JP3685087B2 - リプル電圧検出方法及び検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はリプル電圧を検出する技術に関し、特に多相交流から整流されて得られた直流についてのリプル電圧を検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
交流から整流されて得られた直流についてリプル電圧を検出することは、特に当該直流が負荷の動作電源として採用される場合に重要な技術である。そしてリプル電圧を検出するため、従来から、例えば当該直流をサンプリングし、そのサンプリングした値からリプル電圧振幅を見積もる技術が存在する。
【0003】
図8及び図9は従来のリプル電圧検出方法を示すグラフである。ここでは電源周波数が50Hzの三相交流に基づいて全波整流を行って得られた直流電圧VDCを例に採って説明する。直流電圧VDCでは、三相交流の電源周波数を反映して、ほぼ10ms(ミリ秒)毎に山谷が発生する。
【0004】
図8は三相交流に欠相が生じていない場合の直流電圧VDCの振る舞い及びサンプリングの様子を示している。三相交流に欠相が生じていない場合、電源周波数が50Hzであるので、全波整流されて得られた直流電圧VDCはほぼ周期がT1=10msの波形を呈している。従って、サンプリング期間としてτ=10msが設定され、例えばサンプリング期間の中で10回のサンプリングが行われる。
【0005】
リプル電圧を検出する際、ノイズの影響を排除することが望ましい。即ちノイズによって瞬時的に大きな、あるいは小さな値が発生しても、これをリプル電圧振幅の見積もりから除外する。具体的には、サンプリング期間τでサンプリングされた値のうち、最大値VM1と最小値Vm1との差ではなく、2番目に大きい値VM2と2番目に小さい値Vm2との差でリプル電圧振幅を見積もる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図9は三相交流のうち、一相が欠相した場合の直流電圧VDCの振る舞い及びサンプリングの様子を示している。この場合には、欠相を反映して直流電圧VDCはほぼT2=20ms周期の波形を呈している。従って、サンプリング期間τを含む周期T2であってサンプリング期間τではない10msの期間Zにおける直流電圧VDCの値は、リプル電圧振幅の見積りには採用されないことになる。しかしこれではリプル電圧振幅の端近傍のサンプリング値を得ることができず、見積りに大きな誤差が生じることは明白である。
【0007】
しかしながら、上記の問題を解消すべく、単にサンプリング期間τを直流電圧VDCの周期T2と等しく20msに設定すると、上述のノイズの除去が困難となる。
【0008】
図10は三相交流に欠相が生じていない場合の直流電圧VDCの振る舞い及びサンプリングの様子を示しており、サンプリング期間τ=20msを採用した場合を示している。三相交流に欠相が生じていない場合には上述のように直流電圧VDCは周期がT1=10msの波形を呈している。従って、ノイズについてもτ/T1=2(回)生じる可能性が高く、2番目に大きい値VM2と2番目に小さい値Vm2との差でリプル電圧振幅を見積もってもノイズの影響を除去することは困難となる。
【0009】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、多相交流に欠相が生じているか否かに拘わらずに、ノイズの影響を除去し、かつ誤差も小さなリプル電圧を検出する技術を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この発明のうち請求項1にかかるものは、多相交流(1)を全波整流して得られた直流電圧(VDC)に対し、サンプリング(S100)を行ってそのリプル電圧を検出するリプル電圧検出方法である。そして、前記サンプリングが複数回行われる単位サンプリング期間(τ)を連続してN(N≧2)回設け、(a)前記単位サンプリング期間の各々において、i(i≧2)番目に大きなサンプリング値である擬最大値(VMi,k)及び、j(j≧2)番目に小さなサンプリング値である擬最小値(Vmj,k)を求めるステップ(S11,S12)と、(b)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最大値の中での最大値たる第1値(VMM)を求めるステップ(S15)と、(c)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最小値の中での最小値たる第2値(Vmm)を求めるステップ(S16)と、(d)前記第1値から前記第2値を差し引いて前記リプル電圧を見積もるステップ(S17)とを備える。
【0011】
この発明のうち請求項2にかかるものは、請求項1記載のリプル電圧検出方法であって、前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の周期(2T)の半分以下である。
【0012】
この発明のうち請求項3にかかるものは、請求項2記載のリプル電圧検出方法であって、前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の前記周期(2T)の1/N以上に設定される。
【0013】
この発明のうち請求項4にかかるものは、請求項3に記載のリプル電圧検出方法であって、i=2である。
【0014】
この発明のうち請求項5にかかるものは、請求項3に記載のリプル電圧検出方法であって、j=2である。
【0015】
この発明のうち請求項6にかかるものは、多相交流(1)を全波整流して得られた直流電圧(VDC)に対し、サンプリング(S100)を行ってそのリプル電圧を検出するリプル電圧検出装置である。そして、前記サンプリングが複数回行われる単位サンプリング期間(τ)を連続してN(N≧2)回設け、(a)前記単位サンプリング期間の各々において、i(i≧2)番目に大きなサンプリング値である擬最大値(VMi,k)及び、j(j≧2)番目に小さなサンプリング値である擬最小値(Vmj,k)を求めるステップ(S11,S12)と、(b)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最大値の中での最大値たる第1値(VMM)を求めるステップ(S15)と、(c)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最小値の中での最小値たる第2値(Vmm)を求めるステップ(S16)と、(d)前記第1値から前記第2値を差し引いて前記リプル電圧を見積もるステップ(S17)とを実行する。
【0016】
この発明のうち請求項7にかかるものは、請求項6記載のリプル電圧検出装置であって、前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の周期(2T)の半分以下である。
【0017】
この発明のうち請求項8にかかるものは、請求項7記載のリプル電圧検出装置であって、前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の前記周期(2T)の1/N以上に設定される。
【0018】
この発明のうち請求項9にかかるものは、請求項8に記載のリプル電圧検出装置であって、i=2である。
【0019】
この発明のうち請求項10にかかるものは、請求項8に記載のリプル電圧検出装置であって、j=2である。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1は本発明にかかるリプル電圧検出方法が採用されるインバータシステムの構成を示すブロック図である。多相、例えば三相の交流電源1から三相交流がダイオードブリッジ2に与えられて全波整流され直流電圧VDCが得られる。但し直流電圧VDCは平滑コンデンサ3によって平滑される。直流電圧VDCはインバータ6に与えられる。インバータ6は多相、例えば三相のモータ7を駆動する。インバータ6の動作は、制御回路5に備えられたモータ制御部53によって制御される。
【0021】
直流電圧VDCは抵抗4によってモニターされ、モニターされた値は制御回路5に備えられたDC電圧検出部51に入力する。DC電圧検出部51は後述する方法で直流電圧VDCのリプル電圧を見積り、リプル電圧が所定のしきい値を超えると、制御回路5に備えられたリプル電圧保護部52に対してリップル保護制御を行わせる。リップル保護制御の具体例として、モータ制御部53において速度指令に拘わらず、モータ7をより低速に運転、あるいは停止させる制御を挙げることができる。
【0022】
DC電圧検出部51、リプル電圧保護部52、モータ制御部53を備えた制御回路5は、直流電圧VDCを入力するアナログ入力端を有するマイクロコンピュータを用いて実現することができる。
【0023】
図2及び図3は本発明においてリプル電圧検出方法を示すグラフである。ここでも電源周波数が50Hzの三相交流に基づいて全波整流を行って得られた直流電圧VDCを例に採って説明する。
【0024】
本発明ではサンプリング期間は、単位サンプリング期間をN(≧2)回連続して繰り返して得られるτ・Nの長さに設定される。直流電圧VDCは長さτ・Nの期間においてサンプリングされるので、τ,Nを適切に設定することにより、三相交流に欠相が生じているか否かに拘わらず、長さτ・Nを直流電圧VDCの変動周期よりも大きくすることができる。
【0025】
単位サンプリング期間では抵抗4でモニターされた直流電圧VDCのサンプリングが複数回行われる。例えば単位サンプリング期間としてτ=10msが設定され、サンプリング期間の中で1ms毎に10回のサンプリングが行われる。
【0026】
第k(1≦k≦N)番目の単位サンプリング期間においては、i(i≧2)番目に大きなサンプリング値である擬最大値VMi,k及び、j(j≧2)番目に小さなサンプリング値である擬最小値Vmj,kが求められる。従来の技術と同様にノイズの影響を排除するため、リプル電圧の見積りにおいてはサンプリング値の最大値VM1,k、サンプリング値の最小値Vm1,kを採用しない。図2及び図3ではi=2,j=2の場合が例示されているが、これよりも大きい値に設定してもよい。あるいはノイズが高電位側にしか生じないことが予め判明している場合には、擬最小値Vmj,kではなく、最小値Vm1,kを採用してもよい。あるいはまたノイズが低電位側にしか生じないことが予め判明している場合には、擬最大値VMi,kではなく、最大値VM1,kを採用してもよい。
【0027】
図2は三相交流に欠相が生じている場合のグラフである。欠相が生じているので、全波整流されて得られた直流電圧VDCは、ほぼ周期が20msの波形を呈している。換言すれば電源周波数50Hzの三相交流の周期を2Tとすると、直流電圧VDCはその周期2Tで繰り返された波形を呈している。
【0028】
図3は三相交流に欠相が生じていない場合のグラフである。欠相が生じていないので、全波整流されて得られた直流電圧VDCは、ほぼ周期が10msの波形を呈している。換言すれば電源周波数50Hzの三相交流の周期2Tの半分の周期Tで繰り返された波形を直流電圧VDCが呈している。
【0029】
従ってτ・Nを適切に設定することにより、欠相が生じているか否かに拘わらず、直流電圧VDCの変動周期よりも長い期間でサンプリングすることができる。
【0030】
そして第1番目の単位サンプリング期間において、擬最大値と擬最小値が求められる。第1番目の単位サンプリング期間において最大値、擬最大値、最小値、擬最小値はそれぞれVM1,1,VM2,1,Vm1,1,Vm2,1として示されている。同様にして第2番目の単位サンプリング期間において最大値、擬最大値、最小値、擬最小値はそれぞれVM1,2,VM2,2,Vm1,2,Vm2,2として示され、第N番目の単位サンプリング期間において最大値、擬最大値、最小値、擬最小値はそれぞれVM1,N,VM2,N,Vm1,N,Vm2,Nとして示されている。
【0031】
更にN個の単位サンプリング期間の擬最大値VMi,1,…,VMi,Nの中での最大値VMMが求められる。またN個の単位サンプリング期間の擬最小値Vmj,1,…,Vmj,Nの中での最小値Vmmが求められる。そして最大値VMMから最小値Vmmを差し引いてリプル電圧が見積もられる。
【0032】
このような操作によってリプル電圧を見積もっても、三相交流に欠相が生じている場合にノイズの影響を排除して、しかもτ・N≧2T、即ち単位サンプリング期間の長さを三相交流の周期2Tの1/N以上に設定することにより、リプル電圧振幅の端近傍のサンプリング値を得ることができる。
【0033】
また擬最大値及び擬最小値は単位サンプリング期間の各々において求められるので、長さτを適切に設定することにより、三相交流に欠相が生じている場合はもちろん、生じていない場合にも、擬最大値及び擬最小値を規定する順序i,jを固定して設定することができる。
【0034】
具体的には単位サンプリング期間τは、三相交流の周期2Tの半分T以下に設定されることが望ましい。τ>Tに設定すると、三相交流に欠相が生じていない場合に周期的に発生するノイズ、例えば図2においてVM1,1,VM1,2として示されるサンプリング値を与えるノイズの両方が単位サンプリング期間τに含まれる可能性がある。その場合に擬最大値や擬最小値を規定する順序i,jを例えば2に固定して設定しては、ノイズの影響を排除することができないからである。図2ではτ=Tに設定した場合を例示しているが、τ<Tの場合は図2に示す場合と実質的に同様に考えることができる。
【0035】
上述のようにして単位サンプリング期間毎に得られた擬最大値の中の最大値と、単位サンプリング期間毎に得られた擬最小値の中の最小値との差でリプル電圧を見積もるので、多相交流に欠相が生じているか否かに拘わらず、これを全波整流して得られた直流電圧VDCをサンプリングした値から、ノイズの影響を排除して適切にリプル電圧を見積もることができる。
【0036】
以上の説明では単位サンプリング期間τをN回連続して繰り返す期間においてサンプリングを行う技術を説明したが、これはサンプリングを行う期間の長さをτ・Nに限定することを意味するものではない。サンプリング自体はサンプリング周期、例えば上述の例では1ms毎に常時行っておいてもよい。その場合には、リプル電圧を見積もるのに用いられる最大値VMM、最小値Vmmを求めるための期間をτ・N毎に設定することになる。
【0037】
図4及び図5は上述の処理を示すフローチャートである。この図に示された処理の流れ(フロー)は制御回路5において、中でもDC電圧検出部において実行される。上述のように制御回路5はマイクロコンピュータを用いて実現することができるが、必ずしもDC電圧検出部51、リプル電圧保護部52、モータ制御部53のそれぞれの機能を果たすブロックに分かれて構成されている必要はない。少なくとも制御回路5の構成に関しては、図1に示されたブロック図は大別される異なる機能を例示したに過ぎない。
【0038】
図4はサンプリング自体の処理を示すフローチャートである。ステップS100において直流電圧VDCのサンプリングが所定のサンプリング周期、例えばτ/10=1msで行われる。そして得られたサンプリング値はステップS200においてテーブル1に追加して格納する。
【0039】
図6はテーブル1の内容を模式的に示す図である。このような内容を有するテーブル1は、DC電圧検出部51内の記憶素子において保存される。例えば制御回路5をマイクロコンピュータで構成する場合には、当該マイクロコンピュータが通常有するメモリにおいてテーブル1の内容を保存することができる。
【0040】
テーブル1に格納されるサンプリング値は単位サンプリング期間における擬最大値及び擬最小値を得るためにのみ用いられるので、単位サンプリング期間におけるサンプリング値の個数よりも多くのサンプリング値を格納する必要はない。例えばサンプリング周期をtとすると、テーブル1が格納するサンプリング値の個数nはτ/t以上で最も小さな整数で足りる。上述の例ではn=10(ms)/1(ms)=10である。
【0041】
更にステップS300に進み、サンプリング回数値を特定の方向、例えば増加する方向へ、所定単位、例えば1だけ変化させて更新する。
【0042】
図5は単位サンプリング期間毎に、例えばτ=10ms毎に行われる処理を示す。例えば上述のサンプリング回数値の初期値が0であり、ステップ300が1回実行される毎にサンプリング回数値が1ずつ増加する場合、サンプリング回数値がnとなれば図5に示されたフローが開始する。
【0043】
ステップS11によりテーブル1から擬最大値を、ステップS12によりテーブル1から擬最小値を、それぞれ抽出する。図6では第k番目の単位サンプリング期間についての擬最大値VMi,k及び擬最小値Vmj,kを抽出する様子を概念的に例示している。もちろんステップS11,S12の順序は入れ替えることができる。
【0044】
次いでステップS13により、擬最大値及び擬最小値をテーブル2に追加して格納する。
【0045】
図7はテーブル2の内容を模式的に示す図である。テーブル2も、テーブル1と同様に、DC電圧検出部51内の記憶素子において、例えば制御回路5をマイクロコンピュータで構成する場合には、当該マイクロコンピュータが通常有するメモリにおいて保存される。
【0046】
テーブル2に格納されるサンプリング値はN個の擬最大値同士の最大値VMM、N個の擬最小値同士の最小値Vmmを得るためにのみ用いられるので、最大N対の値を格納すれば足りる。
【0047】
次にステップS14に進み、テーブル1からの擬最大値及び擬最小値の抽出がN回行われたかを判断する。図5においてはこの処理を単に「N回抽出したか?」と示している。単位サンプリング期間が経過する毎にカウントされるカウンタ(以下「N数カウンタ」と称す)を設けておくことにより、このカウンタの値に基づいて、ステップS14の判断を行うことができる。
【0048】
テーブル1からの擬最大値及び擬最小値の抽出がN回未満であれば、ステップS20へと進む。ステップS20では、新たな単位サンプリング期間についての擬最大値及び擬最小値を抽出するため、テーブル1の内容をクリアする。そしてサンプリング回数値を初期化する。これにより図4において新たな単位サンプリング期間でのサンプリングの準備がなされたことになる。もちろんステップS20,S21の順序は入れ替えることができる。
【0049】
テーブル1からの擬最大値及び擬最小値の抽出がN回であれば、ステップS15,S16のそれぞれにおいてテーブル2の最大値及び最小値を求める。具体的には擬最大値VMi,1,…,VMi,Nの中での最大値VMMと、擬最小値Vmj,1,…,Vmj,Nの中での最小値Vmmが求められる。もちろんステップS15,S16の順序は入れ替えることができる。
【0050】
その後、ステップS17において最大値VMMから最小値Vmmが差し引かれて、リプル電圧が見積もられる。リプル電圧が見積もられれば、テーブル2の内容は不要となるので、ステップS18においてN数カウンタを初期化し、ステップS19においてテーブル2の内容をクリアする。もちろんステップS18,S19の順序は入れ替えることができる。
【0051】
以上のように、本発明によれば、多相交流に欠相が生じているか否かに拘わらずに、ノイズの影響を除去し、かつ誤差も小さなリプル電圧を検出することができる。
【0052】
なお、既述のように、ノイズが高電位側にしか生じないことが予め判明している場合には、上述の説明において擬最小値Vmj,kを最小値Vm1,kと読み替えて処理を行ってもよい。あるいはまたノイズが低電位側にしか生じないことが予め判明している場合には、上述の説明において擬最大値VMi,kを最大値VM1,kと読み替えて処理を行ってもよい。
【0053】
【発明の効果】
この発明のうち請求項1にかかるリプル電圧検出方法、請求項6にかかるリプル電圧検出装置によれば、単位サンプリング期間の長さをτとすると、これが連続してN回繰り返して設定されるので、直流電圧(VDC)は長さτ・Nの期間においてサンプリングされる。よって長さτ、回数Nを適切に設定することにより、多相交流(1)に欠相が生じているか否かに拘わらず、直流電圧(VDC)の変動周期よりも長い期間でサンプリングを行うことができる。
【0054】
また単位サンプリング期間中のサンプリング値の最大値及び最小値に基づいてではなく、擬最大値(VMi,k)及び擬最小値(Vmj,k)に基づいてリプル電圧を見積もるので、ノイズの影響を低減することができる。
【0055】
しかも、擬最大値及び擬最小値は単位サンプリング期間の各々において求められるので、長さτを適切に設定することにより、多相交流(1)に欠相が生じているか否かに拘わらず、擬最大値及び擬最小値を規定する順序i,jを固定して設定することができる。
【0056】
上述のようにして単位サンプリング期間毎に得られた擬最大値の中の最大値と、単位サンプリング期間毎に得られた擬最小値の中の最小値との差でリプル電圧を見積もるので、多相交流(1)に欠相が生じているか否かに拘わらず、これを全波整流して得られた直流電圧(VDC)をサンプリングした値からリプル電圧を見積もることができる。
【0057】
この発明のうち請求項2にかかるリプル電圧検出方法、請求項7にかかるリプル電圧検出装置によれば、多相交流(1)に欠相が生じていない場合であっても、i,jを固定して設定してノイズの影響を排除することができる。
【0058】
この発明のうち請求項3乃至請求項5にかかるリプル電圧検出方法、請求項8乃至請求項10にかかるリプル電圧検出装置によれば、多相交流(1)に欠相が生じている場合であっても、長さτ・Nを直流電圧(VDC)の変動周期より大きくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるリプル電圧検出方法が採用されるインバータシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】三相交流に欠相が生じている場合の本発明の処理を示すグラフである。
【図3】三相交流に欠相が生じていない場合の本発明の処理を示すグラフである。
【図4】本発明の処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の処理を示すフローチャートである。
【図6】テーブル1の内容を模式的に示す図である。
【図7】テーブル2の内容を模式的に示す図である。
【図8】三相交流に欠相が生じていない場合の従来のリプル電圧検出方法を示すグラフである。
【図9】三相交流に欠相が生じている場合の従来のリプル電圧検出方法を示すグラフである。
【図10】三相交流に欠相が生じていない場合のサンプリングの様子を示すグラフである。
【符号の説明】
1 交流電源
5 制御回路
VDC 直流電圧
VMi,k 擬最大値
Vmj,k 擬最小値
Claims (10)
- 多相交流(1)を全波整流して得られた直流電圧(VDC)に対し、サンプリング(S100)を行ってそのリプル電圧を検出する方法であって、
前記サンプリングが複数回行われる単位サンプリング期間(τ)を連続してN(N≧2)回設け、
(a)前記単位サンプリング期間の各々において、i(i≧2)番目に大きなサンプリング値である擬最大値(VMi,k)及び、j(j≧2)番目に小さなサンプリング値である擬最小値(Vmj,k)を求めるステップ(S11,S12)と、
(b)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最大値の中での最大値たる第1値(VMM)を求めるステップ(S15)と、
(c)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最小値の中での最小値たる第2値(Vmm)を求めるステップ(S16)と、
(d)前記第1値から前記第2値を差し引いて前記リプル電圧を見積もるステップ(S17)と
を備える、リプル電圧検出方法。 - 前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の周期(2T)の半分以下である請求項1記載のリプル電圧検出方法。
- 前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の前記周期(2T)の1/N以上に設定される、請求項2記載のリプル電圧検出方法。
- i=2である、請求項3に記載のリプル電圧検出方法。
- j=2である、請求項3に記載のリプル電圧検出方法。
- 多相交流(1)を全波整流して得られた直流電圧(VDC)に対し、サンプリング(S100)を行ってそのリプル電圧を検出する装置であって、
前記サンプリングが複数回行われる単位サンプリング期間(τ)を連続してN(N≧2)回設け、
(a)前記単位サンプリング期間の各々において、i(i≧2)番目に大きなサンプリング値である擬最大値(VMi,k)及び、j(j≧2)番目に小さなサンプリング値である擬最小値(Vmj,k)を求めるステップ(S11,S12)と、
(b)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最大値の中での最大値たる第1値(VMM)を求めるステップ(S15)と、
(c)N個の前記単位サンプリング期間の前記擬最小値の中での最小値たる第2値(Vmm)を求めるステップ(S16)と、
(d)前記第1値から前記第2値を差し引いて前記リプル電圧を見積もるステップ(S17)と
を実行する、リプル電圧検出装置。 - 前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の周期(2T)の半分以下である請求項6記載のリプル電圧検出装置。
- 前記単位サンプリング期間の長さ(τ)は、前記多相交流(1)の前記周期(2T)の1/N以上に設定される、請求項7記載のリプル電圧検出装置。
- i=2である、請求項8に記載のリプル電圧検出装置。
- j=2である、請求項8に記載のリプル電圧検出装置。
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