ポンプ22と、送水ポンプ22によって送水された水と、反応容器12から流出した流体との間で換させて水を昇温すると共に流体を冷却する熱交換器24と、水を超臨界水反応に必要な所定の温度に昇温する加熱炉26とを備え、送水管28を介して超臨界水を反応容器12に送水する。
【0022】
空気圧縮機16は、回転数を変えることにより吐出流量を変えることができる流量可変式の圧縮器であって、空気供給管30及び送水管28を介して反応容器12に酸化剤として空気を送入する。
空気圧縮機16の吐出流量は、後述する温度計の測定温度に基づいて温度制御装置18により調整される。
【0023】
反応生成物流出系15は、反応容器12から流体を流出させる流出管32と、熱交換器24の上流の流出管32設けられた温度計34と、熱交換器24の下流に設けられた気液分離器36と、気液分離器36の圧力、従って間接的に反応容器12の圧力を制御する圧力制御機構38と、気液分離して得た水成分を送水するブースタ・ポンプ40とを備えている。
【0024】
温度制御装置18は、温度計34の温度測定値に基づいて、空気圧縮機16の回転数を調節して反応容器12に送入する空気の流量を調整し、反応容器12内の温度を所定温度に制御する。
即ち、温度計34の温度測定値が所定温度より高いときには、空気の流量を減少して超臨界水反応の進行を抑制し、温度計34の温度測定値が所定温度より低いときには、空気の流量を増大して超臨界水反応の進行を促進する。
【0025】
気液分離器36は、流体を気液分離してガス成分と水成分とに分離する。ガス成分は、気液分離器36の頂部に接続されたガス放出管42を経て大気に放出されるか、又は次の処理工程、例えばCOガスが許容量以上ガス中にに含まれている場合には、COコンバータに送られる。
気液分離器36の圧力を制御する圧力制御機構38は、ガス放出管42に設けられた圧力計44と、圧力調節弁46と、圧力制御装置48とから構成され、圧力制御装置48は、圧力計44の圧力測定値に基づいて、圧力調節弁46の弁開度を調節して気液分離器36の圧力、従って反応容器12内の圧力が所定圧力になるように制御する。
また、ガス成分中のCOガス濃度を測定するために、ガス放出管42にはCO濃度計50が設けてある。
【0026】
水成分はブースタ・ポンプ40により昇圧され、送水管52を経由して送水管52に合流する。送水管46には、水成分中のTOCを分析する分析計54が設けてある。
【0027】
次に、図1を参照して、本実施形態例のバッチ式超臨界水反応装置10を運転する方法を説明する。
先ず、反応容器12を開放して、バッチ運転1回分の処理対象物を支持板19上に載せ、反応容器12を閉止する。なお、処理対象物がスラリ状で充填可能な場合は、反応容器12を開放しないで、そのまま充填することもできる。
次いで、送水ポンプ22を起動して水タンク20から水を送水管28を介して熱交換器24を経由し、加熱炉26に送り、加熱して反応容器12に供給する。但し、初期状態では、高温の流体が反応容器12から流出していないので、熱交換器24では熱交換は生じない。
反応容器12からの流出水は、熱交換器24を通って気液分離器36に入り、ブースタ・ポンプ40により昇圧されて送水管52を経由、送水管28に入り、送水ポンプ22からの水と合流して加熱炉26で加熱され、次いで反応容器12に入り、徐々に循環が開始される。
ブースタ・ポンプ40による循環の水量が増加するにつれて、送水ポンプ22による送水量を減少させる。最終的には、ガス放出管42からガスと共に系外に流出する水の量だけ、送水ポンプ22により補充することになる。
【0028】
温度計34で測定した温度が370℃に到達した時点で、空気圧縮機16を起動して、空気供給管30及び送水管28を経由して水と共に空気を反応容器12に送入する。なお、システム圧力を一定とするために、スタートアップ時から空気圧縮機16を運転してもさしつかえない。
そして、温度制御装置18を動作させて、温度計34で測定した温度が所定温度になるように、空気圧縮機16の回転数を調整して、反応容器12に送入する空気量を調節する。
反応容器12内の条件が超臨界水反応の条件に到達すると、超臨界水反応が開始され、徐々に進行する。超臨界水反応の進行と共に流出管32から流出する流体は、ガス成分、例えばCOガス、COガスを同伴するようになり、気液分離器36で分離され、ガス放出管42介して放出される。同時に圧力制御装置48を動作させて、気液分離器36内の圧力、従って反応容器12内の圧力を所定の圧力に制御する。
【0029】
COガス濃度計50で計測したCOガス濃度が低い一定の値で持続されるようになると、反応容器12内の超臨界水反応が終点に達したと判定できる。
また、TOC分析計54で計測したTOC濃度が低い一定の値で持続されるようになると、同じく、反応容器12内の超臨界水反応が終点に達したと判定できる。なお、COガス濃度計50及びTOC分析計54のいずれか一方の測定値が、一定の値に達すると、反応容器12内の超臨界水反応が終点に達したと判定できるが、双方の測定値が一定の値に達したときに終点と判定する方がより確実である。
超臨界水反応が終点に達した時点で、バッチ式超臨界水反応装置10全体の圧力を降圧し、次いで反応容器12を開放する。
【0030】
本実施形態例では、更に、気液分離器36に液面計、ブースタ・ポンプ40の上流の送水管52に調節弁をそれぞれ設け、液面計による液面検出値に基づいて調節弁の弁開度を調節し、気液分離器36の液面を所定の位置に制御する液面制御装置を設けても良い。
また、本実施形態例では、圧力制御機構38が、気液分離器36の頂部に接続されたガス放出管42に設けられているが、圧力制御機構38を気液分離器36の上流の流出管32に設けてもよい。その際には、気液分離器36の圧力が低下するので、ブースタ・ポンプ40の所要ヘッドが増大する。なお、圧力制御機構38を気液分離器36の上流の流出管32に設ける場合は、熱交換器24の下流に設置することが好ましい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、超臨界水処理を施すバッチ式反応器と、反応器に超臨界水を送入する送水手段と、反応器に酸化剤を送入する酸化剤送入手段と、反応器から反応生成物を含む流体を流出させる流出系統と、反応器から流出する流体の温度を測定する温度計と、温度計の温度測定値に基づいて、酸化剤の送入流量を調整して、流体の温度が目標温度になるように制御する温度制御装置とを備えることにより、反応容器内の温度を確実に制御し、運転が容易で安全なバッチ式超臨界水反応装置を実現している。
また、反応器から流出した流体中の水成分の水質を規定する規定因子を計測する水質計を流出手段に設け、水質計で計測した規定因子が低い数値で安定した時点を超臨界水反応の終点とすることにより、容易に反応の終点を判定することできる。
更には、反応器から流出した流体を気液分離する気液分離器を流出手段に設け、分離された液体を送水手段に送水し、加熱装置で昇温した後、超臨界水の少なくとも一部として送水手段により反応器に送水することにより、循環経路を確立して、バッチ運転を容易にしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例のバッチ式超臨界水反応装置の構成を示すフローシートである。
【図2】従来の超臨界水反応装置の構成を示すフローシートである。
【符号の説明】
10 実施形態例のバッチ式超臨界水反応装置
12 バッチ式反応容器
14 送水手段
15 反応生成物流出系
16 空気圧縮機
18 温度制御装置
19 目板状の支持板
20 水タンク
22 送水ポンプ
24 熱交換器
26 加熱炉
28 送水管
30 空気供給管
32 流出管
34 温度計
36 気液分離器
38 圧力制御機構
40 ブースタ・ポンプ
42 ガス放出管
44 圧力計
46 圧力調節弁
48 圧力制御装置
50 CO濃度計
52 送水管
54 分析計
60 従来の連続式超臨界水反応装置
62 耐圧密閉型反応器
64 予熱器
66 熱交換器
68 冷却器
70 圧力制御弁
72 気液分離器
74 固液分離器
76 熱媒配管
78 被処理液ライン
80 空気ライン
82 下水汚泥ポンプ
84 空気圧縮機
86 反応生成物ライン

Claims (6)

  1. 開閉自在であって、処理対象物を収容し、超臨界水処理を施す反応器と、
    反応器に超臨界水を送水する送水手段と、
    反応器に酸化剤を送入する酸化剤送入手段と、
    反応器から反応生成物を含む流体を流出させる反応生成物流出系統と、
    反応器から流出する流体の温度を測定する温度計と、
    温度計による温度測定値に基づいて、酸化剤の送入流量を調整して、流体の温度が目標温度になるように制御する温度制御装置と
    を備えていることを特徴とするバッチ式超臨界水反応装置。
  2. 反応器から流出した流体中の水成分の水質を規定する規定因子を計測する水質計を反応生成物流出系統に設けたことを特徴とする請求項1に記載のバッチ式超臨界水反応装置。
  3. 処理対象物を支持し、生成反応物を通過させる目板状の支持板を反応器に設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載のバッチ式超臨界水反応装置。
  4. 水を昇圧する昇圧ポンプと、水を昇温する加熱装置とを送水手段に設け、昇圧ポンプにより昇圧された水を加熱装置で所定の温度に昇温して反応器に送水することを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のバッチ式超臨界水反応装置。
  5. 反応器から流出した流体を気液分離する気液分離器を反応生成物流出系統に設け、
    分離された液体を送水手段に送液し、加熱装置で昇温した後、超臨界水の少なくとも一部として反応器に送水することを特徴とする請求項4に記載のバッチ式超臨界水反応装置。
  6. 気液分離されたガス中のCO濃度を測定するCO濃度計を備えていることを特徴とする請求項5に記載のバッチ式超臨界水反応装置。
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