JP3683151B2 - コネクタ用ジャック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コネクタプラグと連結されることによって電気機器どうし等の電気的な接続状態を実現するためのコネクタ用ジャックに関する。より具体的には、本発明は、チップ電極とリング電極を備えたコネクタプラグ(単頭プラグとも呼ばれる)を前記コネクタプラグの軸芯に沿って受け入れ可能なプラグ挿入口が形成されたジャック本体を有し、前記コネクタプラグが前記プラグ挿入口に挿入完了された状態において、前記チップ電極と接当するチップ接片ならびに前記リング電極と接当するリング接片を前記プラグ挿入口内に備えたコネクタ用ジャックに関する。
【0002】
【従来の技術】
上記のコネクタ用ジャックの構成を開示した資料として、本願と同一出願人による発明を記載した実用新案登録第2558179号公報、或いは、実用新案登録第2594299号公報がある。これらの従来技術によるコネクタプラグとコネクタ用ジャックでは、リング接片の接当部位からチップ接片の接当開始部位までの軸芯に沿った距離は、チップ電極の先端から基端までの距離よりも短くなるように形成されている。言い換えれば、これらの従来技術によるコネクタプラグとコネクタ用ジャックの構成は、電気機器のユーザーが前記コネクタプラグをコネクタ用ジャックの前記プラグ挿入口へ挿入する際に、先ず、前記チップ電極が前記リング接片と接当するが前記チップ接片とは離間している第1状態が生じ(この第1状態では当然に、リング電極側は前記リング接片と前記チップ接片のいずれとも離間している)、次に、前記挿入操作の更なる進行に伴って、前記チップ電極が前記リング接片と前記チップ接片の双方と同時に接当した中間状態を経た後に、最終的な状態すなわち、前記チップ電極が前記チップ接片と接当し、前記リング電極が前記リング接片と接当した挿入完了状態へと移り変わるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、上記の従来技術によるコネクタプラグとコネクタ用ジャックの構成では、コネクタプラグをコネクタ用ジャックへ挿入開始してから挿入完了するまでの経過で必ず遭遇する上記の中間状態において、前記リング接片と前記チップ接片とが、前記チップ電極を介してショートする現象が見られた。このショートは、電気機器に発生するノイズの原因となる。このショートに基づくノイズを有効に抑制乃至は防止する電気回路を、コネクタプラグとコネクタ用ジャックによって接続される電気機器に設けることには大きな困難(電気機器の寸法が増大する、或いは製造コストが上がる等の困難)が伴うため、結果として、これらのノイズは放置されているのが現状であった。
【0004】
因みに、コネクタプラグについては、その形状寸法が規格によって規定されているため、例えば、コネクタプラグ上のチップ電極とリング電極を挿入方向と平行に延びた一対の電極にする等といった、コネクタプラグとコネクタ用ジャックの間の電気的接続形態の大きな変更に及ぶ解決策は、ここでは望ましくない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、上に例示した従来技術によるコネクタ用ジャックの持つ前述した欠点に鑑み、コネクタプラグをコネクタ用ジャックへ挿入する途中で、リング接片とチップ接片の間のショートに基づくノイズの発生する虞のないコネクタ用ジャックを、ノイズを防止するための電気回路等の手段に頼ること無く、提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る先端側に向かって次第に大径化するテーパ面を有したチップ電極と、リング電極とアース電極とを備えたコネクタプラグを前記コネクタプラグの軸芯に沿って受け入れ可能なプラグ挿入口が形成されたジャック本体を有し、前記コネクタプラグが前記プラグ挿入口に挿入完了された状態において、前記チップ電極と接当するチップ接片ならびに前記リング電極と接当するリング接片ならびに前記アース電極と接当するアース接片を前記プラグ挿入口内に備えたコネクタ用ジャックは、以下の特徴構成を備えている。
即ち、本発明に係るコネクタ用ジャックは、前記チップ接片は、前記チップ電極の軸芯を挟んで対向する複数の板状接片部と、前記複数の板状接片部の基端部同士を連結する板状連結部とを有して配置され、前記リング接片と前記アース接片とは、前記コネクタプラグに接する面が直交するように配置されて、前記挿入完了状態において、前記チップ接片とは別途に前記チップ電極の前記テーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材からなる規制手段を、前記コネクタプラグの軸芯を挟んで前記アース接片と対向するように備えて、各接片と前記規制手段とで前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しを規制するように形成されると共に、前記チップ接片は、前記コネクタプラグの挿入過程において、前記チップ電極上の先端と接当開始する接当開始部位を有し、前記リング接片は、前記コネクタプラグの挿入過程において、前記チップ電極の基端と接当する接当部位を有し、且つ、前記リング接片の前記接当部位から前記チップ接片の前記接当開始部位までの前記軸芯に沿った距離は、前記チップ電極の前記先端から前記基端までの距離を超えるように形成されていることを特徴としている。
【0007】
このような特徴構成を備えているために、本発明の特許請求の範囲第1項によるコネクタ用ジャックでは、前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口への挿入操作に際して、前記チップ電極が前記リング接片と接当するが前記チップ接片とは離間している初期状態に引き続き、前記チップ電極が前記リング接片と前記チップ接片の双方と同時に接当した状態を一度も介することなく、最終的な、前記チップ電極が前記チップ接片と接当し、前記リング電極が前記リング接片と接当した挿入完了状態へ移行するようになっている。したがって、コネクタプラグをコネクタ用ジャックへ挿入する途中で、前記リング接片と前記チップ接片とがコネクタプラグの電極を介して一時的にでもショートすることがなく、このため、前記リング接片と前記チップ接片の間のショートに基づくノイズの発生も見られなくなった。
【0008】
また、本発明に係るコネクタ用ジャックは、前記チップ接片は、前記チップ電極の軸芯を挟んで対向する複数の板状接片部と、前記複数の板状接片部の基端部同士を連結する板状連結部とを有して配置され、前記リング接片と前記アース接片とは、前記コネクタプラグに接する面が直交するように配置されて、前記挿入完了状態において、前記チップ接片とは別途に前記チップ電極の前記テーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材からなる規制手段を、前記コネクタプラグの軸芯を挟んで前記アース用のリング電極と接当するリング接片と対向するように備えて、各接片と前記規制手段とで前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しを規制するように形成されると共に、前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口への挿入操作に際して、前記チップ電極が前記リング接片と接当するが前記チップ接片とは離間している初期状態に引き続き、前記リング接片が前記チップ電極から引き離され、且つ、前記チップ電極が前記チップ接片と離間した中間状態を経て、前記チップ電極が前記チップ接片と接当し、前記リング電極が前記リング接片と接当する挿入完了状態へ移行することを特徴としている。
【0009】
このような特徴構成を備えているために、本発明の特許請求の範囲第2項によるコネクタ用ジャックでは、前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口への挿入操作に際して、前記チップ電極が前記リング接片と接当するが前記チップ接片とは離間している初期状態に引き続き、前記チップ電極が前記リング接片と前記チップ接片の双方と同時に接当した状態を一度も介することなく、最終的な、前記チップ電極が前記チップ接片と接当し、前記リング電極が前記リング接片と接当した挿入完了状態へ移行するようになっている。したがって、コネクタプラグをコネクタ用ジャックへ挿入する途中で、前記リング接片と前記チップ接片とがコネクタプラグの電極を介して一時的にでもショートすることがなく、このため、前記リング接片と前記チップ接片の間のショートに基づくノイズの発生も見られなくなった。
【0010】
前記チップ電極は前記コネクタプラグの先端側に向かって次第に大径化するテーパ面を有し、さらに、前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しを規制する規制手段が前記チップ接片とは別途に設けられており、前記規制手段は、前記挿入完了状態において、前記コネクタプラグの前記テーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材からなる構成である。
【0011】
従って、挿入完了状態において、前記バネ部材がテーパ面を押し付ける力が、前記チップ電極を挿入方向に更に押し込む方向の成分を持つので、前記バネ部材によって、コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しが規制される。また、このように構成すれば、使用者がコネクタプラグをコネクタ用ジャックに挿入する挿入過程で、前記バネ部材の先端付近の作用点が前記チップ電極のテーパ面上を滑り下りる際に、コネクタ用ジャックがコネクタ用ジャック内に引き込まれるような挿入達成感覚を使用者に引き起こすので、結果的に、快適な使用感と確実な電気的接続状態が得られる。
特に、本発明のコネクタ用ジャックでは、コネクタプラグをコネクタ用ジャックへ挿入する途中で、リング接片とチップ接片とがコネクタプラグの電極を介してショートしないように構成するために、チップ接片の軸芯方向長さを控えめに設定されており、その結果、挿入完了状態においても、チップ接片とチップ電極との係合長さが比較的短く、コネクタプラグのプラグ挿入口からの抜け出しを規制する役割を、チップ接片とチップ電極上のテーパ面の間の係合のみに負担させることは困難な場合がある。しかし、上述したように、挿入完了状態において、コネクタプラグのテーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材を、抜け出し規制手段として、チップ接片とは別途に設けることによって、抜け出し防止効果がより高められる。
また、最もコネクタプラグの先端から遠い位置にあるアース電極に当接するアース接片は、この規制手段に対してコネクタプラグの軸芯を挟んで備えられるので、良好にコネクタプラグを保持することができる。さらに、アース接片と、リング電極に当接するリング接片とは、コネクタプラグに接する面が直行するように備えられるので、コネクタプラグは、各接片によって、少なくとも三方から保持される。リング電極に当接する接片が二つある場合には、四方から保持される。従って、挿入完了状態で、チップ接片とチップ電極との係合長さが比較的短くなる本発明の構成においても良好にコネクタプラグを保持することができる。
【0012】
より具体的には、前記チップ接片は、前記チップ電極の軸芯を挟んで対向する複数の板状接片部と、前記複数の板状接片部の基端部どうしを連結する板状連結部とからなる構成となっている。
【0013】
従って、前記チップ接片は、前記チップ電極を電極の周方向の複数の位置から包囲するように挿入中のコネクタプラグを案内するので、コネクタプラグは、安定した姿勢でコネクタ用ジャックに挿入される。
【0014】
本発明によるその他の特徴および利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるであろう。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態の一例について図面に基づいて解説する。
図1は、チップ電極とリング電極を備えた単頭プラグ100(コネクタプラグの一例であり、ミニプラグとも呼ばれる)と、単頭プラグ100を受け入れるコネクタ用ジャック200を示す。他方、図2は、コネクタ用ジャック200の分解斜視図を示す。
単頭プラグ100には、その軸芯Xに沿ってその先端部側から順番に、チップ電極TE、第1リング電極RE1、第2リング電極RE2、アース電極GEが形成されている。また、これらの各電極どうしは、それぞれ、第1絶縁環A1、第2絶縁環A2、および第3絶縁環A3によって電気的に絶縁されている。第1リング電極RE1、第2リング電極RE2、アース電極GE、および第1、第2、第3の各絶縁環A1,A2,A3は、いずれも略外径(2.5mmφ)の等しい円筒形状を備えているが、チップ電極TEは、最も先端に位置しつつ先端側ほど小径の円錐台形状をした第1領域f1と、前記第1領域f1に隣接しつつ先端側ほど大径化する円錐台形状をした第2領域f2とを有する。
【0016】
他方、コネクタ用ジャック200は、合成樹脂製のジャック本体2(プラグ挿入口形成部材の一例)と、ジャック本体2に形成されたプラグ挿入口2M内に設置された複数の金属製の接片(約0.25mm前後の厚さを有する)からなる。接片は、チップ接片4t、第1リング接片4r1 、第2リング接片4r2 、およびアース接片4eであり、いずれも、ジャック本体2に対して外側から取り付け可能となっている(アース接片4eについては、図5に実線で示されている)。図1および図5に示されるように、ジャック本体2の下面からは、チップ接片4tから一体的に延びたチップ端子Tt、第1リング接片4r1 から一体的に延びた第1リング端子Tr1 、第2リング接片4r2 から一体的に延びた端子第1リング端子Tr2 、およびアース接片4eから一体的に延びたアース端子Teが、下方に突出している。
図3−(ハ)及び図5に示されるように、単頭プラグ100が、プラグ挿入口2M内に完全に挿入された状態では、コネクタ用ジャック200のチップ接片4tは単頭プラグ100のチップ電極TEと接当し、同様に、第1リング接片4r1 は第1リング電極RE1と、第2リング接片4r2 は第2リング電極RE2と、そして、アース電極4eはアース電極GEと接当する。
また、ジャック本体2のプラグ挿入口2M内には、前記複数の接片の他に、コネクタプラグ100のプラグ挿入口2Mからの抜け出しを規制する手段としてバネ部材Sが設けられている。
【0017】
さらに、リング接片4r1 とチップ接片4tの位置、特に、単頭プラグ100の軸芯Xに沿った両接片間の距離は、次のように構成されている。すなわち、図4に示されるように、チップ接片4tは、単頭プラグ100の挿入過程において、チップ電極TE上の先端TExと接当開始する接当開始部位Pxを有し、他方、リング接片4r1 は、単頭プラグ100の挿入過程において、チップ電極TEの基端TEy(第1絶縁環A1と隣接した部位)と接当する接当部位Pyを有する。そして、リング接片4r1 の接当部位Pyからチップ接片4tの接当開始部位Pxまでの軸芯Xに沿った距離L1は、チップ電極の先端TExから基端TEyまでの距離L2を充分に上回るように形成されている。尚、図4は、図3−(ロ)の状態と近似した状態(厳密には、図4では、リング接片4r1 の接当部位Pyは正確に、チップ電極TEの基端TEyと第1絶縁環A1との境界上に位置している)におけるリング接片4r1 とチップ接片4tの、単頭プラグ100との、特にチップ電極TEとの位置関係を抜き出して記したものである。
【0018】
(単頭プラグ100の挿入操作)
単頭プラグ100のコネクタ用ジャック200への挿入操作は次のような各ステップを経て実現される。
〈1〉予備段階としての第1ステップ(特に図示されていない)。このステップには、単頭プラグ100がプラグ挿入口2M内へ進入するに従って、先ず、チップ電極TEがコネクタ用ジャック200の最も入口付近に設置されたアース接片4eと接当する段階と、次に、チップ電極TEがアース接片4eと第2リング接片4r2 の双方と接当する段階、そして、チップ電極TEがアース接片4eから離間し、第1リング接片4r1 と第2リング接片4r2 の双方と接当する段階(この時、アース接片4eは第1リング電極RE1と接当している)が含まれる。この予備段階を過ぎると、下記の初期状態に移行する。
【0019】
〈2〉図3−(イ)に示されるように、チップ電極TEが、第1リング接片4r1 (リング接片の一例)と接当しているが、チップ接片4tとは離間した第2ステップ(この時、アース接片4eは第2リング電極RE2と接当し、第2リング接片4r2 は第1リング電極RE1と接当している)。ここでは、この状態を「初期状態」と呼び、この「初期状態」から更に挿入操作が進むと、下記の第3ステップに移行する。
〈3〉すなわち、図3−(ロ)に示されるように、第1リング接片4r1 (リング接片の一例)の接当部位Pyが第1絶縁環A1上に達してチップ電極TEから引き離され、且つ、チップ電極TEとチップ接片4tの間の接当が未だ生じていない第3ステップ。この第3ステップによって達成された状態を「中間状態」と呼び、この「中間状態」から更に挿入操作が進むと、下記の最終的な第4ステップに移行する。
〈4〉すなわち、図3−(ハ)及び図5に示されるように、チップ電極TEがチップ接片4tと、第1リング電極RE1が第1リング接片4r1 と、そして、第2リング電極RE2が第2リング接片4r2 と接当した「挿入完了状態」へ移行する第4ステップ。
【0020】
すなわち、本願によるコネクタ用ジャック200では、リング接片4r1 とチップ接片4tの位置が上記のように構成されているので、単頭プラグ100のコネクタ用ジャック200への挿入操作に際して、チップ電極Tが第1リング接片4r1 とチップ接片4tの双方と同時に接当した状態を一度も介することなく、最終的な「挿入完了状態」へ移行するように設定されている。
言い換えれば、図3−(ロ)に示されるように、第1リング接片4r1 の接当部位Pyがチップ電極Tの基端TEyと第1絶縁環A1の境界上にあって、まさにチップ電極TEから離間し始める瞬間(すなわち、前記第3ステップの開始時点)には、チップ電極TEとチップ接片4tとは未だ十分に隔てられている(この実施形態では、上記瞬間における両部材間の間隔は約1mmに、言い換えれば、L1−L2=約1mmと設定されている)。
すなわち、挿入操作の途中で、第1リング接片4r1 とチップ接片4tとがチップ電極Tを介してショートする瞬間がないので、第1リング接片4r1 とチップ接片4tを、電気機器の受信側と送信側の一方と他方、或いは、出力端子と入力端子の一方と他方に接続して用いた場合、上記のようなショートに基づくノイズがその電気機器に発生するという問題が生じない。
【0021】
尚、前出のバネ部材Sは厚さ約0.4mmの金属製であり(前記複数の接片よりも厚い)、図3−(ハ)及び図5に示された前記「挿入完了状態」において、コネクタプラグ100の第2領域T2に形成されている先端側ほど大径化する円錐台形状をしたとテーパ面Ftを、その径方向の内側に向かって弾性的に押し付ける。前記「挿入完了状態」において、バネ部材Sがテーパ面Ftを押し付ける力は、コネクタプラグ100を挿入方向に更に押し込む方向の成分を持つので、コネクタプラグ100のプラグ挿入口2Mからの抜け出しが規制される。
【0022】
また、チップ接片4tは、チップ電極Tの径方向の中心線と対向する一対の板状接片部12,12(複数の板状接片部の一例)と、板状接片部12,12の基端部どうしを弾性的に連結しつつ短絡する板状連結部14とからなる。実際には、板状接片部12,12と板状連結部14とは金属製の平板を打ち抜き後、曲げ加工することによって一体的に形成されている。
したがって、チップ接片4tは、チップ電極TEを電極の周方向の複数の位置から包囲するように挿入中のコネクタプラグ100を案内するので、コネクタプラグ100は、安定した姿勢でコネクタ用ジャック200に挿入される。また、挿入完了後も、チップ接片4tは、チップ電極TEを電極の周方向の複数の位置から中心方向に向かって弾性的に押し付けるので、チップ電極TEはコネクタ用ジャック200に安定した姿勢で保持される。
【0023】
因みに、バネ部材Sとしては、ノイズ発生要因を持つ従来タイプのコネクタ用ジャック、すなわち、コネクタプラグのコネクタプラグ挿入口への挿入操作に際して、先ず、チップ電極がリング接片と接当するがチップ接片とは離間している状態が生じ、次に、挿入操作の更なる進行に伴って、チップ電極がチップ接片とリング接片の双方と接当しているショート状態を経て、挿入完了状態になるような、従来型のコネクタ用ジャックに用いられているチップ接片をそのまま流用することができる。
【0024】
尚、単頭プラグ100およびコネクタ用ジャック200の適用例としては、種々の電気機器が考えられるが、例えば、携帯型カセットテープレコーダとこれに接続されるイヤフォンスピーカ等が考えられる。ここでは、コネクタ用ジャック200は、携帯型カセットテープレコーダに設置されている。他方、イヤフォンスピーカは、コネクタ用ジャック200に接続された単頭プラグ100と、携帯型カセットテープレコーダの音源にて再生された電気信号を音声に変換するイヤフォン部と、前記携帯型カセットテープレコーダによる再生状態などを切り換えるための制御部とからなる。この場合、チップ電極TEと第1リング電極RE1とを音声再生用の電気信号の入力および出力用とし、第2リング電極RE2を制御部を操作する操作信号のための電極とすれば良い。
もちろん、単頭プラグ100はコネクタ用ジャック200挿入される部位の外径が3.5mmφのプラグであっても良い。
【0025】
また、図6は、上記の単頭プラグ100よりもチップ電極TEの長い別形状の単頭プラグ120と上記と同じコネクタ用ジャック200を示す。図6の状態は、前述の図3−(ロ)に示される「中間状態」に対応する。すなわち、第1リング接片4r1 がチップ電極Tと第1絶縁環A1の境界上にあって、まさにチップ電極Tから離間し始める瞬間(すなわち、前記第3ステップの開始時点)を示し、この状態では、チップ電極TE′とチップ接片4tとは未だ十分に隔てられている(この実施形態では上記瞬間における両部材間の間隔は、約0.5mmに、言い換えれば、L1−L2=約0.5mmと設定されている)。
【0026】
〔別実施形態〕
上記実施形態では、第1リング電極RE1と第2リング電極RE2と言う2つのリング電極を備えた単頭プラグ100を対象としたコネクタ用ジャック200について記したが、本発明はこれに限らない。例えば、単一のリング電極を備えた単頭プラグを対象としたコネクタ用ジャックであっても、同様に、以上に述べたチップ接片とリング接片の位置関係の設定の仕方を反映させることによって、もちろん上記実施形態と同様に、コネクタプラグの挿入途中で、リング接片とチップ接片の間のショートに基づくノイズの発生し難いコネクタ用ジャックが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるコネクタ用ジャックと単頭プラグを示す斜視図
【図2】図1のコネクタ用ジャックの主要な部品の分解斜視図
【図3】単頭プラグのコネクタ用ジャックへの挿入過程を示す概略側面図
【図4】リング接片とチップ接片のチップ電極との位置関係を示す略図
【図5】図3−(ハ)に対応する平面図
【図6】別の形状の単頭プラグと図1のコネクタ用ジャックを示す図3−(ロ)に対応する側面図
【符号の説明】
RE1 第1リング電極(リング電極)
RE2 第2リング電極(リング電極)
TE チップ電極
TEx チップ電極の先端
Px チップ電極上の先端と接当開始するチップ接片上の接当開始部位
Py チップ電極の基端と接当するリング接片上の接当部位
TEy チップ電極の基端
L1 リング接片の接当部位からチップ接片の接当開始部位までの距離
L2 チップ電極の先端から基端までの距離
2 ジャック本体(プラグ挿入口形成部材)
4t チップ接片
4r1 第1リング接片
4r2 第2リング接片
4e アース接片
100 単頭プラグ
200 コネクタ用ジャック
200M プラグ挿入口
Claims (2)
- 先端側に向かって次第に大径化するテーパ面を有したチップ電極と、リング電極とアース電極とを備えたコネクタプラグを前記コネクタプラグの軸芯に沿って受け入れ可能なプラグ挿入口が形成されたジャック本体を有し、前記コネクタプラグが前記プラグ挿入口に挿入完了された状態において、前記チップ電極と接当するチップ接片ならびに前記リング電極と接当するリング接片ならびに前記アース電極と接当するアース接片を前記プラグ挿入口内に備えたコネクタ用ジャックであって、
前記チップ接片は、前記チップ電極の軸芯を挟んで対向する複数の板状接片部と、前記複数の板状接片部の基端部同士を連結する板状連結部とを有して配置され、
前記リング接片と前記アース接片とは、前記コネクタプラグに接する面が直交するように配置されて、
前記挿入完了状態において、前記チップ接片とは別途に前記チップ電極の前記テーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材からなる規制手段を、前記コネクタプラグの軸芯を挟んで前記アース接片と対向するように備えて、各接片と前記規制手段とで前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しを規制するように形成されると共に、
前記チップ接片は、前記コネクタプラグの挿入過程において、前記チップ電極上の先端と接当開始する接当開始部位を有し、
前記リング接片は、前記コネクタプラグの挿入過程において、前記チップ電極の基端と接当する接当部位を有し、且つ、
前記リング接片の前記接当部位から前記チップ接片の前記接当開始部位までの前記軸芯に沿った距離は、前記チップ電極の前記先端から前記基端までの距離を超えるように形成されているコネクタ用ジャック。 - 先端側に向かって次第に大径化するテーパ面を有したチップ電極と、リング電極とアース電極とを備えたコネクタプラグを前記コネクタプラグの軸芯に沿って受け入れ可能なプラグ挿入口が形成されたジャック本体を有し、前記コネクタプラグが前記プラグ挿入口に挿入完了された状態において、前記チップ電極と接当するチップ接片ならびに前記リング電極と接当するリング接片ならびに前記アース電極と接当するアース接片を前記プラグ挿入口内に備えたコネクタ用ジャックであって、
前記チップ接片は、前記チップ電極の軸芯を挟んで対向する複数の板状接片部と、前記複数の板状接片部の基端部同士を連結する板状連結部とを有して配置され、
前記リング接片と前記アース接片とは、前記コネクタプラグに接する面が直交するように配置されて、
前記挿入完了状態において、前記チップ接片とは別途に前記チップ電極の前記テーパ面を径方向の内側に向かって弾性的に押し付けるバネ部材からなる規制手段を、前記コネクタプラグの軸芯を挟んで前記アース接片と対向するように備えて、各接片と前記規制手段とで前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口からの抜け出しを規制するように形成されると共に、
前記コネクタプラグの前記プラグ挿入口への挿入操作に際して、前記チップ電極が前記リング接片と接当するが前記チップ接片とは離間している初期状態に引き続き、前記リング接片が前記チップ電極から引き離され、且つ、前記チップ電極が前記チップ接片と離間した中間状態を経て、前記チップ電極が前記チップ接片と接当し、前記リング電極が前記リング接片と接当する挿入完了状態へ移行するコネクタ用ジャック。
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