JP3682828B2 - エアバッグシステムの回路配線構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグシステムの回路配線構造に関し、更に詳述すれば、イグニッションスイッチとエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットとを相互に電気的に接続する雄雌コネクタの不完全嵌合状態を容易に検出できる配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ワイヤーハーネスは、車両への組付け性や生産性を考慮して機能別に多数本に分割されており、車両装着時、それらを互いに電気的に接続するためのコネクタが使用されている。このような配線構造は、エアバッグシステムの電気回路にも適用されている。
図3は、従来のエアバッグシステムの回路配線構造を示したもので、イグニッションスイッチ3の2次側に接続したハーネス5が、一対の雄雌コネクタ11を介してエアバッグ用のコントロール・ユニット9に接続したハーネス7と電気的に結線される。なお、イグニッションスイッチ3の1次側には、バッテリ13がヒュージブルリンク15を介して接続されており、また、2次側のハーネス5は分岐してそれぞれ電気装置とも接続されている。また、コントロール・ユニット9は、不図示のエアバッグ・モジュールに導接されている。
【0003】
ところで、このエアバッグシステムのような重要装備では、システムの信頼性を確保するために、センサ/電気系の二重回路化と共に、ハーネス同士の接続を担うコネクタ部にあっては、コネクタ同士の完全嵌合を保証する二重ロック機構や半嵌合防止機構を備えたコネクタの使用、あるいは嵌合状態を検査するためのチェック機構などを備えることが求められている。
二重ロック機構としては、例えば、片持ち状のロッキングアームに設けた係合突起が係合穴に係合して達せられる一次ロックの外に、一方のコネクタの外面に回動自在に設けられ、かつ回転方向にばね付勢されたロック部材が、コネクタ完全嵌合時に他方のコネクタの後端面に弾接係合できて行われる二次ロックを備えたものなどがある。
【0004】
また、半嵌合防止機構としては、例えば、コネクタ同士を嵌合する際、一方のコネクタのロックアームに形成したロックビークが、嵌合時の挿入力によって、他方のコネクタ内をスライド自在に設けられ、かつ反挿入方向にばね付勢されたスライダに衝接してこのスライダを付勢力に抗して他方のコネクタ内へ押し込むことで所定量だけ移動した後、スライダとの係合を解除されるコネクタ構造がある。この係合解除により、スライダは、ばね付勢力によって初期位置に弾性復帰すると同時に、ロックアームは、スライダがロックビークを通過することで弾性変形可能になされて、他方のコネクタ内に係止する。
そして、このコネクタ構造では、コネクタ同士の嵌合作業が途中で中断された半嵌合状態では、ロックビークがスライダの付勢力によって押し戻されることになるため、一方のコネクタが他方のコネクタから離脱してコネクタ同士の半嵌合状態が防止される。
【0005】
さらに、嵌合状態を検査するためのチェック機構としては、一方のコネクタの外面に形成した嵌合チェック用バーコードを他方のコネクタに形成した開口窓を通して読み取って嵌合確認を行うものなどが知られている。
【0006】
これらの安全化対策によって、コネクタやハーネスの構造、エアバッグ組立時の信頼性管理などを確実にすることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した安全化対策のうち、コネクタ自体で対応するものにあっては、既述したようにコネクタ構造が複雑で特殊品であるため、広範に使用されている普及タイプのコネクタに較べてコスト増加を招く。
また、バーコード方式などのチェック機構では、スキャナーなど読み取り装置を別途必要とし、設備費、管理費の新たな発生に加え、検査作業にも手間がかかる。さらに、スキャナーの解像度などの問題もあって、高信頼性を得ることが難しいばかりか、仮にコネクタが外れた場合に、車両完成後では検査作業が行えないという問題もあった。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、特殊コネクタの使用による信頼性向上やスキャナーなど用いたチェック機構に依存することなく、相互にハーネス接続されたコネクタ同士の不完全嵌合状態を容易に検出でき、しかも確実に検出できるエアバッグシステムの回路配線構造を提供し、高信頼性が得られると同時に部品コストや設備費の増加抑制を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造は、相対向して嵌合する一対のコネクタを介してバッテリとエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットとを接続するエアバッグシステムの回路配線構造において、前記バッテリとイグニッションスイッチを介して接続されたハーネスを、一方のコネクタハウジングより他方のコネクタハウジングを経由して再び前記一方のコネクタハウジングから電気的に取り出すと共に、前記一方のコネクタハウジングより取り出したハーネスを電気装置に分岐し、かつ分岐されたハーネスの一系統を前記コネクタを経由して前記コントロール・ユニットに結線することを特徴とする。
【0010】
バッテリとコントロール・ユニットとを結線する配線は、コネクタ接続を二度経由した後に分岐して電気装置に接続されると同時に、分岐したうちの一系統が再びコネクタ接続を経由してエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットと結ばれる。このため、コネクタが不完全な嵌合状態にあると、配線経路が途中遮断されてバッテリより電気装置への給電が行われなくなって電気装置が不作動状態となる。したがって、電気装置の作動状態を監視することによって、コントロール・ユニットへ通電するためのコネクタの嵌合状態を検出できる。つまり、特殊コネクタなど用いなくても、普及タイプのコネクタにより嵌合状態を確実に検出でき、しかも、回路配線構造の高信頼性を確保できる。
【0011】
また、請求項1のエアバッグシステムの回路配線構造において、前記電気装置は、エンジン制御コントローラ、イグニッションコイルなどであることを特徴としてもよい。
【0012】
電気装置が、エンジン制御コントローラやイグニッションコイルなど、車両のメイン回路を構成する装置であれば、イグニッションスイッチを操作してもこれら装置が不作動状態にあることにより、コネクタの不完全嵌合状態を直ちに検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の一実施形態を示す接続図、図2は、この配線構造に使用する雄雌コネクタの分離斜視図である。なお、従来例と同一部材、同一箇所には同一符号を用いて説明するものとする。
このエアバッグシステムの回路配線構造は、相対向して嵌合する一対の雄雌コネクタ20を介して、バッテリ13とエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニット9とを結線するものである。
【0014】
具体的に述べると、イグニッションスイッチ3の1次側には、バッテリ13がヒュージブルリンク15を介して接続されており、イグニッションスイッチ3の2次側には、一般的構造の、普及タイプの雄雌コネクタ20が接続されている。この雄雌コネクタ20は、図2に示すように、略矩形体に形成した雌コネクタハウジング20Aと雄コネクタハウジング20Bとからなり、雌コネクタハウジング20A内に収容した複数個の雌端子と、雄コネクタハウジング20B内に収容した複数個の雄端子とを備えて構成される。
雌コネクタハウジング20Aの上壁面には、片持ち状のロッキングアーム21に設けた係合突起21aが、雄コネクタハウジング20Bの上面に形成した係合部22の係合穴22aと係合可能に設けられている。
【0015】
バッテリ13とイグニッションスイッチ3を介して接続されたハーネス5は、雌コネクタハウジング20A内の第1雌端子24に接続し、この第1雌端子24は、コネクタ嵌合時、雄コネクタハウジング20B内の後述する第1雄端子25と導接可能に設けられている。なお、イグニッションスイッチ3は2極双投型に設けられ、タイマーやラジオなどに給電するACC端子、前記の第1雌端子24、第1雄端子25などを経由して車両のメイン回路へ給電するIG1端子、スタータへ給電するST1端子と、二重回路を構成するIG2端子、ST2端子とを備えている。
【0016】
雌コネクタハウジング20Aと相対向して嵌合する雄コネクタハウジング20Bには、上述の第1雄端子25が一端に接続されると共に、他端には、第2雄端子26が接続された形態のショート・ハーネス71が装着されている。
【0017】
このショート・ハーネス71は、第1雄端子25が、第1雌端子24と相対向する端子収容室内に挿入され、上記したとおり、この第1雌端子24と導接可能にされている。一方、第2雄端子26は、コネクタ嵌合時、雌コネクタハウジング20Aに収容した第2雌端子27と導接可能にされる。つまり、バッテリ13接続されたハーネス5は、コネクタ同士が完全嵌合状態にあれば、第1雌端子24、ショート・ハーネス71を形成する第1雄端子25及び第2雄端子26、第2雌端子27を経由して雌コネクタハウジング20Aから電気的に取り出される。なお、ショート・ハーネス71の第1雄端子25と第2雄端子26との間は、コネクタ嵌合状態を良好に検出するため、最大限離れた位置で雄コネクタハウジング20Bの端子収容室内に挿入されていることが望ましい。つまり、両者の間が離れている程、一方のコネクタハウジングに対して他方のコネクタハウジングが斜め挿入状態で嵌合作業が中断されたような場合、二つの端子間が離れている程この不完全嵌合な状態が顕著化するので、効果的検出を行うことができて望ましい。
【0018】
雌コネクタハウジング20Aには第2雌端子27が装着されており、この第2雌端子27に接続したハーネス51は、複数系統に分岐してエンジン制御コントローラ、イグニッションコイル、インパネ内のメータの警告灯などの各電気装置とそれぞれヒューズ30a、30b、30c、・・・・30nを介して接続される。
【0019】
この分岐されたハーネス51のうち、一系統のハーネス52はヒューズ30nを介した後第3雌端子28を接続して再び雌コネクタハウジング20A内の端子収容室に挿入されている。一方、この第3雌端子28と相対向する雄コネクタハウジング20Bの端子収容室内には、コントロール・ユニット9とハーネス7接続した第3雄端子29が挿入されている。
【0020】
次に、このエアバッグシステムの回路配線構造の作用について説明する。
ワイヤーハーネスを車両に装備し、さらに、コネクタ20同士を完全嵌合した状態でイグニッションスイッチ3を操作すると、バッテリ13からの電流がヒュージブルリンク15、イグニッションスイッチ3、コネクタ20接続を経由した後、ハーネス51よりヒューズ30a、30b、30c、・・・・を介して各電気装置に供給される。また、ハーネス51より供給された電流は、ハーネス52、ヒューズ30n、コネクタ20接続を経由してコントロール・ユニット9にも供給される。一方、コネクタ同士が不完全な嵌合状態で嵌合作業が終了されたり、あるいは、組付け後に離脱したりすると、イグニッションスイッチ3を操作したとき、ハーネス5を流れる電流はコネクタ20間で遮断されることになって各電気装置へ供給されないので、これら装置は不作動状態のままとなる。
したがって、これらの電気装置の状態を監視することにより、コネクタ20の嵌合状態を、チェック機構の使用などによらず容易に検出できる。しかも、コネクタ20の嵌合状態が確実に検出されるので、特殊コネクタの使用なども不要にできる。
【0021】
なお、上記の実施形態において、エアバッグシステムは、エアバッグ・モジュールとコントロール・ユニットとが分離した分離型、あるいは、一体化してステアリングに一括装着される一体型のいずれのタイプにも適用できる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造によれば、エアバッグシステムを形成するハーネス相互の接続は、一対のコネクタを経由して車両のメイン回路へ電源供給するための配線経路を設定すると同時に、このコネクタより導出されたハーネスを分岐して、再度、上記のコネクタを経由させることによって行う。このため、コネクタが不完全嵌合状態にあると、メイン回路への電源供給路が遮断される同時に、エアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットへの通電も不成立となる。したがって、メイン回路の作動状態を監視することにより、コネクタの嵌合状態を容易に検出することができて、信頼性の高いエアバッグシステムの回路配線構造が得られる。また、普及タイプのコネクタを使用して特殊コネクタやチェック機構などを不要にするので、安価な配線構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の一実施形態による接続図である。
【図2】図1の回路配線構造に使用する雄雌コネクタの分離状態での斜視図である。
【図3】従来のエアバッグシステムの回路配線構造の接続図である。
【符号の説明】
3 イグニッションスイッチ
5、7、51 ハーネス
9 コントロール・ユニット
20 コネクタ
20A 雌コネクタハウジング
20B 雄コネクタハウジング
24、27、28 雌端子
25、26、29 雄端子
71 ショート・ハーネス
【発明の属する技術分野】
本発明はエアバッグシステムの回路配線構造に関し、更に詳述すれば、イグニッションスイッチとエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットとを相互に電気的に接続する雄雌コネクタの不完全嵌合状態を容易に検出できる配線構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ワイヤーハーネスは、車両への組付け性や生産性を考慮して機能別に多数本に分割されており、車両装着時、それらを互いに電気的に接続するためのコネクタが使用されている。このような配線構造は、エアバッグシステムの電気回路にも適用されている。
図3は、従来のエアバッグシステムの回路配線構造を示したもので、イグニッションスイッチ3の2次側に接続したハーネス5が、一対の雄雌コネクタ11を介してエアバッグ用のコントロール・ユニット9に接続したハーネス7と電気的に結線される。なお、イグニッションスイッチ3の1次側には、バッテリ13がヒュージブルリンク15を介して接続されており、また、2次側のハーネス5は分岐してそれぞれ電気装置とも接続されている。また、コントロール・ユニット9は、不図示のエアバッグ・モジュールに導接されている。
【0003】
ところで、このエアバッグシステムのような重要装備では、システムの信頼性を確保するために、センサ/電気系の二重回路化と共に、ハーネス同士の接続を担うコネクタ部にあっては、コネクタ同士の完全嵌合を保証する二重ロック機構や半嵌合防止機構を備えたコネクタの使用、あるいは嵌合状態を検査するためのチェック機構などを備えることが求められている。
二重ロック機構としては、例えば、片持ち状のロッキングアームに設けた係合突起が係合穴に係合して達せられる一次ロックの外に、一方のコネクタの外面に回動自在に設けられ、かつ回転方向にばね付勢されたロック部材が、コネクタ完全嵌合時に他方のコネクタの後端面に弾接係合できて行われる二次ロックを備えたものなどがある。
【0004】
また、半嵌合防止機構としては、例えば、コネクタ同士を嵌合する際、一方のコネクタのロックアームに形成したロックビークが、嵌合時の挿入力によって、他方のコネクタ内をスライド自在に設けられ、かつ反挿入方向にばね付勢されたスライダに衝接してこのスライダを付勢力に抗して他方のコネクタ内へ押し込むことで所定量だけ移動した後、スライダとの係合を解除されるコネクタ構造がある。この係合解除により、スライダは、ばね付勢力によって初期位置に弾性復帰すると同時に、ロックアームは、スライダがロックビークを通過することで弾性変形可能になされて、他方のコネクタ内に係止する。
そして、このコネクタ構造では、コネクタ同士の嵌合作業が途中で中断された半嵌合状態では、ロックビークがスライダの付勢力によって押し戻されることになるため、一方のコネクタが他方のコネクタから離脱してコネクタ同士の半嵌合状態が防止される。
【0005】
さらに、嵌合状態を検査するためのチェック機構としては、一方のコネクタの外面に形成した嵌合チェック用バーコードを他方のコネクタに形成した開口窓を通して読み取って嵌合確認を行うものなどが知られている。
【0006】
これらの安全化対策によって、コネクタやハーネスの構造、エアバッグ組立時の信頼性管理などを確実にすることができた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した安全化対策のうち、コネクタ自体で対応するものにあっては、既述したようにコネクタ構造が複雑で特殊品であるため、広範に使用されている普及タイプのコネクタに較べてコスト増加を招く。
また、バーコード方式などのチェック機構では、スキャナーなど読み取り装置を別途必要とし、設備費、管理費の新たな発生に加え、検査作業にも手間がかかる。さらに、スキャナーの解像度などの問題もあって、高信頼性を得ることが難しいばかりか、仮にコネクタが外れた場合に、車両完成後では検査作業が行えないという問題もあった。
【0008】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、特殊コネクタの使用による信頼性向上やスキャナーなど用いたチェック機構に依存することなく、相互にハーネス接続されたコネクタ同士の不完全嵌合状態を容易に検出でき、しかも確実に検出できるエアバッグシステムの回路配線構造を提供し、高信頼性が得られると同時に部品コストや設備費の増加抑制を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造は、相対向して嵌合する一対のコネクタを介してバッテリとエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットとを接続するエアバッグシステムの回路配線構造において、前記バッテリとイグニッションスイッチを介して接続されたハーネスを、一方のコネクタハウジングより他方のコネクタハウジングを経由して再び前記一方のコネクタハウジングから電気的に取り出すと共に、前記一方のコネクタハウジングより取り出したハーネスを電気装置に分岐し、かつ分岐されたハーネスの一系統を前記コネクタを経由して前記コントロール・ユニットに結線することを特徴とする。
【0010】
バッテリとコントロール・ユニットとを結線する配線は、コネクタ接続を二度経由した後に分岐して電気装置に接続されると同時に、分岐したうちの一系統が再びコネクタ接続を経由してエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットと結ばれる。このため、コネクタが不完全な嵌合状態にあると、配線経路が途中遮断されてバッテリより電気装置への給電が行われなくなって電気装置が不作動状態となる。したがって、電気装置の作動状態を監視することによって、コントロール・ユニットへ通電するためのコネクタの嵌合状態を検出できる。つまり、特殊コネクタなど用いなくても、普及タイプのコネクタにより嵌合状態を確実に検出でき、しかも、回路配線構造の高信頼性を確保できる。
【0011】
また、請求項1のエアバッグシステムの回路配線構造において、前記電気装置は、エンジン制御コントローラ、イグニッションコイルなどであることを特徴としてもよい。
【0012】
電気装置が、エンジン制御コントローラやイグニッションコイルなど、車両のメイン回路を構成する装置であれば、イグニッションスイッチを操作してもこれら装置が不作動状態にあることにより、コネクタの不完全嵌合状態を直ちに検出することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の好適な実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の一実施形態を示す接続図、図2は、この配線構造に使用する雄雌コネクタの分離斜視図である。なお、従来例と同一部材、同一箇所には同一符号を用いて説明するものとする。
このエアバッグシステムの回路配線構造は、相対向して嵌合する一対の雄雌コネクタ20を介して、バッテリ13とエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニット9とを結線するものである。
【0014】
具体的に述べると、イグニッションスイッチ3の1次側には、バッテリ13がヒュージブルリンク15を介して接続されており、イグニッションスイッチ3の2次側には、一般的構造の、普及タイプの雄雌コネクタ20が接続されている。この雄雌コネクタ20は、図2に示すように、略矩形体に形成した雌コネクタハウジング20Aと雄コネクタハウジング20Bとからなり、雌コネクタハウジング20A内に収容した複数個の雌端子と、雄コネクタハウジング20B内に収容した複数個の雄端子とを備えて構成される。
雌コネクタハウジング20Aの上壁面には、片持ち状のロッキングアーム21に設けた係合突起21aが、雄コネクタハウジング20Bの上面に形成した係合部22の係合穴22aと係合可能に設けられている。
【0015】
バッテリ13とイグニッションスイッチ3を介して接続されたハーネス5は、雌コネクタハウジング20A内の第1雌端子24に接続し、この第1雌端子24は、コネクタ嵌合時、雄コネクタハウジング20B内の後述する第1雄端子25と導接可能に設けられている。なお、イグニッションスイッチ3は2極双投型に設けられ、タイマーやラジオなどに給電するACC端子、前記の第1雌端子24、第1雄端子25などを経由して車両のメイン回路へ給電するIG1端子、スタータへ給電するST1端子と、二重回路を構成するIG2端子、ST2端子とを備えている。
【0016】
雌コネクタハウジング20Aと相対向して嵌合する雄コネクタハウジング20Bには、上述の第1雄端子25が一端に接続されると共に、他端には、第2雄端子26が接続された形態のショート・ハーネス71が装着されている。
【0017】
このショート・ハーネス71は、第1雄端子25が、第1雌端子24と相対向する端子収容室内に挿入され、上記したとおり、この第1雌端子24と導接可能にされている。一方、第2雄端子26は、コネクタ嵌合時、雌コネクタハウジング20Aに収容した第2雌端子27と導接可能にされる。つまり、バッテリ13接続されたハーネス5は、コネクタ同士が完全嵌合状態にあれば、第1雌端子24、ショート・ハーネス71を形成する第1雄端子25及び第2雄端子26、第2雌端子27を経由して雌コネクタハウジング20Aから電気的に取り出される。なお、ショート・ハーネス71の第1雄端子25と第2雄端子26との間は、コネクタ嵌合状態を良好に検出するため、最大限離れた位置で雄コネクタハウジング20Bの端子収容室内に挿入されていることが望ましい。つまり、両者の間が離れている程、一方のコネクタハウジングに対して他方のコネクタハウジングが斜め挿入状態で嵌合作業が中断されたような場合、二つの端子間が離れている程この不完全嵌合な状態が顕著化するので、効果的検出を行うことができて望ましい。
【0018】
雌コネクタハウジング20Aには第2雌端子27が装着されており、この第2雌端子27に接続したハーネス51は、複数系統に分岐してエンジン制御コントローラ、イグニッションコイル、インパネ内のメータの警告灯などの各電気装置とそれぞれヒューズ30a、30b、30c、・・・・30nを介して接続される。
【0019】
この分岐されたハーネス51のうち、一系統のハーネス52はヒューズ30nを介した後第3雌端子28を接続して再び雌コネクタハウジング20A内の端子収容室に挿入されている。一方、この第3雌端子28と相対向する雄コネクタハウジング20Bの端子収容室内には、コントロール・ユニット9とハーネス7接続した第3雄端子29が挿入されている。
【0020】
次に、このエアバッグシステムの回路配線構造の作用について説明する。
ワイヤーハーネスを車両に装備し、さらに、コネクタ20同士を完全嵌合した状態でイグニッションスイッチ3を操作すると、バッテリ13からの電流がヒュージブルリンク15、イグニッションスイッチ3、コネクタ20接続を経由した後、ハーネス51よりヒューズ30a、30b、30c、・・・・を介して各電気装置に供給される。また、ハーネス51より供給された電流は、ハーネス52、ヒューズ30n、コネクタ20接続を経由してコントロール・ユニット9にも供給される。一方、コネクタ同士が不完全な嵌合状態で嵌合作業が終了されたり、あるいは、組付け後に離脱したりすると、イグニッションスイッチ3を操作したとき、ハーネス5を流れる電流はコネクタ20間で遮断されることになって各電気装置へ供給されないので、これら装置は不作動状態のままとなる。
したがって、これらの電気装置の状態を監視することにより、コネクタ20の嵌合状態を、チェック機構の使用などによらず容易に検出できる。しかも、コネクタ20の嵌合状態が確実に検出されるので、特殊コネクタの使用なども不要にできる。
【0021】
なお、上記の実施形態において、エアバッグシステムは、エアバッグ・モジュールとコントロール・ユニットとが分離した分離型、あるいは、一体化してステアリングに一括装着される一体型のいずれのタイプにも適用できる。
【0022】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造によれば、エアバッグシステムを形成するハーネス相互の接続は、一対のコネクタを経由して車両のメイン回路へ電源供給するための配線経路を設定すると同時に、このコネクタより導出されたハーネスを分岐して、再度、上記のコネクタを経由させることによって行う。このため、コネクタが不完全嵌合状態にあると、メイン回路への電源供給路が遮断される同時に、エアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットへの通電も不成立となる。したがって、メイン回路の作動状態を監視することにより、コネクタの嵌合状態を容易に検出することができて、信頼性の高いエアバッグシステムの回路配線構造が得られる。また、普及タイプのコネクタを使用して特殊コネクタやチェック機構などを不要にするので、安価な配線構造を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るエアバッグシステムの回路配線構造の一実施形態による接続図である。
【図2】図1の回路配線構造に使用する雄雌コネクタの分離状態での斜視図である。
【図3】従来のエアバッグシステムの回路配線構造の接続図である。
【符号の説明】
3 イグニッションスイッチ
5、7、51 ハーネス
9 コントロール・ユニット
20 コネクタ
20A 雌コネクタハウジング
20B 雄コネクタハウジング
24、27、28 雌端子
25、26、29 雄端子
71 ショート・ハーネス
Claims (2)
- 相対向して嵌合する一対のコネクタを介してバッテリとエアバッグ・モジュールのコントロール・ユニットとを接続するエアバッグシステムの回路配線構造において、
前記バッテリとイグニッションスイッチを介して接続されたハーネスを、一方のコネクタハウジングより他方のコネクタハウジングを経由して再び前記一方のコネクタハウジングから電気的に取り出すと共に、前記一方のコネクタハウジングより取り出したハーネスを電気装置に分岐し、かつ分岐されたハーネスの一系統を前記コネクタを経由して前記コントロール・ユニットに結線することを特徴とするエアバッグシステムの回路配線構造。 - 前記電気装置は、エンジン制御コントローラ、イグニッションコイルなどであることを特徴とする請求項1記載のエアバッグシステムの回路配線構造。
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JP15308298A JP3682828B2 (ja) | 1998-06-02 | 1998-06-02 | エアバッグシステムの回路配線構造 |
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JPH11342825A JPH11342825A (ja) | 1999-12-14 |
JP3682828B2 true JP3682828B2 (ja) | 2005-08-17 |
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