JP3682324B2 - プレート式熱交換器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プレート式熱交換器は、複数枚のプレートをガスケットを介して積層してプレート相互間に複数の流路を形成し、これら流路に異種の流体を交互に流通して両流体間でプレートを介して熱交換を行なっている。
【0003】
このようなプレート式熱交換器においては、例えば図7に示す如き、プレート(1)が使用されている。このプレート(1)は、四隅に流体の出入口となる通路孔(2)(3)(4)(5)を設け、このうち一側上下の通路孔(2)(3)に臨んで堰部および三角堰部からなる略三角形状の分配面(6)(7)を上下に設け、この分配面(6)(7)間に主伝熱面(8)を設けたもので、一側上下の通路孔(2)(3)を分配面(6)(7)および主伝熱面(8)と連通し、かつ、他側上下の通路孔(4)(5)を分配面(6)(7)および主伝熱面(8)と2重に遮断するように合成ゴム等の耐熱性を有する弾性材から製作されたガスケット(9)を装着し、これを交互に平面上で180°回転させて、即ち、上下反転させて積層することにより複数の流路を有するプレート式熱交換器を形成している。
【0004】
そして、このようなプレート式熱交換器においては、流体はプレート(1)の通路孔(2)から流入して分配面(6)で主伝熱面(8)に平均的に分配され、主伝熱面(8)を流れ、分配面(7)を通って通路孔(3)から排出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、この種のプレート式熱交換器においては、プレート(1)の主伝熱面(8)を流れる流体の流れの均一化を図るようにしている。プレート(1)の主伝熱面(8)を流れる流体の流れを均一化すると、伝熱性能の向上をもたらして少ない伝熱面積で大きな交換熱量が得られるため、資源の有効活用、機器のコンパクト化による流通コストの低減および設置スペースの確保などの利点を有する。
【0006】
従来、プレート(1)の主伝熱面(8)を流れる流体の流れの均一化を図るため、分配面(6)(7)に流体の流れを均一化するための各種の形状が設けられてきたが、分配面(6)(7)で主伝熱面(8)を流れる流体の流れの均一化を図るためには、プレート(1)全体から見ると非常に小さい範囲に流体の流れを抑制する形状を設けなければならず、緩やかな抑制形状でなく急激な抑制形状となっていた。そのため、伝熱性能の向上と相俟って大きな圧力損失の増大を招くとともに、小さな範囲で均一な流体の流れを得るには限界があった。
【0007】
本発明は、従来の上記問題点に鑑み、プレートの主伝熱面を流れる流体の流れの均一化を圧力損失を低く抑制させて図ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、本発明は、複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器において、上記プレートの主伝熱面の一方片側に、これを流れる流体の流れに対して抵抗となる畝形状を形成したものである。
【0009】
本発明によれば、畝形状により主伝熱面を流れる流体の流れを均一化することができるから、大きな範囲で緩やかに流体の流れを均一化できて圧力損失を低く抑えることができるとともに、流体の均一な流れを確実に得ることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のプレート式熱交換器を図1乃至図6に示す実施の形態に基づいて説明する。図1乃至図6は本発明のプレート式熱交換器において使用されるプレート(1)を示すものである。尚、以下の記述において、従来技術を示す図7と同一部分には、原則として同一の符号を付して重複する事項に関しては説明を省略する。
【0011】
図1に示すプレート(1)は、この発明の第1の実施の形態として、主伝熱面(8)の入口部(図中上方部)および出口部(図中下方部)に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で対向させて傾斜する凸畝(10)と凹畝(11)とを上下対称に設けている。
【0012】
凸畝(10)は主伝熱面(8)の上段レベルに突出して形成され、凹畝(11)は主伝熱面(8)の下段レベルに陥入して形成されており、プレート(1)を積層組み合せた際に、凸畝(10)が表面側に隣接するプレート(1)の凹畝(11)と衝合するとともに、凹畝(11)が裏面側に隣接するプレート(1)の凸畝(10)と衝合する。
【0013】
この第1の実施の形態にあっては、プレート(1)の通路孔(2)から流入した流体は、通路孔(2)から通路孔(3)に至る最短の流路に向けて多く流れる傾向にあるが、プレート(1)の主伝熱面(8)の入口部および出口部に設けた凸畝(10)および凹畝(11)が、プレート(1)を積層組み合せた状態で、表面側および裏面側に隣接するプレート(1)の凹畝(11)および凸畝(10)と衝合して流体の流れに対して抵抗となるため、流体は緩やかに流れを抑制されて主伝熱面(8)を均一に流れるようになる。
【0014】
図2に示すプレート(1)は、この発明の第2の実施の形態として、主伝熱面(8)の入口部(図中上方部)および出口部(図中下方部)に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で対向させて傾斜するよう断続的に配置される複数の凸部(12)と凹部(13)とを上下対称に設けたものであり、凸部(12)は主伝熱面(8)の中段レベルに突入して形成され、凹部(13)は主伝熱面(8)の中段レベルに陥入して形成され、プレート(1)を積層組み合せた際に、複数の凸部(12)および凹部(13)が隣接するプレート(1)の複数の凹部(13)および凸部(12)と対応されることにより流路を断続的に狭窄させて第1の実施の形態に比べてやや小さくなるが流体の流れに対して抵抗となるため、流体は緩やかに流れを抑制されて主伝熱面(8)を均一に流れるようになる。
【0015】
図3に示すプレート(1)は、この発明の第3の実施の形態として、主伝熱面(8)の入口部(図中上方部)および出口部(図中下方部)の一方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜する凸畝(10)を上下に対向させて設けたものであり、凸畝(10)は主伝熱面(8)の上段レベルに突出して形成されており、プレート(1)を積層組み合せた際に、凸畝(10)が第1の実施の形態に比べてやや小さくなるが流体の流れに対して抵抗となるため、流体は緩やかに流れを抑制されて主伝熱面(8)を均一に流れるようになる。
【0016】
図4に示すプレート(1)は、この発明の第4の実施の形態として、主伝熱面(8)の入口部(図中上方部)および出口部(図中下方部)の一方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜するよう断続的に配置される複数の凸部(12)を上下に対向させて設けたものであり、複数の凸部(12)は主伝熱面(8)の中段レベルに突出して形成され、プレート(1)を積層組み合せた際に、複数の凸部(12)が第1の実施の形態に比べてやや小さくなるが流体の流れに対して抵抗となるため、流体は緩やかに流れを抑制されて主伝熱面(8)を均一に流れるようになる。
【0017】
図5および図6に示すプレート(1)は、この発明の第5および第6の実施の形態として、主伝熱面(8)の入口部(図中上方部)あるいは出口部(図中下方部)の一方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜する凸畝(10)を設け、主伝熱面(8)の出口部(図中下方部)あるいは入口部(図中上方部)の他方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜する凹畝(11)を凸畝(10)と上下対称に配置して設けたものであり、凸畝(10)は主伝熱面(8)の上段レベルに突出して形成され、凹畝(11)は主伝熱面(8)の下段レベルに陥入して形成され、プレート(1)を積層組み合せた際に、主伝熱面(8)の入口部あるいは出口部の一方片側に設けた凸畝(10)が、表面側に隣接するプレート(1)の主伝熱面(8)の出口部あるいは入口部の他方片側に設けた凹畝(11)と衝合して流体の流れに対して抵抗となるため、流体は緩やかに流れを抑制されて主伝熱面(8)の入口部あるいは出口部で均一に流れるようになる。
【0018】
尚、図1乃至図6は、本発明の幾つかの実施の形態を示したもので、本発明は、これら実施の形態に限定されるものではなく、図示されていないが、例えば主伝熱面(8)の入口部あるいは出口部の一方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜するように断続的に複数の凸部(12)を配置して設け、主伝熱面(8)の出口部あるいは入口部の他方片側に、プレート(1)の中心線に対して任意の角度で傾斜するように断続的に複数の凹部(13)を凸部(13)と上下対称に配置して設けても、流体を緩やかに流れを抑制させて主伝熱面(8)の入口部あるいは出口部で均一に流すことが可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、プレートの主伝熱面の一方片側に、これを流れる流体の流れに対して抵抗となる畝形状を形成したから、畝形状により主伝熱面を流れる流体の流れを均一化することができる。この結果、大きな範囲で緩やかに流体の流れを均一化できて圧力損失を低く抑えることができるとともに、流体の均一な流れを確実に得ることができ、伝熱性能の大幅な向上をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートを示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線に沿う表面側に隣接するプレートとの積層組み合わた状態の断面図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートを示すもので、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線に沿う表面側に隣接するプレートとの積層組み合わた状態の断面図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートの平面図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートの平面図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートの平面図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係るプレート式熱交換器において使用されるプレートの平面図である。
【図7】従来のプレート式熱交換器において使用されるプレートの平面図である。
【符号の説明】
1 プレート
2〜5 通路孔
6,7 分配面
8 主伝熱面
10 凸畝
11 凹畝
12 凸部
13 凹部

Claims (5)

  1. 複数枚のプレートを積層してなるプレート式熱交換器において、上記プレートの主伝熱面の一方片側に、これを流れる流体の流れに対して抵抗となる畝形状を形成したことを特徴とするプレート式熱交換器。
  2. プレートの主伝熱面を流れる流体の流れに対して抵抗となる畝形状を連続あるいは断続的な配置で形成したことを特徴とする請求項1に記載のプレート式熱交換器。
  3. プレートの主伝熱面の入口部あるいは出口部に流体の流れに対して抵抗となる畝形状を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のプレート式熱交換器。
  4. プレートの主伝熱面を流れる流体の流れに対して抵抗となる畝形状を上記プレートの主伝熱面の他方片側にも配置するとともに、一方片側の畝形状を主伝熱面に対して凸状とし、かつ、他方片側の畝形状を凹状として形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプレート式熱交換器。
  5. プレートを積層して組み合わせた際に、凸畝を表面側に隣接するプレートの凹畝と衝合させるとともに、凹畝を裏面側に隣接するプレートの凸畝と衝合させたことを特徴とする請求項4に記載のプレート式熱交換器。
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