JP3682811B2 - 車両用エンジンの制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用エンジンの制御装置に係り、とくに過給機によって過給を行なうようにした車両用エンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ダンプトラック、バルクトラック、コンクリートミキサー車、タンクローリ車等の車両は、ディーゼルエンジンを搭載し、このエンジンによって駆動輪を駆動しながら走行を行なうとともに、必要に応じて搭載装置をも駆動するようにしている。そして搭載されたディーゼルエンジンの出力を向上させるために、過給機を備え、過給を行なうようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような車両における加速時のターボブースト特性は車両の積載荷重の空積を問わず一定になっている。すなわち通常は積車に合わせたブースト特性の制御パターンによってエンジンの制御を行なうようにしているために、空車時には出力に余裕を生じる。従って加速感を積車時と同一になるように運転手がアクセルペダルの踏込みを調整することによって、仕事量を抑えて燃料消費を抑制できるようになる。
【0004】
しかしながら実際には、運転手が加速感を求め、アクセルペダルの踏込みを、積車時と同じようにして空車時も操作するために、余裕馬力を加速トルクに変換して浪費することになり、これによって空車時の燃費を稼ぐことができない。すなわちダンプトラック等の空車時の運行燃費は積車時に対して差が少なかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであって、力感をほとんど損うことなく、しかもとくに空車時の燃費の改善を図るようにした車両用エンジンの制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、過給機を備えるエンジンと、
前記過給機の下流側の給気圧を検出する給気圧検出手段と、
停車時に車両の積載荷重を検出する積載荷重検出手段と、
前記給気圧検出手段の検出に応じて前記エンジンに供給される燃料の供給量を制御する燃料供給量制御手段と、
前記燃料供給量制御手段が制御の際に参照する複数のターボブースト特性噴射量制御パターンと、
をそれぞれ具備し、前記ターボブースト特性噴射量制御パターンはフルブースト指示値を変更することなく空車時に過渡噴射量を絞るようになされ、前記積載荷重検出手段の検出による積車時と空車時に応じて前記複数のターボブースト特性噴射量制御パターンの内の1つが選択されるとともに、これに応じて前記燃料供給量制御手段によって燃料の供給量が制御されることを特徴とする車両用エンジンの制御装置に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施の形態に係る車両用エンジンの制御装置を備えるディーゼルエンジンを搭載したダンプトラックを示すものであって、このダンプトラックは車体を構成するフレーム90を備えるとともに、フレーム90の前端側にキャブ91が搭載され、フレーム90の後端側に荷台92が搭載されている。そしてフレーム90の前端側が前輪93によって、後端側が後輪94によってそれぞれ支持されるようになっている。なお後輪94が駆動輪を構成している。
【0008】
キャブ91の下側にはディーゼルエンジン70が搭載されている。ディーゼルエンジン70の後側にはトランスミッション97が連結されており、このトランスミッション97の出力をプロペラシャフトを介して後輪94に伝達するようにしている。
【0009】
そしてトランスミッション97には車速センサ98が取付けられており、この車速センサ98がディーゼルエンジン70の燃料噴射ポンプ10を制御するコンピュータ30に接続されている。また駆動輪を構成する後輪94が両側に取付けられている後軸99にはロードセンシングスイッチ100がレバー101を介して連結されている。そしてロードセンシングスイッチ100が同じくコンピュータ30に接続されるようになっている。
【0010】
次にキャブ91の下側に設けられているエンジン70について説明すると、図2に示すようにこのエンジン70のシリンダブロックの両側には吸気マニホールド71と排気マニホールド72とがそれぞれ取付けられている。吸気マニホールド71には吸気管73が接続されるとともに、この吸気管73の先端側にエアクリーナ74が接続されている。これに対して排気マニホールド72には排気管75が接続され、しかも排気管75にマフラ76が接続されるようになっている。
【0011】
さらにこのエンジン70は過給を行なうためのターボチャージャ80を備えている。ターボチャージャ80は排気タービン81とコンプレッサ82とから構成されており、ターボチャージャ80の排気タービン81を排気管75の途中の部分に接続するとともに、コンプレッサ82を吸気管73の途中の部分に接続している。なおコンプレッサ82はエアクリーナ74の下流側に接続されるとともに、このコンプレッサ82の下流側にインタクーラ83が接続されるようになっている。しかもコンプレッサ82の出力側のブースト圧がブースト圧検出センサ(給気圧検出センサ)84によって検出されるようになっている。このセンサ84の出力はコンピュータ30に供給されるようになっている。このコンピュータ30がエンジン70の各シリンダに順次燃料を供給する燃料噴射ポンプ10を制御するようにしている。
【0012】
エンジン70の各シリンダ内における燃焼によって生じた排気ガスが排気マニホールド72および排気管75を通して排出される。このときに排気管75の途中に接続されているターボチャージャ80の排気タービン81を駆動する。従ってこの排気タービン81と直結されているコンプレッサ82はエアクリーナ74を通して取込んだ吸気を圧縮するようになる。圧縮された吸気はさらにインタクーラ83によって冷却されるとともに、吸気管73を通して吸気マニホールド71に供給され、この吸気マニホールド71から対応するシリンダに順次供給される。そしてシリンダに供給された吸気が、燃料噴射ポンプ10によって供給される燃料の噴霧と混合されて混合気を形成し、この混合気がエンジン70のシリンダ内において燃焼されるようになる。
【0013】
次にエンジン70の各シリンダに順次燃料を供給する燃料噴射装置について説明すると、図3は燃料噴射用インジェクタを備える燃料噴射装置の全体の構成を示すものであって、この燃料噴射装置は燃料を加圧するための加圧ポンプ10を備えている。加圧ポンプ10はプランジャ11を備えており、このプランジャ11をカムシャフトに取付けられているカム12によって突上げるようにしており、プランジャ11の上側の空間の加圧室13の燃料が加圧されるようになる。
【0014】
燃料タンク15内の燃料はセジメンタ16およびフィルタ17を通してフィードポンプ18によって吸引されるようになっており、フィードポンプ18の吐出側に設けられている燃料フィルタ19を通して上記加圧ポンプ10のプランジャ11の上側の加圧室13に供給されるようになっている。なお加圧室13は一方向弁20を介してタンク15側に燃料をリークさせるようにしている。
【0015】
上記加圧室13の吐出側は一方向弁22を介して蓄圧室を構成するコモンレール23と接続されている。コモンレール23には一方向弁24が取付けられている。この一方向弁24はプレシッシャリミッタを構成しており、コモンレール23の圧力が設定圧を越えた場合に開いてタンク15側に燃料を戻すようにしている。またコモンレール23はフローリミッタ25を介してインジェクタ26と接続されている。フローリミッタ25はインジェクタ26に流れる燃料の流量が異常に増大した場合に遮断動作を行ない、異常噴射を阻止するためのものである。
【0016】
この燃料噴射装置の全体の制御を行なうためにコンピュータを含む電子制御装置30が設けられている。電子制御装置30はコモンレール23内の圧力を検出する圧力センサ31と接続されている。また加圧ポンプ10の加圧室13とリーク側の一方向弁20との間にはポンプ制御弁32が接続されており、その電磁コイル33が上記電子制御装置30によって制御されるようになっている。
【0017】
電子制御装置30にはアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルセンサ35、エンジンの回転数を検出するエンジン回転センサ36、エンジンに設けられている気筒判別センサ37、ポンプに設けられている気筒判別センサ38がそれぞれ接続されている。
【0018】
次に上記コモンレール23とフローリミッタ25を介して接続されているインジェクタ26の構成について説明すると、図4に示すようにこのインジェクタ26の先端側にはノズル本体40が取付けられている。ノズル本体40はノズルニードル41を摺動可能に保持しており、このノズルニードル41の先端側の部分がバルブシート42に圧着されるようになっており、これによって噴口43からの燃料の噴射の制御を行なうようにしている。またノズル本体40内には燃料だめ44が設けられており、この燃料だめ44へ燃料通路45を介して燃料圧が常時加えられるようになっている。
【0019】
ノズルニードル41はプッシュロッド48によって下方へ押圧されるようになっている。プッシュロッド48は押圧ばね49によって下方へ押圧されるとともに、このプッシュロッド48の上端をピストン50が押圧するようになっている。ピストン50はインジェクタ26のボディに設けられている液圧シリンダ51内に摺動可能に支持されるとともに、この液圧シリンダ51の入口側を閉じるように2枚のオリフィス52、53が重ねて配されている。
【0020】
上記オリフィス52、53についてより詳細に説明すると、ピストン50を摺動可能に保持するようにノズルボディ内に設けられている液圧シリンダ51の入口部分にはとくに図4に示すように、2枚のオリフィス52、53が互いに重合わされるように配されている。これらのオリフィス52、53はそれらの中心部にそれぞれ小孔56、57を備えるようになっている。
【0021】
ここで上側のオリフィス52の小孔56の方が下側のオリフィス53の小孔57よりも大きな寸法を有している。そしてこれらの小孔56、57の入口部分がともに面取りされて傾斜面を構成している。これらの傾斜面は上側のオリフィス52よりも下側のオリフィス53の方が大きくなっている。このように小孔56、57をそれぞれ具備するオリフィス52、53を重ねて配するとともに、それらの入口部分にそれぞれ面取りの傾斜面を形成することによって、図3に示す一方向弁54と絞り55との等価回路と機能的に同じくなり、燃料の噴射開始時の特性と燃料の噴射停止時との特性に差異をもたせ、燃料噴射率の特性がヒステリシスをもつようにしている。
【0022】
インジェクタ26の内部であってその上部には図3および図4に示す三方弁59が組込まれている。三方弁59は圧縮コイルばね60によって下方へ押圧されるとともに、ソレノイドコイル61によって上方へ付勢されるようになっている。そしてソレノイドコイル61の非励磁時においては、図4Aに示すように燃料通路62が三方弁59のポート63と連通されるようになっている。このポート63と連通されるように三方弁59の下部には下方に開放されている開口64が形成されている。
【0023】
また三方弁59はソレノイドコイル61の非励磁時に燃料通路62と燃料通路65とを遮断するようにしている。燃料通路65は燃料を逃がすためのポート66と連通されている。
【0024】
次に図3に示すシステムによる燃料噴射の動作を説明する。エンジンの出力の一部によって、フィードポンプ18と加圧ポンプ10とが駆動される。フィードポンプ18はセジメンタ16およびフィルタ17を介してタンク15内の燃料を吸引し、燃料フィルタ19を通して加圧ポンプ10の加圧室13内に燃料を充填する。
【0025】
加圧室13内の燃料は、カム12によって突上げられるプランジャ11によって加圧されるとともに、一方向弁22を通してコモンレール23に供給され、このコモンレール23によって燃料の蓄圧が行なわれる。ここで加圧ポンプ10のカム12よる加圧の際に、ポンプ制御弁32が電磁コイル33によって開閉制御されるようになっており、電子制御装置30のコンピュータが目標圧とコモンレール23の圧力のずれとに応じてポンプ制御弁32を閉じている時間を適当に演算し、常に目標圧になるように制御するようにしている。
【0026】
この動作をより詳細に説明すれば、加圧ポンプ10に設けられている制御弁32は電磁コイル33によって制御されるようになっており、ポンプ制御弁32が閉じられたときにプランジャ11が突上げられると、燃料が加圧されるとともに、制御弁32が開かれたときにプランジャ11が突上げられた場合には、燃料が制御弁32および一方向弁20を通してタンク15側に戻され、制御弁32によって圧力が逃がされることになる。加圧ポンプ10は制御弁32をON−OFFして吐出量を変化させ、コモンレール23の圧力センサ31の信号が電子制御装置30のコンピュータに与えられている目標値となるようにフィードバック制御されるようになっている。
【0027】
上記のような電子制御装置30によるコモンレール23内の圧力のフィードバック制御が何等かの異常によって正しく行なわれず、コモンレール23内の圧力が一方向弁24の設定圧を越えた場合には、プレッシャリミッタを構成する一方向弁24が開かれ、タンク15側に燃料圧が逃げるようになる。
【0028】
このようにコモンレール23には一定の圧力が蓄圧され、この圧力がフローリミッタ25を介してインジェクタ26に印加されている。
【0029】
図4Aは無噴射時のインジェクタ26を示しており、ソレノイドコイル61は非励磁状態にある。従って三方弁59は圧縮コイルばね60によって下方に押圧され、その先端部が燃料通路62、65を遮断している。従ってポート66が遮断状態にあり、コモンレール23の燃料圧は燃料通路62、三方弁59のポート63、開口64、液圧シリンダ51のオリフィス52、53の小孔56、57を通してピストン50の上面に作用している。
【0030】
上記コモンレール23の燃料圧は同時に燃料通路45および燃料だめ44を通してノズルニードル41に作用している。
【0031】
このときに下方に作用する力は液圧シリンダ51のピストン50が燃料圧によって受ける下方への力と押圧ばね49がプッシュロッド48を下方へ押圧する力の和である。これに対して上方への力はノズルニードル41が燃料だめ44の部分で燃料圧によって上方に作用するように受ける力である。
【0032】
ここで液圧シリンダ51のピストン50の直径の方がノズルニードル41の摺動シール部の直径よりもはるかに大きく、しかも押圧ばね49が加勢している下方への力がはるかに大きいために、ノズルニードル41の先端側の部分がバルブシート42に圧着され、このバルブシート42の部分でノズルニードル41が燃料を遮断しており、無噴射状態になる。
【0033】
電子制御装置30はアクセルペダルの踏込み量をアクセルセンサ35によって検出するとともに、回転検出センサ36によってエンジンの回転数を検出する。さらに必要に応じて他の情報を基に最適な噴射時間と噴射のタイミングとを演算する。そして所定のタイミングでソレノイドコイル61を励磁する。
【0034】
すると三方弁59がソレノイドコイル61によって上方へ付勢され、図4Bに示すように三方弁59が上方へリフトする。従ってこの三方弁59はバルブシートから離間し、液圧シリンダ51の上側の空間の部分が燃料通路65を介してポート66と連通される。従って液圧シリンダ51のピストン50を押圧していた燃料圧は液圧シリンダ51のオリフィス52、53の小孔56、57、燃料通路65、ポート66を介してリークすることになる。このために燃料圧による液圧シリンダ51のピストン50を下方へ押圧する力が解除される。
【0035】
従ってノズルニードル41を燃料だめ44に印加される燃料圧によって上方に押圧する力が押圧ばね49の押圧力に打勝ち、ノズルニードル41は上方にリフトし、このノズルニードル41の先端側の部分がバルブシート42から離間する。従って噴口43を通して燃料の噴射が行なわれる。
【0036】
上記液圧シリンダ51のピストン50の上部へ作用している燃料圧を解除する際に、液圧シリンダ51の入口部分に配されている一対のオリフィス52、53の小孔56、57が絞りとなるために、燃料圧の解除がゆっくりと行なわれることになる。従ってバルブシート42に対するノズルニードル41の上昇速度が緩衝されることになる。
【0037】
この後に再び図4Aに示すようにソレノイドコイル61の励磁電流を遮断すると、圧縮コイルばね60によって三方弁59が下方へ移動され、この三方弁59の先端部が燃料通路62、65を遮断する。しかも燃料通路62、ポート63、開口64を介し、オリフィス52、53の小孔56、57を経由して液圧シリンダ51のピストン50の上面に燃料圧が作動され、図4Aに示すようにノズルニードル41を下方へ強く押圧するようになる。
【0038】
このようにして燃料の噴射が行なわれる燃料噴射システムを搭載したエンジン70は、コンピュータ30によって図5に示すブースト特性の制御が行なわれるようになっている。コンピュータ30は図1に示すロードセンシングスイッチ100によって後軸99とフレーム90との間の間隔からこの車両が積載状態にあるのか空車状態にあるのかの検出を行なうとともに、積載時においては通常のブースト特性パターンの選択を行なう。この特性パターンは図6に示すようなパターンである。これに対してロードセンシングスイッチ100が空車であることを検出した場合には、燃料20%カットのブースト特性パターンの選択を行なう。この特性は図7に示される。
【0039】
このように本実施の形態に係るダンプトラックにおいては、駆動輪94の車軸99とフレーム90との間の距離を検出するロードセンシングスイッチ100および車速センサ98の検出によって、停車中の空車条件を検出し、空車の場合には図7に示すターボブースト特性の噴射量制御パターンを選択するようにしている。
【0040】
空車時に選択されるターボブースト特性噴射量制御パターンは、図6に示す通常の噴射特性制御パターンに対して10〜30%程度、例えば20%程度噴射量を減らした値に設定されている。積車時は通常のアクセルガバナパターンにブースト特性パターンを噴射量上限とした噴射量特性パターンで燃料の噴射量を制御するようにしているが、ロードセンシングスイッチ100によって荷降ろし(空車)が検出されると、ブースト特性パターンが空車用の絞り込まれた図7に示すパターンになる。この特性は上限値を制限する特性になっているために、アクセルペダルの踏込みによる無駄な空車加速による燃料浪費を抑え、空車時の運行燃費を改善させることになる。
【0041】
より具体的に説明すれば、図6に示すようなガバナパターンによって制御を行なう車両において、空車時においては最大噴射量はそのままであって過渡ブースト圧マップを20%程度抑えたものを用いるようにしている。このような特性によって、定常性能はそのままで過渡(加速時)の立上りを抑えることが可能になる。
【0042】
すなわち図8に示すように、2速のフル加速においてはターボチャージャ80の立上りの遅れのために、ブースト圧が定格値まで達せず、図8において実線で示す過渡部分を辿ってフル回転に至る。そしてこの後3速にシフトアップを行なうと、エンジン70の回転数が上って速くなるために、フルブーストトルクを辿り、通常時とほぼ同じトルクを発生することになる。すなわち図8において実線で示すような特性をとることによって、空車モードにおいても力感をほとんど損うことなく、しかも図9に示すように燃費の改善が図られる。実際に市街地走行において、3〜5%程度の改善が可能になる。
【0043】
このように本実施の形態のダンプ車に搭載されている車両用エンジンの制御装置によれば、空車状態を検知してターボブースト噴射パターンを絞るとともに、空車用ターボブースト噴射パターンのフルブースト指示値を変えずにその過渡噴射量を絞ることによって力感との両立を図るようにしている。
【0044】
このような制御装置を備えるエンジンは、ダンプトラック、バルクトラック、コンクリートミキサー車、タンクローリ車等に用いて好適なものである。このような車両は運行形態上、片道が空車運行となる車両であるが、このような車両において空車発進加速時における過渡のターボブースト特性を抑え込むことによって、運転手の加速トルクに対する無駄な燃料浪費を抑制し、定地燃費に対して7〜8倍の燃料を消費する加速燃費を向上させ、トータルとしての運行燃費の改善を図ることが可能になる。
【0045】
なお本実施の形態においては、燃料噴射装置として図3に示す蓄圧式の燃料噴射装置を用い、その噴射特性を積車時と空車時とで変更するようにしているが、燃料噴射装置としては従来の列型燃料噴射ポンプ、その他各種の燃料噴射システムが適用可能である。またコンピュータ30を備える制御装置に代えて、メカニカルガバナによって噴射特性を変更するようにしてもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上のように本発明は、過給機を備えるエンジンと、過給機の下流側の給気圧を検出する給気圧検出手段と、停車時に車両の積載荷重を検出する積載荷重検出手段と、給気圧検出手段の検出に応じてエンジンに供給される燃料の供給量を制御する燃料供給量制御手段と、燃料供給量制御手段が制御の際に参照する複数のターボブースト特性噴射量制御パターンと、をそれぞれ具備し、ターボブースト特性噴射量制御パターンはフルブースト指示値を変更することなく空車時に過渡噴射量を絞るようになされ、積載荷重検出手段の検出による積車時と空車時に応じて複数のターボブースト特性噴射量制御パターンの内の1つが選択されるとともに、これに応じて燃料供給量制御手段によって燃料の供給量が制御されるようにしたものである。
【0047】
従って空車時における制御パターンをエンジンの出力馬力に影響するブースト特性を変えずに過渡時の途中のブースト特性を絞り込んで適切な制御パターンとすることによって、過渡のブースト特性を抑え込み、空車時にエンジンが吹上り易い例えば2速あるいは3速のギヤ位置を中心に吹上り途中の噴射量を抑えることにより、出力馬力を変えることなく加速燃費を向上させ、トータルとしての燃費の改善を図ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施の形態に係る車両用エンジンの制御装置を備えるダンプ車の側面図である。
【図2】同エンジンの平面図である。
【図3】燃料噴射装置の全体の構成を示すブロック図である。
【図4】インジェクタの動作を示す縦断面図である。
【図5】制御パターンの選択の動作を示すフローチャートである。
【図6】積車時のブースト特性の制御パターンのグラフである。
【図7】空車時のブースト特性の制御パターンのグラフである。
【図8】エンジンの回転数の変化を示すグラフである。
【図9】燃費を示すグラフである。
【符号の説明】
10 加圧ポンプ
11 プランジャ
12 カム
13 加圧室
15 タンク
16 セジメンタ
17 フィルタ
18 フィードポンプ
19 燃料フィルタ
20 一方向弁
22 一方向弁
23 コモンレール(蓄圧室)
24 一方向弁(プレッシャリミッタ)
25 フローリミッタ
26 インジェクタ
30 電子制御装置(コンピュータ)
31 圧力センサ
32 ポンプ制御弁
33 電磁コイル
35 アクセルセンサ
36 エンジン回転センサ
37 気筒判別センサ(エンジン)
38 気筒判別センサ(ポンプ)
40 ノズル本体
41 ノズルニードル
42 バルブシート
43 噴口
44 燃料だめ
45 燃料通路
48 プッシュロッド
49 押圧ばね
50 ピストン
51 液圧シリンダ
52、53 オリフィス
54 一方向弁
55 オリフィス
56、57 小孔
58 傾斜面(面取り)
59 三方弁
60 圧縮コイルばね
61 ソレノイドコイル
62 燃料通路
63 ポート
64 開口
65 燃料通路
66 ポート
70 シリンダブロック(エンジン)
71 吸気マニホールド
72 排気マニホールド
73 吸気管
74 エアクリーナ
75 排気管
76 マフラ
80 ターボチャージャ
81 排気タービン
82 コンプレッサ
83 インタクーラ
84 ブースト圧検出センサ
90 フレーム
91 キャブ
92 荷台
93 前輪
94 後輪(駆動輪)
97 トランスミッション
98 車速センサ
99 後軸
100 ロードセンシングスイッチ
101 レバー
Claims (1)
- 過給機を備えるエンジンと、
前記過給機の下流側の給気圧を検出する給気圧検出手段と、
停車時に車両の積載荷重を検出する積載荷重検出手段と、
前記給気圧検出手段の検出に応じて前記エンジンに供給される燃料の供給量を制御する燃料供給量制御手段と、
前記燃料供給量制御手段が制御の際に参照する複数のターボブースト特性噴射量制御パターンと、
をそれぞれ具備し、前記ターボブースト特性噴射量制御パターンはフルブースト指示値を変更することなく空車時に過渡噴射量を絞るようになされ、前記積載荷重検出手段の検出による積車時と空車時に応じて前記複数のターボブースト特性噴射量制御パターンの内の1つが選択されるとともに、これに応じて前記燃料供給量制御手段によって燃料の供給量が制御されることを特徴とする車両用エンジンの制御装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29801096A JP3682811B2 (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | 車両用エンジンの制御装置 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP29801096A JP3682811B2 (ja) | 1996-10-22 | 1996-10-22 | 車両用エンジンの制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10122007A JPH10122007A (ja) | 1998-05-12 |
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