JP3686433B2 - 連続タバコ香味ウエブを備えた電気喫煙物品および該物品に用いる香味カセット - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、電気喫煙物品に関し、さらに詳しくは電気喫煙物品および電気喫煙物品に用いるタバコ香味媒体に関する。
【０００２】
【従来の技術】
一つのタイプの電気喫煙物品が、譲受人が本願発明と共通している米国特許第５０６０６７１号および同第５０９５９２１号に開示されている。なおこれらの特許はすべて本願に援用するものである。これらの電気喫煙物品では、タバコ香味媒体の香味部分、例えばタバコまたはタバコ由来の物質は、電気的に加熱されタバコ香味物質を放出する。タバコ香味物質が加熱されると、装置のマウスもしくは下流の末端で、喫煙者は、吸引することによって発熱要素中もしくはそのまわりの空気を吸込んでタバコ香味物質を受ける。
【０００３】
上記の特許には、可能性がある多数のヒータの形態が開示されているが、その多くは、炭素複合体材料製で所望の形態に成形されている。例えば、一つの形態として、中心で共通に接続されかつその外側の端縁で電源に別個に接続されるブレードの半径方向の配列がある。タバコ香味媒体を各ブレード上に堆積させ、次いでこれらのブレードを個々に加熱することによって、予め決められた数のタバコ香味物質の分離した部分を喫煙者に提供することができる。他の形態としては、各種の線状および管状の形態のものがあり、これらが細分されて多数の分離された加熱領域が提供される。あるいは、譲受人が本願と共通で同時係属出願中の米国特許第０７／９４３５０５号（１９９２年９月１１日付出願）に記載されているような半導体ヒータも使用することができる。なおこの特許願は本願に援用するものである。またその外のヒータ形態が、米国特許願第０７／９４３５０５号および譲受人が本願と共通し同時係属出願中の米国特許願第０７／９４３５０４号（１９９２年９月１１日出願）に開示されている。これらの出願も全体を本願に援用するものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
他の形態が提案されている。例えば、ヒータ材料の分離したフィンガーもしくはブレードの各種の配列を提供することができ、各ブレードは一回の吸込みを提供する。しかし、上記の援用した米国特許第５０６０６７１号に記載されているような適切なヒータ材料は一般に、ブレードが破壊する恐れなしに上記のブレード配列に配置するのに充分に強力でない。
【０００５】
前記のさきに本願に援用した米国特許第５０６０６７１号に開示されているように、かような発熱要素は、使い捨てで取替え可能なものが好ましい。それ故、これら発熱要素は比較的安価に製造しなければならない。さらに、タバコ香味媒体を発熱要素に容易にあてがい、その結果、発熱要素が起動されごとにタバコ香味物質の一部分もしくは一吸込み分を喫煙者に送り込み、一方タバコ香味媒体のどの部分も再加熱しないようにする方法がなければならない。
【０００６】
その上に、今まで述べた取替え可能なヒータ／香味ユニットは、タバコ香味媒体の個々の装填の数が限られており、したがって喫煙者には、タバコ香味物質の部分もしくは吸込みは限られた数しか与えられない。例えば、先に述べたタイプのヒータ／香味ユニットは、通常のシガレットに似せて８回または１０回の吸込みを提供できる。そのため、喫煙者はその電気喫煙物品を使う日は一日中連続的にヒータ／香味ユニットを変える必要がある。このようなヒータ／香味ユニットを変える度毎に、その電気喫煙物品の恒久部分の接点の摩耗が加わる。また使用済ヒータ／香味ユニットは各々廃棄物の容積を増大する。
【０００７】
本発明の目的は上記の欠点を克服もしくは軽減する改良装置を提供することである。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電気エネルギー源、タバコ香味媒体をそれに近接させて加熱する電気加熱手段、および前記電気エネルギー源からの電気エネルギーを前記電気加熱手段に加えて、タバコ香味物質をタバコ香味媒体から発生させ喫煙者に送り込み制御手段を備えた電気喫煙物品に用いるタバコ香味媒体送り込みシステムであって；それにそってタバコ香味媒体を有するウエブ；前記ウエブの一部を電気加熱手段に熱的に近接させて支持する手段；および前記ウエブを上記支持手段を通過して前進させて、前記タバコ香味媒体を前記電気加熱手段に提供する手段を備えている上記送り込みシステムを提供するものである。
【０００９】
また本発明は、電気エネルギー源；電気加熱手段；前記ウエブの一部を前記電気加熱手段に熱的に近接させて支持する手段；前記ウエブを前記支持手段を通過して前進させて、前記タバコ香味媒体を前記電気加熱手段に提供する手段；前記電気エネルギーからの電気エネルギーを前記電気加熱手段に加えて、タバコ香味物質を前記タバコ香味媒体から生成させ、喫煙者に送り込む制御手段；および前記電気加熱手段への電気エネルギーの付与から独立して前記前進手段を活性化させてウェブの連続部分を電気加熱手段に提供する手段を備えた、それにそってタバコ香味媒体を具備する、ウエブからタバコ香味物質を生成させる電気喫煙物品を提供するものである。
【００１０】
本発明はさらに、電気エネルギー源、タバコ香味媒体、および前記電気エネルギー源からの電気エネルギーを切換える制御器を備えた電気喫煙物品に使用する発熱要素であって；少なくとも一つの制御器と電気エネルギーの経路に電気的に接続された蛇行形導体を備え、そのため制御器が電源からの電気エネルギーを蛇行形導体に切換えて蛇行形導体を加熱し、および蛇行形導体をタバコ香味媒体に熱的に近接して配置し、蛇行形導体が加熱されると、タバコ香味物質をタバコ香味媒体から発生させる手段を備えた発熱要素を提供するものである。
【００１１】
本発明に実施態様は、タバコ香味媒体が実質的に連続したタバコ香味ウエブ中に含まれている電気喫煙物品を提供する利点がある。
【００１２】
これらの実施態様はさらに、取替え可能な香味ユニットはヒータ／香味ユニットがかような電気喫煙物品用に提供され、比較的多数の香味部分を提供することができ、そのため喫煙物品の恒久部分の摩耗を減らし、廃棄される材料の容積を減らしかつ喫煙者の便利さが増大するという利点がある。
【００１３】
また本発明の実施態様は、容易にかつ比較的低コストで製造できる、上記電気喫煙物品用の取替え可能な香味ユニットまたヒータ／香味ユニットを提供するという利点をもっている。
【００１４】
本発明の好ましい実施態様によれば、電気エネルギー源、タバコ香味媒体を有する細長いウエブ、タバコ香味媒体をそれに熱的に近接させて加熱する電気加熱手段、喫煙者が電気喫煙物品を吸うときを確認する吸込み感知手段、および吸込感知手段に応答して、電気エネルギー源からの電気エネルギーを電気加熱手段に加えて、タバコ香味物質をタバコ香味媒体から発生させて喫煙者に送り込む制御手段を備えた電気喫煙物品が提供される。また本発明は、ハウジングおよびそのハウジング内に収納された実質的に不燃性の細長いタバコ香味ウエブを備えた香味カセットを提供するものである。このタバコ香味ウエブはそれにそってタバコ香味媒体を具備している。またこのカセットはさらに、タバコ香味ウエブの一部分を電気加熱手段に熱的に近接させて保持する手段、およびタバコ香味ウエブを上記支持手段を通過して前進させてタバコ香味媒体を電気加熱手段に提供する手段を備えている。
【００１５】
本発明は、好ましくはカセット内に；比較的多数のタバコ香味媒体の部分を保持する実質的に連続した香味ウエブを提供することによって、“一日中”使用する電気喫煙物品を提供するものである。その結果、喫煙者は再々カセットを変える必要がなくせいぜい一日に一回であり、このことは、第一にこの喫煙物品を使用することは喫煙者にとって一層便利であり、第二に喫煙物品の恒久部分のインタフェース要素の摩耗と破損が少なくなり、および第三に使用済カセットから捨てられる廃棄物が少ないことを意味する。
【００１６】
好ましくはこれらの結果は、好ましくは実質的に不燃性の適切な材料製のベースウエブ上にタバコ香味媒体を設けることによって達成されるが、ベースウエブなしのタバコシート製ウエブも使用できる。このウエブをヒータを通過して前進させる適切な手段が提供される。ベースウエブの好ましい材料は、譲受人が本願と共通で同時係属出願中の米国特許願第０７／９４３７４７号（１９９２年９月１１日付出願）に記載されているような織布もしくは不織布の炭素繊維マットである。なおこの特許願は全体を本願に援用するものである。特に一層好ましいベースウエブ材料は米国特許願第０７／９４３７４７号に記載されているものに類似しているが、その炭素繊維はすべてウエブの長い寸法の方向に実質的に平行に配向され、その方向の引張り強さが最大になっている。さらに他の好ましい実施態様では、このウエブはタバコ香味媒体自体で製造できるが、このウエブは好ましくは炭素繊維で補強されまたその炭素繊維は連続しているものが最も好ましい。このような連続繊維で補強されたウエブは、再構成タバコ製品を製造する際に、当業者はよく知られている抄紙式方法を用いて連続タバコシートとしてウエブを流延し、そのとき炭素の連続フィラメントを上記のシートを流延する面の上に置くことによって製造することができる。
【００１７】
さらに、このタバコ香味ウエブは、ベースウエブを備えていてもいなくても、該ウエブの全幅よりも幅が小さい、補強材料製の縦方向の帯状体で補強してもよい。適切な補強材料としては、紙、金属ホイル、および金属ホイル／紙積層体があり、これらについては以下に詳細に考案する。
【００１８】
好ましい実施態様では、香味カセットはマイクロカセットテープレコーダに用いられているタイプのテープカセットに似ている。すなわち、ウエブは繰出しリールに巻かれそして巻取りリールに連結され、巻取りリールは、ウエブが消費されるにつれて回転しウエブを前進させる。この実施態様の一変形では、ヒータがカセット内に搭載されている。例えば、そのヒータは、マクイロカセットテープの圧力パッドが通常搭載されている場所に搭載されている。香味カセットの外側にある電気接点は電気喫煙物品の恒久部分の接点と係合して電力をヒータに与える。この実施態様の他の変形では、ヒータは喫煙物品の恒久部分に取付けられ、そして香味カセットはヒータがウエブに熱的に近接して突出する開口を備えている。
【００１９】
ヒータを通過して空気を吸込むことができるように、香味カセットに好ましくは空気流路が設けられる。より好ましくはカセットは喫煙者が用いるマウスピースを備え、そしてこのマウスピースは、香味カセットが喫煙物品に挿入されると、上記空気流路に接続しかつ喫煙物品から突出している。好ましい一実施態様では、マウスピースは後退させることができ、その結果、香味カセットはマウスピースを引込めたままで包装し販売することができる。最も好ましくはマウスピースは、後退可能でも後退できなくても、好ましくは取替え可能なフィルターを具備している。適正なフィルターは、通常のシガレットに用いられているタイプの通常の酢酸セルロース製フィルタープラグである。このプラグは吸口紙（ tipping paper ）で巻いてよく知られている快適な外観を与える。
【００２０】
ウエブはタバコ香味媒体の連続層を保持していてもよく、この場合、前進手段は、先に加熱されたタバコ香味媒体の部分が再び加熱されないように、吸込みの間隔を充分あけてウエブを前進させることが好ましい。このことは特にウエブが流延されたタバコシートの場合に言える。あるいはウエブは、互いに分離して熱をかけられるよう充分に間隔をおいて配置したタバコ香味媒体の個々の部分を保持していてもよく、その結果一つの部分が加熱されるとき、隣接部分は加熱されず、したがってウエブが使用されているときはどの部分も再加熱されない。この変形例では、ウエブは、ヒータが始動されるとき各部分がヒータと位置が正しく合致して、タバコ物質をその部分から生成させるのに充分な精度で前進させねばならない。
【００２１】
本発明の喫煙物品の“恒久”部分は、香味カセットを受け入れる空どうを有する通常のシガレットパックの大きさと形態でよい。その空どう内には、ヒータ；およびタバコ香味ウエブを前進させる繰出しリールと巻取りリールのボスと係合するキャプスタンに電力を送る上記の接点が設けられている。香味カセットが空どう内にあってそのマウスピースが突出している場合、その電気喫煙物品は、すみの開口から一本のシガレットが突出している通常のシガレットパックのよく知られている外観をもっている。
【００２２】
空どうは恒久部分の端部にあり、カセットは端を手前に向けて空どう内にすべりこませることができ、かつカセットテープレコーダの技術分野の当業者にとって公知である、カセットを挿入するときキャプスタンを後退させる適切な装置が設けられている。例えばカセットは、挿入されるとき、キャプスタンをわきに移動させるかまたはキャプスタンを外してわきに押しやるレバーを作動させることができる。あるいは、扉を恒久部分の側部に設け、カセットテープレコーダではよく知られている別の装置のキャプスタンに対してカセットを直接装填することができる。
【００２３】
また通常のマイクロカセットとは異なる形態のカセットを提供することもできる。同様に単一リールのタバコ香味ウエブを提供することができる。このような場合、ウエブはヒータを通過して前進させた後、恒久部分のハウジングから出して、喫煙者が引きちぎって廃棄するか、またはウエブを廃棄物容器に送り、喫煙者が定期的に空にしてもよい。
【００２４】
また恒久部分の中には、先に本願に援用した米国特許第５０６０６７１号および同第５０９５９２１号に記載されている電源（例えば単一もしくは複数の適切な電池）、制御回路および吸込み感知手段が入っている。本発明の喫煙物品に用いるこれら要素の特に好ましい実施態様は、譲受人が本願と共通で同時係属出願中の米国特許願第０７／９４３５０４号（１９９２年９月１１日出願）に記載されている。なおこの特許願はすべて本願に援用するものである。
【００２５】
また恒久部分にはキャプスタンを正確に駆動する適切な電動機が入っている。小部分を正確に前進させることができるパルスモータは、位置を正確に制御する必要がある用途例えばコンピュータのディスク駆動ヘッドの位置設定に用いることは公知である。あるいは、適切な減速装置を有する通常の直流電動機も使用できる。上記の制御回路は、喫煙者が、吸込むのを検出したときヒータに点火することに加えて、ウエブの各部分が加熱された後、次の吸込みにそなえて電動機に信号を送ってウエブを前進させる。代わりにウエブは、吸込みを検知したとき前進させ次いで加熱してもよいが、この方法は余り好ましくない。というのは、ウエブを前進させるのに時間が必要なのでタバコ香味物質の送り込みが遅れこれは喫煙者にとって容認できないからである。また制御回路は、例えば電動機がそれ以上ウエブを前進させることができないことを感知することによって香味カセットが消費されたときを検知することが好ましく、および先に援用した特許および特許願に記載されているように、ウエブに残っている香味部分の数またはカセットが消費されたことを適切なディスプレイを通じて喫煙者に示すことも好ましい。
【００２６】
あるいは、ウエブは喫煙者が手動で作動させる機械的リンク装置で前進させることができる。例えば充分押して解除したときウエブに正確な距離を前進させるトリガーを設けてもよい。
【００２７】
ウエブの前進させなければならない距離はウエブの材料の熱伝導率の関数である。ウエブの熱伝導率が高ければ高いほど、ヒータが作動している各時間に加熱される隣接領域が大きくなる。ウエブは、タバコ香味媒体のどの部分も再加熱されないよう充分大きく前進させなければならない。さもないと、先に無意識に加熱された部分を加熱して望ましくない物質が発生して異常な味が生じる。それ故に、好ましくは、ヒータの寸法によってウエブは約４ｍｍ〜約１０ｍｍ前進させなければならずこの距離は前進電動機が前進させなければならない距離である。個々のわかれた香味部分が提供される場合、香味部分は互いに分離して加熱されるように、すなわち特定の部分が加熱されているときに隣接部分も思いがけず加熱されることがないように、充分に間隔を置かなければならない。したがって、ウエブを前進させなければならない距離は、タバコ香味媒体の部分間のウエブの間隔距離の関数である。それ故に、好ましくは、各部分は隣接部分から約１ｍｍ〜約４ｍｍ離れており、これは前進電動機が前進させなければならない距離である。
【００２８】
ウエブを前進させる場合、繰出しリールは惰性で回転しないよう注意しなければならない。惰性で回転すると（ freewheel）、ウエブが供給し過ぎになったり、またはウエブの引張りがヒータと良好な熱接触を行うには不十分になる。このような惰性回転を防止し良好な熱接触を保証するため適切な通常の構造のブレーキを供給してもよい。すなわち繰出しリールのキャプスタンに作用するブレーキ（この場合ブレーキは喫煙物品の恒久部分内にある）または繰出しリール自体に作用するブレーキ（この場合ブレーキはカセット内にある）である。ブレーキがカセット内にある場合、カセットを取替えるごとに取替えられるのでブレーキが故障する確率は少ない。しかし好ましくは、ブレーキは、各カセットに新しいブレーキ機構を設ける経費と複雑さを回避するため恒久部分に設けるべきである。
【００２９】
適切なヒータとしては、先に援用した米国特許第０７／９４３５０４号、または譲受人が本願と共通で同時係属出願中の米国特許願第０７／９３１９９７号および第０７／９３２２２４号（両者ともに１９９２年８月１９日付出願で全体を本願に援用するものである）に記載されている炭素質の材料で製造することが好ましい。他の好ましい実施態様では、例えば譲受人が本願と共通で同時係属出願中の米国特許願第０７／９４３５０５号（１９９２年９月１１日付出願で、全体を本願に援用するものである）に記載されているようなシリコン半導体材料がヒータに用いられる。特に好ましい実施態様では蛇行形の金属ヒータが用いられる。好ましいヒータの材料は、(1) 約７５％のニッケル、約１６％のクロム、約４．５％のアルミニウム、約３％の鉄および痕跡量のイットリウムの合金であって、米国、インディアナ州、コフモ所在の Haynes International 社が登録商標ＨＡＳＴＥＬＬＯＹまたは同ＨＡＹＮＥＳ ２１４で販売しているような合金、(2) 約５１％のニッケル、約２４％のクロム、約１４％のタングステン、約５％のコバルト、約３％の鉄および約２％のモリブデンの合金であって、例えば Haynes International 社が登録商標ＨＡＹＮＥＳ ２３０で販売している合金、また(3) 約８０％のニッケルおよび約２０％のクロムの合金であって、例えば米国、ニュージャージー州、ハリソン所在の Driver - Harris Co. 社が登録商標ＮＩＣＨＲＯＭＥで販売されている合金である。
【００３０】
これらのヒータ材料の中には、上記のタイプのブレードヒータ構造にブレード破損の危険なしで使用するのにもろすぎるものがあるが、本発明で用いるタイプのシングルヒータは、このような危険を実質的になくすよう充分に支持することができる。最も重要なことは、ヒータが、一端だけで支持されるブレードではなくて両端で支持できることである。
【００３１】
ヒータをカセットに搭載する代わりに、ウエブとヒータ間の良好な接触を保証するために設けられたカセットの適切な構造を用いて、喫煙物品の恒久部分に搭載することができる。この場合、ヒータは、不必要な接触抵抗を免れない連結接点で接続されるのではなくて電源に直接接続できるという利点がある。しかし、恒久ヒータを用いる場合、ヒータを、発生するタバコ香味物質から隔離するよう予め注意することが好ましい。さもないとヒータは、喫煙物品の恒久部分の寿命期間（電源が取替え可能かまたは再充電可能な場合には極めて長い）にわたってタバコ香味物質の凝縮によって汚れる。ヒータ上に生成したタバコ香味物質のコーティングによって、ヒータの熱伝達性能が低下しかつそのコティングが再加熱されると異常な味が生じる。これに対してヒータをカセットとともに変えると、これらの影響はほぼ回避されるか減少する。
【００３２】
ヒータは好ましくは約４００℃〜約５００℃の温度に到達しなければならない。上記のヒータの材料はすべてこの温度範囲に到達することができる。しかし、その周囲の材料がこれらの温度に耐えることができるよう注意しなければならない。先に述べた炭素繊維のマットはこれらの温度に耐えることができる。カセットのハウジングが製造される材料は、通常プラスチックであるが、やはりこれらの温度に注意して選択しなければならず、またはヒータとハウジング間の適切な断熱を行わねばならない。
【００３３】
一旦正しい材料を選択すると、本発明のカセットは、公知のテープカセット製造技術によって比較的低コストで容易に製造することができる。必要なことのほとんどすべてが、通常の録音テープをウエブ材で取替えおよびプレッシャパッドをヒータで取替えることである。またウエブの経路は、タバコ香味ウエブが特に加熱された後もろすぎるため作ることができない急な曲がり経路を調節してゆるやかにすることが望ましい。
【００３４】
【実施例】
本発明の電気喫煙物品の第一実施態様の部分的概略図を図１〜図５に示す。電気喫煙物品１０は、恒久部分１１と香味カセット１２を備えている。恒久部分１１はカセット１２を受け入れる空どう１３を備えている。また恒久部分１１は電池すなわち電源２０、制御回路２１、吸込みセンサ２２および電動機２３を備えており、これはすべて前述のとおりである。空どう１３内に、恒久部分１１は、カセット１２内のヒータに電力を送るための一対の接点２４（一方の接点は図２に示し、一層の接点は空どう１３の向い側の壁にあり図２には図示していない）、および通常のテープ駆動キャプスタンのような一対のキャプスタン２５を備えている。なおこのキャプスタンの一方または両者は、電動機２３に２６にて機械的に連結されている（両方のキャプスタン２５が電動機２３に連結されている場合は、電動機２３は上記ブレーキとしての働きをすることができる）。上記のように、カセット１２を空どう１３内に挿入するときキャプスタン２５を後退させるのに適切な機械装置は、当該技術分野の当業者であれば提供することは可能であり、またはカセット１２を挿入するため扉（図示せず）を設けてもよい。
【００３５】
電源２０、回路２１、センサ２２、電動機２３および接点２４は適切な導線２７で連結されている。
【００３６】
上記のようにカセット１２は通常の録音テープマイクロカセットとほとんど同じ外観であり、繰出しリール４０と巻取りリール４１を備えこれら各リールはキャプスタン２５と係合する通常のボス４２を具備している。しかし録音テープの代わりに、繰出しリール４０は前述のようなウエブ４３を送り出しそのウエブはヒータ４５を通過するタバコ香味媒体の部分４４を保持している。ヒータ４５は両端をフランジ４６で保持されているが（一方のフランジが図示されている）、これらのフランジはカセット１２の大きい壁の各々に一つずつ設けられている。カセット１２の外側の接点３０は空どう内の接点２４と係合している。
【００３７】
またカセット１３は一端から延出するマウスピース３１を具備してる。マウスピース３１は、好ましくは、後退可能であり、それを案内しかつ延ばすことができないほどカセット１２の中へ深く挿入されるのを防止するレール４６が設けられている。梱包と出荷を容易にするため、カセット１２はマウスピース３１を後退させて出荷する。またマウスピース３１はフィルター３２例えば通常の酢酸セルロース製シガレットフィルターを備えている。
【００３８】
マウスピース３１は、カセット１２内の空気流路４７と流体連通している。空気流路４７は、壁４８がヒータ４５の上方で開口しているのを除いて、カセット１２の内部の他の部材から実質的に隔離されている。カセット１２が空どう１３に挿入されると、空気流開口４９によって空気流路４７と吸込みセンサ２２とが連通し、一方空気流開口４００によって、空気流路４７と、スクリーン５０によって外側の空気と接続している空気管２８とが連通する。
【００３９】
ウエブ４３は、繰出しリール４０は適切な制動（上記のような）およびウエブ４３の経路がウエブが常にヒータ４５に接触している経路であることを保証する案内部材４０１によってヒータ４５と適切に接触して保持されている。ウエブ４３は、香味部分４４がヒータ４５とは反対側の面上にあって流路４７に向くように装填される。
【００４０】
喫煙者がマウスピース３１を吸うと、吸込みセンサ２２がその吸込みを検出し、制御回路２１に適正な予め決められた期間ヒータ４５を作動させ、タバコ香味物質を二つの香味部分４４から空気流路４７中に発生させ、喫煙者は該流路から、タバコ香味物質を、空気管２８からの外部の空気とともに、フィルター３２を通じて自らの口中に吸込む。ヒータ４５が予め決められた時間を経過してから除勢された後、制御回路２１が電動機２３を作動させてウエブ４３を前進させる。
【００４１】
喫煙物品１０には、ヒータ４５の状態、各吸込みの間に与えられるロックアウト期間、および香味媒体部分４４の残数（またはウエブ４３の末端に到達したこと）を喫煙者に知らせるのに適切な表示器を（例えば恒久部分１１に）設けてもよい。これらのことはすべて先に本願に援用した特許および特許願に記載されていいる。
【００４２】
上記のように、カセット１２は、１日間またはそれ以上使用するのに充分な数の香味部分４４を保持する１枚のウエブを装填することができる。フィルター３２は、香味部分４４がすべて消費される前に飽和するかまたは使用不能になることがある。したがってフィルター３２は、喫煙者がカセット１２より一層頻繁に取替えることができるよう着脱できるようにする。
【００４３】
“恒久”部分１１は電源２０が消耗するまで再使用することができそのとき廃棄することはできる。あるいは電源２０は着脱可能で、取替え可能もしくは再充電可能（喫煙物品中または該物品の外部で）でもよい。これらのことはすべて前述の本願に援用した特許および特許願に記載されており、これらの場合はいずれも恒久部分１１は実質的に真に恒久的である。
【００４４】
本発明の第二の好ましい実施態様６０の一部分を図６と図７に示すが外の部分は図１〜図５の実施態様と同一である。この実施態様では恒久部分６０ａが、電源２０、回路２１およびセンサ２２ならびに空気管２８を第一実施態様と同様に備えている。しかし空どう６１は、ヒータ６２が空どう６１内に搭載されている点が空どう１３とは異なっている。好ましくはヒータ６２は、カセット７０のウエブ７１が良好に接触するようにばね６３上に取付けられる。また空どう６１は、カセット７０の制御接点７２と係合する制御接点６４を具備している。
【００４５】
カセット７０は、前述したのと同様に空気流路４７と、フィルター３２付きのマウスピース３１を具備している。しかしこの実施態様では、電動機７３はカセット内にあり、係合制御接点６４，７２を通じて制御される。さらに流路４７を形成する壁７４は壁４８とは異なりウエブ７１の経路のために二つの開口を有し、そのため、ウエブ７１を流路４７に送ってヒータ６２に接触させることができ次いで流路４７から巻取りリール４１にフィードバックされる。案内要素７５は適正なウエブ輸送経路を提供し、ヒータ６２とウエブ７１の良好な接触を保証する。最後に、この実施態様ではウエブ７１は、香味部分７６が内側に向いて外側のヒータ６２の反対側にあり流路４７に向くよう装填される。
図６と図７の実施態様の作動は、機能の点では図１〜図５の実施態様と同じである。別の実施態様では（図示せず）、ヒータは第二実施態様と同様に空どう内にあってもよいが電動機は第一実施態様と同様に恒久部分内にあるか、または電電動機は第二実施態様と同様にカセット内にあってもよいがヒータは第一実施態様と同様にカセット内にある。
【００４６】
図８〜図１１に示す第三の好ましい実施態様８０は主としてカセット１１０の構造が異なっている。カセット１１０は、カセット１２より、通常の録音テープカセットに近く、マウスピース延出部１１１が付加されている。その上に、ヒータアクセス口１１２がカセット１１０の側で切断されている。喫煙物品８０の空どう９０は、扉８１の下方で接近可能であり（扉８１は閉じた状態で示してある）、改変したカセット１１０を収納する形態になっている。喫煙物品１０と６０と同様に、喫煙物品８０は空どう９０中にキャプスタン２５を具備しおよび外界の空気を吸引できる空気流路２８と開口５０を備えている。
【００４７】
喫煙物品８０のヒータ９１は、適正な抵抗値を有する適切な導電体製の蛇行形金属ヒータである。好ましい材料は、前記のニッケル−クロム−アルミニウム−鉄イトッリウムの合金であり、登録商標ＨＡＹＮＥＳ ２１４およびＨＡＳＴＥＬＬＯＹで特定されている。先に引用し登録商標 Haynes ２３０およびＮＩＣＭＲＯＭＥで特定された別のニッケル−クロムベースの合金も使用できる。さらに白金−ロジウム合金も使用できる。
【００４８】
電源２０と制御回路２１を電気的に接続するリード線２７は、ヒータ９１の末端１０２，１０３に好ましくはレーザー溶接によって連結される。末端１０２，１０３は、リード線２７が貫通する断熱基板１０４に固定され、ヒータ９１は基板１０４に対してほぼ垂直である。一方基板１０４はセラミック支持体１０５に固定されている。基板１０４としては、例えば英国の Imperial Chemical Industries が販売しているようなポリエーテルエーテルケトン（ＰＥＥＫ）ポリマーが好ましい。セラミック支持体１０５としてはジルコニア、アルミナまたは二酸化チタン製のものが好ましい。またセラミック製クランピングブロック９２が基板１０４および支持体１０５に対して垂直に固定されており、またこのブロックは支持体１０５と同じ材料製のものが好ましい。クランピングブロック９２はヒータ９１をその頂部と底部で支持するが、クランピングブロック９２の中央部９３は、クランピングブロック９２に対する伝導熱損失を最小にするためにくぼませることが好ましい。クランピングブロック９２の領域９３の表面１０６は金の層１０７でコートして、ヒータ９１が放射する熱をウエブ４３に向けて反射させることが好ましい。
【００４９】
開口１１２がマウスピース延出部１１１の空気流路１１５の端部に直接隣接して配置され、喫煙者はタバコ香味物質がヒータ９１で発生すると直ちに吸引できるようになっている。フィルタープラグ３２は、マウスピース延出部１１１中に取替え可能に挿入される。喫煙物品１０では、フィルタープラグ３２のほとんどすべてがマウスピースの内側に入っているが、喫煙物品８０ではフィルタープラグ３２は大部分が目視可能である。したがって、プラグ３２は、いくつもの従来のシガレットに用いられているよく知られている“コルク”の吸口紙（ tipping paper ）のような快的な外観の適切な吸口紙を巻くことが好ましい。
【００５０】
マウスピース延出部１１１の側部のポート１１６は、流路１１５と空どう９０の床の対応するポート９４とを連通させ、一方そのポート９４は空どう９０の床の下方の吸込みセンサ１００（吸込センサ２２に類似している）に連通している。電動機１０１（電動機２３に類似している）も空どう９０の床の下方に配置されてい喫煙物品８０のキャプスタン２５を駆動する。
好ましくは直径が約０．０２４インチ（約０．６０９ｍｍ）〜約０．０３２インチ（約０．８１３ｍｍ）の圧縮管（ constricted tube ）１１７によって、喫煙者に対する圧力降下すなわち吸込み抵抗（ＲＴＤ）が水柱で約１０インチ（約２５４ｍｍ）〜約０．４インチ（約１０ｍｍ）および好ましくは水柱で約６インチ（約１５３ｍｍ）〜約４インチ（約１００ｍｍ）で与えられる。該圧縮管１１７をヒータ９１とポート１１６の間に設けると、圧力感知機能をカセット１１０の本体から分離することができ、適切な圧力降下を維持するためにカセット１１０の多くの開口をシールする必要がなくなる。
【００５１】
図１２〜図１４に示す第四の好ましい実施態様は通常のシガレットの形態であるが、一般的に直径と長さが大きい。この実施態様では、喫煙物品１２０は恒久部分１３０と香味カセット１３１を備えている。恒久部分１３０は、実質的に中空のシリンダーであり、前述の恒久部分１１に含まれているすべての機能要素がすべて含まれているが円筒形に充填されている。恒久部分１３０は、カセット１３１を挿入するための空どう１３２および空気管２８に類似の空気管（図示せず）を有し、その空気管は、スクリーン１３４の位置の外界空気と、カセット１３１の開口４００の位置のカセット１３１の空気流路４７とを連通している。空どう１３２は、形態を除いて前記空どう１３に類似しており、同様に、カセット１３１の外側の接点１３５（１個を示す）を通じてカセット１３１内のヒータ１４０を付勢するための接点２４（図１２〜図１４には図示せず）、ならびにらカセット１３１のボス１３３を係合するキャプスタン２５（図１２〜図１４には図示せず）を備えている。実際には、円筒形で示してあるがカセット１３１と空どう１３２の両者が直方体の場合がある。
【００５２】
カセット１３１には、カセット１２と同様にタバコ香味媒体を保有するウエブ４３の供給原料が入っている。しかし、カセット１３１の小さい容器中に充分なウエブ供給原料を収納するために、カセット１２のリールは、カセット１３１では一対の細長いベルト１４１，１４２で取替えられ、これらのベルトによって、カセット１３１の直径を過度に大きくすることなしに、ウエブの供給原料をカセット１３１の長さにわたって広げることができる。繰出しベルト１４１と巻取りベルト１４２の各々の一端はそれぞれ一つのボス１３３上を走行し、一方各ベルト１４１，１４２の他方の末端はそれぞれ二つのローラ１４３上を走行する。またカセット１３１は好ましくはマウスピース１４４内に取替え可能なフィルター３２を備えている。図に示すように、カセット１３１は、カセット１２のマウスピース３１のように、マウスピース１４４を引っ込める余地がない。しかし引っ込めることが可能なマウスピース１４４は、カセット１３１に類似のタイプの適切なカセットに提供することができる。
【００５３】
上記の４種の各実施態様では、ウエブは電気で前進させるが、手動で作動させる機械的リンク機構によって前進させることもできる。このようなリンク機構を用いる本発明の第五の好ましい実施態様を図１５〜図２０に示す。
喫煙物品１５０は、フィルタープラグ３２を挿入できるマウスピース１５１がコーナーではなくて該喫煙物品の一端の中央に位置していることを除いて、喫煙物品８０に形態が似ている。扉１５２がタバコ香味ウエブ１６０を装填するために設けられている。前進レバー１５３がスロット１５４に乗っており、図１５〜図２０に示す位置まで付勢される（図示せず）。
【００５４】
レバー１５３をスロット１５４の他の末端に移動させると、ウエブ１６０が、下記のようにリール１６１からヒータ９１を通過して供給される。ウエブ１６０はガイド１６４とほぼ正方形の駆動部材１６２，１６３の間を走行し、部材１６２，１６３の左回り回転（図１５〜図２０に示すように）およびローラ１６５の右回り回転によって前進する。部材１６２，１６３が図に示す状態にある場合、ウエブ１６０はヒータ９１に接触しているかもしくは近接して熱伝達に優れている。しかし、部材１６２，１６３が図に示す状態から４５°回転すると、コーナー１６６，１６７はガイド１６４の上部トレース１６８の近くに保持されヒータ９１から離れる。したがってウエブ１６０は、前進するときヒータ９１に接触してこすることはない。このようにすると、ヒータ９１の故障が最小になり、かつ特にウエブ１６０が加熱によって弱くなった後にヒータ９１にこすられる場合に起こる可能性があるウエブ１６０の偶発的な破損の機械が減少する。
【００５５】
部材１６２，１６３およびローラ１６５の前進は、レバー１５３で作動される図１７に示す機構によって行われる。レバー１５３を押し下げると、レバー１５３は、アーム１７０が保持しているピン１７１を、歯車１７３のラチェット歯１７２に対して押し付けて歯車１７３を右回りに回転させる。歯車１７３は、部材１６２，１６３と共通のシャフトでそれぞれ軸支されている歯車１７４，１７５を左回りに回転させ、その結果部材１６２，１６３を回転させる。同時に、歯車１７５は歯車１７６を右回りに回転させ、その結果ローラ１６５を右回りに回転させる。歯車比は部材１６２，１６３が正確に９０°回転するように選択され、かつ部材１６２，１６３の大きさは９０°回転するとウエブ１６０が所望の距離を前進するように選択される。このサイクルが完了してレバー１５３をはなすと、ばねの付勢（図示せず）によってレバーは元の位置に戻る。レバー１５３が元の位置に戻ると、ピン１７１は歯車１７３を回転させなくても歯車１７３のラチェット歯１７２を越えて元に戻る。
【００５６】
図１８〜図２０は喫煙物品１５０の三つの変形実施態様を示す。これら実施態様はすべて図１５〜図１７に示す手動前進システムを使用する。図１８に示す第一変形実施態様１８０では、電源および制御回路１５５はケース１８１の底部にある。タバコ香味ウエブ１６０は、繰出しリール１８２で供給される巻取りリール１８３で巻取られる。これら二つのリール１８２，１８３は別個のリールでもよく、またはカセット１８４の一部であってもよい。喫煙者が、要素１６２，１６３のまわりおよびこれら要素とガイド１６４の間にウエブ１６０を通過させることができるようにするため適切な手段（図示せず）を設けることができる。あるいは、特に、カセット１８４を設ける場合は、要素１６２，１６３，１６４をカセット１８４の一部として提供してもよく、その場合カセット１８４は喫煙物品１８０のシャフトが要素１６２，１６３，１６４と係合する開口（図示せず）を備えている。リール１８２，１８３（および要素１６２，１６３，１６４）はすべて扉１５２を通じて取替える。
【００５７】
喫煙物品１５０の第二変形実施態様１９０では、ウエブ１６０はやはりリール１８２で提供されるが巻取りリールはない。代わりに、ウエブ１６０の使用済の末端１９１はケース１８１のスロット１９２に案内され、ウエブはそのスロットから外に出る。突出た末端１９１は喫煙者がちぎって捨てる。
【００５８】
喫煙物品１５０の第三変形実施態様２００では、ウエブ１６０はやはりリール１８２で提供されるがやはり巻取りリールはない。この場合、ウエブ１６０の使用済末端２０１はケース１８１内の容器２０２に案内され、ウエブはその容器にたまる。ガイド２０３の上に乗っている容器２０２（二つ以上のガイド２０３を設けてもよい）は、喫煙者がハンドル２０４を定期的に使用して外し空にすることができる。
【００５９】
図示した各実施態様では電源は内蔵電池（取替え可能または再充填可能なものでもよい）であるが、コンデンサでもよい。このようにコンデンサの場合、充電接点は喫煙物品の表面に設けられる。このような接点は、電源が再充電可能であるが取外すことができない電池の場合にも設置される。最後にこの喫煙物品の電源は、外部電源に接続する連結部であってもよい。その連結部は適切な整流手段またはフィルタ手段を具備している。
【００６０】
本発明の香味ウエブの第一の好ましい実施態様では、タバコ香味媒体がウエブ２１０にそって連続的に配置され、図２２〜図２８に示す。図２２に示すように、ウエブ２１０はタバコ香味媒体２２０自体で製造され、例えば再構成されたタバコ製品を製造する際に公知の方法によって細長いシート形に形成される。このような変形例は、ウエブが喫煙物品を通じて通る経路の形態および予想される摩擦の大きさによって、いくつかの用途に充分なものである。その形態が、支持されていないウエブが破れることがあるような形態の場合、特に加熱された後ウエブが弱くなる場合は、図２３に示すような変形例が使用される。図２３に示すように、ウエブ２３０は、タバコ香味媒体２２０と支持層２３１の積層体である。支持層２３１は、先に述べた炭素繊維の織布マットもしくは不織布マットでもよく、これらのマットに用いるのに適切な炭素繊維としては、米国、イリノイ州シカゴに所在のAkzo America Inc. 社の子会社である米国、テネシー州、ロックウッドに所在のAkzo Fortafil Inc.社から、登録商標ＦＯＲＴＡＦＩＬ ３Ｃで入手できる１インチ長に切断された炭素繊維である。また支持層２３１は、層２２０に強度を付加し、かつ層２２０が異状な味を生成せずに加熱される温度に耐えることができる他の適切な材料（例えば適切に処理された紙）である。
【００６１】
支持層２３１によって与えられる以上に追加の支持体が必要な場合がある。図２４に示すように、ウエブ２４０はさらに補強帯状体２４１を備えている。帯状体２４１は、紙、金属フォイル、またはフォイル／紙積層体でもよく、そしてヒータとウエブ間の熱伝達を妨害するのを回避するため、ウエブ２４０の端縁部分のみ配置されている。図２５に示すように、帯状体２４１と類似の第二の補強帯状体２５１によってさらに支持することができる。二つの補強帯状体２４１，２５１を用いる場合、ウエブ２５０は、ヒータに対して充分な妨害されない領域２５２を提供するため幅をわずかに広くしなければならない。
【００６２】
他の変形例として、帯状体２４１または帯状体２４１，２５１の組合せで連続タバコ香味媒体帯状体２２０を支持するのに充分な場合があり、このような二つの変形例２６０，２７０を図２６と図２７に示す。
【００６３】
香味ウエブの第一実施態様の最終の変形例２８０のように、連続炭素繊維２８１を、上記の方法で層２２０を製造中に、層２２０中に埋込むことができる。適切な連続炭素繊維としては、米国、デラウエア州、ウィルミントンに所在の Hercules Corporation 社から入手できるＩＭ６型炭素繊維がある。
【００６４】
本発明の香味ウエブの第二の実施態様２９０を図２９に示す。この実施態様では、タバコ香味媒体２２０の個々の部分２９１を担体ウエブ２９２上に堆積させてある。図２３〜図２５に示す別の構造のいずれもこの実施態様に使うことができる。上記のように、この実施態様は、個々の部分２９１がヒータと位置が合致するように、ウエブを移動させるのに第一実施態様より精度を高くする必要がある。しかし各種のウエブの材料の相対熱伝導率によって、両方の実施態様は、上記のように吸込みの間にほぼ同じ距離を移動し、タバコ香味媒体の再加熱を防止して異常な味を生成しないようにしなければならない。
【００６５】
したがって、比較的多数の香味部分を提供し、その恒久部分の摩耗を減らし、材料の廃棄量を減らしかつ喫煙者の便利さを増大する電気喫煙器具およびこの器具に用いる取替え可能な香味ユニットまたはヒータ／香味ユニットが提供されたことが分かる。また電気喫煙物品に組込んで用いるかような取替え可能な香味ユニットまたはヒータ／香味ユニットを容易にかつ比較的低コストで製造することができた。当該技術分野の当業者は、本発明は本願に記載された実施態様以外の方法で実施できることを知っており、本願に記載の実施態様は本発明を例示することを目的として提供されたもので本発明を限定するものではなく、本発明は本願の特許請求の範囲によってのみ限定される。
【図面の簡単な説明】
【図１】図１は本発明の電気喫煙物品の第一の好ましい実施態様の分解斜視図である。
【図２】図２は図１に示す電気喫煙物品の恒久部分の図１の２−２線断面図である。
【図３】図３は図１に示す電気喫煙物品の香味カセットの図１の３−３線立面図である。
【図４】図４は図１に示す電気喫煙物品の香味カセットの図１の４−４線断面図である。
【図５】図５は図１〜図４に示す電気喫煙物品の斜視図である。
【図６】図６は本発明の電気喫煙物品の第二の好ましい実施態様の恒久部分の図２に類似の断面図である。
【図７】図７は本発明の電気喫煙物品の第二の好ましい実施態様の香味カセットの図４に類似の断面図である。
【図８】図８は本発明の電気喫煙物品の第三の好ましい実施態様の斜視図である。
【図９】図９は図８に示す電気喫煙物品の恒久部分の図８の９−９線断面図である。
【図１０】図１０の（Ａ）は図８と図９に示す電気喫煙物品の恒久部分の図９の１０Ａ−１０Ａ線断面図であり、（Ｂ）は図８と図１０（Ａ）に示す電気喫煙物品のヒータ集合体の拡大立面図であり、（Ｃ）は図１０（Ｂ）の１０Ｃ〜１０Ｃ線側面図である。
【図１１】図１１は図８〜図１０（Ａ）に示す電気喫煙物品の香味カセットの図８の１１−１１線立面図である。
【図１２】図１２は本発明の電気喫煙物品の第四の好ましい実施態様の斜視図である。
【図１３】図１３は図１２に示す電気喫煙物品の分解斜視図である。
【図１４】図１４は図１２と図１３に示す電気喫煙物品の香味カセットの図１３の１４−１４線断面図である。
【図１５】図１５は本発明の電気喫煙物品の第五の実施態様の斜視図である。
【図１６】図１６は図１５に示す電気喫煙物品の図１５の１６−１６線部分断面図である。
【図１７】図１７は図１５と図１６に示す電気喫煙物品の図１５の１７−１７線部分断面図である。
【図１８】図１８は図１５〜図１７に示す電気喫煙物品の第一変形実施態様の断面図である。
【図１９】図１９は図１５〜図１７に示す電気喫煙物品の第二変形実施態様の断面図である。
【図２０】図２０は図１５〜図１７に示す電気喫煙物品の第三変形実施態様の断面図である。
【図２１】図２１は本発明のタバコ香味ウエブの第一の好ましい実施態様の平面図である。
【図２２】図２２は図２１に示すタバコ香味ウエブの図２１の２２−２２線断面図である。
【図２３】図２３は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第一変形実施態様の図２２に類似の断面図である。
【図２４】図２４は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第二変形実施態様の図２２に類似の断面図である。
【図２５】図２５は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第三変形実施態様の図２２に類似の断面図である。
【図２６】図２６は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第四変形実施態様の図２２に類似の断面図である。
【図２７】図２７は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第五変形実施態様の図２２に類似の断面図である。
【図２８】図２８は図２１と図２２に示すタバコ香味ウエブの第六変形実施態様の部分平面図である。
【図２９】図２９は本発明のタバコ香味ウエブの第二の好ましい実施態様の平面図である。
【符号の説明】
１０，６０，８０，１２０，１５０，１８０，１９０，２００ 電気喫煙物品
１１，６０ａ，１３０ 恒久部分
１２，７０，１１０，１３１，１８４ 香味カセット
１３，６１，９０，１３２ 空どう
２０ 電源
２１ 制御回路
２２，１００ 吸込みセンサ
２３，７３，１０１ 電動機
２４，３０，１３５ 接点
２５ キャプスタン
２６，２７ 導線（リード線）
２８ 空気管
３１，１４４，１５１ マウスピース
３２ フィルター（プラグ）
４０，１８２ 繰出しリール
４１，１８３ 巻取りリール
４２，１３３ ボス
４３，７１ ウエブ
４４，７６ タバコ香味媒体の部分
４５，６２，９１，１４０ ヒータ
４６ ブランジ
４７，１１５ 電気流路
４９，５０，１１２，４００ 空気流開口
６３ ばね
６４，７２ 制御接点
７５，４０１，１６４，１６８ ウエブの案内部材
８１，１５２ 扉
９２ クランピングブロック
９３ クランピングブロックの中央の凹んだ領域
１０２，１０３ ヒータ９１の末端
１０４ 断熱基板
１０５ セラミック支持体
１０６ クランピングブロックの表面
１０７ １０６の上の金の層
１１１ マウスピース延出部
１１２ ヒータアクセス口
１１７ 圧縮管
１４１ 繰出しベルト
１４２ 巻取りベルト
１４３，１６５ ベルトのローラ
１５３ 前進レバー
１５４ スロット
１５５ 電源および制御回路
１６０，２１０，２８０，２９０ タバコ香味ウエブ
１６１ リール
１６２，１６３ ほぼ正方形の駆動部材
１６５ ローラ
１６６，１６７ 正方形駆動部材１６２，１６３のコーナー
１７０ アーム
１７１ アーム１７０が保持するピン
１７２ ラチェット歯
１７３，１７４，１７５，１７６ 歯車
１８１ ケース
１９１，２０１ ウエブの使用済末端
２０２ 容器
２０３ 容器２０２のガイド
２２０ タバコ香味媒体
２３０，２４０，２５０，２６０，２７０ 積層香味ウエブ
２３１ 積層香味ウエブ中の支持層
２４１，２５１ 補強帯状体
２９２ 担体ウエブ

Claims (43)

1. タバコ香味媒体を有するウエブを持つ、タバコ香味物質を生成させる電気喫煙物品であって；
   電気エネルギー源（２０）；
   電気加熱手段（４５）；
   前記ウエブの一部分を前記電気加熱手段に熱的に近接させて支持する手段（４０１）；
   前記ウエブを前記支持手段を通過して前進させて前記タバコ香味媒体を電気加熱手段に提供する手段（４０，４１，４２）；
   前記電気エネルギー源からの電気エネルギーを前記電気加熱手段に加え、タバコ香味物質を前記タバコ香味媒体から生成させて喫煙者に送り込む制御手段（２１）；および
   喫煙者が吸込む空気が電気加熱手段に隣接したウエブの上を流れてタバコ香味物質を前記喫煙者に送り込むことができる空気流路手段（４７）；
   を備えた電気喫煙物品。
2. 前記前進手段が、
   前記電気加熱手段に提供する前の前記ウエブ供給原料を保持する手段（４０）；および
   前記電気加熱手段に提供して加熱した後の前記ウエブの使用済部分を保持する手段（４１）；
   からなる請求項１に記載の物品。
3. ウエブ供給原料保持手段（４０）が繰出しリールからなり、使用済部分保持手段（４１）が巻取りリールからなり、および前進手段がさらに喫煙物品の制御手段とインタフェースし少なくとも一つの巻取りリールと繰出しリールを回転させる前進手段のインタフェース手段（４９）を備えている請求項２記載の物品。
4. さらに、前記巻取りリールが前記原因手段によって回転させられそして前記ウエブが前進するとき、前記繰出しリールの回転を抑制することによって前記ウエブの引張りを維持する手段を備えている請求項３記載の物品。
5. 前進手段が巻取りリールを回転させる手段（４２）を備え、および前進手段のインタフェース手段が該回転手段を回転させる手段（２５）を備えている請求項３に記載の物品。
6. 前記回転手段が電気で作動され、および前記回転手段を回転させる手段が電気エネルギーを該回転手段に加える回転手段の接点手段を備えている請求項２記載の物品。
7. ウエブ供給原料保持手段が繰出しリール（４０）を備え、ウエブ使用済部分保持手段が巻取りリール（４２）を備え、前進手段が巻取りリールを回転する手段を備え、該回転手段が機械的に作動され、かつ
   第一と第二の状態間を移動可能なレバー（１５３）および巻取りリールに作動的に接続されているラチェットホイール（１７３）を備え；ならびに
   該レバーは、第一状態から第二状態に移動させると該ラチェットホイールを回転させ、該ラチェットホイールは、レバーが第二状態から第一状態に戻ると静止したままである；
   請求項２記載の物品。
8. 前進手段が繰出しリールも回転させる請求項７記載の物品。
9. 前進手段が、ウエブを前進させるとき、ウエブをヒータから離れさせる請求項７記載の物品。
10. 前記前進手段が、ウエブを前進させることが完了したときにウエブをヒータの方に移動させて戻す請求項９記載の物品。
11. 前進手段が、ラチェットホイールに作動的に接続されたほぼ正方形の一対の前進部材（１６２，１６３）を備え、この前進部材はレバーを第一状態から第二状態に移動させたときにともに回転し；レバーが第一状態にあるとき正方形前進手段は、一方の正方形前進手段の一辺が、ヒータおよび他方の正方形前進手段のそれぞれの辺と第一ラインを形成する状態にあり、ウエブはこれらの辺にそってかつヒータに隣接し；ならびにレバーを第一状態から第二状態に移動させると、正方形前進部材のそれぞれのコーナーは、第一ラインから移動して離れ次に第一ラインの方に移動する第二ラインを形成し、ウエブは前進中、第二ラインにそって位置しヒータから離して保持される；
    請求項１０記載の物品。
12. さらに前記ウエブを収納する取外し可能なカセット（１２）および取外し可能なカセットを受け入れる手段（１３）を備えている請求項１に記載の物品。
13. 電気加熱手段がカセット内にあり、およびカセットがさらに電気加熱手段を電気エネルギー源に接続する電気ヒータ接点手段を備えている請求項１２記載の物品。
14. 取外し可能なカセットを受け入れる手段（１３）が、大きさと形態が取外し可能なカセットに合致する容器を喫煙物品内に備え、およびウエブ前進手段と制御手段の間のインタフェースを行う手段を該容器中に備えている請求項１３記載の物品。
15. ウエブ前進インタフェース手段が電気または機械による手段である請求項１４記載の物品。
16. 電気加熱手段がカセット内にあり、および該カセットがさらに、電気加熱手段を電気エネルギー源に接続する電気ヒータ接点手段を備え；さらに
    前記電気エネルギー源からの電気エネルギーを前記電気ヒータ接点手段に加える手段を該容器内に備えている；
    請求項１５記載の物品。
17. さらに、タバコ香味物質を保有する空気を喫煙者が吸込む空気流路手段（４００）と流体連通しているマウスピース手段（３１）を備えている請求項１記載の物品。
18. マウスピース手段が、前記タバコ香味物質を保有する前記空気を濾過する濾過手段（３２）を備えている請求項１７記載の物品。
19. 空気流路が吸込み抵抗を維持する手段を備えている請求項１記載の物品。
20. 前記吸込み抵抗を維持する手段がヒータの下流にある請求項１９記載の物品。
21. 吸込み抵抗を維持する前記手段が空気流路の圧縮構造体で構成されている請求項１９記載の物品。
22. 前記電気加熱手段が炭素質の抵抗物質または半導体の物質で構成されている請求項１に記載の物品。
23. 半導体の物質がシリコンで構成されている請求項２２記載の物品。
24. 電気加熱手段がセラミック製基板で構成されている請求項１に記載の物品。
25. セラミック製基板がジルコニアまたはアルミナで構成されている請求項２４記載の物品。
26. 前記セラミック製基板がアルミナで構成されており、前記ウエブがさらに前記タバコ香味媒体の支持層（２３１）を備えている請求項２５に記載の物品。
27. タバコ香味媒体が、前記ウエブにそってほぼ連続的にまたは前記ウエブにそって間隔を置いた個々の部分に分布している請求項２６記載の物品。
28. 支持層（２３１）が炭素繊維製マットで構成されている請求項２７記載の物品。
29. ウエブが補強層（２４１）を備えている請求項１に記載の物品。
30. 補強層（２４１）が、幅がウエブの幅より小さい帯状体で構成されている請求項２９記載の物品。
31. 前進手段（４０，４１，４２）が、電気加熱手段に提供し加熱した後の前記ウエブの使用済部分を外に出す手段を備えている請求項１記載の物品。
32. ウエブ供給原料支持手段が繰出しベルト（１４１）で構成されおよび使用済部分支持手段が巻取りベルト（１４２）で構成され、ならびに前進手段がさらに繰出しベルトを回転させる手段（１３３）を備えている請求項２記載の物品。
33. さらに、喫煙者が喫煙物品を吸うときを確認する吸込み検知手段（２２；１００）を備えており、制御手段が吸込み検知手段に反応する請求項１に記載の物品。
34. 電気加熱手段が制御手段（２１）および電気エネルギー源（２０）の少なくとも一つに電気的に接続された蛇行形導体（９１）を有する発熱要素を備え、その結果該制御手段が電気エネルギー源からの電気エネルギーを蛇行形導体に切換えて蛇行形導体を加熱し、そして物品がさらに、該蛇行形導体をタバコ香味媒体に熱的に近接させて配置し、蛇行形導体が加熱されるときにタバコ香味物質をタバコ香味媒体から発生させる手段（９２，１０４，１０５）を備えている請求項１記載の物品。
35. 前記蛇行形導体（９１）が金属合金で構成されている請求項３４記載の物品。
36. 前記金属合金がニッケルおよびクロム、およびアルミニウム、鉄およびイットリウムもしくはタングステン、コバルト、鉄およびモリブデンから選択された少なくとも一つの金属で構成されている請求項３５記載の物品。
37. 前記配置手段がさらに、前記蛇行形導体にほぼ直角の断熱基板（１０４）を備え、前記蛇行形導体の両末端（１０２，１０３）が前記断熱基板をほぼ垂直に貫通して延出している請求項３６の物品。
38. 前記配置手段がさらに、前記断熱基板に隣接してほぼ平行なセラミック製支持体（１０５）を備え、前記蛇行形導体の前記両末端（１０２，１０３）が前記セラミック製支持体を貫通して延出している請求項３７記載の物品。
39. 前記配置手段がさらに、前記断熱基板からほぼ垂直に延出し前記蛇行形導体に隣接しかつほぼ平行であり、前記蛇行形導体を支持するセラミック製クランピングブロック（９２）を備えている請求項３８記載の物品。
40. 前記セラミック製支持体または前記セラミック製クランピングブロックが、
    ジルコニア、
    アルミナ、
    二酸化チタン、および
    それらの組合せ、
    からなる群から選択されるセラミック材料で構成されている請求項３９記載の物品。
41. 前記クランピングブロックが、前記断熱基板に隣接する第一端縁、前記断熱基板から離れて位置している第二端縁、および上記第一と第二の端縁間の凹んだ領域を有し、および前記蛇行形導体が前記第一と第二の端縁によって支持されかつ前記クランピングブロックの前記凹んだ部分とは接触せず、そのため、前記蛇行形導体から前記クランピングブロックへの熱の伝導が最小になる請求項４０記載の物品。
42. 前記クランピングブロックの前記凹んだ領域の表面が、前記蛇行形導体によって生成される熱を反射するよう処理されている請求項４１記載の物品。
43. 前記の反射するよう処理された表面（９３）が反射性金属（１０７）でコートされている請求項４２記載の物品。

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